JPH0682115B2 - イオンモニタ装置 - Google Patents

イオンモニタ装置

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JPH0682115B2
JPH0682115B2 JP62181898A JP18189887A JPH0682115B2 JP H0682115 B2 JPH0682115 B2 JP H0682115B2 JP 62181898 A JP62181898 A JP 62181898A JP 18189887 A JP18189887 A JP 18189887A JP H0682115 B2 JPH0682115 B2 JP H0682115B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、イオン感応性電界効果トランジスタを用い
て、たとえば人体のpHや、免疫または酵素などのイオン
活量を測定する、イオンモニタ装置に関するものであ
る。
[従来技術] イオン感応性電界効果トランジスタ(以下、「ISFET」
と称する。)を用いて、たとえば人体のpHを測定する装
置は、従来から知られており、この装置の原理は、ISFE
Tのソース・ドレイン間に定電流もしくは定電圧を付加
しておき、ゲートの電位が人体中のHイオンに感応して
変化するのを利用して、ソースの電位を変化させ、この
ソースの電位からpH値を測定するものである。ところ
が、上記ISFETは、人体のH+イオンに感応するだけでな
く、周囲の温度にも感応するので、正確な測定を行なう
には、温度補償が必要になる。
そこで、本件発明者は、すでに、特願昭58−113298号
(特開昭60−4851号)において、上記温度補償を正確に
行なう装置を提案した。この先願の装置は、ISFETのド
レイン電流が一定範囲内にあるとき、測定信号であるソ
ース電位が、温度に関して線形性を有することを見い出
したうえで、この線形性を利用して、アナログ的に測定
信号に一定の係数を掛けることにより、測定信号の温度
補償を行なうものである。
ここで、上記係数は、個々のISFETにより異なるので、
実際の測定にあたっては、測定開始前に、上記係数を決
定するための校正を行なう必要がある。ところが、上記
装置は、測定信号の温度補償をアナログ的に行なってい
るので、上記校正の際に、アナログ演算器のボリューム
を微調整する必要があり、操作が面倒である。しかも、
アナログ演算器のボリュームの目盛、たとえばポテンシ
ョメータの目盛と、上記係数との対応付けを精度よく行
なうのが、回路構成上困難であり、これを精度よく行な
おうとすると、回路が極めて複雑になり、製造上および
コスト面で不利が大きい。
上記問題点を解消するために、本件発明者は、特願昭59
-82698号(特開昭60-225056号)において、上記温度補
償の原理は同じであるが、デジタル的に測定信号を演算
処理し、温度補償を行なう装置を提案した。この装置
は、個々のISFETにより異なるセンサの係数を測定開始
前に記憶しておく一方で、基準温度Toにおける基準pH値
(pH)oで測定信号Vs,Dを零調(目盛りを零に合せる)
しておいてから、測定信号をデジタル値として取り込
み、上記記憶した係数を用いてデジタル演算器でデジタ
ル演算することにより、測定信号の温度補償を行なうも
のである。
[発明が解決しようとする問題点] ところが、上記デジタル式の装置は、ISFETごとに異な
るセンサ係数をデジタル演算器内で算出したうえで、こ
れらセンサ係数を用いて所定の演算式によりpH値を算出
しているので、必然的に演算内容が複雑になり、それだ
けデジタル演算器の要求される容量が大きくなつて、コ
ストアツプを招くとともに、電力の消費量が増大する。
また、上記演算内容が複雑なことから、精度のよいpH測
定を行なうには、ISFETの出力および温度補償用の温度
素子の出力をデジタル演算器に極めて高い精度で読み込
ませる必要があるので、上記デジタル演算器へ出力する
ための回路、たとえば零調回路やA/D変換器に高精度な
ものが要求され、コストアツプを招く。
この発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、ISFET
の温度補償が高精度でなされることによりイオン活量の
測定が精度よく行なわれ、しかも、デジタル演算器の演
算内容が簡略化されて、消費電力と製造コストの低いイ
オンモニタ装置を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 上記目的を達成するためのこの発明の構成を第1図に示
す。
同図において、この発明のイオンモニタ装置の先端のセ
ンサ10は、被測定液Mのイオン活量を検出するイオン感
応性電界効果トランジスタ11と、上記被測定液Mの温度
を検出する温度素子13とを有している。
50は定電流回路で、上記イオン感応性電界効果トランジ
スタ11の動作におけるチヤンネル特性値をβ、ドレン電
流Idで表わしたとき、|Id/β|≦0.10volt2なる条件を
満たすドレン電流を上記イオン感応性電界効果トランジ
スタ11に流す。ドレン電流が上記範囲内にあるとき、イ
オン活量(たとえばpH値)を示す信号であるソース電位
Vsが、温度に関して線形性を有するので、アナログ的に
上記イオン活量信号Vsに一定の係数を掛けることによ
り、イオン活量信号Vsの温度補償を行なうことができ
る。
上記イオン感応性電界効果トランジスタ11からのイオン
活量信号Vsはイオン活量零調回路40に入力され、予め設
定された基準イオン活量信号Vsooとの差に対応したイオ
ン活量偏差信号Vs−Vsooが出力される。
60は温度零調回路で、上記センサ10からの信号Vsおよび
Dtに基づいて温度信号Dを生成し、この温度信号Dと予
め設定された基準温度信号D01との差に対応した温度偏
差信号D−D01を出力する。
上記イオン活量零調回路40からのイオン活量偏差信号Vs
−Vsooはイオン活量感度調回路70に入力され、基準温度
Toにおけるイオン活量感度Koで除した見掛けのイオン活
量偏差信号(Vs−Vsoo)/Koが出力される。
他方、上記温度零調回路60からの温度偏差信号D−D01
は温度演算回路80に入力され、ここで被測定液Mの温度
が算出されて、測定温度信号Tが出力される。
上記見掛けのイオン活量偏差信号(Vs−Vsoo)/Koおよ
び測定温度信号Tは、デジタル演算器100の補償手段102
に入力される。ここでは、ISFETの温度係数をA、温度
偏差をT−Toとしたとき、見掛けのイオン活量偏差信号
(Vs−Vsoo)/Koから、A(T−To)/Koを減算すること
により、見掛けのイオン活量偏差信号(Vs−Vsoo)/Ko
の零点が、被測定液Mの温度偏差T−Toおよびイオン活
量感度Koに対応して変化するのを補償する。
上記零点補償された信号は、さらにイオン活量演算手段
103に入力される。ここでは、基準温度Toと測定温度T
との比To/Tを乗算したのち、上記基準イオン活量信号Vs
ooに対応した基準イオン活量を加算して、被測定液Mの
イオン活量を出力する。
なお、12は被測定液Mを一定の電位に保持するための比
較電極である。
[作用] 上記構成によれば、イオン活量の測定において、イオン
活量に対する零点および感度の温度補償がなされるか
ら、イオン活量の測定が精度よくなされる。
また、見掛けのイオン活量偏差値(Vs−Vsoo)/Koと、
測定温度Tとを直接デジタル演算器100に取り込み、補
償手段102およびイオン活量演算手段103により、単純な
減算および乗算を行なうだけで、イオン活量を算出でき
るので、温度補償計算が簡略化される。
[発明の実施例] ここでは、発明の実施例の説明に先立つて、まず、その
前提となる測定方法についてpHセンサを例に説明する。
以下において、(pH)はpH値を示す。また、信号とその
信号が表わす量とは、便宜上同一符号で示す。例えば、
測定温度信号とその温度は同一符号Tで示す。
いま、第1図に示すタイプのISFET11について、ドレイ
ン電流の一定下でpH測定を行なつた場合、基準温度To、
基準pH値(pH)oでのソース電位をVsoo、測定温度T、
基準pH値(pH)oでのソース電位をVso、測定温度T、
測定pHでのソース電位(イオン活量信号)をVsとする
と、ISFETは温度に感応する性質があるので、Vsoo−Vso
は温度関数となる。すなわち、 ΔVso≡Vso−Vsoo=f(T) ・・・(1) また、Vs−Vsoは(pH)−(pH)oに比例することが知
られている。すなわち、比例定数Kを用いて、 ΔVs≡Vs−Vso=K{(pH)−(pH)o} ・・・(2) 式(1)と(2)とにより、 Vs=K{(pH)−(pH)o}+f(T)+Vsoo ・・・
(3) KはいわゆるpH感度で、絶対温度Tに比例することが知
られている。すなわち、ΔT=T−Toとすると、 K=Ko(T/To)=Ko(1+ΔT/To) ・・・(4) ここで、Koは基準温度ToにおけるpH感度である。
いま、仮にISFET11の温度係数Aを定数として f(T)=A・ΔT ・・・(5) となるような零点補償の条件が見い出されたとすると、
式(4)および(5)を式(3)に代入することによ
り、つぎの式(6)が得られる。
Vs=Ko(1+ΔT/To){(pH)−(pH)o}+A・ΔT
+Vsoo ・・・(6) これを変形すると、 となる。
式(7)の右辺第1項の分子、分母のΔTを含む項はそ
れぞれ、零点および感度の温度補償に関する項である。
式(5)が成立する場合、両温度補償とも温度差ΔTの
1次式であるので、(7)式に基づき、電気回路を用い
て容易に自動補償することができる。
そこで、発明者らは、ISFETにおいて式(5)が成立す
る条件、すなわち、一定pH下におけるソース電位が温度
変化に比例して変化する条件を見出す研究を行なつた。
その結果、ISFETのドレイン電流Idを小さくして、|Id/
β|≦0.10volt2の範囲でISFETを動作させると式(5)
が成立することを見出した。ここで、βはISFETのチヤ
ンネル特性値で、 μ:電子およびホール移動度 e:誘電率 W:チヤンネル幅 L:チヤンネル長 B:ゲート絶縁膜の厚み そこで、この発明では、上記範囲で測定を行なう。
上記範囲は発明者らの実験によつて見い出されたのであ
るが、その実験結果については前述の特願昭58-113298
号に詳述されている。
前述の特願昭58-113298号(アナログ式)および特願昭5
9-82698号(デジタル式)の各発明では、上記(7)式
によりpH値を求めていたが、この発明では、デジタル演
算器での演算を容易化するために、上記(7)式を次の
ように変形した。
上記Δ(pH)*は見掛けのpH(イオン活量)偏差信号で
あり、(pH)zは、上記見掛けのpH偏差信号Δ(pH)*
の零点が、温度偏差ΔT(=T−To)およびpH感度Koに
対応して変化する量を示す。
以下、上記測定方法を利用したこの発明の一実施例に係
る装置を図面にしたがつて説明する。
第2図は溶液のPHを測定するイオンモニタ装置の概略構
成を示す系統図である。
同図において、デジタル演算器100は補償手段102とイオ
ン活量演算手段103に加えて、イオン活量零点制御手段1
04と温度零点制御手段105とを備えており、イオン活量
零点制御手段104からのデータ信号aにより、イオン活
量零調回路40の基準イオン活量信号Vsooのレベルを自動
的に制御して、イオン活量感度調回路70からの見掛けの
イオン活量偏差信号(Vs-Vsoo)/Koの零点合せ(オート
ゼロ調)を行なうとともに、温度零点制御手段105から
のデータ信号bにより、温度零調回路60の基準温度信号
Doのレベルを自動的に制御して、測定温度信号Tの零点
合せ(オートゼロ調)を行なつている。さらに、上記デ
ジタル演算器100は感度制御手段106も備え、この感度制
御手段106からのデータ信号cにより、上記見掛けのイ
オン活量偏差信号(Vs−Vsoo)/Koのスパンを自動的に
所定値に調整して(オートスパン調)、適切なスパンが
常に得られるようにしている。これらオートゼロ調およ
びオートスパン調については、後段で第4図を用いて詳
述する。
第3図は第2図の装置の具体的な回路を示す回路図であ
る。
同図において、10はセンサで、このセンサ10はISFET11
と、比較電極12と、温度検出用ダイオード(温度素子)
13とから構成されており、上記ISFET11とダイオード13
とは半導体集積回路として集積されている。14は容器、
Mはこの容器14に入れられた被測定液で、たとえば、人
間の体液である。
20はISFET11のドレイン・ソース間に介挿された定電圧
装置で、たとえばツエナーダイオードのような素子から
なり、被測定液Mのイオン活量に応じてソース電位Vsが
変化しても、ソース・ドレイン電圧を一定に保持する機
能を有するものである。
30は定電流回路で、ISFET11が事故により短絡した場合
に、ISFET11に所定以上の過電流を供給しない機能を有
し、たとえば、人体のpHを測定する装置に利用する場合
に特に必要である。
50も定電流回路であり、上記イオン活量をISFET11のソ
ース電位Vsとして取り出すためのものである。この定電
流回路50の電流値は、前述した線形性が得られる範囲で
あるId≦20〜100μAにあり、ISFET11の上記チヤンネル
特性値βに対して、|Id/β|≦0.10volt2の範囲になる
ように設定されている。
40はpHの零調を行なうイオン活量零調回路であり、イオ
ン活量に対応したソース電位Vsを補正するD/A変換器か
らなる基準イオン活量設定器41と、差動増幅器42とから
構成されている。この零調回路40は、ISFET11の測定温
度T、測定pH値(pH)でのソース電位Vsに対し、基準電
圧VREFと基準イオン活量設定器41とにより得られた基準
温度To、基準pH値(pH)oでのソース電位Vsooを、差動
増幅器42により減算及び増幅する。すなわち、測定温度
Tにおける測定pH値(pH)でのソース電位Vsと、基準温
度Toにおける基準pH値(pH)oでのソース電位Vsooとの
偏差信号Vs−Vsooを作つている。
60はダイオード13のカソード電位Dとアノード電位(IS
FET11のソース電位に等しい)Vsと入力する温度零調回
路であり、D/A変換器からなる基準温度設定器61と差動
増幅器62とから構成されている。この零調回路60は上記
DtとVsから、ダイオード13の測定温度Tでの順方向零位
D=Dt−Vsに等しい温度信号を生成し、この温度信号D
に対して、基準電圧VREFと基準温度設定器61とにより得
られた基準温度To1における順方向電位Do1を、作動増幅
器62により減算および増幅する。すなわち、測定温度T
での順方向電位Dと基準温度To1における順方向零位Do
との偏差信号D−Do1を作つている。
70はイオン活量感度調回路であり、D/A変換器からなる
基準感度設定器71と、演算増幅器72とより構成される。
この回路70は、イオン活量零調回路40からのpH偏差信号
(Vs−Vsoo)に対し、基準感度設定器71により、基準温
度Toにおけるイオン活量感度Koに対応した増幅度を設定
し、さらに、演算増幅器72で(Vs−Vsoo)/Koを算出し
て増幅する。すなわち、測定温度Tにおける測定pHと、
基準温度Toにおける基準pHとの差である。見掛けのpH偏
差信号Δ(pH)*を作つている。
80は温度演算回路であり、上記温度零調回路60からの温
度偏差信号(D−Do1)に対し、ダイオード13の温度係
数DKを乗じ、さらに増幅して、温度の偏差(T−To1)
を作つている。つまり、ΔT=T−To1=DK(D−Do1)
の演算増幅を行なつている。具体的にはTo1=0℃とす
ることにより、測定温度信号Tを得ている。
90はアナログ入力装置であり、見掛けのpH偏差信号Δ
(pH)*と温度信号Tとを切り換えるための切換スイツ
チ91、およびアナロク信号をデジタル信号に変換するA/
D変換器92から構成されている。
100は、上記見掛けのpH偏差Δ(pH)*と測定温度信号
Tとを受けて、被測定液Mのイオン活量を算出するデジ
タル演算器であり、第2図で示した補償手段102、イオ
ン活量演算手段103、イオン活量および温度の零点制御
手段104,105および感度制御手段106を内蔵しており、た
とえばマイクロプロセツサで構成される。このデジタル
演算器100は、第3図に示すように、入出力インターフ
エース101、演算回路110および出力部120を有してい
る。
上記入力インターフエース101は、上記A/D変換器92から
のデータの入力、上記各基準測定器41,61,71へのデータ
a,b,cの出力、切換スイツチ91への切換信号dの出力、
レコーダーとデイスプレイへのデータ出力、デジタル演
算回路110へのデータの取り込み・取り出しを行なう機
能を有している。
上記演算回路110は、プログラムを内蔵したROM111、デ
ータを記憶するRAM112、および演算処理を行なうCPU113
から構成される。上記CPU113は、後述する構成時にセン
サの固有定数(Ko)を自動的に算出するとともに、測定
時には、上記固有定数を使つてpH及び温度を算出する。
上記出力部120は、イオン活量に関するデジタル信号を
アナログ信号に変換して出力するイオンD/A変換器121、
温度に関するデジタル信号をアナログ信号に変換する温
度D/A変換器122、および、表示するための陰極線管また
は液晶等の表示器123を備えている。
次に、動作について、ISFET11からのソース電位Vsが上
記構成によりpH信号に処理されていく過程を説明する。
ΔT=T−Toを(9)式に代入すると、 (11)式を用い、デジタル演算器100によりpH値を求め
ている。
第1項は、 であり、感度調回路70の出力より直接求めている。
第2項は、 であり、デジタル演算器100により、デジタル演算して
求めている。これについては後述する。
第4図は、デジタル演算器100内の処理を示すフローチ
ヤートである。図中、P1〜P15はプローチヤートの各ス
テツプを示す。処理の流れとしては、測定開始前に各セ
ンサの固有定数を決定するための校正処理と測定処理と
に大別される。先ず、校正処理について説明する。
校正の方法としては、信号Vs,Dの零調のみを行なう1点
校正と、信号Vs,Dの零調とpH感度Koの校正とを行なう2
点校正とがある。ISFET11の固有特性値としては、温度
係数Aと感度Koがあり、これらは通常、センサの収納ケ
ースに表示されている。しかしながら、温度係数Aは、
その経時変化が小さいので、特に高い測定精度が要求さ
れる場合を除いて、上記表示された値をそのまま用いて
も差し支えないが、感度Koは経時変化が大きいので、測
定前に校正する必要がある。
まず、予め外部からの入力操作で、校正処理か測定処理
かを選択しておく。P1でスタートして、P2で入力および
出力のイニシヤライズを行なったのち、P3で校正処理
か、測定処理かを確かめ、校正処理であれば、P4でISFE
T11の温度計数A値を一定の数値として与える。つづい
て、P5で基準温度To(例えば37℃)および基準PH値(p
H)o(例えば7.27)を入力する。この値は、後述のP14
での演算に利用される。
つぎに、P6で、1点校正か2点校正かを確かめ、2点校
正である場合には、P8へ進んで、仮のKo値を測定する。
仮のKo値の設定は、デジタル演算器100への入力操作に
よつて行なわれる。この入力操作により、入出力インタ
ーフエース101からデータcが出力され、このデータc
によつて、第3の基準設定器71のゲインが、Koに対応し
た大きさに調整される。1点校正である場合には、P7で
Koを一定の数値として入力する。
P9では、イオン活量信号であるソース電位Vsの零調と、
温度信号であるダイオード順方向電位Dの零調を行な
う。Vsの零調は第2図の零調回路40で自動的に行なわれ
る(オートゼロ調)。つまり、センサ10を基準温度To
(例えば37℃)、基準pH値(PH)o(例えば7.27)の第
1バツフア液に入れると、第2のイオン活量零点制御手
段104が動作し、まず、第3図の入出力インターフエー
ス101からの切換信号dによつて、切換スイツチ91の接
点91aがON、接点91bがOFFに設定されて、イオン活量感
度調回路70の出力(Vs-Vsoo)/KoがA/D変換器92を経て
デジタル演算器100に入力される。一定時間経過後にこ
の出力(Vs-Vsoo)/Koが一定値以内か否か、例えば±0.
01以内か否かを判別し、+0.01を越えていれば、入出力
インターフエース101から出力するデータaを変更し
て、基準イオン活量設定器41のゲインが大きくなるよう
に自動調整し、逆に、−0.01以下であれば、上記データ
aを変更して、基準イオン活量設定器41のゲインが小さ
くなるように自動調整する。その後、上記判別とデータ
aの変更とを繰り返し、イオン活量感度調回路70の出力
(Vs-Vsoo)/Koが±0.01以内になると、PHの零調を終了
する。
温度の零調についても同様に行なわれる。すなわち、第
1図の温度零点制御手段105が動作し、まず、第3図の
入出力インターフエース101からの切換信号dによつ
て、切換スイツチ91の接点91aがOFF、接点91bがONに設
定され、温度演算回路80からの出力TがA/D変換器92を
経てデジタル演算器100に入力され、一定時間経過後に
この出力Tが一定範囲内に入っているか否かを判別し、
一定範囲内になるように入出力インターフエース101か
らの出力データbを変更する。ただし、温度の零調にお
いては、基準温度設定器61からの基準信号D01は0℃(2
73゜K)に対応しているから、温度零調回路60からの温
度偏差信号はDo-D01となり、この信号が温度演算回路80
を経て温度信号T(=To)となる。この温度信号Tが37
℃のレベルに対して±0.1℃以内となるように、入出力
インターフエース101からのデータbを変更して、基準
温度設定器61のゲインを調整し、37℃±0.1℃以内とな
つた時点で温度の零調を終了する。
つぎに、P10で2点校正か1点校正かを確かめ、1点校
正であればP3に戻って、その後の測定処理に備える。2
点校正であれば、P11へ進み、PH感度Koの調整を行な
う。すなわち、センサ10を上記基準温度To、基準PH値
(pH)s(例えば3.84)の第2バツフア液に入れると、
第2図の感度制御手段106が動作し、第3図のイオン活
量感度調回路70の出力が上記基準PH値(pH)s(フルス
パン)に対応するように、イオン活量感度調回路70の第
3の基準設定器71のゲインを自動調整して(オートスパ
ン調)、感度調整、すなわち1/Koの調節を行なう。
つまり、(11)式から、 (pH)s=Δ(pH)*+(pH)o ・・・(12) であり、一方、イオン活量感度調回路70の出力(Vs-Vso
o)/Koは、(10)式より、 (Vs-Vsoo)/Ko=Δ(pH)* であるから、結局、これに(12)式を代入して、 (Vs-Vsoo)/Ko=Δ(pH)*=(pH)s-(pH)o=3.84
−7.27=−3.43 となる。つまり、一定時間経過後に、イオン活量感度調
回路70の出力(Vs-Vsoo)/Koが−3.43(フルスパン)に
対して、±0.01以内であるか否かが判定される。この範
囲外であれば、入出力インターフエース101から出力す
るデータcを変更して第3の基準設定器71のゲインを自
動調整し、−3.43±0.01の範囲内になつた時点で感度調
整を終了する。
つづいて、P12で、設定したゲインに相当する感度Koを
次式から算出しておき、P3に戻って、その後の測定処理
に備える。
Ko=−3.43/(Vs-Vsoo) つぎに、測定処理について説明する。
イオン活量信号であるソース電位Vsと、温度信号である
ダイオード順方向電位Dはそれぞれ、第3図の零調回路
40,60において、基準温度To、基準pH値(pH)oでのソ
ース電位Vsooと、0℃でのダイオード順方向電位D01と
により減算され、上記各零調回路40,60のそれぞれか
ら、Vs-Vsoo,D−D01として出力される。つづいて、Vs-V
soo,D−D01はそれぞれ、回路70,80を経て、見掛けのPH
偏差値Δ(pH)*、測定温度Tとして出力される。これ
らの信号Δ(pH)*,Tが、P13でデジタル演算器100に読
み込まれる。
P14では、上記読み込まれた信号Δ(pH)*,Tと、P4で
与えられたAと、P5で与えられたTo,(pH)oと、p12で
算出されたKoとを用い、(11)式より零点とPH感度の温
度補償をして、PH値を算出する。この算出は第2図のデ
ジタル演算器100の補償手段102とイオン活量演算手段10
3とでなされる。つまり、(11)式の[]内の減算が補
償手段102で行なわれ、この減算された[]内の値にTo/
Tを乗算したのち(pH)oを減算する計算が、イオン活
量演算手段103で行なわれる。ここで、上記補償手段102
とイオン活量演算手段103では、単純な減算と乗算がな
されるだけであるから、演算は極めて容易である。
算出されたPH値は、第4図のP15で、第3図の表示器123
に表示され、また、必要に応じて他の機器へ、イオンD/
A変換器121からPH値(pH)が、温度D/A変換器122から温
度Tがそれぞれ出力される。
上記実施例によればつぎの効果がある。
(1)イオン活量(PH)の測定において、イオン活量に
対する零点および感度の温度補償がなされるから、イオ
ン活量の測定が精度よくなされる。
(2)見掛けのイオン活量偏差値(Vs-Vsoo)/Koと、測
定温度Tとを直接デジタル演算器100に取り込み、補償
手段およびイオン活量演算手段により、単純な減算およ
び乗算を行なうだけでイオン活量を算出できるので、温
度補償計算が簡略化される。したがつて、複雑な温度補
償計算をデジタル的に行なっていた従来のもの(特願昭
59-82698号)と比較して、デジタル演算器の消費電力が
低減される。また、デジタル演算器が小容量で済むの
で、製造コストも低減される。
(3)零調回路40,60における零調、およびイオン活量
感度調回路70における感度調は全て、デジタル演算器10
0により自動的になされるので、操作が極めて容易であ
る。
(4)イオン活量感度調回路70において感度Koを自動調
整する際に、オートスパンがとられるので、スパン調整
の手間が省け、一層操作が容易になる。
(5)零調回路40,60については、入力信号がそれぞれ
0〜2V,425〜525mVであるのに対し、必要分解能はそれ
ぞれ0.4mV,0.2mVであるから、計算上は、それぞれ0.4/2
000=1/5000,0.2/(425〜525)=1/2125〜1/2625もの高
い精度が必要になる。しかし、実際には、前回オートゼ
ロ調した後のオフセツト量をデジタル演算器100で記憶
しておき、今回のオートゼロ調の際に、前回のオフセツ
ト量との差だけ修正するようにすれば、上記よりはるか
に低い精度、たとえば1/200程度で済み、したがつて、
その基準設定器(D/A変換器)41,61は、8ビツト(精度
1/256に相当)程度の安価なもので済む。
また、イオン活量感度調回路70については、感度の調整
幅が40.0〜60.0mV/pHであるのに対し、必要分解能は0.1
mVであるから、感度調整幅に関する精度は、0.1/(60.0
-40.0)=1/200程度になる。したがつて、その基準感度
設定器71は、やはり8ビツト程度の安価なもので済む。
さらに、A/D変換器92は、イオン活量感度調回路70でpH
値(無次元数)に変換された信号と、温度演算回路80で
温度T(単位℃)に変換された信号とを読み取るもので
あり、pH値の幅は0〜10、温度Tの幅は0〜50℃である
のに対し、pH値の分解能は0.01、温度Tの分解能は0.1
℃であるから、精度は、高いほうのpHについてさえ、0.
01/10=1/1000で済むので、やはり安価である。
(6)校正処理では、要求精度に応じて、1点校正と2
点校正を選択できるので、実用上有利である。
なお、上記実施例では、温度を検出する温度素子13とし
て、ダイオードを用いているが、これに限らず、トラン
ジスタやアバランシェダイオードなどの素子を用いても
よい。この場合において、ISFET11とともに半導体基板
に集積できるものであれば、製造上およびコストの点か
ら有利である。
また、この発明は、上記実施例のように、pHの測定だけ
でなく、上記ISFET11におけるゲート絶縁膜を他のイオ
ン選択性膜を有する物質に置換することにより、たとえ
ば、免疫や酵素などのイオン活量を選択的に測定でき
る。
さらに、上記実施例では、比較電極12として、液絡式比
較電極を用いたが、これとは異なり、特開昭56-153247
号公報に記載されているような、FET比較電極を用いて
もよい。FET比較電極を用いる場合には、比較電極側のF
ETのドレイン電流Idrを、|Idr/βr|≦0.10volt2を満足
する領域で動作させることが必要である。ここで、βr
はFET比較電極のチャンネル特性値である。
[発明の効果] 以上説明したように、この発明によれば、イオン活量の
測定において、イオン活量に対する零点および感度の温
度補償がなされるから、イオン活量の測定が精度よくな
される。
また、見掛けのイオン活量偏差値(Vs-Vsoo)/Koと、測
定温度Tとを直接デジタル演算器に取り込み、補償手段
およびイオン活量演算手段により、単純な減算および乗
算を行なうだけで、イオン活量を算出できるので、温度
補償計算が簡略化される。したがつて、デジタル演算器
の消費電力が低減される。また、デジタル演算器が小容
量で済むので、製造コストも低減される。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の構成を示す系統図、第2図はこの発
明の一実施例を示す系統図、第3図は同実施例の回路構
成を示す回路図、第4図は同実施例の動作を示すフロー
チヤートである。 10……センサ、11……ISFET、13……温度素子、40……
イオン活量零調回路、50……定電流回路、60……温度零
調回路、70……イオン活量感度調回路、80……温度演算
回路、100……デジタル演算器、102……補償手段、103
……イオン活量演算手段。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定液Mのイオン活量を検出するイオン
    感応性電界効果トランジスタ11と、上記被測定液Mの温
    度を検出する温度素子13とを有するセンサ10と、 上記イオン感応性電界効果トランジスタ11の動作におけ
    るチヤンネル特性値をβ、ドレン電流をIdで表わしたと
    き、|Id/β|≦0.10volt2なる条件を満たすドレン電流
    を上記イオン感応性電界効果トランジスタ11に流す定電
    流回路50と、 上記センサ10のイオン感応性電界効果トランジスタ11か
    らのイオン活量信号Vsと、予め設定された基準イオン活
    量信号Vsooとの差に対応したイオン活量偏差信号Vs-Vso
    oを出力するイオン活量零調回路40と、 上記センサ10からの信号に基づいて温度信号Dを生成
    し、この温度信号Dと予め設定された基準温度信号D01
    との差に対応した温度偏差信号D−D01を出力する温度
    零調回路60と、 上記イオン活量零調回路からのイオン活量偏差信号Vs−
    Vsooを基準温度Toにおけるイオン活量感度Koで除した見
    掛けのイオン活量偏差信号(Vs−Vsoo)/Koを出力する
    イオン活量感度調回路70と、 上記温度零調回路60からの温度偏差信号D−D01より被
    測定液Mの温度を算出して測定温度信号Tを出力する温
    度演算回路80と、 上記見掛けのイオン活量偏差信号(Vs-Vsoo)/Koと測定
    温度信号Tとを受けて、イオン活量を算出するデジタル
    演算器100とを備え、 上記デジタル演算器100は、 上記ISFET11の温度係数をA、温度偏差をT−Toとした
    とき、見掛けのイオン活量偏差信号(Vs−Vsoo)/Koか
    ら、A(T−To)/Koを減算することにより、見掛けの
    イオン活量偏差信号(Vs−Vsoo)/Koの零点が、被測定
    液Mの温度偏差T−Toおよび上記イオン活量感度Koに対
    応して変化するのを補償する補償手段102と、 上記零点補償された信号に、基準温度Toと測定温度Tと
    の比To/Tを乗算したのち、上記基準イオン活量信号Vsoo
    に対応した基準イオン活量を加算して、被測定液のイオ
    ン活量を出力するイオン活量演算手段103とを具備して
    なるイオンモニタ装置。
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