JPH0679068B2 - 原子炉の非常用炉心冷却装置 - Google Patents

原子炉の非常用炉心冷却装置

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JPH0679068B2
JPH0679068B2 JP61205875A JP20587586A JPH0679068B2 JP H0679068 B2 JPH0679068 B2 JP H0679068B2 JP 61205875 A JP61205875 A JP 61205875A JP 20587586 A JP20587586 A JP 20587586A JP H0679068 B2 JPH0679068 B2 JP H0679068B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は原子炉の非常用炉心冷却装置に係り、特に沸騰
水型原子炉の事故時における燃料集合体の再冠水速度を
増大して冷却を促進するのに好適な非常用炉心冷却装置
に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の沸騰水型原子炉の非常用炉心冷却装置は、火力発
電技術協会編の「原子力講座」において論じられてお
り、第10図に示す構成となつていた。まず、第10図によ
りその動作を説明する。原子炉は、複数の燃料集合体1
で構成した炉心をシユラウド壁2の内部に置き、このシ
ユラウド壁2の周りを圧力容器3で囲んである。そし
て、シユラウド壁2内の空間(炉心側空間)とシユラウ
ド壁2外の空間は、炉心上部のシユラウド壁2に設けた
蒸気分離器4と蒸気乾燥器5とにより連通させてある。
この沸騰水型原子炉で冷却材喪失の事故が発生した場
合、シユラウド壁2と圧力容器3とで形成されるダウン
カマ空間6の水位の低下等の計測信号の変化に基づく事
故信号により、原子炉には制御棒(図示せず)が全挿入
されるとともに、非常用炉心冷却装置が自動的に作動を
開始する。まず、原子炉で発生した蒸気を発電タービン
へ導く主蒸気管7に設置した自動減圧弁8が開く。そし
て、制御棒挿入後も炉心で発生する崩壊熱で発生する蒸
気を圧力抑制室9内の冷却水中に放出して凝縮させる。
この動作によつて原子炉の圧力が低下するのにともな
い、電動の非常用冷却水ポンプ10や主蒸気管7から導か
れる原子炉内の蒸気で駆動されるタービン11で動作する
非常用ポンプ12により、非常用冷却水(圧力抑制室9内
の水を使用)をダウンカマ空間6に注入する。注入され
たサブクール度を有する冷却水は、蒸気を凝縮して原子
炉圧力の低下を促進するとともに、炉心に下部より流入
し、燃料集合体1を冠水させて温度上昇を防止する。ま
た、特開昭51−31395号公報においては、燃料集合体冷
却の効果を向上するために、非常用冷却水温度を約100
℃に加熱しておく方法が論じられている。
しかし、これらの技術においては、自動減圧過程におけ
る蒸気分離器4や蒸気乾燥器5の流動抵抗によるシユラ
ウド壁2内の減圧の遅れについては配慮されていなかつ
た。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術では、事故時の蒸気減圧過程における蒸気
分離器や蒸気乾燥器における流動抵抗によるシユラウド
壁内(炉心側)の減圧の遅れについては配慮されておら
ず、炉心の冠水速度を遅くしているという問題があっ
た。すなわち、炉心の冠水速度は、シユラウド壁内外の
圧力差に比例し、第11図に示す圧力バランスにしたがつ
て、以下のように記述できる。
P1=P2+ΔPSP+ΔPD …(1) 冠水速度∝(P2+ρgH)−(P1+ρgh) =ρgH−(ΔPSP+ΔPD+ρgh) ……(2) ここに、P1;炉心上部圧力 R2;ダウンカマ上部圧力 ρ;水の密度 h;炉心側水位 H;ダウンカマ水位 ΔPSP;蒸気分離器流動圧損 ΔPD;蒸気乾燥器流動圧損 これに基づくと、従来技術では、(1)式に示すよう
に、炉心上部の圧力P1は、ダウンカマ空間6上部の圧力
P2に比べ、蒸気分離器4,蒸気乾燥器5の流動抵抗による
流動圧損分だけ高くなり、(2)式のように冠水速度を
遅くする。また、従来技術において、ダウンカマ空間6
に注入されるサブクール度を有した非常用冷却水による
凝縮減圧は、蒸気分離器と、蒸気乾燥器5を通る蒸気量
を増して各部の流動圧損を増すために、上記問題点を促
がすことになる。
また、従来技術に非常用炉心冷却装置の1つの系統とし
て、シユラウド壁内の炉心上部に非常用冷却水を注入
し、炉心上部の減圧を行うようにしたものがある。この
場合、第12図に示してあるように、燃料棒13を上部で結
束して燃料集合体として構成している上部タイプレート
14の流路が小さいために、図示点線矢印で示してある炉
心から上昇する蒸気と○印で示してある落下する冷却水
とが対向流となるため、流入が抑制された冷却水が上部
タイプレート14上に蓄積されることが知られている。こ
の結果、炉心からの蒸気の抜けが阻害され、炉心内の圧
力が上昇し、上述の蒸気分離器4と蒸気乾燥器5の流動
圧損と重畳して冠水速度を遅くする。
最近において、原子燃料の有効活用をはかるため、燃料
棒間隔を狭めて稠密化して燃料の転換比を向上させる高
転換炉が検討されているが、このような稠密化した炉心
では、流路が狭小なことによる抵抗の増加に加えて、上
部タイプレート上での水の蓄積による蒸気流れの阻害と
炉心部の圧力上昇が一層顕著となり、冠水速度が遅くな
り、原子炉の事故時の安全余裕が減圧することが考えら
れる。このことが、燃料棒間隙を狭小化し、燃料転換比
を向上させる高転換炉の1つの障害因子となつている。
本発明の目的は、事故時における炉心の冠水速度を速く
し、原子炉の安全余裕を向上させることができ、炉心の
一層の稠密化を可能ならしめることができる原子炉の非
常用炉心冷却装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕 上記目的は、沸騰水型原子炉の事故時に作動する減圧系
の上流側入口をシユラウド壁内の炉心より上部の空間に
連結した構成として達成するようにした。
〔作用〕
事故時には、少なくとも炉心上部の空間は湿り度の小さ
い蒸気相となつている。このことから、事故時に炉心上
部の空間から直接蒸気の排出を行うようにしたので、原
子炉圧力の低減を行うことができる。ただし、この場
合、シユラウド壁内の圧力は、直接蒸気を排出している
ので、直ちに低下する反面、シユラウド壁外の圧力は、
蒸気乾燥器,蒸気分離器を経た後に排出されるので、圧
力の低下が遅れる。すなわち、蒸気乾燥器,蒸気分離器
の流動抵抗が逆に作用することになるので、(1),
(2)式は下記のようになる。
P1=P2+ΔPSP+ΔPD …(3) 冠水速度∝ρgH+ΔPSP+ΔPD−ρgh ……(4) このことから、冠水速度は速くなる。
また、炉心上部より排出される蒸気でダウンカマ空間に
注入される非常用冷却水を加温するようにしたので、注
入される冷却水の有するサブクール度を減圧することが
でき、シユラウド壁外における蒸気凝縮を減圧すること
ができる。その結果、ダウンカマ空間上部の圧力
((1)〜(4)式のP2)を相対的に高く保持しておけ
るので、冠水速度を大きくすることができる。このよう
に、本発明によつて、事故時の炉心の冠水速度が促進さ
れるようになるので、事故時における安全余裕が向上す
るとともに、現在検討されている高転換炉の炉心の一層
の稠密化を可能ならしめることができる。
〔実施例〕
以下本発明を第1図,第4図,第5図〜第9図に示した
実施例および第2図,第3図を用いて詳細に説明する。
第1図は本発明の原子炉の非常用炉心冷却装置の一実施
例を示す系統構成図で、第10図と同一部分は同じ符号で
示し、ここでは説明を省略する。第1図においては、事
故時に原子炉圧力を低下させる自動減圧弁8の入口側
は、シユラウド壁2内の炉心上部の空間に直接接続して
ある。そして、減圧弁8の出口側は圧力抑制室9に導い
てある。事故時のダウンカマ空間6の水位の低下等の事
故信号により減圧弁8が自動的に開くようになつてお
り、炉心の上部空間より圧力抑制室9へ蒸気を排出し、
凝縮させることで、原子炉の減圧を行う。この減圧にと
もなつて、非常用冷却水ポンプ10の作動により、非常用
冷却水が圧力抑制室9からダウンカマ空間6に注入され
る。このときの炉内の蒸気の流れは、図中破線矢印で示
したように、炉心で発生する蒸気とシユラウド壁2外か
ら蒸気乾燥器5、蒸気分離器4を逆流してきた蒸気が、
自動減圧弁8を通つて排出される。また、ダウンカマ空
間6においては、注入されたサブクール度を有する非常
用冷却水により蒸気が凝縮される。これは、第10図に示
した従来技術の場合と同様である。なお、本実施例は、
従来、主蒸気管に接続していた自動減圧用配管を事故時
の蒸気流れの抵抗部分を回避して炉心上部のシユラウド
壁2内へ接続してあり、実施上の技術的な問題はなく、
かつ、設備コストの増加もない。なお、図中実線矢印は
水の流れを示している。
第2図は本実施例と従来技術の事故時の燃料棒間隔と冠
水速度との関係の比較を示した線図であり、冠水速度は
(1)〜(4)式により計算した。なお、第2図に示し
た冠水速度は、燃料棒が完全に冠水するまでの期間の平
均値で示してある。また、本実施例の場合は、その効果
を小さめに評価するため、蒸気乾燥器5と蒸気分離器4
の蒸気逆流による流動圧損((4)式のΔPSPとΔPD
を零として計算してある。第2図に示すように、本実施
例の場合は、過小な評価をした場合でも、従来技術の場
合に比べて、燃料棒間隔が3.0mmで約30%、それが1.5mm
で約50%冠水速度が速くなつている。
この冠水速度に基づいて計算した被覆管最高温度を第3
図に示してある。第3図よりわかるように、本実施例の
場合は、冠水速度が速くなつたことにより被覆管最高温
度が低下し、安全余裕(規定値との温度差)が増してい
る。また、被覆管最高温度が規制値になる燃料棒間隔は
約12%狭小となり、炉心の一層の稠密化をはかることが
できる。
第4図は本発明の他の実施例を示す第1図に相当する系
統構成図で、第1図と同一部分は同じ符号で示してあ
る。第4図に示す実施例では、自動減圧弁8の出口側配
管を非常用冷却水注入配管の途中に設けた熱交換部15を
通した後に圧力抑制室9に導くようにしてある。したが
つて、事故時にシユラウド壁2内の炉心上部から自動減
圧弁8を通って排水される蒸気は、熱交換部15において
非常用冷却水ポンプ10で駆動される非常用冷却水を加温
した後、圧力抑制室9に導かれて凝縮される。この結
果、ダウンカマ空間6に注入される非常用冷却水は、サ
ブクール度が減少するため、ダウンカマ空間6での蒸気
の凝縮量が減り、前述したように冠水速度を遅くする作
用をするダウンカマ空間6上部の減圧を防止することが
できる。炉心の冠水速度は、事故発生からの経過時間が
長くなり、燃料棒温度が高くなるにつれて、冠水時に放
出されるエネルギーが大となるため、冠水速度が遅くな
ることが知られている。このことから、事故後の経過時
間が短かく、燃料棒温度が低い時点で、ダウンカマ空間
6上部の圧力を高いままに保持して冠水のドライブオー
スであるシユラウド壁2内外差圧を大きくすることは、
冠水速度にとつて2重の効果も持つ。第4図に示す実施
例によると、事故初期においては、炉圧が高いので排出
される蒸気量は大きく、かつ、非常用冷却水量は小さい
ので、ダウンカマ空間6に注入される非常用冷却水のサ
ブクール度を零にすることも容易であり、ダウンカマ空
間6での凝縮による減圧を完全に防止することができ
る。その結果、本実施例では、第1図に示した実施例よ
りも安全余裕を大きくすることができる。なお、本実施
例によれば、ダウンカマ空間6に注入される非常用冷却
水のサブクール度を小さくできるので、事故時に高温の
圧力容器3の壁にサブクール水が接触することで発生す
る熱衝撃を緩和できるという効果もある。
第5図は本発明のさらに他の実施例を示す第1図に相当
する系統構成図で、第1図と同一部分は同じ符号で示し
てある。第5図では、自動減圧弁8の出口配管を非常用
冷却水配管の途中に設置したインジエクタ部16のノズル
部に接続してある。したがつて、事故時には、シユラウ
ド壁2内の炉心上部からの蒸気は自動減圧弁8を通り、
インジエクタ部16のノズルに導かれる。インジエクタ部
16の動作は、プロシーデイングス オブ セコンド イ
ンターナシヨナル トピカル シーテイング オン ニ
ユークリア パワー プラントサーマル ハイドロリツ
クス アンド オペレーシヨンズ(1984年)第4−34頁
から第4−40頁(Proceeding of 2nd International To
pical Meeting on Nuclear Power Plant Thermal Hydra
ulics and Operations(1986)pp3−43〜4−40)に論
じられており、第6図に示す構成となつている。すなわ
ち、自動減圧弁8よりインジエクタ部16のノズル17に導
かれた蒸気は、ノズル17より噴出するときに入口管18よ
り圧力抑制室9よりサブクール度が大きい非常用冷却水
を吸い込み、蒸気は吸い込まれた非常用冷却水により凝
縮し、この凝縮によつて非常用冷却水を加温し、かつ、
凝縮による体積縮小により圧力は回復し、デイフユザ19
の作用でその圧力はインジエクタ部16に注入された蒸気
圧力よりも高圧となり、出口管20よりダウンカマ空間6
内にサブクール度が小さい水となつて注入される。イン
ジエクタ部16での圧力回復は、蒸気相から液相への体積
変化により起こるので、インジエクタ部16にノズル17を
通して注入される流体が2相流であつても動作する。す
なわち、第5図において、シユラウド壁2内の炉心上部
に設けた自動減圧弁8への接続配管入口部まで満水にな
らない限り、加温された非常用冷却水のダウンカマ空間
6への注入は継続する。また、この接続配管入口までが
満水状態となり、インジエクタ部16が動作しない時点で
は、燃料集合体は冠水しており、非常用冷却水の注入は
不必要であり、問題とはならない。第5図に示した実施
例によれば、第4図に示した実施例の場合の効果のほか
に、減圧のために炉内から排出される蒸気を圧力抑制室
9に導いて凝縮させる必要がなく、非常用冷却水を駆動
する非常用冷却水ポンプが不要になるので、設備コスト
の低減をはかれるという効果がある。
第7図は本発明のさらに他の実施例を示す第1図に相当
する系統構成図で、第1図と同一部分は同じ符号で示し
てある。第7図においては、第5図においてダウンカマ
空間6に注入していた非常用冷却水をシユラウド壁2と
燃料集合体1のチヤンネルボツクスとの間に形成される
パイパス空間21の、燃料集合体1の炉心での半径方向の
位置を定めている上部格子板(図示せず)よりも下の位
置に注入するようにしてある。バイパス空間21は、制御
棒(図示せず)が上下する空間であり、通常運転時にこ
れら制御棒を冷却するため、燃料集合体1内を循環する
冷却水の一部が流入するように、燃料集合体1の下部に
バイパス空間21に通じるリークホール22が設けてある。
したがつて、事故時にバイパス空間21に非常用冷却水を
注入すると、バイパス空間21の容積が小さく、しかも、
発熱部がないので、水位上昇は燃料集合体1内部のそれ
よりも速い。その結果、燃料集合体1内とバイパス空間
21の水頭差により、リークホール22から燃料集合体1内
に非常用冷却水が流入し、燃料棒を冠水させることがで
きる。なお、本実施例は第5図に示した実施例の変形と
して示したが、その他第1図,第4図に示した別の実施
例において、非常用冷却水の注入位置を第7図と同様に
バイパス空間21に変更するようにしてもよく、同様の燃
料棒の冠水を行うことができる。また、第7図に示した
実施例のようにバイパス空間21に非常用冷却水を注入す
るものと、第1図,第4図,第5図に示した実施例のよ
うにダウンカマ空間6に非常用冷却水を注入するものと
を並用すると、燃料棒の冠水がバイパス空間21およびダ
ウンカマ空間6の両方から流入する非常用冷却水によつ
て達せられるので、より安全余裕が向上し、動作上の問
題点が発生することはない。
以上述べてきた実施例は、通常運転時における冷却水循
環を圧力容器3の下部に内蔵したインターナルポンプに
よつて行う場合のものである。しかし、第8図に示した
実施例のように、循環ポンプ23が圧力容器3の外にあ
り、ダウンカマ空間6にジエットポンプ24を設けた型式
の原子力プラントでは、非常用冷却水の注入位置をジエ
ットポンプ24の上部としても上記目的を達成できる。ま
た、第8図に示した実施例は、第5図に示した実施例の
変形としてあるが、第1図,第4図に示した実施例の変
形としてもよく、同一目的を達成できる。また、第8図
に示した実施例を第7図に示した実施例と並用しても問
題がないことは、前述と同様である。
なお、燃料棒間隔を狭小とした高転換炉に本発明を適用
した場合、燃料棒部での圧損が大きくなり、蒸気分離器
4等の逆流圧損より大きくなり、事故時の減圧のときに
蒸気分離器4を通つての逆流蒸気ばかりが自動減圧弁8
を通つて排出され、燃料集合体1内の蒸気が抜けないで
炉心の圧力(炉心上部空間の圧力ではない)が相対的に
大きくなり、冠水が阻害されることが考えられる。この
対策の極限として考えられることは、事故時にだけ蒸気
分離器4の流路を閉塞してしまうことである。このよう
にすれば、炉心上部の空間の圧力だけが低下するので、
炉心上部へ冷却水が吸引されることになり、冠水速度が
大きくなる。
可動部なしで類似の作動をする本発明の実施例を第9図
に示す。第9図で第5図と同一部分は同じ符号で示し、
ここでは説明を省略する。第9図では、蒸気分離器4の
シユラウド壁2への接続部近くに逆流抵抗が順流抵抗よ
りも大きくなる絞り25を設置してある。この結果、自動
減圧弁8が開となつた場合、蒸気分離器4を逆流してく
る蒸気が減少するので、稠密な炉心でも炉心の蒸気の排
出が防げられず、炉心の冠水が促進される。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、事故時に燃料集
合体で構成されるシユラウド壁内の炉心部を圧力容器の
中で最も低圧にできるので、冠水速度を速くすることが
でき、その結果、事故時の安全余裕度を向上できるとと
もに、現在検討されている高転換炉の炉心の一層の稠密
化を可能ならしめることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の原子炉の非常用炉心冷却装置の一実施
例を示す系統構成図、第2図は第1図に示す実施例と従
来技術の事故時の燃料棒間隔と冠水速度との関係の比較
を示した線図、第3図は冠水速度に基づいて計算した燃
料棒間隔と被覆管最高温度との関係を示した線図、第4
図,第5図はそれぞれ本発明の他の実施例を示す第1図
に相当する系統構成図、第6図は第5図のインジエクタ
部の一実施例を示す断面図、第7図〜第9図はそれぞれ
本発明のさらに他の実施例を示す系統構成図、第10図は
従来の沸騰水型原子炉の非常用炉心冷却装置の系統構成
図、第11図は事故時の圧力容器内の圧力バランス図、第
12図は上部タイプレート部での流動状況の模式図であ
る。 1…燃料集合体、2…シユラウド壁、3…圧力容器、4
…蒸気分離器、5…蒸気乾燥器、6…ダウンカマ空間、
8…自動減圧弁、9…圧力抑制室、10…非常用冷却水ポ
ンプ、15…熱交換部、16…インジエクタ部、21…バイパ
ス空間、22…リークホール、23…循環ポンプ、24…ジエ
ットポンプ、25…絞り。
フロントページの続き (72)発明者 内藤 正則 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (72)発明者 増原 康博 茨城県日立市森山町1168番地 株式会社日 立製作所エネルギー研究所内 (56)参考文献 特開 昭56−7097(JP,A) 特開 昭60−202390(JP,A) 特開 昭60−247195(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧力容器内をシユラウド壁により複数の燃
    料集合体で構成された原子炉炉心を含む内側空間とそれ
    以外の外側空間に区分し、前記両空間を前記シユラウド
    壁の上部に設置した蒸気分離器と該蒸気分離器の出口真
    近に設置した蒸気乾燥器を介して連通してある沸騰水型
    原子炉の事故時に作動する減圧系と前記炉心に非常用冷
    却水を注入する装置とを備えた非常用炉心冷却装置にお
    いて、前記減圧系の上流側入口を前記シユラウド壁内の
    前記炉心より上部の空間に連結した構成としたことを特
    徴とする原子炉の非常用炉心冷却装置。
  2. 【請求項2】前記非常用冷却水を注入する装置の冷却水
    注入位置が、前記圧力容器と前記シユラウド壁との間に
    形成されたダウンカマ空間としてある特許請求の範囲第
    1項記載の原子炉の非常用炉心冷却装置。
  3. 【請求項3】前記非常用冷却水を注入する装置の冷却水
    注入位置が、前記圧力容器と前記シユラウド壁との間に
    形成されるダウンカマ空間と前記炉心の下部の空間とを
    連結するジエツトポンプ部としてある特許請求の範囲第
    1項記載の原子炉の非常用炉心冷却装置。
  4. 【請求項4】前記非常用冷却水を注入する装置の冷却水
    注入位置が、前記燃料集合体位置を上部で定めている上
    部格子板より下方の前記シユラウド壁内としてある特許
    請求の範囲第1項記載の原子炉の非常用炉心冷却装置。
  5. 【請求項5】前記減圧系から排出された蒸気が前記非常
    用冷却水を加温する熱源として使用するようにしてある
    特許請求の範囲第1項または第2項または第3項または
    第4項記載の原子炉の非常用炉心冷却装置。
  6. 【請求項6】前記非常用冷却水の加温は、該非常用冷却
    水を流してある熱交換部に前記減圧系から排出される蒸
    気を熱源として与えて熱交換して行うようにしてある特
    許請求の範囲第5項記載の原子炉の非常用炉心冷却装
    置。
  7. 【請求項7】前記非常用冷却水の加温は、該非常用冷却
    水を流すために用いるインジエクタの駆動に前記減圧系
    から排出される蒸気を用いて行うようにしてある特許請
    求の範囲第5項記載の原子炉の非常用炉心冷却装置。
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