JPH0680163U - 大気遮断型粘度計 - Google Patents

大気遮断型粘度計

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JPH0680163U
JPH0680163U JP2192993U JP2192993U JPH0680163U JP H0680163 U JPH0680163 U JP H0680163U JP 2192993 U JP2192993 U JP 2192993U JP 2192993 U JP2192993 U JP 2192993U JP H0680163 U JPH0680163 U JP H0680163U
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善曠 加藤
剛夫 石塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】大気遮断型の粘度検出端に含まれるロータ回転
数を非常に大きくしても、粘度を測定するサンプル流体
へ混入しない、取扱いの容易な大気遮断型粘度計を提供
する。 【構成】大気遮断された粘度検出端構造は、回転する円
錐状ロータ1と、粘度計外筐28に着脱可能に密着さ
れ、シール液26aを溜めることができる円周溝25a
を有する円周状のシール槽25と、粘度計外筐28下部
に、円錐状ロータ1とシール槽25とを収納するように
着脱可能に密着され、その内底部の平面部22aと円錐
状ロータ1の円錐部21との間に、粘度を測定するサン
プル流体2を介在させるサンプルカップ22とから構成
される。 【効果】大気からの遮断を行なうシール液を溜める溝
は、ロータから切り離されているため、従来のように、
ロータが高速回転しても、シール液が飛散して、サンプ
ル流体に混入することがなく、気密性を保持することが
でき、大気から影響を受けやすいサンプル流体に対し
て、安定な条件下で、正確に粘度を測定できる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、回転粘度計等の粘度計に係り、特に、粘度検出端を大気から遮断し た大気遮断構造を有する粘度計に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転を利用して、少量、例えば、1〜2mlのサンプル流体の粘度を計測する 粘度計としては、大きく分けて定ずり速度方法粘度計と定応力方法粘度計の2種 類がある。
【0003】 定ずり速度方法粘度計は、図2にその測定原理が示されるように、回転する円 錐状ロータ1と固定された平板3とから構成され、それらの間に粘度を測定する サンプル流体2を介在させる粘度検出端10を有する。さらに、円錐状ロータ1 は、それを回転駆動する垂直駆動軸20に接続され、その駆動軸20には、一端 に指針8を、他方に円板状の目盛板7を取付けた応力バネ6が接続される。さら に、応力バネ6には、その目盛板7側に、変速機5とを介して、定速度で回転す る同期電動機4が、直列に接続される。
【0004】 測定時には、同期電動機4によって、応力バネ6を介して、円錐状ロータ1を 回転させ、予め設定されたずり速度をサンプル流体2に与える。その時、サンプ ル流体2の粘度に関係する抵抗力に応じて、応力バネ6がねじられ、そのねじれ 角度が応力バネ6の両端に固着されている指針8と目盛板7によって表示される 。
【0005】 定応力方法粘度計は、図3に示すように、上記粘度計と同様に、回転する円錐 状ロータ1と固定された平板3とから構成され、それらの間に粘度を測定するサ ンプル流体2を介在させる粘度検出端10を有する。さらに、本粘度計は、微小 で非破壊的な、予め定めた一定のずり応力を円錐状ロータ1に与えるトルク制御 された電動機14と、電動機14の回転軸に固着され、サンプル流体2に与えら れた応力に対して生じたずり速度を測定する光センサ15と、それを利用した高 分解能をもつ光学タコメータ16とを有する。
【0006】 この粘度計は、測定時に、トルク制御された電動機14によって与えられた一 定応力に対し、サンプル流体2の粘度に応じて生じたずり速度を計測し、その粘 度を決定するものである。
【0007】 以上のような原理の粘度計において、サンプル流体が、揮発性溶剤を含む塗料 や石油類等の場合や、血液等の生体液等の場合は、そのサンプル流体を含む粘度 検出端を、大気から遮断する必要がある。これは、サンプル流体中に含まれる揮 発性溶剤が大気中に蒸発したり、または、サンプル流体が大気中の水分を吸湿し たり、さらに、それが生体液などの場合は、大気に接触して容易に変質してしま うからである。
【0008】 大気遮断型の検出端を有する粘度計の一例としては、実公平5−2843号公 報に述べられている粘度計が挙げられる。この検出端構造は、図4の拡大断面図 が示すように、粘度を測定するサンプル流体2をそれらの間に介在させる円錐状 ロータ1と平板3とを有する。円錐状ロータ1は、垂直駆動軸20が接続され、 その上部に、大気との遮断を行なうシール液26a等の液体を溜めることのでき る円周溝40を有する。
【0009】 さらに、この粘度計では、一方の端面が平板3に密着し、他方の端は円錐状ロ ータ1の駆動軸20を挿通する孔42を形成するとともに、その全周が下方に突 出して、シール液26a内部に浸される円周端構造をもつカバー41を有する。
【0010】 ここで、カバー41とシール液26aは、円錐状ロータ1、サンプル流体2お よび平板3とから構成される検出端10を大気から遮断する。したがって、大気 から影響を受けやすいサンプル流体2でも、その粘度を正確に測定することがで きる。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記構造を有する大気遮断型の粘度検出端では、その円錐状ロータの 回転速度が、非常に大きくなると、ロータ上部に設けられた円周溝に貯留された シール液が、ロータとともに回転する。その回転が速くなると、その遠心力によ って円周溝から外側へ漏れだしたり、飛散したりすることがある。すると、シー ル液が、サンプル流体へ混入する可能性があり、混入した場合には、正確な粘度 測定ができなくなる。
【0012】 本考案の目的は、大気遮断型の粘度検出端に含まれるロータ回転数を非常に大 きくしても、粘度を測定するサンプル流体へ混入しない大気遮断型粘度計を提供 することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、ロータと、ロータを回転する駆動軸と、被計測流体を貯留するサ ンプルカップとを有する粘度計において、前記サンプルカップと、ロータの周り を囲み、上部にシール液を溜める液溜めを有する検出端容器と、溜められたシー ル液中に、先端部全周が浸されるよう前記駆動軸に取付けられた仕切板とを有し 、検出端容器と、シール液と、仕切板とによって、前記ロータを収納する容器内 部の空間を、大気から遮断することを特徴とする大気遮断型粘度計において達成 することができる。
【0014】 本考案において、粘度測定方法としては、定ずり速度方法または定応力方法の いずれでもかまわない。計測においては、大気から遮断された空間で、サンプル 流体をサンプルカップ底部とロータとの間に介在させ、駆動軸を回転し、ロータ を回転させる。この回転状態を、駆動軸に接続された粘度計本体部によって、測 定し、粘度を決定するものである。
【0015】
【作用】
本考案の粘度計において、ロータに取付けられている仕切板は、シール液中に 、その突出部全周を浸しながら、ロータとともに回転する。そのため、回転中に おいても、シール液と仕切板によって、検出端容器の内部空間は、大気から遮断 される。
【0016】 さらに、シール液を貯溜している検出端容器は、回転するロータと切り離され ているため、従来技術のように、ロータ回転の遠心力による影響はなく、シール 液が、被計測流体に混入することがない。
【0017】 したがって、ロータを高速回転させても、被測定流体を大気から遮断した状態 のままで、正確に粘度を測定することができる。
【0018】
【実施例】
本考案を適用した一実施例を、図1および図7を用いて以下に説明する。図1 は、本実施例の粘度検出端およびその大気遮断構造を示す拡大断面図、図7は、 その検出端を構成する部品の展開図である。
【0019】 図1および図7において、大気を遮断する粘度検出端構造は、回転する円錐状 ロータ1と、粘度計外筐28に着脱可能に密着され、シール液26aを溜めるこ とができる円周溝25aを有する円周状のシール槽25と、円錐状ロータ1を収 納するように粘度計外筐28下部に、着脱可能に密着され、その内底部の平面部 22aと円錐状ロータ1のロータ円錐部21との間に、粘度を測定するサンプル 流体2を介在させるサンプルカップ22とを有する。
【0020】 円錐状ロータ1は、図7に示すように、一方にロータ円錐部21と、この円錐 部21を支持するロータ支持部1aとを有する。ロータ支持部1aは、ねじが切 られているねじ孔1bを形成する。ロータ支持部1aは、ロータ駆動軸20とね じ20aによって同心軸上に連結され、ロータ駆動軸20と同じ回転中心をもつ ように取付けられる。
【0021】 ロータ駆動軸20は、その下端側に、外周辺に下方への突出部24aが設けら れている仕切板24を有する。ロータ駆動軸20は、その上方で、図示されてい ない粘度計本体の回転駆動源に接続される。
【0022】 シール槽25は、中心軸にロータ支持部1aを挿通する孔25bを有する形状 で、その上面にシール液26aを貯留する円周溝25aを有し、粘度計外筐28 下部内面に設けられたシール槽装着部27にバヨネット方式等で、着脱可能に密 着される。
【0023】 シール槽25の密着位置は、その円周溝25aに溜められたシール液26a中 に、駆動軸20に取付けられた仕切板24の突出部24a全周が、その円周溝2 5aの底部25cまたは側面25dに接触しないよう浸した位置である。このよ うに取付けられたシール槽25と仕切板24とシール液26aとによって、シー ル槽25の上下空間が仕切られる。さらに、サンプルカップ22を、粘度計外筐 28下部のサンプルカップ装着部28aに装着することで、サンプル流体2を、 ロータ支持部1aと平面部22aとの間に介在させている検出端を含むサンプル カップ22の内部空間を、大気から遮断する。
【0024】 サンプルカップ22は、その密閉された内部に雰囲気ガス導入、排出すること ができる開閉可能なバルブ29aおよび30aを備えた通気管29および30を 外周面に設けることもできる。
【0025】 本実施例を使用するには、図7に示された状態で分解されている検出端および 大気遮断構造を組み合せることから始める。
【0026】 最初、ロータ駆動軸20に装着されている仕切板24の突出部24a全周がシ ール液26a中に浸されるように、シール液26aを円周溝25aに溜めたシー ル槽25を、シール槽装着部27に密着する。
【0027】 シール液26aとしては、サンプル流体2と関係なく、任意に選択することが できる。しかし、粘度測定時は、シール液26a中を、仕切板24が円錐状ロー タ1とともに回転するので、回転によって発生する抵抗を低くするため、シール 液26aとしては、通常、粘性の低い液体を使用する。さらに、使用するシール 液26aによる粘度抵抗を予め測定しておき、実際の粘度測定時または測定後に 、適宜な方法によって補正する。
【0028】 次に、密着されたシール槽25の下方から、ロータ支持部1aを、そのねじ孔 1bとロータ駆動軸20のねじ20aとを結合させることによって、接続する。
【0029】 最後に、粘度を測定するサンプル流体2を少量、例えば、1〜2ml内底部2 2aに注入したサンプルカップ22を、サンプルカップ装着部28aに密着し、 サンプル流体2とロータ支持部1aとを含むサンプルカップ22内部空間を大気 から遮断する。ここで、図示省略した調整機構を用いて、サンプルカップ22の 装着位置を変化させることによって、その内底部平面部22aと円錐状ロータ1 の円錐部21との間隙距離を調整することができる。
【0030】 遮断空間の密閉度を向上させるために、サンプルカップ装着部28aおよびシ ール槽装着部27の装着面に、密着用のグリースを予め塗布しても良い。
【0031】 サンプル流体2に揮発性溶剤が含まれている場合、その溶剤が発生するのと同 質のガスを導入したり、または、乾燥ガスや不活性ガス等の任意の雰囲気ガスを 導入するため、サンプルカップ22側面に設けられ、通常は閉じている通気管2 9および30のバルブ29aおよび30aを用いることができる。雰囲気ガスの 導入により、利用者が希望する粘度測定雰囲気状態を、迅速に達成できる。バル ブ29aおよび30aを閉じると、その雰囲気状態を保持し、測定時において一 定の安定条件を作り出すことができる。
【0032】 粘度を測定するには、大気から遮断された円錐状ロータ1を回転させる。本考 案は、図2または図3における粘度検出端10に関するものである。したがって 、粘度を測定する方法は、自由に選ぶことができ、測定を希望するサンプル流体 2に、最適の粘度測定方法を用いることができる。
【0033】 以上説明したように、図7に示された構成要素の設定および測定準備作業では 、特別な技術を要しない。そのため、シール液26aやサンプル流体2の補充作 業を、容易にし、良好な大気遮断環境を簡単に形成できるため、大気を遮断して 行なう粘度測定時間を大幅に短縮することができる。
【0034】 別のサンプル流体を測定する場合には、サンプルカップ22を取外し、その内 底部22aに溜っている測定を終了したサンプル流体を清掃紙などで拭き取る。 次に、平面部22aおよびロータ円錐部21を洗浄し、次に計測するサンプル流 体2を注入する。この時、シール液26aの交換または補充を希望する場合には 、ロータ支持部1aとロータ駆動軸20との接続を解除し、シール槽25を粘度 計外筐28から取外し、シール液26aの交換、補充を行なう。最後に、上記に 説明した手順に従い、検出端を組み合わせ、粘度計測を実行する。
【0035】 本実施例において、シール液26aを溜めるシール槽25は、円錐状ロータ1 から切り離され、粘度計外筐28に固定されているため、回転しない。したがっ て、粘度測定時において、ロータ回転数を大きくしても、遠心力によるシール液 26aの飛散は生じない。
【0036】 この測定時におけるロータ回転による影響を、本実施例と図4の従来例のもの と比較した結果を、図8(本実施例)と図6(従来例)に示す。図8および図6 では、粘度検出端として、それぞれ図1および図4に示される構造の検出端を使 用した。その他の実験条件である、粘度測定方法(定ずり速度方法)、サンプル 流体、および、雰囲気状態は、全て同一である。
【0037】 両図に示してあるデータは、ロータ回転数(横軸)を徐々に増加させた後、減 少させていった場合の回転数に対する粘度指度(縦軸)を示している。
【0038】 図4の従来例の粘度計においては、図6に示すように、ロータ回転数が、図中 の矢印に沿って徐々に増加されると、それに対応して応力、つまり、粘度指度が 増加する。
【0039】 しかし、ロータ回転数がある値まで増加すると(この例では約200rpm) 、回転数と粘度指度との関係が、突然不連続になる。これは、シール液が回転遠 心力のため飛散または漏れて、サンプル流体と混ざるため、粘度指度が低下する からである。次に、回転数を減少させていくと、遠心力が減少するためシール液 は、それ以上飛散または漏れない。そのため、図6に示される回転数と粘度指度 関係は、安定しているが、回転数増加時に、サンプル流体にシール液が混入した ため、そのサンプル流体の粘度は、本来の粘度より低下していることを示してい る。
【0040】 本実施例(図1参照)では、シール液26aを溜めているシール槽25が、ロ ータ1と切り離されている。そのため、図8に明確に示されるように、図6で見 られたようなロータを高回転させた場合に生じる粘度測定の不具合を生じない。
【0041】 本考案を適用した他の実施例を、図9を用いて説明する。 本実施例は、通気管29および30を有する上記実施例における大気遮断型検 出端構造を含む粘度計と、雰囲気ガス供給手段とを有する。
【0042】 ここで、図9に示すように、雰囲気ガス供給手段は、サンプル流体から発生す るガスと同質のガス等を発生する揮発液26bを溜めることができる、通気管6 1を有する密閉された容器60と、容器60上部から通気管61を通して、揮発 液26bから発生したガスを送り出し、通気管29を通して検出端構造内部へそ のガスを送りこむガスポンプと、検出端構造のもう一方の通気管30に取付けら れ、ガス排出を制限するストップバルブ62とを有する。
【0043】 測定に際しては、上記と同様に、サンプル流体およびシール液を注入した粘度 検出端構造を設定し、その構造内部空間を大気から遮断する。次に、サンプル流 体の粘度を測定する雰囲気状態を形成するため、容器60内部の揮発液26bか ら発生したガスをガスポンプによって、検出端構造の内部空間へ導入する。検出 端構造内部空間の雰囲気ガスが飽和状態に達し、安定した後、測定を開始する。
【0044】 本実施例では、サンプル流体に含まれる揮発性溶剤から発生するのと同質のガ スを始めとする、任意の揮発液から発生するガスを導入することができる。した がって、大気に接触すると変質して、正確な粘度測定が行なえないサンプル流体 でも、任意の雰囲気状態において、サンプル流体本来の粘度測定が可能となる。
【0045】 また、揮発液26bを溜めた容器60の代わりに、ガスボンベ等を用い、乾燥 ガスや不活性ガスを、雰囲気ガスとして、検出端構造内部に導入することもでき る。
【0046】 本考案を適用した他の実施例を、図5を用いて説明する。 本実施例においては、図5に示すように、シール槽25の構造以外は、全て図 1の実施例と構造と同じである。
【0047】 本実施例のシール槽25は、シール液26aを溜める円周溝25aの外周壁内 に、シール液26a以外の揮発性の液体26bを溜めることができる空洞32と 、そこに溜める揮発液26bを注入し、その液体からの揮発ガスが空洞32外部 に排出される、シール槽25外周壁面に設けられた円周状の貫通孔31とを、さ らに設けている。
【0048】 貫通孔31が設けられているシール槽25外壁とサンプルカップ22内部とは 、接触しない構造となっている。これによって、揮発液26bからの揮発ガスは 、大気から遮断された密閉空間に充満する。揮発液26bとしては、サンプル流 体2が発生するガスと同じ、または同質のガスを発生するものを使用する。
【0049】 測定の際の検出端構造の設定は、図1の実施例と同様である。最初、シール槽 25にシール液26aおよび揮発液26bを補充し、ロータ駆動軸20に取付け られている仕切板24の突出部24a全周がシール液26aに浸されるよう、粘 度計外筐28に密着する。次に、ロータ駆動軸20にロータ支持部1aを接続し 、最後に、サンプル流体2を注入したサンプルカップ22を、粘度計外筐28に 密着して、検出端構造内部の空間を大気から遮断する。
【0050】 一旦、検出端構造の内部空間が大気から遮断した後、バルブ29a、30aを 開放し、シール槽25の空洞32に溜められている揮発液26bおよびサンプル 流体2から発生するガスが、その空間内部にあった大気を置換した後、バルブ2 9aおよび30aを閉じ、雰囲気状態を保持する。
【0051】 空洞32内の揮発液26bの自由液面は、サンプル流体2の自由液面と比べて 面積がはるかに大きいので、揮発液26bから発生するガス量は、サンプル流体 2からの発生ガス量よりも非常に大きい。そのため、サンプル流体2からのガス 発生量は、最小限に抑えることができる。さらに、雰囲気ガスが飽和状態に達す ると、それ以上のガス発生を防ぎ、サンプル流体2の状態を安定させる。
【0052】 このように、雰囲気状態が安定し、サンプル流体2の状態が安定した後、ロー タ駆動軸20を回転させ、任意の測定方法によって粘度を計測する。もちろん、 揮発液26bに加え、サンプルカップ22の側面に設けられた通気管29および 30を用いて、上記実施例のように、雰囲気ガス供給手段を用いて、雰囲気ガス を導入して、検出端内部空間の雰囲気状態を、より迅速に安定させることもでき る。
【0053】 さらに、大気遮断された検出端構造の構成要素は分解可能で、容易に組立るこ とができる構造のため、取扱いが簡単で、測定にかかわる準備時間を、大幅に短 縮することができる。
【0054】 また、任意の雰囲気ガスを、強制的または自然発生的に、検出端構造内部の密 閉空間に充満させることで、安定した任意の雰囲気状態を、簡単に作り出すこと ができ、その状態下での粘度測定が可能となる。
【0055】
【考案の効果】
本考案では、大気遮断に用いられるシール液を溜める溝は、回転するロータか ら切り離され、固定されている。そのため、従来のように、ロータが高速回転し ても、シール液が飛散して、サンプル流体に混入することなく、大気から遮断さ れた空間の気密性を保持することができる。
【0056】 したがって、測定時に、サンプル流体が、大気と接触または連続的に通じるこ とがないため、大気から影響を受けやすいサンプル流体に対して、安定な条件下 で、正確に粘度を測定できる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を適用した一実施例の粘度検出端の拡大
断面図。
【図2】定ずり速度方式粘度計の原理を説明する図。
【図3】定応力方式粘度計の原理を説明する図。
【図4】従来技術による大気遮蔽型粘度計の粘度検出端
の一例の拡大断面図。
【図5】本考案を適用した他の一実施例の粘度検出端の
拡大断面図。
【図6】従来技術による大気遮断型粘度計において、そ
の粘度検出端の円錐状ロータの回転数を増加、減少した
場合の粘度指度の変化を表したグラフ。
【図7】本考案を適用した図1の実施例の粘度検出端に
おける部品展開図。
【図8】本考案を適用した図1の実施例の粘度計におい
て、その粘度検出端の円錐状ロータの回転数を増加、減
少した場合の粘度指度の変化を表したグラフ。
【図9】本考案を適用した他の一実施例を説明する図。
【符号の説明】
1…円錐状ロータ、 1a…ロータ先端部、 2…サン
プル流体、3…平板、 4…周期電動機、 5…変速
機、 6…応力バネ、7…目盛板、 8…指針、 10
…粘度検出端、 20…ロータ駆動軸、20a…ねじ、
21…ロータ円錐部、 22…サンプルカップ、22
a…平面部、 24…仕切板、 24a…突出部、 2
5…シール槽、25a…円周溝、 25b…孔、 26
a…シール液、 26b…揮発液、27…シール槽装着
部、 28…粘度計外筐、28a…サンプルカップ装着
部、 29…通気管、 29a…バルブ、30…通気
管、 30a…バルブ、 31…貫通孔、 32…空
洞、40…円周溝、 41…カバー、 50…円周溝、
60…揮発溶剤容器、61…通気管、 62…ストッ
プバルブ。

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロータと、ロータを回転する駆動軸と、被
    計測流体を貯留するサンプルカップとを有する粘度計に
    おいて、 前記サンプルカップと、ロータの周りを囲み、上部にシ
    ール液を溜める液溜めを有する検出端容器と、 溜められたシール液中に、先端部全周が浸されるよう前
    記駆動軸に取付けられた仕切板とを有し、 検出端容器と、シール液と、仕切板とによって、前記ロ
    ータを収納する容器内部の空間を、大気から遮断するこ
    とを特徴とする大気遮断型粘度計。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記検出端容器は、少
    なくとも、 前記ロータを収容する上部が開放された容器本体と、 その容器上部の開口部を覆うように配置され、前記駆動
    軸を挿通する孔を中心に形成し、それを囲んで、周りに
    設けられたシール液を貯留する溝を上面に形成するシー
    ル槽とを有し、 容器本体とシール槽は、それぞれの接合部において、着
    脱可能な構造を有することを特徴とする大気遮断型粘度
    計。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記検出端容
    器は、その大気から遮断された内部空間と連通した第2
    の液溜めを、さらに有することを特徴とする大気遮断型
    粘度計。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかにおいて、大気
    から遮断されている空間と連通し、その空間を満たす雰
    囲気ガスを、注入および排気することができる開閉可能
    な通気手段を前記検出端容器に設けたことを特徴とする
    大気遮断型粘度計。
  5. 【請求項5】請求項4において、さらに、前記通気手段
    に接続され、雰囲気ガスを供給するガス供給手段を有す
    ることを特徴とする大気遮断型粘度計。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれかにおいて、前記
    ロータと前記駆動軸が、前記仕切板の取付け部位より下
    方で、着脱可能な構造を有することを特徴とする大気遮
    断型粘度計。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれかにおいて、前記
    サンプルカップは、前記検出端容器の内底部の一部であ
    ることを特徴とする大気遮断型粘度計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012122831A (ja) * 2010-12-08 2012-06-28 Kurimoto Ltd せん断装置
JP2019215277A (ja) * 2018-06-13 2019-12-19 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター 回転型レオメーター用乾燥防止用具

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