JPH068066Y2 - シャツ衿用のサポーター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、例えばニットのシャツやＹシャツ、カッター
シャツ、ホンコンシャツ等の台衿付きのシャツにおける
衿ないし台衿の形状を均斉に保持させるためのシャツ衿
用のサポーターに関する。

〈従来の技術〉 前記シャツ類の衿ないし台衿の形状を均斉に保持させる
ためのシャツ衿用のサポーターとしては、例えば実開昭
６２−１９４５８４号公報に記載されているものが知ら
れている。その構造は、一般に同公報中の第１図にも示
されているように、可撓性の１枚の薄板により、略々中
間部において適宜の角度をもって逆「へ」の字形に形成
された短冊部の一端側先端から突出した突片を挿入する
ための複数の切れ目が、該短冊部の他端近傍に該短冊部
の長手方向に一定間隔をおいて並列形成されている。

そして使用に当たっては、前記突片を適当な切れ目へ差
し込んで台衿の内面に沿わせ、或は該台衿と外側の羽根
衿との間に挿入するものである。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし前記サポーターの材料は、可撓性かつ適宜の弾性
を有しているため、前記切れ目に差し通された突片は逆
方向の弱い力を受けても簡単に該切れ目から抜け出てし
まうばかりでなく、該突片が通された切れ目から先端ま
での部分は自己の弾性により短冊部に沿って自然に湾曲
することはなく、むしろ該短冊部から斜め直線状に突出
する傾向がある。従って、シャツの衿首部分への装着の
際には、前記抜け出しを防止すべく注意しつつ操作せね
ばならず、また無事装着後も端部の直線状突出のためサ
ポーターの座りが悪く、見苦しい状態となる恐れがあっ
た。

従って本考案の課題は、シャツ衿首部分への装着には、
一端部の突片が他端部の切れ目から抜け出す恐れなく簡
単に操作でき、しかも装着後は係合部位から該両端部の
何れも直線状に突出する恐れのないシャツ衿用のサポー
ターを提供することにある。

〈課題を解決するための手段〉 この課題を解決すべく、本考案のシャツ衿用サポーター
は、ポリエチレン等の合成樹脂シート或はセロファン
等、適宜の可撓性を備えた１枚の薄板の裁断プレスによ
り、横長に形成された短冊部の一端側先端から突出した
第１突片を挿入するための多数の切れ目が、該短冊部の
他端近傍に該短冊部の長手方向に間隔をおいて並列形成
されてなるサポーターにおいて、前記一端側先端の手前
位置に略々コ字形の切込み（後記の如く「切抜き」も含
む）に囲まれた第２突片が前記第１突片とは逆の方向へ
該短冊部から弾性的撓曲持上げを可能に形成されている
と共に、これら第１突片及び第２突片の基部間の間隔
が、隣接した２つの前記切れ目間の間隔よりも大であ
り、第１突片を１つの切れ目に最も深く挿入した状態に
おいて第２突片の先端が、他の切れ目に係合される寸法
に形成されている形状としたものである。

〈作用〉 本考案のサポーターの使用に当たっては、先ず短冊部一
端側の第１突片を短冊部他端側の１つの切れ目に最も深
く挿入して該一端側の第２突片の先端を短冊部他端側の
他の切れ目へ係合させればよく、これにより前記短冊部
の一端側は弾性的に姿勢を復元し、他端側に沿った形状
を呈することになる。この状態においては、第１及び第
２の突片が夫々別の切れ目へ係合しているため、しか
も、これ両突片の長さが隣接した２つの切れ目の間の距
離よりも若干長い目であるから、シャツ衿首部分への装
着後において前記一端側が他端側に対し撓曲しない程度
で相対的に摺動しても、何れの突片も切れ目から抜け出
る恐れはない。シャツ購入者が、該シャツ着用のため該
サポーターを衿首部分から取り外すには、前記第２突片
部分を第１突片側へ向け引き寄せつつ少し撓曲させるこ
とにより該第２突片を切れ目から抜き出せばよい。これ
によって第１突片は、それまで係合していた切れ目から
簡単に引き抜くことができる。

〈実施例〉 以下図面を参照しつつ本考案の実施例を説明すると、第
１〜４図に示した第１実施例では、可撓性の１枚の薄板
により、略々中間部において適宜の角度をもって逆
「へ」字形に形成された短冊部(3)の一端側(3a)先端か
ら第１突片(1)を突出形成してある。該第１突片(1)を挿
入するための複数の切れ目(2)，(2)…が、該短冊部(3)
の他端近傍(3b)に該短冊部(3)の長手方向に一定間隔(Y)
をおいて並列形成してある。

そして前記一端側(3a)先端の手前位置には略々コ字形の
切込み(4a)に囲まれた第２突片(4)が前記第１突片(1)と
は逆の方向へ突出する状態に、かつ弾性的撓曲により前
記該短冊部(3)からの持上げを可能に形成されている。

前記第１突片(1)及び第２突片(4)の長さは、隣接した２
つの前記切れ目(2)，(2)間の前記一定間隔(Y)よりも大
である。第１突片(1)を１つの切れ目(2)に最も深く挿入
した状態、つまり、該突片(1)の基部に連なる短冊部(3)
の短辺(3c)が切れ目(2)の横の短冊部(3)の部位(3d)へ接
当する状態、において第２突片(4)の先端は、他の内側
（即ち短冊部(3)の中央「へ」字形部分に近い側）およ
び外側の２つの切れ目(2)，(2)の中間もしくは該内側の
切れ目(2)のほうに近い位置を占める寸法とされてい
る。

次いで前記第２突片(4)とその近傍部分を弾性的に撓曲
させつつ、前記内側の切れ目(2)へ嵌合させれば、前記
短冊部(3)の一端側(3a)は弾性的に姿勢を復元し、他端
側(3b)の内面に沿い彎曲した形状を呈する。この状態に
おいては、第１突片(1)及び第２突片(4)が夫々別の切れ
目(2)，(2)へ係合しているから、前記一端側(3a)が他端
側(3b)へ２点において支持され、当該サポーターは全体
としてシャツ衿首部分の形状に則した環状形を、第２〜
３図示の如く安定して保持することになる。

このように組み立てたサポーターは、第４図のようにシ
ャツ(S)の衿首部分へ装着される。即ち、短冊部(3)の中
央の舌片(5)，(5)（第１図）を縦横の切込み(5a)，(5a)
（第１図）から夫々少し曲げ、これら舌片を、シャツ
(S)の前身頃(M)と後身頃(U)の上部内面へ当て、他の環
状部分は台衿(D)の内面に添わせる。これにより、該衿
首部分は消費者により購入使用されるまでの間、第４図
上下方向の圧力により変形する恐れなくその正常な形状
を保つことができる。尚、第４図中の符号(H)は台衿(D)
から外側へ折り返した羽根衿である。

シャツ購入者が当該サポーターを外すには、短冊部(3)
の弾性を利用して大きく屈曲させれば、サポーター組立
て状態を解除せずに衿首部分から取り除くことも可能で
あるが、先ず第３図矢印(T)の如く前記短冊部(3)の一端
側(3a)の第２突片(4)部分を第１突片(1)の方向へ押圧し
て少し弾性変形させ、環状の直径を小さくしつつ切れ目
(2)から抜き、次いで該一端側(3a)を他端側(3b)から離
す方向(W)へ引けば、第１突片(1)も切れ目(2)から抜く
ことができるので前記組立て状態を解除して当該サポー
ターを外してもよい。

第５〜６図に示した第２実施例では、前記第１実施例に
おける「切抜き」状の切れ目(2)に代え「切込み」状の
切れ目(2)を刻設した点が異なっているが、その他の点
では同様である。尚、舌片(5)は短冊部(3)の中央と各端
部との間に位置させてあるので、舌片を台衿(D)下方の
身頃内面へ接当して使用するタイプとなっている。

第７〜８図の第３実施例が第１実施例と異なる点は、折
り曲げ舌片(5)を設けていない点、短冊部(3)の中央に、
シャツ最上部ボタン(B)の止め糸を嵌合させるための凹
部(6)を設けた点、及び第２突片(4)を区画形成する切込
み(4a)を打抜き法で形成し「切抜き」状のものとした点
である。この場合には、台衿(D)と羽根衿(H)の間へ当該
サポーターを挿入して使用するが、各部の作用等は前２
例と同様である。

やはり折り曲げ舌片を欠いた構成の第９図の第４実施例
が第２実施例と異なる点は、短冊部(3)の全体形状を略
直線状に形成し、短冊部(3)の中央にボタン係合用の浅
い彎入部分(3e)を設けた点であるが、使用方法は第３実
施例と同様である。

以上の本考案実施例に対しては、例えば第７図のものに
おいて、短冊部中央の幅を広くし台衿(D)内面への取付
に適した形状とする等々の各種改変を加えることもでき
る。

〈考案の効果〉 本考案のシャツ衿用のサポーターは、前記第２突片を従
来のものに追加するという簡潔な構成であるから、従来
と同じプレス裁断法により簡単かつ安価に製造できるの
みならず、該サポーターを環状形に組立てる際には、一
端部の第１突片が他端部の切れ目から抜け出す恐れなく
第２突片を他の切れ目へ嵌合させることができ、しかも
シャツ衿首部分への装着後は係合部分から先の該両端部
分の何れもが直線状に突出することなく２点において互
いに緊密に重なり合った状態（即ち、前記短冊部一端側
が他端側の内面に沿い重合した状態）を保つから、サポ
ーター本来の機能を一層確実に発揮させることができる
と共に、商品の美観をも向上できるという二重の効果を
奏出するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１実施例の平面図、第２図は同じく組立て後
の斜視図、第３図は第２図中のIII−III線に沿った断面
図、第４図は使用状態の斜視図、第５図は第２実施例の
平面図、第６図は同じく組立て後の斜視図、第７図は第
３実施例の平面図、第８図は同じく使用状態の斜視図、
第９図は第４実施例の平面図である。 図中(1)は第１突片、(2)は切れ目、(3)は短冊部、(3a)
は一端側、(3b)は他端側、(4)は第２突片、(4a)は切込
み（切抜き）、(Y)は一定間隔である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】可撓性の１枚の薄板により、横長に形成さ
   れた短冊部(3)の一端側(3a)先端から突出した第１突片
   (1)を挿入するための多数の切れ目(2)，(2)…が、該短
   冊部(3)の他端側(3b)に該短冊部の長手方向に間隔(Y)を
   おいて並列形成されてなるサポーターにおいて、前記一
   端側(3a)先端の手前位置に略々コ字形の切込み(4a)に囲
   まれた第２突片(4)が前記第１突片(1)とは逆の方向へ該
   短冊部(3)からの弾性的撓曲持上げを可能に形成されて
   いると共に、これら第１突片(1)及び第２突片(4)の基部
   間の間隔が、隣接した２つの前記切れ目(2)，(2)間の間
   隔(Y)よりも大であって、第１突片(1)を１つの切れ目
   (2)に最も深く挿入した状態において第２突片(4)の先端
   が、他の切れ目(2)に係合される寸法に形成されている
   シャツ衿用のサポーター。