JPH0677044B2 - 配電線地絡故障点検出装置 - Google Patents

配電線地絡故障点検出装置

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JPH0677044B2
JPH0677044B2 JP32828487A JP32828487A JPH0677044B2 JP H0677044 B2 JPH0677044 B2 JP H0677044B2 JP 32828487 A JP32828487 A JP 32828487A JP 32828487 A JP32828487 A JP 32828487A JP H0677044 B2 JPH0677044 B2 JP H0677044B2
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孝幸 鳥飼
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Kyushu Electric Power Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、配電線路に沿う複数箇所に地絡の生じた地点
の方向を検出することのできる検出器を配設し、検出し
た地絡点の方向の異なる2つの検出器により地絡点の区
間を検出するための配電線地絡故障点検出装置に関す
る。
(従来の技術) 現在我国においては非接地3相3線式の配電線により電
力が需要家へ供給されている。そのため、配電線は、通
常は大地から浮いた状態即ち絶縁された状態にある。そ
れが、碍子の劣化、断線、樹木の接触等のなんらかの原
因によって大地への絶縁が破壊され、地絡と呼ばれる状
態となる。
配電線のいずれか1つの相の線が、地絡状態となると残
りの健全相の線の対地電位が上昇し、配電線路に接続さ
れた碍子や変圧器の破壊を起し、あるいは零相電流の影
響で電磁誘導を生じる恐れがある。従って、地絡の発生
とその発生箇所は速やかに検出し、地絡故障状態を除去
しなければならない。
地絡を検出するには、健全時と地絡時の状態の相違点を
見つける必要がある。健全時には零相電流I0(大地と配
電線の循環電流)は数ミリアンペアであり、零相電圧V0
(即ち、中性点と大地との電圧)はほぼ零ボルトであ
る。地絡時には、健全時に比し零相電流I0は数百ミリア
ンペアないし数アンペアに増加し、また零相電圧V0も数
百ボルトないし数千ボルトに増加する。これらの零相電
流I0および零相電圧V0を測定することにより、地絡の発
生を検出することができ、またそれらの零相電流I0およ
び零相電圧V0の位相の関係を調べることにより、地絡点
が検出器の設置点より電源側にあるか負荷側にあるかと
いう地絡の方向を知ることができる。
第2図は従来の地絡検出装置の構成の一例を示すもの
で、各相の配電線11,12,13の線電流を電流センサ(電流
変成器CT)21,22,23で取り出し、抵抗Rによる合成によ
り各電流の加算を行ない、零相電流I0を検出する。また
各相の対地電圧を、静電結合を利用した電圧センサ31,3
2,33により取り出し、コンデンサCによる合成により各
対地電圧の加算を行ない、零相電圧V0を検出する。これ
らの零相電圧I0および零相電圧V0は零相電流レベル判定
部4および零相電圧レベル判定部5へ入力され、それぞ
れのレベルがしきい値以上であるか否かを判定され、共
にしきい値レベル以上であるときをアンド回路6により
判定し、その共にしきい値以上である期間が予め設定し
た時間以上であるか否かが、持続時間判定部7により検
出される。設定した時間以上であるとき、地絡発生と判
定される。そして、地絡を判定後に位相判定部8におい
て、零相電流I0と零相電圧V0の位相差を調べることによ
り地絡点が検出装置設置点より負荷側にあるか、電源側
にあるかの方向が判定される。すなわち、第3図に示す
ように、地絡点より電源側にある(イ)地点に設置された
検出装置による検出された零相電流I0は零相電圧V0(=
A相電圧+B相電圧)に対して90゜遅れ、地絡点より負
荷側の(ロ)地点に設置された検出装置により検出された
零相電流I0′は零相電圧V0に対して90゜進んでいるの
で、この位相差を検出することにより地絡方向を知るこ
とができる。
このような地絡点検出装置を用いた地絡点の探査は、配
電線の数箇所に検出装置を設置し、検出装置の地絡方向
表示により地絡点区間を限定し、さらに限定された地絡
点区間に検出装置を設置し、地絡点区間を縮めることに
より行なう。
(発明が解決しようとする問題点) 地絡による零相電流および零相電圧の他に、地絡以外の
原因による零相電流、零相電圧(これらの地絡以外によ
る零相電流、零相電圧をそれぞれ残留電流、残留電圧と
いう)がある。残留電流は、各相の線路長の相違による
対地静電容量のバラツキや電流を取り出す電流センサの
特性の違い等により生じ、残留電圧は、各相の対地静電
容量の相違、負荷の相違、電圧センサの特性の相違等に
より生じるものである。このような残留電流や残留電圧
があると、地絡が生じていないときにも、零相電流レベ
ル判定部4および零相電圧レベル判定部5に出力を生じ
ることがあり、それが一定時間以上続くと地絡が生じた
と誤って判定されてしまう恐れがあった。
また、対地電圧の取り出しを静電結合で行なうので、結
合部が高インピーダンスとなり、雨や雷等の外乱の影響
を受けて残留成分が複雑に変化して、測定が困難となる
ことがあった。
さらに、残留成分には定常的に生ずるものと、電圧セン
サに雨で水滴が浸入したときのような不規則に変化する
成分とがあり、その両方に対処すれば、より確実な測定
ができることがわかった。
本発明は、上記の残留成分(即ち、ノイズ成分)を除去
もしくは低減し、地絡故障を確実に検出し、その地絡方
向を確実に判定することのできる配電線地絡点故障検出
装置を得ることを目的とするものである。
さらに、本発明は、地絡方向の判定を簡単な構成により
行なうことのできる配電線地絡点故障検出装置を得るこ
とを目的とするものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するために、 高圧配電線の零相電圧を検出する零相電圧検出手段
(31,32,33,C1,C2,C3)と、 高圧配電線の零相電流を検出する零相電流検出手段
(21,22,23,R)と、 前記検出した零相電圧および零相電流の変化を抽出する
変化抽出部(16)と、その変化分を加算する変化加算部(2
4)とを有し、ノイズ成分を除去するノイズ成分除去手段
と、 ノイズ成分を除去した零相電流、または零相電圧のレベ
ルが予め定めたしきい値を越えたか否かを判定するレベ
ル判定手段(27)と、 レベル判定手段によりしきい値を越えたと判定されたと
きに、その持続時間が予め定めたしきい値を越えたか否
かを判定する持続時間判定手段(28)と、 持続時間判定手段の判定出力に応答して、前記ノイズ成
分除去手段の出力するノイズ成分の除去された零相電
流、零相電圧に基づき、地絡方向の判定をする地絡方向
判定手段(29)と を備えたことを特徴とするものである。
(作 用) 上記構成において、零相電圧検出手段および零相電流検
出手段により、それぞれ高圧配電線の零相電圧および零
相電流を検出する。変化抽出部により前記検出した零相
電圧および零相電流の変化を抽出するとともに、その変
化分を変化加算部により加算して、残留成分等のノイズ
成分を除去する。
レベル判定手段により、ノイズ成分を除去した零相電
流、または零相電圧のレベルが予め定めたしきい値を越
えたか否かを判定する。そして、レベル判定手段により
しきい値を越えたと判定されたときに、持続時間判定手
段によりレベル判定手段の判定出力の持続時間が予め定
めたしきい値を越えたか否かを判定する。
持続時間判定手段の判定出力に応答して、地絡方向判定
手段は前記ノイズ成分除去手段の出力するノイズ成分の
除去された零相電流、零相電圧に基づき、地絡方向の判
定をする。このように残留成分等のノイズ成分を有効に
除去した零相電流、零相電圧に基づき地絡方向の判定を
するので、地絡方向を地絡方向判定手段を簡単な構成と
することができるとともに、確実な判定をすることがで
きる。
(実施例) 第1図は、本発明の一実施例による配電線地絡点故障検
出装置の概略の構成を示す図である。
3相の高圧配電線11,12,13のそれぞれに電流センサ(C
T)21,22,23および電圧センサ(PD)31,32,33が結合さ
れている。電流センサ21,22,23の出力は抵抗Rにより加
算され、零相電流I0表わす電圧信号として出力される。
電圧センサ31,32,33にそれぞれ接続されたコンデンサ
C1,C2,C3のそれぞれの両端子間には、高圧配電線の電圧
に比例した検出電圧が表われ、電圧センサ31,32に対応
する検出電圧は、電圧センサ31,32,33の相互の検出感度
の相違を調整するため調整器10,11を介して加算器12に
供給され、電圧センサ33の検出電圧はそのまま加算器12
に供給される。加算器12で加算されることにより、零相
電圧V0が得られ、この零相電圧V0は、バンドパスフィル
タ13により商用周波数成分のみを通過させて、高調波成
分として混入しているノイズ成分が除去され、A/D変換
器15によりティジタル信号に変換される。前記零相電流
I0の信号も同様にバンドパスフィルタ14を介して、A/D
変換器15に入力されて、ディジタル信号に変換される。
A/D変換器15の出力は、各信号の変化を抽出する変化抽
出部16に供給される。零相電圧検出信号の変化分を抽出
する回路は遅延回路17と加算回路19とからなり、また零
相電流検出信号の変化分を抽出する回路は遅延回路18と
加算回路20とからなっている。遅延回路17および18は信
号波形の数周期分の遅延を行ない、加算回路19,20にお
いて遅延のない信号波形と逆相で加算される。これによ
り定常的な残留成分は除去され、地絡が生じたときに検
出された零相電流、零相電圧の信号の変化分を抽出する
ことができる。1波のみの遅延波形と現波形の比較によ
る変化の抽出を行なっても、あるいは数周期にわたって
の比較により変化を抽出するようにしてもよい。ただ、
数周期にわたる場合の方が、単発的に生ずる変化分の影
響は少ない。
変化抽出部16の出力は変化加算部24において商用周波の
1周期毎に加算されるが、低レベルのノイズ成分が変化
加算において地絡の判定に悪影響を及ばさないように、
変化加算部24の前段にノイズ除去部21が設けられる。こ
のノイズ除去部21は低レベルの成分を無視するレベル判
定回路22,23からなっている。これは例えば信号が8ビ
ットである場合に最下位の1ビットを無視する(0にす
る)回路からなっている。
ノイズ除去部21の出力は変化加算部24で商用周波数の1
周期毎に加算して行くことにより変化抽出部16で残留成
分が除去された零相電流、零相電圧が得られる。
その零相電流のレベルが一定の設定レベルを越えたか否
かがレベル判定部27において判定され、設定レベルを越
えたときに、その出力は持続時間判定部28で予め定めた
一定時間の間継続したか否かが判定される。一定時間以
上持続する場合は、地絡の発生であると判定し、その判
定出力を地絡方向判定部29に制御信号として与える。一
方、設定時間以上継続しなかった場合には、変化加算部
24にリセット信号を与える。
地絡方向判定部29は、持続時間判定部28からの地絡の判
定を知らせ地絡方向の判定を命ずる制御信号に応じて、
変化加算部24からの零相電流I0および零相電圧V0に基づ
き、それらの間の位相を調べることにより、地絡方向を
判定する。
第4図は地絡方向判定部29の構成の一例を示すもので、
第5図はその原理を説明するためのベクトル図である。
第4図の地絡方向判定部は、第1図の変化加算部24の出
力する定常的な残留電流を除去した零相電流波形信号、
零相電圧波形信号をそれぞれ矩形波信号に変換する零ク
ロス処理部31,32と、零クロス処理部32からの零相電圧
波形信号を90゜遅らせる位相遅延部33と、零クロス処理
部31の出力と位相遅延部33の出力とを加算する加算部34
と、加算部34の出力に基づき地絡方向を判定する判定部
35等からなっている。
地絡で発生する零相電流は、第5図に示すように、地絡
点より電源側では零相電圧より90゜遅れ、地絡点より負
荷側では零相電圧より90゜進みとなる。従って、地絡方
向を判定するために、零相電圧の位相を90゜遅延させて
零相電流と加算する。地絡点より電源側で零相電圧と零
相電流は同位相となり加算波形は大きくなる。他方、地
絡点より負荷側は零相電圧と零相電流は逆位相であるの
で、加算波形は打消される。
この加算結果の相違により、地絡方向を決定する。この
場合、零相電圧と零相電流の振幅の大きさを等しくしな
ければならない。そのために第4図の地絡方向判定部で
は零クロス処理部31,32が設けられている。
第4図の地絡方向判定部の動作について説明する。第1
図の持続時間判定部28からの処理開始命令で、零相電圧
V0,零相電流I0が入力され、各々零クロス処理部31,32
で振幅の大きさを等しくする。位相遅延部33で零相電圧
の位相を90゜遅らせて、加算部34で零クロス処理部31の
出力する零相電流と加算する。第5図に示すように地絡
点より電源側である場合には加算波形の振幅は2倍とな
り、負荷側の場合には振幅は零となる。持続時間判定部
28の判定指示命令で判定部35は加算波形の振幅の大きさ
により地絡方向の判定信号を出力する。この第4図の地
絡方向判定部は、入力信号が前段の変化抽出部16,変化
加算部24からなる定常的な残留成分を除去されたもので
あるので、比較的簡単な構成で正確な地絡方向の判定を
することができる。
第6図は地絡方向判定部29の構成の他の例を示すもの
で、入力部40,位相遅延部41,乗算部42および判定部43か
らなっている。第7図はその原理を説明するためのベク
トル図である。
前述のように、地絡で発生する零相電流は、地絡点より
電源側では零相電圧より90゜遅れ、地絡点より負荷側で
は零相電圧より90゜進みとなる。従って、零相電圧の位
相を90゜遅らせて零相電流と乗算すると、地絡点より電
源側では後述する式(1)より正の直流分が検出され、地
絡点より負荷側では後述する式(5)より負の直流が検出
される。この相違を利用して地絡方向を判定することが
できる。即ち、 零相電圧:A=a sin ωt 電源側零相電流:B=b sin(ωt−π/2) 負荷側零相電圧:C=c sin(ωt+π/2) 但し、a,b,cはそれぞれ振幅である。
零相電圧Aを90゜遅延させると、 A=a(ωt−π/2)となる。
この90゜遅れた零相電圧Aと電源側零相電流を乗算する
と、 A・B=asin(ωt−π/2)・bsin(ωt−π/2)=(1/2)ab{cos (ωt−π/2−ωt+π/2)cos(ωt−π/2+ωt+π/2)} =(1/2)ab{1−cos(2ωt−π)}=ab/2−abcos(2ωt−π)/2……(1) また、90゜遅れた零相電圧Aと負荷側零相電流Bを乗算
すると、 A・B=asin(ωt−π/2)・csin(ωt+π/2)=(1/2)ac{cos (ωt−π/2−ωt−π/2)−cos(ωt−π/2+ωt+π/2)} =(1/2)ac{−1−cos(2ωt)}=−ac/2−accos(2ωt)/2 ……(2) 従って、(1)式から電源側零相電流との乗算によって直
流分は正となり、負荷側零相電流との乗算によって直流
分は負となる。
この原理を用いた第6図の地絡方向判定部の動作は、持
続時間判定部28からの処理開始命令で、零相電流および
零相電流が入力され、零相電圧の位相を位相遅延部41で
90゜遅らせる。乗算部42において、その遅延させた零相
電圧と零相電流との乗算を行ない、その結果から直流分
を検出する。持続時間判定部28の判定指示命令に応じて
判定部43は、入力された直流分の符号が正か負かによっ
て地絡方向を判定する。この第6図の地絡方向判定部
は、入力信号が前段の変化抽出部16と変化加算部24から
なる部分により定常的な残留成分を除去されたものであ
るので、位相遅延部41,乗算部42および判定部43という
比較的簡単な構成で正確な地絡方向の判定をすることが
できる。
第8図は第1図の地絡方向判定部29の構成のさらに他の
例を示すもので、入力部50と、位相遅延部51と、零クロ
ス処理部52と、位相反転部53と、乗算部54,55と、判定
部56等からなっている。第9図は第8図の装置の各部の
波形を示すものである。第10図(1)(2)(3)はその原理を
説明するためのベクトル図である。
前述のように、地絡で発生する零相電流は、地絡点より
電源側では零相電圧より90゜遅れ、地絡点より負荷側で
は零相電圧より90゜進みとなる。入力された零相電流を
基準にして零相電流よりも位相が90゜進みの矩形波(発
生波形1)と、90゜遅れの矩形波(発生波形2)を発生
させ、零相電圧と乗算させると、第10図(2)に示すよう
に、地絡点より電源側では、零相電圧と発生波形1との
乗算で正の直流分が、発生波形2との乗算で負の直流分
が検出される。地絡点より負荷側では、第10図(3)に示
すように、零相電圧と発生波形1との乗算で負の直流分
が、発生波形2との乗算で正の直流分が発生する。この
相違により地絡方向を検出することができる。
この原理を用いた第8図の地絡方向判定部の動作は次の
とおりである。持続時間判定部28からの処理開始命令
で、零相電流I0′(第9図の波形)および零相電圧
V0′(第9図の波形)が入力される。位相遅延部51で
零相電流I0′の位相を90゜遅らせ、この遅らせた波形
(第9図の波形)を零クロス処理部52で矩形波にする
と発生波形2(第9図の波形)が得られる。さらに、
発生波形2を位相反転部53で位相反転させると発生波形
1(第9図の波形)が得られる。乗算器54で零相電圧
()と発生波形2()の乗算を行ない、乗算器55で
零相電圧()と発生波形1()の乗算を行ない、そ
れらの出力は判定部56に入力される。判定部56は持続時
間判定部28からの判定指示命令により、地絡方向を2つ
の乗算波形の直流分の正、負により判定する。
この第8図の地絡方向判定部も第6図の場合と同様に、
入力信号が定常的な残留成分を除去されたものであるの
で、極性の相関を見出す比較的簡単な構成で正確な地絡
方向の判定をすることができる。
以上に詳述した本発明の実施例による地絡故障点検出装
置は、変化抽出部16と変化加算部24からなる残留成分除
去手段を有し、これにより定常的な残留成分を除去する
ので、従来のように零相電流、零相電圧の振幅が残留成
分に埋もれてしまって、それらの位相の検出ができなか
ったような場合でも、本実施例では確実に位相判定によ
る地絡方向の検出をすることができる。また、地絡方向
判定部に入力される信号が上記のように残留成分を除去
したものであるため、第4,6,8図に示すような簡単な構
成により地絡方向を確実に検出することができる。
第1図の実施例においては、残留成分は定常的なものと
して除去しているが、降雨時に電圧センサの電極に雨水
が浸入する場合等には、その検出出力は不規則に変化す
る。そのためその変化を地絡による変化と誤った判定さ
れる場合がある。
本発明では、定常的な残留成分および不規則に変化する
残留成分の両方を含む零相電圧から統計的手法を用いる
ことにより比較的純粋な零相電圧を抽出でき、誤判定を
減少させることができることを見出した。
第11図は、その不規則に変化する残留成分を除去した零
相電圧を得るための処理部を示すものである。この処理
部は、重み付け周期毎加算部61,62からなり、地絡方向
判定部29の前段に挿入することができる。なお、零相電
流に関しては電流センサは比較的安定であり不規則な変
化は少ないので、重み付け周期毎加算部61の設置は省略
してもよい。
持続時間判定部28からの処理開始命令で処理を開始す
る。重み付け周期毎加算部61,62は、それぞれ1周期の
サンプリング値を記憶し、その上に次の周期のサンプリ
ング値を加算し、さらに次々と予め定めた一定の回数だ
け加算して行くよう構成されている。
第12図は重み付け周期毎加算部61,62の動作原理を説明
するための図で、 Mi−1=[m i−1,m i−,m −1i,m i−0
……m i−1]は商用周波数i−1周期加算形、 M=[m ,m ,m ,m ,……m ]は商
用周波数i周期加算形、 A=[a,a,……a]はi周期目入力波形重み
係数、 S=[m ,m ,m ,m ,……m ]はi
周期目入力波形である。
そして、重み付け周期毎加算部において、 M=A+Mi−1の計算をして、不規則な変化
をする残留成分を、i周期にわたって平均化することに
より、除去することができるものである。また、予め零
相電圧、零相電流が単発的な変化をしたときの残留成分
の分布の上記i周期までの間におけるパターンを調べて
おき、最もよく残留成分を除去し零相電圧、零相電流を
抽出するのに都合のよい重み付け係数を設定することに
より、より正確に地絡の発生とその方向を検出すること
ができる。
第13図ないし第15図は、本発明の効果を確認するための
間欠地絡シミュレーション結果を示すものである。第13
図は比較のために本発明の特徴とする残留除去部を省い
た場合の位相判定の分布を示すものであり、第14図は本
発明の第1図の実施例による残留除去を行なった場合の
位相判定の分布を示すものであり、また、第15図は第1
図の実施例にさらに第11図の回路を加えた構成により残
留除去とともに重み付け加算による統計処理を行った場
合の位相判定の分布を示すものである。いずれの場合
も、降雨により残留電圧(外乱)が誘起されているなか
で、間欠地絡を222回発生させたシミュレーションであ
り、零相電圧は600V、零相電流は0.2A、零相電圧に対す
る零相電流の位相差は90゜遅れに設定している。第16図
は、上記シミュレーションに用いたデータ例の一部を示
すもので、同図(1)は、降雨による残留電圧(実測デー
タ)の1例を示す波形であり、同図(2)は地絡により発
生した600Vの零相電圧の例を示すものである。60゜〜12
0゜の範囲の判定は正しい判定とみなすことができ、−6
0゜〜−120゜の範囲は誤判定とみなすことができる。
残留成分の除去を行なわない第13図では、正しい判定の
回数は71回(=27+35+9)、誤り判定の回数は50回
(=15+16+19)であり、よい判定結果が得られておら
ず、実用には供し得ない。
残留成分の除去を行なった第14図においては、正しい判
定の回数は118回(=34+42+42)、誤り判定の回数は1
8回(=5+8+15)であり、第13図の場合に比べ正し
く判定できた割合は格段に向上していることがわかる。
さらに、残留除去とともに重み付け加算による統計処理
を行った第15図の場合には、正しい判定の回数は155回
(=38+63+44)、誤り判定の回数は10回(=0+7+
3)であり、正しく判定できた割合はさらに飛躍的に向
上することがわかる。
(発明の効果) 以上に詳述したように、本発明のによる地絡故障点検出
装置は、変化抽出部と変化加算部からなる残留成分除去
手段を有し、これにより定常的な残留成分を除去するの
で、従来のように零相電流、零相電圧の振幅が残留成分
に埋もれてしまって、それらの位相の検出ができなかっ
たような場合でも、本実施例では確実に位相判定による
地絡方向の検出をすることができる。また、地絡方向判
定部に入力される信号が上記のように残留成分を除去し
たものであるため、簡単な構成により地絡方向を確実に
検出することができる。
また、統計的手法を用いた重み付け周期毎加算部をも用
いた場合には、単発的に生ずる非定常的な残留成分をも
除去することができ、一層正確な地絡方向の判定を行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例による配電線地絡点故障検
出装置の概略の構成を示す図である。 第2図は従来の地絡検出装置の構成一例を示す図であ
る。 第3図(1)および(2)は地絡方向検出の原理を説明するた
めの図である。 第4図は第1図の地絡方向判定部29の構成の一例を示す
図で、第5図はその原理を説明するためのベクトル図で
ある。 第6図は地絡方向判定部29の構成の他の例を示す図で、
第7図はその原理を説明するためのベクトル図である。 第8図は地絡方向判定部29の構成のさらに他の例を示す
もので、第9図は第8図の装置の各部の波形を示すもの
である。第10図(1)(2)(3)はその原理を説明するための
ベクトル図である。 第11図は、その不規則に変化する残留成分を除去した零
相電圧を得るための処理部を示す図である。 第12図は重み付け周期毎加算部の動作原理を説明するた
めの図である。 第13図ないし第15図は、本発明の効果を確認するための
間欠地絡シミュレーション結果を示す図である。 第16図は、上記シミュレーションに用いたデータ例の一
部を示す波形図であり、同図(1)は、降雨による残留電
圧(実測データ)の1例を示す図であり、同図(2)は地
絡により発生した600Vの零相電圧の例を示す図である。 11,12,13……高圧配電線、21,22,23……電流センサ(CT
センサ)、31,32,33……電圧センサ(PDセンサ)、10,1
1……調整器、12……加算器、13,14……商用周波バンド
パスフィルタ、15……A/D変換器、16……変化抽出部、2
1……ノイズ除去部、24……変化加算部、27……レベル
判定部、28……持続時間判定部、29……地絡方向判定
部。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高圧配電線の零相電圧を検出する零相電圧
    検出手段(31,32,33,C1,C2,C3)と、 高圧配電線の零相電流を検出する零相電流検出手段
    (21,22,23,R)と、 前記検出した零相電圧および零相電流の変化を抽出する
    変化抽出部(16)と、その変化分を加算する変化加算部(2
    4)とを有し、ノイズ成分を除去するノイズ成分除去手段
    と、 ノイズ成分を除去した零相電流、または零相電圧のレベ
    ルが予め定めたしきい値を越えたか否かを判定するレベ
    ル判定手段(27)と、 レベル判定手段によりしきい値を越えたと判定されたと
    きに、その持続時間が予め定めたしきい値を越えたか否
    かを判定する持続時間判定手段(28)と、 持続時間判定手段の判定出力に応答して、前記ノイズ成
    分除去手段の出力するノイズ成分の除去された零相電
    流、零相電圧に基づき、地絡方向の判定をする地絡方向
    判定手段(29)と を備えたことを特徴とする配電線地絡故障点検出装置。
  2. 【請求項2】前記ノイズ成分除去手段の変化抽出部は、
    入力信号を遅延させる遅延回路(17,18)と、その遅延回
    路の出力と遅延を施さない入力信号との差を演算する演
    算回路(19,20)とからなることを特徴とする特許請求の
    範囲第(1)項記載の配電線地絡故障点検出装置。
  3. 【請求項3】前記ノイズ成分除去手段は、前記変化抽出
    部と変化加算部との間に、予め定めたしきい値より小さ
    い微小レベルの変化成分を除去する微小レベルノイズ除
    去手段(21)を有することを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の配電線地絡故障点検出装置。
  4. 【請求項4】前記ノイズ成分除去手段は、統計的処理を
    施すことにより単発的に不規則に急変する成分として表
    われるノイズ成分を除去する不規則ノイズ除去手段(61,
    62)を有することを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記
    載の配電線地絡故障点検出装置。
  5. 【請求項5】前記不規則ノイズ除去手段は、入力信号の
    1周期のサンプリング値を記憶し、その上に次の周期の
    サンプリング値を加算し、さらに次々と予め定めた一定
    の回数の周期だけ加算して行く周期毎加算部(61,62)か
    らなることを特徴とする特許請求の範囲第(4)項記載の
    配電線地絡故障点検出装置。
  6. 【請求項6】前記周期毎加算部は、入力信号の各サンプ
    リング値に予め定めた重み係数を乗算することを特徴と
    する特許請求の範囲第(4)項記載の配電線地絡故障点検
    出装置。
  7. 【請求項7】前記地絡方向判定部は、零相電流波形信
    号、零相電圧波形信号をそれぞれ一定の振幅の矩形波信
    号に変換する変換部(31,32)と、その変換部からの零相
    電圧波形信号を90゜遅らせる位相遅延部(33)と、前記変
    換部(31)の出力する零相電流矩形波信号と位相遅延部(3
    3)の出力とを加算する加算部(34)と、加算部(34)の出力
    に基づき地絡方向を判定する判定部(35)とからなること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の配電線地絡
    故障点検出装置。
  8. 【請求項8】零相電圧の位相を90゜遅らせる位相遅延部
    (41)と、零相電流と前記遅延させた零相電圧との乗算を
    行なう乗算部(42)と、その乗算結果から得られる直流分
    の符合が正か負かによって地絡方向を判定する判定部(4
    3)とからなることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項
    記載の配電線地絡故障点検出装置。
  9. 【請求項9】入力された零相電流を基準にして零相電流
    よりも位相が90゜進みの第1の矩形波と、90゜遅れの第
    2の矩形波とを発生させる手段(51,52,53)と、零相電圧
    と前記第1および第2の矩形波とをそれぞれ乗算する乗
    算部(54,55)と、2つの乗算結果の波形の直流分の正、
    負により地絡方向を判定する判定部(56)とからなること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の配電線地絡
    故障点検出装置。
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