JPH0681010U - 車載電子機器の保護回路装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車載電子機器の保護回路のサージ電圧遮断性
能を向上して電源部の設計耐圧の低下を可能にし、小形
軽量化を図る。 【構成】 ＋電源ライン１１に半導体アナログスイッチ
としてＰ形ＦＥＴ２４を設ける。Ｐ形ＦＥＴ２４のゲー
ト２８をＰＮＰトランジスタ２３と定電圧ダイオード２
５で制御する。ＰＮＰトランジスタ２３のベースは＋電
源ライン１１に並列に挿入した定電圧ダイオード２２に
よって制御する。電源電圧が安全領域のときは、定電圧
ダイオード２５と抵抗器２６の作用によってＰ形ＦＥＴ
２４はオン状態で入力端子１２と出力端子１３が導通し
ている。サージ電圧発生時には定電圧ダイオード２２が
オンし、ＰＮＰトランジスタ２３がオンとなり、Ｐ形Ｆ
ＥＴ２４のゲート電圧とソース電圧がほぼ等しくなって
オフし、＋電源ライン１１が遮断される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は電子機器の保護回路装置に関するものであり、特に自動車等に搭載 される車載電子機器の保護回路装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、蓄電池を電源とする車載電子機器には、エンジンの回転数等の条件によ って規定の１２Ｖ或いは２４Ｖ以上の電圧が加わることがある。この異常高電圧 による破壊を防止するために車載電子機器には保護回路が設けられている。 図２は保護回路を示し、符号１は＋電源ライン、２は蓄電池の＋端子へ接続さ れる入力端子であり、３は電子機器の電源回路へ接続される出力端子である。入 力端子２と出力端子３との間には入力端子２側からヒューズ４、バリスタ５、そ して、チョークコイル６とコンデンサ７によるサージ吸収フィルタと、電源の極 性を逆に接続した場合の破壊を防止するダイオード８が設けられている。

【０００３】 自動車等の電気系統には、エンジンの回転数等の条件により１００Ｖ乃至２０ ０Ｖ程度のサージ電圧が現れることがあるため、バリスタ５により入力電圧を８ ０Ｖ乃至１００Ｖ程度に制限し、比較的長時間の異常高電圧にはヒューズ４を溶 断させて保護する。また、インパルス性のサージ電圧はチョークコイル６とコン デンサ７によって吸収する。そして、電源回路の耐圧を１００Ｖ程度に設計する 対策を行っている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来の車載電子機器は、保護回路のチョークコイルとコンデンサによるサージ 吸収性能に基づいて電源回路の耐圧を１００Ｖ程度に設定しているので、使用部 品が大形化し、電源部の大形化及びコストの上昇を招くことになる。 そこで、保護回路のサージ電圧抑圧性能を向上して電源回路の低耐圧設計を可 能とし、電源部の小形化及びコストの削減を実現するために解決すべき技術的課 題が生じてくるのであり、この考案は上記課題を解決することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、上記目的を達成するために提案するものであり、電子機器の電源 回路へ接続される直流電源ラインに挿入したアナログスイッチと、前記電源ライ ンに並列接続した定電圧ダイオードとからなり、前記アナログスイッチの制御端 子への入力を前記定電圧ダイオードに流れる電流によって制御し、一定以上の電 源電圧で前記アナログスイッチをオフするように構成した車載電子機器の保護回 路装置を提供するものである。

【０００６】

【作用】

電源ラインに挿入した半導体アナログスイッチは、電源ラインに並列接続した 定電圧ダイオードによって制御される。電源ラインに異常高電圧が発生しない場 合は定電圧ダイオードはオフでアナログスイッチはオン状態となり、電子機器の 電源部へ電源が供給される。異常高電圧が発生すると定電圧ダイオードがオンし 、アナログスイッチの制御端子への入力が変化してアナログスイッチがオフし、 電子機器への電源が断たれる。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図１に従って詳述する。同図において符号１１は ＋電源ラインであり、１２は蓄電池の＋端子へ接続される入力端子、１３は電子 機器の電源回路へ接続される出力端子であり、従来例として図２に示したものと 同様に入力端子１２側からヒューズ１４、バリスタ１５、逆接続による破壊防止 用のダイオード１６が設けられている。ダイオード１６の後段にはＮＰＮトラン ジスタ１７，１８、抵抗器１９，２０による定電流回路２１を設け、定電流回路 ２１へ直列に接続した定電圧ダイオード２２が接地されている。定電流回路２１ の後段にはＰＮＰトランジスタ２３、Ｐ形ＦＥＴ２４からなるアナログスイッチ と定電圧ダイオード２５及び抵抗器２６が設けられている。

【０００８】 ＰＮＰトランジスタ２３のベース電圧は、定電流回路２１に接続した定電圧ダ イオード２２によって制御され、コレクタ２７をＰ形ＦＥＴ２４のゲート２８に 接続している。また、ゲート２８には定電圧ダイオード２５から電源電圧が印加 され、抵抗器２６を介して接地している。Ｐ形ＦＥＴ２４のオン／オフ動作の切 換は定電圧ダイオード２２の動作電圧によって設定し、他方の定電圧ダイオード ２５の動作電圧はＰ形ＦＥＴ２４のソース・ゲート耐圧よりも低く設定している 。入力電圧は、バリスタにより８０〜１００Ｖ程度に制限され、当該保護回路で 使用される素子の耐圧を超えないようにしている。

【０００９】 ＋電源ライン１１にサージ電圧が発生していない場合は、定電流回路２１のＮ ＰＮトランジスタ１７はオン，１８はオフであり、アナログスイッチのＰＮＰト ランジスタ２３はオフしている。Ｐ形ＦＥＴ２４のゲート電圧は、抵抗器２６の 作用によってソース電圧より低下しており、Ｐ形ＦＥＴ２４がオンして入力端子 １２と出力端子１３が導通し、車載機器の電源回路に電源が供給される。

【００１０】 ＋電源ライン１１に定電圧ダイオード２２の動作電圧以上のサージ電圧が発生 すると定電圧ダイオード２２がオンし、＋電源ライン１１からグラウンド２９へ 電流が流れてＰＮＰトランジスタ２３のベース電圧が低下し、ＰＮＰトランジス タ２３がオンする。これにより、＋電源ライン１１とＰ形ＦＥＴ２４のゲート２ ８が導通し、ゲート電圧とソース電圧がほぼ等しくなってＰ形ＦＥＴ２４がオフ となり、＋電源ライン１１が遮断されて車載機器の電源回路が保護される。

【００１１】 また、＋電源ライン１１にさらに大きな電圧が加わり、＋電源ライン１１とグ ラウンド２９間に電流が流れ抵抗器２０の電圧が大きくなると、ＮＰＮトランジ スタ１８がオンしてＮＰＮトランジスタ１７に流れる電流を制限するので、定電 圧ダイオード２２に過大電流が流れることが防止される。 尚、本考案は上記一実施例に限定すべきものではなく、例えば定電流回路２１ の構成等は種々の改変ができ、この考案がそれらの改変されたものに及ぶことは 当然である。

【００１２】

【考案の効果】

この考案は、上記一実施例において詳述したように、自動車等の電源系統に発 生するサージ電圧を検出して車載電子機器への電源を切断し、サージ電圧のみを 遮断して車載電子機器への供給電圧を一定値以下に制限する。よって、従来の保 護回路とは異なり、出力端子に異常高電圧が現れる虞れがないので、車載電子機 器の電源部の耐圧を低下させた設計が可能となり、回路設計及び回路部品選定の 自由度が拡大されるとともに、車載電子機器の小形軽量化並びにコストの低下に 寄与できる。また十分な定格のヒューズとバリスタを用いれば、ヒューズが溶断 することもなく、メンテナンスが不要である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の保護回路装置の回路図。

【図２】従来の保護回路装置の回路図。

【符号の説明】

１１ ＋電源ライン １２ 入力端子 １３ 出力端子 ２１ 定電流回路 ２２，２５ 定電圧ダイオード ２３ ＰＮＰトランジスタ ２４ Ｐ形ＦＥＴ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電子機器の電源回路へ接続される直流電
   源ラインに挿入したアナログスイッチと、前記電源ライ
   ンに並列接続した定電圧ダイオードとからなり、前記ア
   ナログスイッチの制御端子への入力を前記定電圧ダイオ
   ードに流れる電流によって制御し、一定以上の電源電圧
   で前記アナログスイッチをオフするように構成した車載
   電子機器の保護回路装置。