JPH0687973B2 - アフイニテイー担体 - Google Patents

アフイニテイー担体

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JPH0687973B2
JPH0687973B2 JP63085350A JP8535088A JPH0687973B2 JP H0687973 B2 JPH0687973 B2 JP H0687973B2 JP 63085350 A JP63085350 A JP 63085350A JP 8535088 A JP8535088 A JP 8535088A JP H0687973 B2 JPH0687973 B2 JP H0687973B2
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茂 大隈
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鐘紡株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アフイニテイー担体に関する。
さらに詳しくは、再生セルロースから実質的になる多孔
性のアフイニテイー担体に関する。
(従来の技術) 生体系で産生される微量物質を特異的に吸着し分離、精
製したり、血しょう製剤から特定成分を除去する目的に
対し、生体物質間の特異的な親和力を利用するアフイニ
テイー分離技術が広く用いられている。
こうした目的に用いられるアフイニテイー担体として
は、対象以外の蛋白、脂質等の非特異的な吸着のない親
和性素材が適しており、従来、アガロースやデキストラ
ン、ポリアクリルアミド等の架橋粒子が主に利用されて
いる。しかしながら、これらの架橋粒子は強度が小さい
ため低圧条件での使用に限定され、分離に長時間を要す
る難点があった。こうした欠点を解決して、高圧条件で
使用して短時間で分離、精製を行う目的から、架橋度の
大きなアガロース系担体、ポリビニルアルコール系担
体、セルロース系担体等が開発されているが、リガンド
導入量、担体強度、非特異吸着等の全ての性能に於いて
十分に満足のいくものは未だ開発されていない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、新規なアフイニテイ担体を提供するこ
とにある。
本発明の他の目的はアフイニテイ担体として優れた性能
を発揮する細孔および細孔分布を有する新規なアフイニ
テイ担体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的はカラムに充填した際に大きな
耐圧強度を発揮し、それ故被処理液を加圧下に通じて大
きい流通速度で処理することができる処理能力の大きな
アフイニテイ担体を提供することにある。
本発明のさらに他の目的はリガンド導入可能量が大きく
しかも非特異吸収性の小さなアフイニテイ担体を提供す
ることにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明
らかとなろう。
本発明によれば本発明の上記目的および利点は、 (a)湿潤時の粒径が500μm以下の球状ないし長球状
の粒子から実質的になり、 (b)X線回折法による結晶化度が5〜45%の範囲にあ
り、 (c)臨界点乾燥時の粒子について、水銀ポロシメータ
ー法により測定した孔径と孔容積の関係において、孔径
0.006〜1μmの区間に孔容積の極大値を有し且つ同区
間にある孔の全容積が少くとも0.05ml/gであり、 (d)アルブミンの導入可能量が少くとも30mg/gであり
そして (e)湿潤時の耐圧性が少くとも5kg/cm2である、 ことを特徴とする多孔性微小セルローズ粒子からなるア
フイニテイー担体によって達成される。
本発明の多孔性微小セルロース粒子は第1に湿潤時の粒
径が500μm以下の球状ないし長球状の粒子から実質的
になる。湿潤時の粒径は後述する方法に従って測定され
る。本発明の多孔性微小セルローズ粒子は好ましくは3
〜400μmの粒径を有し、さらに好ましくは10〜300μm
の粒径を有している。
また、本発明の多孔性微小セルローズ粒子は、球状ない
し長球状の粒子から実質的に構成されている。本明細書
においていう“長球状”とは、粒子の投影図あるいは平
面図が例えば楕円形、長く伸びた円形、ピーナッツ形あ
るいは卵形の如き形状にあるものを包含する概念であ
る。本発明の多孔性微小セルローズ粒子は上記の如く球
状ないし長球状であり、従って角ばっていたりあるいは
不定形である粒子とは相違する。
第2に、本発明の多孔性微小セルローズ粒子は、X線回
折法による結晶化度が5〜45%の範囲、好ましい結晶化
度は10〜43%の範囲にあり、より好ましい結晶化度は20
〜40%の範囲にある。
第3に、本発明の多孔性微小セルローズ粒子は、臨界的
乾燥時の粒子について、水銀ポロメーター法により測定
した孔径と孔容積の関係において、孔径0.006〜1μm
の区間に孔容積の極大値を有し且つ同区間にある孔の全
容積が少なくとも0.05ml/gである。
臨界的乾燥は後述する特定の方法によって実施される
が、臨界的乾燥によれば乾燥して得られた粒子の孔の形
状や分布が湿潤時の状態をよく再現するため、湿潤時の
孔容積と孔径が重要視されるアフイニテイ担体粒子につ
いて臨界的乾燥は極めて意味がある。
本発明の多孔性微小セルローズ粒子は、同区間にある孔
の全容積が、好ましくは0.1〜3ml/gの範囲にあり、より
好ましくは0.12〜2.5ml/gの範囲にある。
本発明の多孔性微小セルローズ粒子の孔径と孔容積の関
係は、水銀ポロシメーター法により測定される。求めら
れた同関係を使用して孔の内表面の面積を算出すること
ができる。
本発明の多孔性微小セルローズ粒子は、そのようにして
算出した内表面の面積として、好ましくは15〜400m2/g
の範囲の値、より好ましくは25〜350m2/gの範囲の値を
有する。
第4に、本発明の多孔性微小セルローズ粒子はアルブミ
ンの導入可能量が少くとも30mg/gである。アルブミン導
入可能量は好ましくは少くとも50mg/gである。
最後に、本発明の多孔性微小セルローズ粒子は少くとも
5kg/m2の耐圧性を有する。好ましい耐圧性は少くとも20
kg/cm2であり、より好ましい耐圧性は少くとも60kg/cm2
である。
本発明の多孔性微小セルローズ粒子としては、さらにX
線回折図において、回折角(2θ)20.0±0.3゜および2
1.8±0.3゜に明瞭に区別できる2本のピークを有するも
のが好ましい。
本発明の多孔性微小セルローズ粒子からなるアフイニテ
イ担体には種々のリガンドを導入することが可能であ
る。
本発明のアフイニテイー担体に導入するリガンドとして
は、例えば目的に応じて各種抗原に結合する抗体、免疫
グロブリンIgGに結合するプロテインA、酵素等に親和
性を有するペプチド類、修飾蛋白質及びペプチド類、ア
ミノ産、補酵素、ビタミン類、或いは脂質、ステロイド
類、又ホルモン等に対する受容蛋白質類、色素類、ポリ
ヌクレオチド類、糖類、レクチン等の糖蛋白質などを挙
げることができる。
これらのリガンドは、例えば多孔性微粒子セルローズ粒
子に臭化シアンを用いて活性基を導入する方法、多孔性
微粒子セルローズ粒子を過ヨウ素酸で酸化して活性基と
してアルデヒド基を生じさせる方法、多孔性微小セルロ
ーズ粒子をブロムアセチルブロミドで処理してハロゲン
化アセチル基を導入する方法、多孔性微小セルローズ粒
子をシアヌルクロリドと反応させてシアヌルセルローズ
とする方法、 多孔性微小セルローズ粒子をエピンロルヒドリン等と反
応させてエポキシ基を導入する方法。かくして生成する
エポキシ化多孔性微小セルローズ粒子にアンモニアを反
応させてアミノ基を導入するかあるいは上記した方法で
製造した臭化シアン化粒子シアミノエタン等を反応させ
てアミノ基を導入し次いでグルタルアルデヒドを反応さ
せてアルデヒド基を導入する方法等を挙げることができ
る。本発明のアフイニテイ担体にリガンドを導入する方
法は、上記の方法に限定されず、リガンドの種類、性
質、化学構造等により選択される。一般的には、上記の
如き多糖類系担体に対して用いられる方法を適用するの
が望ましい。
これらの方法により担体に導入された反応性基は温和な
条件でリガンドと反応するため、容易にリガンドを担体
に結合することができる。リガンドの導入量は、その目
的と分離条件に応じて適宜選択される。
実際のアフイニテイー分離に際して、要求されるリガン
ド結合量は必ずしも大きい方が良好であるとは限らず最
適量が存在し、又その量も対象により一概には決定でき
ないが、活性基導入可能量が大きいため、必要に応じ、
広い範囲で結合量を設定することができる特徴をする。
また、本発明のアフイニテイー担体は、その製造法によ
り若干変化するが、強度が大きいため、カラム充填して
使用した場合の耐圧性が上記のとおり、5kg/cm2以上と
優れ、従って、費用により高い流速で使用できることも
大きな特徴の一つである。更に他の特徴としては分離の
対象以外の成分の非特異吸着性が著しく低いことが挙げ
られる。特にイオン強度が小さい条件下に於いても蛋白
質等の非特異吸着が殆んどみられない為、高性能の分離
精製が可能である利点がある。
本発明の多孔性微小セルロース粒子は、以上に述べた如
くアフイニテイー担体として優れた性能を有すると共
に、安価で広く存在するセルロースを原料とし、経済性
の点からも優れたものである。以下の実施例に示すとお
り、実際にリガンドを導入して行なった加圧条件下での
分離、精製工程に於いても良好な結果が得られている。
本発明の多孔性微小セルローズ粒子は、本発明によれ
ば、例えば下記のようにして製造できる。すなわち、第
1の工程によりセルローズザンテートをセルローズ換算
で5〜60重量%含有する凝固ビスコース微粒子を準備
し、第2工程により凝固ビスコース微粒子を酸で中和し
たのち、第3工程により生成したセルローズ微粒子を母
液から分離する。第1の工程で使用する凝固ビスコース
微粒子は第1に、 (A) セルローズザンテートとそれ以外の第1の水溶
性高分子化合物のアルカリ性高分子水溶液を準備し、 (B) 上記アルカリ性高分子水溶液と第2の水溶性の
アニオン性高分子化合物とを混合して該アルカリ性高分
子水溶液の微粒子分散液を生成せしめ、 (C) 上記分散液を加熱するかあるいは上記分散液を
セルローズザンテートの凝固剤と混合することによって
該分散液中のセルローズザンテートを上記第1の水溶性
高分子化合物を含有する形態の微粒子として凝固させる
ことによって製造することができる。
また本発明の第1工程で使用する凝固ビスコース微粒子
は、第2に (A) セルローズザンテートとそれ以外の第1の水溶
性高分子化合物のアルカリ性高分子水溶液を準備し、 (B) 上記アルカリ性高分子水溶液と数平均分子量1,
500以上の水溶性のポリエチレングリコール又はポリエ
チレングリコール誘導体を混合して、55℃以上の温度で
該アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成せし
め、 (C) 上記分散液を上記分散液生成の際の温度と同等
ないしそれ以上の温度でさらに加熱するかあるいは上記
分散液をセルローズザンテートの凝固剤と混合すること
によって該分散液中のセルローズザンテートを上記第1
の水溶性高分子化合物を含有する形態の微粒子として凝
固させることによって製造することができる。
上記第1の方法と第2の方法とは、上記のとおり、セル
ローズザンテートと第1の水溶性高分子化合物のアルカ
リ性高分子水溶液を準備する工程(A)、アルカリ性高
分子水溶液の微粒子分散液を生成する工程(B)、セル
ローズを含有する微粒子を生成する工程(C)からな
り、基本的に同じ工程から構成されている。
第1の方法と第2の方法は、上記工程(B)において用
いる第2の高分子化合物が第1の方法ではアニオン性で
あるのに対し第2の方法では非イオン性である点で相違
する。以下先ず、本発明にて使用する凝固ビスコース微
粒子の第1の製造方法について説明する。
第1の方法によれば、上記のとおり、工程Aによりセル
ローズザンテートとそれ以外の第1の水溶性高分子化合
物のアルカリ性高分子水溶液を準備し、工程Bにより該
アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成し、工程
Cにより第1の水溶性高分子化合物を含有する形態の微
粒子を生成せしめる。セルローズザンテートとそれ以外
の第1の水溶性高分子化合物のアルカリ性高分子水溶液
を調整する工程Aは、セルローズザンテートとそれ以外
の第1の水溶性高分子化合物を同時に水またはアルカリ
水溶液で溶解するか、あるいはセルローズザンテートを
水またはアルカリ水溶液で先ず溶解し、得られたビスコ
ースに第1の水溶性高分子化合物を溶解するか、あるい
は、第1の水溶性高分子化合物を水またはアルカリ水溶
液で溶解した後、該溶解液でセルローズザンテートを溶
解することによって実施することができる。
上記溶解は、例えばニーダ又は高粘度攪拌翼による混合
で実施することができる。
セルローズザンテートはレーヨン製造工程またはセロフ
ァン製造工程の中間体として得られるものでよく、例え
ばセルローズ濃度33重量%、アルカリ濃度16重量%およ
びγ価40程度のセルローズザンテートが好適である。
第1の水溶性高分子化合物としては、例えば非イオン性
あるいはアニオン性の高分子化合物が好適に用いられ
る。非イオン性の第1の水溶性高分子化合物としては、
例えばポエチレングリコール、ポリエチレングリコール
誘導体又はポリビニルピロリドンがあげられる。これら
の高分子化合物は、例えば400以上の数平均分子量を有
しており、好ましいものは600〜400,000の数平均分子量
を有している。
ポリエチレングリコール誘導体としては、例えばポリエ
チレングリコールの片末端の水酸基のみを炭素数1〜18
のアルキル基、炭素数1〜18のアルキルで置換されたフ
ェニル基又は炭素数2〜18のアシル基で封鎖された水溶
性化合物あるいはA−B−A′型のブロック共重合体
(A,A′は同一もしくは異なりポリエチレンオキシドブ
ロックを表わし、Bはポリプロピレンオキシドブロック
を表わす)が好適に用いられる。より具体的に、例えば
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチ
レングリコールモノラウリルエーテル、ポリエチレング
リコールモノセチルエチル;ポリエチレングリコールモ
ノメチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモ
ノノニルフェニルエーテル;ポリエチレングリコールモ
ノアセテート、ポリエチレングリコールモノラウレー
ト;およびポリオキシエチレンブロック−ポリオキシプ
ロピレンブロック−ポリオキシエチレンブロック等をあ
げることができる。
また、アニオン性の第1の水溶性高分子化合物は、例え
ばアニオン性基として例えばスルホン酸基、ホスホン酸
基又はカルボン酸基を有するものが好ましい。これらの
アニオン性基は遊離酸の形態にあつても塩の形態にあっ
てもよい。
アニオン性基としてスルホン酸基を持つ第1の水溶性高
分子化合物は、該スルホン酸基を例えばビニルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、メチルスチレンスルホン酸、
アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、アクリルアミ
ドメタルプロパンスルホン酸又はこれらの塩の如き単量
体に由来することができる。
同様に、アニオン性基としてホスホン酸基を持つ第1の
水溶性高分子化合物は例えばスチレンホスホン酸、ビニ
ルホスホン酸又はこれらの塩の如き単量体に由来するこ
とができる。
また、アニオン性基としてカルボン酸基を持つ水溶性高
分子化合物は例えばアクリル酸、メタリン酸、スチレン
カルボン酸、マレイン酸、イタコン酸又はこれらの塩の
如き単量体に由来することができた。
例えばカルボン酸基を持つ第1の水溶性高分子化合物
は、例えばアクリル酸ソーダを単独であるいは他の共重
合可能な単量体例えばアクリル酸メチルと混合して、そ
れ自体公知の方法に従って重合して、アクリル酸ソーダ
の重合単位を含むホモポリマー又はコポリマーとして供
給される。また、例えばスチレンのホモポリマーをスル
ホン化してスルホン酸基を持つ水溶性高分子化合物を製
造することもできる。
スルホン酸基がスチレンスルホン酸以外の他の単量体に
由来する場合およびスルホン酸基、カルボン酸基がそれ
ぞれ上記の如き単量体に由来する場合についても同様で
ある。
水溶性の第1のアニオン性高分子化合物は、アニオン性
基を持つ上記の如き単量体の重合単位を好ましくは少く
とも20モル%含有する。かかる好ましい高分子化合物に
は、コポリマー及びホモポリマーが包含される。
水溶性のアニオン性高分子化合物は、好ましくは少くと
も5,000、より好ましくは1万〜300万の数平均分子量を
有している。
工程Aで使用される水溶性の第1のアニオン性高分子化
合物には、上記の如きビニルタイプの重合体に限らず、
その他例えばカルボキシメチルセルローズ、スルホエチ
ルセルローズあるいはそれらの塩例えばNa塩が包含され
る。
第1の方法によれば、上記のとおり、先ず工程Aでアル
カリ性高分子水溶液が準備される。該高分子水溶液はセ
ルローズザンテート由来のセルローズ濃度として、好ま
しくは3〜15重量%、より好ましくは5〜12重量%に調
整され、またアルカリ濃度として好ましくは2〜15重量
%、より好ましくは5〜10重量%に調整される。さらに
第1の水溶性高分子化合物は、好ましくはセルローズ1
重量部当り0.03〜5重量部となるように調整される。
第1の方法によれば、上記工程Aで調整され準備したア
ルカリ性高分子水溶液は、次いで工程Bによって第2の
水溶性のアニオン性高分子化合物と混合せしめられる。
混合はアルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成す
ることのできる如何なる手段を用いることもできる。例
えば、攪拌翼や邪魔板等による機械的攪拌、超音波攪拌
あるいはスタテックミキサーによる混合を単独であるい
は組合せて実施することができる。
第2の水溶性のアニオン性高分子化合物は、好ましくは
水溶液として、より好ましくは該第2の高分子化合物の
濃度が0.5〜25重量%、特に好ましくは2〜22重量%の
水溶液として、用いられる。かかる水溶液は、さらに、
20℃における粘度が3センチポイズ〜5万センチポイ
ズ、特に5センチポイズ〜3万センチポイズであるもの
が好ましい。
アルカリ性高分子水溶液と第2の水溶性のアニオン性高
分子化合物とは、アルカリ性高分子水溶液中のセルロー
ズ1重量部当り該第2の高分子化合物0.3〜100重量部、
より好ましくは1〜45重量部、特に好ましくは4〜20重
量部で用いられ、混合せしめられる。混合は、アルカリ
性高分子水溶液中に含まれる二硫化炭素の沸点よりも低
い温度で実施するのが有利であり、より好ましくは0〜
40℃の範囲で実施される。
本発明者の研究によれば、工程Aの上記アルカリ性高分
子水溶液中に、例えば炭酸カルシウムの如き酸分解性の
無機塩を分散剤として、例えば0.5〜5重量%存在せし
める場合には、第2工程で生成される微粒子分散液にお
ける微粒子の形態が安定に且つ良好に保持されることが
明らかとなった。
第2の水溶性のアニオン性高分子化合物としては、アニ
オン性の上記第1の水溶性高分子化合物の前記例示した
化合物と同一のものが例示できる。第2の水溶性のアニ
オン性高分子化合物は第1の水溶性高分子化合物と同一
であっても異なっていてもよい。
本凝固微粒子の製造方法によれば、上記工程Bで生成し
たアルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液は、次いで工
程Cによって凝固せしめられる。
上記凝固の反応は、生成した分散液に混合操作を加えな
がら実施するのが望ましい。
加熱による凝固はアルカリ性高分子水溶液中に含まれる
二硫化炭素の沸点以上の温度例えば50゜〜90℃の温度で
有利に実施できる。凝固剤による凝固の場合にはこのよ
うな温度に高める必要はなく、通常0〜40℃の温度で凝
固を実施することができる。凝固剤としては、例えば低
級脂肪族アルコール、無機酸のアルカリ金属又はアルカ
リ土類金属塩およびそれらと第3の水溶性高分子化合物
との組合せが好ましく用いられる。低級脂肪族アルコー
ルは直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよく、例え
ばメタノール、エタノール、iso-プロパノール、n−プ
ロパノール、n-ブタノールの如き炭素数1〜4の脂肪族
アルコールが好ましく用いられる。無機酸のアルカリ金
属塩としては例えばNa2Cl、Na2SO4の如きNa塩、K2SO4
如きK塩が好ましく、またアルカリ土類金属塩としては
例えばMgSO4の如きMg塩、CaCl2の如きCa塩が好ましい。
第3の水溶性高分子化合物としては、例えば非イオン性
およびアニオン性の高分子化合物が好ましく用いられ
る。第3の水溶性高分子化合物としては工程Bで使用さ
れた第2のアニオン性の高分子化合物と同じものを使用
するのが特に望ましい。第3の水溶性高分子化合物の例
示は、上記第1の水溶性高分子化合物の例示から理解さ
れるであろう。
上記の如き凝固剤は、ビスコース中のセルローズに対し
例えば20〜300重量%程ォの割合で用いられる。
次に本発明で使用する凝固ビスコース微粒子の第2の製
造方法について説明する。
第2の方法によれば、上記のとおり、工程Aによりセル
ローズザンテートとそれ以外の第1の水溶性高分子化合
物のアルカリ性の高分子水溶液を準備し、工程Bにより
該アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成し、工
程Cによりセルローズを含有する微粒子を生成する。か
かる点において、上記第1の製造方法と基本的に同じで
あることは上記したとおりである。セルローズザンテー
トとそれ以外の第1の水溶性高分子化合物のアルカリ性
高分子水溶液を調整する工程Aは、上記第1の製造方法
の説明に記載した方法と同様にして実施される。例え
ば、使用するザンテートおよびそれ以外の第1の水溶性
高分子化合物は、上記第1の製造方法に記載したものと
同じものが使用される。
アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を生成する工程
Bは、アルカリ性高分子水溶液と数平均分子量1500以上
の水溶性のポリエチレングリコール又ポリエチレングリ
コール誘導体とを混合することによつて実施される。
使用する高分子量のポリエチレングリコール又はポリエ
チレングリコール誘導体は上記のとおり1,500以上の数
平均分子量を有しており、好ましいものは1,500〜400,0
00の数平均分子量を有している。
ポリエチレングリコール誘導体としては、例えばポリエ
チレングリコールの片末端の水酸基のみを炭素数1〜18
のアルキル基、炭素数1〜18のアルキルで置換されたフ
エニル基又は炭素数2〜18のアシル基で封鎖された水溶
性化合物あるいはA−B−A′型のブロック共重合体
(A,A′は同一もしくは異なり、ポリエチレンオキシド
ブロックを表わし、Bはポリプロピレンオキシドブロッ
クを表わす)が好適に用いられる。より具体的に、例え
ばポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエ
チレングリコールモノラウリルエーテル、ポリエチレン
グリコールモノセチルエチル;ポリエチレングリコール
モノメチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール
モノノニルフェニルエーテル;ポリエチレングリコール
モノアセテート、ポリエチレングリコールモノラウレー
ト;およびポリオキシエチレンブロック−ポリオキシプ
ロピレンブロック−ポリオキシエチレンブロック等をあ
げることができる。
ポリエチレングリコールおよびその誘導体のうち、ポリ
エチレングリコールがより好ましく、数平均分子量6,00
0〜200,000のものがさらに好ましく、数平均分子量8,00
0〜100,000のものが特に好ましく、数平均分子量10,000
〜30,000のものが就中好ましい。ポリエチレングリコー
ル誘導体は好ましくは1,500〜16,000の数平均分子量を
有する。
上記第2の方法によれば、工程Bにおいて、アルカリ性
の高分子水溶液と水溶性の高分子量のポリエチレングリ
コール又はその誘導体は先ず混合せしめられる。混合は
アルカリ性の高分子水溶液の微粒子分散液を生成するこ
とができる如何なる手段を用いることもできる。具体的
手段は上記第1の製造方法の説明に記載したとおりであ
る。
水溶性の高分子量のポリエチレングリコール又はその誘
導体は、好ましくは水溶液として、より好ましくは該ポ
リエチレングリコール又はその誘導体の濃度が0.5〜60
重量%、特に好ましくは5〜55重量%、就中10〜40重量
%の水溶液として用いられる。
アルカリ性高分子水溶液とポリエチレングリコール又は
ポリエチレングリコール誘導体とは、セルローズ1重量
部当りポリエチレングリコール又はポリエチレングリコ
ール誘導体1〜30重量部、より好ましくは2〜28重量
部、特に好ましくは4〜24重量部、就中8〜16重量部で
用いられ、混合せしめられる。混合の際の温度に特に制
限はないが、混合はアルカリ性高分子水溶液の微粒子分
散液を生成せしめる温度よりも低い温度で実施するのが
望ましい。アルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液は55
℃以上の温度で生成せしめられる。55℃よりも低い温度
では、望ましい微小セルローズ粒子を与えることのでき
る基礎となるアルカリ性高分子水溶液の微粒子分散液を
得ることができない。
上記第2の方法によれば、上記工程Bで生成したアルカ
リ性の高分子水溶液の微粒子分散液は、次いで工程Cよ
って凝固せしめられる。
また、上記凝固の反応は上記分散液生成の際の温度と同
等ないしそれ以上の温度で実施される。加熱による凝固
も凝固剤を使用する凝固も好ましくは60℃〜90℃の温度
で実施されるが60℃以下で凝固剤にて凝固することもで
きる。
凝固剤およびその使用割合は上記第1の製造法の説明に
記載したと同じである。
上記凝固剤として、ポリエチレングリコール又はその誘
導体との組合せを使用する場合には、凝固剤の添加によ
って系中のポリエチレングリコール又はその誘導体の濃
度が低下するのを防止することができるため、分散液の
凝固を安定に実施しうる利点がある。
上記の如く第1の方法および第2の方法によって得られ
た凝固ビスコース微粒子は、平均粒径400μmの球状な
いし長球状粒子から実質的になり、セルローズ成分5〜
60重量%(セルローズ換算)を有する。ここでいう凝固
ビスコース微粒子のセルローズ成分は該微粒子の表面に
付着した水及び水溶性高分子化合物を過剰のn-ヘキサン
で洗浄・置換し、50℃、60分間乾燥して付着したn-ヘキ
サンを除去した後、該微粒子を105℃、3時間乾燥して
セルローズ成分を求める。又水溶性高分子化合物が含有
している場合は、セルローズ成分を求める際にあらかじ
め水洗して含有高分子化合物を除去しておく。上記凝固
ビスコース微粒子中の高分子化合物の除去は0.5〜2重
量%の苛性ソーダで、温度20〜30℃で実施される。
上記第1工程で高分子化合物が除去された凝固ビスコー
ス微粒子は、本発明によれば、次いで第2工程において
凝固ビスコース微粒子を酸で中和して、ビスコースをセ
ルローズに変換せしめる。
次いで第3工程においては、母液から生成したセルロー
ズ微粒子を分離する。分離した後、必要により脱硫、酸
洗い、水洗あるいはメタノール洗浄することができ、ま
たその後あるいは上記分離の後熱処理することもでき
る。
脱硫は例えば苛性ソーダ、硫化ソーダの如きアルカリの
水溶液で行うことができる。必要により、残余のアルカ
リを除去するため次いで希塩酸等で酸洗いし、水洗ある
いはメタノール洗浄を実施する。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳述するが、その
前に本発明における測定法等を記載する。
(1)平均粒径;湿潤時の顕微鏡観察より測定する。
(2)結晶形及び結晶化度;メタノールで置換後風乾し
た粒子を用いてX線回折測定を行なう。II型セルロース
は回折角2θが20゜付近と、21.8゜付近に二つのピーク
をもつことから同定ができる。結晶化度はX線回折パタ
ーンから次式で定義される。
但し、K=0.896(セルロースの非干渉性散乱補正係
数) a、b、cは回折角2θ=5゜〜45゜の間に於いて、回
折曲線とベース直線で囲まれる面積であり、各々、次の
測定に対応する。
a;非晶性デンプン、 b;空気散乱、 c;試料、 (3)孔径−孔容積測定;水湿潤粒子の水分をエタノー
ルで置換した後、酢酸イソアミルで完全に置換しこれを
炭酸ガス臨界点乾燥した粒子を用いて水銀ポロシメータ
ーで測定する。
(4)活性基導入量; 糖単位構造の3倍当量の臭化シアンを用いて、pH11の条
件下で活性化したセルロース粒子を、セルロース粒子乾
燥重量と同量の牛血清アルブミン(BSA)を含む0.12Mホ
ウ砂緩衝液(pH9.0)に加え(系注BSA濃度2.5重量
%)、4℃で20hr反応させる。次いで溶液中の残存BSA
量を測定する方法で、乾燥粒子あたりの結合BSA量を求
め、これを活性基導入量(wt/wt)とする。
(5)粒子湿潤耐圧 標準測定法として、垂直方向に設置した内径4mm、長さ1
50mmのステンレスカラム(細孔径2μmの焼結フイルタ
ーを装着)に、水中で18時間膨潤前処理したセルロース
微粒子1.88mlを、水を用いて上から下方向に流速0.1ml/
minで充填する。このカラムに水を上から下方向に流通
した場合の流速−圧損曲線に就いて、接線の傾き(圧力
/流速)が流速ml/minに於ける傾きの8倍となる点の圧
損値を粒子湿潤耐圧とする。
実施例1 針葉樹からなるパルプ500gを20℃、18重量%の苛性ソー
ダ溶液20に1時間浸漬し、2.8倍を圧搾した。25℃か
ら50℃まで昇温しながら1時間粉砕し、老成し、次いで
セルローズに対して35重量%の二硫化炭素(175g)を添
加して、25℃で1時間硫化しセルローズザンテートとし
た。該ザンテートを苛性ソーダ水溶液で溶解した後、ポ
リエチレングリコール(分子量4000)のフレーク250gを
添加、溶解して、セルローズザンテートとポリエチレン
グリコールのアルカリ性高分子水溶液を準備した。該ア
ルカリ性高分子水溶液はセルローズ濃度9.1%、苛性ソ
ーダ濃度5.4重量%、ポリエチレングリコール4.6重量
%、粘度7600センチポイズであつた。
上記調整したアルカリ性高分子水溶液60gと、アニオン
性の第2の高分子化合物としてポリアクリル酸ソーダの
水溶液(高分子濃度12重量%、分子量5万:日本純薬社
製:商品名ジユリマーAC−10N)240g、分散剤として炭
酸カルシウム2gを500mlフラスコに入れ、総量を300gと
した。
液温30℃のもとで、ラボスターラー(ヤマト科学社製:M
ODEL LR−51B、回転羽根7cm)600rpmの攪拌を10分間行
ない、アルカリ性高分子水溶液の微粒子を精製せしめた
後、引きつづき攪拌しながら、液温を30℃から70℃まで
15分間で昇温し、70℃、30分間維持してポリエチレング
リコールを含有する微粒子を凝固せしめた。引きつづき
攪拌しながら100g/の硫酸で中和、再生して、セルロ
ーズの微粒子分子液を得た。上記分散液を1G4型ガスフ
イルターを通して、母液からポリエチレングリコールを
含有するセルローズ微粒子を分離した後、大過剰の水で
洗浄し、該微粒子からポリエチレングリコールを除去し
て、多孔性のセルローズ微粒子を得た。
この様にして得られた多孔性粒子の物性は次の通りであ
る。
平均粒径 72μm、 細孔径分布 50−3000Å、 細孔径全容積 1.41ml/g、 〃 面積 117m2/g、 同区間における微分曲線の極大値 1200Å、 活性基導入量 260mg/g、 実施例2 実施例1で得られた多孔性微小セルローズ粒子を上記し
た粒子湿潤耐圧の標準測定法に従い、内径4mm、長さ15c
mのステンレスカラムに充填し、水を流通した場合の流
速と圧損の関係を測定した。
比較のため、市販アガロース系充填剤に就いても同様の
測定を行なった。結果を第1図に示す。本発明の多孔性
微小セルローズ粒子は、優れた湿潤耐圧性を有し、スケ
ールアップによる圧損の増大や高い流速での使用にも耐
えることができる。第1図中曲線1および曲線2はそれ
ぞれ公知の架橋アガロース系充填剤および公知の高度架
橋アガロース系充填剤についてのものであり、曲線3は
本発明のセルロース微粒子についてのものである。
実施例3〜8 ポリエチレングリコール(PEG)の分子量と添加量を表
1の様に変え、実施例1と同様の方法で種々の多孔性セ
ルロース粒子を調整した。
これらの粒子の孔容積はいずれも細孔系0.08〜0.2μm
の間に極大値を有し、また、孔径0.06〜1μmの区間の
全容積は1.1〜1.8ml/gであった。
得られた粒子について、次の方法でリガンドを導入し
た。
100mlの反応容器に攪拌機及びpH測定用のガラスカロメ
ル電極を設けた。種々の多孔質ゲルの懸濁液4mlに蒸留
水27ml、2.5%BrCN24mlを添加し、1N水酸化ナトリウム
によりpH値を10.5〜11に保ちつつ20℃で6分間反応させ
た。次に反応混合物をガラスフイルターに移し、4℃30
mlの0.1M-NaHCO3溶液で洗浄した後、4℃0.12Mのホウ砂
緩衝液(pH9.0)で洗浄し、活性化セルロース粒子を得
た。次に50mgの牛血清アルブミン(BSA)を含む0.12Mホ
ウ砂緩衝液2ml中に活性化粒子(見掛け容量0.4ml)を加
え、4℃で20hr攪拌混合した。反応後50mM-リン酸緩衝
液(pH6.8)で洗浄した。多孔質粒子へのBSA導入量は、
反応混合液上澄中、及び、この洗浄液中のBSA量をABS
280の吸光度を測定することで決定した。また湿潤耐圧
に関しては、実施例2と同様に測定し。
これらの粒子の湿潤耐圧とBSA導入量を表1に示す。
実施例9 実施例1の充填剤懸濁液4mlを実施例3の方法に従って
活性化し、黄色ブドウ状球菌由来のプロテインAを導入
した。尚、カップリングに用いたプロテインA量は10mg
である。この様にして調整したプロテインA導入ゲル
は、乾燥重量1gあたり30mgのプロテインAを保持してい
た。このプロテインA導入ゲルを内径4mm、長さ75mmの
ステンレスカラムに流速10ml/minで1時間充填し、アフ
イニテイーカラムとした。このアフイニテイーカラムに
遠心分離によって細胞片を取り除いたマウスの腹水1ml
を注入し、IgGの分離精製を行ったところ、9.8mgのIgG
を得ることができた。そのクロマトグラムを第2図に示
す。また、この場合の分離条件は次の通りである。
分離条件 A:結合緩衝液:3M NaCl、0.1Mグリシン(pH8.9)、 B:溶出緩衝液:0.1Mクエン酸(pH3.0)、 流速:1.6ml/cm2・min 結合緩衝液を1時間通液後、溶出緩衝液を1時間通液し
た。
検出:ABS280、 温度:4℃、 実施例10 実施例1の充填剤4mlに、実施例3の方法に従って活性
化し、抗AFPモノクローナル抗体を導入した。尚カップ
リングに用いたAFP抗体量は4mgである。この様にして調
整したAFP抗体導入ゲルは乾燥重量1gあたり6mgの抗AFP
モノクローナル抗体を保持していた。
このAFP抗体導入ゲルを内径4mm長さ75mmのステンレスカ
ラムに流速10ml/minで1hr充填し、アフイニテイーカラ
ムとした。AFP200ngをヒト血清200μで希釈してカラ
ムに注入し、AFPの回収を行った。回収したAFP量はペル
オキシダーゼ標識抗AFP抗体を用い、サンドイッチ法で
定量した。回収したAFP量は162ngであり、回収率81%で
あった。尚、分離条件は次の通りである。
分離条件 結合buffer:0.1MPBS pH7.2、 溶出buffer:0.1MグリシンHCl buffer pH2.5、 温度:37℃、 結合bufferを0.5ml/hrで3時間通液後溶出bufferを1ml/
hrで3時間通液する。
検出:ABS280、 実施例11 実施例1で得られたセルロース微粒子60g(Dry換算)を
エピクロロヒドリン20重量%を含有した8重量%苛性ソ
ーダ水溶液1中で攪拌しながら60℃、3時間架橋し
た。引きつづきガラスフイルターによって母液から分離
した後、5重量%塩酸で中和し架橋セルロース微粒子と
した。得られた。得られた架橋粒子の物性を示す。
平均粒径: 80μm、 結晶化度: 29%、 孔容積の極大値を示す孔径: 0.31μm、 活性基導入量: 300mg/g、 実施例12 実施例11で得た見掛け体積2mlの充填剤を含む懸濁液4ml
を、実施例3の方法に従って活性化し、これに10mg西洋
ワサビペルオキシダーゼ(シグマ社製、RZ=3)を導入
した。この様にした調製したペルオキシダーゼ導入ゲル
は乾燥重量1g当り29mgのペルオキシダーゼを保持してい
た。このペルオキシダーゼ導入ゲルをジャケット付20ml
反応器中で0.1Mリン酸緩衝液(pH7.2)4mlに懸濁し、容
器内温度を10℃に設定した。ここに、西洋ワサビペルオ
キシダーゼ(シグマ社勢、RZ=3)をウサギに接種して
得た抗血清5.0mlを添加し、3時間攪拌混合した後、ゲ
ル懸濁液をガラスフイルターで濾別後、0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.2)10mlで5回洗浄した。洗浄ゲルを再び上記
反応器にもどし0.1Mグリシン緩衝液(pH2.5)4mlを添加
して1時間攪拌混合行った後、ガラスフイルターろ過に
よってろ液を回収し、抗ペルオキシダーゼ抗体6mgを得
た。
本発明の実施態様は下記のとおりである。
1.湿潤時の粒径が3〜400mμの範囲にある請求項第1項
に記載のアフイニテイー担体。
2.湿潤時の粒径が10〜300mμの範囲にある請求項第1項
に記載のアフイニテイー担体。
3.結晶化度が10〜43%の範囲にあるものである請求項第
1項に記載のアフイニテイー担体。
4.結晶化度が20〜40%の範囲にあるものである請求項第
1項に記載のアフイニテイー担体。
5.X線回折図の回折角(2θ)20.0±0.3゜および21.8±
0.3゜に明瞭に区別できる2本のピークを有する請求項
第1項に記載のアフイニテイー担体。
6.孔径0.006〜1μmの区間にある孔の全容積が0.1〜3m
l/gの範囲にある請求項第1項に記載のアフイニテイー
担体。
7.孔径0.006〜1μmの区間にある孔の全容積が0.12〜
2.5ml/gの範囲にある請求項第1項に記載のアフイニテ
イー担体。
8.孔径0.006〜1μmの区間における孔径と孔容積の関
係から算出した孔の内表面の面積が15〜400m2/gの範囲
にある請求項第1項に記載のアフイニテイー担体。
9.孔径0.006〜1μmの区間における孔径と孔容積の関
係から算出した孔の内表面の面積が25〜350m2/gの範囲
にある請求項第1項に記載のアフイニテイー担体。
10.アルブミンの導入可能量が少くとも50mg/gである請
求項第1項に記載のアフイニテイー担体。
11.湿潤時の耐圧性が少くとも20kg/cm2である請求項第
1項に記載のアフイニテイー担体。
12.湿潤時の耐圧性が少くとも60kg/cm2である請求項第
1項に記載のアフイニテイー担体。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の多孔性微小セルローズ粒子の流速と圧
損の関係を示す。 第2図は本発明の多孔性微小セルローズ粒子をアフイニ
テイ担体とするアフイニテイクロマトグラムの一例であ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−60753(JP,A) 特開 昭52−129788(JP,A) 特開 昭59−193135(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)湿潤時の粒径が500μm以下の球状
    ないし長球状の粒子から実質的になり、 (b)X線回折法による結晶化度が5〜45%の範囲にあ
    り、 (c)臨界点乾燥時の粒子について、水銀ポロシメータ
    ー法により測定した孔径と孔容積の関係において、孔径
    0.006〜1μmの区間に孔容積の極大値を有し且つ同区
    間にある孔の全容積が少くとも0.05ml/gであり、 (d)アルブミンの導入可能量が少くとも30mg/gであり
    そして (e)湿潤時の耐圧性が少くとも5kg/cm2である、 ことを特徴とする多孔性微小セルローズ粒子からなるア
    フイニテイー担体。
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