JPH0679518A - 棒材の多数本同時せん断装置 - Google Patents
棒材の多数本同時せん断装置Info
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- JPH0679518A JPH0679518A JP25184992A JP25184992A JPH0679518A JP H0679518 A JPH0679518 A JP H0679518A JP 25184992 A JP25184992 A JP 25184992A JP 25184992 A JP25184992 A JP 25184992A JP H0679518 A JPH0679518 A JP H0679518A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】せん断荷重を過大に大きくすることなく多数本
の棒材を同時せん断することができるとともに、簡単な
構造でかつ強力安定した逆押えを作用させることがで
き、直角度がよく、タングや滞留クラックの発生もな
く、段差も小さい切口面を高能率で得ることができる棒
材の多数本同時せん断装置を提供することにある。 【構成】多数の平行状の半丸穴刃部を有する固定刃工具
と、固定刃工具と対向側から棒材を押える棒押えと、多
数の平行状の半丸穴刃部を有する移動刃工具、および該
移動刃工具と分離し半丸穴刃部と対向する支え面を有す
る逆押えとを備え、前記移動刃工具が、刃幅方向におい
て適宜数の半丸穴刃部ごとに階段状に段差を有してい
る。
の棒材を同時せん断することができるとともに、簡単な
構造でかつ強力安定した逆押えを作用させることがで
き、直角度がよく、タングや滞留クラックの発生もな
く、段差も小さい切口面を高能率で得ることができる棒
材の多数本同時せん断装置を提供することにある。 【構成】多数の平行状の半丸穴刃部を有する固定刃工具
と、固定刃工具と対向側から棒材を押える棒押えと、多
数の平行状の半丸穴刃部を有する移動刃工具、および該
移動刃工具と分離し半丸穴刃部と対向する支え面を有す
る逆押えとを備え、前記移動刃工具が、刃幅方向におい
て適宜数の半丸穴刃部ごとに階段状に段差を有してい
る。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は鍛造加工などに使用され
る棒材の多数本同時せん断装置に関する。
る棒材の多数本同時せん断装置に関する。
【０００２】
【従来の技術及びその技術的課題】鍛造加工のクロップ
(鍛造素材)は丸棒前素形材をせん断加工することによっ
て作られ、丸棒前素形材は長尺の丸棒を圧延し、その丸
棒圧延材の寸法的、成分的に不良な先端部を切り落した
後、定寸法たとえば５〜６ｍに切断することで製造され
る。この切断工程は、能率を上げると同時に切断荷重や
機械寸法の過大化を防止するため、従来では一般に、傾
斜刃を用いたいわゆるシャーリング方式による多数本同
時せん断方式が採用されていた。この方式は、図５のよ
うに、多数の半丸穴８０を所定間隔で配した下刃８に対
し、多数の半丸穴９０を配した傾斜上刃９を所定のシヤ
角を持たせて配し、図示しない棒押えによって各棒材Ｗ
を押えつつ、傾斜上刃９を下すものであるが、この方法
では、自由せん断であるため、被せん断材(特にオフカ
ット側)のつぶれが大きくなったり、直角度が不良とな
るなどの精度不良を避けられなかった。
(鍛造素材)は丸棒前素形材をせん断加工することによっ
て作られ、丸棒前素形材は長尺の丸棒を圧延し、その丸
棒圧延材の寸法的、成分的に不良な先端部を切り落した
後、定寸法たとえば５〜６ｍに切断することで製造され
る。この切断工程は、能率を上げると同時に切断荷重や
機械寸法の過大化を防止するため、従来では一般に、傾
斜刃を用いたいわゆるシャーリング方式による多数本同
時せん断方式が採用されていた。この方式は、図５のよ
うに、多数の半丸穴８０を所定間隔で配した下刃８に対
し、多数の半丸穴９０を配した傾斜上刃９を所定のシヤ
角を持たせて配し、図示しない棒押えによって各棒材Ｗ
を押えつつ、傾斜上刃９を下すものであるが、この方法
では、自由せん断であるため、被せん断材(特にオフカ
ット側)のつぶれが大きくなったり、直角度が不良とな
るなどの精度不良を避けられなかった。
【０００３】この対策としては、棒材の支持方法を改善
し、ことに傾斜上刃９に対向して逆押えを用い、これを
油圧シリンダなどで付勢し、せん断中の棒材の軸線と直
交する水平軸線のまわりの回転による材料の変形を拘束
することが効果的と考えられる。しかし、傾斜刃式シャ
ーリング方式での多数本同時せん断の場合、逆押えは複
雑な動作が要求されるため、各棒材ごとに逆押え機構を
配置するほかない。しかし、多数本同時せん断の場合、
半丸穴間の間隔が狭いため、この間隔で油圧シリンダを
含む個別的な逆押えを配置することは実質的に不可能で
ある。このため、従来ではやむなく図５のような構造の
ままで多数本同時せん断を行っていたものである。この
ため、クロップの製造に際して丸棒前素形材の先端をク
ロップとして用いることができず、不良部分として廃棄
するほかなく、この廃棄量が相当量に達するためクロッ
プ歩留りを向上できなかった。
し、ことに傾斜上刃９に対向して逆押えを用い、これを
油圧シリンダなどで付勢し、せん断中の棒材の軸線と直
交する水平軸線のまわりの回転による材料の変形を拘束
することが効果的と考えられる。しかし、傾斜刃式シャ
ーリング方式での多数本同時せん断の場合、逆押えは複
雑な動作が要求されるため、各棒材ごとに逆押え機構を
配置するほかない。しかし、多数本同時せん断の場合、
半丸穴間の間隔が狭いため、この間隔で油圧シリンダを
含む個別的な逆押えを配置することは実質的に不可能で
ある。このため、従来ではやむなく図５のような構造の
ままで多数本同時せん断を行っていたものである。この
ため、クロップの製造に際して丸棒前素形材の先端をク
ロップとして用いることができず、不良部分として廃棄
するほかなく、この廃棄量が相当量に達するためクロッ
プ歩留りを向上できなかった。
【０００４】なお、板材のせん断に関しては、実公昭６
１−１９８６９号公報と実公平３−４４４２４号公報に
逆押え装置が提案されている。前者は刃幅方向端部付近
に定位置逆押えを設けるとともにローラ式逆押えを水平
移動自在に配し、せん断とともに、定位置逆押えを下降
させつつローラ式逆押えを刃幅方向に移動させるように
している。また、後者は逆押えとして複数個の分割した
ブロックを使用し、それらブロックを一端部の半円弧状
の連結凹部と他端部の突起とで可曲的に連結し、油圧シ
リンダによって各ブロックをせん断の進行とともにへの
字となるように作動させるようにしている。しかしこれ
ら先行技術は、いずれも逆押え機構の構造が複雑であ
り、前者ではローラ式逆押えと材料との摩擦が大きいた
め疵が発生する可能性が高い。また、後者ではブロック
の上面とせん断部分との間に隙間が生じ、棒材の場合に
は良好な逆押え作用が得られないため、これら先行技術
を適用しても前記問題は解消しえない。
１−１９８６９号公報と実公平３−４４４２４号公報に
逆押え装置が提案されている。前者は刃幅方向端部付近
に定位置逆押えを設けるとともにローラ式逆押えを水平
移動自在に配し、せん断とともに、定位置逆押えを下降
させつつローラ式逆押えを刃幅方向に移動させるように
している。また、後者は逆押えとして複数個の分割した
ブロックを使用し、それらブロックを一端部の半円弧状
の連結凹部と他端部の突起とで可曲的に連結し、油圧シ
リンダによって各ブロックをせん断の進行とともにへの
字となるように作動させるようにしている。しかしこれ
ら先行技術は、いずれも逆押え機構の構造が複雑であ
り、前者ではローラ式逆押えと材料との摩擦が大きいた
め疵が発生する可能性が高い。また、後者ではブロック
の上面とせん断部分との間に隙間が生じ、棒材の場合に
は良好な逆押え作用が得られないため、これら先行技術
を適用しても前記問題は解消しえない。
【０００５】本発明は前記のような問題点を解消するた
めに研究して創案されたもので、その目的とするところ
は、せん断荷重を過大に大きくすることなく多数本の棒
材を同時せん断することができるとともに、簡単な構造
でかつ強力安定した逆押えを作用させることができ、直
角度がよく、タングや滞留クラックの発生もなく、段差
も小さい切口面を高能率で得ることができる棒材の多数
本同時せん断装置を提供することにある。
めに研究して創案されたもので、その目的とするところ
は、せん断荷重を過大に大きくすることなく多数本の棒
材を同時せん断することができるとともに、簡単な構造
でかつ強力安定した逆押えを作用させることができ、直
角度がよく、タングや滞留クラックの発生もなく、段差
も小さい切口面を高能率で得ることができる棒材の多数
本同時せん断装置を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、多数の平行状の半丸穴刃を有する固定刃工具
と、固定刃工具と対向側から棒材を押える棒押えと、多
数の平行状の半丸穴刃を有する移動刃工具、および該移
動刃工具と分離し半丸穴刃と対向する支え面を有する逆
押えとを備え、前記移動刃工具が、刃幅方向において適
宜数の半丸穴状の刃ごとに階段状に段差を有している構
成としたものである。本発明において「棒材」は、一般
に丸棒前素形材を指すが、クロッピングにも適用しうる
ことはもちろんである。
本発明は、多数の平行状の半丸穴刃を有する固定刃工具
と、固定刃工具と対向側から棒材を押える棒押えと、多
数の平行状の半丸穴刃を有する移動刃工具、および該移
動刃工具と分離し半丸穴刃と対向する支え面を有する逆
押えとを備え、前記移動刃工具が、刃幅方向において適
宜数の半丸穴状の刃ごとに階段状に段差を有している構
成としたものである。本発明において「棒材」は、一般
に丸棒前素形材を指すが、クロッピングにも適用しうる
ことはもちろんである。
【０００７】
【実施例】以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明
する。図１ないし図３は本発明による棒材の多数本同時
せん断装置の一実施例を示している。１は固定刃工具で
あり、ベッド状の本体１０の先端部位に上方に開口した
多数の平行状の半丸穴刃部２０を所定間隔で有する半丸
穴刃２を固定しており、半丸穴刃２の上側には棒押え３
を配している。この棒押え３は周知のように棒材Ｗの挿
入時には逃げ、せん断中にスプリング力や流体圧シリン
ダなどによって棒材のリメインダ側に軸線と直角方向か
ら押え力Ｐｈを付加する手段である。
する。図１ないし図３は本発明による棒材の多数本同時
せん断装置の一実施例を示している。１は固定刃工具で
あり、ベッド状の本体１０の先端部位に上方に開口した
多数の平行状の半丸穴刃部２０を所定間隔で有する半丸
穴刃２を固定しており、半丸穴刃２の上側には棒押え３
を配している。この棒押え３は周知のように棒材Ｗの挿
入時には逃げ、せん断中にスプリング力や流体圧シリン
ダなどによって棒材のリメインダ側に軸線と直角方向か
ら押え力Ｐｈを付加する手段である。
【０００８】４は移動刃工具であり、ラム１２の下側プ
レート１３にクランプ１４により固定されたホルダ４０
を有し、該ホルダ４０に半丸穴刃５を着脱可能に固定し
ている。前記半丸穴刃５は、前記半丸穴刃部２０と対を
なす半丸穴刃部５０を有しているが、半丸穴刃部５０は
すべてが同一高さレベルに設けられるのでなく、高さ方
向で位相がずれて設けられている。すなわち、半丸穴刃
５は適宜数(図面では4つ)の半丸穴刃部５０ごとに段部
５３，５４を有し、それら段部５３，５４間はそれぞれ
階段状の平刃となっており、それら平刃ごとに同じ深さ
の半丸穴刃部５０が配されている。この例では、低位刃
部５ａ，中位刃部５ｂ，および高位刃部５ｃとなってい
る。
レート１３にクランプ１４により固定されたホルダ４０
を有し、該ホルダ４０に半丸穴刃５を着脱可能に固定し
ている。前記半丸穴刃５は、前記半丸穴刃部２０と対を
なす半丸穴刃部５０を有しているが、半丸穴刃部５０は
すべてが同一高さレベルに設けられるのでなく、高さ方
向で位相がずれて設けられている。すなわち、半丸穴刃
５は適宜数(図面では4つ)の半丸穴刃部５０ごとに段部
５３，５４を有し、それら段部５３，５４間はそれぞれ
階段状の平刃となっており、それら平刃ごとに同じ深さ
の半丸穴刃部５０が配されている。この例では、低位刃
部５ａ，中位刃部５ｂ，および高位刃部５ｃとなってい
る。
【０００９】６ａ，６ｂ，６ｃは移動刃工具４の下方に
対向状に配された逆押えであり、前記移動刃工具４の低
位刃部５ａ，中位刃部５ｂ，および高位刃部５ｃに対応
する数(図面では3つ)に分割されている。そして、逆押
え６ａ，６ｂ，６ｃはそれぞれフレームに配された流体
圧シリンダのごとき加圧手段７ａ，７ｂ，７ｃにより所
定の逆押え力Ｐｃを付加するようになっている。加圧手
段７ａ，７ｂ，７ｃはポンプと方向切換弁とリリーフ弁
などを有している。各逆押え６ａ，６ｂ，６ｃは、好ま
しくはそれぞれ移動刃工具４の半丸穴刃５と同等の長さ
を有し、上面には移動刃工具４の各半丸穴刃部５０と対
をなすように上面に開口した半丸穴状の棒材支え面６０
を有し、これら棒材支え面６０と半丸穴刃部５０とで擬
似丸穴が形成される。この擬似丸穴は棒材Ｗの直径と同
じでもよいし、せん断中に棒材部分ｗに直接逆押え力Ｐ
ｃを付加させない大きさ、すなわち、図３のように、半
丸穴刃５の頂部から棒材支え面６０の底部までの寸法Ｔ
ｃを棒材部分ｗの直径Ｄ0よりも大きく構成されてもよ
い。なお、半丸穴刃部５０が半円の終端から直線部を有
するように構成されている場合は、棒材支え面６０は平
坦であってもよい。
対向状に配された逆押えであり、前記移動刃工具４の低
位刃部５ａ，中位刃部５ｂ，および高位刃部５ｃに対応
する数(図面では3つ)に分割されている。そして、逆押
え６ａ，６ｂ，６ｃはそれぞれフレームに配された流体
圧シリンダのごとき加圧手段７ａ，７ｂ，７ｃにより所
定の逆押え力Ｐｃを付加するようになっている。加圧手
段７ａ，７ｂ，７ｃはポンプと方向切換弁とリリーフ弁
などを有している。各逆押え６ａ，６ｂ，６ｃは、好ま
しくはそれぞれ移動刃工具４の半丸穴刃５と同等の長さ
を有し、上面には移動刃工具４の各半丸穴刃部５０と対
をなすように上面に開口した半丸穴状の棒材支え面６０
を有し、これら棒材支え面６０と半丸穴刃部５０とで擬
似丸穴が形成される。この擬似丸穴は棒材Ｗの直径と同
じでもよいし、せん断中に棒材部分ｗに直接逆押え力Ｐ
ｃを付加させない大きさ、すなわち、図３のように、半
丸穴刃５の頂部から棒材支え面６０の底部までの寸法Ｔ
ｃを棒材部分ｗの直径Ｄ0よりも大きく構成されてもよ
い。なお、半丸穴刃部５０が半円の終端から直線部を有
するように構成されている場合は、棒材支え面６０は平
坦であってもよい。
【００１０】本発明は上記のような構成からなるので、
棒材Ｗをせん断するに当たっては逆押え６ａ，６ｂ，６
ｃの棒材支え面６０の底ラインが固定刃工具１の半丸穴
刃部２０の底ラインより少し下位に位置するように各加
圧手段７ａ，７ｂ，７ｃによ上昇させ、逆押え力Ｐｃを
かけておく。その逆押え力Ｐｃはたとえばせん断荷重の
１０〜３０％である。そして、棒材Ｗを前送し、オフカ
ットすべき棒材部分ｗを固定刃工具２よりも前方に突き
出す。このときには移動刃工具４は上方にあり、逆押え
６ａ，６ｂ，６ｃの上方は開放空間となっているため、
棒材Ｗが直径に公差を有していても容易に棒材部分ｗを
配置することができる。
棒材Ｗをせん断するに当たっては逆押え６ａ，６ｂ，６
ｃの棒材支え面６０の底ラインが固定刃工具１の半丸穴
刃部２０の底ラインより少し下位に位置するように各加
圧手段７ａ，７ｂ，７ｃによ上昇させ、逆押え力Ｐｃを
かけておく。その逆押え力Ｐｃはたとえばせん断荷重の
１０〜３０％である。そして、棒材Ｗを前送し、オフカ
ットすべき棒材部分ｗを固定刃工具２よりも前方に突き
出す。このときには移動刃工具４は上方にあり、逆押え
６ａ，６ｂ，６ｃの上方は開放空間となっているため、
棒材Ｗが直径に公差を有していても容易に棒材部分ｗを
配置することができる。
【００１１】次に棒押え３を下して棒材Ｗのリメインダ
側に押え力を付加し、この状態でラム１２に加力し移動
刃工具４を降下させる。こうすれば、低位刃部５ａが対
応する逆押え６ａに当接し、図３のように低位刃部５ａ
に属する半丸穴刃部５０と棒材支え面６０とにより下擬
似丸穴が形成され、棒材部分ｗはここの擬似丸穴に納め
られる。しかしこの段階では、中位刃部５ｂはまだ逆押
え６ｂに当接していない。さらに移動刃工具４の降下が
進むことにより低位刃部５ａの各半丸穴刃部５０と固定
刃工具１の半丸穴刃部２０とによってせん断が開始され
る。そのときに、逆押え６ａは逆押え力Ｐｃを低位刃部
５ａに付与しているため、擬似丸穴は開かず、棒材部分
ｗは回転方向の変形が拘束されながらせん断され、した
がって、直角度公差が良好で、タングなどの発生もな
く、段差の小さい高精度切口面が得られる。そして、低
位刃部５ａとこれと組をなす逆押え６ａとによって４本
の棒材が拘束されながら同時せん断されると、これに遅
れて中位刃部５ｂと逆押え６ｂにより擬似丸穴が形成さ
れて同様に４本の棒材部分がせん断され、さらに高位刃
部５ｃと逆押え６ｃによって４本の棒材部分がせん断さ
れる。したがって、この例では１２本の棒材を平刃で同
時せん断するに比べ、せん断荷重を１／３に減少させる
ことができる。前記移動刃工具４の降下時に、逆押え６
ａ，６ｂ，６ｃは対をなす低位刃部５ａ，中位刃部５
ｂ，高位刃部５ｃとそれぞれ一体になって下がる。この
ときに適宜リリーフ弁によって前記した所定の逆押え力
が維持されるように制御すればよく、せん断完了ストロ
ーク以降は逆押え力を解除してもよい。
側に押え力を付加し、この状態でラム１２に加力し移動
刃工具４を降下させる。こうすれば、低位刃部５ａが対
応する逆押え６ａに当接し、図３のように低位刃部５ａ
に属する半丸穴刃部５０と棒材支え面６０とにより下擬
似丸穴が形成され、棒材部分ｗはここの擬似丸穴に納め
られる。しかしこの段階では、中位刃部５ｂはまだ逆押
え６ｂに当接していない。さらに移動刃工具４の降下が
進むことにより低位刃部５ａの各半丸穴刃部５０と固定
刃工具１の半丸穴刃部２０とによってせん断が開始され
る。そのときに、逆押え６ａは逆押え力Ｐｃを低位刃部
５ａに付与しているため、擬似丸穴は開かず、棒材部分
ｗは回転方向の変形が拘束されながらせん断され、した
がって、直角度公差が良好で、タングなどの発生もな
く、段差の小さい高精度切口面が得られる。そして、低
位刃部５ａとこれと組をなす逆押え６ａとによって４本
の棒材が拘束されながら同時せん断されると、これに遅
れて中位刃部５ｂと逆押え６ｂにより擬似丸穴が形成さ
れて同様に４本の棒材部分がせん断され、さらに高位刃
部５ｃと逆押え６ｃによって４本の棒材部分がせん断さ
れる。したがって、この例では１２本の棒材を平刃で同
時せん断するに比べ、せん断荷重を１／３に減少させる
ことができる。前記移動刃工具４の降下時に、逆押え６
ａ，６ｂ，６ｃは対をなす低位刃部５ａ，中位刃部５
ｂ，高位刃部５ｃとそれぞれ一体になって下がる。この
ときに適宜リリーフ弁によって前記した所定の逆押え力
が維持されるように制御すればよく、せん断完了ストロ
ーク以降は逆押え力を解除してもよい。
【００１２】本発明を実際に適用した結果を示すと、図
１のように３段の半丸穴刃を形成した移動刃工具と３分
割の逆押えを使用し、せん断速度Vを1,2,3m/sとし、工
具クリアランスCを0.2mmとし、低炭素鋼の丸棒材(直径:
D0＝φ１０±０.０５mm)を、オフカット長さLが30mmで
１２本同時せん断した。固定刃工具と移動刃工具の各半
丸刃部および逆押えの棒材支え面はそれぞれR５．５mm
とし、棒材押え力を５００kgfとし、逆押え力を油圧シ
リンダにより５００kgf付加した。移動刃工具の各半丸
刃部頂から逆押えの棒材支え面底間の寸法Ｔｃと棒材直
径D0とのせん断方向隙間Ｄｃ(=Ｔｃ-Ｄ0)を0.2、0.5、
1.0mmとした。その結果、同時せん断の１２本の棒材に
ついて、図４に示すようにせん断方向隙間Ｄｃ≦0.5mm
で公差９０°±２°を満足し、タングもなく凹凸も少な
い高精度切口面が得られた。なお、逆押えを用いず階段
状の移動刃工具としただけでは、切口面にタングが発生
するだけでなく、オフカット側はせん断中大きく曲がり
やすい条件にあるため、せん断中、移動刃により強く押
しつけられ、切口面が大きくつぶれ、また、直角度も悪
化し、切断速度Vを3m/sと高速にしても、目標の直角度
が達成できなかった。
１のように３段の半丸穴刃を形成した移動刃工具と３分
割の逆押えを使用し、せん断速度Vを1,2,3m/sとし、工
具クリアランスCを0.2mmとし、低炭素鋼の丸棒材(直径:
D0＝φ１０±０.０５mm)を、オフカット長さLが30mmで
１２本同時せん断した。固定刃工具と移動刃工具の各半
丸刃部および逆押えの棒材支え面はそれぞれR５．５mm
とし、棒材押え力を５００kgfとし、逆押え力を油圧シ
リンダにより５００kgf付加した。移動刃工具の各半丸
刃部頂から逆押えの棒材支え面底間の寸法Ｔｃと棒材直
径D0とのせん断方向隙間Ｄｃ(=Ｔｃ-Ｄ0)を0.2、0.5、
1.0mmとした。その結果、同時せん断の１２本の棒材に
ついて、図４に示すようにせん断方向隙間Ｄｃ≦0.5mm
で公差９０°±２°を満足し、タングもなく凹凸も少な
い高精度切口面が得られた。なお、逆押えを用いず階段
状の移動刃工具としただけでは、切口面にタングが発生
するだけでなく、オフカット側はせん断中大きく曲がり
やすい条件にあるため、せん断中、移動刃により強く押
しつけられ、切口面が大きくつぶれ、また、直角度も悪
化し、切断速度Vを3m/sと高速にしても、目標の直角度
が達成できなかった。
【００１３】
【発明の効果】以上説明した本発明によるときには、多
数の平行状の半丸穴刃を有する固定刃工具と、固定刃工
具と対向側から棒材を押える棒押えと、多数の平行状の
半丸穴刃を有する移動刃工具、および該移動刃工具と分
離し半丸穴刃と対向する支え面を有する逆押えとを備
え、前記移動刃工具が、刃幅方向において適宜数の半丸
穴刃ごとに階段状に段差を有しているため、各段ごとに
順次複数本ずつせん断が行われ、せん断荷重を低減する
ことができる。しかも、適宜数の半丸穴刃ごとすなわち
棒材ごとに逆押えを配置しなくても済み、各段ごとに逆
押えを配置すればよくなるため、半丸穴刃の間隔が狭く
ても十分な逆押え力を与えることができるとともに、逆
押え機構を簡単なものとすることができるというすぐれ
た効果が得られる。
数の平行状の半丸穴刃を有する固定刃工具と、固定刃工
具と対向側から棒材を押える棒押えと、多数の平行状の
半丸穴刃を有する移動刃工具、および該移動刃工具と分
離し半丸穴刃と対向する支え面を有する逆押えとを備
え、前記移動刃工具が、刃幅方向において適宜数の半丸
穴刃ごとに階段状に段差を有しているため、各段ごとに
順次複数本ずつせん断が行われ、せん断荷重を低減する
ことができる。しかも、適宜数の半丸穴刃ごとすなわち
棒材ごとに逆押えを配置しなくても済み、各段ごとに逆
押えを配置すればよくなるため、半丸穴刃の間隔が狭く
ても十分な逆押え力を与えることができるとともに、逆
押え機構を簡単なものとすることができるというすぐれ
た効果が得られる。
【図１】本発明による棒材の多数本同時せん断装置の一
実施例を示す部分切欠正面図である。
実施例を示す部分切欠正面図である。
【図２】図１の縦断側面図である。
【図３】せん断開始時の状態を示す部分的断面図であ
る。
る。
【図４】本発明によりせん断を行った時のせん断速度と
切口面直角度の関係を示すグラフである。
切口面直角度の関係を示すグラフである。
【図５】従来の棒材の多数本同時せん断装置の縦断正面
図である。
図である。
１ 固定刃工具 ２ 半丸穴刃 ３ 棒押え ４ 移動刃工具 ５ 半丸穴刃 ５ａ 低位刃部 ５ｂ 中位刃部 ５ｃ 高位刃部 ６ａ，６ｂ，６ｃ 逆押え ２０，５０ 半丸穴刃部 ６０ 支え面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古閑 伸裕 埼玉県幸手町香日向２−860−13 (72)発明者 呂 言 埼玉県南埼玉郡宮代町学園台４−１ 日本 工業大学工業記念館内 (72)発明者 越智 俊夫 大阪府大阪市北区本庄西３丁目２番25号
Claims (1)
- 【請求項１】多数の平行状の半丸穴刃部を有する固定刃
工具と、固定刃工具と対向側から棒材を押える棒押え
と、多数の平行状の半丸穴刃部を有する移動刃工具、お
よび該移動刃工具と分離し半丸穴刃部と対向する支え面
を有する逆押えとを備え、前記移動刃工具が、刃幅方向
において適宜数の半丸穴刃部ごとに階段状に段差を有し
ていることを特徴とする棒材の多数本同時せん断装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25184992A JPH0679518A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 棒材の多数本同時せん断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25184992A JPH0679518A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 棒材の多数本同時せん断装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0679518A true JPH0679518A (ja) | 1994-03-22 |
Family
ID=17228839
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25184992A Withdrawn JPH0679518A (ja) | 1992-08-28 | 1992-08-28 | 棒材の多数本同時せん断装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0679518A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101438208B1 (ko) * | 2013-08-20 | 2014-09-04 | 한국기계연구원 | 봉재 절단용 치구 |
| KR20200079727A (ko) * | 2018-12-26 | 2020-07-06 | 김상문 | 파이프 절단장치 |
| CN114101784A (zh) * | 2021-12-21 | 2022-03-01 | 新疆八一钢铁股份有限公司 | 一种阶梯式剪刃弹扁定尺剪切方法 |
-
1992
- 1992-08-28 JP JP25184992A patent/JPH0679518A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101438208B1 (ko) * | 2013-08-20 | 2014-09-04 | 한국기계연구원 | 봉재 절단용 치구 |
| KR20200079727A (ko) * | 2018-12-26 | 2020-07-06 | 김상문 | 파이프 절단장치 |
| CN114101784A (zh) * | 2021-12-21 | 2022-03-01 | 新疆八一钢铁股份有限公司 | 一种阶梯式剪刃弹扁定尺剪切方法 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19991102 |