JPH068361B2 - 重合体被覆セリサイト発泡体の製造法 - Google Patents

重合体被覆セリサイト発泡体の製造法

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JPH068361B2
JPH068361B2 JP1033296A JP3329689A JPH068361B2 JP H068361 B2 JPH068361 B2 JP H068361B2 JP 1033296 A JP1033296 A JP 1033296A JP 3329689 A JP3329689 A JP 3329689A JP H068361 B2 JPH068361 B2 JP H068361B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は重合体で被覆されたセリサイト発泡体の製造
法、さらに詳しくは本発明は、水性重合体エマルジョン
と、水中コロイド分散可能でかつ水中でその乳化重合体
とは反対の電荷を有するセリサイトの微粉体とを混合す
ることからなる、乳化重合体で被覆されたセリサイト発
泡体の製造法に関する。
従来の技術 微細な無機充填材を重合体で被覆する方法として、特開
昭61-16936号公報に開示されるものが知られている。す
なわちこの公報には、熱可塑性樹脂強化用充填材として
のアスペクト比5〜100の鉱物繊維の表面特性(親水
性)を疎水性に変成し、マトリックス樹脂たる熱可塑性
樹脂との親和性を向上させるために、そのような鉱物繊
維を懸濁分散して含有する水性媒質中でビニル系単量体
をラジカル開始剤により懸濁重合させる方法が開示され
ている。この公報の記載によれば、その懸濁重合におい
てビニル系単量体は鉱物繊維の表面にグラフト重合さ
れ、重合が進行して繊維表面が最終的にビニル系重合体
で被覆される。従ってこの方法は、鉱物繊維に対するビ
ニル系単量体のグラフト重合という化学的手段による微
細無機質材料の被覆法ということができる。
発明の開示 本発明は、前記特開昭61-16936号公報記載の化学的方法
とは異なって全く物理的な方法によって、より容易に、
そしてそれにもかかわらず表面を均一に被覆し得る、新
規な微細無機質材料の重合体による被覆方法を提供し、
それによって新規な発泡体を提供することを目的とす
る。
従って本発明によれば、重合体の水性エマルジョンと、
水中にコロイド分散可能でかつ水中で該乳化重合体の電
荷に対して反対の電荷を有するセリサイトの微粉体また
はその水分散液とを、均質なスラリーないしペーストが
得られるのに十分な時間混合し、そして過剰の水を除去
しまたは除去せずに、表面が乳化重合体で被覆された個
々のセリサイト微粉体粒子をペースト状で得、次いで該
ペースト体を耐圧容器内で加熱保持して軟化させ、吐出
側に設けた容器内に吐出させて発泡体を得ることを特徴
とする重合体被覆セリサイト発泡体の製造法を提供する
ことを目的とする。
上記の本発明の方法において、水性重合体エマルジョン
の構成重合体は、後記において明らかにされるように、
水性エマルジョンを形成し得るものであればいかなる重
合体であってもよい。従って、本発明において水性重合
体エマルジョンは、水性乳化重合可能な単量体の乳化重
合によって得られる水性重合体エマルジョンをそのまま
使用できると共に、他の重合方法で製造され、単離され
た、乳化可能な粒度まで粉砕可能な重合体をそのような
粒度に粉砕し、水中に乳濁させることによって得られる
水性重合体エマルジョンをも使用することができる。後
者の重合体エマルジョンにおいて、その形成のために常
用の乳化剤、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、ラリウル硫酸ナトリウム等を使用し得ることは言
うまでもない。このような水性重合体エマルジョンにお
いて重合体は周知のようにミセル分散してポリマーコロ
イドを形成している。このようなポリマーコロイド粒子
は一般に、懸濁粒子に比して著しく小さい、数十または
数百オングストロームオーダーないしミクロンオーダー
の粒径を有している。
本発明において「重合体」とは、水中で正または負の電
荷を有する重合体を意味する。またそれは単独重合体お
よび2種以上の単量体からなる共重合体を意味し、それ
はまた特定の重合機構に制限されるものではない。ここ
で、重合体の「電荷」とは、いわゆるカチオン重合体や
アニオン重合体のイオン電荷のみならず、アニオン重合
やカチオン重合で用いられる重合開始剤に由来する電
荷、あるいは固/液界面においてゼーター電位(ζ−電
位)または単極電位(ε−電位)を生じさせる原因とな
る重合体の表面電荷等を意味し、その種類は問わない。
本発明において重合体は、水性エマルジョンを形成し得
るものであればどのような重合体であってもよいこと
は、当業者であれば本発明の趣旨から容易に理解できる
であろう。本発明において使用できるそのような重合体
の典型的な例を示すと、ポリスチレン;ポリ塩化ビニ
ル;ポリ酢酸ビニル;ポリアクリロトリル;ポリ(メ
タ)アクリル酸およびその塩またはエステル、例えばポ
リメタクリル酸メチル;ポリアクリルアミドまたはその
誘導体、例えばその四級化物またはN−メチロール誘導
体;ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフ
ィン;ポリテトラフルオロエチレン;ポリカーボネー
ト;ポリフェニレンスルフィド;ポリブタジエン、ポリ
イソプレンおよびポリクロロプレン等の天然および合成
ゴム;およびスチレン/ブタジエンゴム、アクリロニト
リル/ブタジエン/スチレンゴム等を含めて前記重合体
の構成単量体の他の共重合体単量体との共重合体;並び
にポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂およびエ
ポキシ樹脂等がある。これら重合体または共重合体の水
性エマルジョンは、当業者には周知のようにそれぞれの
単量体または単量体類を、常法に従って適当な乳化剤お
よび開始剤の存在下で水中で乳化重合させることによっ
て、あるいは別の方法で得られた重合体を、例えば凍結
粉砕法等の適当な方法で微粉状に粉砕し、得られた微粉
体を適当な乳化剤を用いて水中に乳化させることによっ
て、調製することができる。
本発明において水性重合体エマルジョンと混合されてス
ラリーないしペーストを作るセリサイトは、当該水性エ
マルジョン中でその重合体の電荷とは反対の電荷を有
し、水中でコロイド分散可能な微粉体に粉砕可能なもの
である。ここで、“水性エルジョン中でその重合体の電
荷とは反対の電荷を有する”とは、それ自体水媒体中で
そのように帯電することのみならず、そのままでは水媒
体中で電荷を有しないが、その水中分散液を適宜の方法
で処理することによって、例えば酸あるいは塩、例えば
アルミニウム塩を添加することによって帯電させ得るこ
とも意味する。
このように、本発明においては含水アルミノ珪酸塩粘土
鉱物であるセリサイトを水性重合体エマルジョンと混合
させる。本出願の発明者は、セリサイトは種々の含水ア
ルミノ珪酸塩粘度鉱物のうちでは特に水によってよく濡
れる性質を有し、従ってその微粉体は水性媒体中によく
分散され、コロイド状態の達成が容易であることを見い
だした。
本発明においてセリサイトは、水性エマルジョン中でコ
ロイド分散される程度の粒度に粉砕して使用される。そ
の粒度はサブミクロンないしミクロンオーダーであれば
コロイド分散の目的に最も適しているが、コロイド分散
が可能であればさらに大きな粒度を採用することも可能
である。このようなセリサイト微粉体は常用の微粉砕機
によって容易に製造することができ、分級使用すること
ができる。
本発明において、重合体で表面が被覆されたセリサイト
の微粉体粒子からなるペーストは、水性重合体エマルジ
ョンとセリサイト微粉体またはその水分散液とを混合
し、必要に応じて過剰の水を除去することによって容易
に調製することができる。混合は、系を撹拌または混練
することによって達成することができ、実際上均質なペ
ーストが得られるまで続けられる。その時間は、混合量
にもよるが、小規模混合の場合は通常数分ないし数十分
で十分である。必要な時間はペーストの状態を観察する
ことによって容易に決めることができる。
本発明の方法において、混合にセリサイト微粉体の水分
散液を用いる場合、そのセリサイトの濃度は水分散系が
サスペンジョンを形成する範囲で選択するのが好まし
く、通常は約5〜50重量%の濃度が用いられる。しか
し、このこと自体は特に重要なことではなく、仮にセリ
サイトが均一に懸濁されていなくても適宜撹拌を行うこ
とによって分散させ、この状態で重合体エマルジョンに
添加し、あるいは逆にその水分散液に重合体エマルジョ
ンを添加することができる。
スラリーないしペーストの調製の際に撹拌、混合を助長
するために、および/または最終的に得られるペースト
に目的の重合体濃度およひセリサイト濃度を達成するた
めに、追加水を添加してもよい。
本発明によれば、水性重合体エマルジョンとセリサイト
微粉体のこのような混合の過程で(実際にはその初期段
階と思われるが)、その水性系中で帯電した重合体のコ
ロイド粒子と、その重合体の電荷とは反対に帯電したセ
リサイトのコロイド粒子とが、電気的な相互作用によっ
て個々のセリサイト粒子の表面に重合体粒子が結合し
て、セリサイト粒子表面が乳化重合体によって均一かつ
強固に被覆されると考えられる。
水性重合体エマルジョンとセリサイト微粉体(またはそ
の分散液)との上記のような混合時に、それらの電気的
な相互作用によってエマルジョン系は一般に破壊され、
従ってもし撹拌されていなければ固/液分離を起こす
が、このような場合でも、分離した重合体被覆セリサイ
トからなる固相部分はなお十分な水を抱水し、完全なペ
ースト状態を保持している。一方、分離した過剰の水
は、例えばデカンテーションによって除去することがで
きる。また、セリサイト微粉体の添加量によて明確な固
/液分離を起こさず、添加、混合によってそのまま濃厚
なペーストを形成する場合もある。
水性重合体エマルジョンから、重合体被覆セリサイト粒
子からなるペーストを調製する際のセリサイト量の上限
は、ペースト中の重合体とセリサイトとの合計基準で約
90%である。約90%以上では水性重合体エマルジョンか
らのペーストの形成時に全ての分散セリサイト粒子を乳
化ポリマーコロイド粒子で均一に被覆するのが困難にな
る。
重合体被覆セリサイト発泡体を製造する際は、重合体被
覆セリサイト粒子よりなるペーストを加熱、加圧下で密
閉容器内から低温、低圧の環境中に噴出させる。
このような樹脂発泡体の製造においては、ペーストの放
出、噴出能、そのような放出、噴出に用いられる装置、
同時成形か否か、放出、噴出時の温度、圧力条件、、あ
るいは発泡体としての物性および発泡体に所望される断
熱性、保温性、防振性および遮音性等の緒特性等、種々
の要因に依存して変わり得るけれども、一般的にはセリ
サイトは、ペースト中の重合体とセリサイトの合計量基
準で約20〜90重量%、好ましくは70重量%以下の割合で
配合され、従ってペースト中の重合体量は同一基準で約
80〜10重量%、好ましくは30重量%以上である。ここ
で、セリサイト配合量は約20重量%以下でももちろん採
用し得るが、この程度の量では現在知られているこの種
の発泡体の使用目的に関する限りセリサイトの機能を十
分に利用することはできないだろう。この発泡体の製造
において、上記のセリサイトおよび重合体の量に対して
ペースト中の水の量は、発泡の容易さ、発泡体に所望さ
れる発泡度等によって大幅に変えることができ、従っ
て、ペースト状態が維持される限り特に限定されない
が、通常はセリサイトと重合体との合計重量に対して約
等倍量ないし約5倍量である。好ましくは約2〜4倍
量、最も好ましくは約3倍量である。
上記の本発明の方法によって形成されたペーストにおい
ては、重合体粒子とセリサイト粒子が単に混合された状
態で存在しているのではなく、セリサイト粒子が重合体
で被覆され、それらの被覆セリサイト粒子がペースト中
に分散している。このようにして形成された被覆セリサ
イト粒子の被覆層は非常に均一である。このことは、以
上のようにして形成されたペーストから前記で概説した
方法で製造された樹脂発泡体中にセリサイトが非常に微
細にかつ均一に分布していることからわかると共に、走
査型電子顕微鏡写真によっても確認されている。
以上の説明からわかるように、本発明によれば、水性重
合体エマルジョンとセリサイト微粉体との混合という極
めて簡単な手段で、重合体によって表面が均一に被覆さ
れた重合体被覆セリサイト粒子をそのペーストとして製
造することができる。このペーストはセリサイト含有樹
脂発泡体の製造原料として有用である。
次に、本発明を実施例を参照して具体的に説明する。た
だし、これら実施例は本発明を単に例証するものであっ
て、これら実施例によって本発明は限定されるものでは
ない。
実施例1 ビーカーにミクロンサイズの粒径を有するセリサイト
(小坂鉱山産、商品名ミクロクリーン)100gを取り、1
000gの水を加え、撹拌混合してサスペンジョンを調製
した。このサスペンジョンに撹拌下で、常用の乳化重合
法で調製したポリメタクリル酸メチル(PMMA)の水
性エマルジョン(PMMA50:水50(重量比)200gを
滴下した。その際セリサイトサスペンジョンのpHは約4
で、滴下と同時にセリサイト粒子表面にPMMAが付着
し、沈降した。この混合物を、フィルターで過剰の水を
500g程度吸引ろ過して脱水し、固形分約25重量%のペ
ースト約800gを得た。得られたペーストは均質であっ
た。このペーストから少量のサンプルを取り、更に吸
引、脱水した後80℃で5時間真空乾燥すると、表面がP
MMAで被覆された個々に分離したセリサイト粒子が得
られた。このPMMA被覆セリサイト粒子から走査型電
子顕微鏡により20,000倍の写真を撮ると、セリサイト粒
子の表面全体がその複雑な凹凸、層状構造に沿ってPM
MAで均一に被覆されているのが認められた。
上記のように調製したPMMA被覆セリサイト粒子から
なるペーストの発泡体形成能を調べるために、耐圧容器
(オートクレーブ)を用いて噴出試験を行った。
上記で得られた残りのペーストを耐圧容器に入れ、160
〜170℃で30分間保持し、PMMAが十分軟化したと思
われる時点(そのときの容器内の圧力は約0.5MPa程
度であった)で吐出バルブを開き、その吐出口に連結さ
せた1mm径程度の穴を多数有する直径10cm、長さ50cmの
円筒状籠容器に、それら小孔を通してペーストを瞬間的
に噴出させ、発泡体を得た。
得られた発泡体は均一に発泡しており、その比重は0.03
程度であった。発泡体中でセリサイトは極めて微細かつ
均一に分布していた。
実施例2 ビーカー中のポリスチレン(Ps)水性エマルジョン(Ps5
0:水50(重量比)200gに水275gを加え、撹拌混和し
た。この水性エマルジョンに撹拌下で、実施例1で使用
したものと同じセリサイト25gの水サスペンジョンを少
量ずつ加えて練り上げ、、固形分25重量%の均質なペー
ストを調製した。混練に要した全時間は約15分であっ
た。得られたペーストから少量のサンプルを採り、実施
例1と同様に十分に吸引、脱水し、続いて真空乾燥する
と、表面全体がPsで均一に被覆された個々に分離した樹
脂被覆セリサイトが得られた。
上記で得られた残りのペーストを実施例1で使用したも
のと同じ耐圧容器に入れ、125〜135℃で30分保持し、P
sが十分に軟化したと思われる時点(そのときの容器内
の圧力は約0.3MPa程度であった)で吐出バルブを開
き、その吐出口に連結させた1mm径程度の穴を多数有す
る直径10cm、長さ50cmの円筒状籠容器に、それら小孔を
通してペーストを瞬間的に噴出させ、発泡体を得た。
得られた発泡体は均一に発泡しており、その比重は0.02
4程度であった。発泡体中でセリサイトは微細かつ均一
に分布していた。
実施例3 ビーカー中のポリスチレン水性エマルジョン(Ps50:
水50(重量比))160gに水250gを加え、撹拌混和し
た。この水性エマルジョンに撹拌下で、実施例1と同様
にセリサイト30gを少量ずつ加え、約15分間練り上げ
て、固形分25重量%の均質なペーストを調製した。この
ペーストの一部を実施例1と同様に吸引し、断水し、真
空乾燥すると、個々のセリサイト粒子の表面全体がPs
で均一に被覆されていた。
実施例4 ビーカー中のポリスチレン水性エマルジョン(Ps50:
水50(重量比))100gに水250gを加え、撹拌混和し
た。この水性エマルジョンに撹拌下で、実施例1と同様
にセリサイト50gを少量ずつ加え、約15分間練り上げ
て、固形分33重量%の均質なペーストを調製した。この
ペーストは一部をサンプルの乾燥処理の結果、個々の粒
子がPsで均一に被覆されたセリサイト粒子からなるも
のであった。
上記で得られたペーストを実施例1と同様に耐圧容器中
で125〜135℃で30分保持した後(そのときの容器内の圧
力は約0.3MPs程度であった)吐出バルブを開き、同
様の円筒状籠容器に瞬間的に噴出させ、発泡体を得た。
得られた発泡体は均一に発泡しており、その比重は0.03
2程度であった。発泡体中でセリサイトは微細かつ均一
に分布していた。
実施例5 ビーカー中のポリスチレン水性エマルジョン(Ps50:
水50(重量比))80gに水260gを加え、撹拌混和し
た。この水性エマルジョンに撹拌下で、実施例1と同様
にセリサイト60gを少量ずつ加え、約15分間練り上げ
て、固形分40重量%の均質なペーストを調製した。この
ペーストも、表面がPsで均一に被覆された個々のセリ
サイト粒子からなり、同様に発泡体を形成することがで
きるものであった。
実施例6 凍結粉砕の技法で数ミクロンオーダーに粉砕されたポリ
プロピレン(PP)微粉体をラウリル硫酸ナトリウムを
用いて水中に乳化させて、PP50:水50重量比のエマル
ジョンを調製した。このエマルジョン200gに水27
5gを加え、撹拌混和した。これに撹拌下で、実施例1
と同じセリサイト25gを少量ずつ加え、約15分間練り上
げて固形分25重量%の均質なペーストを調製した。得ら
れたペーストから少量のサンプルを採り、十分に吸引、
脱水した後、80℃で5時間真空乾燥すると、表面全体が
PPで均一に被覆された個々に分離した樹脂被覆セリサ
イト粒子が得られた。
上記で得られた残りのペーストを実施例1と同様に耐圧
容器中で175〜185℃で30分保持した後(そのときの容器
内の圧力は約1.0MPa程度であった)吐出バルブを開
き、同様に円筒状籠容器に瞬間的に噴出させ、発泡体を
得た。
得られた発泡体は均一に発泡しており、その比重は0.10
7程度であった。発泡体中でセリサイトは微細、均一に
分布していた。
実施例7 ビーカー中のアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン
共重合体(ABS)水性エマルジョン(ABS50:水50
(重量比))160gに水250gを加え、撹拌混和した。こ
のエマルジョンに撹拌下で、実施例1と同じセリサイト
30gを少量ずつ加え、約15分間練り上げて固形分25重量
%の均質なペーストを調製した。このペーストの少量の
サンプルを吸引、脱水し、真空乾燥すると、表面全体が
ABS樹脂で均一に被覆された個々に分離した樹脂被覆
セリサイト粒子が得られた。
上記で得られた残りのペーストを実施例1と同様に耐圧
容器中で155〜165℃で30分保持した後(そのときの容器
内の圧力は約0.68MPa程度であった)吐出バルブを開
き、同様に円筒状籠容器に瞬間的に噴出させ、発泡体を
得た。
得られた発泡体は均一に発泡しており、その比重は0.25
6程度であった。発泡体中でセリサイトは微細、均一に
分布していた。
実施例8 ビーカー中のポリ塩化ビニル水性エマルジョン(PVC
50:水50(重量比))100gに水250gを加え、撹拌混和
した。このエマルジョンに撹拌下で、実施例1と同じセ
リサイト50gを少量ずつ加え、約15分間練り上げて固形
分25重量%の均質なペーストを調製した。このペースト
の少量のサンプルを吸引、脱水し、真空乾燥すると、表
面全体がPVC樹脂で均一に被覆された個々に分離した
樹脂被覆セリサイト粒子が得られた。
上記で得られた残りのペーストを実施例1と同様に耐圧
容器中で120〜125℃で30分保持した後(そのときの容器
内の圧力は約0.22MPa程度であった)吐出バルブを開
き、同様に円筒状籠容器に瞬間的に噴出させ、発泡体を
得た。
得られた発泡体は均一に発泡しており、その比重は0.22
程度であった。発泡体中でセリサイトは微細、均一に分
布していた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体の水性エマルジョンと、水中にコロ
    イド分散可能でかつ水中で該乳化重合体の電荷に対して
    反対の電荷を有するセリサイトの微粉体またはその水分
    散液とを、均質なスラリーないしペーストが得られるの
    に十分な時間混合し、そして過剰の水を除去しまたは除
    去せずに、表面が乳化重合体で被覆された個々のセリサ
    イト微粉体粒子をペースト状で得、次いで該ペースト体
    を耐圧容器内で加熱保持して軟化させ、吐出側に設けた
    容器内に吐出させて発泡体を得ることを特徴とする重合
    体被覆セリサイト発泡体の製造法。
JP1033296A 1989-02-13 1989-02-13 重合体被覆セリサイト発泡体の製造法 Expired - Fee Related JPH068361B2 (ja)

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