JPH0679215A - 押出し塗布方法および塗布装置ならびに磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

押出し塗布方法および塗布装置ならびに磁気記録媒体の製造方法

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Publication number
JPH0679215A
JPH0679215A JP25585492A JP25585492A JPH0679215A JP H0679215 A JPH0679215 A JP H0679215A JP 25585492 A JP25585492 A JP 25585492A JP 25585492 A JP25585492 A JP 25585492A JP H0679215 A JPH0679215 A JP H0679215A
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JP
Japan
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coating
slit
extrusion
coating liquid
web
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Application number
JP25585492A
Other languages
English (en)
Inventor
Eizo Tsunoda
栄蔵 角田
Yutaka Shimizu
豊 清水
Masujirou Seki
益二朗 関
Naomi Yoshiike
直美 吉池
Kazuo Katai
一夫 片井
Katsumi Onozawa
克美 小野沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
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  • Coating Apparatus (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも1つのスリット1を有する押出し
型塗布ヘッド100を用いて、磁性塗料等の塗布液をス
リット1から押し出してウェブ12に塗布する。この
際、塗布液がスリット1を通過する直前に、ポケット2
内に設けた回転ロール3等の回転体と塗布液とを接触さ
せ、塗布液の構造粘性を破壊するようなせん断力を与え
る。 【効果】 ウェブに長手方向のスジ等の膜欠陥が防止さ
れ、ウェブ12幅方向の膜厚が均一化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗布液の押出し塗布方
法と、そのための押出し塗布装置と、これらを用いた磁
気記録媒体の製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体の磁性層の塗布方法には種
々の方式があるが、最近、生産性や操作性が高い等の理
由で、リバースロールやグラビアロールを用いたロール
塗布法から、押出し型塗布ヘッドを用いた塗布方式への
移行が行われつつある。
【0003】この押出し型塗布ヘッドを用いた塗布方式
は、スリット内で均一なウェット膜を形成し、このウェ
ット膜を長尺のウェブ上に連続的に転写し、磁気記録媒
体を得るものである。この際、押出し型塗布ヘッドのウ
ェブ対向面には、フロントエッジとバックエッジとの間
に所定のギャップ巾とギャップ長のスリット出口が形成
される。この際、バックエッジの長さを長くとると、ウ
ェブとバックエッジ面で形成される隙間長が長くなって
しまい、ウェブの変形(片伸び等)による転写量の変動
が生じ、せっかくスリット内で計量されウェブ幅方向に
均一化されたはずのウェット膜も、転写後は不均一な幅
方向膜厚分布を生じさせてしまう欠点がある。
【0004】このような問題に対しては、転写膜厚分布
ムラを解消するウェット膜の第2次計量が必要ない程度
にバックエッジを短くすればよいのであるが、今度は、
転写時においてウェット膜が受けるせん断力が不足とな
って、幅方向厚みの均一性は保たれるものの、塗膜表面
に長手スジ等の塗膜欠陥が発生するといった問題があ
る。この塗膜欠陥は、せん断力の不足によって磁性塗料
の構造粘性破壊が不十分となるためであると考えられ
る。
【0005】このような問題に対しては、幅方向の膜厚
分布と塗膜欠陥がバランスするようなポイントでバック
エッジ長さを調整することである程度の対応は可能であ
るが、根本的な解決とはならなず両者の欠陥が生じてし
まうことがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、磁性粉とバインダを含有する磁性塗料等の塗布液を
長尺のウェブ上に押出し塗布する場合に、ウェブ幅方向
の膜厚均一性にすぐれ、塗膜欠陥が少ない塗膜を得るこ
とのできる押出し塗布方法と、それに用いる装置を提供
し、さらにこれらを用いた磁気記録媒体の製造方法を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(11)の本発明により達成される。
【0008】(1)少なくとも1つのスリットを有する
押出し型塗布ヘッドを用い、塗布液を前記スリットから
押出してウェブ上に塗膜を形成する押出し塗布方法であ
って、前記塗布液が前記スリットを通過する前に、前記
塗布液に回転体を接触させて前記塗布液にせん断力を与
え、前記塗布液の構造粘性を破壊して前記塗膜の塗膜欠
陥を減少させる押出し塗布方法。
【0009】(2)前記回転体が回転ロールである上記
(1)の押出し塗布方法。
【0010】(3)前記塗布液が、前記回転体によりせ
ん断力を与えられてから、前記ウェブ上に押出されるま
での時間が0.8秒以内である上記(1)または(2)
の押出し塗布方法。
【0011】(4)前記回転体が前記塗布液に与えるせ
ん断速度が600s-1 以上である上記(1)〜(3)の
いずれかの押出し塗布方法。
【0012】(5)前記塗膜欠陥として前記ウェブ長手
方向のスジ状欠陥を減少させる上記(1)〜(4)のい
ずれかの押出し塗布方法。
【0013】(6)前記塗布液が、磁性粉とバインダと
を含む磁性塗料である上記(1)〜(5)のいずれかの
押出し塗布方法。
【0014】(7)前記磁性粉/バインダの重量比が3
以上である上記(6)の押出し塗布方法。
【0015】(8)外部に塗布液を押出すためのスリッ
トを少なくとも1つ有する塗布ヘッドを具える押出し塗
布装置であって、前記塗布ヘッドは、前記スリットに連
通するポケットを少なくとも1つ有し、このポケット内
部に、前記塗布液の構造粘性破壊を行って塗膜欠陥を減
少させるためのせん断力付与用の回転ロールを設けた押
出し塗布装置。
【0016】(9)前記ポケット出口から、前記スリッ
ト出口まで塗布液が流動する時間が0.8秒以内である
ように、前記スリットのギャップと長さが設定されてい
る上記(8)の押出し塗布装置。
【0017】(10)前記塗布液に付与されるせん断速
度が600s-1 以上であるように、前記回転ロールの回
転速度が調整される上記(8)または(9)の押出し塗
布装置。
【0018】(11)上記(6)または(7)の押出し
塗布方法を用いて、前記磁性塗料を前記ウェブ上に塗布
して磁性層を形成する磁気記録媒体の製造方法。
【0019】
【作用】磁性塗料等の塗布液は、非ニュートン流動特性
をもち、高い構造粘性を示す。本発明では、スリット出
口直前でこの塗布液に高いせん断力を与え、せん断速度
−応力曲線の降伏値を低下させ、構造粘性を破壊し、長
手スジ等の塗膜欠陥を減少させるものである。
【0020】なお、従来、回転ロールを具えた押出し塗
布ヘッドはいくつか知られている。例えば特公昭57−
21392号公報には、スリットを有する塗料タンク内
部のスリット直前に回転ロールを配置しているが、この
回転ロールは塗料の押出しを行うためのものであるとさ
れており、塗料の構造粘性破壊を生じさせるようなせん
断力を与えるためのものではない。また、実公昭46−
27507号公報にもスリット通過前に回転ロールを配
置しているが、このものは塗料を攪拌するためのもので
あるとされており、塗料に構造粘性破壊を生じさせるに
十分なせん断力を与えるものではない。さらに、実公昭
46−3874号公報には上唇部と下唇部との間にロー
ルを配置し、この間に塗料を圧送する際に、このロール
を回転してもよい旨の記載がなされているが、この場合
も、塗料に構造粘性破壊のためのせん断力を与える旨に
ついては示唆すらされていない。
【0021】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明
をさらに詳細に説明する。
【0022】図1には、本発明の押出し塗布装置の分解
斜視図が示される。本発明の押出し塗布装置は、スリッ
ト1を有する塗布ヘッド100を有する。塗布ヘッド1
00のウェブ12対向面には、幅規制スペーサ11、1
1′を介してフロントエッジ9とバックエッジ10が一
体化されており、この間に所定のギャップ長とギャップ
幅のスリット出口が形成されている。スリット出口をウ
ェブ12対向面に開口するスリット1は、塗布ヘッド1
00の内部に所定長延在し、円柱形状の空間であるポケ
ット2と連通している。ポケット2には図下方から塗布
液が供給可能とされている。より具体的には、図示例で
はフロットエッジ9またはバックエッジ10をそれぞれ
有し、それぞれの対向面に所定の凹部を有する本体ハー
フ15、16を幅規制スペーサ11、11′を介して一
体化することにより、スリット1とポケット2とを有す
るヘッド本体13が構成されている。
【0023】さらに、このヘッド本体13のウェブ12
幅方向両端には側板5、5′が一体化されており、この
側板5、5′には、シール部6を介して回転ロール3が
装着されており、ポケット2内部でポケット3内壁と一
定の間隙を介して回転できるようにされている。なお、
この回転ロール3の回転駆動は、カップリング7を介し
て連結されたモータ8によって行われている。
【0024】一方、塗布ヘッド100のウェブ12対向
面上方にはバックアップロール4、4′が配置されてお
り、これにより長尺のウェブ12が図示矢印方向に連続
的に搬送される。そして、スリット出口から押出された
塗布液(磁性塗料)はウェブ12上に転写され磁性層2
0が塗布される。
【0025】このような構成において、スリット1に連
通するポケット2内部で回転する回転ロール3は、塗布
液、例えば磁性塗料にせん断力を与え、これにより塗布
液の構造粘性破壊を生じさせるものである。せん断力を
与える手段は図示例のような回転ロールに限らず、間隙
を介して対向して回転する回転ロール対、表面に凹凸形
状を有する回転ロール等種々の回転体が可能であるが、
装置設計が可能であり、印加するせん断力の制御が容易
である点で、図示例のようにスリット1に連通し、しか
も液入口を有する円柱状空間のポケット3内壁と所定の
間隙を介して対向回転する回転ロール2を用いることが
好ましい。
【0026】回転体によるせん断力付与を用いることに
より、十分な構造粘性破壊を生じさせることができ、例
えば、スリット1に至る塗布液供給流路を狭めることに
よるせん断力付与等では十分な構造粘性破壊を生じさせ
ることはできない。より具体的には、流路を狭めるよう
な構成では、層流状態で狭ギャップを通過させるので、
流速をギャップで割った値がせん断速度となるが、この
ようなせん断速度は小さいものでしかなく、凝集破壊に
は不十分である。これに対し、図示のような回転ロール
3では、せん断速度=(回転ロール周速)/(ポケット
内壁と回転ロールの間隙)で与えられ、大きなせん断速
度を与えることができるのである。
【0027】このような場合、塗布液に与える、せん断
速度は600s-1 以上、特に700s-1 以上、さらには
1000s-1 以上が好ましい。また、その上限は一般に
5×105 s-1 程度以下である。なお、本発明では、図
示のようなポケットを塗布液流路に複数直列に配置し、
その内部にそれぞれ回転ロールを設けてもよい。また、
対向回転ロールのせん断速度の算出においては、両回転
ロールの周速を加算したものを、ロール対向間隙で割っ
た値を用いればよい。
【0028】なお、せん断速度の変更は、ポケット・ロ
ール間隙を固定してロール回転数を変更することによっ
て行う。ポケット・ロール間隙(あるいはロール対間
隙)は40μm 〜5mm程度とし、例えばロール径100
mmでは、ロール回転数は2〜3000rpm 程度にて可変
とすればよい。また、ロール径は機械的強度や軸受け精
度等から5〜100mm程度が好ましい。径があまり大き
すぎると、塗布装置が大型・重量化し、ウェブの縦目通
過時の動作が遅くなったりして好ましくない。
【0029】一方、本発明においては、上記のせん断速
度を与えられてから、ウェブ12上に押出されるまでの
時間も重要である。すなわち、ポケット2の出口からス
リット1出口まで塗布液が流動する時間は0.8秒以
内、特に0.6秒以内、さらには0.4秒以内とするこ
とが好ましい。これによっても構造粘性回復が防止さ
れ、膜欠陥が減少する。この通過時間は吐出圧と、スリ
ット開口面積によって変更可能である。従って、これら
のいずれか一つ以上を塗布液に応じて変更すればよい。
通常、スリット・ギャップ間距離は10〜400μm 程
度、スリット幅は20mm〜3m 程度であり、20〜10
m/s 程度のウェブ搬送速度で0.1〜6μm厚程度のウ
ェット膜が転写されるような条件を選定すればよい。
【0030】なお、塗布ヘッド100は、上記のような
回転ロールを具えたスリットを複数有し、いわゆるウェ
ット・オン・ウェットの重層塗布が行えるような構造で
あってもよい。
【0031】本発明に用いる塗布液としては、顔料等の
種々の分散質や各種ビヒクルを含有するものであってよ
い。ただ、磁性粉は一般に針状形状や板状形状であっ
て、塗布液自体が非ニュートン流動特性をもち、高い構
造粘性を示す。本発明は特に磁性粉とバインダとを含む
磁性塗料、とりわけ磁気記録媒体使用の磁性塗料の塗布
に有効である。
【0032】磁気記録媒体用の磁性塗料は、磁性粉と、
バインダと、溶媒とを含有する。磁性粉としては、γ−
Fe23 、Co含有γ−Fe23 、Fe34 、C
o含有Fe34 、CrO2 、バリウムフェライト、ス
トロンチウムフェライト等の酸化物微粉末や、Fe、C
o、Ni等の金属あるいはこれらの合金微粉末、炭化鉄
などいずれも使用可能である。バインダとしては、公知
の各種樹脂バインダはいずれも使用可能である。用いる
溶媒にも特に制限はなく、シクロヘキサノン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、ト
ルエン等の芳香族系等の各種溶媒を目的に応じて選択す
ればよい。磁性粉末は、磁性層全体の30〜92wt% 程
度含有されるようにし、磁性層の乾燥膜厚は0.1〜6
μm 程度とする。磁性塗料には、必要に応じ、無機微粒
子、潤滑剤等の各種添加剤を含有させてもよい。
【0033】このような場合、磁性塗料中の磁性粉/バ
インダの重量比は、3以上、特に4〜10であることが
好ましい。磁性粉量が多いと、ぬれ性が悪く、構造粘性
が高くなるが、本発明によれば、このような磁性粉を過
剰に用いる際に、塗膜欠陥が顕著に防止される。なお、
塗料粘度は、コーンプレート型粘度計で測定して、せん
断速度3000s-1 におけるみかけ粘度が20〜300
cp程度のものが好ましい。
【0034】磁性塗料を非磁性の長尺のウェブ、例えば
ポリエステルフィルム上に設層した後、磁場を印加し
て、層中の磁性粒子を配向させることが好ましい。この
配向方向は、媒体の走行方向に対して、長手方向であっ
ても垂直方向であっても斜め方向であってもよい。その
後、必要な硬化を行い、磁性層が形成される。この他、
本発明は各種構造粘性の高い塗布液の塗膜欠陥防止に有
効である。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、ウェブ幅方向の膜厚が
きわめて均一となり、長手スジ等の膜欠陥が格段と減少
する。本発明者は、本発明の効果を確認するため種々実
験を行った。以下にその1例を示す。
【0036】実験例 下記の組成(重量比)の磁性塗料を用意した。 Co−γFe23 100部 極性基含有塩化ビニル−アクリレート系共重合体 15部 スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂 6部 (固形分換算) 分散剤 1.5部 ステアリン酸1部 ステアリン酸ブチル 1部 α−アルミナ 2部 メチルエチルケトン 160部 トルエン 150部 シクロヘキサノン 100部 硬化剤(日本ポリエステル製C−3041NV50%) 8.4部
【0037】実験1 図1に示されるような押出し型塗布ヘッド100を用
い、そのポケット2内に回転ロール3を設け、次のよう
な条件で塗布を行った。 塗布スピード:300m/min 乾燥後塗膜厚:5μm ポケット内径:70mm 回転ロール径:62mm ポケット・回転ロールギャップ:4mm スリット長さ:60mm スリットギャップ:300μm 回転ロール周速:3.40m/s
【0038】実験2 回転ロール周速を2.76m/s にした以外は、実験1と
同一の条件で塗布を行った。
【0039】比較実験1 回転ロール周速を1.79m/s にした以外は、実験1と
同一の条件で塗布を行った。
【0040】比較実験2 回転ロールを停止し、押出し型塗布ヘッドへの塗布液供
給系の途中に再分散機を設置し、せん断速度4×104s
-1のせん断を与えるようにした以外は、実施例1と同じ
条件で塗布を行った。なお、この時分散機出口から押出
し型塗布ヘッドまでは内径φ6mmのフレキシブルチュー
ブを使用し長さは2m であった。(チューブ内容積:5
6.5cm3 )。これらのせん断付加後経過時間とせん断
速度を下記に示す。 供給量 せん断付加後 せん断 cm3/s 経過時間(s) 速度(s-1) 実験1 66.1 0.14 851 実験2 66.1 0.14 690 比較1 66.1 0.14 446 比較2 66.1 1.0 4×104
【0041】これらの各実験につき、目視で表面性を観
察し、長手スジの有無を判断した。また表面粗さ計で幅
方向の表面粗さRaを測定した。 表面性 幅Ra(μm ) 実施例1 スジなし 0.031 実施例2 スジなし 0.029 比較例1 スジあり 0.041 比較例2 スジあり 0.047
【0042】以上のとおり、塗布直前に塗布液に600
s-1 以上のせん断を付加することにより、構造粘性が破
壊され、乾燥後の塗膜での表面性が改善できることが確
認された。また、せん断力を付加する際、ウェブ上に押
出されるまでの経過時間が長すぎるとその効果が消滅す
る結果となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の押出し塗布装置の分解斜視図である。
【符号の説明】 100 押出し塗布装置 1 スリット 2 ポケット 3 回転ロール 9 フロントエッジ 10 バックエッジ 11 スペーサ 12 ウェブ 20 磁性層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年10月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】このような問題に対しては、転写膜厚分布
ムラとなるウェット膜の第2次計量が生じない程度にバ
ックエッジを短くすればよいのであるが、今度は、転写
時においてウェット膜が受けるせん断力が不足となっ
て、幅方向厚みの均一性は保たれるものの、塗膜表面に
長手スジ等の塗膜欠陥が発生するといった問題がある。
この塗膜欠陥は、せん断力の不足によって磁性塗料の構
造粘性破壊が不十分となるためであると考えられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】このような問題に対しては、幅方向の膜厚
分布と塗膜欠陥がバランスするようなポイントでバック
エッジ長さを調整することである程度の対応は可能であ
るが、根本的な解決とはならず両者の欠陥が生じてしま
うことがある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】なお、従来、回転ロールを具えた押出し塗
布ヘッドはいくつか知られている。例えば特公昭57−
21392号公報には、スリットを有する塗料タンク内
部のスリット直前に回転ロールを配置しているが、この
回転ロールは塗料の押出しを行うためのものであるとさ
れており、塗料の構造粘性破壊を生じさせるようなせん
断力を与えるためのものではない。また、実公昭46−
27507号公報にもスリット通過前に回転ロールを配
置しているが、このものは塗料を撹拌するためのもので
あるとされており、塗料に構造粘性破壊を生じさせるに
十分なせん断力を与えるものではない。さらに、特公昭
46−3874号公報には上唇部と下唇部との間にロー
ルを配置し、この間に塗料を圧送する際に、このロール
を回転してもよい旨の記載がなされているが、この場合
も、塗料に構造粘性破壊のためのせん断力を与える旨に
ついては示唆すらされていない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】さらに、このヘッド本体13のウェブ12
幅方向両端には側板5、5′が一体化されており、この
側板5、5′には、シール部6を介して回転ロール3が
装着されており、ポケット2内部でポケット2内壁と一
定の間隙を介して回転できるようにされている。なお、
この回転ロール3の回転駆動は、カップリング7を介し
て連結されたモータ8によって行われている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】このような構成において、スリット1に連
通するポケット2内部で回転する回転ロール3は、塗布
液、例えば磁性塗料にせん断力を与え、これにより塗布
液の構造粘性破壊を生じさせるものである。せん断力を
与える手段は図示例のような回転ロールに限らず、間隙
を介して対向して回転する回転ロール対、表面に凹凸形
状を有する回転ロール等種々の回転体が可能であるが、
装置設計が可能であり、印加するせん断力の制御が容易
である点で、図示例のようにスリット1に連通し、しか
も液入口を有する円柱状空間のポケット2内壁と所定の
間隙を介して対向回転する回転ロール3を用いることが
好ましい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】回転体によるせん断力付与を用いることに
より、十分な構造粘性破壊を生じさせることができ、例
えば、スリット1に至る塗布液供給流路を狭めることに
よるせん断力付与等では十分な構造粘性破壊を生じさせ
ることはできない。より具体的には、流路を狭めるよう
な構成では、層流状態で狭ギャップを通過させるので、
流速をギャップで割った値の2〜3倍程度がせん断速度
となるが、ポンプ負荷も増大し、現実的に付与できるこ
のようなせん断速度は小さいものでしかなく、凝集破壊
には不十分である。また、流路を狭めると保守も煩雑に
なる。これに対し、図示のような回転ロール3では、せ
ん断速度=(回転ロール周速)/(ポケット内壁と回転
ロールの間隙)で与えられ、大きなせん断速度を与える
ことができるのである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】一方、本発明においては、上記のせん断速
度を与えられてから、ウェブ12上に押出されるまでの
時間も重要である。すなわち、ポケット2の出口からス
リット1出口まで塗布液が流動する時間は0.8秒以
内、特に0.6秒以内、さらには0.4秒以内とするこ
とが好ましい。これによっても構造粘性回復が防止さ
れ、膜欠陥が減少する。この通過時間は吐出圧と、スリ
ット部内容積によって変更可能である。従って、これら
のいずれか一つ以上を塗布液に応じて変更すればよい。
通常、スリット・ギャップ間距離は10〜400μm程
度、スリット幅は20mm〜3m程度であり、20〜1
000m/min程度のウェブ搬送速度で0.1〜6μ
m厚程度のウェット膜が転写されるような条件を選定す
ればよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】実験例 下記の組成(重量比)の磁性塗料を用意した。 Co−γFe 100部 極性基含有塩化ビニル−アクリレート系共重合体 15部 スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂 6部 (固形分換算) 分散剤 1.5部 ステアリン酸 1部 ステアリン酸ブチル 1部 α−アルミナ 2部 メチルエチルケトン 160部 トルエン 150部 シクロヘキサノン 100部 硬化剤(日本ポリウレタン製C−3041NV50%) 8.4部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉池 直美 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 片井 一夫 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 小野沢 克美 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのスリットを有する押出
    し型塗布ヘッドを用い、塗布液を前記スリットから押出
    してウェブ上に塗膜を形成する押出し塗布方法であっ
    て、 前記塗布液が前記スリットを通過する前に、前記塗布液
    に回転体を接触させて前記塗布液にせん断力を与え、前
    記塗布液の構造粘性を破壊して前記塗膜の塗膜欠陥を減
    少させる押出し塗布方法。
  2. 【請求項2】 前記回転体が回転ロールである請求項1
    の押出し塗布方法。
  3. 【請求項3】 前記塗布液が、前記回転体によりせん断
    力を与えられてから、前記ウェブ上に押出されるまでの
    時間が0.8秒以内である請求項1または2の押出し塗
    布方法。
  4. 【請求項4】 前記回転体が前記塗布液に与えるせん断
    速度が600s-1 以上である請求項1〜3のいずれかの
    押出し塗布方法。
  5. 【請求項5】 前記塗膜欠陥として前記ウェブ長手方向
    のスジ状欠陥を減少させる請求項1〜4のいずれかの押
    出し塗布方法。
  6. 【請求項6】 前記塗布液が、磁性粉とバインダとを含
    む磁性塗料である請求項1〜5のいずれかの押出し塗布
    方法。
  7. 【請求項7】 前記磁性粉/バインダの重量比が3以上
    である請求項6の押出し塗布方法。
  8. 【請求項8】 外部に塗布液を押出すためのスリットを
    少なくとも1つ有する塗布ヘッドを具える押出し塗布装
    置であって、 前記塗布ヘッドは、前記スリットに連通するポケットを
    少なくとも1つ有し、このポケット内部に、前記塗布液
    の構造粘性破壊を行って塗膜欠陥を減少させるためのせ
    ん断力付与用の回転ロールを設けた押出し塗布装置。
  9. 【請求項9】 前記ポケット出口から、前記スリット出
    口まで塗布液が流動する時間が0.8秒以内であるよう
    に、前記スリットのギャップと長さが設定されている請
    求項8の押出し塗布装置。
  10. 【請求項10】 前記塗布液に付与されるせん断速度が
    600s-1 以上であるように、前記回転ロールの回転速
    度が調整される請求項8または9の押出し塗布装置。
  11. 【請求項11】 請求項6または7の押出し塗布方法を
    用いて、前記磁性塗料を前記ウェブ上に塗布して磁性層
    を形成する磁気記録媒体の製造方法。
JP25585492A 1992-08-31 1992-08-31 押出し塗布方法および塗布装置ならびに磁気記録媒体の製造方法 Pending JPH0679215A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9178211B2 (en) 2006-10-31 2015-11-03 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of producing electrode and method of producing nonaqueous electrolyte battery

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