JPH067746U - 注射器 - Google Patents

注射器

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JPH067746U
JPH067746U JP5220992U JP5220992U JPH067746U JP H067746 U JPH067746 U JP H067746U JP 5220992 U JP5220992 U JP 5220992U JP 5220992 U JP5220992 U JP 5220992U JP H067746 U JPH067746 U JP H067746U
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outer cylinder
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本考案の注射器1は、先端に第1の針管3を
装着した外筒2と、外筒2内に挿入されるプランジャー
組立体4とを有する。プランジャー組立体4は、容器装
填部51を有するプランジャー本体5と、その先端に装
着された第1のガスケット6と、第2の針管7およびそ
の取付部材73からなる連通手段と、各容器内の液体を
第2の針管7を介して、外筒2および第1のガスケット
6で囲まれる空間23へ供給する液体供給手段8とを備
えている。液体供給手段8は、プランジャーロッド8a
〜8dと、それらの後端に連結された押圧板81とで構
成される。 【効果】 簡単な操作でかつ短時間に2種以上の物質を
混合して注射することができ、また生体への薬液の投与
に用いた場合に、苦痛や負担が少ない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、注射器、特に2種以上の物質を混合して注射することができる注射 器に関する。
【0002】
【従来の技術】
所望の薬液を注射する注射器としては、いわゆるカートリッジ式の注射器が知 られている(実公平2−12997号公報)。この注射器は、両端に刃先が形成 された中空針を先端に装着したシリンダと、先端を密封部材で密封するとともに 後端からゴム製のガスケット(栓)を挿入して内部に薬液を充填した円筒状のカ ートリッジとからなり、カートリッジをその先端側からシリンダ内に挿入し、前 記密封部材を中空針のシリンダ内側の尖端に穿刺するとともに、前記ガスケット を先端側へ押圧、移動して、カートリッジ内の薬液を前記中空針から注出するも のである。
【0003】 この注射器では、カートリッジ内に保存されている薬液を外気と接触すること なく人体に投与することができるが、カートリッジ内に充填されている薬液は1 種類であるため、有効成分の異なる2種以上の薬液を投与するためには、中空 針のシリンダ外側の針先を一旦血管等から抜き、異なる薬液が充填された新たな カートリッジに交換した後、再度血管を確保するか、または、中空針のシリン ダ外側の針先を血管等に穿刺したまま、新たなカートリッジに交換して薬液を投 与する必要がある。
【0004】 しかしながら、前記の方法では、投与する薬液の数に応じた回数だけ中空針 を血管等に穿刺しなければならず、被投与者(患者)に対する苦痛と負担が大き い。また、前記の方法では、中空針の血管等への穿刺回数は1回でよいが、カ ートリッジの交換の際にカートリッジ先端の密封部材を中空針のシリンダ内側の 針先に穿刺するため、そのショックが中空針を介して穿刺された血管等やその周 囲の組織に伝わり、苦痛を生じたり、また、中空針が血管を貫通するおそれもあ る。また、いずれの方法においても、カートリッジの交換のために手間と時間が かかり、緊急時への対応、例えば救急患者に対し複数種の薬剤を投与する場合に は、不利である。
【0005】 また、上記以外の注射器として、先端に針管を装着したシリンダ内に、シリン ダ内壁に密着しつつ摺動可能な2つのガスケット(注射器ピストン)を所定間隔 を隔てて挿入して、シリンダ内に2つの室を形成し、シリンダの先端側の室に乾 燥固形物、後端側の室に溶解液をそれぞれ充填するとともに、シリンダ先端側の ガスケットが所定位置にあるとき、バイパスを介して前記両室が連通する構成の 注射器が開示されている(特公平4−33233号公報)。
【0006】 この注射器では、注射直前に、シリンダ後端側の室に充填された溶解液をバイ パスを介してシリンダ先端側の室に流入させ、乾燥固形物を溶解して投与すべき 薬液を生成し、この薬液をシリンダ先端の針管を介して人体に投与するが、針管 の血管等への1回の穿刺で投与できる成分はシリンダの両室内に予め充填されて いる物質によるものに限られ、特に、投与する薬液の有効成分は、概ね乾燥固形 物の組成に起因している。
【0007】 従って、有効成分の異なる2種以上の薬液を投与するためには、それに応じた 数の注射器を交換して血管等に注射しなければならず、前記と同様、苦痛と負 担が大きく、また、注射器交換のために手間と時間がかかることについても同様 である。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
本考案の目的は、簡単な操作でかつ短時間に2種以上の物質を混合して注射す ることができ、また、生体への薬液の投与に用いた場合に、苦痛や負担が少ない 注射器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)の本考案により達成される。また、下記(2) 〜(10)であるのが好ましい。
【0010】 (1) 先端部に針管を装着し得る外筒と、該外筒内に挿入されるプランジャ ー組立体とを有し、 前記プランジャー組立体は、プランジャー本体と、該プランジャー本体の先端 に装着され、前記外筒の内面に密着しつつ摺動するガスケットと、液体が収納さ れた複数の容器を装填し得る容器装填部と、該容器装填部に装填された容器の内 部と前記外筒および前記ガスケットで囲まれる空間とを連通する連通手段と、前 記各容器内の液体を前記連通手段を介して前記空間へ供給する液体供給手段とを 備えてなることを特徴とする注射器。
【0011】 (2) 前記容器装填部は、複数の前記容器をほぼ平行に並べて装填し得るよ う構成されている上記(1)に記載の注射器。
【0012】 (3) 前記容器装填部には、装填される各容器を仕切る仕切板が設けられて いる上記(1)または(2)に記載の注射器。
【0013】 (4) 前記各容器は筒状をなしており、前記液体供給手段は、前記各容器の 内面にそれぞれ密着しつつ摺動する第2のガスケットを容器の軸方向にそれぞれ 移動するプランジャーロッドと、該プランジャーロッドを操作する押圧板とで構 成されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の注射器。
【0014】 (5) 前記各容器の一端がそれぞれ封止部材により封止されており、前記連 通手段は、各封止部材および前記ガスケットをそれぞれ貫通する管体により構成 されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の注射器。
【0015】 (6) 前記管体は、前記プランジャー本体の先端部または前記容器の先端部 に固定された、両端にそれぞれ前記封止部材および前記ガスケットを貫通可能な 尖端を有する第2の針管である上記(5)に記載の注射器。
【0016】 (7) 前記液体供給手段は、前記容器装填部に装填された各容器内の液体を 同時に前記空間へ供給することができるものである上記(1)ないし(6)のい ずれかに記載の注射器。
【0017】 (8) 前記液体供給手段は、前記容器装填部に装填された各容器内の液体を それぞれ別個に前記空間へ供給することができるものである上記(1)ないし( 6)のいずれかに記載の注射器。
【0018】 (9) 前記容器装填部に装填された各容器内には、それぞれ成分が異なる液 体が収納されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の注射器。
【0019】 (10) 前記針管は、生体に穿刺されるものである上記(1)ないし(9)の いずれかに記載の注射器。
【0020】
【考案の構成】
以下、本考案の注射器を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する 。
【0021】 図1は、本考案の注射器の構成例を示す部分縦断面図、図2は、図1中のII− II線断面図である。なお、説明の都合上、図1中の下側を先端、上側を後端とい う。図1および図2に示すように、本考案の注射器1は、先端側に底部20を有 する円筒状の外筒2と、この外筒2内に挿入されるプランジャー組立体4とで構 成されている。
【0022】 外筒2の先端部には、底部20より突出した突出部21が形成され、この突出 部21には、ハブ31を備える第1の針管3が装着されている。ハブ31は、突 出部21に対し着脱自在に嵌合され、所望の第1の針管3を選択して装着するこ とができる。第1の針管3としては、例えば、ステンレス、チタン、アルミニウ ム等の金属で構成されているものが好ましい。
【0023】 注射器1を用いて薬液を生体に投与する場合、第1の針管3は、例えば、血管 、筋肉、関節、皮下組織等の生体組織(以下、血管で代表する)に穿刺される。 外筒2の後端開口24の周囲には、板状のフランジ22が外筒2と一体的に形 成されている。後述するプランジャー組立体4を外筒2内に挿入する際、または 外筒2内から引き抜く際には、このフランジ22に指をあてて注射器1を固定す る。
【0024】 外筒2の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ ロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル −ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステ ル、ブタジエン−スチレン共重合体のような樹脂または各種硬質ガラス等が挙げ られるが、その中でも、成形が容易であるという点で、ポリ塩化ビニル、ポリエ チレン、ポリプロピレンのような樹脂が好ましい。なお、後述するプランジャー 本体5および液体供給手段8の構成材料についても、これらと同様のものを用い ることができる。
【0025】 プランジャー組立体4は、主に、容器装填部51を有するプランジャー本体5 と、プランジャー本体5の先端に装着された第1のガスケット6と、プランジャ ー本体5の先端部に設置された複数の第2の針管7およびこれらの取付部材73 とからなる連通手段と、容器装填部51に装填された各容器内の液体10を前記 連通手段を介して空間23へ供給する液体供給手段8とで構成されている。以下 、これらの各構成要素について、順次説明する。
【0026】 プランジャー本体5は、先端側の基部50と、後端側の係止板53と、これら を連結する仕切板52とで構成されている。このうち仕切板52は、図2に示す ように、十文字状に交差した4枚の板を一体的に成形してなるもので、隣接する 板間には、後述する4本の容器9a、9b、9cおよび9dを平行に並べて装填 し得る容器装填部51が形成されている。この仕切板52は、プランジャー本体 5の強度を確保する機能とともに、容器装填部51に各容器9a〜9dを区別し て装填する機能を有する。
【0027】 なお、仕切板52の構成は、図示のものに限定されず、例えば、3枚の同様の 板を120°の間隔で配置し、それらの板間に合計3本の容器を装填し得る構成 としてもよい。
【0028】 図1に示すように、基部50には、後述する取付部材73の固定用の開口50 1が形成されている。また、係止板53には、後述するプランジャーロッド8a 、8b、8cおよび8dがそれぞれ挿通される開口531が形成されている。 なお、基部50、仕切板52および係止板53は、一体的に成形されているの が好ましい。
【0029】 プランジャー本体5の基部50の先端側には、第1のガスケット6が設置され ている。この場合、プランジャー本体5と第1のガスケット6との固定は、基部 50の中心部から先端側に突出したヘッド部54を第1のガスケット6の後端部 に嵌入することによりなされている。
【0030】 この第1のガスケット6は、外筒2の内周面に密着しつつ外筒2の軸方向に摺 動するものであり、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、シリ コーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタンエラストマー、 スチレン−ブタジエン−スチレンエラストマー、スチレン−エチレンブチレン− スチレンエラストマー、ポリエステルエラストマー等の各種熱可塑性エラストマ ーで構成される部材である。なお、第1のガスケット6は、その全体が上記材料 で構成されているものに限らず、少なくとも外周面(摺動面)が上記材料で構成 されていればよい。
【0031】 また、第1のガスケット6の先端は、外筒2の底部20の内側形状に一致する ように円錐形状をなしている。これにより、空間23内の液を残存することなく 排出することができる。 また、図示のように、第1のガスケット6には、その先端面に解放する4つの 小空間61が形成されていることが好ましい。後述する第2の針管7を第1のガ スケット6に穿刺した際に、その尖端71がこの小空間61内に位置する。これ により、尖端71が第1のガスケット6の先端面から突出せず、第1のガスケッ ト6を外筒2の最奥部まで押入したときに、尖端71が底部20の内面に刺さる ことが防止される。
【0032】 前記連通手段は、第2の針管7と、その取付部材73とからなる。 第2の針管7は、容器装填部51に装填された容器9a〜9dの内部と外筒2 および第1のガスケット6で囲まれる空間23とを連通する通路として機能する ものであり、その両端には、それぞれ第1のガスケット6および後述する封止部 材92を貫通可能な尖端71および72が形成されている。なお、第2の針管7 の構成材料としては、前記第1の針管3と同様の金属または各種硬質樹脂が挙げ られる。
【0033】 この第2の針管7は、取付部材73に固着され、この取付部材73の先端側を 前記開口501に嵌入することにより、第2の針管7がプランジャー本体5の基 部50に対して固定される。 また、各取付部材73の後端側には、容器9a〜9dの先端部が挿入される開 口74が形成されている。
【0034】 なお、本考案では、第2の針管7が容器9a〜9dの先端部に固定されていて もよい。この場合、第2の針管7の容器側端部は、針先が鋭利でなくてもよい。 また、使用時に、第2の針管7を第1のガスケット6および封止部材92に穿 刺してもよい。
【0035】 容器装填部51に装填される容器9a〜9dは、それぞれ、後端が解放した筒 状の容器本体91と、この容器本体91の先端開口を封止する封止部材92と、 容器本体91の後端開口から挿入された第2のガスケット93とで構成されてい る。 容器本体91の構成材料としては、前記外筒2と同様のものを用いることがで きるが、容器内部の視認性を確保するために、実質的に透明であるのが好ましい 。
【0036】 第2のガスケット93は、容器本体91の内周面に密着しつつ、容器の軸方向 に摺動する円柱状の部材である。この第2のガスケット93および封止部材92 の構成材料としては、それぞれ、前記第1のガスケット6と同様のものを用いる ことができる。
【0037】 このような容器9a〜9dの内部には、液体10が収納されている。ここで、 液体とは、半液状物、すなわち高粘度の液体も含む概念である。なお、容器9a 〜9d内には、少なくとも液体が収納されていればよく、液体の他に、固形物( 例えば、錠剤のような塊状、粒状、粉末状のもの)が同時に収納されていてもよ い。この場合、例えば、容器内が複数の空間に仕切られており、それらのうちの 所定の空間に固形物が収納され、その他の空間に例えば前記固形物を溶解または 分散するための液体が収納され、必要時に両空間が連通して前記液体が固形物の 収納空間に流入する構成が挙げられる。
【0038】 なお、容器9a〜9d内に収納される液体10の種類については、後に詳述す る。 容器装填部51に装填される容器9a〜9dは、それぞれ同じものに限らず、 例えば容積、材質等がそれぞれ異なっているものでもよい。
【0039】 図1および図2に示すように、液体供給手段8は、容器装填部51に装填され た容器9a〜9dの各第2のガスケット93を容器の先端方向にそれぞれ押圧、 移動するプランジャーロッド8a〜8dと、プランジャーロッド8a〜8dの後 端に連結して形成された押圧板81とで構成されている。
【0040】 各プランジャーロッド8a〜8dは、それぞれ、係止板53に形成された開口 531を挿通し、それらの先端は、対応する容器9a〜9dの第2のガスケット 93の後端面に当接する。
【0041】 また、押圧板81は、各プランジャーロッド8a〜8dを押圧操作するための 操作部として機能するもので、例えば円形の板材で構成されている。この押圧板 81は、各プランジャーロッド8a〜8dと一体的に形成されているのが好まし い。図1に示す構成の液体供給手段8では、押圧板81を指等で押圧すると、各 プランジャーロッド8a〜8dが同時に先端方向へ移動し、これに伴って各第2 のガスケット93が同時に容器本体91内を先端方向へ摺動する。従って、容器 装填部51に装填されたすべての容器内の液体を1回の操作で同時に空間23内 へ送り込むことができ、極めて簡単な操作で短時間に液体の混合を行うことがで きる。
【0042】 図3は、液体供給手段の他の構成例を示す斜視図である。同図に示す液体供給 手段80は、4つに分割された扇状の押圧板81a、81b、81cおよび81 dのそれぞれが、対応するプランジャーロッド8a〜8dの後端に連結して形成 された構成である。
【0043】 この液体供給手段80によれば、各押圧板81a〜81dが互いに独立してい るため、プランジャーロッド8a〜8dのうちの所望のプランジャーロッドをそ れぞれ所望の速度で所望の距離移動することができるので、各容器9a〜9d内 の液体の混合順序、空間23への流入速度、混合量(混合比)等を所望に設定す ることができる。なお、各容器9a〜9d内の液体10の混合順序や流入速度設 定できるということは、溶解、混合の促進や、不本意な反応生成物を抑制するこ とができるという点で有利である。
【0044】 また、液体供給手段80では、容器装填部51に長さの異なる容器(ガスケッ ト93のストロークが異なる容器)を装填する場合に、これに対応した各プラン ジャーロッド8a〜8dの初期位置の調整が可能となるため、有利である。 なお、この液体供給手段80においても、すべての押圧板81a〜81dを同 時に押圧操作すれば、前記液体供給手段8と同様、容器装填部51に装填された すべての容器内の液体を1回の操作で同時に空間23内へ送り込むことができる 。
【0045】 また、各押圧板81a〜81dを完全に独立して押圧し得るような構成に限ら ず、例えば、押圧板81a、81b、81c、81dの順に優先して押圧できる ような構成とすることもできる。
【0046】 次に、本考案の注射器1の使用方法の一例を、図4および図5に基づいて説明 する。なお、説明の都合上、図4および図5中の上側を先端、下側を後端という 。
【0047】 [1] 図4に示すように、まず、プランジャー組立体4を外筒2よりある程度 引き抜いた状態で、容器装填部51に所望の容器を装填する。例えば、収納され ている薬液の種類毎に用意された例えば10種の容器の中から、医師等が所望の 容器を所望の数選択し、これを容器装填部51の所定位置に装填する。4本の容 器を装填する場合、それらの容器内の液体がすべて異なる種類のものである場合 の他、同一の液体が充填された容器が2本以上含まれていてもよい。
【0048】 本構成例では、それぞれ異なる組成の液体(薬液)が充填された4つの容器9 a〜9dが装填されており、以下この場合について説明する。 各容器9a〜9dの装填は、容器9a〜9dを仕切板52の直交する2平面に 沿ってプランジャー本体5の先端方向へ移動させ、各容器先端の封止部材92に 対応する第2の針管7の尖端72をそれぞれ刺通して、各尖端72を容器9a〜 9dに位置させる。これにより、各容器9a〜9d内と外筒2および第1のガス ケット6で囲まれる空間(液体混合空間)23とが、第2の針管7を介して連通 する。
【0049】 [2] 次に、第1の針管3を上方に向けた状態で、プランジャー本体5後端の 係止板53を指等で固定しつつ、押圧板81を先端方向に押圧すると、各プラン ジャーロッド8a〜8dが同時に先端方向へ移動し、これに伴って各容器9a〜 9d内の第2のガスケット93が容器本体91内を先端方向へ摺動する。これに より、各容器9a〜9d内の液体が、それぞれ第2の針管7内を経て空間23へ 供給される。
【0050】 なお、このような各第2のガスケット93の押圧移動は、図示のごとく、尖端 72が第2のガスケット93に穿刺され、かつ第2のガスケット93の内部で停 止する状態となるまで行うことができる。
【0051】 液体供給手段の構成が前記液体供給手段80である場合には、押圧板81〜8 1dのうちの所定の押圧板を選んで先端方向に押圧することにより、容器9a〜 9d毎にその液体を空間23に注入することができる。特に、押圧板81〜81 dの押圧順序、移動速度、移動距離等を適宜調整することにより、各容器9a〜 9d内の液体の混合順序、空間23への流入速度、混合量(混合比)等を所望に 設定することができる。
【0052】 [3] 次に、注射器1に揺動または振動を与え、空間23内に注入された4種 の薬液を十分に混合して混合液(薬液)11とする。
【0053】 [4] 次に、第1の針管3を上方に向けた状態で、外筒2後端のフランジ22 を指等で固定しつつ、押圧板81を押圧してプランジャー組立体4を外筒2の先 端方向に所定距離移動し、空間23内の空気を排出、除去する。
【0054】 [5] 次に、第1の針管3を例えば薬液を投与すべき人体の血管に穿刺し、図 5に示すように、外筒2後端のフランジ22を指等で固定しつつ、押圧板81を 押圧してプランジャー組立体4を外筒2の先端方向に移動し、空間23の容積を 減少させて、混合液(薬液)11を第1の針管3を介して血管に注射する。
【0055】 以上のように、本考案の注射器1によれば、複数種の液体(薬液)を混合して 注射することが容易に可能であり、しかも、これらを1回のプランジャー組立体 4の押圧操作で行うことができる。従って、注射に要する時間が短く、人体に与 える苦痛や負担も極めて少ない。
【0056】 さらに、液体の混合から注射に至るまでの操作を閉鎖空間で無菌的に行うこと ができるので、細菌汚染や異物混入のおそれもなく、安全性が極めて高い。また 、所定の容器を選択するだけでよいため、投与する薬液の配合、調整時のミス、 特に配合量のミスを防止することができる。
【0057】 なお、図示の構成例では、容器装填部51には最大4本の容器9a〜9dを装 填可能であるが、4本未満の容器を装填して使用してもよい。この場合、使用時 に、前記連通手段を装填する容器に応じて必要な数設置するか、あるいは、容器 装填部51の容器を装填しない部分に、第2の針管7の尖端72が大気に解放す るのを阻止し得るダミー容器(図示せず)を装填する等して、混合液11の注射 の際に混合液11が逆流するのを防止することが好ましい。
【0058】 また、容器9a〜9dに対応するすべての連通手段が予めセットされている場 合には、容器を装填しない部分の連通手段を使用時に除去してもよい。この場合 には、前記ダミー容器を装填しなくてもよい。 また、本考案では、装填可能な容器の本数が異なる複数のプランジャー組立体 (例えば、それぞれ2、3、4、5および6本装填可能なプランジャー組立体) またはそれらを有する注射器を用意し、これらのうちから適宜選択して使用して もよい。
【0059】 なお、第2の針管7を第1のガスケット6に穿刺する際に、第1のガスケット 6の削りカスが生じ、混合液11中に混入するおそれがある場合には、これを防 止するために、先端にディスクフィルターを装着したり、また、第2の針管7を サイドホールとすることができる。
【0060】 容器装填部51に装填される各容器内の液体10の組み合わせの代表的例とし ては、以下のようなものが挙げられる。
【0061】 1.それぞれ独立した薬効(有効成分)を有する複数種の薬液 例えば、各種ビタミン剤、栄養剤、ヘパリンのような抗血栓剤、インシュリン 、抗生物質、抗腫瘍剤、鎮痛剤、消炎剤、強心剤、ステロイドのようなホルモン 剤、局麻剤、筋弛緩剤等が挙げられ、これらのうちの任意のものを混合し、複合 投与する。 なお、1つの容器内に充填される薬液は、通常、単一の有効成分よりなるもの であるが、2以上の有効成分を含む配合剤であってもよい。
【0062】 2.各容器から供給された2つの成分を混合することにより、1種の薬液が完成 するもの 例えば、2剤以上に分けなければ技術的に製剤化が困難であるビタミン剤(総 合ビタミン剤)や、変質防止のために、凍結乾燥状態としたものを用時溶解して 用いる抗生物質のような薬剤が挙げられる。
【0063】 3.ある種の薬液と、その薬液の効果を発現または助成(補助)する機能を有す るもの ヒアルロン酸ナトリウム製剤(変形性膝関節症、肩関節周囲炎治療剤)におけ るヒアルロン酸ナトリウムは、それ自体鎮痛作用等の薬理作用は極めて弱く、関 節内の物理的な緩衝作用により痛みを和らげる効果がある。従って、このヒアル ロン酸ナトリウム製剤に、ステロイド剤または非ステロイド系消炎鎮痛剤を併用 することにより、相乗効果が期待できる。
【0064】 4.薬液の濃縮液と、これを希釈する希釈液 例えば、症例に応じて、投与する薬液の濃度を適宜調整することができる。容 器装填部51に薬液の濃縮液が充填された少なくとも1本の容器と、希釈液が充 填された容器少なくとも1本の容器とを装填する。濃縮液入り容器と希釈液入り 容器との装填本数の比率を、1:3〜3:1の範囲で設定することにより、投与 する薬液の濃度を調整することができる。 このような濃度調整を行うのに適した薬剤としては、例えば、昇圧剤、鎮痛剤 が挙げられる。
【0065】 5.高粘度粘の液体と、粘度を下げる調整液 例えば、前記ヒアルロン酸ナトリウム製剤は、粘度が高いため、調整液に混合 、溶解して粘度を下げた状態で投与する。
【0066】 6.上記1〜5を任意に組み合わせたもの
【0067】 なお、本考案の注射器は、生体へ直接薬液を投与する場合の他、各種チューブ やカテーテル等を用いて間接的に薬液を投与するのに用いることもでき、また、 例えば、輸液バッグ、血液バッグ、血液成分収納バッグ、生理食塩水や透析の収 納バッグ等のバッグ類や、その他各種容器内での薬剤の配合にも用いることがで きる。
【0068】 以上本考案の注射器を添付図面に示す各構成例について説明したが、本考案は これらに限定されるものではない。例えば、容器装填部は、図示の構成例のよう にプランジャー本体5に形成されているものに限られず、プランジャー本体5か ら独立して設置されていてもよい。また、液体供給手段は、図示の構成例のよう にプランジャーロッド8a〜8dと押圧板81で構成されるものに限らず、例え ば、容器装填部51に装填された各容器内を加圧する手段等であってもよい。
【0069】
【考案の効果】
以上述べたように、本考案の注射器によれば、例えば、有効成分の異なる2種 以上の薬液や2種以上の物質を混合して得られる薬液を、生体へ投与したり、バ ッグ等に収納された液体へ配合する場合に、これを簡単な操作で短時間に、しか も無菌的に行うことができる。これにより、緊急時への対応が有利となる。
【0070】 また、特に生体へ薬液を投与する場合、有効成分の異なる2種以上の薬液を1 回の操作で注射することができるので、苦痛や負担が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の注射器の構成例を示す部分縦断面図で
ある。
【図2】図1中のII−II線断面図である。
【図3】本考案における液体供給手段の他の構成例を示
す斜視図である。
【図4】本考案の注射器の使用状態の構成を示す縦断面
図である。
【図5】本考案の注射器の使用状態の構成を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
1 注射器 2 外筒 20 底部 21 先端突出部 22 フランジ 23 空間(液体混合空間) 24 後端開口 3 第1の針管 31 ハブ 4 プランジャー組立体 5 プランジャー本体 50 基部 501 開口 51 容器装填部 52 仕切板 53 係止板 531 開口 54 ヘッド部 6 第1のガスケット 61 小空間 7 第2の針管 71、72 尖端 73 取付部材 74 開口 8、80 液体供給手段 8a〜8d プランジャーロッド 81 押圧板 81a〜81d 押圧板 9a〜9d 容器 91 容器本体 92 封止部材 93 第2のガスケット 10 液体 11 混合液

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端部に針管を装着し得る外筒と、該外
    筒内に挿入されるプランジャー組立体とを有し、 前記プランジャー組立体は、プランジャー本体と、該プ
    ランジャー本体の先端に装着され、前記外筒の内面に密
    着しつつ摺動するガスケットと、液体が収納された複数
    の容器を装填し得る容器装填部と、該容器装填部に装填
    された容器の内部と前記外筒および前記ガスケットで囲
    まれる空間とを連通する連通手段と、前記各容器内の液
    体を前記連通手段を介して前記空間へ供給する液体供給
    手段とを備えてなることを特徴とする注射器。
JP5220992U 1992-06-30 1992-06-30 注射器 Pending JPH067746U (ja)

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