JPH067926A - アルミニウム材の接合方法 - Google Patents

アルミニウム材の接合方法

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JPH067926A
JPH067926A JP15046092A JP15046092A JPH067926A JP H067926 A JPH067926 A JP H067926A JP 15046092 A JP15046092 A JP 15046092A JP 15046092 A JP15046092 A JP 15046092A JP H067926 A JPH067926 A JP H067926A
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JP
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aluminum materials
aluminum
brazing
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brazing material
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JP15046092A
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Shoichi Sato
昭一 佐藤
Ichiro Iwai
一郎 岩井
Tatsuo Otsuka
達雄 大塚
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Showa Aluminum Can Corp
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Showa Aluminum Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウム材どうしを短時間で良好に接合
する。コストを安くする。 【構成】 2つのアルミニウム材A1、A2の接合面間にA
l−Si系ろう材1を介在させる。両アルミニウム材A
1、A2を0.01〜20kgf/mm2 の加圧力で接合
面どうしを押し付ける方向に加圧する。少なくともいず
れか一方のアルミニウム材A1に超音波振動を付与して両
アルミニウム材A1、A2の接合面およびろう材1表面の酸
化皮膜を破壊する。また、付与した超音波振動により、
両アルミニウム材A1、A2とろう材1との間に摩擦熱を発
生させる。これと同時に、両アルミニウム材A1、A2間に
電流を流して抵抗熱を発生させる。摩擦熱および抵抗熱
によりろう材1を溶融させて両アルミニウム材A1、A2を
ろう付する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえばアルミニウ
ム製自動車部品、アルミニウム製熱交換器等を製造する
にあたり、アルミニウム材どうしを接合するのに適用さ
れるアルミニウム材の接合方法に関する。
【0002】この明細書において、「アルミニウム」と
いう語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を
含むものとする。
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】アルミニ
ウム材の接合は、従来、接合部にろう材を供給するとと
もに、アルミニウム材の接合面およびろう材の表面に生
成している酸化皮膜を除去する目的でフラックスの懸濁
液をろう付部に塗布し、加熱することによりろう付を行
っていた。ところが、ろう材の供給およびフラックス懸
濁液の塗布を別個の作業で行なう必要があるため、その
作業が面倒であるという問題があった。しかも、塗布す
るフラックス量にばらつきが生るので、安定したろう付
をすることができず、さらにフラックス懸濁液の量が多
くなった場合にこれが垂れてろう付炉等を汚すという問
題があった。また、塩化物系フラックスを用いた場合、
フラックスの残渣によりろう付後のアルミニウム製品が
腐食するので、ろう付後にフラックスの洗浄処理を行わ
なければならず、作業が面倒であるとともに、コストが
高くなるという問題があった。
【0004】また、上記のようなフラックスを必要とし
ない接合方法として、超音波を利用して接合面の酸化皮
膜を除去しつつはんだ付を行う超音波はんだ付方法が知
られている。このような超音波はんだ付方法としては一
般的に2つの方法があるが、そのうちの第1の方法は、
接合すべきアルミニウム材を、処理槽に入れられた溶融
はんだ中に浸漬し、処理槽に取付けられた超音波振動子
を用いて溶融はんだに超音波振動を付与することにより
接合面の酸化皮膜を破壊しながら、はんだ付を行う方法
である。
【0005】ところが、この方法では、設備が大掛かり
になるとともに、大量のはんだを必要とし、しかも超音
波により処理槽の壁が浸食されるのでコストが高くなる
という問題がある。また、クリアランスの小さな重ね継
手部や、はぜ止め継手部や、突き合わせ継手部において
は、酸化皮膜が十分に破壊されず、接合不良を起こすと
いう問題がある。この問題を解決するには、継手部のク
リアランスを大きくしなければならないが、これでは得
られる製品の寸法精度が十分ではなく、場合によっては
接合工程においてアルミニウム材どうしがずれてしまう
という問題がある。
【0006】超音波はんだ付方法の第2の方法は、超音
波振動子が取付けられたはんだごてを用いてはんだ付す
る方法である。
【0007】ところが、この方法では、はんだごての先
端のチップの寿命が短く、コストが高くなるという問題
がある。
【0008】この発明の目的は、上記問題を解決したア
ルミニウム材の接合方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明によるアルミニ
ウム材の接合方法は、2つのアルミニウム材の接合面間
にAl−Si系ろう材を介在させ、両アルミニウム材を
0.01〜20kgf/mm2 の加圧力で接合面どうし
を押し付ける方向に加圧し、この状態で少なくともいず
れか一方のアルミニウム材に超音波振動を付与すること
により両アルミニウム材の接合面の酸化皮膜およびろう
材表面の酸化皮膜を破壊するとともに、アルミニウム材
とろう材との間に摩擦熱を発生させ、さらに両アルミニ
ウム材間に電流を流すことにより抵抗熱を発生させ、摩
擦熱および抵抗熱によりろう材を溶融させて両アルミニ
ウム材をろう付することを特徴とするものである。
【0010】上記において、2つのアルミニウム材を加
圧するさいの加圧力を0.01〜20kgf/mm2
範囲内に限定したのは、加圧力が下限値よりも小さい
と、アルミニウム材とこれを保持する部分との間に滑り
が発生して超音波の伝達が不十分になるとともに、アル
ミニウム材とろう材との接触抵抗が大きくなって十分な
抵抗熱(ジュール熱)が発生せず、上限値を越えると、
アルミニウム材に座屈あるいは変形が生じるとともに、
アルミニウム材とろう材が融合し合ってアルミニウム材
の侵食が大きくなり、しかもアルミニウム材の粒界にバ
ーニングが発生するおそれがあるからである。
【0011】付与する超音波振動は、周波数10〜20
kHz、振幅5〜100μm、出力100〜4500W
とするのがよい。このような範囲内であれば、酸化皮膜
の破壊が十分に行われるとともに、アルミニウム材とろ
う材との間に十分な摩擦熱を発生させ、発生した摩擦熱
をろう材の溶融に寄与させることができるからである。
さらに、超音波振動は、アルミニウム材の接合面と平行
な方向に付与するのがよい。
【0012】両アルミニウム材間に流す電流は1000
〜10000Aとするのがよい。1000A未満であれ
ば発生する抵抗熱が十分ではなくてろう材が溶融しにく
く、10000Aを越えると母材であるアルミニウム材
が溶融するおそれがあるからである。
【0013】Al−Si系ろう材としては、通常の方法
によるアルミニウム材のろう付に用いるものをすべて使
用することが可能であり、たとえばSi3〜12重量%
を含み、残部不可避不純物およびAlからなるものや、
これに所望の性能を得るために必要成分を添加したもの
等が用いられる。また、ろう材としては接合すべき2つ
のアルミニウム材のうち電気伝動率が高いものに比べて
電気伝動率の低いものを用いるのがよい。ろう材の厚さ
は0.05〜0.5mmの範囲内でかつ両アルミニウム
材の接合部分の肉厚よりも小さくすることが好ましい。
その理由は、0.05mm未満の厚さにすることは加工
上困難であり、0.5mmを越えると接合強度や、伸び
が低下するからである。また、ろう材の厚さが、両アル
ミニウム材の接合部分の肉厚よりも小さいと、ろう材で
の発熱効率が向上するからである。
【0014】また、超音波振動を付与することによる摩
擦熱発生効果を高めるために、アルミニウム材の接合面
の表面粗さおよびろう材両面の表面粗さは、中心線平均
粗さで0.5〜50μmの範囲内にすることが好まし
い。その理由は、この範囲内であれば、摩擦熱が最も効
率良く発生し易く、しかもこの範囲内にするための加工
も容易に行なえるからである。
【0015】
【作用】この発明の方法によれば、両アルミニウム材を
0.01〜20kgf/mm2の加圧力で接合面どうし
を押し付ける方向に加圧し、さらに少なくともいずれか
一方のアルミニウム材に超音波振動を付与することによ
って、両アルミニウム材の接合面の酸化皮膜およびろう
材表面の酸化皮膜を破壊するので、このような酸化皮膜
を除去するためのフラックスを必要としない。さらに、
少なくともいずれか一方のアルミニウム材に超音波振動
を付与することによって摩擦熱を発生させるとともに、
両アルミニウム材間に電流を流すことにより抵抗熱を発
生させ、摩擦熱および抵抗熱によりろう材を溶融させる
ので、ろう材を極めて短時間で溶融させることができ、
その結果ろう付時間を短縮することができる。さらに、
溶融したろう材は、破壊された酸化皮膜の間を流れて接
合面の素地に至るので、両アルミニウム材を良好に接合
することが可能になる。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を、図面を参照して
説明する。
【0017】図1は、この発明の方法を、板状アルミニ
ウム材どうしを重ね継手で点接合するのに適用した実施
例を示す。
【0018】図1において、2つの板状アルミニウム材
(A1)(A2)どうしの重ね合わせ部分に、Al−Si系ろう
材(1) が介在させられている。また、両アルミニウム材
(A1)(A2)どうしの重ね合わせ部分は、上下から加圧電極
(2)(3)で加圧されるようになっている。上側の加圧電極
(2) は、超音波発振機(4) に接続されたトランスデュー
サ(5) 先端のホルダ部(6) によって保持されるようにな
っている。
【0019】このような構成において、両アルミニウム
材(A1)(A2)を接合するには、上下の加圧電極(2)(3)によ
り、両アルミニウム材(A1)(A2)を上下から0.01〜2
0kgf/mm2 以下の加圧力で加圧するとともに、超
音波発振機(4) から発振された超音波振動を、トランス
デューサ(5) を介して上側の加圧電極(2) に左右方向の
振動として付与する。すると、加圧電極(2) を介して上
側のアルミニウム材(A1)に超音波振動が付与され、この
超音波振動によって両アルミニウム材(A1)(A2)の接合面
およびろう材(1) 表面の酸化皮膜が破壊されるととも
に、両アルミニウム材(A1)(A2)とろう材(1) との間に摩
擦熱が発生する。また、超音波振動を付与するのと同時
に、両電極(2)(3)間に1000〜10000Aの電流を
流し、これにより抵抗熱を発生させる。上記摩擦熱およ
び抵抗熱によりろう材(1) が溶融し、溶融したろう材
(1) が破壊された酸化皮膜の間から接合面の素地に達
し、その結果両アルミニウム材(A1)(A2)が良好に接合さ
れる。
【0020】図2は、この発明の方法を、板状アルミニ
ウム材どうしを重ね継手で所定長さにわたって接合する
のに適用した実施例を示す。
【0021】図2において、2つの板状アルミニウム材
(A1)(A2)どうしの重ね合わせ部分に、帯板状のAl−S
i系ろう材(11)が介在させられている。また、両アルミ
ニウム材(A1)(A2)どうしの重ね合わせ部分は、上下から
アルミニウム材(A1)(A2)に沿って転動する回転加圧電極
(12)(13)で加圧されるようになっている。上側の回転加
圧電極(12)の軸(12a) が、超音波発振機(4) に接続され
たトランスデューサ(5) 先端のホルダ部(6) によって保
持されるようになっている。
【0022】このような構成において、両アルミニウム
材(A1)(A2)を接合するには、上下の回転加圧電極(12)(1
3)により、両アルミニウム材(A1)(A2)を上下から0.0
1〜20kgf/mm2 以下の加圧力で加圧するととも
に、超音波発振機(4) から発振された超音波振動を、ト
ランスデューサ(5) を介して上側の回転加圧電極(12)に
アルミニウム材(A1)(A2)と平行な方向の振動として付与
する。また、超音波振動を付与するのと同時に、両電極
(12)(13)間に1000〜10000Aの電流を流す。つ
いで、両電極(12)(13)をアルミニウム材(A1)(A2)に沿っ
て転動させる。すると、加圧電極(12)を介して上側のア
ルミニウム材(A1)に超音波振動が付与され、この超音波
振動によって両アルミニウム材(A1)(A2)の接合面および
ろう材(11)表面の酸化皮膜が破壊されるとともに、両ア
ルミニウム材(A1)(A2)とろう材(11)との間に摩擦熱が発
生する。また、両電極(2)(3)間に流された電流により抵
抗熱が発生する。そして、上記摩擦熱および抵抗熱によ
りろう材(11)が溶融し、溶融したろう材(11)が破壊され
た酸化皮膜の間から接合面の素地に達し、その結果両ア
ルミニウム材(A1)(A2)が所定長さにわたって良好に接合
される。
【0023】以下、この発明の方法のさらに具体的な実
施例について比較例とともに説明する。
【0024】具体的実施例1 この具体的実施例は、図1に示すようにして行ったもの
である。厚さ1.0mmのJIS A3003製の2枚の板
状アルミニウム材(A1)(A2)を用意し、その接合面に、そ
れぞれエメリ研摩処理またはバフ研摩処理を施した後、
アセトンを用いて超音波洗浄処理を施した。接合面の表
面粗さは、中心線平均粗さで20μmである。また、ろ
う材(1) としてAl−10重量%Siからなる厚さ0.
2mmの板状のものを用意した。ろう材(1) の両面の表
面粗さは、中心線平均粗さで20μmである。ついで、
両アルミニウム材(A1)(A2)の接合面どうしの間にろう材
(1) を介在させた。
【0025】この状態で、上下の加圧電極(2)(3)によ
り、両アルミニウム材(A1)(A2)の接合面どうしを上下か
ら10MPaの加圧力で加圧した。そして、超音波発振
機(4)から発振された超音波振動を、トランスデューサ
(5) および加圧電極(2) を介して、上側のアルミニウム
材(A1)に左右方向の振動として付与した。超音波の出力
は4500W、周波数20kHz、振幅25μmとし
た。これと同時に、両電極(2)(3)により両アルミニウム
材(A1)(A2)間に10000Aの電流を流した。その結
果、0.5秒間でろう材(1) が溶融し、両アルミニウム
材(A1)(A2)が接合された。
【0026】具体的実施例2 加圧力を50MPa、電流を5000Aとした他は上記
具体的実施例1と同様にして2つのアルミニウム材(A1)
(A2)を接合した。ろう材(1) は0.5秒で溶融した。
【0027】具体的実施例3 加圧力を100MPa、電流を1000Aとした他は上
記具体的実施例1と同様にして2つのアルミニウム材(A
1)(A2)を接合した。ろう材(1) は0.5秒で溶融した。
【0028】比較例1 加圧力を0.5MPa、電流を20000Aとした他は
上記具体的実施例1と同様にして2つのアルミニウム材
(A1)(A2)を接合した。ろう材(1) は0.5秒で溶融し
た。
【0029】比較例2 加圧力を300MPa、電流を500Aとした他は上記
具体的実施例1と同様にして2つのアルミニウム材(A1)
(A2)を接合した。ろう材(1) は5.0秒で溶融した。
【0030】評価試験 具体的実施例1〜3で得られた接合品に引張試験を施し
たところ、接合部では破断せず、アルミニウム材にいわ
ゆる母材破断が起った。これに対し、比較例1で得られ
た接合品では、ほとんど接合していなかった。また、比
較例2で得られた接合品では、アルミニウム材における
接合部が溶融するとともに、この部分に割れが発生して
いた。
【0031】
【発明の効果】この発明のアルミニウム材の接合方法に
よれば、上述のように、フラックスを用いることなく、
アルミニウム材どうしを良好に接合することができるの
で、従来のろう付方法のようにフラックスを供給した
り、フラックスの残渣を洗浄したりする必要がなく、そ
の結果作業が簡単になって生産性が向上するとともにコ
ストが安くなる。また、少なくともいずれか一方のアル
ミニウム材に超音波振動を付与することによって摩擦熱
を発生させるとともに、両アルミニウム材間に電流を流
すことにより抵抗熱を発生させ、摩擦熱および抵抗熱に
よりろう材を溶融させるので、ろう材を極めて短時間で
溶融させることができ、その結果ろう付時間を短縮する
ことができる。
【0032】また、従来の第1の超音波接合方法のよう
に、大掛かりな設備や大量のはんだを必要としない。し
たがって、この従来方法に比べてコストが安くなる。さ
らに、従来の第2の超音波ろう材付方法のように、寿命
の短いチップを必要としないので、この従来の方法に比
べてコストが安くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の方法の実施例を示す図である。
【図2】この発明の方法の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 ろう材 11 ろう材 A1 アルミニウム材 A2 アルミニウム材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つのアルミニウム材の接合面間にAl
    −Si系ろう材を介在させ、両アルミニウム材を0.0
    1〜20kgf/mm2 の加圧力で接合面どうしを押し
    付ける方向に加圧し、この状態で少なくともいずれか一
    方のアルミニウム材に超音波振動を付与することにより
    両アルミニウム材の接合面の酸化皮膜およびろう材表面
    の酸化皮膜を破壊するとともに、アルミニウム材とろう
    材との間に摩擦熱を発生させ、さらに両アルミニウム材
    間に電流を流すことにより抵抗熱を発生させ、摩擦熱お
    よび抵抗熱によりろう材を溶融させて両アルミニウム材
    をろう付することを特徴とするアルミニウム材の接合方
    法。
JP15046092A 1992-06-10 1992-06-10 アルミニウム材の接合方法 Withdrawn JPH067926A (ja)

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