JPH0678324U - モータ内蔵ローラ - Google Patents

モータ内蔵ローラ

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JPH0678324U
JPH0678324U JP2497893U JP2497893U JPH0678324U JP H0678324 U JPH0678324 U JP H0678324U JP 2497893 U JP2497893 U JP 2497893U JP 2497893 U JP2497893 U JP 2497893U JP H0678324 U JPH0678324 U JP H0678324U
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JP
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roller
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motor
built
elastic member
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洋志 内田
竜彦 中村
俊成 中島
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Itoh Denki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 衝撃的な回転力や慣性力が作用しても、減速
機が破壊されないモータ内蔵ローラを提供する。 【構成】 ローラ本体2内にはモータ部Aと減速機部B
と嵌合片配置部Cが内蔵されている。減速機部Bは3段
の遊星歯車列であり内歯車20から回転力が出力され
る。内歯車20には雌嵌合片25が固定されており、ロ
ーラ本体には雄嵌合片28が固定されている。両嵌合片
の間には弾性部材29が配置されている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ローラ本体内にモータ部と減速機が内蔵されてローラ本体が自転す るモータ内蔵ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ローラコンベアの駆動ローラやベルトコンベアの駆動プーリとして、ローラ本 体内にモータ部と減速機が内蔵されたモータ内蔵ローラが広く知られている(実 開昭59−40220号公報)。そして、モータ内蔵ローラに内蔵される減速機 には、小型で高い減速比がとれ、かつモータの出力軸と同心の回転力が得られる ことから、遊星歯車列を有するものが広く採用されている。さらにモータ内蔵ロ ーラに内蔵される減速機は、より大きい減速比を得るために遊星歯車列が通常2 段あるいは3段、直列に結合されている。即ちモータ内蔵ローラに内蔵される減 速機は太陽歯車と遊星歯車を有し、この遊星歯車が内歯車と嵌合し、かつ遊星歯 車の腕が次段の遊星歯車列の太陽歯車と一体になっている。そして、各段の遊星 歯車は、全て同一の内歯車と嵌合し、減速機の出力はこの内歯車から得られる。 また従来技術のモータ内蔵ローラでは、減速機の出力軸と、ローラ本体との間は 、ピン等を介して直接的に結合されていた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来技術のモータ内蔵ローラは、モータと減速機がローラ本体内に内蔵されて いるのでこれらの設置場所を必要とせず、省スペースの効果が有るばかりでなく 、コンベアの構成も極めて単純なものとなり、コンベアの組み立て上も好ましい ものである。
【0004】 しかしながら、従来技術のモータ内蔵ローラは、減速機の故障が多いという問 題があった。すなわち、従来技術のモータ内蔵ローラは、ローラ本体上の搬送物 を急に押して、ローラ本体に衝撃的な回転力がかかった場合や、ローラ本体上の 搬送物を急停止した場合に、減速機が破壊されてしまうことがあった。また、多 数のコンベア装置がつながって一つのコンベアラインが形成される装置であって 、各コンベア間の同期が取れていない場合や、スロープを利用して搬送物を付勢 し、コンベア装置に搬送物を載置するような構成を採用する場合では、コンベア 装置の端部に配されるモータ内蔵ローラは、日常的に搬送物から衝撃的な回転力 を受ける。そのため上記したようなコンベア装置に採用されるモータ内蔵ローラ は、比較的早期に減速機が故障してしまう問題があった。
【0005】 そこで本考案者らがモータ内蔵ローラの減速機の故障箇所について調査したと ころ、減速機の故障箇所は特に最終段の遊星歯車列を構成する各歯車に集中する ものであった。このように、最終段の歯車が破壊される原因は次の通りである。 即ち、モータ内蔵ローラの減速機は、前記した通り、通常2段あるいは3段の遊 星歯車列で構成される。そして各歯車は、後段へ行く程回転数が低くなり、逆に 伝達トルクが増大する。そのため、最終段の遊星歯車や太陽歯車には、大きなト ルクがかかることになり、他の歯車に比べて負担が大きい。逆にローラ本体側か ら回転力を受けた場合、最終段の遊星歯車や太陽歯車は、それ以前の段の歯車が 負荷になるため、最も回転しにくい。
【0006】 最終段の歯車は、大きなトルクに耐えるために、一般に歯幅の長い歯車が使用 されるが、遊星歯車列をローラ本体内に内蔵するため設置空間の制約があり、ど うしても衝撃に耐えうるだけの強度を確保しにくい。また同じく設置空間上の制 約から、選択できるモジュールにも限界があり、内歯車の剛性の向上は図りにく い。
【0007】 加えて、複数の遊星歯車が一つの内歯車に同時に嵌合しているため、遊星歯車 と内歯車とのバックラッシュが小さい。そのため、ローラ本体に衝撃的な回転力 が作用した際、この衝撃力の逃げ場がなく、結局衝撃力は最終段の遊星歯車等に 直接負荷されてしまうためであった。
【0008】 本考案は、従来技術の上記した欠点に着目し、衝撃的な回転力や慣性力が作用 しても、減速機が破壊されないモータ内蔵ローラを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そして上記した目的を達成するための本考案は、ローラ本体内にモータ部と減 速機が内蔵され、モータ部の回転力が減速機によって減速されてローラ本体に伝 達され、ローラ本体が回転されるモータ内蔵ローラにおいて、減速機とローラ本 体との間に弾性部材が介在され、該弾性部材を介して減速機からローラ本体に回 転力が伝達されることを特徴とするモータ内蔵ローラである。
【0010】 また、同一の目的を達成するためのもう一つの考案は、ローラ本体内にモータ 部と減速機が内蔵され、モータ部の回転力が減速機によって減速されてローラ本 体に伝達され、ローラ本体が回転されるモータ内蔵ローラにおいて、外周面に凹 凸が形成された雄嵌合片と、内周面に凹凸が形成された雌嵌合片と、内周面に雄 嵌合片の凹凸と略一致する凹凸が形成され外周面に雌嵌合片の凹凸と略一致する 凹凸が形成された弾性部材を有し、減速機は内歯車を出力軸とする複列の遊星歯 車列であり、前記減速機の内歯車には雄嵌合片と雌嵌合片のいずれか一方の嵌合 片が一体化されており、ローラ本体には他方の嵌合片が一体化され、両嵌合片の 間には弾性部材が装着されてなることを特徴とするモータ内蔵ローラである。
【0011】
【作用】
本考案のモータ内蔵ローラは、従来技術のそれと同様にローラ本体内にモータ 部と減速機が内蔵されており、モータ部で発生された回転力は、減速機によって 減速される。そして請求項1記載のモータ内蔵ローラでは、減速機とローラ本体 との間に弾性部材が介在され、該弾性部材を介して減速機からローラ本体に回転 力が伝達されてローラ本体が回転する。
【0012】 次に、スロープによって搬送物が付勢されてモータ内蔵ローラ上に載せられる 場合のように、外部からローラ本体に衝撃的な回転力がかかった場合を想定する と、ローラ本体は搬送物から受ける回転力によって極めて早い速度で、微小な角 度だけ回転する。しかし、本考案のモータ内蔵ローラは、減速機とローラ本体と の間に弾性部材が介在されているので、衝撃的な回転力は減速機に負担される以 前に先ず弾性部材に負荷される。そのため、衝撃的な回転力は弾性部材の変形に よって吸収される。その結果、減速機にかかる衝撃的な回転力は緩和される。
【0013】 また、請求項2記載のモータ内蔵ローラでは、減速機の出力軸となる内歯車と 、ローラ本体に雌雄の嵌合片が一体に設けられており、両嵌合片の間に、弾性部 材が装着されている。また雌雄の嵌合片はその内面あるいは外面に凹凸が形成さ れ、弾性部材にはその内外面にそれぞれ雄嵌合片と雌嵌合片の凹凸と略一致する 凹凸が設けられている。そのため、モータ部が回転すると、この回転力は減速機 に伝えられ、複列の遊星歯車列によって充分に減速された回転速度で内歯車が回 転する。そして、内歯車の回転力は内歯車に一体化された嵌合片の凹凸から弾性 部材の凹凸に伝達され、更に弾性部材からローラ本体に一体化された嵌合片に伝 達され、最終的にローラ本体が回転される。
【0014】 また、逆にローラ本体が衝撃的な回転力で一方の方向に回転されると、この衝 撃的な回転力によってローラ本体に一体化された嵌合片が回転する。そしてその 際、当該嵌合片の凹凸によって、これと嵌合する弾性部材が押圧される。この際 弾性部材は微小に弾性変形してこの衝撃力を吸収する。そのため最終段の遊星歯 車等には衝撃的な回転力は伝わりにくい。また請求項2記載のモータ内蔵ローラ は、回転方向に係わらず、いずれの方向の衝撃も緩和する作用がある。
【0015】
【実施例】
以下さらに本考案の具体的実施例について説明する。図1は、本考案の具体的 実施例のモータ内蔵ローラの断面図である。図2は、図1のモータ内蔵ローラの 機構図である。図3は、図1のD−D断面図である。図4は、内歯車の正面図で ある。図5は、図4のE−E断面図である。図6は、弾性部材の斜視図である。 図7は本考案の変形実施例の図3に相当する位置でのモータ内蔵ローラの断面図 である。
【0016】 図1,図2において、1は本考案の具体的実施例のモータ内蔵ローラである。 本実施例のモータ内蔵ローラ1は、筒状のローラ本体2の内部にモータ3等が内 蔵されたものであり、ローラ本体2の内部は大きくモータ部A,減速機部B,嵌 合片配置部Cに分かれている。順次説明するとモータ部Aは、公知のモータ内蔵 ローラと同様に固定子6と回転子7により構成される。ここで固定子6は固定軸 5に一体的に固定されたコイルである。回転子7はかご形回転子であり固定子6 を囲む様に配置され、軸受8,9によって固定軸5に回転可能に支承されている 。そして回転子7の中央側にはトルクリミッター11が取り付けられている。ト ルクリミッター11の出力軸12は、固定軸5に回転可能に支承され、周囲に出 力歯車15が設けられており、後段の減速機部Bに出力を伝える。
【0017】 減速機部Bは、3段の遊星歯車列を構成するものであり、遊星歯車16,18 ,22と、内歯車20と、腕と歯車が一体化された腕歯車17,19と、固定腕 23よりなる。そして最初の段の遊星歯車列は、モータ部Aの出力歯車15、遊 星歯車16、腕歯車17および内歯車20によって構成される。即ち前記したモ ータ部Aの出力歯車15には遊星歯車16が嵌合し、遊星歯車16はさらに内歯 車20と嵌合している。ここで遊星歯車16は同形のもの4個が等間隔をおいて 腕歯車17の腕部によって自転および公転可能に支持されたものである。内歯車 20は、熱可塑性樹脂の射出成形等によって作られたものであり、ローラ本体2 の内面に挿入できる程度の外径を有する筒状の部材であって、歯幅が極めて長い 歯車が内面に形成されている。また内歯車20の後端部には図5の様に後記する 雌嵌合片25が一体的に取り付けられている。
【0018】 また腕歯車17の歯車部は、次段の太陽歯車として作用し、遊星歯車18と嵌 合している。ここで遊星歯車18は前記した遊星歯車16と同様、同形のもの4 個が等間隔をおいて腕歯車19の腕部によって自転および公転可能に支持されて おり、また内歯車20と嵌合している。これらの腕歯車17、遊星歯車18、腕 歯車19および内歯車20によって2段めの遊星歯車列が構成されている。
【0019】 さらに前記した腕歯車19は固定軸5に回転可能に取り付けられており、腕歯 車19の歯車部は次段の太陽歯車として作用する。即ち腕歯車19の歯車部には 4個の遊星歯車22が嵌合されている。遊星歯車22はいずれも固定腕23によ って自転可能に支持されている。固定腕23はキー24によって固定軸5に一体 的に固定されているので遊星歯車22は公転はできない。また遊星歯車22は前 記した遊星歯車16,18と同様に内歯車20と嵌合している。そして腕歯車1 9の歯車部、遊星歯車22、固定腕23、内歯車20によって3段目の遊星歯車 列が構成されている。本実施例の減速機では、回転出力は、内歯車20から出力 される。
【0020】 そして本実施例のモータ内蔵ローラ1の肝心な点は、嵌合片配置部Cの構成に ある。嵌合片配置部Cは、内歯車20の減速機部Bの出力をローラ本体2に伝達 する部分であり、雌嵌合片25,雄嵌合片28および弾性部材29によって構成 される。
【0021】 ここで雌嵌合片25は、図4のように前記した内歯車20の後端部に一体的に 固定されたものであり、内歯車20と外径が等しい外壁部30を有し、該外壁部 30の内面に4つの突条31が、等間隔に設けられたものである。即ち雌嵌合片 25の断面は、図6のように、内周面に突条31と凹部32が交互に繰り返す凹 凸形状である。
【0022】 一方雄嵌合片28は、嵌合部33と出力パイプ部35が一体となったものであ る。ここで出力パイプ部35は、外径がローラ本体2の内径に等しい管状の部分 である。そして雄嵌合片28の、嵌合部33は、管状の中心部37の外面に4つ の突条39が、等間隔に設けられたものである。即ち雄嵌合片28の断面は、図 3のように、突条39と凹部が交互に繰り返す凹凸形状である。そして、ここで 留意するべきは、雄嵌合片28の突条39の断面形状は、中心部37に近いほど 細く作られており、後記する様に雌嵌合片25と嵌合状態にあるとき、雌嵌合片 25の突条31の側面と、雄嵌合片28の突条39の側面が概ね平行になる様に 配慮されている。
【0023】 また、雄嵌合片28の嵌合部33の各部の寸法関係を説明すると、中心部37 の直径は、雌嵌合片25の突条31の内接円よりも相当に小さいものである。ま た雄嵌合片28の突条39の幅は、雌嵌合片25の突条31間の凹部32よりも 充分に小さい。
【0024】 弾性部材29は、ゴムやウレタン樹脂等の弾性を有する樹脂で作られたもので あり、図7の様に、リング状をしており、その外面39と内面40に凹凸形状が 形成されている。そして、弾性部材29の外面39の凹凸形状は、前記した雌嵌 合片25の内面の凹凸形状に一致するものである。また弾性部材29の内面40 の凹凸形状は、雄嵌合片28の嵌合部33の凹凸形状に一致する。
【0025】 次に、嵌合片配置部Cの組み立て構造について説明する。嵌合片配置部Cでは 、雌嵌合片25の外壁部30の内側に雄嵌合片28の嵌合部33が挿入されてお り、両者の隙間に弾性部材29が配置されている。即ち、雌嵌合片25の凹部3 2に雄嵌合片28の突条39が位置し、雌嵌合片25の突条31と雄嵌合片28 の突条39との間に弾性部材29が入って両者の間に概ね隙間が無い状態になっ ている。また雄嵌合片28の出力パイプ部35は、ローラ本体2にピン34を介 して結合されており、雄嵌合片28はローラ本体2と一体的に回転する。
【0026】 尚、本実施例のモータ内蔵ローラ1では、弾性部材29がリング状をしている ので、雌嵌合片25の外壁部30の内側に弾性部材29を装着し、その後雄嵌合 片28の嵌合部33を弾性部材29の内側に挿入するだけで、3者の組み立てを 完了することができ、組み立作業は簡単である。
【0027】 次に、本実施例のモータ内蔵ローラ1の作用について説明する。図示しない給 電線によってモータ部Aの固定子6に通電し、モータ部Aの回転子7が回転する と回転力はトルクリミッタ11から出力歯車15を介して減速機部Bに入力され る。そして、減速機部Bで大幅に減速され、内歯車20から回転力が出力される 。ここで、例えば内歯車20が図3の矢印G方向に回転したとすると、内歯車2 0の後端に設けられた雌嵌合片25が内歯車20とともに矢印G方向に回転し、 雌嵌合片25の突条31が、進行方向に向かって前方にある弾性部材29の法線 部分42を押圧する。そしてさらに弾性部材29の法線部分42によって雄嵌合 片28の突条39が押圧され、雄嵌合片28が回転する。その結果雄嵌合片28 の出力パイプ部35と一体に結合されたローラ本体2が回転する。
【0028】 つぎに、搬送物がスロープを滑ってモータ内蔵ローラ上に乗せられ、ローラ本 体2が自転速度よりも早い速度で衝撃的に回転される場合の各部の挙動について 説明する。上記した場合のように、ローラ本体2が正回転方向に衝撃的に回転力 を受けた場合、ローラ本体2の回転力は、雄嵌合片28に伝えられる。その結果 雄嵌合片28は、雌嵌合片25よりも早い速度で衝撃的に回転しようとする。そ して雄嵌合片28の突条39は、雄嵌合片28の進行方向に向かって前方にある 弾性部材29の法線部分43(雌嵌合片25の突条31の後方に相当)を押圧す る。そして弾性部材29の法線部分43は、弾性変形する。その後弾性部材29 は復元し、雌嵌合片25を回転させようとするが、その動作は衝撃的なものでは なく、きわめて緩やかなものである。
【0029】 その後スロープの作用によってなおも搬送物がローラ本体2を回転しようとす る場合もあるが、この際の搬送物からローラ本体2側に与えられる回転力は、も はや衝撃的なものではなく、緩やかである。従ってローラ本体2から受ける回転 力は雄嵌合片28から弾性部材29を介して雌嵌合片25に伝えられ、さらに減 速機に伝達される。尚この時モータは瞬間的に無負荷運転をすることになる。こ れらの一連の力の伝達は緩やかであり円滑に行われるため、最終段の遊星歯車や 太陽歯車等に衝撃的な力はかからず、故障の原因となることはない。
【0030】 つぎにコンベア上の搬送物が搬送中に何かに当たって急停止し、ローラ本体2 が逆回転方向に衝撃的に回転力を受けた場合の挙動について説明する。ローラ本 体2が逆回転方向に回転力を受けた場合は、ローラ本体2と一体化された雄嵌合 片28の突条39が弾性部材29の法線部分43を押圧して弾性変形させ、衝撃 力を吸収する。そしてさらに搬送物が停止を続ける時は、雄嵌合片28および雌 嵌合片25の回転は停止を続け、雌嵌合片25と一体化された内歯車も停止する が、この間の動作は緩やかに行われ、最終段の遊星歯車や太陽歯車等に無理な力 が加わることは無い。
【0031】 次に、本考案のモータ内蔵ローラで採用する弾性部材の最適な硬度について説 明する。弾性部材の硬度は、硬い場合はモータ部の回転を損失なくローラ本体に 伝えることができる反面、減速機を保護する効果が低くなってしまう。一方弾性 部材が軟質である場合は、減速機を保護する効果は高いものの、弾性部材そのも のの剛性が低くなり、新たな故障の原因となる。そこで、両者の利害得失を勘案 すると、最も好ましい硬度の範囲は、ショア(A)硬度HS 60以下が好ましく 、ショア(A)硬度HS 40前後が最も好ましい。
【0032】 すなわち、本実施例の弾性部材の形状で、ショア(A)硬度HS 60のネオプ レンゴムを素材とする弾性部材を使用して回転衝撃試験を行ったところ、本実施 例のモータ内蔵ローラは約25万回の繰り返しに耐えた。そして約25万回を越 えたところで、減速機の太陽歯車と遊星歯車が破壊された。また同じく本実施例 の弾性部材の形状で、ショア(A)硬度HS 40のネオプレンゴムを素材とする 弾性部材を使用して回転衝撃試験を行ったところ、約29万回の繰り返しに耐え た。そして約29万回を越えたところで、弾性部材が破壊された。尚、比較のた め、弾性部材の無い状態で同様の実験を行ったところ、約2万回の繰り返しで減 速機の最終段の遊星歯車が破壊された。
【0033】 以上の実施例では、雌嵌合片25と雄嵌合片28は、それぞれ4つの突条を有 するものを開示した。しかしながら、本考案のモータ内蔵ローラは、突条の数に こだわるものではなく、例えば図8の様な構成も可能である。図8は、本考案の 変形実施例の図3に相当する位置での断面図である。本実施例で採用する雌嵌合 片50は、内面にスプライン溝形状の凹凸を備える。また、雄嵌合片51は、先 端が円形の突条52が6個の設けられたものである。雌嵌合片50と雄嵌合片5 1の間には、外面及び内面に各嵌合片50,51の凹凸と同一形状の凹凸が形成 された弾性部材53が配置されている。
【0034】 弾性部材は、中実の樹脂を利用することが一般的であるが、収納空間が充分に 確保できる場合は、中空状の弾性部材を採用することも可能である。また以上の 実施例では、雌嵌合片を内歯車に固定し、雄嵌合片をローラ本体に固定したが、 勿論いずれの嵌合片を減速機とローラ本体のどちら側に固定してもよい。
【0035】 以上の実施例では、モータ内蔵ローラに採用される減速機として、もっとも普 通の3段の遊星歯車列を有するものを例に説明した。しかしながら、本考案が、 実施例の減速機に限定されないことは言うまでもなく、2列、或いは単列の遊星 歯車列を有するものも採用可能である。また請求項1記載のモータ内蔵ローラを 実現するためには、内歯車以外の歯車から出力が得られる減速機や、遊星歯車列 を全く持たない減速機も応用可能である。
【0036】
【考案の効果】
本考案のモータ内蔵ローラは、減速機とローラ本体との間に弾性部材が介在さ れているので、衝撃的な回転力は弾性部材の変形によって吸収される。そのため 本考案のモータ内蔵ローラは、減速機に無理な力がかからず、減速機の故障が防 止される効果がある。
【0037】 また、請求項2記載の考案は、内歯車と、ローラ本体に雌雄の嵌合片が一体に 設けられており、両嵌合片の間に、弾性部材が装着されている。また雌雄の嵌合 片はその内面あるいは外面に凹凸が形成され、弾性部材にはその内外面にそれぞ れ雄嵌合片と雌嵌合片の凹凸と略一致する凹凸が設けられている。そのため請求 項2記載の考案は衝撃的な回転力の回転方向に係わらず、いずれの方向の衝撃も 緩和する作用がある。また、請求項2記載の考案は組み立てが容易である効果が ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の具体的実施例のモータ内蔵ローラの断
面図である。
【図2】図1のモータ内蔵ローラの機構図である。
【図3】図1のD−D断面図である。
【図4】内歯車の正面図である。
【図5】図4のE−E断面図である。
【図6】弾性部材の斜視図である。
【図7】本考案の変形実施例のモータ内蔵ローラの図3
に相当する位置での断面図である。
【符号の説明】
1 モータ内蔵ローラ 2 ローラ本体 3 モータ 5 固定軸 20 内歯車 25 雌嵌合片 28 雄嵌合片 29 弾性部材 50 雌嵌合片 51 雄嵌合片 53 弾性部材

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローラ本体内にモータ部と減速機が内蔵
    され、モータ部の回転力が減速機によって減速されてロ
    ーラ本体に伝達され、ローラ本体が回転されるモータ内
    蔵ローラにおいて、減速機とローラ本体との間に弾性部
    材が介在され、該弾性部材を介して減速機からローラ本
    体に回転力が伝達されることを特徴とするモータ内蔵ロ
    ーラ。
  2. 【請求項2】 ローラ本体内にモータ部と減速機が内蔵
    され、モータ部の回転力が減速機によって減速されてロ
    ーラ本体に伝達され、ローラ本体が回転されるモータ内
    蔵ローラにおいて、外周面に凹凸が形成された雄嵌合片
    と、内周面に凹凸が形成された雌嵌合片と、内周面に雄
    嵌合片の凹凸と略一致する凹凸が形成され外周面に雌嵌
    合片の凹凸と略一致する凹凸が形成された弾性部材を有
    し、減速機は内歯車を出力軸とする複列の遊星歯車列で
    あり、前記減速機の内歯車には雄嵌合片と雌嵌合片のい
    ずれか一方の嵌合片が一体化されており、ローラ本体に
    は他方の嵌合片が一体化され、両嵌合片の間には弾性部
    材が装着されてなることを特徴とするモータ内蔵ロー
    ラ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001225939A (ja) * 2000-02-15 2001-08-21 Ito Denki Kk モータ内蔵ローラ
KR101322226B1 (ko) * 2011-12-20 2013-10-28 대한민국 감속기능을 구비한 소포구분기의 프리롤러
JP2016204136A (ja) * 2015-04-24 2016-12-08 伊東電機株式会社 モータ内蔵ローラ、及び動力伝達部材

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