JPH067931B2 - 回転選別籾摺機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は風選部上に脱部と、内周面に多数の壷穴を形
設して回動可能に横架た選別胴によって異種粒を選別す
る壷穴式選別部を配設して構成する回転選別籾摺機にお
いて、該壷穴式選別部と脱部とを離間自在にして各部
の清掃点検に便にするとともに壷穴式選別部から脱部
に還元すべき穀粒を機体外にこぼすことなく還元し回収
する回転選別籾摺機に関するものである。

(ロ)従来の技術 このように、風選部上に脱部と壷穴式選別部を配設し
て構成する回転選別籾摺機は、従来例えば特開昭５６−
１３６６５８号公報に示されているようにそれらの各部
は一体的に組成されて各部の解離または組合せは容易で
はなくその清掃点検は困難なものであった。

従って、壷穴式選別部で選別され脱部に還元すべき穀
粒の還元樋も脱部に連結固定されている構造のもので
あった。

(ハ)発明が解決しようとする問題点 従来の回転選別籾摺機は上記のように風選部上に脱部
と壷穴式選別部が配設されそれら各部が一体的に組成さ
れているものであるから各部の清掃点検の作業は困難な
ものであった。

そこで本発明はこの清掃点検を容易にするために壷穴式
選別部と脱部とを離間自在にし、且つその場合に壷穴
式選別部で選別された穀粒のうち脱部に還元すべき穀
粒を機体外にこぼすことのないように還元し回収するこ
とのできるようにしようとするを目的として創作された
ものである。

(ニ)問題点を解決するための手段 本発明は上記の目的遂行のために次のように構成するも
のである。

即ち、風選部上に脱部と壷穴式選別部を配設して構成
する回転選別籾摺機において、 該壷穴式選別部と脱部とを離間自在にするとともにこ
の壷穴式選別部から脱部に還元すべき穀粒の還元樋
を、風選部の選別風路に連通する開口の上方で脱部と
接合解離すべくなす構成にするものである。

(ホ)作用 本発明はこの構成によって壷穴式選別部と脱部は風選
部上で容易に離間でき脱部と風選部と壷穴式選別部と
の間に大きな空間が形成されて各部の清掃点検を容易に
する。

また、壷穴式選別部または脱部を元の位置に復帰させ
ると壷穴式選別部から脱部に還元すべき穀粒の還元樋
は脱部と接合し還元樋によって脱部に還元せしめる
のであるが、若しその接合状態が悪しく接合箇所から漏
れてもそのものは風選部上部の開口に落下して選別風路
に流入し回収されるようになるのである。

(ヘ)実施例 以下本発明を実施例に基づいて説明すると、 この回転選別籾摺機は第１図と第２図に示すように、機
台(1)上に風選部(B)を、この風選部(B)上の前後に脱
部(A)と壷穴式選別部(C)を配設し、玄米と籾の混合米は
昇降機(D)によって揚上して壷穴式選別部(C)に供給する
ようになっており、風選部(B)から外側方にそれぞれ突
出する混合米取出ケース(2)玄米取出ケース(3)とによっ
てその下部を挾み機台(1)で受けた状態で壷穴式選別部
(C)の側部に立設されている。

そして、この回転選別籾摺機の脱、風選、選別の各工
程は第１図に示されているように、籾タンク(4)に投入
された籾は、一対の脱ロール(5)にて摺落され選別風
路(6)で風選される。籾穀は吸引排塵機(7)から機外に排
出され粃樋(8)から取出され、玄米と籾の混合米は混合
米取出ケース(2)内の混合米取出樋(9)から昇降機(D)の
前側室内を揚上され異物除去ケース(10)に流入し混合米
中に混入する小石や金属片などのような異物が取除かれ
この異物除去ケース(10)の一方側に連続する供給樋(11)
に入る。(12)は穀粒が通過する程度の篩目をもつ篩線を
示し、(13)は異物除去ケース(10)の他方側に連続する異
物取出樋で上記の混合米中に混入する異物は篩線(12)で
篩われこの篩線(12)上をつたって異物除去樋(13)内に落
下し機外に取出されるようになっている。

前記の供給樋(11)に入った混合米は内周面に多数の壷穴
(14)を形設した選別胴(15)内を移送樋(16)によって後側
に送られ落下口(17)から選別胴(15)の内周面に落下し壷
穴(14)の掬い上げ作用によって玄米は玄米受樋(18)に分
離され前側に送られたのち玄米取出樋(19)を経て前記風
選部(B)の後側寄りに導出され風選路(20)で屑米が除去
されて前記玄米取出ケース(3)内に延出された玄米取出
樋(21)から昇降機(D)の後側室を揚上されて機外適所に
取出される。玄米と分離した籾は選別胴(15)の前側でそ
の内周面に等配されたバケット(22)により持上げられ上
方に至って落下しこの落下する籾は還元樋(23)によって
受けられて籾タンク(4)に還元され再度一対の脱ロー
ル(5)に供給されるのである。

尚、(24)は風選路(20)で玄米中から選別された屑米を取
出すために混合米取出ケース(2)に延出された屑米取出
樋である。

また壷穴式選別部(C)への動力は脱ギアケース(25)か
ら取出されて伝動させられる伝動軸(26)端部と前記選別
胴(15)を支承して回動させる転輪(27)の軸端部の突合に
よって伝達する軸継手(28)を介して壷穴式選別部(C)側
に伝達している。

次に、壷穴式選別部(C)を風選部(B)上において脱部
(A)から離間させる手段について述べると、 この壷穴式選別部(C)の前部下端の両側にはコロ(29)が
それぞれ取着され後側に設ける把持棒(30)によって前後
に押し引きすることによって風選部(B)の上側両側に前
後方向に取付けたガイド板(31)にそって移動自在に構成
され風選部(B)上の両側に固設したストッパー(32)とガ
イド板(31)に螺合する固定ツマミ(33)によって定位置に
固定されるようになっている。

上記風選部(B)の上部における後端には係止金(34)を斜
め上方に向け突設させ、壷穴式選別部(C)の下側におけ
る稍々前側寄りには両側壁(35)を連結して補強する連結
金(36)が横設されている。

また、前記の還元樋(23)にはこの還元樋(23)が脱部
(A)の籾タンク(4)と接合する前において分出樋(37)を一
体に設けて上下に還元口(23a)と分出口(37a)を開口し、
(38)はハンドル(39)によって還元樋(23)内を流出する穀
粒を分出樋(37)に切換える切換弁である。籾タンク(4)
には上記還元口(23a)と対応する受口(40)が開口され、
この受口(40)の下側に上記分出口(37a)に対応する受口
(41)をもち機外と連通する排出樋(42)が籾タンク(4)に
一体に取着されている。そして受口(40)(41)の周囲には
スポンジ等の柔軟質材(43)が貼着されこの柔軟質材(43)
は還元口(23)と分出口(37a)がそれぞれ受口(40)と(41)
に挿入するとき還元口(23a)と分出口(37a)の周りに取着
せる当て板(44)に接着するようになっている。

さらにこの還元樋(23)と分出樋(37)の還元口(23a)と分
出樋口(37a)が籾タンク(4)と排出樋(42)と各受口(40)(4
1)と接合する箇所の下方に相当する風選部(B)の上部に
は全幅にわたって大きな開口(45)が開設され、この開口
(45)は斜板(46)上から前記風選路(20)とも通じている選
別風路(6)に連通しているのである。

したがって、壷穴式選別部(C)は固定ツマミ(33)を弛め
て固定状態を解除し把持棒(30)を上方に回動させて第２
図の仮想線に示す後方への保持突出姿勢にし壷穴式選別
部(C)をやや持上げ気味にして後方に引出せば軸継手(2
8)は解離するとともに還元樋(23)と分出樋(37)は籾タン
ク(4)と排出樋(42)から解離してコロ(29)は風選部(B)上
を転動し連結金(36)は係止金(34)に当接する。そこで手
許を順次下げてこの当接箇所を支点にして傾斜接地させ
れば第２図に仮想線で示す状態となって脱部(A)と風
選部(B)と壷穴式選別部(C)の間には大きな空間が形成さ
れ各部の清掃点検を容易にする。

またこの離間した状態から壷穴式選別部(C)を元の状態
に復帰させるには把持棒(30)をもって後部を持上げ前方
に押し込めばコロ(29)はストツパー(32)に当接するとと
もに軸継手(28)は連結し還元樋(23)等は籾タンク(4)側
に接合する。そこで固定ツマミ(33)によって固定するの
である。

この元の状態に復帰して籾摺作業を行なうとき若し還元
樋(23)と分出樋(37)側が籾タンク(4)と排出樋(42)側と
の接合状態が悪く還元樋(23)から籾タンク(4)内に還元
される穀粒あるいは分出樋(37)から機外に排出しようと
する穀粒が還元口(23a)あるいは分出口(37a)から漏下し
たりまた籾タンク(4)に投入される籾が過剰に供給され
滞積して受口(40)から漏出するときはこの漏下または漏
出する穀粒は前記の開口(45)に落下し斜板(46)上を流下
して回収されるのである。

(ト)発明の効果 本発明は以上詳述した如く、風選部上に脱部と壷穴式
選別部を配設して構成する回転選別籾摺機において、該
壷穴式選別部と脱部とを離間自在にするとともにこの
壷穴式選別部から脱部に還元すべき穀粒の還元樋を、
風選部の選別風路に連通する開口の上方で脱部と接合
解離すべくなしたから、壷穴式選別部は風選部上で移動
し脱部から容易に離間させることができ、これによっ
て脱部と風選部と壷穴式選別部の間には大きな空間が
形成されて各部の清掃点検は便になるばかりでなく、壷
穴式選別部をこの離間状態から元の位置に復帰させた場
合に若し還元樋と脱部との接合状態が悪しくその接合
箇所から穀粒が漏れて落下してもその穀粒は下方に風選
部に開設せる開口に受入れられ壷穴式選別部から脱部
に還元すべき穀粒を機体外にこぼすようなことなく還元
し回収する特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施態様を示したもので、第１図は本発
明による回転選別籾摺機の内部構造を示す概略側面図、
第２図は同要部を示す外観側面図、第３図は壷穴式選別
部の前面図、第４図は還元樋側の縦断側面図、第５図は
脱部側を示す縦断側面図、第６図は第５図の後面図を
示したものである。 (A)……脱部、(B)……風選部 (C)……壷穴式選別部、(23)……還元樋 (6)……選別風路、(45)……開口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】風選部(B)上に脱部(A)と壷穴式選別部
   (C)を配設して構成する回転選別籾摺機において、該壷
   穴式選別部(C)と脱部(A)とを離間自在にするとともに
   この壷穴式選別部(C)から脱部(A)に還元すべき穀粒の
   還元樋(23)を、風選部(B)の選別風路(6)に連通する開口
   (45)の上方で脱部(A)と接合解離すべくなしたことを
   特徴とする回転選別籾摺機。