JPH0685374A - 光通信用波長多重送受信器 - Google Patents

光通信用波長多重送受信器

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JPH0685374A
JPH0685374A JP23389292A JP23389292A JPH0685374A JP H0685374 A JPH0685374 A JP H0685374A JP 23389292 A JP23389292 A JP 23389292A JP 23389292 A JP23389292 A JP 23389292A JP H0685374 A JPH0685374 A JP H0685374A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 波長多重を行う光通信用送受信器において、
送信用の分光光学系と受信用の分光光学系とを共通化
し、製造工程の簡素化を図ること。 【構成】 同一基板1上に、フレネル反射鏡4a,4b
と組となって第1,第2のスラブ導波路型波長多重マル
チプレクサを構成する同一構造を有する第1,第2のス
ラブ導波路2,3と、第1のスラブ導波路2からの出力
光を光ファイバー10に供給する光導波路9fと、光フ
ァイバー10からの入力光を第2のスラブ導波路3に供
給する光導波路9gと、光ファイバー10の光路を光導
波路9fと光導波路9gとに分岐する光カプラー8とを
形成し、第1のスラブ導波路2の端部にレーザーアレイ
6を光学的に結合させ、第2のスラブ導波路3の端部に
フォトダイオードアレイ5を光学的に結合させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信に用いられる送
受信器に関し、特に波長多重伝送を行うための光通信用
波長多重送受信器に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信において伝送量を増加するための
手法として波長多重伝送が知られている。この波長多重
伝送においては、送信側では、波長の異なる光源をそれ
ぞれ異なる情報で変調し、各光源からの光を共通の光フ
ァイバーに送出する。受信側では、光ファイバーからの
光を分光して各波長の光をそれぞれ独立して検出してい
る。双方向で光通信を行うためには、各端部にそれぞれ
波長多重伝送に対応した送信器と受信器の対を配置する
必要がある。
【0003】波長多重送信器としては、たとえば、本出
願人により出願された特願平3−251677号明細書
に記載されているような、基板上に複数の半導体レーザ
ー素子と、スラブ導波路と、凹面回折格子を形成した構
造のものが提案されている。また、波長多重受信器とし
ては、T.Suhara,J.Viljanen an
d M.Leppihalme:“Integrate
d−Optic wavelength multi−
and demultiplexers using
chirped grating and an i
on−exchanged waveguide”,A
ppl.Opt.,21,p.2195(1982)に
記載されているような、スラブ導波路が形成されたガラ
ス基板に、フォトダイオードアレイとチャープ格子を組
み合わせた構造のものが知られている。
【0004】しかし従来の光通信用波長多重送受信器に
おいては、送信器と受信器が独立した部品として設けら
れていたため、送信器と受信器の製造に手間がかかると
いう問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、送信用の分光光学系と受信用の分光光学系とを共通
化し、製造工程の簡素化を図ることである。本発明の他
の目的は、光通信用波長多重送受信器を集積回路化し、
製造工程を簡素化することである。本発明の更に他の目
的は、光通信用波長多重送受信器を半導体基板上に集積
する場合に生じる受信光信号の損失を補うことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の光通信用波長多
重送受信器は、前記目的を達成するため、同一基板上
に、それぞれ分光手段と組となって第1及び第2のスラ
ブ導波路型波長多重マルチプレクサを構成する断面方向
で見て互いに同一構造を有する第1及び第2のスラブ導
波路と、該第1のスラブ導波路からの出力光を入出力光
ファイバーに供給する出力用光導波路と、前記入出力光
ファイバーからの入力光を前記第2のスラブ導波路に供
給する入力用光導波路と、前記入出力光ファイバーの光
路を前記出力用光導波路と前記入力用光導波路とに分岐
する光カプラーとを形成し、前記第1のスラブ導波路の
前記分光手段側とは反対側の端部にレーザーアレイを光
学的に結合させ、前記第2のスラブ導波路の前記分光手
段側とは反対側の端部に受光器アレイを光学的に結合さ
せたことを特徴とする。
【0007】また、本発明の光通信用波長多重送受信器
は、前記目的を達成するため、第1のスラブ導波路型波
長多重マルチプレクサとレーザーアレイとを複数の光導
波路からなる光導波路群を介して接続し、該第1の光導
波路群の光路中に第1の光カプラーを設け、該第1の光
カプラーによって分岐した出力用光導波路を入出力用光
ファイバーに接続し、前記出力用光導波路に第2の光カ
プラーを設け、該第2の光カプラーによって分岐した入
力用光導波路を第2のスラブ導波路型波長多重マルチプ
レクサに接続し、該第2のスラブ導波路型波長多重マル
チプレクサと受光器アレイとを光学的に接続したことを
特徴とする。
【0008】前記第1及び第2のスラブ導波路型波長多
重マルチプレクサと前記第1及び第2の光カプラーとを
同一基板上に光集積回路として集積することができる。
【0009】前記基板を第1の薄膜と第2の薄膜の2層
の薄膜から構成し、前記第1の薄膜と前記第2の薄膜
に、互いに異なる導波路型波長多重マルチプレクサに接
続される光導波路を形成することができる。
【0010】スラブ導波路型波長多重マルチプレクサ,
光カプラーに加えて、更に前記同一基板上に、前記レー
ザーアレイと前記受光器アレイとを集積して一体形成す
ることができる。
【0011】前記第1のスラブ導波路型波長多重マルチ
プレクサと前記第2のスラブ導波路型波長多重マルチプ
レクサとを反対方向に並べて配設することができる。
【0012】前記第2の光カプラーと前記受光器アレイ
との光路中に少なくともひとつの光増幅器を設けること
ができる。
【0013】また、本発明の光通信用波長多重送受信器
は、第1のスラブ導波路型波長多重マルチプレクサとレ
ーザーアレイとを光学的に接続し、該レーザーアレイの
前記第1のスラブ導波路型波長多重マルチプレクサとは
反対側の端部から出力用光導波路を導出し該出力用光導
波路を入出力用光ファイバーに接続し、前記出力用光導
波路に光カプラーを設け、該光カプラーによって分岐し
た入力用光導波路を第2のスラブ導波路型波長多重マル
チプレクサに接続し、該第2のスラブ導波路型波長多重
マルチプレクサと受光器アレイとを光学的に接続したこ
とを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明においては、送信用の光学系と受信用の
分光光学系が基板の断面方向に見て共通の構造を有して
いるので、送信用の分光光学系と受信用の分光光学系と
を同一の製造工程によって製造することができ、製造工
程の重複を排し製造工程の簡素化を図ることができる。
また、レーザーアレイと第1のスラブ導波路型波長多重
マルチプレクサーとを光導波路で接続し、この光導波路
中に第1の光カプラーを設けて光信号を取り出すように
したので、基板の構造が簡単化される。
【0015】また、回折格子やスラブ導波路によって生
じる受信光信号の損失を光増幅することによって補うこ
とができる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例に基づいて
本発明の特徴を具体的に説明する。
【0017】本発明の光通信用波長多重送受信器の第1
実施例を図1に示す。この第1実施例は4波長の多重化
を行った光通信用波長多重送受信器の例である。光通信
用波長多重送受信器は、光導波路を集積化した集積回路
基板1、この集積回路基板1の一方の端部に配置された
回折格子基板4、集積回路基板1の他方の端部に配置さ
れた受光器アレイとしてのフォトダイオードアレイ5及
び半導体レーザーアレイ6、入出力用の光ファイバー1
0とから構成されている集積回路基板1は、本実施例に
おいてはガラス基板であり、このガラス基板上に送信用
である第1のスラブ導波路2、受信用である第2のスラ
ブ導波路3、第1の光カプラー7、第2の光カプラー
8、さらに配線用光導波路9a〜9kが金属イオンの拡
散によって形成されている。この金属イオンの拡散によ
る導波路の形成に際しては、たとえば、E.Okud
a,I.Tanaka,and T.Yamasak
i:“Planar gradient−index
glass waveguide and its a
pplications toa 4−port br
anched circuit and star c
oupler”,Appl.Opt.23,p1745
(1984)に開示されている製法を利用することがで
きる。光導波路9a〜9kの直径は10μmで、導波モ
ードはシングルモードである。ふたつのスラブ導波路
2,3の厚さも10μmである。集積回路基板1の大き
さは、L1 =50mm、L2 =40mmである。
【0018】集積回路基板1の一方の端部に配置された
回折格子基板4上には、分光手段として二組のフレネル
反射鏡4a,4bが形成されており、それぞれ第1のス
ラブ導波路2と第2のスラブ導波路3に対応するように
取り付けられている。第1のスラブ導波路2とフレネル
反射鏡4aとで第1のスラブ導波路型波長多重マルチプ
レクサが構成され、第2のスラブ導波路3とフレネル反
射鏡4bとで第2のスラブ導波路型波長多重マルチプレ
クサが構成されている。第1のスラブ導波路型波長多重
マルチプレクサと、第2のスラブ導波路型波長多重マル
チプレクサとは同一構造を有していることが望ましい
が、必ずしも基板1の面方向に関しては同一形状である
必要はなく、断面方向で見て互いに同一構造であればよ
い。
【0019】集積回路基板1の他方の端部の第1のスラ
ブ導波路2側には、半導体レーザーアレイ6が配置され
ている。本実施例では、4波長の多重化を行っているの
で、半導体レーザーアレイ6には、5個の半導体レーザ
ー素子6a〜6eが形成されている。半導体レーザーア
レイ6の各半導体レーザー素子6a〜6eのアレイピッ
チは100μmである。半導体レーザー素子の数は、多
重される波長の数+1だけ必要である。5個の半導体レ
ーザー素子の内の最も第2のスラブ導波路3側のひとつ
6eが共通の半導体レーザー素子である。半導体レーザ
ーアレイ6は、片側の端面に無反射コートが施されてお
り、その無反射コートした面が集積回路基板1側になる
ように取り付けられている。
【0020】第1のスラブ導波路2と片側の端面を無反
射コートした半導体レーザーアレイ6とは、端面ピッチ
が100μmの5本の配線用光導波路9a〜9eによっ
て接続されている。第1のスラブ導波路2と回折格子4
aとでポリクロメータ(多色分光系)が形成される。光
導波路9a〜9eのうちの4本の光導波路9a〜9d
は、等間隔のピッチで第1のスラブ導波路2に接続され
てこの接続部にポリクロメーター出力部14を構成して
いる。
【0021】第1のスラブ導波路2の上辺のポリクロメ
ーター出力部14と略対称位置が共通出力部13とさ
れ、この共通出力部13は、第1の光カプラー7と接続
され、光カプラー7の一方の分岐は、配線用光導波路9
eによって半導体レーザーアレイ6の共通の半導体レー
ザー素子6eに、もう一方の分岐は、配線用光導波路9
fによって第2の光カプラー8とそれぞれ接続されてい
る。光カプラー8の共通端子は光ファイバー10に接続
されている。
【0022】前記フレネル反射鏡4aの焦点距離は15
mmであり、フレネル反射鏡4aの中心と結像面との距
離(ポリクロメーター出力部14との距離)Aは30m
mである。結像面(ポリクロメーター出力部14)での
分散は1mm当たり波長100nm(中心波長800n
m)である。第1のスラブ導波路2のポリクロメーター
出力部14には100μmピッチで配線用光導波路9a
〜9dと接続されているので、10nmピッチで波長多
重されたレーザー発振が得られる。なお、この場合、半
導体レーザーアレイ6のアレイピッチとポリクロメータ
ー出力部14の配線用光導波路ピッチとを一致させてい
るが、これは異なる値にしても構わない。
【0023】半導体レーザーアレイ6と第1のスラブ導
波路2とフレネル反射鏡4aとで波長多重共振光学系を
形成するので、波長多重化したレーザー光を発生するこ
とができる。すなわち、半導体レーザーアレイ6の半導
体レーザー素子6a〜6eの中の共通の半導体レーザー
素子6eと他の四つの半導体レーザー素子6a〜6dと
が、フレネル反射鏡4aを介して異なる波長で結合して
それぞれの波長で発振する。たとえば、共通の半導体レ
ーザー素子6eと他の半導体レーザー素子6aは、配線
用光導波路9e,第1のスラブ導波路2,フレネル反射
鏡4a,第1のスラブ導波路2,配線用光導波路9aと
いう光学路を経由して或る波長λ1で結合して発振する
のに対し、共通の半導体レーザー素子6eと別の他の半
導体レーザー素子6bは、配線用光導波路9e,第1の
スラブ導波路2,フレネル反射鏡4a,第1のスラブ導
波路2,配線用光導波路9bという光学路を経由して別
の波長λ2で結合して発振する。結合する波長は、フレ
ネル反射鏡4aに対して、共通の半導体レーザー素子6
eと他の半導体レーザー素子6a〜6dとの位置関係に
よって決まる。なお、詳細については特願平3−251
677号明細書参照。
【0024】多重波長で発振したレーザー光は、共通出
力部13から出力され、スラブ導波路2の共通出力部1
3からのレーザー光は、第1の光カプラー7によって分
岐されて、光出力の一部が第2の光カプラー8を通って
光ファイバー10に出力される。
【0025】第2のスラブ導波路3とフォトダイオード
アレイ5は、やはり配線用光導波路9h〜9kによって
接続されている。第2のスラブ導波路3と回折格子4b
とでポリクロメータが形成される。フォトダイオードア
レイ5には、波長数に対応して4個のフォトダイオード
(図示せず) が並べられている。フォトダイオードアレ
イ5のアレイピッチは100μmである。第2のスラブ
導波路3の共通入力部15と前記第2の光カプラー8と
は配線用光導波路9gによって接続されている。また、
配線用光導波路9h〜9kは、第2のスラブ導波路のポ
リクロメーター出力部16と接続されている。
【0026】上記フレネル反射鏡4bの焦点距離は15
mm、フレネル反射鏡4bの中心と結像面との距離(ポ
リクロメーター出力部16との距離)Aは30mmであ
る。結像面(ポリクロメーター出力部16)焦点面での
分散は1mm当たり波長100nm(中心波長800n
m)である。第2のスラブ導波路3のポリクロメーター
出力部16では、同じく100μmピッチで配線用光導
波路9h〜9kと接続されている。
【0027】外部から光ファイバー10を伝わって送ら
れてきた光信号は、第2の光カプラー8によって分岐さ
れて、配線用光導波路9gを経て共通入力部15から第
2のスラブ導波路3に導かれる。光信号は、フレネル反
射鏡4bによって分光及び結像された後、波長毎にそれ
ぞれ別の配線用光導波路9h〜9kを通ってフォトダイ
オードアレイ5の各フォトダイオード (図示せず) によ
って各波長毎に電気信号に変換される。
【0028】なお、上記実施例において半導体レーザー
アレイ6の代わりに変調器と固体レーザーのアレイ等を
用いても良い。また、ガラス基板に希土類をドープして
固体レーザー光増幅器を形成すること等も考えられる。
また、フォトダイオードアレイ5や半導体レーザーアレ
イ6と集積回路基板1との間には、適当なリレー光学系
を挿入してもよい。更に、フォトダイオードアレイ5の
部分は適当な他の受光器であってよく、要は光を電気に
変換する機能があればよい。
【0029】上述したように、本発明によれば、送信用
と受信用の分光光学系が、基板1の断面方向に関して同
一構造を有しているので、光通信用波長多重送受信器を
製造するに際し、同じ製造プロセスで送信用と受信用の
分光光学系の対応する部分を同時に形成することがで
き、製造工程が簡単化される。
【0030】本発明の第2実施例を図2に示す。同図
(a),(b)は、平面図及び側面図である。図1に示
す第1実施例との相違点は、フレネル反射鏡4a,4b
の代わりに凹面回折格子11a,11bを用いたことで
ある。凹面回折格子11a,11bは、ガラスの集積回
路基板1をドライエッチングして鋸歯状回折格子12を
凹面状に形成することにより構成した。したがって、こ
の第2実施例では、第1実施例に比べて部品点数がひと
つ減ることになる。凹面回折格子は500本/mmであ
るので格子定数pは2μmである。また、凹面回折格子
の曲率半径(ローランド半径)Rは15mmである。ガ
ラスの集積回路基板1の屈折率が約1.5であるので、
結像面(ポリクロメーター出力部14ないしポリクロメ
ーター出力部16)での分散は1mm当たり波長100
nm(中心波長800nm)となる。
【0031】本発明の第3実施例を図3,図4に示す。
この第3実施例は、本発明を、導波モードがマルチモー
ドである光通信用波長多重送受信器に適用した例であ
る。マルチモードの光ファイバーはコア径が50μmで
あるので、光通信用波長多重送受信器の光導波路もそれ
に見合う大きさを持たせなくてはならない。しかしなが
ら、半導体レーザーのストライプ幅は高々5μm程度で
あり、また、半導体レーザーの厚さはクラッド層を含め
ても2〜5μmに過ぎない。したがって、直径が50μ
m近い光導波路と半導体レーザーを結合させるには問題
がある。すなわち、半導体レーザーから出射した光を直
径が50μmの光導波路に入射させることには問題がな
いが、光導波路から出射した光を半導体レーザーに入射
させることは極めて困難である。
【0032】以上の問題を考慮して、図3,図4の第3
実施例では、基板1は2層のプラスチック薄膜を積層し
た構造としている。図3のBの方向から俯瞰した様子を
図4に斜視図として示す。プラスチック薄膜の積層構造
をわかり易くするために、図4では、フォトダイオード
アレイ5、半導体レーザーアレイ6、光ファイバー10
の輪郭を点線で示してある。基板1は薄いプラスチック
薄膜17と厚いプラスチック薄膜18を積層した構造で
あり、薄いプラスチック薄膜17には、半導体レーザー
アレイ6と結合するための導波路9a〜9f等の光導波
路回路が形成されており、厚いプラスチック薄膜18に
はフォトダイオードアレイ5と結合するための導波路9
h〜9kや光ファイバー10と結合するための光導波路
9gが形成されている。なお、薄いプラスチック薄膜1
7の厚さd1 は10μm、厚いプラスチック薄膜18の
厚さd2 は30μmである。第2の光カプラー8は、薄
いプラスチック薄膜17の光導波路9fと厚いプラスチ
ック薄膜18の光導波路9gとが立体的に重なることに
よって形成されている。第2の光カプラー8と第1のス
ラブ導波路2とを結ぶ光導波路9fは、第2の光カプラ
ー8に近い部分9f1 では幅が広く40μmであり、第
1のスラブ導波路2に近い部分9f2 では幅が狭く10
μmとなっている。したがって、光ファイバー10と結
合する部分の光導波路は、40μm×40μmの方形と
なっている。2層のプラスチック薄膜17及び18に
は、公知の光選択重合法によって光導波路が形成される
(なお、この製法についてはT.Kurokawa,
N.Takato,S.Okikawaand T.O
kada:”Fiber optic sheet f
ormation by selective pho
topolymaerization“,Appl.O
pt.17,p646(1978)参照)。基板1は、
2枚のプラスチック薄膜にそれぞれ別々に光導波路を形
成した後、貼り合わせることによって作製した。なお、
この薄膜はプラスチックでなくとも良く、ガラス等光導
波路を形成できる薄膜であれば何でも良い。
【0033】図5に本発明の第4実施例を示す。この第
4実施例は、半導体基板31上に光通信用波長多重送受
信器を集積回路として形成したものである。同図(a)
は平面図、同図(b)は同図(a)のX−X線に沿った
断面図、同図(c)は側面図である。但し、第4実施例
及び追って説明する第5〜第7実施例は、3波長多重の
例を示している。
【0034】図5において、符号34a〜34c及び3
5は半導体レーザー素子である。半導体レーザー素子3
4a〜34cは、図1に示す半導体レーザーアレイ6の
半導体レーザー素子6a〜6cに対応しており、半導体
レーザー素子35は同じく半導体レーザー素子6eに対
応している。また、符号36a〜36cはフォトダイオ
ードであり、やはり図1に示すフォトダイオードアレイ
5のフォトダイオード(図示せず) に対応している。フ
ォトダイオード36a〜36cは、構造的には半導体レ
ーザー素子34a〜34cと同等のものであり、一方に
は電流を流してレーザーダイオードとして機能させ、一
方には光を入射させてその時に生じる光電流を取り出し
ている。ただし素子の長さは半導体レーザー素子34a
〜34cとフォトダイオード36a〜36cとでは異な
る。半導体レーザー素子34a〜34cの長さαは25
0μm、フォトダイオード36a〜36cの長さβは1
0μmである(図5は素子のおおよその配置を示したも
のであって縮尺は正確ではない)。これは、フォトダイ
オードでは10μmもあれば充分光を吸収してしまうこ
とによる。いたずらに素子長を長くすると寄生容量ばか
りが増え高速変調された光信号の受信に適さなくなる。
また、半導体レーザー素子34a〜34cの間隔は10
μm、フォトダイオード36a〜36cの間隔も10μ
mである。光導波路の幅Sは3μmである。また、基板
31の寸法はL3×L4=10mm×10mmである。
【0035】第1のスラブ導波路2、第2のスラブ導波
路3、第1の光カプラー7、第2の光カプラー8、配線
用の光導波路は、半導体光導波路によって形成してい
る。光ファイバー10と接続する部分及びフォトダイオ
ード36a〜36cの形成される端面には無反射コート
37が施されている。この無反射コート37は半導体レ
ーザー素子34a〜34c及び35のある部分には施さ
れていない。基板31と光ファイバー10とは結合レン
ズ38によって光学的に結合されている。
【0036】第1のスラブ導波路2、第2のスラブ導波
路3には、それぞれ凹面回折格子11a及び11bが設
けられている。これらの凹面回折格子は500本/mm
であり、その格子定数pは2μmである。凹面回折格子
の曲率半径(ローランド半径)Rは3.5mmである。
GaAlAs系の混晶の屈折率は約3.5であるので、
このよう場合の凹面回折格子の焦点面での波長分散は1
mm当たり波長1000nmに相当する。したがって、
10μmピッチのアレイで10nmの波長多重が行える
ことになる第4実施例の光通信用波長多重送受信器の製
法の一例を以下に簡単に説明する。まず、基板31とし
てGaAs基板を用い、基板31上にMOCVD(Metal
Organic Chemical Vapor Deposition) 成長によってA
lGaAsダブルヘテロ構造をエピタキシャル成長す
る。次いで、半導体レーザー素子34a〜34c及び3
5、フォトダイオード36a〜36cとする部分以外に
Siを拡散してダブルヘテロ構造を混晶化してしまう。
これはIID(Impurity Induced Disordering)法と呼ば
れている方法である。そしてドライエッチングによっ
て、凹面回折格子11a,11bを形成する。第4実施
例おいては、凹面回折格子11a,11bを形成する際
に同時に各光導波路(スラブ導波路及び配線用光導波
路)もドライエッチングによってリッジ型導波路として
形成している。さらに電極形成、へき開を行った後、無
反射コート37を真空蒸着によって端面に施す。この
時、半導体レーザー素子34a〜34c及び35に対応
する部分にはマスクをかけておく。
【0037】図6に本発明の第5実施例を示す。この第
5実施例は第4実施例の変形例である。図5に示す第4
実施例の構造では、無反射コート37を施す際にマスク
をかけておく必要があるが、これは製造が難しいという
難点がある。そのため、図6に示す第5実施例では、送
信用の凹面回折格子11aの向きと受信用の凹面回折格
子11bの向きとを反対にし、半導体レーザー素子34
a〜34c及び35の配置される端面と、フォトダイオ
ード36a〜36cの配置される端面とを別々の端面と
したものである。この第5実施例によれば、フォトダイ
オード36a〜36cの配置される端面無反射コート3
7を施す際にマスクをかける必要がなくなり、製造が容
易になる。
【0038】図7に本発明の第6実施例を示す。この第
6実施例は、図6に示す第5実施例において、半導体レ
ーザー増幅器等の光増幅器39を第2の光カプラー8と
第2のスラブ導波路3とを結ぶ光導波路中に設けたもの
である。光増幅器39は、半導体レーザー素子34a〜
34c及び35と構造は同一である。光増幅器39の素
子長γは、たとえば、500μmである。この第6実施
例によれば、光増幅器39によって、受信した光信号を
増幅するので、半導体導波路の導波損失が大きいことを
補うことができる。半導体光導波路では、10dB/c
m近い損失があり、これはガラス導波路の0.1dB/
cmに比べてかなり大きい。特に、半導体基板上に光通
信用波長多重送受信器を集積回路化した場合は、半導体
スラブ導波路の採用によって生じる導波損失の増加を半
導体レーザー増幅器で光増幅することによって補うこと
ができる。したがって、光通信用波長多重送受信器の集
積回路化に伴う性能低下を防ぐことができる。
【0039】図8に本発明の第7実施例を示す。これは
図7に示す第6実施例の変形例であり、光増幅器39a
〜39cを第2のスラブ導波路3とフォトダイオード3
6a〜36cとを結ぶ光導波路中に設けたものである。
【0040】なお、光増幅器を組込んだ構成は、半導体
基板上に光通信用波長多重送受信器を集積化する時に特
に有効であるが、ガラス基板やプラスチック基板を用い
た場合に適用しても何ら差し支えはない。また、光増幅
器は半導体レーザー増幅器に限定されるものでもない。
例えば、希土類をドープしたガラス基板上に光導波路を
形成して光増幅器を形成することも考えられる。
【0041】図9に本発明の第8実施例を示す。なお、
第8実施例は、第1〜第3実施例と同様に4波長多重の
例であり、第1〜第3実施例と対応する部分には同一符
号を付している。この第8実施例においては、基板1a
が略凸字状とされ、スラブ導波路2,3の上端面が基板
1aの段部に露出している。基板1aの幅狭部の第1の
スラブ導波路2側には切り込み部1bが形成され、この
切り込み部1b内に半導体レーザーアレイ6が配置され
ている。第8実施例においては、半導体レーザーアレイ
6の5個の半導体レーザー素子6a〜6eのうち、共通
半導体レーザー素子6eは、その両側の端面に無反射コ
ートが施され、それ以外の半導体レーザー素子6a〜6
dは、第1のスラブ導波路2側の端面のみに無反射コー
トが施されている。半導体レーザーアレイ6の共通半導
体レーザー素子6eは、配線用光導波路9fによって第
2の光カプラー8と接続されている。第8実施例におけ
る波長多重発振動作は、先に述べた各実施例と同様であ
るが、出力が第1のスラブ導波路2から出力されるので
はなく、半導体レーザーアレイ6の共通半導体レーザー
素子6eの第1のスラブ導波路2側とは反対側の端部か
ら出力されている点が異なっている。
【0042】また、基板1の第2のスラブ導波路3側の
段部には、フォトダイオードアレイ5が配置されてい
る。第8実施例においては、先に述べた各実施例と比較
して導波路を使用することなく、第2のスラブ導波路3
とフォトダイオードアレイ5とが結合されている点が異
なっているが、基本的な分光・結像動作は同じである。
【0043】この第8の実施例においても、送信部分と
受信部分とで、共通構造を有する光学系を使用すること
ができるので、構造が簡単化され製造が容易となる。
【0044】なお、上述の各実施例においては、スラブ
導波路型波長多重マルチプレクサの分光手段として、フ
レネル反射鏡や凹面回折格子を使用したが、これ以外に
チャープ回折格子,アレイ導波路型分光器等を使用する
ことができる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、光通信用波長多重送受
信器の送信用と受信用の分光光学系の構造を共通化した
ので製造工程を簡素化できる。また、光通信用波長多重
送受信器を半導体基板等に一体形成することにより光通
信用波長多重送受信器の部品点数を減らすことができ、
製造工程も簡素化できる。更に光通信用波長多重送受信
器を構成する光集積回路の受信回路に光増幅器を組込む
ことによって、半導体光導波路の導波損失を補うことが
でき、光通信用波長多重送受信器の光集積回路化に伴う
性能低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 分光手段としてフレネル反射鏡を用いた本発
明の第1実施例を示す平面図である。
【図2】 分光手段として凹面回折格子を用いた本発明
の第2実施例を示す平面図及び側面図である。
【図3】 導波モードがマルチモードの場合の本発明の
第3実施例を示す平面図である。
【図4】 図3の光通信用波長多重送受信器を矢印B側
から俯瞰した斜視図である。
【図5】 各光学要素を半導体基板に集積化した本発明
の第4実施例を示す平面図,断面図及び側面図である。
【図6】 第4実施例の変形例である本発明の第5実施
例を示す平面図である。
【図7】 光増幅器を受信回路に組込んだ本発明の第6
実施例を示す平面図である。
【図8】 第6実施例の変形例である本発明の第7実施
例を示す平面図である。
【図9】 本発明の第8実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1,1a…集積回路基板、1b…切り込み部、2…第1
のスラブ導波路、3…第2のスラブ導波路、4…回折格
子基板、4a,4b…フレネル反射鏡、5…フォトダイ
オードアレイ、6…半導体レーザーアレイ、6a〜6e
…半導体レーザー素子、7…第1の光カプラー、8…第
2の光カプラー、9…配線用光導波路、9a〜9k…配
線用光導波路、10…光ファイバー、11a,11b…
凹面回折格子、12…鋸歯状の回折格子、13…共通出
力部、14…ポリクロメーター出力部、15…共通入力
部、16…ポリクロメーター出力部、17,18…プラ
スチック薄膜、31…基板、34a〜34c…アレイ配
列の半導体レーザー素子、35…共通の半導体レーザー
素子、36a〜36c…フォトダイオードアレイ、37
…無反射コート、38…結合レンズ、39,39a〜3
9c…光増幅器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一基板上に、それぞれ分光手段と組と
    なって第1及び第2のスラブ導波路型波長多重マルチプ
    レクサを構成する断面方向で見て互いに同一構造を有す
    る第1及び第2のスラブ導波路と、該第1のスラブ導波
    路からの出力光を入出力光ファイバーに供給する出力用
    光導波路と、前記入出力光ファイバーからの入力光を前
    記第2のスラブ導波路に供給する入力用光導波路と、前
    記入出力光ファイバーの光路を前記出力用光導波路と前
    記入力用光導波路とに分岐する光カプラーとを形成し、
    前記第1のスラブ導波路の前記分光手段側とは反対側の
    端部にレーザーアレイを光学的に結合させ、前記第2の
    スラブ導波路の前記分光手段側とは反対側の端部に受光
    器アレイを光学的に結合させたことを特徴とする光通信
    用波長多重送受信器。
  2. 【請求項2】 第1のスラブ導波路型波長多重マルチプ
    レクサとレーザーアレイとを複数の光導波路からなる光
    導波路群を介して接続し、該第1の光導波路群の光路中
    に第1の光カプラーを設け、該第1の光カプラーによっ
    て分岐した出力用光導波路を入出力用光ファイバーに接
    続し、前記出力用光導波路に第2の光カプラーを設け、
    該第2の光カプラーによって分岐した入力用光導波路を
    第2のスラブ導波路型波長多重マルチプレクサに接続
    し、該第2のスラブ導波路型波長多重マルチプレクサと
    受光器アレイとを光学的に接続したことを特徴とする光
    通信用波長多重送受信器。
  3. 【請求項3】 前記第1及び第2のスラブ導波路型波長
    多重マルチプレクサと前記第1及び第2の光カプラーと
    を同一基板上に光集積回路として集積したことを特徴と
    する請求項2記載の光通信用波長多重送受信器。
  4. 【請求項4】 前記基板は第1の薄膜と第2の薄膜の2
    層の薄膜からなり、前記第1の薄膜と前記第2の薄膜
    に、互いに異なる導波路型波長多重マルチプレクサに接
    続される光導波路を形成したことを特徴とする請求項3
    記載の光通信用波長多重送受信器。
  5. 【請求項5】 更に前記同一基板上に、前記レーザーア
    レイと前記受光器アレイとを集積して一体形成したこと
    を特徴とする請求項3記載の光通信用波長多重送受信
    器。
  6. 【請求項6】 前記第1のスラブ導波路型波長多重マル
    チプレクサと前記第2のスラブ導波路型波長多重マルチ
    プレクサとを反対方向に並べて配設したことを特徴とす
    る請求項2記載の光通信用波長多重送受信器。
  7. 【請求項7】 前記第2の光カプラーと前記受光器アレ
    イとの光路中に少なくともひとつの光増幅器を設けたこ
    とを特徴とする請求項2記載の光通信用波長多重送受信
    器。
  8. 【請求項8】 第1のスラブ導波路型波長多重マルチプ
    レクサとレーザーアレイとを光学的に接続し、該レーザ
    ーアレイの前記第1のスラブ導波路型波長多重マルチプ
    レクサとは反対側の端部から出力用光導波路を導出し該
    出力用光導波路を入出力用光ファイバーに接続し、前記
    出力用光導波路に光カプラーを設け、該光カプラーによ
    って分岐した入力用光導波路を第2のスラブ導波路型波
    長多重マルチプレクサに接続し、該第2のスラブ導波路
    型波長多重マルチプレクサと受光器アレイとを光学的に
    接続したことを特徴とする光通信用波長多重送受信器。
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