JPH068494B2 - 拡散被覆鋼材の製造方法 - Google Patents
拡散被覆鋼材の製造方法Info
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- JPH068494B2 JPH068494B2 JP7497189A JP7497189A JPH068494B2 JP H068494 B2 JPH068494 B2 JP H068494B2 JP 7497189 A JP7497189 A JP 7497189A JP 7497189 A JP7497189 A JP 7497189A JP H068494 B2 JPH068494 B2 JP H068494B2
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- diffusing agent
- powder
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐食性および耐高温酸化性に優れ、連続処理
可能で、かつ拡散被覆処理後の調質用の熱処理が不用な
熱間圧延棒鋼および線材の拡散被覆に関するものであ
る。
可能で、かつ拡散被覆処理後の調質用の熱処理が不用な
熱間圧延棒鋼および線材の拡散被覆に関するものであ
る。
(従来の技術) 粉末パック法に代表される拡散被覆は、鋼材の表面から
各種の元素を拡散させ、鋼の耐摩耗性、耐高温酸化性、
表面硬さなどの優れた性質を付与するとともに、処理装
置自体が非常に簡単なため、近年はガスタービンのブレ
ードや燃焼器、デーゼルエンジンのシリンダーやピスト
ン、その他高温用機械部品の表面処理として幅広い適用
が検討されており、一部実用化に至っている例もある。
各種の元素を拡散させ、鋼の耐摩耗性、耐高温酸化性、
表面硬さなどの優れた性質を付与するとともに、処理装
置自体が非常に簡単なため、近年はガスタービンのブレ
ードや燃焼器、デーゼルエンジンのシリンダーやピスト
ン、その他高温用機械部品の表面処理として幅広い適用
が検討されており、一部実用化に至っている例もある。
一方、従来の粉末パック法では拡散元素の粉末でパック
し、不活性ガス中で長時間熱処理を施し拡散浸透させる
わけだが、このために試料形状の制約を受けたり、処理
時間が非常に長いなどの欠点があった。これに対して、
事前に試料表面を溶融あるいは電気めっき、溶射、塗装
等により拡散元素の被覆層を形成し、その後、拡散浸透
処理を行う方法が開示されている。(特公昭53-28852
号、特公昭53-15456号、特公昭54-33569号、特開昭57-1
9371号等の各公報)。
し、不活性ガス中で長時間熱処理を施し拡散浸透させる
わけだが、このために試料形状の制約を受けたり、処理
時間が非常に長いなどの欠点があった。これに対して、
事前に試料表面を溶融あるいは電気めっき、溶射、塗装
等により拡散元素の被覆層を形成し、その後、拡散浸透
処理を行う方法が開示されている。(特公昭53-28852
号、特公昭53-15456号、特公昭54-33569号、特開昭57-1
9371号等の各公報)。
なお、本発明に係る拡散剤の流動化について、特開昭50
-72933号及び特開昭53-118237号公報の開示があるが、
しかし、この両公報とも空気の送風で流動化された粉末
状樹脂の中に該樹脂の溶融温度以上の100〜300℃に加熱
した鉄線を通過させ該鉄線表面に樹脂の被覆層を形成さ
せるものであり、本発明の金属粉を不活性ガスにより流
動化させ、その中を1000℃以上に加熱した棒線材を通過
させ拡散被覆処理することの技術とは全く異なる分野で
ある。
-72933号及び特開昭53-118237号公報の開示があるが、
しかし、この両公報とも空気の送風で流動化された粉末
状樹脂の中に該樹脂の溶融温度以上の100〜300℃に加熱
した鉄線を通過させ該鉄線表面に樹脂の被覆層を形成さ
せるものであり、本発明の金属粉を不活性ガスにより流
動化させ、その中を1000℃以上に加熱した棒線材を通過
させ拡散被覆処理することの技術とは全く異なる分野で
ある。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前述の方法では処理時間は短縮されるも
のの新たに鋼表面に被覆層を形成する事前処理が必要と
なり、コスト増をもたらし、また一般的な構造用部材で
ある熱間圧延棒鋼や線材といった長尺物の連続処理が殆
ど困難であるという問題を有している。さらに、最近は
省工程の一環として鋼材の熱間圧延、熱間鍛造及び冷間
鍛造での非調質化が広範な機械部品に適用されているも
のの、拡散処理により鋼材自体が1000℃という高温に長
時間さらされるため、鋼材自身の強度や靱性といった機
械的性能は、再度拡散処理した後に焼入れ、焼戻し等の
熱処理によって再調整する必要があり、非調質鋼への適
用も困難であった。
のの新たに鋼表面に被覆層を形成する事前処理が必要と
なり、コスト増をもたらし、また一般的な構造用部材で
ある熱間圧延棒鋼や線材といった長尺物の連続処理が殆
ど困難であるという問題を有している。さらに、最近は
省工程の一環として鋼材の熱間圧延、熱間鍛造及び冷間
鍛造での非調質化が広範な機械部品に適用されているも
のの、拡散処理により鋼材自体が1000℃という高温に長
時間さらされるため、鋼材自身の強度や靱性といった機
械的性能は、再度拡散処理した後に焼入れ、焼戻し等の
熱処理によって再調整する必要があり、非調質鋼への適
用も困難であった。
一方、従来の粉末パック法でも事前の被覆処理なしに処
理時間を短縮する方法として、拡散剤中にアルミナ粉等
の緩衝剤を添加し拡散剤の焼結を防止したり、反応促進
のため活性剤として塩化アンモニウムや塩化カルシウム
等を添加する方法等が行なわれている。
理時間を短縮する方法として、拡散剤中にアルミナ粉等
の緩衝剤を添加し拡散剤の焼結を防止したり、反応促進
のため活性剤として塩化アンモニウムや塩化カルシウム
等を添加する方法等が行なわれている。
しかし、事前の被覆処理を必要とせずに連続的に、中で
も棒鋼や線材といった非常に長い鋼材の連続処理、さら
には非調質タイプの熱間圧延材の連続拡散被覆方法につ
いては、これまで全く検討されてはいなかった。
も棒鋼や線材といった非常に長い鋼材の連続処理、さら
には非調質タイプの熱間圧延材の連続拡散被覆方法につ
いては、これまで全く検討されてはいなかった。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、拡散剤と鋼材の接触状況と拡散被覆層の
生成速度を調査した結果、振動や流動層により拡散剤を
適宜移動させた場合、拡散被覆層の生成速度が著しく上
昇することを見出した。これは拡散剤が鋼材と接触、焼
結し、その後元素の拡散により、拡散被覆層が形成され
る従来の粉末パック法では、鋼材と拡散剤の粉末との間
の元素濃度が時間とともに縮まり、その結果として被膜
生成速度が遅滞するのに対し、拡散剤を移動させた場
合、鋼材内への拡散がまだ生じてない新しい拡散剤と鋼
材が接触、焼結、拡散そして離脱を適宜繰返すことによ
り、常時拡散剤の粉末と鋼材間に大きな元素濃度の差が
生じ、これにより生成速度の遅滞が生じないためであ
る。
生成速度を調査した結果、振動や流動層により拡散剤を
適宜移動させた場合、拡散被覆層の生成速度が著しく上
昇することを見出した。これは拡散剤が鋼材と接触、焼
結し、その後元素の拡散により、拡散被覆層が形成され
る従来の粉末パック法では、鋼材と拡散剤の粉末との間
の元素濃度が時間とともに縮まり、その結果として被膜
生成速度が遅滞するのに対し、拡散剤を移動させた場
合、鋼材内への拡散がまだ生じてない新しい拡散剤と鋼
材が接触、焼結、拡散そして離脱を適宜繰返すことによ
り、常時拡散剤の粉末と鋼材間に大きな元素濃度の差が
生じ、これにより生成速度の遅滞が生じないためであ
る。
さらに、鋼材加熱方法と拡散被覆層の生成状況および鋼
材特性を調査した結果、拡散被覆には鋼材全体を加熱す
ることなしに、鋼材表面のみ高周波誘導加熱により拡散
に必要な温度に加熱することで十分に拡散が進行するを
見出した。また同時に、制御圧延、調整冷却により熱間
圧延のままで非調質鋼として付与した鋼材特性を表層の
加熱では、実用上殆ど問題になるような劣化は無く、非
調質鋼を拡散被覆した後でも材質調整の熱処理が不要で
あることがわかった。
材特性を調査した結果、拡散被覆には鋼材全体を加熱す
ることなしに、鋼材表面のみ高周波誘導加熱により拡散
に必要な温度に加熱することで十分に拡散が進行するを
見出した。また同時に、制御圧延、調整冷却により熱間
圧延のままで非調質鋼として付与した鋼材特性を表層の
加熱では、実用上殆ど問題になるような劣化は無く、非
調質鋼を拡散被覆した後でも材質調整の熱処理が不要で
あることがわかった。
こうした知見をもとに、本発明者らは、熱間圧延棒鋼及
び線材の拡散被覆処理において、拡散剤を流動化させる
とともに、高周波誘導加熱により表面のみ加熱すること
によって、本発明を完成した。
び線材の拡散被覆処理において、拡散剤を流動化させる
とともに、高周波誘導加熱により表面のみ加熱すること
によって、本発明を完成した。
本発明はチタン、アルミニウム、クロムのいずれか1種
の金属粉に緩衝材としてアルミナ粉、活性剤として塩化
アンモニウム、塩化カルシウム等のハロゲン化物のいず
れか一種を配合した粉末状の拡散剤を不活性ガスにより
流動化させるとともに、この中をスケールを除去した棒
鋼あるいは線材を高周波誘導加熱により鋼材表面を加熱
しつつ移動あるいは固定することを特徴とし、棒鋼、線
材が非調質である拡散被覆鋼材を提供するものである。
の金属粉に緩衝材としてアルミナ粉、活性剤として塩化
アンモニウム、塩化カルシウム等のハロゲン化物のいず
れか一種を配合した粉末状の拡散剤を不活性ガスにより
流動化させるとともに、この中をスケールを除去した棒
鋼あるいは線材を高周波誘導加熱により鋼材表面を加熱
しつつ移動あるいは固定することを特徴とし、棒鋼、線
材が非調質である拡散被覆鋼材を提供するものである。
(作用) 以下に本発明の鋼の各構成成分について説明する。
まず、拡散剤としては耐食性、耐高温酸化性の優れた拡
散被覆層を形成させるため、チタン、アルミニウム、ク
ロムのいずれか1種を選択する。
散被覆層を形成させるため、チタン、アルミニウム、ク
ロムのいずれか1種を選択する。
拡散剤からの反応性ガスの発生を高め鋼材表面の拡散層
あるいは被覆層の形成を促進するとともに、拡散剤と鋼
材との接触面積を広げ固相間での元素の拡散量を増加さ
せるため、拡散剤は粉状にする。
あるいは被覆層の形成を促進するとともに、拡散剤と鋼
材との接触面積を広げ固相間での元素の拡散量を増加さ
せるため、拡散剤は粉状にする。
拡散層及び被覆層の形成を阻害する現象として拡散剤の
焼結がある。これを防止するため、高温での安定性が高
いアルミナ粉を緩衝剤として用いる。
焼結がある。これを防止するため、高温での安定性が高
いアルミナ粉を緩衝剤として用いる。
次に、活性剤について説明する。これは金属粉末に付着
し金属ハロゲン化物蒸気となり、鋼材表面に金属を析出
し、拡散層および被覆層の形成を促進する機能を有す
る。活性剤としては、この機能が強く、コスト、安全性
等に優れる塩化アンモニウムまたは塩化カルシウム等の
ハロゲン化物とし、いずれか一種を添加する。
し金属ハロゲン化物蒸気となり、鋼材表面に金属を析出
し、拡散層および被覆層の形成を促進する機能を有す
る。活性剤としては、この機能が強く、コスト、安全性
等に優れる塩化アンモニウムまたは塩化カルシウム等の
ハロゲン化物とし、いずれか一種を添加する。
拡散剤の混合粉末中にスケールを除去した棒鋼あるいは
線材を埋め込む。この場合、鋼材と拡散剤との間にスケ
ール等の障害物が存在すると、拡散層および被覆層の形
成を著しく阻害するとともに被覆層内にスケールが取込
まれ被覆層強度や特性を劣化するために、スケールは鋼
材表面から酸洗、ショットピーニングあるいはローラー
ベンディング等の方法で除去する。
線材を埋め込む。この場合、鋼材と拡散剤との間にスケ
ール等の障害物が存在すると、拡散層および被覆層の形
成を著しく阻害するとともに被覆層内にスケールが取込
まれ被覆層強度や特性を劣化するために、スケールは鋼
材表面から酸洗、ショットピーニングあるいはローラー
ベンディング等の方法で除去する。
混合粉末である拡散剤を不活性ガスにより流動化させる
が、これは鋼材内への拡散がまだ生じてない新しい拡散
剤と鋼材が接触、焼結、拡散そして離脱を適宜繰返すこ
とにより、常時拡散剤の粉末と鋼材間に大きな元素濃度
の差が生じ、これにより生成速度の遅滞が生じさせない
ためである。また流動化させるガスは拡散剤の酸化によ
る劣化を抑制するため、窒素、アルゴン、ヘリウム等の
不活性ガスを使用する。
が、これは鋼材内への拡散がまだ生じてない新しい拡散
剤と鋼材が接触、焼結、拡散そして離脱を適宜繰返すこ
とにより、常時拡散剤の粉末と鋼材間に大きな元素濃度
の差が生じ、これにより生成速度の遅滞が生じさせない
ためである。また流動化させるガスは拡散剤の酸化によ
る劣化を抑制するため、窒素、アルゴン、ヘリウム等の
不活性ガスを使用する。
さらに、鋼材加熱方法としては高周波誘導加熱による鋼
材表面のみの加熱とする。これは通常の全体加熱では鋼
材の機械的特性、材質等を支配する内質まで変化させる
ため、拡散被覆後、再度調質のための熱処理が必要であ
る。これに対して、高周波による表面加熱では、鋼材表
面のみを拡散に必要な温度に加熱するだけであり、非調
質鋼として付与した鋼材特性の劣化は無い。
材表面のみの加熱とする。これは通常の全体加熱では鋼
材の機械的特性、材質等を支配する内質まで変化させる
ため、拡散被覆後、再度調質のための熱処理が必要であ
る。これに対して、高周波による表面加熱では、鋼材表
面のみを拡散に必要な温度に加熱するだけであり、非調
質鋼として付与した鋼材特性の劣化は無い。
(実施例) 以下に本発明の実施例により更に具体的に説明するが、
本発明はその要旨を超えない限り、以下に実施例の限定
されるものでは無い。
本発明はその要旨を超えない限り、以下に実施例の限定
されるものでは無い。
本発明の実施例1 S30Cを直径10mmの線材に圧延後、熱湯浴中で500℃以
下まで冷却(衝風冷却:Stelmorでも同様な効果が期待
できる)捲取り、さらにショットピーニングにより熱延
スケールを除去し、矯直後長さ500mmの試験片に切断し
た。この時の引張強度は58kgf/mm2、絞りは79%であっ
た。次に、チタン粉40mass%、アルミナ粉58mass%さら
に塩化アンモニウム2mass%配合した拡散剤(金属
粉末)を窒素ガスにより流動化させ、この中を試験材を
ゆっくり移動させつつ高周波誘導加熱により表層のみ11
50℃に1時間加熱した。放冷後、被膜の厚さを測定する
とともにJIS Z 2371による塩水噴霧試験を100時間行な
い、腐食面積を測定した。測定の結果、被膜厚さは250
μmで、また腐食面積率はゼロと腐食は全く無かった。
また表に示すように拡散被覆前と比べ引張強さの低下は
殆んど無く、また絞りも高く、若干の伸線強化によりS3
8CやS45Cの焼入れ・焼戻し材に匹敵する性能を有し、非
調質化可能であることが分かる。
下まで冷却(衝風冷却:Stelmorでも同様な効果が期待
できる)捲取り、さらにショットピーニングにより熱延
スケールを除去し、矯直後長さ500mmの試験片に切断し
た。この時の引張強度は58kgf/mm2、絞りは79%であっ
た。次に、チタン粉40mass%、アルミナ粉58mass%さら
に塩化アンモニウム2mass%配合した拡散剤(金属
粉末)を窒素ガスにより流動化させ、この中を試験材を
ゆっくり移動させつつ高周波誘導加熱により表層のみ11
50℃に1時間加熱した。放冷後、被膜の厚さを測定する
とともにJIS Z 2371による塩水噴霧試験を100時間行な
い、腐食面積を測定した。測定の結果、被膜厚さは250
μmで、また腐食面積率はゼロと腐食は全く無かった。
また表に示すように拡散被覆前と比べ引張強さの低下は
殆んど無く、また絞りも高く、若干の伸線強化によりS3
8CやS45Cの焼入れ・焼戻し材に匹敵する性能を有し、非
調質化可能であることが分かる。
比較例1 直径50mmのAl容器中にチタン粉40mass%、アルミナ粉
58mass%さらに塩化アンモニウム2mass%配合した拡散
剤(実施例1で用いたと同一のもの)を充填し、この中
にS30Cの試験材(実施例1で用いたと同一のもの)を
挿入し、窒素ガス雰囲気中で蓋し、電気炉により1150℃
に1時間加熱した。放冷後、被膜の厚さを測定するとと
もにJIS Z 2371による塩水噴霧試験を100時間行ない、
腐食面積を測定した。測定の結果、被膜厚さは100μm
で、腐食面積率は100%であった。さらに引張強さは46k
gf/mm2と著しく低下し、S38CやS45Cの焼入れ・焼戻し
材に匹敵する性能は得られず、非調質化は不可能であ
る。
58mass%さらに塩化アンモニウム2mass%配合した拡散
剤(実施例1で用いたと同一のもの)を充填し、この中
にS30Cの試験材(実施例1で用いたと同一のもの)を
挿入し、窒素ガス雰囲気中で蓋し、電気炉により1150℃
に1時間加熱した。放冷後、被膜の厚さを測定するとと
もにJIS Z 2371による塩水噴霧試験を100時間行ない、
腐食面積を測定した。測定の結果、被膜厚さは100μm
で、腐食面積率は100%であった。さらに引張強さは46k
gf/mm2と著しく低下し、S38CやS45Cの焼入れ・焼戻し
材に匹敵する性能は得られず、非調質化は不可能であ
る。
本発明の実施例2 SD30Bを直径20mmの棒鋼に圧延した後、ショットピー
ニングにより熱延スケールを除去し、長さ500mmの試験
片に切断した。次に、アルミニウム粉60mass%、アルミ
ナ粉38mass%さらに塩化アンモニウム2mass%配合した
拡散剤(金属粉末)を窒素ガスにより流動化させ、この
中を試験材をゆっくり移動させつつ高周波誘導加熱によ
り表層のみ1000℃に1時間加熱した。放冷後、被膜の厚
さを測定するとともにJIS A 6205によるコンクリート中
の鉄筋の腐食試験を行ない、腐食面積を測定した。測定
の結果、被膜厚さは200μmで、また腐食面積率はゼロ
と腐食は無かった。
ニングにより熱延スケールを除去し、長さ500mmの試験
片に切断した。次に、アルミニウム粉60mass%、アルミ
ナ粉38mass%さらに塩化アンモニウム2mass%配合した
拡散剤(金属粉末)を窒素ガスにより流動化させ、この
中を試験材をゆっくり移動させつつ高周波誘導加熱によ
り表層のみ1000℃に1時間加熱した。放冷後、被膜の厚
さを測定するとともにJIS A 6205によるコンクリート中
の鉄筋の腐食試験を行ない、腐食面積を測定した。測定
の結果、被膜厚さは200μmで、また腐食面積率はゼロ
と腐食は無かった。
比較例2 直径50mmのAl容器中にアルミニウム粉60mass%さらに
塩化アンモニウム2mass%配合した拡散剤(実施例2で
用いたと同一のもの)を充填し、この中にSD30Bの試験
材(実施例2で用いたと同一のもの)を挿入し、窒素ガ
ス雰囲気中で蓋し、電気炉により1000℃に1時間加熱し
た。放冷後、被膜の厚さを測定するとともにJIS A 6205
によるコンクリート中の鉄筋の腐食試験を行ない、腐食
面積を測定した。測定の結果、被膜厚さは90μmで、ま
た腐食面積率は15%であった。
塩化アンモニウム2mass%配合した拡散剤(実施例2で
用いたと同一のもの)を充填し、この中にSD30Bの試験
材(実施例2で用いたと同一のもの)を挿入し、窒素ガ
ス雰囲気中で蓋し、電気炉により1000℃に1時間加熱し
た。放冷後、被膜の厚さを測定するとともにJIS A 6205
によるコンクリート中の鉄筋の腐食試験を行ない、腐食
面積を測定した。測定の結果、被膜厚さは90μmで、ま
た腐食面積率は15%であった。
本発明の実施例3 SD30Bを直径20mmの棒鋼に圧延した後、ショットピーニ
ングにより熱延スケールを除去し、長さ500mmの試験片
に切断した。次に、クロム粉60mass%、アルミナ粉38ma
ss%さらに塩化カルシウム2mass%配合した拡散剤(金
属粉末)を窒素ガスにより流動化させ、この中を試験材
を移動させつつ高周波誘導加熱により表層のみ1050℃に
1時間加熱した。放冷後、被膜の厚さを測定するととも
にJIS A 6205によるコンクリート中の鉄筋の腐食試験を
行ない、腐食面積を測定した。測定の結果、被膜厚さは
150μmで、また腐食面積率はゼロと腐食は無かった。
ングにより熱延スケールを除去し、長さ500mmの試験片
に切断した。次に、クロム粉60mass%、アルミナ粉38ma
ss%さらに塩化カルシウム2mass%配合した拡散剤(金
属粉末)を窒素ガスにより流動化させ、この中を試験材
を移動させつつ高周波誘導加熱により表層のみ1050℃に
1時間加熱した。放冷後、被膜の厚さを測定するととも
にJIS A 6205によるコンクリート中の鉄筋の腐食試験を
行ない、腐食面積を測定した。測定の結果、被膜厚さは
150μmで、また腐食面積率はゼロと腐食は無かった。
比較例3 直径50mmのAl容器中にクロム粉60mass%、アルミナ粉
28mass%さらに塩化カルシウム2mass%配合した拡散剤
(実施例3で用いたと同一のもの)を充填し、この中に
SD30Bの試験材(実施例3で用いたと同一のもの)を挿
入し、窒素ガス雰囲気中で蓋し、電気炉により1050℃に
1時間加熱した。放冷後、被膜の厚さ測定をするととも
にJIS A 6205によるコンクリート中の鉄筋の腐食試験を
行ない、腐食面積を測定した。測定の結果、被膜厚さは
70μmで、また腐食面積率は10%であった。
28mass%さらに塩化カルシウム2mass%配合した拡散剤
(実施例3で用いたと同一のもの)を充填し、この中に
SD30Bの試験材(実施例3で用いたと同一のもの)を挿
入し、窒素ガス雰囲気中で蓋し、電気炉により1050℃に
1時間加熱した。放冷後、被膜の厚さ測定をするととも
にJIS A 6205によるコンクリート中の鉄筋の腐食試験を
行ない、腐食面積を測定した。測定の結果、被膜厚さは
70μmで、また腐食面積率は10%であった。
なお、以上の本発明の実施例および比較例の結果をまと
め末尾の表に示した。
め末尾の表に示した。
(発明の効果) したがって、本発明法により、これまで従来法では処理
できなかった棒鋼や線材等の長尺物が、しかも連続的に
処理できるため、製造コストを大幅に低減できると同時
に生産性を高めることが可能であり、また非調質鋼化し
た棒鋼、線材を拡散被覆処理を行っても何ら影響はな
く、再熱処理による調整は全く不要であるなど作業性、
コスト、品質上の優れた効果を発揮するものであり、そ
の産業上の効果は極めて顕著なものがある。
できなかった棒鋼や線材等の長尺物が、しかも連続的に
処理できるため、製造コストを大幅に低減できると同時
に生産性を高めることが可能であり、また非調質鋼化し
た棒鋼、線材を拡散被覆処理を行っても何ら影響はな
く、再熱処理による調整は全く不要であるなど作業性、
コスト、品質上の優れた効果を発揮するものであり、そ
の産業上の効果は極めて顕著なものがある。
Claims (2)
- 【請求項1】チタン、アルミニウム、クロムのいずれか
1種の金属粉に緩衝剤としてアルミナ粉、活性剤として
塩化アンモニウム、塩化カルシウム等のハロゲン化物の
いずれか一種を配合した粉末状の拡散剤を不活性ガスに
より流動化させるとともに、この中をスケールを除去し
た棒鋼あるいは線材を高周波誘導加熱により鋼材表面を
加熱しつつ、拡散被覆することを特徴とする拡散被覆鋼
材の製造方法。 - 【請求項2】棒鋼、線材が非調質鋼である請求項1記載
の拡散被覆鋼材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7497189A JPH068494B2 (ja) | 1989-03-29 | 1989-03-29 | 拡散被覆鋼材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7497189A JPH068494B2 (ja) | 1989-03-29 | 1989-03-29 | 拡散被覆鋼材の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02254149A JPH02254149A (ja) | 1990-10-12 |
JPH068494B2 true JPH068494B2 (ja) | 1994-02-02 |
Family
ID=13562691
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7497189A Expired - Lifetime JPH068494B2 (ja) | 1989-03-29 | 1989-03-29 | 拡散被覆鋼材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH068494B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3093474B2 (ja) * | 1992-09-18 | 2000-10-03 | 滲透工業株式会社 | 耐食、耐摩耗部品 |
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-
1989
- 1989-03-29 JP JP7497189A patent/JPH068494B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH02254149A (ja) | 1990-10-12 |
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