JPH0678757B2 - スクロール流体機械 - Google Patents

スクロール流体機械

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JPH0678757B2
JPH0678757B2 JP57071206A JP7120682A JPH0678757B2 JP H0678757 B2 JPH0678757 B2 JP H0678757B2 JP 57071206 A JP57071206 A JP 57071206A JP 7120682 A JP7120682 A JP 7120682A JP H0678757 B2 JPH0678757 B2 JP H0678757B2
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信勝 荒井
健司 東條
正人 池川
茂 町田
幾 三上
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C27/00Sealing arrangements in rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C27/005Axial sealings for working fluid

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、スクロール流体機械に係り、特に密閉形スク
ロール圧縮機に好適な軸方向密封機構およびスクロール
部材摺動部への給油機構に関する。
スクロール流体機械の軸方向密封機構(旋回スクロール
を固定スクロールに押し付ける機構)として、特開昭50
−32512号の圧縮機としての実施例の1つに、吐出ガス
の圧力を旋回スクロールの背面に作用させるものがあ
る。この場合、吐出圧一定で吸入圧が変化した場合、押
し付け力が過大あるいは過小になる運転条件があり、広
い圧力条件で安定した運転ができない。一方、圧縮機に
対して特開昭53−119412号では、圧縮途中の中間圧力の
ガス圧を旋回スクロールの鏡板に設けた背圧孔を通じて
旋回スクロールの背部に導びき、この背圧により外力を
得ている。この場合、得られる背圧は、吸入圧に依存し
て変化し、従って押し付け力は吸入圧の変化に追従す
る。圧縮室内部のガス圧による軸方向力は、受圧面積の
大きさの関係で、吸入圧の大きさに対する依存度が高
く、特開昭53−119412号の方法は特開昭50−32512号に
比べれば前記押し付け力が広い範囲で適正に保たれる。
しかし、吐出圧の大きさとの相関がないため、一定のス
クロールラップに一定の背圧孔を設けた場合、運転可能
な吐出圧に限界がでる。また、吸入ガスをバイパスして
圧縮機をアンロードさせたいような場合、背圧が低下し
て押し付け力が不足し、安定した軸方向密封が保持でき
ないという欠点がある。
この発明の目的は吸入圧、吐出圧の広い範囲で、安定し
た軸方向密封を達成させ、かつ損失の少ない外力付与構
造、およびスクロール流体機械として好適な軸受ならび
にスクロール部材摺動部への給油構造をも合わせて提供
することにある。
上記目的を達成するため、本発明によるスクロール流体
機構は、鏡板と、これに直立する渦巻状に形成されたラ
ップとを有する2個のスクロール部材の、前記ラップ同
士を噛み合わせ、一方のスクロール部材は固定し、他方
のスクロール部材は自転を阻止した状態で旋回運動させ
て、流体の圧縮又は膨張を行わせるとともに、両スクロ
ール部材相互の鏡板とラップ端部との接触面の気密を保
持するための外力を、旋回運動する方のスクロール部材
の鏡板背面に対し作用させる背圧付与手段を有してなる
スクロール流体機械において、前記背圧付与手段は、前
記鏡板背面の中央部分に高い圧力レベルのガス圧又は油
圧を付与する手段と、同じく外周部分に低い圧力レベル
のガス圧又は油圧を付与する手段とで構成され、前記ス
クロール流体機械が圧縮機である場合における前記高い
圧力レベルのガス圧又は油圧を付与する手段による高い
レベルの外力は、吐出圧又は吐出圧に近いガス圧又は油
圧であり、同じく前記低い圧力レベルのガス圧又は油圧
を付与する手段による低い圧力レベルの外力は、自己が
圧縮過程で発生する中間圧力のガス圧であり、前記スク
ロール流体機械が膨張機である場合における前記高い圧
力レベルのガス圧又は油圧を付与する手段による高いレ
ベルの外力は、膨張機に供給される最高圧力のガス圧又
は油圧であり、同じく前記低い圧力レベルのガス圧又は
油圧を付与する手段による低い圧力レベルの外力は、自
己が膨張過程で発生する中間圧力のガス圧であることを
特徴とするものである。
すなわち、この発明は、スクロール流体機械が圧縮機で
ある場合もしくは膨張機である場合を問わず、運転圧力
の広い範囲で両スクロール間の安定した軸方向密封を得
るため、装置内に流入していく吸入ガスの圧力値に依存
しており、実質的に吸入側と遮断された密封作動室のガ
ス圧、装置から排出されてくる吐出ガスのガス圧または
少なくとも吐出ガスと同じ圧力レベルにある油の圧力た
とえば吐出ガスから分離した油の圧力の両方を旋回スク
ロールの背面に、それぞれ付与する部分を仕切った状態
で付与するようにしたものである。
このように、装置内の異なる圧力レベルの2つのガス圧
またはガス圧と油圧を併用することによって、安定した
軸方向密封を達成できる。とくに吸入圧力および吐出圧
力が広範囲に変動した場合や、ヒートポンプ用圧縮機の
ように、暖房運転時の吸入圧力が冷房運転時よりも極端
に低くなるものや、密封作動室から吸入側へのバイパス
による容量制御を行った際に、安定した最適な軸方向密
封を維持できる。
以下、本発明を図面に基づいて説明する。
第1図,第2図は本発明の圧縮機としての一実施例を示
すもので、ケーシング1、これの内部に固定されたフレ
ーム8、該フレーム8上に設置された固定スクロール10
および旋回スクロール11、両スクロールラップ間に形成
された圧縮室20、旋回スクロール駆動用のモータ21、駆
動軸24、中間圧のガスが充満する第1の背圧室30、高圧
の潤滑油が導入される第2の背圧室31を備えている。
前記ケーシング1は、胴体2、上部カバー3、下部カバ
ー4とにより密閉形に形成されており、ケーシング1の
内部の上部には圧縮ガスの吐出室5が形成され、中間部
には圧縮ガスの排出室が形成され、下部には潤滑油室7
が形成されている。
前記フレーム8は、ケーシング1の胴体2の上部に固定
されており、フレーム8の上部にはハウジング室が形成
され、一側部には圧縮ガス排出用の切欠部9が形成さ
れ、また端部には圧縮ガス用のガス通孔38が設けられて
いる。
前記固定スクロール10は、鏡板12、ラップ14および環状
の周縁部16を有して構成され、該周縁部16を介して前記
フレーム8にボルト等の固定手段(図示せず)で固定さ
れている。前記鏡板12には、圧縮室20の中心部から圧縮
ガスを吐出させる吐出孔36が、前記周縁部16には圧縮す
べきガスの吸入孔34が設けられ、周縁部16の内側には吸
入室35が形成され、さらに周縁部16の端縁部には圧縮ガ
ス用のガス通孔37が設けられている。
前記旋回スクロール11は、鏡板13、ラップ15および軸受
部17を有して構成されている。また、旋回スクロール11
は前記フレーム8の上部に形成されたハウジング室内に
設置されている。前記鏡板13とハウジング室間には、第
1の背圧室30が形成され、鏡板13には圧縮室20の中間部
から第1の背圧室30にガス圧を導く背圧孔46a,46bが設
けられている。前記ラップ15は、固定スクロール10の前
記ラップ14と同じ形状に形成されている。
前記固定スクロール10と旋回スクロール11とは、ラップ
14,15同士が互いに噛み合わされており、その内部に圧
縮室20が形成されている。また、固定スクロール10の鏡
板12と旋回スクロール11のラップ15の端部とは接触面18
を介して接触し、旋回スクロール11の鏡板13と固定スク
ロール10のラップ12の端部とは接触面19を介して接触し
ている。
前記モータ21は、ステータ22およびロータ23を有し、ケ
ーシング1の内部の、上下方向のほぼ中間部に定置され
ている。前記ステータ22には、圧縮ガス用のガス通孔3
9,39′が円周方向に複数個設けられている。
前記駆動軸24は、モータ21のロータ23に連結された主軸
25、これの上端部に連結された偏心軸26とで構成されて
おり、第2図に示すごとく、主軸25の軸心O1に対して、
偏心軸26の軸心O2は間隔ε、偏心した位置に設けられて
いる。そして、偏心軸26には軸受部17を介して旋回スク
ロール11が連結され、該旋回スクロール11を固定スクロ
ール10の中心の回りに旋回させうるようになっている。
前記主軸25の下端部には、揚油促進ピース47が付設さ
れ、また主軸25と偏心軸26とにわたって給油路48aが
又、主軸25には別の給油路48bが設けられ、また、駆動
軸24には給油孔49a,49bが設けられ、さらに、旋回スク
ロール11の鏡板13には給油孔45が設けられており、各部
材間の摺動部に潤滑油51を供給しうるようになってい
る。前記偏心軸26の上端部と旋回スクロール11の軸受部
17間には第2の背圧室31が形成されている。
なお、第1図中、27は駆動軸に設けられたバランスウエ
イト、28a,28bは旋回スクロールとフレーム間に設けら
れた自動阻止部材、29は上記エンドカバーに設けられた
ハーメチック端子を示す。
前記圧縮室20には、圧縮機の外部に設けられた吸入配管
32、ケーシング1の胴体2の上部に取り付けられた吸入
管33、固定スクロール10の周縁部16に設けられた吸入孔
34および吸入室35を通じて圧縮すべきガスが吸入され
る。そして、圧縮室20で圧縮された圧縮ガス50は固定ス
クロール10の鏡板12の中心部に設けられた吐出孔36、ケ
ーシング1内の上部に形成された吐出室5、固定スクロ
ール10の周縁部16に設けられたガス通孔37、フレーム8
に設けられたガス通孔38を経てケーシング1内の排出室
6に流れ、圧縮ガス50の一部は排出室6からフレーム8
に形成された切欠部9に入り、また他の一部はモータ21
のステータ22に設けられたガス通孔39を通ってケーシン
グ1内の潤滑油室7に流れ、ついでステータ22に設けら
れた他のガス通孔39′を通ってフレーム8に設けられた
切欠部9に入り、ケーシング1の胴体2に取り付けられ
た排出管40を通り、圧縮機の外部に設けられた排出配管
41を通じて取り出されるようになっている。
固定スクロール10と旋回スクロール11の鏡板とラップ端
部との接触面の気密を保持するために必要な最小限度の
外力を与える手段は、二系統を有し、その一つの系統は
圧縮室20の中間部から旋回スクロール11の鏡板13に設け
られた背圧孔46a,46bを通じて前記鏡板13とフレーム8
のハウジング室間に形成された第1の背圧室30にガス圧
を導入しうるように構成され、他の一つの系統は圧縮室
20の中心部から固定スクロール10の鏡板12に設けられた
吐出孔36、ケーシング1内の上部に形成された吐出室
5、固定スクロール10の周縁部16に設けられたガス通孔
37、フレーム8に設けられたガス通孔38、モータ21のス
テータ22に設けられたガス通孔39を通ってケーシング1
内の中間部に形成された排出室6およびその下部に形成
された潤滑油室7に圧縮ガスの吐出圧を導入し、該吐出
圧により潤滑油51を加圧し、駆動軸24の内部に設けられ
た給油路48aから偏心軸26の上端部と旋回スクロール11
の軸受部17間に形成された第2の背圧室31に前記圧縮ガ
スの吐出圧に相当する油圧を導入しうるように構成され
ている。
前記実施例のスクロール圧縮機は、次のように運転さ
れ、作用する。モータ21を駆動すると、駆動軸24が回転
し、これに伴い旋回スクロール11が駆動軸24の主軸25と
偏心軸26の間隔εを半径として旋回運動する。
前記旋回スクロール11の旋回運動に伴い、圧縮室20内に
吸入配管32、吸入管33、吸入孔34および吸入室35を通じ
てガスが吸入され、その吸入ガスは圧縮室20における外
周部20aから中間部20bを経て中心部20cに移送されつつ
順次加圧される。
前記圧縮室20で加圧された圧縮ガス50は第1図に矢印で
示すように、固定スクロール10の中心部に設けられた吐
出孔36からケーシング1内の上部に形成された吐出室5
に吐出され、ついで固定スクロール10の周縁部16に設け
られたガス通孔37、フレーム8に設けられたガス通孔38
を通ってケーシング1内の排出室6に流れ、圧縮ガス50
の一部はモータ21の上部を通ってフレーム8に形成され
た切欠部9に入り、他の一部はモータ21のステータ22に
設けられたガス通孔39を通ってケーシング1内の潤滑油
室7に流れ、ついでステータ22に設けられた他のガス通
孔39′を通ってフレーム8に形成された前記切欠部9に
入り、その過程で圧縮ガス50はモータ21を冷却し、つい
で切欠部から排出管40、排出配管41を通じて圧縮機外部
に取り出される。
前記ガスの圧縮過程で、ガス圧により旋回スクロール11
に固定スクロール10から離脱させる方向の力が作用する
が、これに対して旋回スクロール11の鏡板13に設けられ
た背圧孔46a,46bを通じて、旋回スクロール11の鏡板13
とフレーム8のハウジング室間に形成された第1の背圧
室30に圧縮過程の中間のガス圧が導入され、旋回スクロ
ール11の背面に固定スクロール10から離脱させる力と逆
方向の外力が印加され、さらに前述の潤滑油室7に流れ
る前記圧縮ガスにより潤滑油51が加圧され、駆動軸24に
設けられた給油路48aを通じて、旋回スクロール11の軸
受部17と偏心軸26の上端部間に形成された第2の背圧室
31に圧縮ガス50の吐出圧に相当する油圧が導入され、旋
回スクロール11の背部に固定スクロール10から離脱させ
る力と逆方向の外力が印加される。従って、これら二系
統の外力により固定スクロール10の鏡板12と旋回スクロ
ール11のラップ15の端部との接触面18、および旋回スク
ロール11の鏡板13と固定スクロール10のラップ14の端部
との接触面19の気密を適正な外力で確実に保持すること
ができる。
第3図及び第4図は膨張機としての一実施例を示すもの
で、基本的には第1図の実施例と大差ない。ただし、本
実施例はいわゆる開放形と呼ばれるもので、第1図の場
合のようなケーシング1などはない。
相違点について説明する。
外部の高圧作動流体発生源(図示せず)に接続する配管
60,油分離容器61,流入管62が固定スクロール10′の中心
部の流入孔36′に接続している。油分離容器61からは、
潤滑油を供給するための油配管63が、フレーム8′に設
けられた油孔64に接続している。
被駆動軸24′は、フレーム8′に、軸受71,72を介して
支えられ、被駆動軸24′の偏心部26′には旋回スクロー
ル11′が軸受70を介して装着されている。フレーム8′
内部のハウジング室(第1の背圧室)30′と、外部との
シールは、メカニカルシール73により行われ、74,75は
各々メカニカルシール73のハウジング・カバーである。
被駆動軸24′には、主軸25′と偏心軸26′とにわたって
給油路48′が設けられ、ここには、前記フレーム8′の
油孔64から、摺動ピース76,被駆動軸24′に設けられた
油孔65を介して潤滑油が供給される。潤滑油は給油路4
8′及び油孔66を通って、その一部は前記メカニカルシ
ール73の摺動部へ、他の一部は、被駆動軸24′の偏心軸
26′の端部の第2の背圧室31′へ供給される。該第2の
背圧室31′へ供給された潤滑油は、旋回スクロール11′
の鏡板部13′に設けられた給油孔45′より、固定スクロ
ール10′の周縁部16′と、旋回スクロール11′の鏡板部
13′の摺動面へ供給される。また一部は軸受70の潤滑に
供せられる。
軸受71,72の潤滑は、メカニカルシール73の摺動部を潤
滑した後の油が供せられる。
固定スクロール10′の周縁部16′には、膨張後の低圧ガ
スの流出孔34′が設けられており、ここに外部の低圧源
(図示せず)に接続する配管67が結合されている。
第4図に示すように、まず高圧の作動流体が固定スクロ
ール10′の流入孔36′からラップ14′及び15′が作る第
1の空間20′cに流入する。作動流体が持つ力は、旋回
スクロール11′のラップ15′に作用し、旋回スクロール
11′は旋回運動を起し、これが被駆動軸24′を回転させ
る。作動流体は、旋回スクロール11′の回転に伴ない、
空間20′b,20′aと膨張し、次々と仕事を発生してい
く。膨張が終了した作動流体は、固定スクロール10′の
周縁部16′内部の低圧室35′から流出孔34′を通り外部
へ出ていく。この作用が連続的に継続され、膨張機は動
力を発生する。
圧縮機の実施例と同様に、空間20′内部のガス力が旋回
スクロール11′の鏡板部13′に作用し、旋回スクロール
11′を固定スクロール10′から引き離そうとする。これ
に対し、旋回スクロール11′の鏡板13′に設けられた背
圧孔46′a,46′bを通じて、第1の背圧室30′に膨張過
程の中間圧のガスが導入され、内部のガス力と逆方向の
外力を旋回スクロール11′に与える。さらに、被駆動軸
24′の給油路48′を通じて、前記第2の背圧室31′に導
入された高圧の潤滑油が内部のガス力と逆方向の外力と
して旋回スクロール11′に与えられる。従って、これら
二系統の外力により固定スクロール10′の鏡板12と旋回
スクロール11′のラップ15′の先端、および旋回スクロ
ール11′の鏡板13′と固定スクロール11′のラップ14′
の先端の気密を適正な外力で確実に保持することができ
る。
第5図は、中間圧力を得るために旋回スクロール11(あ
るいは11′)の鏡板13(あるいは13′)に設けた背圧孔
46a,46b(あるいは46′a,46′b)の例を示す。設ける
位置をラップ15の中心部よりの巻き角λで示す。巻き角
λは、ラップ15の形成曲線をインボリュート線(内側曲
線15Bと外側曲線15Aからなる)とした場合、第6図に示
すように、インボリュート曲線の基礎円Bsでの回転角で
与えられる。外側曲線15A上の点λnは巻き角λが指定
する点である。またBLは基準曲線を示している。
適正な中間圧Pbは、運転圧力条件、ラップの寸法仕様、
駆動軸24の偏心部26の上端面の面積などにより異なる。
以下は適正な中間圧を得るための背圧孔46a,46bの位置
について説明する。
第7図は、旋回スクロール11のラップ15の外側のインボ
リュートと固定スクロール10のラップ14の内側のインボ
リュートとの接点(位置を巻き角λで表示)の移動と、
作動室20内部の圧力P(実線)の関係と、旋回スクロー
ル11のラップ15の外側のインボリュートの巻き角で与え
た背圧孔46aの位置λbにより得られる背圧Pb(中間圧P
m;破線)の関係を示す。この関係は次式で計算される。
図中λsはラップ最外周部で最初(最後)の密閉空間を
作る時のラップ15の巻き角であり、λdは中心部で最後
(最初)に密閉空間を作る時のラップ15の巻き角であ
る。
一方、適正背圧の大きさは、次式で与えられる。
ここで、Pb:適正中間圧力(第1の背圧室の圧力) Ab:Pbがかかる部分の旋回スクロール背面の面積 Pd:高圧のガス圧又は油圧(第2の背圧室の圧力) Ad:Pdがかかる部分の面積 Fpa:ラップ内部の軸方向流体力 Ms:ラップ内部の径方向流体力により旋回スクロールに
与えられるモーメント Rb:旋回スクロールの鏡板半径 Fs:鏡板摺動面の(油圧による)力である。
上述の関係で定められる背圧孔46a,46b(46′a,46′
b)の位置は、必ずしも常にラップ14,15(14′,15′)
が形成する完全な密閉空間(例えば第2図の20bのよう
な圧縮室)だけに連通しているとは限らず、例えば第2
図に示されたごとく、一時期吸入室に開口する空間(圧
縮室)20aに連通するように決められる場合もある。
背圧孔46a(46′a)は、ラップ15の外線に沿った位置
に、46b(46′b)は、ラップ15の内線に沿った位置に
設ける。背圧孔46a,46b(46′a,46′b)は丸とは限ら
ないが、丸が最も加工しやすい。また、背圧孔46a,46b
の外周線が、各々ラップ15の内線及び外線に一致する
か、多少の距離をおいて設けるのが加工上容易である。
しかし、ラップ15にくい込んで、あるいはラップ15側面
に設けることも可能である。
背圧孔46a,46b(46′a,46′b)の大きさ(丸の場合直
径)は、鏡板13(13′)に設けた場合、ある時点では固
定スクロール10(10′)のラップ14(14′)の先端部に
よってシールされる必要があるため、少なくともラップ
14(14′)の厚さ(通常の設計ではラップ15(15′)の
厚さtと同じ;第5図に表示)以下の長径のものである
必要がある。小さい方の限界は、各機械の単位時間当り
の風量や、第1背圧室30(30′)の大きさなどで変る
が、概略(ε+t)/10以上が適当である。
第5図の実施例では、46aと46bをインボリュートの基礎
円に対し、すなわちラップ14,15で形成される作動室20
内の圧力が等しい位置に設けているが、この位置を多少
ずらして設けることも考えられる。
背圧孔46a,46b(46′a,46′b)は、第1図及び第3図
に示した実施例では旋回スクロール11(11′)の鏡板13
(13′)に設けたが、上記と同様な中間圧が得られる位
置に、固定スクロール10(10′)に鏡板12(12′)の側
に設けて、別配管で第1の背圧室30(30′)に導びくこ
ともできる。また、第2の背圧室に潤滑油を導入する必
要のない場合は、旋回スクロール11(11′)の鏡板13
(13′)の中心部、すなわち作動室20c(20′c)が形
成される部分に、第2の背圧室31(31′)と導通する小
孔を設けて高圧ガスを第2の背圧室31(31′)に導びく
こともできる。
以上のように本発明によれば、スクロール流体機械の作
動条件、すなわち、低圧側の圧力、高圧側の圧力が変化
しても、それに対応した外力を旋回スクロールの背面に
付与することが可能なため、常に最適な軸方向密封力が
保持され、運転圧力の広い範囲で安定な運転が実現で
き、かつ最適な位置に背圧孔を設けることにより、広い
圧力範囲で高い性能が得られるという効果がある。ま
た、同時に、好適な軸受及び鏡板摺動面への給油構造を
とることができ、軸受、鏡板部材に対する信頼性(耐久
性)が高められる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図、第3図は、本発明の実施例を示す縦断面図,第
2図,第4図はラップの噛み合い部分で切断した横断拡
大平面図、第5図は背圧孔の位置に関する一実施例を示
す拡大平面図。第6図は、ラップ中心部の状態を示す拡
大平面図。第7図は作動室内の圧力変化と背圧孔の位置
に対する背圧の大きさの関係を示す図である。 1……ケーシング、8,8′……フレーム、10,10′……固
定スクロール、11,11′……旋回スクロール、12,12′,1
3,13,……固定スクロールと旋回スクロールの鏡板、14,
14′,15,15′……同ラップ、17,17′……旋回スクロー
ルの軸受部、18,19……一方のスクロールの鏡板と他方
のスクロールのラップ端部との接触面、20,20′……圧
縮室、21……モータ、24,24′……駆動軸、30,30′……
旋回スクロールの鏡板とフレームのハウジング室間に形
成された第1の背圧室、31,31′……旋回スクロールの
軸受部と駆動軸の偏心軸の上端部間に形成された第2の
背圧室、32……圧縮ガスの吸入孔、32′……膨張ガスの
流出孔、36……圧縮ガスの吐出孔、36′……高圧ガスの
流入孔、46a,46′a,46b,46′b……背圧孔、48a,48′a,
48b……給油孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池川 正人 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 町田 茂 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 三上 幾 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 昭55−148994(JP,A) 実開 昭56−85086(JP,U)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鏡板と、これに直立する渦巻状に形成され
    たラップとを有する2個のスクロール部材の、前記ラッ
    プ同士を噛み合わせ、一方のスクロール部材は固定し、
    他方のスクロール部材は自転を阻止した状態で旋回運動
    させて、流体の圧縮又は膨張を行わせるとともに、両ス
    クロール部材相互の鏡板とラップ端部との接触面の気密
    を保持するための外力を、旋回運動する方のスクロール
    部材の鏡板背面に対し作用させる背圧付与手段を有して
    なるスクロール流体機械において、 前記背圧付与手段は、前記鏡板背面の中央部分に高い圧
    力レベルのガス圧又は油圧を付与する手段と、同じく外
    周部分に低い圧力レベルのガス圧又は油圧を付与する手
    段とで構成され、 前記スクロール流体機械が圧縮機である場合における前
    記高い圧力レベルのガス圧又は油圧を付与する手段によ
    る高いレベルの外力は、吐出圧又は吐出圧に近いガス圧
    又は油圧であり、同じく前記低い圧力レベルのガス圧又
    は油圧を付与する手段による低い圧力レベルの外力は、
    自己が圧縮過程で発生する中間圧力のガス圧であり、 前記スクロール流体機械が膨張機である場合における前
    記高い圧力レベルのガス圧又は油圧を付与する手段によ
    る高いレベルの外力は、膨張機に供給される最高圧力の
    ガス圧又は油圧であり、同じく前記低い圧力レベルのガ
    ス圧又は油圧を付与する手段による低い圧力レベルの外
    力は、自己が膨張過程で発生する中間圧力のガス圧であ
    ることを特徴とするスクロール流体機械。
  2. 【請求項2】前記高い圧力レベルのガス圧又は油圧を付
    与する手段による高い圧力レベルの外力は、旋回運動す
    る方のスクロール部材の駆動軸の軸受および両スクロー
    ル部材相互の摺動面に供給する高圧潤滑油の圧力であ
    り、前記低い圧力レベルのガス圧又は油圧を付与する手
    段による低い圧力レベルの外力は、自己が発生する中間
    圧力のガス圧力であることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載のスクロール流体機械。
  3. 【請求項3】前記中間圧力のガス圧を旋回スクロール鏡
    板に設けた中間圧力孔によって得ると共に、このガス圧
    力の大きさPbを次の様な関係で決めたことを特徴とする
    特許請求の範囲第2項に記載のスクロール流体機械。 Pb:中間圧力 Ab:中間圧力がかかる部分の面積 Pd:高圧のガス圧又は油圧 Ad:Pdがかかる部分の面積 Fpa:ラップ内部の軸方向流体力 Ms:ラップ内部の径方向流体力により旋回スクロールに
    与えられるモーメント Rb:旋回スクロールの鏡板半径 Fs:鏡板板摺動面の油圧による力
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