JPH0682474U - 切換弁 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 マニホールドベース等を使用する必要がな
く、しかも寿命が長い切換弁を提供する。 【構成】 連設面４ａ，４ｂを有する弁本体４に、弁孔
５に開口する圧力流体の供給ポートＰ、出力ポートＡ，
Ｂ、及び排出ポートＥＡ，ＥＢを形設し、供給ポートと
排出ポートを、弁孔５への開口位置から変位した位置に
おいて、弁本体の連設方向に貫通させる。また、出力ポ
ートＡ，Ｂは、出力通路１６ａ，１６ｂによって、連設
面と直交する弁本体の一側面４ｃに開口させる。 【効果】 供給ポートと排出ポートを連設方向に流れる
流体によって、弁体９に施した潤滑材が飛散しにくいの
で、切換弁の寿命が長くなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、切換弁に関するものである

【０００２】

【従来の技術】

複数個の切換弁に圧力流体を一括して給排するために、これらの切換弁を、圧 力流体の供給流路と排出流路とを有する一体のマニホールドベース上に設置した り、または、連設によって相互に連通する供給流路と排出流路とを有するサブプ レート上にそれぞれ設置して、これらのサブプレートを複数個連設することは、 特に例示するまでもなく既に知られている。 しかしながら、複数個の切換弁をマニホールドベースまたはサブプレート上に 設置すると、切換弁の設置に手数を必要とするとともに、マニホールドベースま たはサブプレートによって、切換弁の高さ方向のスペースが大きくなるという問 題がある。

【０００３】 この問題を解決するために、弁本体に、連設方向に貫通する供給ポートと排出 ポートを設けた、スタッキング型切換弁が提案されている。 この切換弁は、マニホールドベースやサブプレートを使用しないために、切換 弁を設置する手数がなく、かつ高さ方向のスペースを小さくできるという利点を 有するが、弁本体を貫通する供給ポートと排出ポートを流れる流体が、弁孔を横 切って流れるために、弁体に施したグリース等の潤滑剤がこの流体によって吹き 飛ばされるので、弁体の潤滑不良によって切換弁の寿命が短くなるという新たな 問題がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案が解決しようとする課題は、マニホールドベース等を使用する必要がな く、しかも寿命が長い切換弁を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案の切換弁は、圧力流体の供給ポート、出力ポ ート及び排出ポート、並びにこれらのポートが開口する弁孔を有し、背向する一 対の連設面によって連設可能な弁本体と、上記弁孔に摺動可能に挿入され、出力 ポートを供給ポートと排出ポートとに切換えて連通させる弁体とを備えた切換弁 において、上記供給ポートと排出ポートとを、弁孔への開口位置から変位した位 置において、弁本体の連設方向に貫通させたことを特徴としている。 また、同様の課題を解決するため、上記切換弁において、出力ポートを、弁本 体の一側面に開口させたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

複数個の切換弁を、連設面を相互に当接させて連設すると、弁本体を貫通する 供給ポートと排出ポートがそれぞれ連設方向に連通するので、マニホールドベー スやサブプレートを使用しなくても、連設した複数個の切換弁に圧力流体を一括 して給排することができる。 この場合、供給ポートと排出ポートを、弁孔への開口位置から変位した位置に おいて弁本体を貫通させたことにより、これらのポートを流れる流体が弁孔を横 切って流れないので、流体の流れによる潤滑剤の飛散が少なくなって、切換弁の 寿命を長くすることができる。

【０００７】 また、出力ポートを弁本体の一側面に開口したので、出力ポートを弁本体の上 面に開口させたものと比べて出力ポートへの配管が容易で、しかも切換弁を設置 するための高さ方向のスペースを小さくすることができる。

【０００８】

【実施例】

図は本考案の実施例を示し、この切換弁は、主弁１とパイロット弁２とを備え たパイロット形弁として構成されている。しかしながら、本考案の切換弁は、パ イロット形弁に限定されるものではなく、ソレノイドや機械的操作力等の他の操 作力によって弁体を作動させるものとすることができる。

【０００９】 上記主弁１の弁本体４は、背向する一対の連設面４ａ，４ｂを備え、連設面４ ａに、圧力流体の供給ポートＰ、出力ポートＡ，Ｂ及び排出ポートＥＡ，ＥＢを 構成する凹部が、連設面４ｂにこれとほぼ同形で深さが浅い同様の凹部がそれぞ れ形成されており、弁本体４と４の連設面４ａと４ｂを当接させると、これらの 凹部によって上記各ポートが形成される。そして、これらのポートの先端は、弁 本体４に連設方向とほぼ直交する方向に形成した弁孔５に個別に連通し、出力ポ ートＡとＢは、後記する出力流路によって連設面４ａ，４ｂとほぼ直交する一側 面４ｃに個別に開口している。また連設面４ｂには、これらのポートを気密に区 画するガスケット６が取付けられている。しかしながら、上記各ポートを構成す る凹部は、連設面４ａのみに形成することもできる。

【００１０】 上記弁本体４は、弁孔５の一端に該弁孔より大径のピストン室７を備え、弁孔 ５に摺動可能に挿入された弁体９は、ピストン室７を摺動するピストン８に作用 するパイロット流体圧の作用力と、ピストンと反対側の背室１０に背室ポート１ １から供給される流体圧の作用力との大小により摺動して、出力ポートＡとＢを 、供給ポートＰと排出ポートＥＡとＥＢに切換えて連通させるスプールとして構 成されている。また、上記弁本体４は、上面と下面とに略Ｕ字形の連設溝１３， １３を有し、これらの連設溝に挿通させたタイロッドとナット（いずれも図示省 略）とによって、所望の数連設することができる。しかしながら、これらの弁本 体の連結手段は、タイロッドとナットに限定されるものではない。

【００１１】 上記供給ポートＰと排出ポートＥＡ，ＥＢは、弁孔５への開設位置から連設面 とほぼ平行で、図において下方に変位した位置において、弁本体４の連設方向に 貫通し、弁孔５におけるこれらのポートの弁孔５開口位置には、流体が弁孔５の 径方向に流れることを防止する隔壁１４，・・が、弁本体４と一体に形成されて いる（図３のイないしハ参照）。また、背室ポート１１は、弁本体４の連設方向 に貫通し、図示を省略している通路によって供給流体が供給される。 一方、出力ポートＡとＢは、出力通路１６ａ，１６ｂによって弁本体４の上記 一側面（パイロット弁２と反対側の側面）４ｃに開口し、これらの出力通路１６ ａ，１６ｂの側面４ｃへの開口部に、いわゆるワンタッチ管継手１７，１７が、 弁本体４に設けた取付溝１８に挿入されたほぼＵ字形の取付金具１９によって、 挿脱可能に取付けられている。

【００１２】 上記パイロット弁２は、パイロット供給ポート、パイロット出力ポート及びパ イロット排出ポート（いずれも図示省略）を備え、ソレノイド２ａの励磁とその 解除によって、パイロット出力ポートをパイロット供給ポートとパイロット排出 ポートとに切換えて連通させる周知の３ポート電磁弁として構成されており、パ イロット供給ポートは主弁１の供給ポートＰ等の流体圧源に、パイロット出力ポ ートはパイロット通路２０によってピストン室７に、パイロット排出ポートは外 部に、それぞれ連通している。

【００１３】 上記主弁１とパイロット弁２の間には、停電等の事故の時に、パイロット流体 をピストン室７に供給するための手動操作部２１が取付けられており、該手動操 作部２１に設けた手動操作釦２２を押圧すると、ピストン室７にパイロット流体 を供給することができる。 なお、上記実施例は５ポート弁であるが、本考案の切換弁は５ポート弁に限定 されるものではなく、３ポート弁または４ポート弁とすることができる。

【００１４】 上記実施例は、弁本体４に設けた連設溝１３，１３に、開口部からタイロッド を挿通してナットを締付けることによって、所望の数連設することができ、連設 によって供給ポートＰ、排出ポートＥＡ，ＥＢ及び背室ポート１１がそれぞれ連 通する。したがって、マニホールドベース等を使用することなく、これらのポー トに一括して圧縮空気を供給及び排出することができる。

【００１５】 上記実施例は、ピストン室７にパイロット流体が供給されていない状態におい ては、背室１０に作用する流体圧により弁体９が図において左動して、供給ポー トＰと排出ポートＢ、及び出力ポートＡと排出ポートＥＡが連通している（図１ の下半分参照）。 ソレノイド２ａの励磁により、パイロット弁２からピストン室７にパイロット 流体が供給されると、弁体９が図において右動して、供給ポートＰと出力ポート Ａ、及び出力ポートＢと排出ポートＥＢが連通する（図１の上半分参照）。ソレ ノイド２ａの励磁を解除してピストン室７の空気を外部に排出すると、背室１０ に作用する空気圧によって、弁体９が元の状態に復帰する。 この場合、供給ポートＰと排出ポートＥＡ，ＥＢを連設方向に流れる流体は、 これらのポートが、流体が流れる弁本体４の貫通位置と弁孔５への開口位置とを 図における上下方向に変位させるとともに、弁孔５の連設面４ｂ側に流体が弁孔 ５の横切って流れることを防止する隔壁１４，・・を形成したことによって、弁 孔５の径方向に流体が流れないために、弁体９のシールリングに施した潤滑剤の 飛散をきわめて少なくできるので、連設によって相互に連通する供給ポートＰと 排出ポートＥＡ，ＥＢとを有するものでありながら、切換弁の寿命を長くするこ とができる。

【００１６】 また、出力ポートＡとＢを、弁本体４の連設面４ａ，４ｂと直交する一側面４ ｃに開口したので、これらのポートへの配管が容易で、かつ配管接続のためのス ペースを必要としないので、切換弁設置のための高さ方向のスペースを小さくす ることができる。

【００１７】

【考案の効果】

本考案の切換弁は、弁本体の連設によって連通する供給ポートと排出ポートと を、弁孔への開口位置から連設面とほぼ平行な方向に変位させた位置において弁 本体を貫通させたことによって、これらのポートを連設方向に流れる流体が直接 弁孔への開口部を流れないので、弁体等の摺動部に施した潤滑剤の飛散が少なく なって、切換弁の寿命を長くすることができる。 また、出力ポートを弁本体の一側面に開口したことにより、切換弁の側方から 出力ポートに配管できるので、配管の接続が容易で、かつ設置のための高さ方向 のスペースを小さくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の要部縦断正面図である。

【図２】同じく裏面図である。

【図３】イ、ロ、ハは、図１のイ−イ線、ロ−ロ線、及
びハ−ハ線の断面図である。

【図４】実施例の平面図である。

【符号の説明】

４ 弁本体 ４ａ，４ｂ 連設面 ４ｃ 側面 ５ 弁孔 ９ 弁体 Ｐ 供給ポート Ａ，Ｂ 出力ポート ＥＡ，ＥＢ 排出ポート

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧力流体の供給ポート、出力ポート及び
   排出ポート、並びにこれらのポートが開口する弁孔を有
   し、背向する一対の連設面によって連設可能な弁本体
   と、上記弁孔に摺動可能に挿入され、出力ポートを供給
   ポートと排出ポートとに切換えて連通させる弁体とを備
   えた切換弁において、 上記供給ポートと排出ポートとを、弁孔への開口位置か
   ら変位した位置において、弁本体の連設方向に貫通させ
   た、 ことを特徴とする切換弁。
2. 【請求項２】 出力ポートを、弁本体の一側面に開口さ
   せた、 ことを特徴とする請求項１に記載した切換弁。