JPH0685268U

JPH0685268U - テイクアウト用紙製パック

Info

Publication number: JPH0685268U
Application number: JP5989792U
Authority: JP
Inventors: 淳一郎木村
Original assignee: 野崎印刷紙業株式会社
Priority date: 1992-07-10
Filing date: 1992-07-10
Publication date: 1994-12-06

Abstract

(57)【要約】【目的】紙製のテイクアウト用パックの提供。【構成】紙素材で天板とその両側に側板、吊持板、支
持兼把持板がこの順序で幅方向に対照に配置される。こ
れらの境界は長さがほぼ等しく平行な長手方向の山折り
線に形成される。吊持板に搬送すべき缶が差し込まれる
差込み孔が形成され、差込み孔の内周に缶の上部巻締め
部の下縁に係合する返し片が形成される。支持兼把持板
は支持部とこれより短い把持部で構成され、支持部は長
手方向の両端部が支持縁に形成されると共に側板とほぼ
同じ幅を有する。前記の側板、吊持板、支持兼把持板を
折り曲げ、把持部を天板の下面から、天板の中央に設け
た挿通孔を通して上方へ抜き出して組み立て、テイクア
ウト用紙製パックとする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、複数の飲料缶を一挙に手軽に持ち運びできる搬送用の補助具（テイクアウ用パック）に関する。

【０００２】

【従来技術】

現在、テイクアウト用パックとしては、取っ手付きの透明高圧ポリ袋や缶上部を束ねる取っ手付きの成形プラスチック品が普及している。しかし、テイクアウト用パックは、使用目的上、浜辺や公園、行楽地に運ばれ、使用後、無造作に捨てられることが多く、また、プラスチック品は、自然に分解、消滅することはないので、散乱したまま長く人目についたり、自然環境を破壊することになる。このため、これらのプラスチック品に印刷されたメーカー名が、宣伝効果どころか、企業イメージの悪化につながることがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、紙製のテイクアウト用パックの提供を課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

紙素材で天板とその両側に側板、吊持板、支持兼把持板が、この順序で幅方向に対照に配置され、一体に形成される。天板、側板、吊持板、支持兼把持板の境界は長さがほぼ等しく平行な長手方向の山折り線で接続される。吊持板に搬送すべき缶の上部を差し込む差込み孔が形成される。差込み孔の周囲には、缶における上部巻締め部の下縁に係合する返し片が形成される。支持兼把持板は支持部とこれより短い把持部で構成される。支持部は長手方向の両端部が支持縁に形成されると共に側板とほぼ同じ幅とされる。把持部を天板の下面から、天板の中央に設けた挿通孔を通して上方へ抜き出し、組み立てられる。

【０００５】天板は両端縁に端板と差込み板を備えることがある。端板は、中央に支持兼把持板における支持部の端縁を挟み込む挟持スリットを備える。支持兼把持板の把持部に複数の指掛け孔が、握力の中心が搬送する缶全体の重心を通る垂直線上に位置する配置として設けられることがある。

【０００６】

【作用】

紙素材は、テイクアウト用パックを自然分解可能な物とする。吊持板は、缶を支持し脱落を防止する。支持兼把持板は、缶の重量を支持する。

【０００７】

【実施例】

図１は、本考案によるテイクアウト用紙製パック１の組立前の展開図であり、一枚の紙素材から打ち抜きで形成してある。紙素材は、例えば、２５０ｇ／ｍ^２程度の厚手で張りのあるものが選ばれ、フィルムの貼着あるいは防水材の含浸によって補強されている。なお、再生紙も使用可能である。

【０００８】展開された状態のテイクアウト用パック１は、図のように中央の天板２を中心として幅方向（図の左右方向）で対称に、側板３、吊持板４、支持兼把持板５が一体にこの順序で両側へ配置されている。これらの境界は全て平行で長さがほぼ等しい山折り線６，７，８に構成される。なお、符号は左右対象の右側のみに付し、左右を区別する必要がある時は、右側の符号にａを、左側の符号にｂを付すことにする。

【０００９】天板２は、中央に長手方向（図の上下方向）に後述の把持部１５の長さに等しいスリット９を有する。吊持板４は、天板２の約半分の幅を有し、搬送すべき缶１０（図２，３）の上部が差し込まれる差込み孔１１が、長手方向に３個（複数個）形成されている。各差込み孔１１の内周には缶１０の上部巻締め部１２（図３）の下縁に係合する返し片１３が形成されている。返し片１３は防水加工をなどを利用して特に剛性が高く形成されている。

【００１０】支持兼把持板５は、支持部１４とこれより短い把持部１５で構成される。すなわち、把持部１５は支持部１４の中央にあって、その両側の長手方向両端部は支持縁１６，１６に形成されている。支持部１４は側板３と同じ幅寸法ａを有している。把持部１５は、楕円形をした４個（複数個）の指掛け孔１７を、楕円の長軸が幅方向の中心軸線ｂ上の１点で交差するような配置として備える。

【００１１】このテイクアウト用紙製パック１は、天板２に対し、側板３、吊持板４および支持兼把持板５が、それぞれの山折り線６，７，８で内側に回りこむように折り曲げられ、最後に両側の支持兼把持板５（ａ，ｂ）における両把持部１５（ａ，ｂ）が重合されて天板中央のスリット９に下面から上方へ挿通され、組立られる。この結果、天板２に対し、吊持板４が天板２の下面側に側板３の幅ａの間隔を取って対向し、把持部１５（ａ，ｂ）は天板１上に重合して突出し、支持兼把持板５における支持縁１６，１６が天板３２の下面に接触している。このようにして、把持部１５下面側に６個の差込み孔１１を有するテイクアウト用紙製パック１が完成する。

【００１２】テイクアウト用紙製パック１に対し缶１０を装着するときは、その上部を吊持板４の下面側から、差込み孔１１にそれぞれ押し込み、巻締め部１２を、差込み孔１１周囲の返し片１３に下方から係合させる。（図２）。缶１０は、主としてジュースやサイダー等の飲料缶である（２〜３ｋｇ／６本）。

【００１３】ついで、把持部１５の指掛け孔１７に手を掛けてテイクアウト用パック１の全体を持ち上げると、各缶１０は吊持板４に吊り下げられた格好で全体が持ち上げられる。このとき支持兼把持板５における支持部１４の支持縁１６，１６は天板２の中央部を支持して、この部分が缶１０の重量で潰れるのを防止し、差込み孔１１における返し片１３が巻締め部１２の下縁から外れしまうのを阻止している。また、テイクアウト用紙製パック１は、持ち上げた際に、缶１０の重量により、周囲が多少、下方へ変形するが、かまわずに持ち上げると吊り下げた缶１０の底部が相互に接触して曲げ方向のモーメント（ｍ）を相殺してしまうので（図２）、それ以上の変形は生ぜず、全部の缶１０の重量を全て支持兼把持板５（ａ，ｂ）で支持することができる。

【００１４】そして、指によって与えられる支持力は、指掛け孔１７の方向が、全部の缶１０の重心を通る軸線ａ上の一点に集中するように形成されているので、テイクアウト用紙製パック１を持った時、安定感があり、把持部１５が裂けるなどの事態を防止することができる。缶１０をテイクアウト用紙製パック１から外すには、単に引き抜けば良い。

【００１５】図４は、第２の実施例を示し、テイクアウト用紙製パック１は、第１の実施例と同様に天板２を中心に側板３、吊持板４および支持兼把持板５をこの順序で対称に備え、第１実施例とは、天板２が長手方向の両端縁に端板１８と差込み板１９をこの順序で、かつ、平行な山折り線２０，２１で接続されて備える点と、側板３と前記の端板１８が中線を谷折りとする２等辺三角形の折込み部２２で接続されている点で異なる。端板１８は側板３の幅寸法ａと同じ長手方向寸法を有すると共に、それぞれ中央に支持兼把持板５における支持部１６の端縁を挟み込む挟持スリット２３を備えている。

【００１６】このテイクアウト用紙製パック１は、天板２に対し、側板３、吊持板４および支持兼把持板５を、それぞれの山折り線６，７，８で内側に回りこむように折り曲げ、両側の支持兼把持板５（ａ，ｂ）における両把持部１５（ａ，ｂ）を重合して天板中央のスリット９に下面から上方へ挿通される。ついで、端板１８と差込み板１９を山折りにすると共に、折り込み部２２を谷折りにし、差込み板１９を吊持板４の上面に差し込む。この時、吊持板４と天板２の間隔を上下に横断して存在している支持部１６（ａ，ｂ）の端縁を差込み板１９中央の挟持スリット２３に挾み込んで固定する。

【００１７】これにより、図５のように把持部１５（ａ，ｂ）が上部に突出し、天板２と吊持板４の周囲が側板３と端板１８で閉じられたテイクアウト用紙製パック１が完成する。このパック１では、組立られた際に、天板２と両方の側板３および吊持板４が端板１８と差込み板１９によって位置決めされてこれらによる枠構造が完成し、かつ、挟持スリット２３によってこの構造が維持されるのでパック全体の剛性が向上し、利用者にしっかりした感じを与える。また、２等辺三角形をした折込み部２２における２等辺の長さを寸法ａより大きくすることで、４隅の稜線を傾斜させ、外観を優美にするデザイン上の効果をあげている。

【００１８】以上は実施例であり、本考案は図示された具体的な構成に限定されない。６本以上や以下の本数をパックできる構成とすることもある。把持部１５の強度を向上することで、指掛け孔１７は、一体につながって湾曲しているだけのこともあり、また、複数個に分離されていても、その軸線が重心を通る軸線ａ上にないこともある。支持兼把持板５における支持部１４の幅寸法は、デサイン上で側板３の幅寸法ａより大きくする場合や小さくする場合がある。

【００１９】

【考案の効果】

紙製であるから、仮に無造作に捨てられても自然分解し、長期間、目についたり、自然環境を破壊することがない。天板に対する支持部を備え、吊持に対する剛性が高い。缶の上部を天板で覆うので、飲み口が衛生的に保持される。

【００２０】組立前は平板であるため、従来品よりストックスペースが少なくてすむ。構造が簡単で、組立易く、小売店で利用しやすい。缶の上部のみで束ねてパックするので缶のブランドが隠されない。また、パックしたものを売り台で何段にも積み重ねて展示販売をすることができ、宣伝効果が高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】展開した平面図（第１実施例）。

【図２】図３のＡ−Ａ線に沿った断面図。

【図３】使用状態の斜視図。

【図４】展開した平面図（第２実施例）。

【図５】使用状態の斜視図。

【符号の説明】

１テイクアウト用紙製パック２天板３側板４吊持板５支持兼把持板６，７，８外
折り線９スリット１０缶１１差込み孔１２巻締め部１３返し片１４支持部１５把持部１６支持縁１７指掛け孔１８端板１９差込み板

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】紙素材で天板とその両側に側板、吊持
板、支持兼把持板がこれらの境界を長さがほぼ等しく平
行な長手方向の山折り線として、この順序で幅方向に対
照に配置され、吊持板に搬送すべき缶が差し込まれる差
込み孔が形成されて差込み孔の内周に缶の上部巻締め部
の下縁に係合する返し片が形成され、支持兼把持板は支
持部とこれより短い把持部で構成されると共に支持部は
長手方向の両端部が支持縁に形成されると共に側板とほ
ぼ同じ幅を有しており、前記の把持部を天板の下面か
ら、天板の中央に設けた挿通孔を通して上方へ抜き出
し、組み立てられていることを特徴としたテイクアウト
用紙製パック。
【請求項２】天板が長手方向の両端縁に端板と差込み
板をこの順序で、かつ、平行な山折り線で接続されて備
え、端板は側板の幅と同じ長手方向寸法を有すると共に
中央に支持兼把持板における支持部の端縁を挟み込む挟
持スリットを備えたことを特徴とする請求項１に記載の
テイクアウト用紙製パック。
【請求項３】支持兼把持板の把持部に複数の指掛け孔
が、握力の中心が搬送する缶全体の重心を通る垂直線上
に位置する配置として設けられていることを特徴とした
請求項１または請求項２に記載のテイクアウト用紙製パ
ック。