JPH0682935A - 放射線画像表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、放射線画像が記録された記録媒体
から該放射線画像を読取って得た画像情報に基づく再生
画像を表示する放射線画像表示装置に関し、再生画像の
効率的な観察、診断を行なうことができるようにする。 【構成】 放射線画像のうちの所望とする部分画像を読
取りに先立って指定しておき、その所望とする部分画像
に対応する画像情報が得られたら放射線画像全面の読取
りの終了を待たずにその所望とする部分画像に対応する
画像情報を切り出しその部分画像だけを先に表示する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、放射線画像が記録され
た記録媒体から該放射線画像を読取って得た画像情報に
基づく再生画像を表示する放射線画像表示装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より、Ｘ線画像等の放射線画像が病
気診断用等に多用されている。例えばＸ線画像を例にと
ると、被写体を透過したＸ線を蛍光体層（蛍光スクリー
ン）に照射し、これによりＸ線を可視光に変換し、この
可視光を銀塩フィルムに照射して潜像を形成し、これを
現像することによりＸ線画像を得、このようにして得ら
れたＸ線画像が病気診断等に用いられている。また近年
では上記のように銀塩フィルム上に得られたＸ線画像を
いわゆるフィルムディジタイザにより光電的に読み取っ
て画像情報を得、この画像情報に画像処理を施すことに
より、鮮鋭度、ダイナミックレンジ、粒状性等画質を定
める種々の画像性能の改善が図られた後、高画質の再生
画像を得るシステムも用いられてきている。

【０００３】また上記銀塩フィルムを用いるシステムに
代わり、蓄積性蛍光体（輝尽蛍光体）を用いるシステム
が利用され始めている。この輝尽蛍光体を用いるシステ
ムとは、輝尽蛍光体をシート状もしくはパネル状に形成
した放射線画像変換パネル（シートを含む）に被写体を
透過したＸ線を照射して該放射線画像変換パネルにＸ線
画像を蓄積記録し、その後このＸ線画像を光電的に読み
取って画像情報を得、該画像情報に画像処理を施した後
再生画像を得るシステムであり、このシステムの基本的
な方式としては、米国特許公報第５，８５９，５２７号
に記載されている。ここで輝尽蛍光体とは、Ｘ線、α
線、β線、γ線等の放射線が照射されると、その放射線
のエネルギーの一部をしばらくの間あるいは長時間内部
に蓄積し、その間に赤外光、可視光、紫外光等の励起光
が照射されると蓄積されたエネルギーを輝尽発光光とし
て放出する蛍光体をいい、その蛍光体の種類によりエネ
ルギーを蓄積し易い放射線の種類、輝尽発光光を放出し
易い励起光の波長、放出される輝尽発光光の波長はそれ
ぞれ異なっている。

【０００４】この輝尽蛍光体を用いたシステムは、この
輝尽蛍光体に照射される放射線のエネルギーと励起光の
照射により放出される輝尽発光光の光量とが広いエネル
ギー範囲に亘って比例することが認められており、また
励起光の光量によりこの比率を代えることができ、した
がって、放射線露光量の変動に影響されない放射線画像
を得ることができる。また人体のＸ線画像を得るシステ
ムにおいてはＸ線撮影における人体の被爆線量を低減化
することもできる。

【０００５】図４は、放射線画像変換パネルを用いた装
置の一例を略示した図である。図示しないＸ線撮影装置
において例えば人体の胸部のＸ線撮影が行なわれ、該胸
部を透過したＸ線が放射線画像変換パネル１００に照射
されて該放射線画像変換パネル１００に該胸部のＸ線画
像が蓄積記録される。このＸ線画像が蓄積記録された放
射線画像変換パネル１００が図４に示す装置内の所定位
置にセットされ矢印Ｙ方向に搬送（副走査）される。

【０００６】またこの搬送（副走査）の間、レーザ光線
１０１から射出された励起光としてのレーザビーム１０
２がガルバノメータミラーもしくは回転多面鏡（ポリゴ
ンミラー）等のスキャナ１０３により繰り返し反射偏向
され、ｆθレンズ等のビーム形状補正用光学系１０４を
経由し、さらに反射ミラー１０５により反射された後放
射線画像変換パネル１００上に照射され、これによりこ
の放射線画像変換パネル１００がこのレーザビーム１０
２により矢印Ｘ方向に繰り返し走査（主走査）される。
この走査の各点からは放射線画像変換パネル１００に蓄
積記録されたＸ線画像を担持する輝尽発光光が放出され
る。この輝尽発光光は、光ファイバアレイ等の集光体１
０６によって集光され、励起光をカットするとともに輝
尽発光光を透過する光学フィルタ１０７を経由して光電
子増倍管等の光電変換器１０８に導かれ、電気信号に変
換される。尚、輝尽発光光を、集光体１０６を用いず
に、例えば前面に輝尽発光光のみを透過する光学フィル
タが貼付されたＣＣＤ等を用いて直接受光してもよい。

【０００７】光電変換器１０８で得られた電気信号は対
数増幅器１０９により対数的に増幅された後Ａ／Ｄ変換
器１１０でディジタルの画像情報Ｓに変換される。この
ディジタルの画像情報Ｓはフレームメモリ１１１に一旦
記憶された後、あるいはフレームメモリ１１１を経由せ
ず直接に磁気ディスクあるいは光ディスク等の記憶媒体
１１２に記憶される。その後この記憶媒体１１２に記憶
された画像情報Ｓが読み出されて画像処理部１１３に入
力され、この画像処理部１１３において入力された画像
情報Ｓに周波数処理等の画像処理が施される。この画像
処理後の画像情報はＣＲＴディスプレイ装置等の画像表
示部１１４に送られ、該画像表示部１１４において可視
画像としてのＸ線画像が再生表示される。

【０００８】尚、図４は放射線画像変換パネル１００に
蓄積記録されたＸ線画像を光電的に読み取って画像信号
を得る装置の例であるが、銀塩フィルムに記録されたＸ
線画像を読み取るいわゆるフィルムディジタイザについ
ても原理的には図４に示した装置と類似しており、例え
ば放射線画像変換パネル１００に代えてＸ線画像が記録
された銀塩フィルムを配置し、該銀塩フィルムを透過し
たレーザビームを光電的に読み取るように構成される。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記輝尽蛍光体を用い
たシステム、あるいは銀塩フィルムに記録されたＸ線画
像を光電的に読取るシステムにおいて、高解像の再生画
像を得るための、１枚の放射線画像を読取ることにより
得られた画像情報は現在約３０Ｍバイト程度のデータ量
を必要とし、さらに高解像化を狙うために今後５０Ｍバ
イト、６０Ｍバイト程度にデータ量が増加しそうな傾向
にある。得られた画像情報は一旦メモリに蓄えられ、そ
の後読み出されて周波数強調処理、ガンマ変換処理等高
画質の画像を得るための種々の画像処理が施された表示
手段に再生表示されるが、近年のデータ量の増加に伴い
再生表示迄に要する処理時間が増大し、待ち時間が長く
なり、このため観察、診断の効率が低下するという問題
がある。

【００１０】本発明は、上記事情に鑑み、再生画像の効
率的な観察、診断を行なうことのできる放射線画像表示
装置を提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の放射線画像表示装置は、 （１）放射線画像が記録された記録媒体から該放射線画
像を読取って該放射線画像を表わす時系列的な画像情報
を得る読取手段 （２）上記読取手段における放射線画像の読取りに先立
って放射線画像のうちの所望とする部分画像を指示入力
する入力手段 （３）上記読取手段から入力された放射線画像を表わす
画像情報のうち上記入力手段から指示入力された所望と
する部分画像に対応する画像情報を、放射線画像全面の
読取りの行なわれる前に切り出す切出手段 （４）上記切出手段により切り出された画像情報が担持
する部分画像を表示する表示手段 を備えたことを特徴とするものである。

【００１２】ここで、上記入力手段を、上記表示手段に
部分画像指示用の放射線画像を表示させるとともに該放
射線画像に重畳させて指示入力された所望とする部分画
像を囲う線画を表示させるように構成してもよく、ある
いは、上記入力手段から、放射線画像の部位を入力し、
それにより所望とする部分画像の領域を指示するように
構成してもよい。

【００１３】

【作用】本発明の放射線画像表示装置は、上記入力手段
により、放射線画像のうちの所望とする部分画像を読取
りに先立って指定しておき、その所望とする部分画像に
対応する画像情報が得られたら放射線画像全面の読取り
の終了を待たずにその所望とする部分画像に対応する画
像情報を切り出し必要に応じて種々の画像処理を施して
その部分画像だけを先に表示するように構成したもので
あるため、全体のデータ量が増えてもその所望とする部
分画像については高速に処理を行なうことができ、待ち
時間が少なくて済み、したがって効率的な観察、診断を
行なうことができる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
１は、本発明の放射線画像読取装置の一実施例の構成
図、図２は、図１に示す画像表示部のディスプレイ画面
上に表示される放射線画像の模式図、図３は、図１に示
す放射線画像読取装置内でのアドレス情報の対応を表わ
す図である。

【００１５】図１に示す実施例は、図４を用いて説明し
た放射線画像変換パネル（以下、単に「ＩＰ」と称す
る）を用いる例であり、Ｘ線読取部１０にはＩＰ１００
（図４参照）が備えられており、Ｘ線画像が蓄積記録さ
れたＩＰ１００が、機構部１１により図４に示す矢印Ｙ
方向に移動されながら集光・光電子管部１２によりその
Ｘ線画像を担持する輝尽発光光が順次読み取られ、Ａ／
Ｄ変換器１３によりディジタルの画像画情に変換され、
第１の画像メモリ２０と第２の画像メモリ３０に入力さ
れる。一方入力デバイス部４０は、例えばキーボード、
マウス等で構成され、この入力デバイス部４０から、放
射線画像中の所望の部分領域（関心領域）が指定され
る。この部分領域の指定の際は、画像表示部７０に、モ
デル的な放射線画像、即ち、例えば人体の胸部Ｘ線画像
を取り扱っている場合は、過去において撮影された、も
しくは人工的に描かれた典型的な胸部Ｘ線画像全体（図
２（Ａ）に示す、ＩＰの全サイズに対応する処理範囲指
定の最大エリアａ）が表示され、その中の一部領域（図
２（Ａ）に示す範囲指定エリアｂ）が入力デバイス部４
０を操作することにより指示入力される。入力デバイス
部４０から指示入力された関心領域を表わす情報はアド
レス情報に変換されて制御部５０に入力される。この制
御部５０は、本発明にいう切出手段の一例を成すもので
ある。

【００１６】表１は、入力デバイス部４０から入力され
アドレス情報に変換された関心領域を示したものであ
る。

【００１７】

【表１】

【００１８】入力デバイス部４０から、画像表示部７０
に表示された画像の各画素に付されたアドレスのうち、
先頭番地１００００００から最終番地２００００００ま
での指示横幅１００００００の領域が関心領域として指
定されたものとする。このとき、この関心領域に対応す
る、Ｘ線読取部１０から入力された画像情報は第１の画
像メモリでは５００００００番地から６００００００番
地に格納されるものとすると、Ｘ線読取部１０で順次得
られた画像情報は、図３に示すように、第１の画像メモ
リ２０の０００００００番地から順に第１の画像メモリ
２０に格納され、第１の画像メモリ２０の５０００００
０番地に格納される画像情報は同時に第２の画像メモリ
３０の０００００００番地にも格納され、以下同様にし
て、第１の画像メモリ２０の６００００００番地に格納
される画像情報は同時に第２の画像メモリ３０の１００
００００番地にも格納される。その後、第１の画像メモ
リ２０には画像情報が格納され続けるが、第２の画像メ
モリ３０には関心領域全域の画像情報が格納されたた
め、その関心領域の画像情報が処理部６０に直ちに送ら
れ、この処理部６０において適切な画像処理が施された
後、図２（Ｂ）に示すように、画像表示部７０のディス
プレイ画面上にその画像情報に基づく関心領域のみの画
像が再生表示される。その後、第１の画像メモリ２０に
Ｘ線画像全体の画像情報が格納されると、必要に応じ、
処理部６０に送られて画像処理が施され、画像表示部７
０のディスプレイ画面上に関心領域のみの画像に代え
て、もしくは関心領域のみの画像と並べられてＸ線画像
全体を表わす再生画像が表示される。

【００１９】このように関心領域の画像情報が得られ次
第、その関心領域のみを表示するようにしたため、画像
観察、診断を行なう際の待ち時間が短かくて済み、効率
的な観察、診断を行なうことができる。表２は入力デバ
イス部４０における関心領域の指定方法の他の例を示し
たものである。

【００２０】

【表２】 ────────────────────────── 指定部位 第１の画像メモリ 第２の画像メモリ 心臓 ５００００００ ０００００００ 右肺 ６００００００ １００００００ ────────────────────────── ここでは画像上の線画等で関心領域を指定するのではな
く、その関心領域に付された名称によりその関心領域が
指定されている。例えばここでは心臓と右肺が関心領域
として指定される第１の画像メモリ２０における、心
臓、右肺に対応する画像情報が格納される。先頭アドレ
スはあらかじめそれぞれ例えば５００００００番地、６
００００００番地と定められており、第２の画像メモリ
３０には、第１の画像メモリ２０の５００００００番地
以降の心臓の画像情報が０００００００番地以降に、第
１の画像メモリ２０の６００００００番地以降の右肺の
画像情報１００００００番地以降に格納される。第２の
画像メモリ３０に関心領域（心臓と右肺）の画像情報が
格納されると、前述した実施例と同様に、その後直ちに
この第２の画像メモリ３０に格納された画像情報が処理
部６０に送られて適切な画像処理が施された。画像表示
部７０にその関心領域の画像が再生表示される。

【００２１】尚上記各実施例では放射線画像変換パネル
を用いた例について説明したが、本発明の放射線画像表
示装置は輝尽蛍光体を用いたシステムだけでなく、銀塩
フィルムを用いたシステム等、一般に記録媒体に記録さ
れた放射線画像を読取って画像情報を得るシステムに広
く適用することができるものである。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の放射線画
像表示装置は、放射線画像のうちの所望とする部分画像
を読取りに先立って指定しておき、その所望とする部分
画像に対応する画像情報が得られたら放射線画像全面の
読取りの終了を待たずにその所望とする部分画像に対応
する画像情報を切り出してその部分画像だけを先に表示
するように構成したため、高速に処理を行なうことがで
き、待ち時間が少なくて済み、したがって効率的な観
察、診断を行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の放射線画像読取装置の一実施例の構成
図である。

【図２】図１に示す画像表示部のディスプレイ画面上に
表示される放射線画像の模式図である。

【図３】図１に示す放射線画像読取装置内でのアドレス
情報の対応を表わす図である。

【図４】放射線画像変換パネルを用いた装置の一例を略
示した図である。

【符号の説明】

１０ Ｘ線読取部 ２０ 第１の画像メモリ ３０ 第２の画像メモリ ４０ 入力デバイス部 ５０ 制御部 ６０ 処理部 ７０ 画像表示部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０９Ｇ 5/36 9177−5Ｇ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 放射線画像が記録された記録媒体から該
   放射線画像を読取って該放射線画像を表わす時系列的な
   画像情報を得る読取手段と、 前記読取手段における前記放射線画像の読取りに先立っ
   て前記放射線画像のうちの所望とする部分画像を指示入
   力する入力手段と、 前記読取手段から入力された前記放射線画像を表わす画
   像情報のうち前記入力手段から指示入力された所望とす
   る部分画像に対応する画像情報を、前記放射線画像全面
   の読取りの行なわれる前に切り出す切出手段と、 前記切出手段により切り出された画像情報が担持する部
   分画像を表示する表示手段とを備えたことを特徴とする
   放射線画像表示装置。
2. 【請求項２】 前記入力手段が、前記表示手段に部分画
   像指示用の放射線画像を表示させるとともに該放射線画
   像に重畳させて指示入力された所望とする部分画像を囲
   う線画を表示させるものであることを特徴とする請求項
   １記載の放射線画像表示装置。
3. 【請求項３】 前記入力手段が、前記放射線画像の部位
   を入力するものであることを特徴とする請求項１記載の
   放射線画像表示装置。