JP2586211Y2 - 大気遮断型粘度計 - Google Patents

大気遮断型粘度計

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JP2586211Y2
JP2586211Y2 JP2192993U JP2192993U JP2586211Y2 JP 2586211 Y2 JP2586211 Y2 JP 2586211Y2 JP 2192993 U JP2192993 U JP 2192993U JP 2192993 U JP2192993 U JP 2192993U JP 2586211 Y2 JP2586211 Y2 JP 2586211Y2
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善曠 加藤
剛夫 石塚
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東機産業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、回転粘度計等の粘度計
に係り、特に、粘度検出端を大気から遮断した大気遮断
構造を有する粘度計に関する。
【0002】
【従来の技術】回転を利用して、少量、例えば、1〜2
mlのサンプル流体の粘度を計測する粘度計としては、
大きく分けて定ずり速度方法粘度計と定応力方法粘度計
の2種類がある。
【0003】定ずり速度方法粘度計は、図2にその測定
原理が示されるように、回転する円錐状ロータ1と固定
された平板3とから構成され、それらの間に粘度を測定
するサンプル流体2を介在させる粘度検出端10を有す
る。さらに、円錐状ロータ1は、それを回転駆動する垂
直駆動軸20に接続され、その駆動軸20には、一端に
指針8を、他方に円板状の目盛板7を取付けた応力バネ
6が接続される。さらに、応力バネ6には、その目盛板
7側に、変速機5とを介して、定速度で回転する同期電
動機4が、直列に接続される。
【0004】測定時には、同期電動機4によって、応力
バネ6を介して、円錐状ロータ1を回転させ、予め設定
されたずり速度をサンプル流体2に与える。その時、サ
ンプル流体2の粘度に関係する抵抗力に応じて、応力バ
ネ6がねじられ、そのねじれ角度が応力バネ6の両端に
固着されている指針8と目盛板7によって表示される。
【0005】定応力方法粘度計は、図3に示すように、
上記粘度計と同様に、回転する円錐状ロータ1と固定さ
れた平板3とから構成され、それらの間に粘度を測定す
るサンプル流体2を介在させる粘度検出端10を有す
る。さらに、本粘度計は、微小で非破壊的な、予め定め
た一定のずり応力を円錐状ロータ1に与えるトルク制御
された電動機14と、電動機14の回転軸に固着され、
サンプル流体2に与えられた応力に対して生じたずり速
度を測定する光センサ15と、それを利用した高分解能
をもつ光学タコメータ16とを有する。
【0006】この粘度計は、測定時に、トルク制御され
た電動機14によって与えられた一定応力に対し、サン
プル流体2の粘度に応じて生じたずり速度を計測し、そ
の粘度を決定するものである。
【0007】以上のような原理の粘度計において、サン
プル流体が、揮発性溶剤を含む塗料や石油類等の場合
や、血液等の生体液等の場合は、そのサンプル流体を含
む粘度検出端を、大気から遮断する必要がある。これ
は、サンプル流体中に含まれる揮発性溶剤が大気中に蒸
発したり、または、サンプル流体が大気中の水分を吸湿
したり、さらに、それが生体液などの場合は、大気に接
触して容易に変質してしまうからである。
【0008】大気遮断型の検出端を有する粘度計の一例
としては、実公平5−2843号公報に述べられている
粘度計が挙げられる。この検出端構造は、図4の拡大断
面図が示すように、粘度を測定するサンプル流体2をそ
れらの間に介在させる円錐状ロータ1と平板3とを有す
る。円錐状ロータ1は、垂直駆動軸20が接続され、そ
の上部に、大気との遮断を行なうシール液26a等の液
体を溜めることのできる円周溝40を有する。
【0009】さらに、この粘度計では、一方の端面が平
板3に密着し、他方の端は円錐状ロータ1の駆動軸20
を挿通する孔42を形成するとともに、その全周が下方
に突出して、シール液26a内部に浸される円周端構造
をもつカバー41を有する。
【0010】ここで、カバー41とシール液26aは、
円錐状ロータ1、サンプル流体2および平板3とから構
成される検出端10を大気から遮断する。したがって、
大気から影響を受けやすいサンプル流体2でも、その粘
度を正確に測定することができる。
【0011】
【考案が解決しようとする課題】しかし、上記構造を有
する大気遮断型の粘度検出端では、その円錐状ロータの
回転速度が、非常に大きくなると、ロータ上部に設けら
れた円周溝に貯留されたシール液が、ロータとともに回
転する。その回転が速くなると、その遠心力によって円
周溝から外側へ漏れだしたり、飛散したりすることがあ
る。すると、シール液が、サンプル流体へ混入する可能
性があり、混入した場合には、正確な粘度測定ができな
くなる。
【0012】本考案の目的は、大気遮断型の粘度検出端
に含まれるロータ回転数を非常に大きくしても、粘度を
測定するサンプル流体へ混入しない大気遮断型粘度計を
提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、ロータと、
ロータを回転する駆動軸と、被計測流体を貯留するサン
プルカップとを有する粘度計において、前記サンプルカ
ップと、ロータの周りを囲み、上部にシール液を溜める
液溜めを有する検出端容器と、溜められたシール液中
に、先端部全周が浸されるよう前記駆動軸に取付けられ
た仕切板とを有し、検出端容器と、シール液と、仕切板
とによって、前記ロータを収納する容器内部の空間を、
大気から遮断することを特徴とする大気遮断型粘度計に
おいて達成することができる。
【0014】本考案において、粘度測定方法としては、
定ずり速度方法または定応力方法のいずれでもかまわな
い。計測においては、大気から遮断された空間で、サン
プル流体をサンプルカップ底部とロータとの間に介在さ
せ、駆動軸を回転し、ロータを回転させる。この回転状
態を、駆動軸に接続された粘度計本体部によって、測定
し、粘度を決定するものである。
【0015】
【作用】本考案の粘度計において、ロータに取付けられ
ている仕切板は、シール液中に、その突出部全周を浸し
ながら、ロータとともに回転する。そのため、回転中に
おいても、シール液と仕切板によって、検出端容器の内
部空間は、大気から遮断される。
【0016】さらに、シール液を貯溜している検出端容
器は、回転するロータと切り離されているため、従来技
術のように、ロータ回転の遠心力による影響はなく、シ
ール液が、被計測流体に混入することがない。
【0017】したがって、ロータを高速回転させても、
被測定流体を大気から遮断した状態のままで、正確に粘
度を測定することができる。
【0018】
【実施例】本考案を適用した一実施例を、図1および図
7を用いて以下に説明する。図1は、本実施例の粘度検
出端およびその大気遮断構造を示す拡大断面図、図7
は、その検出端を構成する部品の展開図である。
【0019】図1および図7において、大気を遮断する
粘度検出端構造は、回転する円錐状ロータ1と、粘度計
外筐28に着脱可能に密着され、シール液26aを溜め
ることができる円周溝25aを有する円周状のシール槽
25と、円錐状ロータ1を収納するように粘度計外筐2
8下部に、着脱可能に密着され、その内底部の平面部2
2aと円錐状ロータ1のロータ円錐部21との間に、粘
度を測定するサンプル流体2を介在させるサンプルカッ
プ22とを有する。
【0020】円錐状ロータ1は、図7に示すように、一
方にロータ円錐部21と、この円錐部21を支持するロ
ータ支持部1aとを有する。ロータ支持部1aは、ねじ
が切られているねじ孔1bを形成する。ロータ支持部1
aは、ロータ駆動軸20とねじ20aによって同心軸上
に連結され、ロータ駆動軸20と同じ回転中心をもつよ
うに取付けられる。
【0021】ロータ駆動軸20は、その下端側に、外周
辺に下方への突出部24aが設けられている仕切板24
を有する。ロータ駆動軸20は、その上方で、図示され
ていない粘度計本体の回転駆動源に接続される。
【0022】シール槽25は、中心軸にロータ支持部1
aを挿通する孔25bを有する形状で、その上面にシー
ル液26aを貯留する円周溝25aを有し、粘度計外筐
28下部内面に設けられたシール槽装着部27にバヨネ
ット方式等で、着脱可能に密着される。
【0023】シール槽25の密着位置は、その円周溝2
5aに溜められたシール液26a中に、駆動軸20に取
付けられた仕切板24の突出部24a全周が、その円周
溝25aの底部25cまたは側面25dに接触しないよ
う浸した位置である。このように取付けられたシール槽
25と仕切板24とシール液26aとによって、シール
槽25の上下空間が仕切られる。さらに、サンプルカッ
プ22を、粘度計外筐28下部のサンプルカップ装着部
28aに装着することで、サンプル流体2を、ロータ支
持部1aと平面部22aとの間に介在させている検出端
を含むサンプルカップ22の内部空間を、大気から遮断
する。
【0024】サンプルカップ22は、その密閉された内
部に雰囲気ガス導入、排出することができる開閉可能な
バルブ29aおよび30aを備えた通気管29および3
0を外周面に設けることもできる。
【0025】本実施例を使用するには、図7に示された
状態で分解されている検出端および大気遮断構造を組み
合せることから始める。
【0026】最初、ロータ駆動軸20に装着されている
仕切板24の突出部24a全周がシール液26a中に浸
されるように、シール液26aを円周溝25aに溜めた
シール槽25を、シール槽装着部27に密着する。
【0027】シール液26aとしては、サンプル流体2
と関係なく、任意に選択することができる。しかし、粘
度測定時は、シール液26a中を、仕切板24が円錐状
ロータ1とともに回転するので、回転によって発生する
抵抗を低くするため、シール液26aとしては、通常、
粘性の低い液体を使用する。さらに、使用するシール液
26aによる粘度抵抗を予め測定しておき、実際の粘度
測定時または測定後に、適宜な方法によって補正する。
【0028】次に、密着されたシール槽25の下方か
ら、ロータ支持部1aを、そのねじ孔1bとロータ駆動
軸20のねじ20aとを結合させることによって、接続
する。
【0029】最後に、粘度を測定するサンプル流体2を
少量、例えば、1〜2ml内底部22aに注入したサン
プルカップ22を、サンプルカップ装着部28aに密着
し、サンプル流体2とロータ支持部1aとを含むサンプ
ルカップ22内部空間を大気から遮断する。ここで、図
示省略した調整機構を用いて、サンプルカップ22の装
着位置を変化させることによって、その内底部平面部2
2aと円錐状ロータ1の円錐部21との間隙距離を調整
することができる。
【0030】遮断空間の密閉度を向上させるために、サ
ンプルカップ装着部28aおよびシール槽装着部27の
装着面に、密着用のグリースを予め塗布しても良い。
【0031】サンプル流体2に揮発性溶剤が含まれてい
る場合、その溶剤が発生するのと同質のガスを導入した
り、または、乾燥ガスや不活性ガス等の任意の雰囲気ガ
スを導入するため、サンプルカップ22側面に設けら
れ、通常は閉じている通気管29および30のバルブ2
9aおよび30aを用いることができる。雰囲気ガスの
導入により、利用者が希望する粘度測定雰囲気状態を、
迅速に達成できる。バルブ29aおよび30aを閉じる
と、その雰囲気状態を保持し、測定時において一定の安
定条件を作り出すことができる。
【0032】粘度を測定するには、大気から遮断された
円錐状ロータ1を回転させる。本考案は、図2または図
3における粘度検出端10に関するものである。したが
って、粘度を測定する方法は、自由に選ぶことができ、
測定を希望するサンプル流体2に、最適の粘度測定方法
を用いることができる。
【0033】以上説明したように、図7に示された構成
要素の設定および測定準備作業では、特別な技術を要し
ない。そのため、シール液26aやサンプル流体2の補
充作業を、容易にし、良好な大気遮断環境を簡単に形成
できるため、大気を遮断して行なう粘度測定時間を大幅
に短縮することができる。
【0034】別のサンプル流体を測定する場合には、サ
ンプルカップ22を取外し、その内底部22aに溜って
いる測定を終了したサンプル流体を清掃紙などで拭き取
る。次に、平面部22aおよびロータ円錐部21を洗浄
し、次に計測するサンプル流体2を注入する。この時、
シール液26aの交換または補充を希望する場合には、
ロータ支持部1aとロータ駆動軸20との接続を解除
し、シール槽25を粘度計外筐28から取外し、シール
液26aの交換、補充を行なう。最後に、上記に説明し
た手順に従い、検出端を組み合わせ、粘度計測を実行す
る。
【0035】本実施例において、シール液26aを溜め
るシール槽25は、円錐状ロータ1から切り離され、粘
度計外筐28に固定されているため、回転しない。した
がって、粘度測定時において、ロータ回転数を大きくし
ても、遠心力によるシール液26aの飛散は生じない。
【0036】この測定時におけるロータ回転による影響
を、本実施例と図4の従来例のものと比較した結果を、
図8(本実施例)と図6(従来例)に示す。図8および
図6では、粘度検出端として、それぞれ図1および図4
に示される構造の検出端を使用した。その他の実験条件
である、粘度測定方法(定ずり速度方法)、サンプル流
体、および、雰囲気状態は、全て同一である。
【0037】両図に示してあるデータは、ロータ回転数
(横軸)を徐々に増加させた後、減少させていった場合
の回転数に対する粘度指度(縦軸)を示している。
【0038】図4の従来例の粘度計においては、図6に
示すように、ロータ回転数が、図中の矢印に沿って徐々
に増加されると、それに対応して応力、つまり、粘度指
度が増加する。
【0039】しかし、ロータ回転数がある値まで増加す
ると(この例では約200rpm)、回転数と粘度指度
との関係が、突然不連続になる。これは、シール液が回
転遠心力のため飛散または漏れて、サンプル流体と混ざ
るため、粘度指度が低下するからである。次に、回転数
を減少させていくと、遠心力が減少するためシール液
は、それ以上飛散または漏れない。そのため、図6に示
される回転数と粘度指度関係は、安定しているが、回転
数増加時に、サンプル流体にシール液が混入したため、
そのサンプル流体の粘度は、本来の粘度より低下してい
ることを示している。
【0040】本実施例(図1参照)では、シール液26
aを溜めているシール槽25が、ロータ1と切り離され
ている。そのため、図8に明確に示されるように、図6
で見られたようなロータを高回転させた場合に生じる粘
度測定の不具合を生じない。
【0041】本考案を適用した他の実施例を、図9を用
いて説明する。本実施例は、通気管29および30を有
する上記実施例における大気遮断型検出端構造を含む粘
度計と、雰囲気ガス供給手段とを有する。
【0042】ここで、図9に示すように、雰囲気ガス供
給手段は、サンプル流体から発生するガスと同質のガス
等を発生する揮発液26bを溜めることができる、通気
管61を有する密閉された容器60と、容器60上部か
ら通気管61を通して、揮発液26bから発生したガス
を送り出し、通気管29を通して検出端構造内部へその
ガスを送りこむガスポンプと、検出端構造のもう一方の
通気管30に取付けられ、ガス排出を制限するストップ
バルブ62とを有する。
【0043】測定に際しては、上記と同様に、サンプル
流体およびシール液を注入した粘度検出端構造を設定
し、その構造内部空間を大気から遮断する。次に、サン
プル流体の粘度を測定する雰囲気状態を形成するため、
容器60内部の揮発液26bから発生したガスをガスポ
ンプによって、検出端構造の内部空間へ導入する。検出
端構造内部空間の雰囲気ガスが飽和状態に達し、安定し
た後、測定を開始する。
【0044】本実施例では、サンプル流体に含まれる揮
発性溶剤から発生するのと同質のガスを始めとする、任
意の揮発液から発生するガスを導入することができる。
したがって、大気に接触すると変質して、正確な粘度測
定が行なえないサンプル流体でも、任意の雰囲気状態に
おいて、サンプル流体本来の粘度測定が可能となる。
【0045】また、揮発液26bを溜めた容器60の代
わりに、ガスボンベ等を用い、乾燥ガスや不活性ガス
を、雰囲気ガスとして、検出端構造内部に導入すること
もできる。
【0046】本考案を適用した他の実施例を、図5を用
いて説明する。本実施例においては、図5に示すよう
に、シール槽25の構造以外は、全て図1の実施例と構
造と同じである。
【0047】本実施例のシール槽25は、シール液26
aを溜める円周溝25aの外周壁内に、シール液26a
以外の揮発性の液体26bを溜めることができる空洞3
2と、そこに溜める揮発液26bを注入し、その液体か
らの揮発ガスが空洞32外部に排出される、シール槽2
5外周壁面に設けられた円周状の貫通孔31とを、さら
に設けている。
【0048】貫通孔31が設けられているシール槽25
外壁とサンプルカップ22内部とは、接触しない構造と
なっている。これによって、揮発液26bからの揮発ガ
スは、大気から遮断された密閉空間に充満する。揮発液
26bとしては、サンプル流体2が発生するガスと同
じ、または同質のガスを発生するものを使用する。
【0049】測定の際の検出端構造の設定は、図1の実
施例と同様である。最初、シール槽25にシール液26
aおよび揮発液26bを補充し、ロータ駆動軸20に取
付けられている仕切板24の突出部24a全周がシール
液26aに浸されるよう、粘度計外筐28に密着する。
次に、ロータ駆動軸20にロータ支持部1aを接続し、
最後に、サンプル流体2を注入したサンプルカップ22
を、粘度計外筐28に密着して、検出端構造内部の空間
を大気から遮断する。
【0050】一旦、検出端構造の内部空間が大気から遮
断した後、バルブ29a、30aを開放し、シール槽2
5の空洞32に溜められている揮発液26bおよびサン
プル流体2から発生するガスが、その空間内部にあった
大気を置換した後、バルブ29aおよび30aを閉じ、
雰囲気状態を保持する。
【0051】空洞32内の揮発液26bの自由液面は、
サンプル流体2の自由液面と比べて面積がはるかに大き
いので、揮発液26bから発生するガス量は、サンプル
流体2からの発生ガス量よりも非常に大きい。そのた
め、サンプル流体2からのガス発生量は、最小限に抑え
ることができる。さらに、雰囲気ガスが飽和状態に達す
ると、それ以上のガス発生を防ぎ、サンプル流体2の状
態を安定させる。
【0052】このように、雰囲気状態が安定し、サンプ
ル流体2の状態が安定した後、ロータ駆動軸20を回転
させ、任意の測定方法によって粘度を計測する。もちろ
ん、揮発液26bに加え、サンプルカップ22の側面に
設けられた通気管29および30を用いて、上記実施例
のように、雰囲気ガス供給手段を用いて、雰囲気ガスを
導入して、検出端内部空間の雰囲気状態を、より迅速に
安定させることもできる。
【0053】さらに、大気遮断された検出端構造の構成
要素は分解可能で、容易に組立ることができる構造のた
め、取扱いが簡単で、測定にかかわる準備時間を、大幅
に短縮することができる。
【0054】また、任意の雰囲気ガスを、強制的または
自然発生的に、検出端構造内部の密閉空間に充満させる
ことで、安定した任意の雰囲気状態を、簡単に作り出す
ことができ、その状態下での粘度測定が可能となる。
【0055】
【考案の効果】本考案では、大気遮断に用いられるシー
ル液を溜める溝は、回転するロータから切り離され、固
定されている。そのため、従来のように、ロータが高速
回転しても、シール液が飛散して、サンプル流体に混入
することなく、大気から遮断された空間の気密性を保持
することができる。
【0056】したがって、測定時に、サンプル流体が、
大気と接触または連続的に通じることがないため、大気
から影響を受けやすいサンプル流体に対して、安定な条
件下で、正確に粘度を測定できる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を適用した一実施例の粘度検出端の拡大
断面図。
【図2】定ずり速度方式粘度計の原理を説明する図。
【図3】定応力方式粘度計の原理を説明する図。
【図4】従来技術による大気遮蔽型粘度計の粘度検出端
の一例の拡大断面図。
【図5】本考案を適用した他の一実施例の粘度検出端の
拡大断面図。
【図6】従来技術による大気遮断型粘度計において、そ
の粘度検出端の円錐状ロータの回転数を増加、減少した
場合の粘度指度の変化を表したグラフ。
【図7】本考案を適用した図1の実施例の粘度検出端に
おける部品展開図。
【図8】本考案を適用した図1の実施例の粘度計におい
て、その粘度検出端の円錐状ロータの回転数を増加、減
少した場合の粘度指度の変化を表したグラフ。
【図9】本考案を適用した他の一実施例を説明する図。
【符号の説明】
1…円錐状ロータ、 1a…ロータ先端部、 2…サン
プル流体、3…平板、 4…周期電動機、 5…変速
機、 6…応力バネ、7…目盛板、 8…指針、 10
…粘度検出端、 20…ロータ駆動軸、20a…ねじ、
21…ロータ円錐部、 22…サンプルカップ、22
a…平面部、 24…仕切板、 24a…突出部、 2
5…シール槽、25a…円周溝、 25b…孔、 26
a…シール液、 26b…揮発液、27…シール槽装着
部、 28…粘度計外筐、28a…サンプルカップ装着
部、 29…通気管、 29a…バルブ、30…通気
管、 30a…バルブ、 31…貫通孔、 32…空
洞、40…円周溝、 41…カバー、 50…円周溝、
60…揮発溶剤容器、61…通気管、 62…ストッ
プバルブ。

Claims (7)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロータと、ロータを回転する駆動軸と、被
    計測流体を貯留するサンプルカップとを有する粘度計に
    おいて、 前記サンプルカップと、ロータの周りを囲み、上部にシ
    ール液を溜める液溜めを有する検出端容器と、 溜められたシール液中に、先端部全周が浸されるよう前
    記駆動軸に取付けられた仕切板とを有し、 検出端容器と、シール液と、仕切板とによって、前記ロ
    ータを収納する容器内部の空間を、大気から遮断するこ
    とを特徴とする大気遮断型粘度計。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記検出端容器は、少
    なくとも、 前記ロータを収容する上部が開放された容器本体と、 その容器上部の開口部を覆うように配置され、前記駆動
    軸を挿通する孔を中心に形成し、それを囲んで、周りに
    設けられたシール液を貯留する溝を上面に形成するシー
    ル槽とを有し、 容器本体とシール槽は、それぞれの接合部において、着
    脱可能な構造を有することを特徴とする大気遮断型粘度
    計。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記検出端容
    器は、その大気から遮断された内部空間と連通した第2
    の液溜めを、さらに有することを特徴とする大気遮断型
    粘度計。
  4. 【請求項4】請求項1から3のいずれかにおいて、大気
    から遮断されている空間と連通し、その空間を満たす雰
    囲気ガスを、注入および排気することができる開閉可能
    な通気手段を前記検出端容器に設けたことを特徴とする
    大気遮断型粘度計。
  5. 【請求項5】請求項4において、さらに、前記通気手段
    に接続され、雰囲気ガスを供給するガス供給手段を有す
    ることを特徴とする大気遮断型粘度計。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれかにおいて、前記
    ロータと前記駆動軸が、前記仕切板の取付け部位より下
    方で、着脱可能な構造を有することを特徴とする大気遮
    断型粘度計。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれかにおいて、前記
    サンプルカップは、前記検出端容器の内底部の一部であ
    ることを特徴とする大気遮断型粘度計。
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