JPH068191A

JPH068191A - シート材切断装置

Info

Publication number: JPH068191A
Application number: JP4172091A
Authority: JP
Inventors: Fumio Moriwaki; 文夫森脇
Original assignee: YASUKI SEIMITSU KK; Hitachi Metals Ltd
Current assignee: YASUKI SEIMITSU KK; Proterial Ltd
Priority date: 1992-06-30
Filing date: 1992-06-30
Publication date: 1994-01-18

Abstract

(57)【要約】【目的】従来のパーシャルカットをする切断装置の不
具合を解消して、ロータリ式シート切断装置を用いて良
好な切り口と安定した切り残しが可能なシート切断装置
を提供する。【構成】回動可能に両端を支持された可動刃と、両端
を支持された固定刃からなり、前記可動刃と前記固定刃
の両方またはいずれか一方の刃先に不連続部を設け、前
記可動刃は前記不連続部と刃先、または前記不連続部同
志が衝突した後、オーバーランして停止し、シート材に
切り残しを設けることを特徴とするシート材切断装置で
ある。さらに可動刃と固定刃の両方またはいずれか一方
が弾性体で支持され、可動刃のオーバーランと不連続部
が衝突した時の過負荷を吸収することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主としてプリンタある
いは券売機などに用いられる切り残し切断（パーシャル
カットとも言う)用のシート材切断装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】プリンタ、券売機、あるいはレジスター
等には、シート材である紙を完全に切断しないで部分的
につながった状態、すなわち切り残し切断が可能な切断
装置の搭載を必要とする場合が多い。切断された紙は、
切り残し部分でつながったままでぶら下がっており、こ
れを引きちぎって手にするのである。これが完全に切断
されてしまうと切断されて切り落された方の紙が飛散す
るので、床面から拾い上げなければならないため、切り
残し切断が可能な切断装置が要求されるのである。この
要求に応じるため、実公昭５４−４５２７６号（実開昭
５２−１６２５９０号）公報に開示された鋸刃状の刃先
を持つ可動刃によりパーシャルカットを行う通称ギロチ
ン式と呼ばれるカッタ、ならびに実公昭５９−３８４０
号（実開昭５８−５９５９４号）公報にはロータリ式カ
ッタの回転刃を断続的な刃先とすることによりパーシャ
ルカットを行うことができる切断装置が開示されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ロータリー式の切断装
置の場合、可動刃または固定刃を断続的な刃先形状とす
ることによってパーシャルカットが行われるが、この切
断装置では切り残し部分の紙が可動刃と固定刃の間には
さみ込まれる現象があるため、切り残し部分にふくれや
亀裂が入り易くなる。特に厚紙や特殊な合成紙の場合に
は、折角作った切り残し部分が亀裂が大きくなって破断
したり、切断紙片の切り口の状態が著しく悪くなるとい
う問題点がある。また、一方でギロチン式によりパーシ
ャルカットする切断装置の場合は、シート材をほぼ直角
方向から切断するような切断方式となるため、上記のよ
うなロータリー式に見られるたぐいの問題は発生しな
い。しかし、鋸刃状の可動刃の刃先をシート材に突き差
した後陥没させて切断する方式のため、切断性能や切り
口の状態が刃先の鋭利さに強く影響を受ける。また、切
断状態、特に切り口を滑らかに良好にするため可動刃の
厚さを可能な限り薄くしているため、厚いシート材や難
切断材料の切断には不向きである上に、切断耐久性が劣
る。本発明は、上記の問題点を解決し、高寿命で切り残
し部や切り口が良好な切断装置を提供しようとするもの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者は上述の問題点
を解消するため、可動刃が揺動または回転を行なうロー
タリ式のカッタについて種々検討をするうちに、切断装
置が誤って硬い異物を噛み込んだ場合には、可動刃や固
定刃の刃先に欠けが発生して、この欠け部分では、刃先
が不連続となり、可動刃が瞬間的に停止する現象がある
ことを見出した。また、厚手の紙を無理して切断した時
や、紙ジャムが発生して複数枚の紙を一度に噛み込んだ
ときにも刃先同志がかじりを生じ、切断の後半部で切り
残しが発生することを知見した。すなわち、刃先の一部
に欠けやかじり等の不連続部が存在するとそれ以降の切
断が一時的にまたは全面的に中断されるのである。

【０００５】本発明はこれ等の現象を構造として積極的
に利用することにより、切り残し切断（パーシャルカッ
ト）が可能な切断装置としたものである。すなわち、本
発明は、可動刃と固定刃の両方またはいずれか一方の刃
先に不連続部設けて、この不連続部で可動刃を停止さ
せ、切り残し切断することを特徴とするものである。具
体的には、回動可能に両端を支持された可動刃と、両端
を支持された固定刃からなり、前記可動刃と前記固定刃
の両方またはいずれか一方の刃先に不連続部を有し、前
記可動刃は前記不連続部と刃先、または前記不連続部同
志が衝突した後、オーバーランして停止し、シート材に
切り残しを設けることを特徴とするシート材切断装置で
ある。また、可動刃と固定刃の両方またはいずれか一方
が弾性体で支持され、可動刃のオーバーランと不連続部
が衝突した時の過負荷を吸収することを特徴とするシー
ト材切断装置である。

【０００６】本発明では、可動刃も固定刃も待機状態で
は、その刃先線は実質的に直線である。したがって、本
発明で不連続部を設けるとは、直線状の刃先線の一部分
が直線でない状態をいう。このような不連続部とは、突
出部、または窪み部で与えられ、後述する図１の突出部
２２や図７に示す形状がその代表的例示である。

【０００７】

【作用】可動刃と固定刃は、その刃先線が互いに剪断角
と噛み込み角を形成する如く、交差圧接される。可動刃
と固定刃とがなす隙間にシート材が挿入されると、可動
刃を切断方向に回動するように回転させる。刃先が噛み
合うと刃先線の交差点でシート材が切断され、可動刃の
回転が進行すると前記の交差圧接点が移動して切断が進
行する。切断が進行して、回転刃が不連続部に到達する
と、可動刃の回転が阻止されてシート材に切り残しが形
成される。切り終わり側に適当な量の切り残しを設けれ
ばよいのであれば、可動刃の回転角度を全幅切断よりも
小さくなるように駆動部の回転角度を制限すればよい。
しかし、これでは駆動部の組立時のばらつき、組立時の
位置関係のばらつき、あるいは駆動部の慣性の変化等に
より、切り残し量のばらつきが大きくなって切り残し部
を手で引きちぎる時、シート材に不必要な部分にまで破
れが生じてしまう。

【０００８】そこで、本発明は切り終わり側の刃先に不
連続部を設けて、この不連続部で可動刃を停止して、常
に一定量の切り残しとなるようにしたものである。とこ
ろが、上述したばらつきや慣性等により、駆動量の管理
の仕方によっては、設定した切り残し量よりも多く、切
り残されることが想定される。この不具合を解消するた
め、可動刃の駆動量を突起部で停止する位置よりもやや
オーバーランするように設定して突起部を軽く衝突させ
る。衝突時に発生する過負荷により駆動部やその他の部
分に及ぼす不具合は、可動刃や固定刃を弾性体によって
支持して、衝突時の過負荷を吸収するとともにオーバー
ランを吸収する。切り残し切断した後、可動刃は待機位
置に復帰する。

【０００９】

【実施例】次に本発明を実施例と図面によって詳細に説
明する。図１および図２は、本発明による切断装置の一
実施例を示すもので、図１は斜視図、図２は側面図であ
る。可動刃１は、両端の可動刃支軸１３により揺動自在
に支持されている。また、固定刃２は、固定刃支持ばね
２４に両側の固定刃支軸２３を揺動自在に支持され固定
刃圧接ばね２５により可動刃１に圧接されている。さら
に固定刃２は、切り終わり側に、その刃先が不連続とな
るように、可動刃１側に向けて突き出た段付状の突出部
２２が設けられている。

【００１０】可動刃１を回転すると可動刃１と固定刃２
の刃先１１と２１が交差圧接しながらシート材を切断
し、固定刃２の刃先に設けられた不連続部である突出部
２２に可動刃１の刃先が衝突して引掛かり、それ以上は
切断ができなくなる。確実な切り残しとするため、可動
刃がややオーバーランするように駆動部を設定しておい
て残った駆動部の回転角は、固定刃２を保持している固
定刃支持ばね２４が収縮して吸収する。その後、可動刃
１が復帰方向に回転して、シート材には、固定刃２の突
出部２２から紙端までの長さの切り残しが生じる。この
構造の切断装置によれば、切り残し部を刃物ではさみ込
まないので、良好な切断面と切り残しを得ることができ
る。

【００１１】図３は、可動刃１と固定刃２が固定刃突出
部で衝突した時の衝撃を吸収するための他の方法を示す
ものである。固定刃２を保持する固定刃支持ばね２４の
かわりに可動刃１を保持する可動刃支持ばね１４を設け
てもよい。また、図５に示すように図２のばね２４と２
５の両方の機能を持つ板ばね２６により固定刃を保持す
る構造とすることも可能である。図４、図５は、本発明
のさらに他の実施例を示すものである。図４において、
可動刃１には、切り終わり側の近傍に固定刃２の刃先２
１と衝突する可動刃突出部１２が設けてある。この構造
でも図１に示した構造のものと全く同じように切り残し
を行なうことができる。

【００１２】図５は、図４の構造において、固定刃２の
支持方法の一例を示すものである。固定刃２が揺動でき
るように支持する固定刃支軸２３を設けないで、固定刃
２を板状の固定刃支持ばね２６のみで支持する。この板
状のばね２６に固定刃の支持と可動刃１への圧接も兼ね
させると共に、可動刃１のオーバーランと、可動刃突出
部１２が固定刃刃先２１へ衝突した時の衝撃を吸収させ
ることができる。上述した可動刃１に設ける可動刃突出
部１２と固定刃突出部２２は、図６に示すように両方同
時に設けてもよい。また、可動刃支持ばね１４、固定刃
支持ばね２４、固定刃圧接ばね２５は、必要に応じて適
宜選択して組み合わせればよい。

【００１３】図７は可動刃や固定刃に設ける不連続部の
他の実施例を示す図である。三角形や台形の突出部を可
動刃や固定刃に適宜設ければよい。また、突出部だけで
はなく、部分的に窪ませても不連続部とすることがで
き、可動刃を停止させることが可能である。また、可動
刃は、円筒形回転刃だけではなく、直線刃先を有する回
転刃、例えば図７に示すようなＬ字形状に曲げ成形され
た回転刃にも適用できる。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、従来ロータリ式やギロ
チン式を用いたパーシャルカットをするための切断装置
の問題点を解消して、ロータリ式シート切断装置におい
て、切断部の切り口や切り残し部分が良好で、かつ切り
残し幅が一定で安定し、切断寿命の長いパーシャルカッ
ト用のシート材切断装置を提供することができるので、
その工業上の効果は非常に大きい。また、本発明は切断
中に可動刃を定位置で停止させるための複雑な構造の装
置を設ける必要はないので、パーシャルカット用切断装
置の小型軽量化と定価格化が達成できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシート切断装置の一実施例を示す斜視
図であり、固定刃に突起が設けてある例である。

【図２】本発明のシート材切断装置の一実施例を示し、
図１の断面図である。

【図３】本発明のシート材切断装置の他の実施例を示す
断面図である。

【図４】本発明のシート材切断装置の他の実施例を示す
斜視図であり、可動刃に突起が設けてある一例である。

【図５】本発明のシート材切断装置のさらに他の実施例
を示す断面図である。

【図６】本発明のシート材切断装置のさらに他の実施例
を示し、可動刃と固定刃の両方に突起が設けてある。

【図７】本発明のシート材切断装置に設ける不連続部の
他の例を示す斜視図である。

【符号の説明】１可動刃、１１可動刃刃先、１２可動刃突出部、
１３可動刃支軸、１４可動刃支持ばね、２固定
刃、２１固定刃刃先、２２固定刃突出部、２３固
定刃支軸、２４固定刃支持ばね、２５固定刃圧接ば
ね、２６固定刃板ばね

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】回動可能に両端を支持された可動刃と、
両端を支持された固定刃からなり、前記可動刃と前記固
定刃の両方またはいずれか一方の刃先に不連続部を有
し、前記可動刃は、前記不連続部と刃先または前記不連
続部同志が衝突した後オーバーランして停止し、シート
材に切り残しを設けることを特徴とするシート材切断装
置。
【請求項２】可動刃と固定刃の両方またはいずれか一
方が弾性体で支持され、可動刃のオーバーランと不連続
部が衝突した時の過負荷を吸収することを特徴とする請
求項１に記載のシート材切断装置。