JPH0683013U - 温冷湿布帯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 身体にフィットしやすく、冷やしたり温めた
りといった保管状態から取出せばすぐに使用できるよう
にする。 【構成】 一部に筒部２を設けた不織布製のベルト１
と、保温剤又は保冷剤を前記ベルト１幅以下の大きさの
小袋31に充填してこの小袋31を一方向に連結した湿布体
３とからなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、腰痛や肩こりに用いる温湿布と、頭痛、発熱、歯痛、捻挫や目の疲 れ等に用いる冷湿布の双方に適用できる温冷湿布帯に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、空気と化学反応して発熱する保温剤を袋に充填した温湿布や、予め凍ら せて使用する保冷剤を袋に充填した冷湿布などがある。直接肌に接触させると火 傷をしたり、温度が適切でなかったりするので、大体タオルや専用のベルトなど でくるんで身体に固定するようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

保温剤又は保冷剤は、必要な熱容量を得るために一定量以上を袋に充填して使 用する必要がある。そのため、湿布体はある程度以上の大きさになり、タオルや ベルトでくるんで使用するために、大体にして曲げにくく、実際的にあまり身体 にフィットしなくなることが多い。

【０００４】 また、冷湿布の場合を例にとると、使用前に冷やしておいた湿布体はタオルや ベルトにくるまなければ使用できない、といった使用上の不便さがある。熱湯中 から取り出す温湿布の場合でも同様の問題がある。そこで、第１に折り曲げやす く、身体にフィットしやすい湿布体と、第２にタオルやベルトでくるむといった 作業をしなくても、冷湿布ならば冷凍庫から取出して、温湿布ならば熱湯中から 取出して、すぐに肌に直接当てて使用できる温冷湿布帯について検討した。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この結果、一部に筒部２を設けた不織布製のベルト１と、保温剤又は保冷剤を 前記ベルト１幅以下の大きさの小袋31に充填してこの小袋31を一方向に連結した 湿布体３とから構成されることを特徴とする温冷湿布帯を考案した。

【０００６】 ベルト１は合成繊維製不織布を用いるとよい。湿布体３は、ベルト１の筒部２ に挿入して使用する。このため、保温剤又は保冷剤を充填した小袋31は筒部２に 挿入できる程度の大きさとするが、その形状は方形であるとそのほかの形状であ るとを問わない。この小袋31を連結する数はいくつでもよいが、３袋程度が実際 的である。

【０００７】

【作用】

小袋31に保温剤又は保冷剤を充填した湿布体３は、小袋31同士を連結した連結 部32が折り目となって曲げやすくなる。温冷湿布帯として必要な熱容量は、この 小袋31を連結することで十分に確保できる。また、折り曲げ可能なことにより、 額や腕、足などの曲面に密着させたり折り重ねたりすることもでき、使用後の温 冷湿布帯の保管のための場所をとらない。

【０００８】 筒部２は湿布体３を保持して使用時にずれないようにする。合成繊維製不織布 のベルト１の筒部２に湿布体３を挿入することは、湿布体３をタオルなどでくる むのと同じ作用をする。また、この不織布は、通気性、疎水性に優れているので 湿布体３を筒部２へ挿入したままベルト１ごと温めたり、冷やしたり、あるいは 凍らせることができる。例えば保冷剤を充填した湿布体３を筒部２に挿入した状 態でベルト１を冷凍庫で冷やして、使用時にはこのベルト１を冷凍庫から取出し てすぐに肌に直接当てて使用することもできるわけである。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例について図を参照しながら説明する。図１は、合成繊維 製不織布で形成した帯と、同素材の筒部に３袋連結した湿布体を挿入した冷湿布 用の実施例の平面図、図２は同縦断面図であり、図３は同実施例の使用状態を表 した参考斜視図である。

【００１０】 本実施例のベルト１は、図１及び図２に示すように、内部に強力なポリエステ ル、外部に柔らかいポレエチレンの芯鞘構造のフィラメントで形成した60〜70ｇ /m²のオレフィン系スパンボンド不織布で長さ90cm×幅９cmの長方形に裁断し、 このベルト１の中程に、同素材の30〜40ｇ/m²のオレフィン系スパンボンド不織 布21を両側でシールして貼付け、長さ35cm×幅９cmの筒部２を形成する。この筒 部２は、不織布21の代わりにポリプロピレンフィルムで形成してもよい。

【００１１】 湿布体３は、図１及び図２に見られるように、ナイロン、ポリエチレン等のフ ィルムの三層構造からなる長さ10cm×幅８cmの小袋31を３袋連結して全長30cmと し、各小袋31に保冷剤34として既存の不凍性の高分子ゲルを充填する。この高分 子ゲルは、通常冷凍庫で冷やして冷湿布に使用するが、保温剤33として熱湯にく ぐらせて温めて温湿布として使用することもできる。温湿布では、湿布体３に既 存の鉄粉を封入した発熱体を使用してもよい。

【００１２】 この温冷湿布帯は、図３に見られるように、筒部２に湿布体３を挿入したまま 冷凍庫で保冷剤を冷やすことができ、冷凍庫から取出してタオルなどにくるまな くても、すぐに身体に密着させて使用できる。湿布体３は各小袋31の連結部32が 折り目となって折り曲がるので、十分に身体にフィットさせることができる。ま た、同じく図３に見られるように、冷凍庫へ収納して冷やす場合など、この温冷 湿布帯の収納、保管時は、コンパクトに折りたたむことができる。

【００１３】

【考案の効果】

本考案の温冷湿布帯は、第１に折り曲げやすく、身体にフィットさせやすい特 徴を持つ。従来、大きくなりがちの湿布体は曲げにくかったが、本考案では保温 剤又は保冷剤の総量を変えずに充填する袋を小さく分割したために、これまでと 同じ熱容量を確保しがらも、身体にフィットさせることができる。

【００１４】 第２にタオルやベルトでくるむといった作業をしなくても、例えば冷湿布なら ば冷凍庫から出してすぐに肌に直接当てて使用できる、というように、温冷湿布 帯を使用する際の煩わしさが解消され、使い勝手をよくできる。

【００１５】 第３には、不織布が持つ良好な通気性、疎水性が、この温冷湿布帯の使用時の 肌ざわりを非常によいものにする。この不織布を介することで、冷湿布は冷たい というよりも涼しい感じに、温湿布は熱いというよりも暖かい感じがして大変使 い心地のよい温冷湿布帯を提供できる。

【００１６】 第４には、不織布製のベルトはさまざまな印刷が極めて容易にできる。このた め、例えばこの温冷湿布帯を日本手拭でする鉢巻のように使用する場合、受験生 向けに「合格祈願」「必勝」と印刷したり、ドライバー向けに「交通安全」などの文字 を印刷しておくことができる。このように、この温冷湿布帯は用途に応じた心理 的な啓蒙による付加価値を高めることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の平面図である。

【図２】同縦断面図である。

【図３】同実施例の使用状態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ ベルト ２ 筒部 ３ 湿布体 31 小袋

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一部に筒部２を設けた不織布製のベルト
   １と、保温剤又は保冷剤を前記ベルト１幅以下の大きさ
   の小袋31に充填して該小袋を一方向に連結した湿布体３
   とから構成されることを特徴とする温冷湿布帯。