JPH0687823A - 液体過酸化物組成物 - Google Patents

液体過酸化物組成物

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JPH0687823A
JPH0687823A JP4322316A JP32231692A JPH0687823A JP H0687823 A JPH0687823 A JP H0687823A JP 4322316 A JP4322316 A JP 4322316A JP 32231692 A JP32231692 A JP 32231692A JP H0687823 A JPH0687823 A JP H0687823A
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iii
hydroperoxide
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JP4322316A
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English (en)
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Robert T Kazmierczak
ロバート・サディアス・カズミエルチャク
Ronald E Macleay
ロナルド・エドワード・マクレイ
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Elf Atochem North America Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K5/00Use of organic ingredients
    • C08K5/04Oxygen-containing compounds
    • C08K5/14Peroxides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 過酸化物架橋可能なポリマーの硬化に有用
な、液体過酸化物組成物及びそれらの製造方法を提供す
る。 【構成】 下記の構造を有する化合物の混合物を含む組
成物: (ここに、化合物I,II及びIIIは、独立に、メタ異性
体又はメタ及びパラ異性体の混合物として存在し、且つ
化合物I,II及びIIIの相対的比率及び化合物I,II及
びIIIのメタ及びパラ異性体の相対的比率は、25℃以
下で液体の混合物を与えるように選択する)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】本発明は、化学分野で有機過酸化物とし
て分類される新規な組成物、特に室温で液体の有機過酸
化物ブレンド、それらの製造方法及び過酸化物架橋可能
なポリマーの硬化における利用に関する。
【0002】更に詳細には、これらの有機過酸化物は、
ジイソプロピルベンゼンのメタ又はメタ、パラ混合異性
体のα−α’−ジターシャリーアルキルペルオキシ誘導
体を含む。これらの組成物は、過酸化物架橋可能なポリ
マーの硬化及び適当なモノマーの重合反応の開始に有用
である。
【0003】この発明の新規な組成物は、5〜65重量
部のビス(2−t−ブチルペルオキシ−2−プロピル)
ベンゼン(即ち、下記の式Iのジペルオキシド)
【化5】 10〜55重量部の1−(2−t−ブチルペルオキシ−
2−プロピル)−3又は4−(2−t−アミルペルオキ
シ−2−プロピル)ベンゼン(即ち、下記の式IIのジ
ペルオキシド)
【化6】 及び3〜55重量部のビス(2−t−アミルペルオキシ
−2−プロピル)ベンゼン(即ち、下記の式IIIのジ
ペルオキシド)を含む過酸化物ブレンドを含む
【化7】 (式中、I、II及びIIIの各々のメタ対パラの比
は、25℃以下において液体であるブレンドを与えるよ
うに選択する)。
【0004】好ましくは、この過酸化物ブレンドは、約
7〜61重量部のI、30〜55重量部のII及び3〜
47重量部のIIIを含み、ここに、メタ異性体対パラ
異性体の比は、少なくとも1.5:1からすべてメタ異
性体まで変化し得る。
【0005】一層好ましくは、この過酸化物ブレンド
は、35〜60重量部のI、35〜55重量部のII、
5〜20重量部のIIIを含み且つメタ異性体対パラ異
性体の比は、少なくとも1.5:1からすべてメタ異性
体まで変化し得る。
【0006】この過酸化物ブレンドは、適宜、少量(過
酸化物ブレンドの15重量%まで)の下記の式IVのモ
ノペルオキシドのメタ、パラ又はメタ及びパラ異性体の
混合物を含んで良い。
【化8】 (式中、Rはt−ブチル又はt−アミルであってよく、
R’は水素、イソプロピル、イソプロペニル又は2−ヒ
ドロキシ−2−プロピルであってよい)。
【0007】これらの新規なブレンドは、過酸化物架橋
可能なポリマー(低密度、線状低密度及び高密度ポリエ
チレン等)に対する効率の良い架橋剤、エチレン−プロ
ピレンエラストマー(EPDM等)に対する硬化剤、ポ
リエステル樹脂に対する硬化剤及びビニル重合に対する
開始剤である。
【0008】
【従来の技術】ジクミルペルオキシド(V)、ビス(2
−t−ブチルペルオキシ−2−プロピル)ベンゼン
(I)及びビス(2−t−クミルペルオキシ−2−プロ
ピル)ベンゼン(VI)を、ポリエチレン又はエチレン
プロピレンエラストマーに対する架橋剤として使用する
ことは、当業者には周知である(1965年12月14
日のW.R. Grace & Co.に発行された再発行米国特許第2
5,941号参照)。
【化9】
【化10】 Iのメタ及びパラ異性体は、それらのすべての混合物と
同様に室温で固体である。メタ異性体は約52℃で、パ
ラ異性体は約79℃で、そして共融混合物(メタ異性体
80%)は約45℃で溶ける。ジクミルペルオキシドは
約38℃で溶ける(米国特許第4,202,790号参
照)。化合物VIも又室温で固体である。これは重大な
商業的問題へと導く。固体過酸化物とポリマー(ポリエ
チレン等)とのブレンドは、過酸化物のポリマーにおけ
る均一な分散を得ることの困難性のために商業的には回
避されている。均一な分散は、後続の段階で均一に架橋
したポリマーを得るためには不可欠である。それ故、上
記の過酸化物は、ポリマー中へ均一に調節され得るよう
に溶かされ且つ溶融状態に維持される。溶融段階及び続
くブレンド段階の間、急速な分解及び爆発さえ生じ得る
過熱を防ぐための過酸化物温度の注意深い監視が必要で
ある。商業的には、溶融段階は、溶融ステーションを設
置すること又は熱水が循環するコイルを含む貯蔵用ビン
であるリクアビン(liqua-bins)を用いることによって
達成された。これらの溶融操作は、操作に少なからぬ出
費を加える。それ故、商業的な、不揮発性且つ高い効率
の室温で液体の、ポリマー(ポリエチレン等)に対する
過酸化物架橋剤を開発することは大いに望ましい。
【0009】t−ブチル t−クミルペルオキシド等の
液体過酸化物は、殆どの商業用架橋操作には揮発性に過
ぎ、フラッシュ火災を起こすことが知られている。クミ
ルイソプロピルクミルペルオキシド(米国特許第2,8
19,256号及び2,826,570号に記載)は液
体過酸化物であるがジクミルペルオキシド(米国特許第
4,239,644号、第1欄、第56〜57行参照)
程効率的ではない。従って、それは商業的には使われな
い。
【0010】上記の欠点を克服する意図で、液体過酸化
物ブレンドを調製したが、その際、固体過酸化物を液体
過酸化物中に、室温(25℃)以下で液体であり続ける
ブレンドが得られるような比率で溶かした。この液体ブ
レンドは、次いで、容易に、架橋操作前に、ポリエチレ
ン等のポリマーと混合して過酸化物とポリマーとの均一
なブレンドを与えることが出来る。
【0011】三井石油化学工業株式会社に発行された米
国特許第4,239,644号は、70〜5重量部の過
酸化ジクミルV及び30〜95重量部の下記式VIIの
置換された過酸化ジクミルを含む液体過酸化物ブレンド
を開示している
【化11】 (式中、R’’は1〜3炭素のアルキル基である)。こ
のブレンドは、好ましくは、10〜60部の過酸化ジク
ミル及び90〜40部のVIIを含んだ。これらのブレ
ンドは、過酸化ジクミルに匹敵する効率を有すると報告
された。この特許は又、クメンヒドロペルオキシドをク
ミルアルコール及び下記式VIIIの置換されたクミル
アルコールの混合物と酸触媒の存在下で反応させること
によって、
【化12】 又は、クミルアルコールをクメンヒドロペルオキシド及
び下記式IXの置換されたクメンヒドロペルオキシドの
混合物と酸触媒の存在下で反応させることによってこれ
らのブレンドを製造する方法をも記載している。
【化13】
【0012】Hercules Inc. に発行された米国特許第
4,202,790号は、室温で液体の新規な過酸化物
のブレンドを開示している。ブレンド1は、本質的に、
25〜55%の過酸化ジクミル及び75〜45%のクミ
ルイソプロピルクミルペルオキシド(VII、ここに
R’’はイソプロピル)からなる。ブレンド2は、本質
的に、10〜25%のビス(2−t−ブチルペルオキシ
−2−プロピル)ベンゼン(I)及び90〜75%t−
ブチルイソプロピルクミルペルオキシド(X)からな
る。
【化14】
【0013】I(好ましい架橋剤)の最大濃度は25%
に過ぎず且つ主要成分Xはかなり揮発性の成分である。
【0014】ブレンド1は、過酸化ジクミルをクミルイ
ソプロピルクミルペルオキシドに溶かすことによって製
造した。ブレンド2は、ビス(2−t−ブチルペルオキ
シ−2−プロピル)ベンゼン(本質的に、メタ及びパラ
異性体の2:1混合物)をX中に溶かすことによって製
造した。これらのブレンドを360°Fでポリエチレン
組成物を硬化させるために用いた。
【0015】Ausimont S.p.A. に発行された米国特許第
4,866,137号は、1〜50重量部の式VIのジ
ペルオキシド、5〜75重量部の式XIの過酸化ジクミ
ルを含む液体過酸化組成物を開示している
【化15】 (式中、R’’’は水素又は1〜3炭素原子を含むアル
キル基であり及びAはメチル基又はフェニル基から選択
し、適宜、置換される)。
【0016】VIのメタ:パラ比は、1.2〜2.5で
変化し、好ましくは、1.5〜2.1の間である。この
過酸化物は、商業的には、Peroxyimon169 として知られ
ている。この特許は、構造VIの過酸化物がポリエチレ
ンの架橋において一層効率的であると述べている。過酸
化ジクミル及び式VIIの過酸化物の混合物(Ger. Off
en. 2,912,061 )を用いたときは、過酸化ジクミルを単
独で用いたときより約20〜35重量%だけ多い過酸化
物が必要である。これらのブレンドは、クメンヒドロペ
ルオキシドをクメンアルコール及びモノアルコールXI
I及びジオールXIIIの混合物とp−トルエンスルホ
ン酸等の酸触媒の存在下で反応させることによって製造
する。
【化16】
【化17】 幾つかの場合には、式XIの過酸化物を、洗浄し且つ揮
発性物質を除去した後に過酸化物ブレンドに加える。こ
れらのブレンドは、ポリエチレンを架橋するために使用
された。
【0017】ロシア人は、ヒドロペルオキシドを式XI
Vのp−ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシドと
反応させることによって不斉ジペルオキシドXVを製造
した
【化18】
【化19】 R =t−ブチル、t−アミル、t−クミル R’=t−ブチル、t−アミル、t−クミル (M.A. Dikii, M.S. Vaida, V.A. Puchin, Izv. Vyssh.
Uchebn. Zaved., Khim.Khim Tekhnol. 1976, 19(6), 8
73-5(Russ.); C.A. 85, 142748d)。我々の知る限りに
おいて、対応するメタ異性体は知られていない。
【0018】私たちは、思いがけなくも、t−アミルヒ
ドロペルオキシド及びt−ブチルヒドロペルオキシドの
混合物を式XIIIのジオールと酸触媒の存在下で反応
させることによって一層効率的な液体の過酸化物架橋剤
組成物を製造し得るということを見出した。ジオールX
IIIは、メタ異性体又はメタ及びパラ異性体の混合物
であってよい。
【0019】ジオールXIIIとヒドロペルオキシドの
混合物との反応生成物は、式I、II及びIIIの化合
物の混合物である。もしジオールXIIIのメタ及びパ
ラ異性体の混合物を用いるならば、生成物I、II及び
IIIも又メタ及びパラ異性体の混合物となる。生成物
I、II及びIIIの分布は、出発物質t−ブチルヒド
ロペルオキシドのt−アミルヒドロペルオキシドに対す
る比率に依存する。本質的にジオールの完全な過酸化を
確保するために、すべての反応において、僅かに過剰の
ヒドロペルオキシド(ジオール1モル当り2.1〜2.
3モルのヒドロペルオキシド)を用いる。I、II及び
IIIの各々のメタ異性体のパラ異性体に対する比率
は、ほぼ、出発のジオールにおけるメタ異性体のパラ異
性体に対する比率である。
【0020】メタジオールのみを用いるか又はメタのパ
ラに対する比率を4:1若しくはそれより大きくし且つ
t−ブチルヒドロペルオキシドのt−アミルヒドロペル
オキシドに対する比率を2.35:1若しくはそれより
小さくするならば、反応生成物は、洗浄及び揮発性物質
の除去の後に、25℃で液体である。t−ブチルヒドロ
ペルオキシドのt−アミルヒドロペルオキシドに対する
比率が減じるにつれて液体生成物の凝固点は低下する。
I、II及びIIIの3者混合物は、t−ブチル基/
(t−ブチル基+t−アミル基)の比が最大で0.59
までは、15℃で液体であり続ける。
【0021】メタ及びパラジオールの混合物を用いるな
らば、t−ブチルヒドロペルオキシドのt−アミルヒド
ロペルオキシドに対する比率を十分低くすれば25℃以
下で液体の過酸化物混合物を得ることが出来る。メタ及
びパラジオールの50:50混合物は、t−ブチルヒド
ロペルオキシドのt−アミルヒドロペルオキシドに対す
る比率を1.1:1以下にするならば25℃で液体の過
酸化物を生じる。メタ−パラジオール混合物中のメタジ
オールのパーセンテージが80%まで増すにつれて、t
−ブチルヒドロペルオキシドのt−アミルヒドロペルオ
キシドに対するより大きいモル比を用いることが出来
る。70%メタ−30%パラのジオール混合物は、t−
ブチルヒドロペルオキシドのt−アミルヒドロペルオキ
シドに対する比率を2.2:1以下にするならば、25
℃で液体の過酸化物を生じる。25℃で液体であり且つ
高い架橋効率の過酸化物混合物を最小のコストで製造す
るために、約70〜90%のメタジオールを含むジオー
ル混合物及びt−ブチルヒドロペルオキシドのt−アミ
ルヒドロペルオキシドに対する比率が約2.25:1〜
1.75:1のヒドロペルオキシド混合物を適宜用いる
べきである。
【0022】IIIのメタ及びパラ異性体は公知であ
り、ポリマー架橋剤として有用であるとして請求されて
いる(米国特許第3,584,059)。しかしなが
ら、それらは対応するt−ブチルペルオキシド(I)ほ
ど効率的でないために商業的には用いられていない。
【0023】t−アミルペルオキシドは、商業的架橋剤
としては普通には用いられていない。t−アミルペルオ
キシドは、ベータ−分割によって容易にアセトン及びエ
チルラジカルに分解するt−アミロキシラジカルに分解
する(I.H. Elson及びJ.K. Kochi, J. Org. Chem. 39,
2091-2096 (1974))。エチルラジカルは、t−ブチルペ
ルオキシドの分解によって生じるメチルラジカル又はt
−ブトキシラジカルほど容易には水素ラジカルを分離し
ない(K. Yamamoto 及びM. Sugimoto, J. Macromol. Sc
i.-Chem., A13(8), 1075(1979))。164℃におけるネ
オペンタン及びシクロヘキサンからの水素の分離のため
には、エチルラジカルは、ファクター6〜24により反
応性が小さい(P. Gray, A.A. Herod 及びA. Jones, Ch
em. Rev., 71, 287 (1971))。
【0024】ポリエチレンの過酸化物架橋は、過酸化物
の分解により生じたフリーラジカルによって開始され
る。フリーラジカルは、ポリエチレン主鎖から水素を分
離して主鎖上にラジカル部位を生じる。次いで、隣接す
るポリマー鎖上のラジカル部位が結合してポリエチレン
鎖間の架橋を形成する(Encyclopedia of Polymer Scie
nce and Engineering,第2版、 4 巻、 385 頁、 Wiley-In
terscience, New York,N.Y., 1986年)。t−アミルペ
ルオキシドの分解によって生じたエチルラジカルは、t
−ブチルペルオキシドから生じたアミルラジカル又は、
t−ブトキシラジカルより遥かに反応性が小さいので、
t−アミルペルオキシドは対応するt−ブチルペルオキ
シドより遥かに小さい効率のポリエチレン架橋剤である
と予想される。これは、実験部の表IIの比較例1及び
3の架橋結果を比較する事によって確認される。
【0025】従って、この発明の液体過酸化物ブレンド
がそのような効率的架橋剤であることは全く予想外のこ
とであった。有意の量のII及びIIIを含む液体過酸
化物ブレンドは、Iと比較したとき、著しい効率の減少
を有するであろうということが予想された。架橋剤適用
における液体過酸化物の固体過酸化物に対する商業的利
点は、この発明の液体過酸化物ブレンドをIの代用とし
たときに経験される効率の僅かな減少より遥かに勝って
いる(実験部の表IIを参照されたい)。
【0026】発明の要約 この発明は、室温(約25℃)又はそれより低い温度に
おいてさえ液体の新規な過酸化物ブレンド、それらの製
造方法及び過酸化物架橋可能なポリマーの硬化における
それらの利用並びに過酸化物のブレンド及び硬化可能な
ポリマーを含む硬化可能組成物に関する。これらの液体
過酸化物ブレンドは、現時点では市販の25℃より高温
でしか液体として存在しえない架橋剤に必要とされる予
備の高価で且つ危険な溶融段階を行なわないで、ポリエ
チレン等のポリマーと均一に混合することが出来る。そ
れらは又、固体過酸化物には必要な低温粉砕及びブレン
ド技術を用いずに固体充填剤に分散させることも出来
る。
【0027】この発明の第一の構成面により供給される
過酸化物のブレンドは、式I、II及びIIIのメタ異
性体の混合物、又はメタ及びパラ異性体の混合物を、こ
の組成物が25℃以下で液体であるような比率で含む。
この過酸化物ブレンドは、5〜65重量部のI、10〜
55重量部のII及び3〜55重量部のIIIを含む
が、ここに、メタ異性体のパラ異性体に対する比率を、
25℃以下で液体の過酸化物ブレンドを与えるように選
択する。好ましくは、このブレンドは、約7〜61重量
部のI、30〜55重量部のII及び3〜47重量部の
IIIを含み且つメタ異性体のパラ異性体に対する比率
は少なくとも1.5:1から純粋メタ異性体まで変化す
る。このブレンドは、適宜、少量の式IVのモノペルオ
キシド(15重量%まで)を含んで良い。ブレンド中の
化合物II及びIIIのパーセンテージが減じるにつれ
て、そのブレンドが室温(25℃)において凝固する傾
向は増す。メタ異性体のパーセンテージが50〜80%
に増加すると、その混合物は、式Iの化合物を一層許容
し且つ依然室温で液体であり続けることが出来る。同様
に、I、II及びIIIの一定の組成においてメタ異性
体のパーセンテージが増すにつれて、ブレンドは一層低
温において液体であり続ける。t−アミルヒドロペルオ
キシドがt−ブチルヒドロペルオキシドより僅かに高価
であり且つ化合物IIIが化合物Iより僅かに効率が低
い(表IIIの比較例1及び3の架橋剤評価を参照され
たい)ために、ブレンド中の化合物Iの量を最大にし且
つ化合物IIIの量を最少にし尚且つ所望の温度で液体
の組成物を提供することが商業上有利である。I:II
Iの比率は、ブレンド中のI、II及びIIIのメタ及
びパラ異性体の比率を最適化することによって最大にす
ることが出来る。好ましくは、約1.5:1〜9:1の
メタ異性体のパラ異性体に対する比率又は実質的に純粋
なメタ異性体をこのブレンドにおいて用いる。最も好ま
しくは、約2.0:1〜5:1のメタ異性体のパラ異性
体に対する比率又はメタ異性体のみをこのブレンドにお
いて用いる。ブレンドの凝固点は、化合物III(好ま
しくはメタ異性体)をこのブレンドに加えることによっ
て更に低下させることが出来る。IIIのメタ及びパラ
両異性体は液体であるが、メタ異性体がより低い凝固点
を有する。
【0028】このブレンドがメタ異性体のみからなると
きは、それは5〜65重量部の式Iのジペルオキシド、
10〜55重量部の式IIのジペルオキシド、及び3〜
55重量部の式IIIのジペルオキシドを含む。好まし
くは、それは30〜61重量部のI、35〜47重量部
のII及び4〜16重量部のIIIを含む。
【0029】ブレンドがI、II及びIIIのメタ及び
パラ異性体の混合物であるときは、それは5〜65重量
部のI、10〜55重量部のII及び3〜55重量部の
IIIを含み且つメタ異性体のパラ異性体に対する比率
は1:1〜99:1である。好ましくは、それは40〜
60重量部のI、36〜55重量部のII及び4〜17
重量部のIIIを含み且つメタ異性体のパラ異性体に対
する比率は1.5:1〜9:1である。最も好ましく
は、この比率は2.0:1〜5:1である。
【0030】これらの過酸化物ブレンドはすべて25℃
で液体である。合成段階においてt−ブチルヒドロペル
オキシドのt−アミルヒドロペルオキシドに対するモル
比が低いほど、組成物を凝固せずに保存出来る温度は低
い。幾つかの組成物は、15℃又はそれより低い温度
(0〜5℃)においてさえ液体であり続ける。メタ異性
体の添加も又凝固点を低下させる。
【0031】ジクミルペルオキシドがブレンドに溶け且
つそのブレンドが室温(25℃)において液体であり続
けるならば、これらのブレンドに幾らかのジクミルペル
オキシドを加えることも又、この発明の意図するところ
である。同様に、少量の式XIの過酸化物も又、ブレン
ドが室温(25℃)で液体である限りそのブレンドに加
えることが出来る。
【0032】この発明は又、第二構成面において、少な
くとも1つの過酸化物硬化可能なポリマーと混合したこ
の発明の第一構成面の過酸化物のブレンドを含む硬化可
能組成物を提供する。
【0033】好適な実施態様の説明 製造方法 過酸化物ブレンドを下記の方法の何れかによって製造す
ることが出来る: 1.式I、II及びIIIの化合物を所定範囲内での所
望量で混合する。 2.t−ブチルヒドロペルオキシド及びt−アミルヒド
ロペルオキシドの混合物を式XIIIのジオールと、
1.8〜3.0:1(好ましくは2.0〜2.3:1)
の全ヒドロペルオキシドのジオールに対するモル比で、
酸触媒の存在下で反応させる。ジオールは、純粋メタジ
オール又は所望のメタ対パラ比のメタ及びパラジオール
の混合物であって良い。 3.t−ブチルヒドロペルオキシド及びt−アミルヒド
ロペルオキシドの混合物をメタジイソプロペニルベンゼ
ン(XVI)と又はメタ及びパラジイソプロペニルベン
ゼン(XVI)混合物と、式XVIIの二塩化物若しく
は二臭化物、式XVIIIの一塩化物若しくは一臭化物
又はそれらの混合物の存在下で反応させる
【化20】
【化21】
【化22】 (式中、Yは塩素又は臭素である)。 4.t−ブチルヒドロペルオキシド及びt−アミルヒド
ロペルオキシドの混合物をメタジイソプロピルベンゼン
と又はメタ及びパラジイソプロピルベンゼン混合物と、
遷移金属塩の存在下で反応させる。
【0034】t−ブチルヒドロペルオキシド及びt−ア
ミルヒドロペルオキシドの混合物は、予め製造したヒド
ロペルオキシドの所望の比率での混合によって製造する
ことが出来、或は、2つの出発材料(t−ブチルアルコ
ール及びt−アミルアルコール)を適当な比率で混合
し、次いで、硫酸等の酸触媒の存在下で過酸化水素と反
応させてジ−t−ブチルペルオキシド、ジ−t−アミル
ペルオキシド及びt−アミルt−ブチルペルオキシドを
含む2つの所望のヒドロペルオキシドの混合物を生成す
ることも出来る。炭化水素型溶剤を反応の間に又はその
後に加えて、式I、II及びIIIの過酸化物を含む液
体混合物を製造するための更なる反応に適当な濃度でヒ
ドロペルオキシドを含む溶液を与えることが出来る。
【0035】ヒドロペルオキシド混合物の直接的製造の
ための別の方法は、イソブチレン及びイソペンテンを水
性硫酸中に同時に吸収し、次いで、そのように形成され
た硫酸エステルの混合物を過酸化水素で処理することで
ある。この混合物は又、これらの2つのオレフィン系炭
化水素のそれぞれを硫酸中に別個に吸収し、それらのエ
ステルを混合し、次いで過酸化水素で処理するによって
も製造することが出来る。
【0036】方法1 この方法は、ブレンドの製造の前
に各成分を個別に製造することを必要とするために、液
体過酸化物ブレンドのための商業的に十分に実行し得る
経路ではない。化合物Iは、t−ブチルヒドロペルオキ
シドを式XIIIのジオールと、約2.0〜2.3対1
のt−ブチルヒドロペルオキシドのジオールに対するモ
ル比を用いて、酸触媒の存在下で反応させることによっ
て製造することが出来る(米国特許第3,584,05
9号)。化合物Iは、Hercules Inc. から商標名“Vulc
up”で、Elf Atochem Italiaから商標名“Peroxyimon
F”で及びElf Atochem N.A.から商標名“Luperox 802
”で市販されている。化合物IIIは、t−アミルヒ
ドロペルオキシドを式XIIIのジオールと、約2.0
〜2.5:1のヒドロペルオキシドのジオールに対する
モル比で、酸触媒の存在下で反応させることによって製
造することが出来る。化合物IIは、t−ブチルヒドロ
ペルオキシドを式XIIIのジオールと、約0.9〜
1.1:1のt−ブチルヒドロペルオキシドのジオール
に対するモル比で、酸触媒の存在下で反応させることに
よって製造することが出来る。式IVの半生成物が得ら
れた(式中、Rはt−ブチルであり、R’は2−ヒドロ
キシ−2−プロピルである)。この半生成物を、次い
で、t−アミルヒドロペルオキシドと、約0.9〜1.
4対1のt−アミルヒドロペルオキシドの半生成物に対
するモル比で、酸触媒の存在下で反応させる。化合物I
Iは又、ジオールを、最初にt−アミルヒドロペルオキ
シドと反応させ、次いで、その結果の半生成物(式中、
Rはt−アミルである)をt−ブチルヒドロペルオキシ
ドと反応させることによっても製造することが出来る
(C.A. 85, 142748d参照)。
【0037】方法2 これは液体過酸化物ブレンドを製
造するための好ましい方法である。t−ブチルヒドロペ
ルオキシドをビス−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)
ベンゼンと、酸縮合触媒の存在下で反応させることは、
当業者に周知である(Can. Pat. 754,613 参照)。方法
2は、この手順の変法であり、t−ブチルヒドロペルオ
キシド及びt−アミルヒドロペルオキシドの混合物をt
−ブチルヒドロペルオキシド単独の代わりに用いる。
【0038】これらの過酸化物ブレンドは、t−ブチル
ヒドロペルオキシド及びt−アミルヒドロペルオキシド
の混合物を式XIIIのジオールと、1.8〜3.0対
1の全ヒドロペルオキシドのジオールに対するモル比で
反応させることによって製造することが出来る。ジオー
ルは純粋なメタジオール、又は所望のパーセンテージの
メタジオールを含むメタ及びパラジオールの混合物であ
ってよい。適当な酸触媒は、過塩素酸、硫酸、リン酸、
塩酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−ト
ルエンスルホン酸、−SO3 H置換したイオン交換樹
脂、トリフルオロ酢酸及び25℃の水溶液中でpKa≦
2.5を有する酸等の有機又は無機の任意の強酸であ
る。この反応に適当な他の酸性触媒は、米国特許第4,
198,528号のようなpKa>2.85を有するカ
ルボン酸の無水物及び合成SiO2 −Al23 (日本
国特許公報81 20,568;C.A. 95, 42650)を含
む。60〜80%硫酸等の強酸水溶液を用いる場合は、
反応は一般に−5℃より高く且つ40℃より低い温度で
行なう。最適反応温度は、酸縮合触媒の個性と量及び存
在する水の量に依存する。反応は、溶媒なしで、又は不
活性溶媒若しくは溶媒の混合物の存在下で行なうことが
出来る(例えば、ベンゼン、トルエン、クメン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン及びヘプタ
ン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化
水素、ジエチルエーテル及びメチルt−ブチルエーテル
等のエーテル並びにメチレンクロリド、クロロホルム、
クロロベンゼン及びジクロロベンゼン等の塩素化炭化水
素)。
【0039】好ましくは、化学量論的に僅かに過剰のt
−ブチル及びt−アミルヒドロペルオキシドの混合物
を、メタビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼ
ンXIII(又は、XIIIのメタ及びパラ異性体の混
合物)と、硫酸水溶液の存在下で反応させる。好ましく
は、ジオールXIIIは、15〜30℃のヒドロペルオ
キシド混合物中で、約1.8〜2.5対1のヒドロペル
オキシドのジオールに対するモル比でスラリー化する。
反応を、酸(好ましくは、68〜73%硫酸水溶液)を
混合物に加えることにより開始し、他方、反応温度は1
5〜30℃に制御する(最も好ましくは、20±2
℃)。好ましくは、硫酸のジオールに対するモル比は
1.8〜3.5対1であり、最も好ましくは、2.0〜
3.0対1である。反応は、ガスクロマトグラフィーに
よって容易に監視することが出来る。生成物の比率は、
t−ブチルヒドロペルオキシドのt−アミルヒドロペル
オキシドに対するモル比を0.25〜2.5対1で変化
させることにより変更することが出来る。好ましくは、
t−ブチルヒドロペルオキシドのt−アミルヒドロペル
オキシドに対するモル比は、1.0〜2.35対1.0
である。最も好ましくは、この比率は1.5〜2.25
対1.0である。好ましくは、ヒドロペルオキシドのジ
オールに対するモル比は、2.0〜2.5対1である。
最も好ましくは、この比率は2.0〜2.3対1であ
る。
【0040】この過酸化物ブレンドは又、ヒドロペルオ
キシドの一部をジオールに加え、酸触媒の対応する部分
を加えて反応を起こさせ、ヒドロペルオキシド混合物の
他の部分を加えてから酸の対応する部分を添加の完了ま
で加え、次いで、反応が本質的に完了するまで攪拌する
ことによっても製造することが出来る。同様に、ジオー
ルをヒドロペルオキシドの一方においてスラリー化し、
対応する量の酸を加えて反応を起こすことが出来る。次
いで、他のヒドロペルオキシドを加え且つ酸の残りを加
えてその結果の混合物を反応が本質的に完了するまで攪
拌することが出来る。この方法を用いるならば、t−ア
ミルヒドロペルオキシドを最初に反応させるのが好まし
い。添加の順序は、逆にすることが出来、硫酸水溶液を
0〜5℃でジオールに加え、次いでヒドロペルオキシド
を0〜10℃で酸スラリーに混合物として又は増加的に
加える。次いで、反応温度をゆっくりと40℃まで(好
ましくは、30℃まで)上昇させ且つ反応混合物を、本
質的にすべてのジオールが反応するまで攪拌する。
【0041】反応が完了した後、粗生成物を酸触媒から
分離し又は酸を中和する。好ましくは、酸層を分離して
粗生成物をアルカリ金属水酸化物溶液(好ましくは、5
〜15%の水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム水溶
液)で洗い、中性になるまで水洗しそして揮発性物質を
除去する。前述のような不活性溶媒の添加は、生成物の
分離を早め且つ機械的損失を最小化することが出来る。
【0042】方法3は、t−ブチル/t−アミルヒドロ
ペルオキシド混合物の1,3−ビス(2−クロロ−2−
プロピル)ベンゼン、1−(2−クロロ−2−プロピ
ル)−3−イソプロペニルベンゼン、1,3及び1,4
−ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンの混合
物、1−(2−クロロ−2−プロピル)−3−イソプロ
ぺニルベンゼン及び1−(2−クロロ−2−プロピル)
−4−イソプロぺニルベンゼンの混合物又はこれらの混
合物との、メタジイソプロペニルベンゼン又はメタ及び
パラジイソプロペニルベンゼン混合物の存在下での、比
較的非水性条件下での反応を含む。この反応は、過酸化
物I、II及びIIIを生じ且つ塩化水素を遊離する。
この反応は、非ヒンダードフェノールの添加によって触
媒することが出来る。これらの条件下において、生じた
塩化水素は、ジイソプロペニルベンゼンと反応してビス
(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン、1−(2−ク
ロロ−2−プロピル)−3−若しくは4−イソプロペニ
ルベンゼン又はそれらの混合物を再生する。1−(2−
クロロ−2−プロピル)−3−若しくは4−イソプロペ
ニルベンゼンは、この反応の遅い時期において、更に塩
化水素と反応して1,3−又は1,4−ビス(2−クロ
ロ−2−プロピル)ベンゼンを形成することが出来、或
は、ヒドロペルオキシドと反応して、更にヒドロペルオ
キシドと反応して化合物I、II又はIIIを形成する
ことの出来る1−(2−t−アルキルペルオキシ−2−
プロピル)−3−又は4−(2−クロロ−2−プロピ
ル)ベンゼンを形成することが出来る。
【0043】ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼ
ン/(2−クロロ−2−プロピル)イソプロペニルベン
ゼン溶液は、乾燥塩化水素をジイソプロペニルベンゼン
に約5〜20%のイソプロぺニル基が2−クロロ−2−
プロピル基に変換されるまで加えることによってその場
で生成することが出来る。或は、ビス(2−クロロ−2
−プロピル)ベンゼンは、乾燥塩化水素をジイソプロぺ
ニルベンゼンに本質的にすべてのイソプロぺニル基が2
−クロロ−2−プロピル基に変換されるまで加えること
によって製造することが出来る。別法として、ビス(2
−クロロ−2−プロピル)ベンゼンを、ジイソプロぺニ
ルベンゼンで所望の濃度に希釈することが出来、又は、
ジイソプロぺニルベンゼン、t−ブチルヒドロペルオキ
シド、t−アミルヒドロペルオキシド及びフェノールの
混合物に直接加えることが出来る。
【0044】好ましくは、ジイソプロぺニルベンゼンの
イソプロぺニル基の約5〜20%を、最も好ましくは7
〜12%を2−クロロ−2−プロピル基に変換し、ヒド
ロペルオキシド混合物をそれに加えそしてフェノール触
媒を加える。2−クロロ−2−プロピル基の濃度を増す
ことは反応速度を増すが、通常、生じる不純物の量を同
様に増加させる。2−クロロ−2−プロピル基に加え合
せたイソプロぺニル基のヒドロペルオキシド基に対する
モル比は、0.5〜1.3対1で変化し得る。
【0045】反応物質は、任意の順序で反応器に充填し
て良いが、フェノール又は(2−クロロ−2−プロピ
ル)ベンゼン/1−(2−クロロ−2−プロピル)イソ
プロぺニルベンゼン溶液を最後に加えるのが好ましい。
好ましくは、ヒドロペルオキシド混合物中のフェノール
の溶液をジイソプロぺニルベンゼン中の2−クロロ−2
−プロピルベンゼンの溶液に加える。
【0046】この系は完全に無水である必要はないが、
水は速度遅延効果を有する。扱い易さの観点から、約9
%の水を含む液化フェノールを用いることが或る場合に
は有利であることが見出された。液化フェノールを用い
る場合は、用いるフェノールの量は、水の速度遅延効果
を乗り超えるためには約10%ずつ増加させなければな
らない。他の適当な非ヒンダードフェノールは、オル
ト、メタ及びパラクレゾール、クロロフェノール、ブロ
モフェノール、メトキシフェノール、エトキシフェノー
ル、イソプロピルフェノール及びパラ−t−ブチルフェ
ノールを含む。実際的観点からは、反応混合物から水性
苛性アルカリで容易に抽出し得る安価な低分子量フェノ
ールを用いるのが有利である。フェノール並びにメタ及
びパラクレゾール又はそれらの混合物は特に適当であ
る。
【0047】生成物I、II及びIIIの比率は、t−
ブチルヒドロペルオキシドのt−アミルヒドロペルオキ
シドに対するモル比を0.25〜2.5対1で変化させ
ることによって変更し得る。好ましくは、t−ブチルヒ
ドロペルオキシドのt−アミルヒドロペルオキシドに対
するモル比は、1.0〜2.35対1であり、最も好ま
しくは、1.5〜2.25対1である。I、II及びI
IIのメタ異性体のパラ異性体に対する比率は、出発の
メタ及びパラジイソプロぺニルベンゼンの比率を変える
ことによって変更し得る。メタジイソプロぺニルベンゼ
ンのパラジイソプロぺニルベンゼンに対する比率は、少
なくとも1:1、一層好ましくは少なくとも2:1、最
も好ましくは少なくとも2.5:1であるべきであり、
或はジイソプロぺニルベンゼンはメタ異性体のみとすべ
きである。
【0048】反応は、10〜50℃(好ましくは、15
〜45℃)の温度範囲で行なう。フェノールは触媒とし
て作用するので、反応温度及び時間は加えたフェノール
の量に依存する。少量のフェノールを加えた場合は、反
応は長くなり、多量のフェノールを加えた場合よりも高
温で行なうべきである。実際には、反応を低温(15〜
25℃)で開始し(バルク反応が起きる)、反応が遅れ
たときに温度を上げるようにプログラムするのが好まし
い。反応はガスクロマトグラフィーにより監視すること
が出来、それ故、当業者は温度を上げ又は下げるべきか
否かを容易に判断することが出来る。
【0049】反応が本質的に完了した後に、粗反応生成
物を水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの希釈溶液で
洗ってフェノール及び残留ヒドロペルオキシドを除去し
且つ任意の残留(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼン
を加水分解する。粗生成物を、次いで、水洗して中性に
し且つ揮発性物質を減圧下で除去する。
【0050】この過酸化物ブレンドは又、メタ−ジイソ
プロぺニルベンゼン又はメタ−及びパラ−ジイソプロぺ
ニルベンゼン混合物をt−ブチル及びt−アミルヒドロ
ペルオキシドと、塩酸水溶液の存在下で、米国特許第
4,864,064号中の実施例2の手順を用いて反応
させることによっても製造することが出来る。
【0051】方法4 この方法は、イソプロピルベンゼ
ンの存在下での、金属触媒によるヒドロペルオキシドの
分解を含む。M.S. Kharasch とA. Fono (J. Org. Che
m. 23 324頁(1958))は、金属塩の存在下でのt−ブチ
ルヒドロペルオキシドとクメンとの反応によるアルファ
−クミルt−ブチルペルオキシドの製造を報告した。同
じ方法で、ビス(2−t−ブチルペルオキシ−2−プロ
ピル)ベンゼン(I)を、ジイソプロピルベンゼンの存
在下でのt−ブチルヒドロペルオキシドの金属触媒によ
る分解によって製造することが出来る。4:1のt−ブ
チルヒドロペルオキシドのジイソプロピルベンゼンに対
するモル比が必要である。t−ブチルヒドロペルオキシ
ド及びt−アミルヒドロペルオキシドの混合物を用い且
つヒドロペルオキシドのジイソプロピルベンゼンに対す
るモル比が少なくとも4:1であるならば、過酸化物
I、II及びIIIを含む生成物が得られる。
【0052】この反応は、バナジウム、クロム、マグネ
シウム、鉄、コバルト、ニッケル及び銅の塩によって触
媒することが出来る。これらの塩は、ハロゲン化物及び
硫酸塩等の無機物であっても良く又は有機酸のナフテネ
ート、アセチルアセトネート及びカルボキシレート等の
有機物であっても良い。ヒドロペルオキシドは金属塩に
対して酸化剤及び還元剤の両者として作用するので、用
いる塩は任意の酸化状態の金属を有して良い。好ましく
は、塩化第一銅、塩化第二銅、酢酸第一コバルト、2−
エチルヘキサン酸第二銅、2−エチルヘキサン酸第一コ
バルト又はステアリン酸第二コバルトを用いて良い。
【0053】反応時間は、触媒の型及び量、反応温度、
溶剤の存在又は不在、並びに用いるヒドロペルオキシド
の量によって数時間から数日まで変化し得る。好ましく
は、ヒドロペルオキシドを部分に分けて加え且つ反応を
50〜80℃で行なう。触媒濃度が高い程、誘発される
ヒドロペルオキシドの分解を排除し又は最小化するため
に反応温度を低く保つべきである。適当な不活性溶剤
は、ベンゼン、トルエン、メタノール、イソプロパノー
ル、エタノール、t−ブタノール、ヘキサン、クロロホ
ルム及び酢酸を含む。金属塩の水溶液も又用いることが
出来る。
【0054】触媒濃度は、ヒドロペルオキシド1モル当
り約0.001〜0.1モルで変化し得る。好ましく
は、ヒドロペルオキシド1モル当り約0.01〜0.0
5モルの触媒を用いる。
【0055】好ましくは、反応が本質的に完了した後
に、任意の触媒残留物を濾過し、粗反応生成物を5〜1
0%追加ヒドロペルオキシド、60〜80%硫酸水溶液
で、20〜30℃で10〜30分間処理して、任意の2
−ヒドロキシ−2−プロピルベンゼン副生成物をI、I
I又はIIIの何れかへ変換させる。酸を分離し、粗生
成物を5〜10%水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム
で洗い、水洗して中性にし且つ揮発性物質を減圧下で除
去する。
【0056】ヒドロペルオキシドは、順次的に又は混合
物として加えることが出来る。生成物I、II及びII
Iの比率は、t−ブチルヒドロペルオキシドのt−アミ
ルヒドロペルオキシドに対するモル比を0.25〜2.
5対1で変化させることによって変更することが出来
る。好ましくは、t−ブチルヒドロペルオキシドのt−
アミルヒドロペルオキシドに対するモル比は、1.0〜
2.35対1であり、最も好ましくは1.5〜2.25
対1である。化合物I、II及びIIIのメタ異性体の
パラ異性体に対する比率は、出発のジイソプロピルベン
ゼンのメタ対パラ比を変えることによって変更すること
が出来る。このメタ異性体のパラ異性体に対する比率
は、少なくとも1:1、好ましくは、少なくとも1.
5:1であるべきであり、又はメタ異性体のみとすべき
である。
【0057】方法2、3及び4により製造したブレンド
は、追加の化合物III(好ましくは、方法1に記載し
たようにして製造したメタ異性体)を加えることにより
改変して、一層低い凝固点を得ることが出来る。
【0058】効用 この発明の新規なブレンドは、自然状態で熱可塑性又は
エラストマー性であり且つフリーラジカル架橋剤の作用
によって架橋可能な天然又は合成材料の架橋において有
用である。液体であるために、この発明の新規なブレン
ドは、高価で潜在的に危険な溶融段階を行なうことな
く、ポリマー材料中に均一に分散し得る。適当な架橋可
能なポリマー材料の例は、低密度ポリエチレン、線形低
密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−プ
ロピレンコポリマー及びターポリマー、エチレン−酢酸
ビニルコポリマー、塩素化ポリエチレン、シリコーンゴ
ム、天然ゴム(シス−1,4−ポリイソプレン)、ポリ
ウレタンゴム、1,4−ポリブタジエン、スチレン−ブ
タジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、イ
ソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ンコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、
スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー及びクロロ
プレンゴムを含む。架橋可能ポリマーへの言及は、Rubb
er World, "Elastomer Crosslinking with Diperoxyket
als", 1983年10月、26-32頁及びRubber and Plastics Ne
ws, "Organic Peroxides for Rubber Crosslinking", 1
980 年 9月29日、46-50頁に見ることが出来る。
【0059】架橋可能ポリマー組成物中に存在する過酸
化物ブレンド架橋剤の量は、所望の程度の架橋を与える
のに十分でなければならない。架橋剤ブレンドの量は、
ポリマー化合物の各100重量部について0.1〜10
重量部にわたって良い。好ましくは、0.5〜5PHR
(樹脂100部当りの部)の過酸化物ブレンドを用い
る。
【0060】適当量の過酸化物ブレンドを含む架橋可能
組成物を、所望の程度の架橋を得るのに十分な時間にわ
たって熱硬化させる。熱硬化は、架橋可能ポリマー並び
に過酸化物ブレンドの量及び組成に依存する温度−時間
関係を有する。この架橋は、好ましくは、300〜50
0°F(149〜260℃)で0.5〜30分間行な
う。
【0061】これらのポリマー組成物は又、1種以上の
充填剤又はキャリアーをも含んで良い。普通に用いられ
る充填剤の幾つかは、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウ
ム、シリカ、種々のグレードのクレイ、カーボンブラッ
ク、二酸化チタン及びアルカリ土類金属炭酸塩である。
架橋すべきポリマー組成物は又、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、液体の1,2−ポリ
ブタジエン及び種々の多官能性メタクリレート及びアク
リレート等の協力剤をも含んで良い。
【0062】この発明の新規なブレンドは又、スチレ
ン、ブタジエン、イソプレン、アクリロニトリル、塩化
ビニル、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、
酢酸ビニル、アクリル酸、ステアリン酸ビニル、塩化ビ
ニリデン及びこれらの混合物等のビニルモノマーに対す
る重合開始剤としても有用である。この発明の新規なブ
レンドは又、エチレン及びプロピレンのホモポリマー又
はコポリマーへのビニルモノマーのグラフト化に対する
開始剤としても有用である。適当なグラフト用モノマー
の例は、マレイン酸無水物、マレイミド及びN−置換マ
レイミド、アクリル酸及びメタクリル酸、マレイン酸の
モノ及びジエステル、スチレン、アクリロニトリル及び
アクリルアミドを含む。これらの新規なブレンドは又、
ポリエステル樹脂の硬化にも有用である。
【0063】実験 下記の例を、本発明及びその好適実施態様の一層詳細な
説明を与えるために提供するが、説明を意図するもので
あり、制限を意図するものではない。
【0064】ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベ
ンゼンのメタ異性体を住友化学株式会社から得た。パラ
異性体は三井化学株式会社から得た。メタ及びパラ異性
体の混合物をこれら2種の異性体を所定量で混合するこ
とにより製造した。メタ及びパラジオール及びそれらの
混合物も又、AlCl3 の存在下でベンゼンをプロピレ
ンでアルキル化し、ジイソプロピルベンゼン画分を分離
し、それを従来技術を用いて空気で酸化し、ジイソプロ
ピルベンゼンのメタ及びパラジヒドロペルオキシドを水
性苛性アルカリで抽出し及び水性抽出物を硫化水素ナト
リウムで従来法で還元して約35%のパラ異性体及び約
65%のメタ異性体を含むジアルコールの水性懸濁液を
形成することによって製造した。水性t−ブチルヒドロ
ペルオキシド(70%)は Arco Chemical Co.の製品で
ある。t−アミルヒドロペルオキシド(82〜85%)
は Elf Atochem North America., Inc. の製品である。
Dutral(登録商標)CO 054は、エチレン/プロピレンコ
ポリマーである。Riblene (登録商標)CF 2203 は、低
密度ポリエチレンである。Anox(登録商標)HBは、2,
2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンポリマ
ーである。Sclair(登録商標)は、高密度ポリエチレン
樹脂である。
【0065】例I〜XXXIII及び比較例1〜5の反
応は、温度計及び底部出口バルブを備えたジャケット付
き攪拌反応器中で行なった。
【0066】例XXXIV〜XXXVIの硬化反応は、
Monsanto ODR-100振動ディスク流動計(Model R-100 )
中で行なった。例XXXV及びXXXVIでは、ムーニ
ー粘度計を用いてスコーチ時間を測定した。
【0067】示したようにして製造した任意のビスペル
オキシド中に副産物として存在するモノペルオキシド
は、米国特許第3,584,059号の方法によって除
去することが出来る(その開示を本明細書中に参考とし
て援用する)。
【0068】ガス及び液体クロマトグラフィー分析は、
重量パーセントで記す。
【0069】例I 反応器に、0.26モルのt−ブチルヒドロペルオキシ
ドペルオキシド及び0.26モルのt−アミルヒドロペ
ルオキシドを含む138gのヘプタン溶液、6.1gの
水、並びに、約0.167モルのメタ異性体及び0.0
89モルのパラ異性体を含む56gの式XIIIのジア
ルコールを加えた。スターラーを作動させ且つポンプで
冷水をジャケット内に送ってスラリーを5℃に冷却し
た。冷却したスラリーに、119g(0.85モル)の
70%硫酸を1時間にわたって窒素下で加え、他方、氷
水を反応器ジャケット内に循環させることによって温度
を5〜8℃に制御した。添加が完了した後に、反応を更
に1時間5〜8℃で攪拌した。
【0070】粗反応混合物を沈殿させ、下部の酸層を分
離した。次いで、有機層を、60℃で、10%水性ソー
ダの500ml部分で2回洗い且つ脱い温水の250m
l部分で2回洗った。ヘプタンを水蒸気蒸留により除去
し且つ残留物を65℃で真空下で乾燥した。生成物は重
量67gの液体であり、Act(O)含量7.43%を
有した。ガスクロマトグラフィー分析は、この生成物が
19%のメタI、12%のパラI、26%のメタII、
20%のパラII、8%のメタIII及び7%のパラI
IIからなる混合物であることを示した。この生成物は
15℃で液体であり続けた。
【0071】例II 式XIIIのジアルコールがメタ異性体を含まないこと
以外は、例Iの手順を繰り返した。乾燥生成物は重量6
0gの液体であり、Act(O)含量7.8%を有し
た。ガスクロマトグラフィー分析は、この生成物が30
%のメタI、43%のメタII及び16%のメタIII
からなる混合物であることを示した。この生成物は15
℃で液体であり続けた。
【0072】例III ヘプタン溶液が0.13モルのt−ブチルヒドロペルオ
キシド及び0.39モルのt−アミルヒドロペルオキシ
ドを含むこと以外は、例Iの手順を繰り返した。式XI
IIのジアルコールは0.167モルのメタ異性体及び
0.089モルのパラ異性体の混合物であった。乾燥生
成物は重量66gの液体であり、Act(O)含量7.
27%を有した。ガスクロマトグラフィー分析は、この
生成物が6%のメタI、3%のパラI、22%のメタI
I、15%のパラII、24%のメタIII及び19%
のパラIIIからなる混合物であることを示した。この
生成物は15℃で液体であり続けた。
【0073】例IV ヘプタン溶液が0.124モルのt−ブチルヒドロペル
オキシド及び0.373モルのt−アミルヒドロペルオ
キシドを含むこと以外は、例Iの手順を繰り返した。式
XIIIのジアルコールのメタ異性体(0.234モ
ル)を用いた。乾燥生成物は重量56gの液体であり、
Act(O)含量7.62%を有した。ガスクロマトグ
ラフィー分析は、この生成物が9%のメタI、37%の
メタII、43%のメタIIIからなる混合物であるこ
とを示した。この生成物は15℃で液体であり続けた。
【0074】例V 反応器に、84.2g(1.0モル)の88%水性t−
ブチルアルコール、100g(1.0モル)の88%水
性t−アミルアルコール及び197gのヘプタンを加え
た。スターラーを作動させ且つ126g(2.6モル)
の70%過酸化水素及び126g(0.9モル)の70
%硫酸を同時に1時間にわたって、温度を35℃に維持
して加えた。添加が完了した後に、その結果の混合物を
更に2時間にわたって35℃で攪拌した。攪拌期間の終
わりに、水性層を沈殿させて分離した。このヘプタン溶
液(386g)のガスクロマトグラフィー分析は、2
0.7%のt−ブチルヒドロペルオキシド及び23.9
%のt−アミルヒドロペルオキシドの存在を示した。
【0075】113gの上記のヘプタン溶液(0.26
モルのt−ブチルヒドロペルオキシド及び0.26モル
のt−アミルヒドロペルオキシドを含む)をヒドロペル
オキシド溶液として用いること以外は、例Iの手順を繰
り返した。式XIIIのジアルコールは0.167モル
のメタ異性体及び0.089モルのパラ異性体の混合物
であった。乾燥生成物は重量66gの液体であり、Ac
t(O)含量7.53%を有した。ガスクロマトグラフ
ィー分析は、この生成物が15%のメタI、11%のパ
ラI、25%のメタII、21%のパラII、9%のメ
タIII及び8%のパラIIIからなる混合物であるこ
とを示した。この生成物は15℃で液体であり続けた。
【0076】例VI 例Vに記載したのと類似の手順に従って、21gの88
%t−ブチルアルコール、75gの88%t−アミルア
ルコール及び100gのn−ヘプタンを、63gの70
%過酸化水素と共に、70%硫酸の存在下で攪拌して1
99gのヒドロペルオキシドのヘプタン溶液を与えた。
このヘプタン溶液のガスクロマトグラフィー分析は、そ
れが10%のt−ブチルヒドロペルオキシド及び30%
のt−アミルヒドロペルオキシドを含むことを示した。
【0077】上記からの130gのヘプタン溶液(0.
144モルのt−ブチルヒドロペルオキシド及び0.3
75モルのt−アミルヒドロペルオキシドを含む)を1
26gの70%硫酸、6.1gの水並びに式XIIIの
ジアルコールのメタ異性体0.167モル及びパラ異性
体0.089モルと共に攪拌した。生成物は、仕上げ及
び乾燥の後に、重量67gの液体であり、Act(O)
含量7.27%を有した。ガスクロマトグラフィー分析
は、この生成物が5%のメタI、3%のパラI、21%
のメタII、17%のパラII、23%のメタIII及
び19%のパラIIIからなる混合物であることを示し
た。この生成物は15℃で液体であり続けた。
【0078】例VII 反応器に、20.4g(0.105モル)の1,3−ビ
ス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、19.
8g(0.154モル)の水性70%t−ブチルヒドロ
ペルオキシド、9.8g(0.077モル)の水性82
%t−アミルヒドロペルオキシド及び1.5gの水を加
えた。スターラーを作動させて混合物を激しく攪拌して
厚いスラリーを形成した。スラリーの温度を、冷水をポ
ンプでジャケット内へ送ることにより14℃に調節し
た。冷却したスラリーに、44.1g(0.316モ
ル)の70%硫酸を13分間にわたって滴下して加え、
その間、15〜18℃の水を反応器ジャケット内に循環
させることにより温度を14〜21℃に制御した。添加
の完了後に、反応を更に1時間20〜21℃で攪拌し
た。
【0079】粗反応混合物を40mlのヘキサン及び5
0mlの水で希釈し、下部の酸層を沈殿させて分離し
た。次いで、有機層を50ml部分の7 1/2%水酸
化ナトリウム溶液、水、そして飽和重炭酸ナトリウム溶
液で洗った。これらの洗浄はすべて30℃で5分間の持
続時間であった。洗浄したヘキサン溶液を10gの無水
硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、且つヘキサンをロ
ータリーエバポレーターでウォーターアスピレーターの
真空下で除去した。残留物を更に45分間50〜60℃
で真空ポンプを用いて除去処理して何れの残留揮発性物
質をも除去した。残留物は重量32.5gの淡黄色の液
体であった。この生成物の液体クロマトグラフィー分析
は、それが49.1%のメタI、36.2%のメタII
及び7.3%のメタIIIからなる混合物であることを
示した。それは、室温での保存において凝固しなかっ
た。
【0080】例VIII 反応器に、20.4g(0.105モル)の1,3−ビ
ス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、14.
9g(0.116モル)の水性70%t−ブチルヒドロ
ペルオキシド、14.5g(0.116モル)の水性8
3%t−アミルヒドロペルオキシド及び2.0gの水を
加えた。スターラーを作動させ且つ26.8g(0.2
1モル)の77%硫酸を20分間にわたって滴下して加
え、その間、反応温度を17〜22℃に制御した。反応
を更に2時間20℃で攪拌し、次いで例Iのようにして
仕上げた。揮発性物質除去した残留物は重量29.8g
の淡黄色の液体であった。ガスクロマトグラフィー分析
は、この残留物が36.1%のメタI、43.5%のメ
タII及び13.4%のメタIIIからなる混合物であ
ることを示した。この残留物を冷凍機中に一晩0〜5℃
で置いたが凝固しなかった。
【0081】例IX 反応器に、16.3g(0.084モル)の1,3−ビ
ス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、4.1
g(0.021モル)の1,4−ビス(2−ヒドロキシ
−2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン、19.8
g(0.154モル)の水性t−ブチルヒドロペルオキ
シド、9.6g(0.077モル)の水性t−アミルヒ
ドロペルオキシド及び1.5gの水を加えた。スターラ
ーを作動させて26.8g(0.21モル)の77%硫
酸を12分間にわたって滴下して加え、その間、温度を
23〜31℃に制御した。反応を更に30℃で1 1/
2時間攪拌し、次いで例Iのようにして仕上げた。残留
物は重量29.2gの淡黄色の液体であった。この生成
物は、室温(23℃)での保存において液体のままであ
った。液体クロマトグラフィー分析は、この生成物が約
40.1%のメタI、13.6%のパラI、28.2%
のメタII、10.8%のパラII、4.9%のメタI
II及び2.4%のパラIIIを含むことを示した。こ
の生成物の試料を冷凍機中に0〜5℃で保存した。この
試料は3日間液体のままであった。
【0082】例X〜XXXを、例VIIの一般的手順を
用いて行なった。用いたビス(2−ヒドロキシ−2−プ
ロピル)ベンゼンの全量は、20.4g(0.105モ
ル)であった。出発のジオール中のメタ及びパラ異性体
のパーセントを表Iに与える。ヒドロペルオキシドのジ
オールに対するモル比は2.2対1であった。各実験で
用いたt−ブチルヒドロペルオキシドのt−アミルヒド
ロペルオキシドに対するモル比も又表Iに与える。70
%水性t−ブチルヒドロペルオキシドはそのまま用い、
85%水性t−アミルヒドロペルオキシドは使用前に水
で78%に希釈した(例XXIII及びXVIVは78
%の代わりに70%t−アミルヒドロペルオキシドを用
いた)。用いた酸触媒は、44.1g(0.316モ
ル)の70%硫酸であった。酸を約15分間にわたって
加え、その間、冷水を反応器ジャケット内に循環させる
ことによって反応温度を14〜16℃に保持した。添加
が完了した後に、反応を更に20〜22℃で1時間攪拌
した。
【0083】粗生成物を例VIIの手順に従って仕上げ
て揮発性物質を除去した。すべての生成物は、23℃で
液体のままの淡黄色の液体であった。表Iは、多くの生
成物が15℃の保存において液体のままであり、幾つか
は3℃の保存において液体のままであったことを示す。
類似の生成組成物も又、表Iに見られる。
【0084】比較例1 1,3−ビス(2−t−ブチルペルオキシ−2−プロピ
ル)ベンゼン(メタI)を、29.7g(0.231モ
ル)の水性70%t−ブチルヒドロペルオキシドを2
0.4g(0.105モル)の1,3−ビス(2−ヒド
ロキシ−2−プロピル)ベンゼンと、26.8g(0.
21モル)の77%硫酸の存在下で、例Iの手順に従っ
て反応させることによって製造した。揮発性物質除去し
た生成物は、32.6gの重量であった。それは、冷却
により結晶化し、45〜52℃の融点を有した。この例
は比較の目的のためであり、この発明の明細書には含ま
れない。この過酸化物の検定は理論的に97%であっ
た。
【0085】比較例2 1,3−ビス(2−t−アミルペルオキシ−2−プロピ
ル)ベンゼン(メタIII)を、3.2gの水で希釈し
た28.1g(0.231モル)の水性85.7%t−
アミルヒドロペルオキシドを20.4g(0.105モ
ル)の1,3−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)
ベンゼンと、44.1g(0.316モル)の70%硫
酸の存在下で、例VIIの手順に従って反応させること
によって製造した。揮発性物質を除去した生成物は、−
17℃のフリーザー中で凝固しない黄色の液体であっ
た。この生成物は、重量が29.9gであり、95%の
1,3−ビス(2−t−アミルペルオキシ−2−プロピ
ル)ベンゼン及び5%の1−(2−t−アミルペルオキ
シ−2−プロピル)−3−(2−ヒドロキシ−2−プロ
ピル)−ベンゼンであることが検定された。この生成物
は、15℃において液体のままであった。
【0086】比較例3 1,4−ビス(2−t−アミルペルオキシ−2−プロピ
ル)ベンゼン(パラIII)を、3.2gの水で希釈し
た28.1g(0.231モル)の水性85.7%t−
アミルヒドロペルオキシドを20.4g(0.105モ
ル)の1,4−ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)
ベンゼンと、44.1g(0.316モル)の70%硫
酸の存在下で、例VIIの手順に従って反応させること
によって製造した。揮発性物質を除去した生成物は、1
5℃で液体のままの黄色の液体であった。この生成物の
重量は32.0gであった。
【0087】比較例4 式XIIIのジアルコールが12.2g(0.063モ
ル)のメタ異性体及び8.2g(0.042モル)のパ
ラ異性体の混合物であること以外は、比較例3を繰り返
した。揮発性物質除去した生成物は黄色の液体であり、
−17℃のフリーザー中で凝固しなかった。この生成物
は55.4%の1,3−ビス(アミルペルオキシ−2−
プロピル)ベンゼン(メタIII)及び41.9%のパ
ラ異性体(パラIII)を含んだ。
【0088】1.84モルのt−アミルヒドロペルオキ
シドを含むヘプタン溶液(647g)並びに、17.5
gの水、0.53モルの式XIIIのジアルコールのメ
タ異性体及び0.28モルのパラ異性体からなる174
gの水性懸濁液とを反応器に加えた。スターラーを作動
させ、ポンプで冷水をジャケット内に送ることによりス
ラリーを5℃に冷却した。冷却したスラリーに、窒素大
気中で、331gの70%硫酸水溶液をゆっくりと30
分間にわたって加え、その間、温度を5〜8℃に維持し
た。添加が完了した後に、反応を更に1時間5〜8℃で
攪拌した。
【0089】粗反応混合物を沈殿させて下部の酸層を分
離した。次いで、有機層を60℃の500ml部分の1
0%水性ソーダで2回洗い、200ml部分の脱イオン
水で2回洗った。ヘプタンを水蒸気蒸留によって除去し
且つ残留物を65℃で真空下で乾燥した。生成物は液体
であり、Act(O)含量6.97%を有した。ガスク
ロマトグラフィー分析は、この生成物が45%のメタI
II及び36%のパラIIIからなる混合物であること
を示した。
【0090】例XXXIa〜XXXIIIa 例XXXI〜XXXIIIは、例X〜XXXに用いた一
般的手順を用いて実施した。例XXXIa及びXXXI
Iaは、例XXXI及びXXXIIの生成物9部を比較
例2の1,3−ビス(2−t−アミルペルオキシ−2−
プロピル)ベンゼン1部で希釈することによって調製し
た。例XXXIIIaは、例XXXIIIの生成物9部
を1,3−ビス(2−t−アミルペルオキシ−2−プロ
ピル)ベンゼン2部で希釈することによって調製した。
例XXXIa、XXXIIa及びXXXIIIaの生成
物は、XXXI、XXXII及びXXXIIIの生成物
より低温で液体のままであった。これらの希釈した試料
及び希釈しない試料の類似の組成物は、表IIに見られ
る。
【0091】例XXXIV高密度ポリエチレンにおける架橋評価 例VII及びVIII並びに比較例1及び2からの生成
物を、高密度ポリエチレンの架橋について評価した。す
べての試料は、等しい活性酸素基準において実施され、
それ故、95%検定未満の試料は検定用に補正した。
【0092】40gの duPont のSclair(登録商標)高
密度ポリエチレン樹脂をタイプ−5混合羽根を有するC.
W. Brabender Plastigraphに加えた。このミキサーを1
40℃(この樹脂を溶融混合するのに丁度十分)に加熱
し且つ混合速度を30RPMに設定した。ポリエチレン
を溶融し、次いで、1.69PHR(検定用に補正)の
過酸化物を溶融した樹脂にゆっくりと加えた。全混合時
間は6〜7分間であった。混合した樹脂を取り出し、室
温Carberラボラトリープレス(モデルC)を用いて2つ
の Mylar片の間にフラットシートにプレスした。室温に
冷却してから、この配合物中の過酸化物の、Monsanto O
DR-100振動ディスク流動計(モデル R-100)を用いる架
橋評価のために、直径約1インチの丸い円盤をそのシー
トから切り出した。
【0093】Monsanto流動計試験手順(ASTM−D−
2084−71T)を、両円錐円盤を含む加熱ダイキャ
ビティー内に加圧下に密閉した未硬化試料について実施
する。円盤を3°の弧で振動させる(100サイクル/
分)。捩りトルク(倍率計で測定)は、円盤の回転に対
する溶融ポリマーの反対である。円盤を振動させるため
に必要なトルクを時間の関数として記録するが、それ
は、ポリマーの架橋の程度に比例する。剪断弾性率は、
架橋パーセントが増すにつれて増大し、生じるカーブが
時間と共に進行する硬化反応を表す。流動計から記録し
た試験用変数は、下記の通りである。MH は、試験で生
じた最大トルクである。これは、インチ−lbs(又は
ダイン−cm)で測定し、達成された架橋の尺度であ
る。ML は、試験で記録された最小トルクであり、イン
チ−lbs(又はダイン−cm)で測定する。これは、
化合物の粘度の尺度であり、スコーチの指標である。M
L 値の増加はスコーチを示す。MH-ML は、試験で記録
された最大及び最小トルク値の差であり、架橋の進行の
指標である。MH-ML 値が大きい程、架橋の程度も大き
い。TC は、硬化時間(分)である。TC90 は、最大ト
ルクの90%に到達するのに要する時間である。これ
は、(MH −ML )0.9+ML と定義される。TS
は、スコーチ時間(分)である。スコーチは、硬化可能
なポリマー混合物の押し出し機のダイからの押し出しの
間に生じる時機尚早且つ不必要な加硫である。スコーチ
時間は、この時機尚早な加硫が生じる前の時間である。
これは、規定の粘度増加が起きる前に試料が試験温度に
ある時間である。TS2は、トルクがML より2インチ−
lbs増加するのに要する時間である。TS10 は、トル
クがML より10インチ−lbs増加するのに要する時
間である。
【0094】上記のように製造した10gのポリエチレ
ン円盤をMonsanto流動計に385°F(196℃)の温
度で加えて、30RPMの混合速度で混合した。トルク
(インチ−lbs)を時間に対して測定した。結果は、
表IIIに要約してある。検定のために補正した後にお
いて、例VII及びVIIIにより製造したブレンドの
架橋効率は、純粋な1,3−ビス(2−t−ブチルペル
オキシ−2−プロピル)ベンゼンから製造したブレンド
(比較例1)の架橋効率より僅かに低かった。MH 値及
びMH-ML 値は僅かに低く、硬化時間は幾らか早く且つ
スコーチ時間(TS2)は同等であった。例VII及びV
IIIのブレンドを用いて得られた架橋結果は、1,3
−ビス(2−t−アミルペルオキシ−2−プロピル)ベ
ンゼンを用いて製造したブレンド(比較例2)を用いて
得られた結果よりかなり優れていた。
【0095】架橋剤の効果は又、100mlのキシレン
で110℃で24時間にわたって架橋したポリエチレン
の0.5gの試料を抽出することによっても測定した。
膨潤した試験片を取り出し、表面のキシレンを空気の吹
きつけによって除去した。その試験片の重量を測定し、
100℃の真空炉中に置き、一定重量まで真空下で乾燥
した。次いで、不溶性物質のパーセント及び膨潤比を下
記の式により測定した。
【数1】不溶性物質%=(抽出及び乾燥後の重量)/
(ポリエチレンの元の重量)×100
【数2】 膨潤比 = 1 + (膨潤したゲルの重量−乾燥ゲルの重量)/乾燥ゲルの重量 (K) K=浸漬温度1.17におけるポリエチレンの密度の比 不溶性物質%及び膨潤比は、表IIIに見られる。
【0096】架橋の程度が大きいほど、抽出される物質
の量は少なく、膨潤比は小さい。大きい膨潤比は低密度
の架橋を示し、小さい膨潤比はより緻密な結合構造を示
す。
【0097】例VII及びVIIIより製造された架橋
したブレンドのキシレン抽出から得られた不溶性物質%
は、純粋1,3−ビス(2−t−ブチルペルオキシ−2
−プロピル)ベンゼン(比較例1)より製造された架橋
したブレンドのキシレン抽出から得られた不溶性物質%
より僅かに高く(表III参照)、例VII及びVII
Iの過酸化物混合物の架橋効率が比較例1の過酸化物の
架橋効率にほぼ等しいことを示している。対照的に、
1,3−ビス(2−t−アミルペルオキシ−2−プロピ
ル)ベンゼン(比較例2)より製造された架橋したブレ
ンドのキシレン抽出から得られた不溶性物質%はかなり
低く、比較例2の液体過酸化物が例VII及びVIII
の過酸化物より非常に低い架橋効率を有することを示し
ている。膨潤比も又、例VII及びVIIIの液体過酸
化物が比較例2の液体過酸化物より非常に勝れた架橋剤
であり、比較例1の固体過酸化物とほぼ同じ効果を有す
るものであることを示す。
【0098】例XXXVエチレン/プロピレンエラストマーコポリマーの硬化 100重量部のDutral(登録商標)CO 054を0.3重量
部の硫黄、5重量部の酸化亜鉛及び50重量部のカーボ
ンブラックと混合した。この混合物に、約2.2部の過
酸化物を加え(表IV参照)、その結果の混合物をカレ
ンダーで5分間ホモジェナイズした。試料を170℃の
振動ディスク流動計(ODR)中に置き、振動角3°及
び振動頻度100サイクル/分を用いてODR曲線を作
成した。ODR曲線から、MH 、TS10 及びTC90 を測
定した。
【0099】“スコーチ”時間t2 及びt5 を、135
℃の振動ディスクを有するムーニー粘度計で測定した
(標準ASTM D 1646−81)。t2 及びt5
を、それぞれ、最小値から2又は5ムーニー単位の粘度
の増加に至るのに要する時間として定義する。結果は表
IVに要約してある。MH 値は、例I及びIIIの過酸
化物ブレンドが比較例5の過酸化物より優れたエチレン
/プロピレンエラストマー用の硬化剤であることを示
す。
【0100】例XXXVI低密度ポリエチレンの架橋 100重量部のRiblene (登録商標)CF 2203 低密度ポ
リエチレンを、0.5重量部のAnox(登録商標)HB及び
0.5重量部のトリアリルシアヌレート(TAC)と混
合した。この混合物に、約2.2重量部の過酸化物を加
え(表V参照)、その結果の混合物をカレンダーで均質
にブレンドした。試料を170℃の振動ディスク流動計
(ODR)中に置き、振動角1°及び振動頻度100サ
イクル/分を用いてODR曲線を作成した。ODR曲線
から、MH 、TS10 及びTC90 を測定した。“スコー
チ”時間t5 及びt10を、135℃ムーニー粘度計で測
定した。結果は表Vに要約してある。大きいMH 値は、
例V及びVIの過酸化物が比較例5の過酸化物より優れ
た低密度ポリエチレン用の架橋剤であることを示す。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド・エドワード・マクレイ アメリカ合衆国ニューヨーク州ウィリアム ズビル、マホガニー・ドライブ10

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構造を有する化合物の混合物を含
    む組成物: 【化1】 【化2】 【化3】 (ここに、化合物I、II及びIIIは、独立に、メタ
    異性体又はメタ及びパラ異性体の混合物として存在し、
    且つ化合物I、II及びIIIの相対的比率及び化合物
    I、II及びIIIのメタ及びパラ異性体の相対的比率
    は、25℃以下で液体の混合物を与えるように選択す
    る)。
  2. 【請求項2】 化合物I、II及びIIIの相対的比率
    及び化合物I、II及びIIIのメタ及びパラ異性体の
    相対的比率を、15℃以下で液体の混合物を与えるよう
    に選択する、請求項1に規定の組成物。
  3. 【請求項3】 更に、下記式IVを有する化合物を0〜
    15重量%で含む、請求項1に規定の組成物: 【化4】 (式中、Rはt−ブチル又はt−アミルであって良く、
    R’は水素、イソプロピル、イソプロぺニル又は2−ヒ
    ドロキシ−2−プロピルであって良く、且つ化合物IV
    は、メタ異性体、パラ異性体又はメタ及びパラ異性体の
    混合物として存在して良い)。
  4. 【請求項4】 本質的に、5〜65重量部の式Iの化合
    物、10〜55重量部の式IIの化合物、3〜55重量
    部の式IIIの化合物及び0〜15重量部の式IVの化
    合物からなり、I、II、III及びIVのメタ異性体
    のパラ異性体に対する比率が少なくとも1.0:1であ
    る、請求項1に記載の液体過酸化物ブレンド。
  5. 【請求項5】 本質的に、7〜61重量部のI、30〜
    55重量部のII、3〜47重量部のIII及び0〜5
    重量部のIVからなる、請求項4に記載の液体過酸化物
    ブレンド(式中、Rはt−ブチル又はt−アミルであっ
    て良く、R’は2−ヒドロキシ−2−プロピルであり、
    I、II、III及びIVのメタ及びパラ異性体の比率
    は1.5:1からすべてメタまで変化し得る)。
  6. 【請求項6】 本質的に、35〜60重量部のI、35
    〜55重量部のII、5〜20重量部のIII及び0〜
    5重量部のIVからなり、I、II、III及びIVの
    メタ異性体のパラ異性体に対する比率が、1.5:1か
    らすべてメタまでである、請求項5に記載の液体過酸化
    物ブレンド。
  7. 【請求項7】 本質的に、28〜53重量部のI、40
    〜55重量部のII、6〜17重量部のIII及び0〜
    5重量部のIVからなり、I、II、III及びIVの
    メタ異性体のパラ異性体に対する比率が、約2.0:1
    〜2.5:1である、請求項5に記載の液体過酸化物ブ
    レンド。
  8. 【請求項8】 本質的に、28〜57重量部のI、35
    〜55重量部のII、4〜17重量部のIII及び0〜
    5重量部のIVからなり、I、II、III及びIVの
    メタ異性体のパラ異性体に対する比率が、約2.5:1
    〜4.0:1である、請求項5に記載の液体過酸化物ブ
    レンド。
  9. 【請求項9】 本質的に、28〜61重量部のI、35
    〜55重量部のII、4〜17重量部のIII及び0〜
    5重量部のIVからなり、I、II、III及びIVの
    メタ異性体のパラ異性体に対する比率が、約4:1以上
    である、請求項5に記載の液体過酸化物ブレンド。
  10. 【請求項10】 本質的に、28〜61重量部の式Iの
    メタ異性体、35〜55重量部の式IIのメタ異性体、
    4〜17重量部の式IIIのメタ異性体及び0〜5重量
    部の式IVのメタ異性体からなる、請求項5に記載の液
    体過酸化物ブレンド。
  11. 【請求項11】 本質的に、40〜61重量部のI、3
    5〜47重量部のII、4〜13重量部のIII及び0
    〜5重量部のIVからなる、請求項10に記載の液体過
    酸化物ブレンド。
  12. 【請求項12】 本質的に、45〜53重量部のI、3
    5〜43重量部のII、5〜13重量部のIII及び0
    〜5重量部のIVからなる、請求項11に記載の液体過
    酸化物ブレンド。
  13. 【請求項13】 本質的に、45〜53重量部のI、3
    5〜43重量部のII、5〜13重量部のIII及び0
    〜5重量部のIVからなる、請求項8に記載の液体過酸
    化物ブレンド。
  14. 【請求項14】 本質的に、45〜57重量部のI、3
    5〜43重量部のII、4〜13重量部のIII及び0
    〜5重量部のIVからなり、I、II、III及びIV
    のメタ異性体のパラ異性体に対する比率が、4:1〜
    9:1である、請求項9に記載の液体過酸化物ブレン
    ド。
  15. 【請求項15】 式I、II、IIIの化合物のメタ異
    性体又はメタ及びパラ異性体の混合物並びに式IVのモ
    ノペルオキシドのメタ異性体又はメタ及びパラ異性体か
    らなる0〜15重量%の過酸化物ブレンドを、組成物が
    25℃以下で液体であるような比率で含む過酸化物ブレ
    ンドの製造方法であって、メタ又はメタ及びパラのビス
    (2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼン混合物の1
    モルにつき1.8〜3.0モルのt−アミル及びt−ブ
    チルヒドロペルオキシド混合物を酸触媒の存在下で5〜
    40℃の温度で反応が本質的に完了するまで反応させ、
    及びそのようにして生成した生成混合物を回収すること
    を含む、上記の方法。
  16. 【請求項16】 酸触媒が、ビス(2−ヒドロキシ−2
    −プロピル)ベンゼン1モル当り2.0〜3.5モルの
    モル比で使用する60〜80%硫酸であり、反応温度が
    15〜35℃であり、酸をヒドロペルオキシド及びジオ
    ールのスラリーに加えた1/2〜3時間後に反応を攪拌
    し、且つヒドロペルオキシドのジオールに対する比率が
    ジオール1モル当り2.0〜2.5モルであり、メタビ
    ス(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ベンゼンのパラ異
    性体に対する比率が少なくとも1:1であり且つt−ブ
    チルヒドロペルオキシドのt−アミルヒドロペルオキシ
    ドに対するモル比が25℃以下で液体の最終的過酸化物
    組成物を与えるのに十分なだけ小さい、請求項15に記
    載の方法。
  17. 【請求項17】 硫酸濃度が70〜77%であり、ヒド
    ロペルオキシド混合物が65〜75%の水性t−ブチル
    ヒドロペルオキシド及び65〜85%の水性t−アミル
    ヒドロペルオキシドの混合物であり、反応温度が20〜
    30℃であり、反応時間が1/2〜2時間であり、ヒド
    ロペルオキシドのジオールに対するモル比が2.1〜
    2.25であり、硫酸のジオールに対するモル比が2.
    7〜3.2である、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピ
    ル)ベンゼンがメタ異性体であり、t−ブチルヒドロペ
    ルオキシドのt−アミルヒドロペルオキシドに対するモ
    ル比が0.25:1〜2.25:1である、請求項17
    に記載の方法。
  19. 【請求項19】 ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピ
    ル)ベンゼンのメタ異性体のパラ異性体に対する比率が
    1:1〜2.25:1であり、t−ブチルヒドロペルオ
    キシドのt−アミルヒドロペルオキシドに対するモル比
    が0.25:1〜2.0:1である、請求項17に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピ
    ル)ベンゼンのメタ異性体のパラ異性体に対する比率が
    2.5:1〜4:1であり、t−ブチルヒドロペルオキ
    シドのt−アミルヒドロペルオキシドに対するモル比が
    0.25〜2.25:1である、請求項17に記載の方
    法。
  21. 【請求項21】 ビス(2−ヒドロキシ−2−プロピ
    ル)ベンゼンのメタ異性体のパラ異性体に対する比率が
    4:1〜99:1であり、t−ブチルヒドロペルオキシ
    ドのt−アミルヒドロペルオキシドに対するモル比が
    0.25〜2.35:1である、請求項17に記載の方
    法。
  22. 【請求項22】 請求項15の方法により製造される液
    体過酸化物組成物。
  23. 【請求項23】 式I、II及びIIIの化合物のメタ
    異性体並びに式IVのモノペルオキシドのメタ異性体か
    らなる0〜15重量%の過酸化物ブレンドを、組成物が
    25℃以下で液体であるような比率で含む液体過酸化物
    の製造方法であって、t−ブチル及びt−アミルヒドロ
    ペルオキシド混合物を、メタジイソプロぺニルベンゼン
    中の1,3−ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼ
    ン、1,3,ビス(2−クロロ−2−プロピル)イソプ
    ロぺニルベンゼン又はそれらの混合物の5〜20%溶液
    と、比較的非水性条件下で、非ヒンダードフェノールの
    存在下で、10〜50℃の温度で、本質的に反応が完了
    するまで反応させ、反応混合物における2−クロロ−2
    −プロピル基に加え合せたイソプロぺニル基のヒドロペ
    ルオキシドに対するモル比は0.5〜1.3であり、及
    びそのようにして形成された生成混合物を回収すること
    を含む、上記の方法。
  24. 【請求項24】 t−ブチルヒドロペルオキシドのt−
    アミルヒドロペルオキシドに対するモル比が0.25〜
    2.25:1である、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 架橋剤が請求項1の液体過酸化物ブレ
    ンドである、架橋した熱可塑性及び/又はエラストマー
    性のポリマー及びコポリマー。
  26. 【請求項26】 架橋剤が請求項1の液体過酸化物ブレ
    ンドである、架橋したポリエチレンポリマー及びコポリ
    マー、エチレン−プロピレンコポリマー並びにエチレン
    −酢酸ビニルコポリマー。
  27. 【請求項27】 架橋剤が請求項3の液体過酸化物ブレ
    ンドである、架橋したポリエチレンポリマー及びコポリ
    マー、エチレン−プロピレンコポリマー並びにエチレン
    −酢酸ビニルコポリマー。
  28. 【請求項28】 0.1〜10重量部の請求項1の液体
    過酸化物を100重量部の過酸化物架橋可能なポリマー
    又はコポリマーと共に300〜500°Fの温度に0.
    5〜30分間加熱することを含む、熱可塑性及び/又は
    エラストマー性の過酸化物架橋可能なポリマー及びコポ
    リマーの架橋方法。
  29. 【請求項29】 0.5〜5部の請求項3の液体過酸化
    物ブレンドを100部のポリエチレンと350〜400
    °Fに2〜15分間加熱する、請求項28に記載の方
    法。
  30. 【請求項30】 ポリエチレン及び前記ポリエチレンの
    0.01〜10重量%の請求項1の液体過酸化物組成物
    を含む、架橋したポリエチレンの製造に有用な組成物。
  31. 【請求項31】 ポリエチレンが低密度、線形低密度又
    は高密度ポリエチレンであり、前記ポリエチレンの0.
    01〜5重量%の液体過酸化物ブレンドを含む、請求項
    30に記載の組成物。
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