JPH0684762U - 中空モータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カメラ，ロボットなどの駆動を行う中空モー
タにおいて、モータの特性を維持しつつ径方向の薄型化
を実現することができる中空モータを提供することを目
的とする。 【構成】 固定フレーム１にフレキシブルプリント基板
３のみ、またはフレキシブルプリント基板３およびステ
ータコイル２の両方を挿入固定する溝７を設け、溝７に
フレキシブルプリント基板３のみ、またはフレキシブル
プリント基板３およびステータコイル２の両方を挿入固
定することによりフレキシブルプリント基板３およびス
テータコイル２のスラスト方向Ｘの位置ずれを防止する
ことができ、モータの特性を維持しつつ径方向の薄型化
を実現することができる優れた中空モータを得ることが
できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はカメラ，ビデオカメラなどのレンズアッセンブリを駆動する中空円筒 モータ、あるいは軸方向にスライド運動をするロボットなどの駆動用モータなど の内側のフレームの内径部に駆動に必要な部品を配置することが可能なモータに 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

以下に、従来の内輪駆動中空モータについて説明する。

【０００３】 図４は従来の内輪駆動中空モータの断面図を示すものである。図４において、 １１は固定フレーム、１２はステータコイル、１３はステータコイル１２が配線 され固定フレーム１１に固定されたフレキシブルプリント基板であり、以上でス テータを構成している。また１４は可動フレーム、１５はステータコイル１２と 所定の間隔を保って配置されたロータマグネットで、以上でロータを構成してい る。さらに、１６はステータ部とロータ部を回転自在に支持する軸受である。

【０００４】 以上のように構成された内輪駆動中空モータについて、以下その動作について 説明する。まず、フレキシブルプリント基板１３を通してステータコイル１２に 通電されるとステータコイル１２に流れる電流による磁界が発生し、ロータマグ ネット１５の磁束との関係により回転力が生じ、軸受１６によりロータは回転自 在に支持されているためステータ部に対して同心円上にロータは回転する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら上記の従来の構成では、フレキシブルプリント基板とステータコ イル間，固定フレームとステータコイル間にはある程度隙間が必要であり、また ステータコイルは薄くすると十分な磁界の発生をさせることができずある程度の ステータコイルの厚みは必要である。そのため径方向の厚みに制約があり、中空 モータの径方向の薄型化に対して問題があった。ここで、固定フレームの厚みを 薄くしても薄型化を実現することができるが、固定フレームには固定のための強 度が必要であり極端に薄く構成することはできない。また、フレキシブルプリン ト基板およびステータコイルのスラスト方向の位置決めの基準がなく、スラスト 方向のずれが発生するという問題点があった。

【０００６】 本考案は上記従来の問題点を解決するもので、モータの特性を確実にするとと もに径方向の薄型化を実現することができる中空モータを提供することを目的と する。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するために本考案の中空モータは、フレキシブルプリント基板 のみ、あるいはフレキシブルプリント基板およびステータコイルの両方を挿入す ることができ、スラスト方向の位置決めができるように固定フレームに溝を構成 したものである。

【０００８】

【作用】

この構成によって、ステータコイルの巻線数を十分に確保することができ、モ ータの特性を確実にするとともに径方向の薄型化を実現することができ、フレキ シブルプリント基板およびステータコイルのスラスト方向の位置決めを行うこと ができる。

【０００９】

【実施例】

（実施例１） 以下本考案の一実施例について、図面を参照しながら説明する。

【００１０】 図１，図２において、１は固定フレーム、２はステータコイル、３はフレキシ ブルプリント基板、４は可動フレーム、５はロータマグネット、６は軸受である 。ステータコイル２はフレキシブルプリント基板３に配線され、フレキシブルプ リント基板３とともに固定フレーム１に設けられた溝７に挿入されて固定されて いる。また、ロータマグネット５は可動フレーム４に固定されていて、ステータ コイル２と対向するように配置されている。ステータ部である固定フレーム１の 両端面部とロータ部である可動フレーム４の両端面部の間に軸受６が固定され、 ロータ部である可動フレーム４を回転自在に支持している。

【００１１】 以上のように構成された中空モータについて、その動作を説明する。固定フレ ーム１には溝７が設けられており、フレキシブルプリント基板３のみ、あるいは フレキシブルプリント基板３およびステータコイル２の両方を挿入して固定する ことができる。それにより中空モータの径方向の薄型化の障害となっていたステ ータコイル２の厚みを必要以上に薄くする必要がなく、モータの特性を維持しな がら中空モータの径方向の薄型化を実現することができ、さらにフレキシブルプ リント基板およびステータコイルのスラスト方向Ｘの位置決めが可能となる。

【００１２】 以上のように本実施例によれば、フレキシブルプリント基板３のみ、あるいは フレキシブルプリント基板３およびステータコイル２の両方を挿入することがで きるように固定フレーム１に溝７を設けることにより、モータの特性を維持しつ つ径方向の薄型化を実現することができ、フレキシブルプリント基板およびステ ータコイルのスラスト方向Ｘの位置ずれを防止することができる中空モータを構 成することができる。

【００１３】 ここで、図１はフレキシブルプリント基板３のみを溝に挿入した例で、図２は フレキシブルプリント基板３およびステータコイル２の両方を溝に挿入した例で ある。

【００１４】 （実施例２） 以下本考案の第２の実施例について、図面を参照しながら説明する。

【００１５】 図３において、１は固定フレーム、４は可動フレーム、５はロータマグネット 、６は軸受、７は固定フレーム１に設けられた溝である。以上は図２の構成と同 様なものである。図２の構成と異なるのは、ステータコイル２をフレキシブルプ リント基板３と同一面上にメッキ法もしくはエッチング法により形成した点であ る。

【００１６】 上記のように構成された中空モータについて、以下その動作を説明する。 この場合の動作は実施例１の動作と全く同一であり、ステータコイル２をフレ キシブルプリント基板３と同一面上に構成したことにより、ステータコイル２の 厚み分中空モータの径方向の厚さを薄くすることができ、さらにステータコイル をフレキシブルプリント基板に配線する工数およびステータコイルを外フレーム に固定する工数を削減できる。

【００１７】 以上のように本実施例によれば、ステータコイル２をフレキシブルプリント基 板３と同一面上に構成することにより、実施例１と同一性能を維持しつつモータ の組立工数を削減し、径方向の薄型化を実現することができる中空モータを構成 することができる。

【００１８】 なお、第１，第２の実施例において中空モータは内輪駆動型の中空モータとし たが、外輪駆動型中空モータとしてもよいことはいうまでもない。

【００１９】

【考案の効果】

以上のように本考案は、固定フレームにフレキシブルプリント基板あるいはフ レキシブルプリント基板およびステータコイルの両方を挿入する溝を設け、この 溝にフレキシブルプリント基板あるいはフレキシブルプリント基板およびステー タコイルの両方を挿入することにより、従来のモータの特性を維持しつつ径方向 の薄型化を実現できる中空モータを構成することができる。

【００２０】 さらに、ステータコイルをフレキシブルプリント基板と同一面上にメッキ法も しくはエッチング法により形成することによりモータの組立工数を削減し、径方 向の薄型化を実現することができる中空モータを構成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例における中空モータの半
断面図

【図２】本考案の第１の実施例における中空モータの半
断面図

【図３】本考案の第２の実施例における中空モータの半
断面図

【図４】従来の中空モータの断面図

【符号の説明】

１，１１ 固定フレーム ２，１２ ステータコイル ３，１３ フレキシブルプリント基板 ４，１４ 可動フレーム ５，１５ ロータマグネット ６，１６ 軸受 ７ 溝

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円周状にＮ極とＳ極とを交互に着磁したロ
   ータマグネットと、このロータマグネットを固着した中
   空円筒状の可動フレームと、前記ロータマグネットに空
   隙を介して対向配置された偏平なステータコイルと、こ
   のステータコイルを配線したフレキシブルプリント基板
   と、前記ステータコイルと前記フレキシブルプリント基
   板とを固定した中空円筒状の固定フレームと、前記可動
   フレームを回転自在に支持する軸受とを備え、前記固定
   フレームの前記ステータコイルと前記フレキシブルプリ
   ント基板とを固定する部分に溝を配置し、前記フレキシ
   ブルプリント基板のみを前記溝に挿入、あるいは前記フ
   レキシブルプリント基板および前記ステータコイルの両
   方を前記溝に挿入することを特徴とする中空モータ。
2. 【請求項２】前記ステータコイルを前記フレキシブルプ
   リント基板と同一面上にメッキ法もしくはエッチング法
   により形成したことを特徴とする請求項１記載の中空モ
   ータ。