JPH0687933U - 液晶表示素子用基板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 配向膜の配向処理に伴って静電気が発生して
も、各表示用の電極間およびその表示用電極とこれと隣
接して配置するダミー電極パターンとの間での電位差の
発生を抑えて各電極や配向膜の静電破壊を確実に防止す
ることができる液晶表示素子用基板を提供する。 【構成】 液晶表示素子用の透明なパネル１Ａ，２Ａの
上の表示領域Ｅの内側に表示用電極５，６が、表示領域
Ｅの外側に前記表示用電極５，６から延出したリード５
ａ，６ａおよびこのリード５ａ，６ａが配置しない部分
においてダミー電極パターン１１〜１９がそれぞれ形成
され、さらに前記ダミー電極パターン１１〜１９の外側
にアースライン１０が形成され、前記表示用電極５，６
およびダミー電極パターン１１〜１９が前記アースライ
ン１０にそれぞれ結線され、この状態のもとで前記パネ
ル１Ａ，１Ｂの上に前記表示用電極５，６を覆う配向膜
が形成されていることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、液晶表示素子を組み立てるための液晶表示素子用基板に関する。

【０００２】

【従来の技術】

液晶表示素子は、図３に示すように、一対の基板１，２を枠状のシール材３を 介して重合接着し、前記シール材３の内側と各基板１，２とで囲まれる空間内に 液晶層４を設けてなる。

【０００３】 そして単純マトリックス型の液晶表示素子においては、各基板１，２がそれぞ れガラス等の透明なパネル１ａ，２ａの上にＩＴＯ等による表示用電極５，６お よびこの表示用電極５，６を覆うポリイミド等による配向膜７，８を形成した構 成となっており、前記表示用電極５，６の一方が走査電極、他方が信号電極とし て用いられている。

【０００４】 このような液晶表示素子用の各基板１，２は、一般に大型パネルから複数個が 一括して形成される所謂複数採り方式で製作されている。 図４（ａ）には一方の基板１を製作するための大型パネル１Ａを、図４（ｂ） には他方の基板２を製作するための大型パネル２Ａをそれぞれ示してあり、さら に図５（ａ）にはその一方の大型パネル１Ａの一部を拡大した平面図を、図５（ ｂ）には他方の大型パネル２Ａの一部を拡大した平面図をそれぞれ示してある。 これら大型パネル１Ａ，２Ａの表面は仮想上それぞれ複数の範囲に区分され、そ の各範囲の中央部分が画像の表示領域Ｅとなっている。

【０００５】 そして一方の大型パネル１Ａにおける表示領域Ｅの上に走査電極５が配列形成 され、他方の大型パネル２Ａにおける表示領域Ｅの上に信号電極６が配列形成さ れている。走査電極５の一端部は、リード５ａとして表示領域Ｅの両側の外部に 交互に延出し、信号電極６の一端部は、リード６ａとして表示領域Ｅの一端側の 外部に延出している。

【０００６】 そして液晶表示素子の製造工程時に、各表示領域Ｅの上にその領域の範囲より もやや大きな拡がりをもってポリイミド等の配向膜が形成され、この配向膜で走 査電極５および信号電極６が覆われ、この配向膜の表面がラビング等により配向 処理される。

【０００７】 こののち、一方の大型パネル１Ａと他方の大型パネル２Ａとが、その各表示領 域Ｅが互いに対向するように重合され、かつその表示領域Ｅを囲むように設けら れた枠状のシール材により接着され、この状態で大型パネル１Ａ，２Ａがシール 材の外周側においてスクライブされ、液晶表示素子が個々に分離され、こののち 二つの大型パネル，１Ａ，２Ａ間のシール材の内側に液晶が封入される。

【０００８】 ところで、各大型パネル１Ａ，２Ａには、配向膜の表面の全体の平坦化を図っ て液晶表示素子を組み立てたときの液晶層の各部の間隔が均一となるように、表 示領域Ｅの外周側で、かつリード５ａ，６ａが配置しない部分に、そのリード５ ａ，６ａと同じ膜厚のダミー電極パターン１１〜１９を形成するようにしている 。これらダミー電極パターン１１〜１９は、表示領域Ｅ内に各電極５，６をパタ ーニングする工程と同時に形成される。

【０００９】 なお、これらダミー電極パターン１１〜１９のうちで、特に各電極５，６と隣 り合って並列するダミー電極パターン１１，１２，１８，１９は、パターニング 工程のエッチング処理時に表示領域Ｅ内の電極５，６がダメージを受けないよう にそれを保護する機能も担っている。

【００１０】 各電極５，６の上に形成される配向膜の表面には、ラビング等による配向処理 が施されるが、この配向処理時に静電気が発生し、この静電気で隣り合う走査電 極５間、および隣り合う信号電極６間にそれぞれ電位差が生じて電極５，６や配 向膜に静電破壊が起きる恐れがあり、こため大型パネル１Ａ，２Ａの上には表示 領域Ｅを避ける部分に格子状にアースライン１０がパターン形成され、このアー スライン１０に各電極５，６がそのリード５ａ，６ａを介して結線されている。

【００１１】 そして前記アースライン１０をアースし、この状態で配向膜に対する配向処理 が行われている。このような手段によれば、配向処理時に静電気が発生しても、 各電極５，６がアースライン１０を介してアースされているから、その隣り合う それぞれの走査電極５および信号電極６が同電位に保たれ、したがって各電極５ ，５や配向膜の静電破壊が防止される。

【００１２】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、パネル１Ａ，２Ａの上には表示領域Ｅ内の表示用の電極５，６に隣 接してダミー電極パターン１１〜１９が形成され、このダミー電極パターン１１ 〜１９がパネル１Ａ，２Ａの上に単独に配置しており、このため配向膜の配向処 理時に発生する静電気でその表示用の電極５，６とダミー電極パターン１１〜１ ９との間に電位差が生じ、これが原因で表示用の電極５，６や配向膜に静電破壊 が生じる恐れがある。

【００１３】 この考案はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは 、配向膜の配向処理に伴って静電気が発生しても、各表示用の電極間は勿論のこ と、その表示用の電極とこれと隣接して配置するダミー電極パターンとの間での 電位差の発生を抑えて静電破壊を確実に防止することができる液晶表示素子用基 板を提供することにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段】

この考案はこのような目的を達成するために、液晶表示素子用の透明なパネル の上の表示領域の内側に表示用電極を、表示領域の外側に前記表示用電極から延 出したリードおよびこのリードが配置しない部分においてダミー電極パターンを それぞれ形成し、さらに前記ダミー電極パターンの外側にアースラインを形成し 、前記表示用電極およびダミー電極パターンを前記アースラインにそれぞれ結線 し、この状態のもとで前記パネルの上に前記表示用電極を覆う配向膜を形成する ようにしたものである。

【００１５】

【作用】

このような構成においては、配向膜の配向処理時に静電気が発生しても、各表 示用電極がアースラインを介してアースされており、したがってその隣り合う電 極間がそれぞれが同電位に保たれる。さらに、各ダミー電極パターンもそれぞれ アースラインに導通してアースされており、このため表示領域に形成された表示 用電極と、これに隣接して配置するダミー電極パターンとの間における電位も同 一に保たれ、したがって各表示用電極や配向膜の静電破壊が確実に防止される。

【００１６】

【実施例】

以下、この考案の一実施例について図１および図２を参照して説明する。なお 、従来の構成と対応する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。 この考案においては、各パネル１Ａ，１Ｂの上に形成された走査電極５および 信号電極６がそれぞれそのリード５ａ，６ａを介してアースライン１０に結線さ れているとともに、さらに各ダミー電極パターン１１〜１９に導通ライン１１ａ 〜１９ａが形成され、これら導通ライン１１ａ〜１９ａを介して各ダミー電極パ ターン１１〜１９が前記アースライン１０に結線されている。

【００１７】 このような構成においては、表示領域Ｅの上に配向膜を形成し、この配向膜の 表面にラビング等による配向処理を施したときに静電気が発生しても、各電極５ ，６がアースライン１０を介してアースされており、したがってその隣り合うそ れぞれの走査電極５および信号電極６が同電位に保たれる。さらに、各ダミー電 極パターン１１〜１９もそれぞれ導通ライン１１ａ〜１９ａを介してアースライ ン１０に導通してアースされており、このため表示領域Ｅに形成された電極５， ６と、これに隣接して配置するダミー電極パターン１１〜１９との間における電 位も同一に保たれ、したがって各電極５，６や配向膜の静電破壊が確実に防止さ れる。

【００１８】 なお、この考案の液晶表示素子用基板は、大型パネルから複数個を一括して形 成する複数採り方式で製作する場合に限らず、１枚の小型なパネルで１個の基板 を構成する場合であっても何ら差し支えない。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したようにこの考案によれば、液晶表示素子用の透明なパネルの上の 表示領域の内側に表示用電極を、表示領域の外側に前記表示用電極から延出した リードおよびこのリードが配置しない部分においてダミー電極パターンをそれぞ れ形成し、さらに前記ダミー電極パターンの外側にアースラインを形成し、前記 表示用電極およびダミー電極パターンを前記アースラインにそれぞれ結線し、こ の状態のもとで前記パネルの上に前記表示用電極を覆う配向膜を形成するように したから、その配向膜の表面の配向処理時に静電気が発生しても、各表示用の電 極間は勿論のこと、その表示用の電極とこれと隣接して配置するダミー電極パタ ーンとの間での電位差の発生を抑えることができ、したがって各電極や配向膜の 静電破壊を確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係る液晶表示素子用基板
の平面図。

【図２】その液晶表示素子用基板を構成する大型パネル
の平面図。

【図３】液晶表示素子の構造を示す断面図。

【図４】従来の液晶表示素子用基板を構成する大型パネ
ルの平面図。

【図５】従来の液晶表示素子用基板の平面図。

【符号の説明】

１Ａ，２Ａ…パネル ５，６…電極 ５ａ，６ａ…リード １０…アースライン １１〜１９…ダミー電極パターン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】液晶表示素子用の透明なパネルの上の表示
   領域の内側に表示用電極が、表示領域の外側に前記表示
   用電極から延出したリードおよびこのリードが配置しな
   い部分においてダミー電極パターンがそれぞれ形成さ
   れ、さらに前記ダミー電極パターンの外側にアースライ
   ンが形成され、前記表示用電極およびダミー電極パター
   ンが前記アースラインにそれぞれ結線され、この状態の
   もとで前記パネルの上に前記表示用電極を覆う配向膜が
   形成されていることを特徴とする液晶表示素子用基板。