JPH0686343B2 - 微生物によるフィチン酸塩の分解方法 - Google Patents

微生物によるフィチン酸塩の分解方法

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JPH0686343B2
JPH0686343B2 JP1068936A JP6893689A JPH0686343B2 JP H0686343 B2 JPH0686343 B2 JP H0686343B2 JP 1068936 A JP1068936 A JP 1068936A JP 6893689 A JP6893689 A JP 6893689A JP H0686343 B2 JPH0686343 B2 JP H0686343B2
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penicillium
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phosphate
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健正 真栄里
由美 南海
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有機質肥料生物活性利用技術研究組合
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05BPHOSPHATIC FERTILISERS
    • C05B15/00Organic phosphatic fertilisers

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は微生物によるフィチン酸塩の分解方法に関し、
更に詳しくは土壌中の難溶解性有機態りんの大部分を占
めるフィチン酸塩を特定の菌株を用いて分解することに
より、りん酸を生成させ植物可給態のりん酸に変換し、
肥料源として有効利用を図ることを目的とするものであ
る。
(従来の技術) 土壌に施肥されたりん酸塩は、その相当量が土壌中で難
溶性の形態に変化するため作物による利用率は低く、土
壌中のりん酸塩の蓄積量は年々増加する傾向にある。
また、植物遺体から生成される有機態のりん酸塩もフィ
チン酸塩が主体となって蓄積されている。従来よりこの
ような難溶性りん酸塩を微生物により分解し、利用する
方法の検討は、ソ連、オーストリアを初め諸外国で行わ
れている。
例えば、ソ連に於いてはバシルス メガテリウム(Buci
llus megaterium)を用いたりん酸塩の可溶化、またオ
ーストリアに於いてはイオウ酸化細菌を用いたりん酸塩
の可溶化方法がそれぞれ報告されている。
また、これらのりん溶解菌だけでなく、嫌気的に硫化水
素を生成しながら難溶性りん酸塩を可溶化する菌などが
知られている。(西尾,木村;土と微生物,No.28,31(1
986)) しかしながら、これらの菌はいずれも無機の難溶性りん
酸塩を分解するのみであり、フィチン酸塩のような難溶
性の有機態りん酸塩を分解する菌については未だ知られ
ていない。
即ち、フィチン酸塩のような難溶性の有機態りん酸塩の
分解に於いては、例えばフィチン酸アルミニウム塩の場
合ではフィチン酸とアルミニウムとの解離と、フィチン
酸からのりん酸の無機化という二つの過程が含まれるた
め、その分解は無機の難溶性りん酸塩の可溶化に比べて
極めて困難なものとなる。
従って、土壌中に於いて多くの有機態りん酸塩が存在す
るにも係わらず、その植物への化給形態での利用が殆ど
行われていないのが現状である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者らはこの様な現状に於いて、土壌中に多量に含
まれる難溶性の有機態りん酸塩を有効に利用することに
着眼し、この難溶性の有機態りん酸塩を分解可溶化する
ことで植物に供給可能なりん酸とし、その有効利用が可
能となることを考えた。
そして、各種の菌を用いてその分解性について鋭意検討
を重ねた結果、特定の微生物としてアスペルギルス属又
は特定種のペニシリウム属に属する菌株を用いることに
より、これが可能となることを見い出し、係る知見に基
づき本発明を完成させるに至ったものである。
(課題を解決するための手段) 即ち本発明は、アスペルギルス属又はペニシリウム オ
キシリカム(Penicillium oxylicum,IFO−5748)、ペ
ニシリウム ジャンシネラム(Penicillium janthinel
lum,IFO−4651)、ペニシリウム フィアロスポラム(P
enicillium phialosporum,IFO−6437)またはペニシリ
ウム シトリナム(Penicillium citrinum,IFO−463
1)から選ばれたペニシリウム属に属する菌株によりフ
ィチン酸塩からりん酸を生成させることを特徴とする微
生物によるフィチン酸塩の分解方法に関する。
(作 用) 以下に本発明を更に詳記する。
本発明の対象とするフィチン酸塩とは、フィチン酸のア
ルミニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩等
であり、土壌中の難溶性有機態りん酸として最も多く存
在するりん酸化合物である。
本発明で用いるアスペルギルス属に属する菌株として
は、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger,IFO
−4407)、アスペルギルス ウサミ(Aspergillus usa
mii,IFO−8875)、アスペルギルス アワモリ(Aspergi
llus awamori,IFO−4033)、アスペルギルスフィッカ
ム(Aspergillus ficuum,IFO−4280)等が挙げられ
る。
また、ペニシリウム属に属する菌株は、ペニシリウム
オキシリカム(Penicillium oxylicum,IFO−5748)、
ペニシリウム ジャンシネラム(Penicillium janthin
ellum,IFO−4651)、ペニシリウム フィアロスポラム
(Penicillium phialosporum,IFO−6437)またはペニ
シリウム シトリナム(Penicillium citrinum,IFO−4
631)である。
これらの菌株は予め培養して使用することが好ましい。
培養物はこれをケイソウ土、微粉末けい酸等の担体と混
合して使用してもよいし、堆肥あるいは肥料塩類と混合
して使用してもよい。
今、これら培養条件について述べれば次記の通りであ
る。
培地としては、グルコース、澱粉、麦芽糖、麦芽エキ
ス、しょ糖、フスマ、小麦、米、カンショ、バレイシ
ョ、廃糖蜜、油脂類等の炭素源、硝酸アンモニウム、硫
酸アンモニウム、塩化アンモニウムのようなアンモニウ
ム塩、あるいは尿素、脱脂大豆粉、肉エキス、ペプト
ン、酵母エキス、酵母、コーンステイープリカー等の窒
素源をそれぞれ単独または二種以上混合した培地の使用
が望ましい。また、これら以外に例えばマグネシウム
塩、カリウム塩、鉄塩等の各種無機塩、あるいはビタミ
ン類等を添加してもよい。
また、培地の種類としては液体培地、固体培地のいずれ
でも良い。
培養方法に関して云えば、前記のアスペルギルス属又は
特定種のペニシリウム属に属する菌株の培養物、胞子あ
るいは菌糸部分を前述の原料で調製した培地に接種し培
養を行う。この際の培養条件は、ペニシリウム属菌株使
用の場合には、培養pHは2〜10、培養温度は10〜37℃の
範囲で行い、アスペルギルス属菌株使用の場合には、培
養pHは1.5〜10、培養温度は15〜45℃の範囲で行うこと
が最も望ましい。
培養時間は、いずれの菌株使用時に於いても概ね4〜20
日間が必要である。
(実施例) 以下に本発明の実施例を掲げて更に説明を行うが、本発
明はこれらに限定されるものではない。また、実施例に
於いて%は特に断らない限り全て重量%を示す。
実施例1 グルコース20g、硝酸アンモニウム1g、硫酸カリウム1
g、硫酸マグネシウム0.5g、酵母エキス0.2gを水道水1L
に溶解し、これにフィチン酸アルミニウム5gを懸濁させ
培養液とした。
この培養液の80mlを各々500ml容振とうフラスコに入
れ、フラスコにシリコ栓をして121℃で15分間高圧蒸気
滅菌を行った。
これを室温まで冷却した後、第1表に示した各種アスペ
ルギルス属菌株の胞子懸濁液(胞子数約100万個/ml)を
各々1mlずつこれに接種した。
また、比較のために本発明の菌株以外の菌として、第1
表に示した比較菌株を用いて同様に試験を行った。
これら菌株を接種したフラスコを温度20℃、毎分130往
復の振とう条件で振とう培養を行った。
培養開始より7日間経過後、培養液をろ紙でろ過し、ろ
液のpH、糖消費率、無機りん酸濃度を測定し、りん酸濃
度測定結果からりん酸変換率(フィチン酸アルミニウム
から無機りん酸への変換率)を算出からした。
これらの結果を第2表に示した。
実施例2 グルコース20g、硝酸アンモニウム1g、硫酸カリウム1
g、硫酸マグネシウム0.5g、酵母エキス0.2gを水道水1L
に溶解し、これにフィチン酸カルシウム5gを懸濁させ培
養液とした。
この培養液の80mlを各々500ml容振とうフラスコに入
れ、フラスコにシリコ栓をして120℃で15分間高圧蒸気
滅菌を行った。
これを室温まで冷却した後、第3表に示した各種ペニシ
リウム属菌株の胞子懸濁液を各々1mlずつこれに接種し
た。
これら菌株を接種したフラスコを温度20℃、毎分130往
復の振とう条件で振とう培養を行った。
培養開始より7日間経過後、培養液をろ紙でろ過し、ろ
液のpH、糖消費率、無機りん酸濃度を測定し、りん酸濃
度測定結果からりん酸変換率(フィチン酸カルシウムか
ら無機りん酸への変換率)を算出からした。
これらの結果を第4表に示した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アスペルギルス属又はペニシリウム オキ
    シリカム(Penicillium oxylicum,IFO−5748)、ペニ
    シリウム ジャンシネラム(Penicillium janthinellu
    m,IFO−4651)、ペニシリウム フィアロスポラム(Pen
    icillium phialosporum,IFO−6437)またはペニシリウ
    ム シトリナム(Penicillium citrinum,IFO−4631)
    から選ばれたペニシリウム属に属する菌株によりフィチ
    ン酸塩からりん酸を生成させることを特徴とする微生物
    によるフィチン酸塩の分解方法。
JP1068936A 1989-03-20 1989-03-20 微生物によるフィチン酸塩の分解方法 Expired - Lifetime JPH0686343B2 (ja)

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