JPH0681285A - パルプ処理廃液から有価物の回収方法および装置 - Google Patents

パルプ処理廃液から有価物の回収方法および装置

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JPH0681285A
JPH0681285A JP4095869A JP9586992A JPH0681285A JP H0681285 A JPH0681285 A JP H0681285A JP 4095869 A JP4095869 A JP 4095869A JP 9586992 A JP9586992 A JP 9586992A JP H0681285 A JPH0681285 A JP H0681285A
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JP4095869A
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Salvatore T Dinovo
サルバトール・ティー・ディノボ
Wayne E Ballantyne
ウェイン・イー・バランティン
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    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C11/00Regeneration of pulp liquors or effluent waste waters
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21CPRODUCTION OF CELLULOSE BY REMOVING NON-CELLULOSE SUBSTANCES FROM CELLULOSE-CONTAINING MATERIALS; REGENERATION OF PULPING LIQUORS; APPARATUS THEREFOR
    • D21C11/00Regeneration of pulp liquors or effluent waste waters
    • D21C11/0085Introduction of auxiliary substances into the regenerating system in order to improve the performance of certain steps of the latter, the presence of these substances being confined to the regeneration cycle
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱エネルギーおよび化学的有価物を有効に回
収すること。 【構成】 微細固体粒子と粗大固体粒子より成る流動床
を備えた反応器3に濃縮されたパルプ処理廃液を供給
し、微細固体粒子の一部と、固体燃焼生成物とガス生成
物の混合物を反応器3の頂部から排出し、微細固体粒子
から熱エネルギーを回収して反応器3に戻して、反応器
3の温度を所定の温度に維持する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙工業から排出され
るパルプ処理廃液を処理して熱エネルギーと化学的有価
物を効率的に回収する方法及び一体化された方法と装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、木材チップの様なリグノセルロ
ース質材料の化学的パルプ処理に関する方法において、
一般的方法は、通常クラフト法又は亜硫酸法と呼ばれ
る。化学薬品を機械的工程と共に使用する幾つかの方法
があり、これらの方法は、しばしば準 化学的又は化学
−機械的パルプ処理法と呼ばれる。これらの方法は、ク
ラフト法及び亜硫酸法と同じ化学薬品の幾つかを使用す
る。他の方法は、所謂ソーダ法である。
【0003】好適な化学的パルプ処理法は、所謂クラフ
ト法である。クラフト法は、水酸化ナトリウム、炭酸ナ
トリウム及び硫化ナトリウムのアルカリ性水溶液におい
て、木材チップを蒸煮、即ちパルプ処理することを含ん
でいる。これは、通常、蒸解釜と呼ばれる圧力容器にお
いて行われ、その内容物を約160〜180℃の温度ま
で約1〜3時間加熱する。蒸煮、即ちパルプ処理工程が
終わると、クラフト蒸煮液は、パルプから洗い出されて
回収処理に掛けられ、化学的有価物及び熱エネルギーが
回収される。この材料は、その暗黒色の為にクラフト黒
液と呼ばれる。
【0004】所謂亜硫酸法においては、木材チップを二
酸化硫黄の酸性水溶液中においてカルシウム、マグネシ
ウム、ナトリウム又はアンモニウムイオンを供給する薬
品と共にパルプ処理、即ち蒸煮する。実質的に、水溶液
は、亜硫酸及び亜硫酸イオンと酸性亜硫酸イオンとから
構成される。この方法において、蒸煮時間は約6〜8時
間であり、その間、温度を約140℃まで上昇させる。
亜硫酸パルプ処理法の変法においては、蒸煮液を酸性溶
液とせずに中性又は弱アルカリ性にする。通常の亜硫酸
パルプ処理法からの廃液は、幾つかの方法で回収されて
いる。一般的に、亜硫酸法の廃液から化学有価物を回収
するのは、クラフト法の黒液からの回収よりも困難であ
った。リグノセルロース質材料のパルプ処理において、
亜硫酸法よりもクラフト法が、主として使用されたこと
に一部起因する。
【0005】従来、クラフト黒液の回収に対する伝統的
方法には、所謂トムリンソン式クラフト回収ボイラを使
用していた。このトムリンソン式回収ボイラにおいて
は、濃縮黒液を燃料として役立て、一般工業用の熱を供
給する。燃焼された液体は、存在する有機物の燃焼から
生ずる熱量の他、無機化学品の溶融物、即ち溶融体を生
成する。この溶融物は、水中に溶解されて、所謂緑液を
生成する。これは、炭酸ナトリウムと硫化ナトリウムと
の水溶液である。この緑液は、石灰(水酸化カルシウ
ム)で処理して幾らかの炭酸ナトリウムを水酸化ナトリ
ウムに変えると白液になる(副生炭酸カルシウムを濾過
により除去した後)。この白液は、蒸煮液、即ちパルプ
処理液であって、枯渇成分を補給した後に、その後のク
ラフトパルプ処理操作に使用することが出来る。
【0006】トムリンソン回収炉の使用は、多くの問題
を提起する。先ず第一に、その使用は、水が不慮に熔融
無機塩と接触すれば、重大な爆発の機会を与える。他の
欠点は、廃クラフト黒液からのエネルギー有価物の回収
が、所望するよりも相当少ないことである。更に欠点
は、トムリンソン法が、工程内に存在する物理的及び化
学的作用の独立した制御を可能にしないことである。更
に、この方法は、還元硫黄化合物による大気汚染を惹起
する傾向がある。
【0007】従って、製紙工業が、廃パルプ処理液の有
価物回収の更に満足し得る他の手段を求めていること
は、驚くにあたらない。多くの特許技術が報告されてい
る。
【0008】フラッドの米国特許第3,322,492
号公報に記載されている方法においては、順次の少なく
とも二つの流動床操作が使用された。第一の流動床室に
おいて、黒液は、加熱空気により固体粒子まで乾燥され
る。第二の流動床室において、第一流動床室で生成され
た乾燥固体粒子を、有機成分の分解とこの有機物の分解
とから生ずる一酸化炭素による硫酸ナトリウム含量の若
干の減少とを齎す様な条件下で、更に加熱にかける。こ
れにより、硫化ナトリウムと二酸化炭素とが生成され
る。この工程からの排出ガスは、硫化水素を二酸化炭
素、一酸化炭素、水素及び窒素と共に含有する。
【0009】シャーの米国特許第3,574,051号
公報の方法においては、クラフト黒液を、黒液成分の分
解を起こさない条件下で加熱空気の流れと接触させて濃
縮する。次いで、得られた濃縮黒液を過剰の空気中で流
動床反応器において空気により燃焼させ、黒液成分、即
ち有機及び無機成分の両者の全酸化を齎す。これらの条
件下において、全硫黄化合物は、主として硫酸ナトリウ
ムに変換される。得られた無機固体塩を流動床反応器か
ら排出させ、ここで主成分は、硫酸ナトリウムと炭酸ナ
トリウムである。次いで、これら固体塩を化学反応器に
通し、還元性成分として一酸化炭素から構成された還元
性ガス流れに掛ける。これは、固体塩中の硫酸ナトリウ
ムを硫化ナトリウムに還元させ、そしてこの硫化ナトリ
ウムは、炭酸ナトリウムと共に水中に溶解して緑液を生
成し、これは次いで常法により処理されて白液を与え
る。
【0010】オステルマン等の米国特許第3,523,
864号公報は、3領域流動反応器における乾燥黒液の
処理を含むクラフト黒液の回収方法を記載しており、こ
こでは、黒液を乾燥させて中間域中で酸化し、無機ナト
リウム化合物及び硫黄化合物を底部域中で還元して炭酸
カルシウムを3領域の頂部で焼成して酸化カルシウムを
生成させる。
【0011】プリエストリーの米国特許第3,578,
396号公報は、亜硫酸パルプ処理廃液から化学薬品を
再生する方法を記載しており、この方法は、熱酸化性流
動床反応器において廃液を反応させて、1200〜14
00°F(約648.8〜760.0℃)で粒状物質を
生成させ、これをまだ流動床中に存在する間に、若干冷
却させて約1000〜1200°F(約593.3〜6
48・8℃)の温度で二酸化硫黄の処理にかけることに
より行われる。これは、炭酸塩の幾らかを酸性硫酸ナト
リウムに変える。
【0012】シックの米国特許第3,676,064号
公報は、亜硫酸パルプ処理廃液からの化学有価物の回収
方法を記載した別の特許である。この方法においては、
亜硫酸廃液を流動床反応器中で処理して無機固体を実質
的に硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムとに変換させ、無
機物質を熱分解させる。二酸化硫黄ガスは、流動床反応
器中で生成された炭酸ナトリウムの溶液中に吸収され
る。
【0013】コープランドの米国特許第3,864,1
92号公報は、亜硫酸パルプ処理廃液からの化学有価物
の回収方法を記載しており、この方法によれば、廃液を
マグネシアと混合し、この混合物を高温度にて蒸発によ
り濃縮し、そしてこの濃縮廃液を流動床反応器に供給し
そこで燃焼させる。
【0014】コープランドの米国特許第3,862,9
09号公報は、流動床反応における濃縮液の制御自発燃
焼又は熱分解により、クラフト又は亜硫酸パルプ処理廃
液から化学有価物を回収する方法を記載しており、ここ
で炭素質物質は、活性炭に変換される。無機塩は水によ
り浸出された後に回収される。
【0015】コープランド等の米国特許第3,309,
262号公報は、クラフト黒液を包含するパルプ処理廃
液の回収方法を記載している。廃液は、濃縮されて噴射
により流動床反応器中の導入される。得られる廃液噴霧
は、前段の廃液の燃焼から生じた残留無機化学物質に遭
遇する。この種の化学物質は、例えば硫酸ナトリウム、
炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及びそれらの混合物
である。更に、流動床反応器は、他の無差別な不活性物
質、例えば、シリカ粒子を無機化学物質との混合状態で
含有することもある。流動床反応器中において、有機物
質は燃焼される。生成される乾燥粒子の無機物質は、或
る程度流動床反応器中に循環又は保持されて更に処理さ
れ、次いで幾らかの無機物質が回収に掛けられる。
【0016】ナック等の米国特許第4,084,545
号公報には、本発明に使用される流動床反応器を石炭等
の燃料の燃焼に利用することが開示される。しかし、ナ
ック等の開示する技術は、石炭等の燃料の処理に関する
もので、これらの含有有機物及び無機物質構成は、パル
プ処理廃液の含有する有機物及び無機物質構成と極めて
異なり、特に無機物質構成の相異により、パルプ処理廃
液に適用可能か否かは予期不可能で、本発明者等によ
り、ナック等の流動床反応器をパルプ処理廃液への応用
可能が初めて確立された。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】前記流動床反応器をパ
ルプ処理廃液に使用する特許の場合、慣用の流動床反応
器の使用は、通常の燃焼操作で生じる様な1300°F
(704.4℃)程度の温度の燃焼熱エネルギーを回収
し得ないことにより悩まされている。この温度は、通常
のパルプ処理廃液の燃焼処理において、無機塩の熔融に
よる障害を避ける為に保持が必要とされる最高温度であ
る。悩まされる原因は、従来の流動床反応器は、反応器
中に埋め込まれた冷却用の管を介して熱を取り出してい
たが、冷却配管による床材料の貧弱な混合により、局部
過熱が生成し、これによる無機塩の熔融の発生と、反応
器の内部冷却管の金属装置の腐蝕と、冷却管の詰まりと
に起因するものである。
【0018】知られている限りでは、前記方法のいずれ
も、流動床反応器からの熱エネルギーの回収に成功して
ない。固体生成物から化学有価物の回収に関する多くの
技術が特許されており、かつ固体の取り出しは、反応器
の底部から為され、これら装置の工業的規模での利用
が、未だ達成されていない。
【0019】本発明者等は、ナック等の米国特許第4,
084,545号公報に開示されている大小二種類の微
細固体粒子と粗大固体粒子の成分を床材料として使用す
る流動床反応器により、パルプ処理廃液の燃焼に利用
し、燃焼温度を1300°F(704.4℃)程度の温
度に保持出来、前記燃焼生成ガス成分のみならず、燃焼
生成固体成分も反応器の頂部から取り出し、分離装置に
掛ける時には、前記微細固体粒子成分と、パルプ処理廃
液の燃焼生成物の固体成分粒子(主として酸化無機塩粒
子と未燃焼炭素質成分粒子)と、ガス成分(主として二
酸化炭素と窒素と水分)の3成分に分離分割可能である
こと、前記微細固体粒子成分は、多量の高温熱エネルギ
ーを含有し、容易に熱エネルギーをパルプ処理廃液の熱
量の50%以上、即ちトムリンソン法より相当大きい熱
量が回収可能であること、熱エネルギーの回収された前
記微細固体粒子は最初の流動床反応器に戻して燃焼温度
を約700℃に制御させて連続的な循環を形成して連続
的かつ効率的な熱エネルギーの回収を可能とすること、
一方、前記パルプ処理廃液の燃焼生成物の固体成分は、
主として硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウムと前記未燃焼
炭素質成分からなり、これは、従来技術により有価物を
回収出来る範囲のもので、バッチ式又は連続式に有価物
回収が可能なこと、これら3つの基本要件の可能を突き
止め、かくして、従来技術で解決困難とされた熱エネル
ギーの連続回収を可能とし、かつ化学有価物の回収も可
能とする連続的な効率的有価物の回収を可能とする方法
を確立出来た。更に、前記方法に基づき、前記燃焼生成
物の固体成分から前記硫酸ナトリウムと炭酸ナトリウム
を硫化ナトリウムに還元してパルプ処理薬品として再利
用可能とする連続的な一体化方法と装置を確立して本発
明を完成した。
【0020】従って、本発明の目的は、パルプ処理廃液
の流動床反応器による燃焼処理において、前記従来の欠
点を除去して、熱エネルギーを連続効率的に回収し、か
つ化学有価物を従来技術により適宜回収出来る工業的な
方法を提供することである。
【0021】更に本発明の別の目的は、各種パルプ処理
廃液から熱エネルギーと化学有価物を回収する一体化方
法と装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、製紙工業に付
随する、例えば、クラフト黒液、亜硫酸パルプ処理廃液
又はソーダ法パルプ処理廃液の様なパルプ処理廃液を出
発原料として、廃液中の有機物の燃焼から得られる熱エ
ネルギーを連続的にかつ高効率的に回収すると共に、化
学有価物を従来方法で回収可能とする基本的な第一発明
と、化学有価物を最終的にクラフト法に使用される所謂
「白液」の様な再使用し得るパルプ処理液の回収を齎す
ことを可能とする第一発明に基づく一体化方法と装置に
関する第二発明に関する。
【0023】第一発明において、濃縮パルプ処理廃液を
流動床反応器中で燃焼させ、この際、流動床材料として
複数の不活性固体粒子を使用し、一種を微細固体粒子と
呼び、他種を粗大固体粒子と呼ぶことが出来る。この基
本方法において、濃縮パルプ処理廃液を流動床反応器の
底部に導入し、所定量の空気を導入して、濃縮パルプ処
理廃液中に含有される有機物の大部分(全部でない)の
実質的燃焼を支える。好適には、有機物の炭素含有に基
づき約80〜90%又はそれ以上のみが燃焼され、この
燃焼率の場合の好適な一体化実施態様が、図面と共に後
述されている。しかし、前記燃焼率が80%以下の場合
も、好適に実施される。その相異は、化学有価物の回収
に必要とする炭素源につき、前者はこれが不足する為
に、炭素質原料、好適には、濃縮パルプ処理廃液を適宜
補充する必要があるのに対して、後者はその必要無しに
実施出来る。流動床材料の内、粗大固体粒子は、流動床
反応器の底部近傍に濃密流動床を形成して、ここで有機
物は、粗大固体粒子の全面に拡散混合下に燃焼される。
微細固体粒子は、同伴流動床を形成し、反応器全空間領
域を充満し、その一部は、燃焼残部の空気と燃焼ガスか
らなるガス成分により、燃焼生成物粒子を同伴して共に
反応器頂部から流出する。燃焼生成物粒子は未燃焼炭素
質物質と酸化無機塩からなる。これらの混合物は、流動
床反応器の外において、2個のサイクロン等の分離手段
により分離される。最初の分離手段において、成分の沈
降速度により、沈降する微細固体粒子と、流動状のガス
成分と燃焼生成物粒子の混合物に分離分割される。前記
混合物は、更に第二の分離手段により、ガス成分と燃焼
生成物粒子に分割される。最初に分離分割された実質的
に大部分の微細固体粒子は、流動床反応器の燃焼温度の
高温熱エネルギーを含有し、これは、公知手段により適
宜熱エネルギーを回収し、熱エネルギーの回収された低
温微細固体粒子を前記流動床反応器に戻して、前記所定
の燃焼温度の保持の為に反応器内部を冷却させる循環系
を形成することが可能とされる。第二分離手段から分離
された燃焼生成物粒子は、実質的に未燃焼炭素質物質と
酸化無機塩からなり、これらは、適宜、バッチ式又は連
続式のいずれかの公知方法により、パルプ処理化学薬品
等の化学有価物として回収可能とされる。
【0024】本発明は、分離分割された前記微細固体粒
子からの熱エネルギーの回収と、燃焼生成物粒子から化
学有価物の回収の一体化された好適実施態様の方法と装
置に基づく第二発明を包含する。
【0025】この一体化された第二発明の方法は、前記
流動床反応器における燃焼が、濃縮パルプ処理廃液の含
有炭素に基づき80〜90%又はそれ以上の燃焼率を条
件として好適に実施されるもので、分離した微細固体粒
子を、第二流動床反応器で、後述の化学有価物の回収用
の還元装置に必要とする水性ガスの不足を補充するのに
充分量の濃縮パルプ処理廃液、好適には黒液と共に、非
酸化雰囲気で微細固体粒子の高温熱含有を利用して、微
細固体粒子の流動床による流動下に反応させて、必要量
の水性ガスを発生させ、還元装置に導入する。黒液から
の無機塩は、実質的に還元無機塩混合物で、この還元無
機塩混合物の一部は水性ガスと共に還元装置に運ばれ、
残部は、微細固体粒子と共に、熱エネルギー回収用とし
て運ばれる。残部還元無機塩を伴う微細固体粒子は、熱
交換器に移され、ここで高圧水蒸気の発生に利用され
て、目的の熱エネルギーの回収が実施される。その後、
低温の微細固体粒子は、第一発明と同じ工程により循環
系を形成する。前記固体燃焼生成物とガス生成物との混
合物を第二分離手段に導入して固体燃焼生成物とガス生
成物とに分離し、前記分離された固体燃焼生成物を、熔
融塩浴の前記還元装置に導入して、固体燃焼生成物の未
燃焼炭素質固体粉末は、導入された前記水性ガスとを空
気導入により燃焼させて熔融塩還元反応熱を確保しつ
つ、前記水性ガスと共に化学的還元剤として前記酸化無
機塩を硫化塩を主とする還元無機塩とし、これよりパル
プ処理用の化学有価物を回収する。
【0026】次に、本発明の前記方法と装置を個々に詳
細に説明する。本発明に使用される濃縮パルプ処理廃液
は、多重効用缶の様な任意適当な手段により、少なくと
も約50重量%、例えば約50〜100重量%、好適に
は60〜85重量%の固形物含有量まで濃縮された濃縮
パルプ処理廃液を使用して、流動床反応器の底部の濃密
流動床部に流量計を介して供給し、反応器の底部から流
量計を介して導入される空気により燃焼して、燃焼を約
1300°F(約704.4℃)の温度に維持する。
【0027】本発明に使用される流動床反応器は、ナッ
ク等の米国特許第4,084,545号公報に開示され
ている。流動床材料は、物理的及び化学的安定性を有す
る物質から構成される。好適には、約93%の鉄酸化物
(Fe2 3 )を含有する赤鉄鉱であり、ぺンシルバニ
ア州キングオブルシア所在の、シー・イー・ミネラルス
社により商標名「スペキュライト」として供給される。
微細固体粒子成分は、この鉱石の−16+140USメ
ッシュ篩の範囲の微細粒子から構成することが出来、即
ち粒子は16メッシュ篩を通過するが140メッシュ篩
を通過しないものである。適する他の微細固体粒子は、
約−20+40USメッシュの範囲の石灰石粒子から構
成することが出来る。代案として、酸化アルミニウム又
はニッケルから構成することも出来る。使用するのに適
する粗大固体粒子は、約−12+16USメッシュのス
ペキュライト粒子である。粗大固体粒子に対する他の優
れた代替物は、通常の砂である。代案として、酸化アル
ミニウム又はニッケルから構成することも出来る。
【0028】これらの流動床材料で構成される流動床反
応器は、毎秒約30フィート(約9.14m)という表
面速度(Superficial Velocity)
のガス速度により流動化される。
【0029】この速度において、微細固体粒子は、空気
流れに運ばれて同伴流動床を形成し、高度に膨張されて
流動床反応器の略全空間領域を充満する。微細固体粒子
はまた、反応器から排出されて、例えば サイクロンの
様な分離器まで搬送され、これにより、同伴ガス流れと
燃焼生成物固体粒子とから分離分割され、熱交換器を含
む循環経路に供給出来る。この循環経路は、微細固体粒
子を、結局、最初の流動床反応器の濃密流動床に返送す
る。従って、粗大固体粒子の攪拌流動化された物質中を
通る同伴微細固体粒子の連続的な循環流れが生成する。
粗大固体粒子は、同伴されず、流動床反応器の底部近傍
における限られた空間領域に保持される濃密流動床を形
成する。
【0030】本発明により使用される流動床反応器の利
点は、濃密流動床中に侵入する循環微細固体粒子が、高
度に均一な流動化を齎すと共に、「スラッギング」(s
lugging)を最小化させると思われる。混在粒子
の攪拌運動は、濃密流動床中に導入された気体反応体と
固体反応体との間の充分な混合と緊密な接触とを齎す。
表面速度が異常に高くなっても、混在床粒子は、空気流
れの主方向における固体粒子の運動を実質的に阻止す
る。従って、固体粒子は、充分な時間に亙り濃密流動床
中に保持されて、パルプ処理廃液中の有機物成分の大部
分が、この濃密床領域で、粗大固体粒子の表面層として
保持されつつ、流動化状態で燃焼された後に、流動可能
な粒子として順に前記同伴流動床内に搬出されることが
可能になる。
【0031】本発明の方法により高表面速度で操作され
る濃密流動床領域における燃焼が、燃焼生成した固体粒
子と微細固体粒子との滞留時間を増大するのは、恐らく
粗大固体粒子が微細固体粒子の平均自由行路を制限し、
かつこれらの固体粒子の両者が、濃密床領域における燃
焼生成した無機固体粒子と微細固体粒子との平均自由行
路を制限するからであろう。本発明により操作される流
動床反応器の単位容積当たりの高生産性と熱の高放出割
合とは、その一部は、流動床反応器における燃焼領域の
全容積(通常、濃密流動床上方の自由領域をも包含す
る)に亙る気相から微細固体粒子への高い熱移動速度に
より達成される。
【0032】それにも拘わらず、本発明により操作され
る流動床反応器は高いターンダウン(Turndow
n)比を与えることが出来、従って、広範囲で変化する
負荷要求に適するよう調節することが出来る。
【0033】従って、本質的に、本発明における最初の
流動床反応器の必須かつ主要な局面は、微細固体粒子を
含有する第一空間領域に同伴流動床を形成させ、第一空
間領域内により限定された空間領域に、粗大固体粒子を
含有する濃密流動床を形成させ、この粗大固体粒子は、
流動床において長期の物理的及び化学的安定性を有する
材料からなり、従って、これら粗大及び微細固体粒子
は、非凝集性であり実質的に摩耗を受けず、第一空間領
域からの微細固体粒子に対して循環路を、より限定され
た空間領域内の濃密流動床を通して形成し、粗大固体粒
子が、より限定された空間領域内の濃密流動床に効果的
に保持される一方、微細固体粒子が、そこを通して循環
かつ侵入して粗大固体粒子と混合される様な速度で流動
床系を操作することを含んでいる。
【0034】かくして、本発明は、パルプ処理廃液にお
ける有機物成分の高効率的燃焼を促進してそのエネルギ
ー量を獲得するのに特に有用である。濃密流動床におけ
る混在粒子の運動の結果、反応体の充分な混合が得られ
る様に、空気と濃縮パルプ処理廃液とを、最初の流動床
反応器中に導入する。濃縮パルプ処理廃液を所定速度で
反応系に供給し、空気が、そこに充分速度で供給され
て、供給された廃液の有機物の完全燃焼より低い所望程
度の燃焼を行う様な表面速度で、流動床系を流動化さ
せ、微細固体粒子が、この表面速度で同伴される一方、
粗大固体粒子が、反応器底部近傍の限定された空間領域
内の濃密流動床に効果的に保持される様に床粒子成分を
選択する。
【0035】典型的には、第一発明と第二発明の方法
は、熱エネルギーを充分な速度で抜き取り、流動床系の
温度を、パルプ処理廃液の燃焼物の無機固体の融点より
も実質的に低く保持する。即ち、融点は、硫酸ナトリウ
ム(884℃)かつ炭酸ナトリウム(分解を伴って85
1℃)であり、好適には、燃焼温度は約700℃に保持
し、これによりこれらの無機塩固体粒子の略全てを微細
固体粒子により同伴させ、無機固体粒子を流動床反応器
から外れた循環路において微細固体粒子から分離するこ
とからなっている。
【0036】典型的には、粗大固体粒子により形成され
る濃密流動床は、実質的に円筒状又は角柱状の部分を有
する流動床反応器の底部に保持され、粗大固体粒子の使
用量は、流動されていない時に、少なくとも約10イン
チ(約25.4cm)の深さまで円筒状又は角柱部分を
満たすに足る量とする。流動床におけるガスの表面速度
は、毎秒約20〜40フィート(約6.1〜12.2
m)、好適には、毎秒約30フィート(約9.14m)
の範囲とすることが出来る。
【0037】第二発明においては、空気を充分な速度で
濃密流動床に供給して、そこの粗大固体粒子を流動化さ
せると共に、そこを貫通する微細固体粒子の循環を維持
する一方、充分な量の空気を同伴床に供給して廃液中の
有機物の完全燃焼の約80〜90%又はそれ以上を齎す
に足る酸素量で同伴床を操作する。
【0038】最初の流動床反応器から生成した気体及び
固体の生成物を反応器の頂部から排出させる。この段階
において、排出した物質は、クラフト黒液回収の場合、
固体は、無機硫酸塩及び炭酸塩、未燃焼有機物並びに微
細固体粒子から実質的になり、気体は、二酸化炭素、窒
素及び水分である。次いで、これら成分物質を、例えば
サイクロンの様な分離装置に掛ける。サイクロンは、大
部分の微細固体粒子を気体成分と燃焼廃液固体成分との
混合物から分離することが出来る。
【0039】次いで、第二発明においては、分離した微
細固体粒子を、第二流動床反応器に通す。この第二流動
床反応器の使用は、前記有機物の完全燃焼の約80〜9
0%(有機物の含有炭素に基づいて80〜90%の燃焼
と同じ意味で、この炭素含有量は、通常の全炭素分析機
により測定出来る)又はそれ以上の燃焼率の場合に必要
とし、図面に示される様に、第二流動床反応器(10)
は、最初の流動床反応器(3)と同じ構造のもので、第
二流動床反応器(10)の場合、流動床材料は、微細固
体粒子のみからなり、これは、分離器、例えば、サイク
ロン(7)から導管(19)により第二流動床反応器
(10)の底部に導入され、一方、所定量の追加の濃縮
パルプ処理廃液、好適には黒液が導管(11)を介して
第二流動床反応器(10)の底部に導入され、微細固体
粒子の約700℃の高温により、黒液を非酸化的に流動
下に熱分解反応させて、所謂水性ガス、即ち、主として
水素と一酸化炭素を生成させる。流動用の気体は、二酸
化炭素と窒素と水分からなる煙道ガスが利用され、導管
(34)を介して導入される。
【0040】第一発明においては、分離器、例えば、サ
イクロン(7)で分離分割された微細固体粒子が直接
に、第二発明においては、第二流動床反応器(10)で
廃液処理の役目を終わった微細固体粒子が、導管(1
3)を介して熱交換器(14)に送られ、この熱交換器
(14)は、多管状又はコイル状の浸漬管を備えた公知
の熱交換器で良く、微細固体粒子の温度の約850〜1
100°F(約454.4〜593.3℃)で操作され
る。ここで高圧水蒸気が発生されて、微細固体粒子の熱
エネルギーが回収される。最初の流動床反応器は、濃縮
パルプ処理廃液の燃焼を80%以上の方が80%以下よ
りも操作し易い利点がある。
【0041】第二流動床反応器で生成された水性ガス
は、空気と共に還元装置中に導入される。この還元装置
は、本質的に攪拌装置を備える熔融塩反応器であって、
熔融塩浴で使用される塩は、パルプ処理廃液の燃焼で生
成されるものである。還元装置は、約1600〜180
0°F(約871〜982℃)の温度で操作され、ここ
では、第二サイクロン(17)で分離された酸化無機塩
粉末と未燃焼炭素質固体粉末が導入され、未燃焼炭素質
固体粉末は、導入空気により燃焼すると共に一部は、還
元用の水性ガスの原料ともなり、一方、第二流動床反応
器からの水性ガスも一部は燃焼され残部は酸化無機塩の
還元に使用される。還元反応は、本質的に吸熱反応であ
る為に、還元装置の温度を前記高レベルの温度に保持す
るのに必要とされる熱を、前記未燃焼炭素質固体の燃焼
と前記水性ガスの燃焼とにより供給される。クラフト廃
液又は亜硫酸廃液の場合、還元装置から出る塩は、実質
的に硫化ナトリウムと炭酸ナトリウムであり、少量の硫
酸ナトリウムを伴う。必要に応じ、冷却及び固化の後、
反応容器中で水と混合して緑液を生成させる。更に、石
灰を緑液に加えて、存在する炭酸ナトリウムを実質的に
水酸化ナトリウムに変換させ、生成した不熔性炭酸カル
シウムを濾過除去した後に生成する生成物は通常の白液
であって、これは、クラフトパルプ処理法に再使用出来
る。
【0042】第二サイクロン(17)から分離されたガ
ス成分及び還元装置から出るガス成分は、エコノマイザ
ー又は標準的熱交換器に通して残留熱をガスから取り出
した後、大気中に放出される。放出ガスは、大部分が二
酸化炭素と窒素であり、大気を汚染する物質を含有せ
ず、ただ恐らく極めて微量の二酸化硫黄を含有すること
があるが、これは慣用の手段により除去することが出来
る。
【0043】煙道ガスの一部をコンプレッサで圧縮して
前記熱交換器(14)の底部に送られて微細固体粒子の
熱回収用の流動化用ガスとしかつ、この熱交換器(1
4)から更に導管(34)を介して第二流動床反応器
(10)に対して流動化用ガスとして供給される。
【0044】
【作用】本発明は、第一発明と第二発明に共通な最初の
流動床反応器(3)が、ナック等の米国特許第4,08
4,545号公報に示される流動床反応器によるもので
あるが、これは、微細固体粒子と粗大固体粒子とより成
る不活性流動床材料からなり、これにより濃縮パルプ処
理廃液を燃焼して、約700℃に加熱された微細固体粒
子と、燃焼固体混合物成分(未燃焼有機物成分粒子と、
硫酸塩、炭酸塩を主成分とする無機固体成分粒子の混合
物)と、燃焼ガス成分(主として二酸化炭素、窒素、水
分の混合物)とが、流動床反応器(3)の頂部から排出
され、これら排出成分粒子は、分離装置、例えば、サイ
クロン(7)により、前記微細固体粒子と、前記燃焼ガ
ス成分と燃焼固体混合物成分とに分離分割出来たこと
に、発明の本質的な基礎を置くもので、この様な分離分
割が可能なことは、ナック等の特許に開示される記載か
らは、予期出来ないことであって、この分離分割が可能
とされた流動床反応器の作用は、次の様に想定される。
【0045】本発明に使用される流動床反応器は、処理
されるパルプ処理廃液の量により、これに必要とする空
気量を算出し、この空気量と燃焼ガス量とから必要な表
面速度を付与して、燃焼温度を約700℃に保持するの
に必要な微細固体粒子の循環量を算出し、これらの計算
要素から必要な流動床反応器の寸法を算出して設計され
ている。
【0046】これらの流動床材料で構成される流動床反
応器は、毎秒約30フィート(約9.14m)という表
面速度(Superficial Velocity)
のガス速度により流動化される。この速度において、微
細固体粒子は、空気流れに運ばれて同伴流動床を形成
し、高度に膨張されて流動床反応器の略全空間領域を充
満する。粗大固体粒子は、同伴されず、流動床反応器の
底部近傍における限られた空間領域に保持される濃密流
動床を形成する。
【0047】混在粒子の攪拌運動は、濃密流動床中に導
入された気体反応体と固体反応体との間の充分な混合と
緊密な接触とを齎し、表面速度が異常に高くなっても、
混在床粒子は、空気流れの主方向における固体粒子の運
動を実質的に阻止する。従って、固体粒子は、充分な時
間に亙り濃密流動床中に保持されて、パルプ処理廃液中
の有機物成分の大部分が、この濃密床領域で、粗大固体
粒子の薄い表面層として保持されつつ、流動化状態で燃
焼された後に、流動床粒子の混合作用により、流動可能
な粒子に磨砕されて、順に前記同伴流動床内に搬出さ
れ、この磨砕された燃焼固体生成物粒子は、微細固体粒
子よりも分離装置、例えば、サイクロン中の沈降速度が
充分に小さく、従って分離分割が可能とされたと想定さ
れる。
【0048】約700℃の微細固体粒子は、第二流動床
反応器(10)で追加の濃縮パルプ処理廃液と共に微細
粒子の自己熱により非酸化雰囲気で反応させられる。流
動用のガスは(窒素、二酸化炭素、水分)より成る廃棄
煙道ガスより得られ、このガスはコンプレッサ(32)
と熱交換器(14)を介して約500℃にて第二流動床
反応器(10)の底部より導入される。
【0049】第二流動床反応器(10)よりの微細固体
粒子は、約500℃であり、熱交換器(14)に送ら
れ、ここの熱コイル(15)に最初の流動床反応器
(3)より受けた熱エネルギーを放出して、高圧水蒸気
としてプラントボイラー用に使用される。熱エネルギー
を放出した微細粒子は、再び最初の流動床反応器(3)
の底部に戻されて循環される。第二流動床反応器(1
0)よりの約500℃の還元性ガスは還元装置(19)
に送られる。
【0050】前記サイクロン(7)で分離分割された約
700℃の燃焼ガス成分と、燃焼固体生成物粒子とは、
第2の分離装置、例えば、第二サイクロン(17)によ
り燃焼ガス成分(窒素、二酸化炭素、水分)と燃焼固体
生成物粒子(未燃焼有機物、硫酸塩、炭酸塩)の2部分
に分離分割される。
【0051】還元装置(19)において、前記約700
℃の燃焼固体生成物粒子(未燃焼有機物、硫酸塩、炭酸
塩)と第二流動床反応器(10)よりの前記約500℃
の水性ガス、即ち還元性ガスと空気が導入され、未燃焼
有機物と還元性ガスと空気とによる燃焼熱により、吸熱
還元反応に必要な約900℃の温度を与えて操作され、
硫酸塩は硫化塩に還元される。還元反応は熔融塩中で攪
拌下に行われる。
【0052】熱交換器(21)でサイクロン(17)か
らの約700℃の燃焼ガスと還元装置(19)からの約
900℃のガスより成る煙道ガス(窒素、二酸化炭素、
水分、微量の二酸化硫黄)から熱を回収し、環境に適応
する約400℃まで低下される。かくして、第一発明に
より、各種のパルプ処理廃液から熱エネルギー有価物が
連続的かつ効率的に回収され、更に第二発明により、一
体化方法で前記熱エネルギーと共に化学有価物が連続的
かつ効率的に回収出来る。
【0053】
【実施例】本発明の実施例を、添付図面を参照して、好
適実施態様のクラフト黒液の回収に応用する一体化方法
として以下説明する。本発明は、他のパルプ処理廃液、
例えば亜硫酸法又はソーダ法パルプ処理廃液の回収にも
応用出来ることを了解すべきである。
【0054】実施例1 製紙プラントにおいて、木材をパルプ処理する際に、廃
液として除去されるクラフト黒液は、通常14重量%程
度の固形物を含有する比較的に低い固形物濃度である。
本発明を実施する際に、この黒液を少なくとも約50%
の総固形物含有量、好適には約50〜100重量%の固
形物、特に好適には約60〜85重量%の固形物までの
濃度とする。これは、多重効用缶(1)により、パルプ
処理操作から出たクラフト黒液を処理して、多量の水を
除去しかつ全固形物含有量を増加させることにより達成
出来る。
【0055】多重効用缶(1)からの流出液は、約65
重量%の総固形物含有量を有し、かつ約150〜200
°F(約65.5〜93.3℃)好適には約180°F
(約82.2℃)まで高められた温度を有し、これを導
管(2)を介して最初の流動床反応器(3)中に反応器
の下端部近傍から導入する。本発明の一具体例によれ
ば、流動床反応器(3)は、1978年4月18日付け
で特許認可されたナック等の米国特許第4,084,5
45号公報に開示された種類の多重固体の流動床反応器
である。この特許公報の第2頁及び適切な記載を参照す
ることが出来る。
【0056】多重固体の流動床反応器(3)は、微細固
体粒子でかつ同伴流出し得る固体粒子としては、−16
+140USメッシュ寸法の固体粒子のスペキュライト
を使用し、粗大固体粒子で同伴されない固体粒子として
は、約−12+16USメッシュ寸法の等重量の砂又は
スペキュライトを使用する。流動床反応器(3)中に
は、更に導管(4)により底部を介して周囲温度又は高
温度の空気を、流量計より制御されて導入する。流動床
反応器(3)に導入する空気と濃縮黒液との量を調節し
て、全炭素分析機により分析した黒液の炭素含有量に基
づき約80〜90%の燃焼率を与える。有機物固体は、
燃焼されると二酸化炭素と窒素と水を生成し、黒液の無
機質は硫酸塩と炭酸塩とに酸化される。炭素を包含する
炭素質物質が、黒液の有機物の不完全燃焼の結果生成す
る。燃焼温度は、約1100〜1400°F(約59
3.3〜760℃)、好適には約1300°F(約70
4.4℃)に流動床反応器(3)内の温度を保持する。
この温度の保持は、後述の様に、前記微細固体粒子を外
部で冷却して循環することにより、反応器の内部冷却に
より達成する。
【0057】空気導入の表面速度を毎秒約30フィート
(約9.1m)に調節して、流動床反応器(3)中で燃
焼により生成した大部分の固体は、微細固体粒子、即ち
微細スペキュライト粒子と同伴される。これら固体混合
物は、流出気体と共に流動床反応器(3)の頂部(5)
から流出する。流出固体混合物を導管(6)を介してサ
イクロン(7)中に移送すると、実質的に大部分の微細
固体粒子は、黒液燃焼により生成した固体と気体との混
合物から分離出来た。気体、これは主として二酸化炭素
と窒素と水分の混合物で、この気体と、黒液燃焼による
固体粉末、即ち硫酸塩と炭酸塩と未燃焼炭素質物質の混
合物粉末、この混合物粉末の実質的に大部分とをサイク
ロン(7)の頂部から導管(8)を介して排出された。
サイクロン(7)の下部からの導管(9)を介して移送
される微細固体粒子は、実質的に流動床反応器(3)の
前記燃焼温度であった。この微細固体粒子を図面の導管
(13)に直接に連結して熱交換器(14)中に移送さ
れる。熱交換器(14)は、慣用のもので良く、内部の
熱コイル中の水分に高温熱エネルギーを放出して高圧水
蒸気を付与する。微細固体粒子は、前記煙道ガスにより
流動されて熱伝達が改善される。微細固体粒子は高温熱
エネルギーを放出して低温となり、最初の流動床反応器
(3)の底部へ導管(16)を介して導入されて循環系
を形成する。この循環される低温微細固体粒子は、流動
床の下部の燃焼温度を内部冷却する重要な作用を演じ、
燃焼温度を前記約1300°F(約704.4℃)に保
持することが可能であった。
【0058】前記サイクロン(7)の頂部から導管
(8)を介して排出される気体と固体粉末は、第二サイ
クロン(17)に導入され、ここで気体と固体粉末が実
質的に完全に分離分割された。気体と固体粉末の成分は
前記した通りである。この固体粉末の成分である硫酸ナ
トリウムと炭酸ナトリウムを主成分とし、小割合の未燃
焼炭素質成分を含み、これは、公知のパルプ処理廃液の
燃焼処理における生成物と実質的に類似するものであ
り、公知方法により適宜化学有価物として回収可能であ
る。例えば、この溶液に石灰(水酸化カルシウム)を添
可して、石膏(硫酸カルシウム)及び炭酸カルシウムの
沈殿を濾過して水酸化ナトリウムの溶液を得ても良い。
【0059】実施例2 実施例1でサイクロン(7)の下部からの導管(9)を
介して移送される微細固体粒子を得る迄は、実施例1と
同じに実施した。得られた微細固体粒子を第二流動床反
応器(10)の底部を介して導入し、この第二流動床反
応器(10)の底部には、更に所定量の黒液を導管(1
1)を介して導入する。別途、煙道ガス(これは大部分
二酸化炭素と窒素と水分である)の一部を導管(20)
から導管(31)を介して取り出し、コンプレッサ(3
2)で圧縮して導管(33)を介して熱交換器(14)
を経て、約900°F(約482.2℃)に予熱されて
導管(34)を介して第二流動床反応器(10)の底部
から導入して床流動ガスとした。かくして第二流動床反
応器(10)中では、非酸化雰囲気下に、高温反応が進
行して所謂水性ガス、これは水素と一酸化炭素の混合物
で、少量の硫化水素、メタン及び残留の二酸化炭素を伴
う、この水性ガスを第二流動床反応器(10)の頂部か
ら導管(12)を介して還元装置(19)に移送した。
水性ガスの温度は約1050〜1350°F(約56
5.5〜732.2℃)であった。黒液の還元分解反応
により無機質物質は、大部分硫化塩に還元されて一部は
水性ガスと共に移送され、残部は、微細固体粒子と共に
導管(13)を介して熱交換器(14)中に移送され、
熱交換器(14)は、慣用のもので良く、内部の熱コイ
ル中の水分に高温熱エネルギーを放出して高圧水蒸気を
付与する。微細固体粒子は、前記煙道ガスにより流動さ
れて熱伝達が改善される。微細固体粒子は高温熱エネル
ギーを放出して低温となり、最初の流動床反応器(3)
の底部へ導管(16)を介して導入されて循環系を形成
する。この循環される低温微細固体粒子は、流動床の下
部の燃焼温度を内部冷却する重要な作用を演じ、燃焼温
度を前記約1300°F(約704.4℃)に保持する
ことを可能とする。
【0060】前記サイクロン(7)の頂部から導管
(8)を介して排出される気体と固体粉末は、第二サイ
クロン(17)に導入され、ここで気体と固体粉末が実
質的に完全に分離分割された。気体と固体粉末の成分は
前記した通りである。固体粉末を第二サイクロン(1
7)の底部から導管(18)を介して還元装置(19)
中へ移送した。還元装置(19)は、通常の標準的な炉
反応器で、最初約2〜3重量部の炭酸ナトリウムと約1
重量部の硫酸ナトリウムとの熔融混合物を含有し、攪拌
装置を備える。前記導入された固体粉末中の未燃焼炭素
質物質は、還元装置(19)において二重の役割を果た
す。これは、潜在的な化学的還元剤として作用して、硫
酸塩やチオ硫酸塩を硫化塩まで還元すると共に、導管
(23)から導入された空気による炭素質物質の燃焼で
燃焼熱を供給する。硫酸塩から硫化塩への還元は、吸熱
反応で、この還元反応を支える熱量は、前記炭素質物質
の燃焼と、前記導管(12)により導入される水性ガス
の燃焼とにより供給される。還元装置(19)は、約1
650°F(約898.8℃)の温度で操作される。勿
論、水性ガスも還元反応に預かる。
【0061】還元塩は、導管(27)を介して還元処置
(19)の下部から取り出され、この段階において還元
固体は、硫化塩、炭酸塩及び少量の未還元硫酸塩(ナト
リウムとカルシウム塩)からなり、容器(28)中に導
入され、導管(29)を介して水を添加して緑液を形成
する。緑液は、導管(30)を介して取り出され、慣用
の手段により白液に変換され、この白液は、パルプ処理
工程に返送される。
【0062】還元装置(19)の反応により発生するガ
スは、大部分二酸化炭素と窒素と水分で、導管(24)
を介して煙道ガスとして大気中に放出する。前記第二サ
イクロン(17)から導管(20)を介して分離された
気体(大部分二酸化炭素と窒素と水分からなる)は、前
記還元装置(19)からのガスと共に、通常の熱交換器
(21)に導入され、導管(22)を介して煙道ガスと
して大気中に放出される。この時の煙道ガスの温度は、
約400℃以下で、微量の二酸化硫黄を含有するが、必
要に応じて通常の手段により除去することが出来る。
【0063】実施例3 実施例2の方法を反復したが、ここでは、クラフト黒液
を多重効用缶(1)により総固形物含有量を約67.5
%まで濃縮した後、最初の流動床反応器(3)中に毎時
110〜130ポンド(41.06〜48.52kg)
で変化する供給速度で注入した。流動床反応器(3)に
は、微細固体粒子として−16USメッシュのスペキュ
ライトと、粗大固体粒子として約−12+16USメッ
シュの磨砕鉄鉱石とを充填した。流動床反応器(3)に
おける燃焼温度は約1280〜1360°F(約69
3.3〜737.7℃)の温度に保持し、流動床反応器
(3)の底部(4)に約82scfmの速度で空気を導
入した。約10時間に亙り実施した実験において、約7
15ポンド(266.9kg)のクラフト黒液が、流動
床反応器(3)中に供給された。この試験における炭素
利用率は、約69〜90%の範囲であった。その他の試
験の詳細は、実施例2の記載と同様にした。
【0064】実施例4 実施例2の方法を反復したが、ここでは、クラフト黒液
を多重効用缶(1)により総固形物含有量を約67.5
%まで濃縮した後、最初の流動床反応器(3)中に毎時
105ポンド(39.2kg)の平均供給速度で注入し
た。流動床反応器(3)には、微細固体粒子として−1
6USメッシュのスペキュライトと、粗大固体粒子とし
て約−12+16USメッシュの磨砕鉄鉱石とを充填し
た。流動床反応器(3)における燃焼温度は約1270
〜1300°F(約687.7〜704.4℃)の温度
に保持し、流動床反応器(3)の底部(4)に約83s
cfmの速度で空気を導入した。約1時間25分に亙り
実施した実験において、約140ポンド(52.3k
g)のクラフト黒液が、流動床反応器(3)中に供給さ
れた。この試験における炭素利用率は、約70〜90%
の範囲であった。その他の試験の詳細は、実施例2の記
載と同様にした。
【0065】本発明は、上記記載から当業者に了解出来
る様に、クラフト黒液以外のパルプ処理廃液を使用する
場合、上記実施例の詳細を、各種廃液の化学組成を考慮
して若干変更させることが出来る。例えば、ソーダ法パ
ルプ処理廃液から有価物を回収する為に、本発明の方法
を使用する場合は、導管(9)から出る物質を直接に熱
交換器(14)中に通し、それにより第二流動床反応器
(10)と還元装置(19)とを省略する。サイクロン
(17)から出る煙道ガスの一部を熱交換器(14)に
循環し、流動化用ガスとして使用させる。廃ソーダ液の
処理においては、廃ソーダ液中の有機物の完全燃焼を与
える様な条件下で流動床反応器(3)を操作することが
望ましいであろう。
【0066】
【発明の効果】従来、パルプ処理廃液を冷却管による冷
却流動床反応器で処理する方法は、局部過熱、腐蝕及び
管の詰まり等の問題の為に実用化に成功していない。然
るに、本発明に係る基本方法によると、微細固体粒子と
粗大固体粒子の二種の床材料を使用する流動床反応器に
より、微細固体粒子を外部熱交換器を介して循環させて
流動床反応器を内部冷却して、パルプ処理廃液を約70
0℃の一定温度で燃焼処理し、かつ流動床反応器の外部
の分離装置、例えば、サイクロン分離器により、化学有
価物を回収出来る固体塩粉末と、高温熱エネルギーを回
収出来る微細固体粒子に分離分割出来、かくして従来公
知のトムリンソン法の熱エネルギーの回収より相当大き
な、50%以上の回収率で回収出来る製紙工業に有利な
パルプ処理廃液の処理方法を提供可能とする。更に好適
な実施態様により、一体化方法とその装置を提供した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のパルプ処理廃液の一体化処理方法の工
程図である。
【符号の説明】
1・・・多重効用缶 3・・・流動床反応器 5・・・反応器頂部 7・・・サイクロン 10・・第二流動床反応器(又は気化器) 14・・熱交換器 15・・熱コイル 17・・サイクロン 19・・還元装置 21・・熱交換器 28・・容器 32・・コンプレッサ
フロントページの続き (72)発明者 ウェイン・イー・バランティン アメリカ合衆国、オハイオ州 43209、コ ロンブス・パーク・ドライブ 614番地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプ処理廃液からエネルギーおよび化
    学有価物を回収する方法において、 流動床反応器に濃縮パルプ処理廃液を供給し、 前記流動床反応器の流動床材料は、微細固体粒子と粗大
    固体粒子とからなり、前記微細固体粒子と前記粗大固体
    粒子とは、互いに同じ又は異なる不活性材料からなり、
    前記濃縮パルプ処理廃液を、前記濃縮パルプ処理廃液の
    有機物の炭素含有に基づいて所定の燃焼率で、流動床反
    応器中で前記パルプ処理廃液の燃焼により生成する無機
    固体の融点以下の温度で、所定量の空気の導入により流
    動下に燃焼させ、 高温熱エネルギーを含有する前記微細固体粒子の一部
    と、酸化無機塩粉末と未燃焼炭素質固体粉末を含む固体
    燃焼生成物と、ガス生成物との混合物を前記流動床反応
    器の頂部から排出させ、 前記流動床反応器の外で、前記混合物を処理して、微細
    固体粒子と固体燃焼生成物とガス生成物との夫々に分離
    し、 微細固体粒子から熱エネルギーを、通常の熱交換器で回
    収後、前記流動床反応器に戻して前記所定の燃焼温度の
    保持の為に反応器内部を冷却させる循環系を形成し、 前記固体燃焼生成物から常法により化学有価物を回収す
    ることを特徴とするパルプ処理廃液から有価物の回収方
    法。
  2. 【請求項2】 濃縮パルプ処理廃液からエネルギーおよ
    び化学有価物を回収する一体化方法において、 流動床反応器に濃縮パルプ処理廃液を供給し、 前記流動床反応器の流動床材料は、微細固体粒子と粗大
    固体粒子とからなり、前記微細固体粒子と前記粗大固体
    粒子とは、互いに同じ又は異なる不活性材料からなり、
    前記濃縮パルプ処理廃液を、前記濃縮パルプ処理廃液の
    有機物の炭素含有に基づいて80〜90%又はそれ以上
    の燃焼率で、流動床反応器中で流動下に、燃焼により生
    成する酸化無機固体の融点以下の温度で、所定量の空気
    の導入により流動下に燃焼させ、 高温熱エネルギーを含有する前記微細固体粒子の一部
    と、酸化無機塩粉末と未燃焼炭素質固体粉末を含む固体
    燃焼生成物と、ガス生成物との混合物を流動床反応器の
    頂部から排出させ、 流動床反応器の外で、前記混合物を処理して、微細固体
    粒子と、前記固体燃焼生成物とガス生成物との混合物と
    に夫々分離し、 前記分離された微細固体粒子を第二流動床反応器に導入
    し、追加の所定量の濃縮パルプ処理廃液と共に非酸化雰
    囲気下に水分と反応させて水性ガスを発生させて還元装
    置に導入し、 前記第二流動床反応器から順次微細固体粒子を取り出し
    て、熱交換器に導入して高圧水蒸気として熱エネルギー
    を回収し、 前記熱交換器から取り出した微細固体粒子を前記流動床
    反応器の底部に戻して反応器の燃焼温度を前記所定温度
    に保持する為に内部冷却する微細固体粒子の循環を確立
    し、 前記固体燃焼生成物とガス生成物との混合物を前記流動
    床反応器および前記第二流動床反応器の外で処理して固
    体燃焼生成物とガス生成物とに夫々分離し、 前記分離された固体燃焼生成物を、熔融塩の前記還元装
    置に導入して、固体燃焼生成物の未燃焼炭素質固体粉末
    と導入された前記水性ガスとを空気導入により燃焼させ
    て熔融塩還元反応熱を確保しつつ、前記炭素質固体粉末
    と前記水性ガスとにより化学的還元にかけて前記酸化無
    機塩を硫化塩を主とする還元無機塩とし、これよりパル
    プ処理用の化学有価物を回収することを特徴とする濃縮
    パルプ処理廃液から有価物を回収する一体化方法。
  3. 【請求項3】 夫々流量計で制御される濃縮パルプ処理
    廃液と空気とを底部より導入する燃焼手段と、微細固体
    粒子と粗大固体粒子からなり、前記微細固体粒子と前記
    粗大固体粒子とは夫々同じ又は異なる不活性材料からな
    る床材料とを備える流動床反応器と;前記流動床反応器
    の頂部より排出される微細固体粒子を前記流動床反応器
    の外部においてガス生成物及び固体燃焼生成物から分離
    する分離手段と;前記分離された微細固体粒子を流動床
    材料として、追加所定量の濃縮パルプ処理廃液と共に実
    質的に酸素不在の条件下に処理して水性ガスを得る第二
    流動床反応器と;前記第二流動床反応器から取り出した
    微細固体粒子から熱エネルギーを回収して、この微細固
    体粒子を前記最初の流動床反応室の下部に戻す熱交換器
    と;前記ガス生成物および前記固体燃焼生成物とから前
    記固体燃焼生成物を分離する第二分離手段と;前記第二
    分離手段からの前記固体燃焼生成物を熔融無機塩浴中で
    前記水性ガスと空気の導入下に還元反応させる還元装置
    とを備えることを特徴とするパルプ処理廃液から有価物
    の回収の一体化装置。
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