JPH0676964B2 - 高解像受光系及び該受光系を用いた光断層像画像化装置 - Google Patents

高解像受光系及び該受光系を用いた光断層像画像化装置

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JPH0676964B2
JPH0676964B2 JP1250034A JP25003489A JPH0676964B2 JP H0676964 B2 JPH0676964 B2 JP H0676964B2 JP 1250034 A JP1250034 A JP 1250034A JP 25003489 A JP25003489 A JP 25003489A JP H0676964 B2 JPH0676964 B2 JP H0676964B2
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勉 市村
文男 稲場
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勉 市村
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は散乱光中に埋もれた情報光を高解像度で画像化
することが可能な光断層像画像化装置に関する。
〔従来の技術〕
生体組織のような散乱体に光を照射した際、180゜向か
い合わせで受光すればある程度直進光を取り出すことが
できるが、今のところ、その空間分解能はあまり良いと
はいえない。
X線と光とでの空間分離能の差は今のところ埋めること
はできない。しかしながら光、特に近赤外光を用いる
と、血液中のヘモグロビンから組織酸素濃度のイメージ
ングができるはずである。これらは他のNMR−CTやX線C
Tと異なった情報を与えてくれるであろう。
例えば、第51図において物体Oが散乱体をあまり含まな
い、比較的透明に近いものであった場合には、フィルタ
340を通して特定波長成分光を選択し、レンズL1の焦点
位置に置かれたリング状のスリット341から光を被測定
物体Oに照射し、対物レンズL2で拡大像を面Pに結像し
て観察することができる。レンズL1の焦点位置に置かれ
たリング状スリット341を使用することにより、第52図
に示すように物体Oに様々な方向から光を照射したこと
となり、一度に各方向から見た物体Oの像I1、I2…を観
察することが可能である。
また、3〜5cmの厚さの組織ならばわれわれは透過して
きた光を検出することができる。このことは“光−レン
トゲン写真”を診断に使えることを意味する。女性の乳
房は組織が比較的均一であり光が透過しやすく、またそ
の形状から透過光の検出(厚さ:〜3cm程度)が容易で
あり、古くから乳ガンの診断に、Diaphanography(Ligh
tscanning)という名で用いられてきた。このような従
来の診断装置について第53図により説明する。
第53図は従来の光吸収分布像を得る装置構成を示す図で
ある。図中、401はスキャンヘッド、403は人体、405は
ビデオカメラ、407はA/Dコンバータ、409は近赤外光フ
レームメモリ、411は赤色光フレームメモリ、413はプロ
セッサ、415はカラー変換処理部、417はエンコーダキー
ボード、419はD/Aコンバータ、421はプリンタ、423はテ
レビモニタ、425はビデオテープレコーダである。
赤色光(主に血液中のヘモグロビンが強く吸収する)と
近赤外光(血液、水分、脂肪、その他が吸収する)を交
互にライトガイドを介してスキャンヘッド401により人
体の被測定部位、例えば乳房に照射しつつ走査する。図
では下から上方へ光が照射されている。その結果乳房全
体が明るく光り、この透過像をビデオカメラ405が捉
え、A/Dコンバータ407でデジタル信号に変換し、デジタ
ルスイッチを介して近赤外光、赤色光をそれぞれフレー
ムメモリ409,411に取り込み、両フレームメモリのデー
タから、プロセッサ413で近赤外光および赤色光の強度
比を演算し、さらにカラー変換処理してアナログ信号に
変換し、プリンタやテレビモニタ、ビデオテープで光吸
収分布像を観測する。
この装置においてはスキャンヘッド401からの光は平行
光ではなく、恰も懐中電燈で照らしたのと同じように組
織(乳房)で拡がっており、これをビデオカメラのよう
な2次元検出器で受けるので分解能はあまり良くない。
この点を改良し、コリメートした照射−受光システムを
用いた例を第54図により説明する。
第54図はコリメートした照射−受光系を使用した従来の
光吸収分布像を得る装置構成を示す図である。
この例においては、光源にレーザ光を使用し、光ファイ
バ433でレーザ光を導いて測定対象435に照射し、その透
過光をファイバコリメータ437で捉えて検出器443で電気
信号に変換し、前処理回路445、A/Dコンバータ447、イ
ンターフェース449を介してコンピュータ451で信号処理
する。この場合に照射用光ファイバ433と検出用のファ
イバコリメータ437をモータ439で同期してスキャニング
することにより測定対象各部位の光吸収分布像を得てモ
ニタ453で観察している。
なお、光源は赤色光として633nmのHe−Neレーザー、近
赤外光として830nmの半導体レーザーを用いる。この診
断装置は1977年,Jobsisらがネコや人の頭部に近赤外光
を照射して透過した光の検出に成功し、その透過光量が
動物の呼吸状態で変動することを報告した。700〜1500n
mの波長の近赤外光はネコの頭程度の大きさの組織であ
れば5mW程度の照射光量で十分に透過した光を検出で
き、この光量は現在のレーザーの安全基準の約1/50以下
である。また、われわれが海岸で浴びる近赤外光の約1/
10程度でもあり非常に安全である。
〔発明が解決すべき課題〕
ところで、生体等に光を照射した場合、その透過光には
試料による吸収と散乱が生ずる。
第55図はTwerskyの散乱理論曲線を示す図であり、赤血
球浮遊液の吸光度とヘマトクリプト濃度との関係を求め
たもので、波長940nmのレーザ光を照射したとき得られ
る透過光強度及び透過光の散乱成分と吸光度成分とを示
したものである。
第55図から分かるように、透過光には吸光度成分に大き
な散乱成分が重畳されている。散乱成分は方向性がない
ため、いろいろな部位からの散乱光が含まれてしまい、
光断層像をぼけたものにしてしまう性質がある。そのた
め単に透過光を検出してもこの散乱成分のために必要な
情報の吸光度成分を精度よく検出することができない。
第56図は生体等の試料の光学的性質を説明するための図
である。
例えば、第51図の場合には物体Oが散乱成分を含まず、
言わば元々見えるものを観察しているにすぎないが、実
際には観察対象である試料460は、光の波長よりも十分
小さなレイリー散乱体460a、光の波長と同程度の大きさ
のミー散乱体460b、観察対象である目的とする光吸収を
生じる光透過情報体460c、光を拡散させる拡散物体460
d、ランダムな回折を生じさせる回折格子460e等からな
っていると等価と考えることができる。こうした試料に
対してレーザ光学系461を通してコヒーレントな平面波
を照射したときの射出光中には透過光以外にレイリー散
乱、ミー散乱、拡散光、ランダムな回折光等が含まれ、
これらの中から光透過情報体460cからの透過光のみを検
出することは従来不可能であった。
第57図は有限開口を正弦波格子によって生じたフレネル
回折波を示す図である。
平面波を有限開口に照射すると、透過光470の外にサイ
ドバンド471、472が生じる。したがって、透過光を観察
しようとしてもサイドバンドの影響がでるため高感度の
検出は困難である。
第58図はランダムな散乱物体にコヒーレント光を照射し
たとき反対側の観測面における輝度分布を示す図であ
る。
生体のような散乱物体にレーザ光のようなコヒーレント
光を照射すると、第58図(a)に示すように観測面にお
いてはランダムな回折像が現れる。そして、散乱物体か
らの透過光をレンズLで結像させると、ランダムな回折
像がのるため、生体等の観測したい部分の像を高解像で
見ることはできない。
第59図は拡散反射面の状態に応じた反射光の輝度分布を
示す図であり、第59図(a)は極座標表示したもの、第
59図(b)は直角座標表示したものである。
図において、Jは完全拡散面からの反射光輝度分布、G
はつやのある面からの反射光輝度分布、Pはつやのない
面の反射光輝度分布を示しており、つやのある面では所
定方向において広がりのない鋭いピークが得られるが、
つやがない面では輝度分布が広がりを見せ、面の状態に
よって輝度分布が変化し、反射光を利用した観察の場合
には面の状態に大きく左右されることが分かる。
以上のように、コヒーレント光を使用して断層像を観察
する場合には各種散乱体の影響で必要な情報光が埋もれ
てしまうため高解像度の像観察ができなかった。
本発明は上記課題を解決するためのもので、情報光が多
くの散乱成分に埋もれている場合にも、散乱成分を確実
に除去し、必要な情報光のみを検出して高解像度の断層
像を得ることができる光断層像画像化装置を提供するこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の高解像受光系とは、散乱成分中内での透過像を
得ようとする従来のものに比較してはるかに高解度を得
られるという意味である。いわゆるカメラのような光学
結像系に比較したら、むしろ高指向性低解像受光系とい
える。即ち、空間分解能を犠牲にすることにより、散乱
光を除去する受光系である。
本発明は、光の伝播する領域を複数に分割する受光素子
を有し、受光素子射出端における異なる点間の干渉が生
ずる空間領域を最小空間分解単位内に限定することによ
り、散乱光中の埋もれた情報光を検出し、最小空間分解
単位はフラウンホーファ回折像の0次の回折像またはそ
の一部を検出することにより達成することを特徴とす
る。
本発明の高解像受光系を用いた光断層像画像化装置は、
測定対象にレーザ光を直接またはレンズ系を介して照射
するためのレーザ光源と、レーザ光が照射された測定対
象からの透過光を受光し、光の伝播する領域を複数に分
割して射出端における異なる点間の干渉が生ずる空間領
域を最小空間分解単位内に限定する単数の受光素子の走
査または複数の受光素子からなる高解像受光系と、高解
像受光系からの射出光を検出して電気信号に変換する光
電検出手段と、光電検出手段からの検出信号を演算処理
する演算処理手段とを備え、測定対象の光吸収分布を求
めて光断層像を得るようにしたことを特徴とする。
さらに測定対象からの透過光をチョッパを介して受光し
て光電検出手段の検出信号を同期検波してバックグラウ
ンド成分を除去すること、また波長の異なるレーザ光を
交互に測定対象に照射するとともに、測定対象からの透
過光をセクタを介して受光して同期検波し、各波長に対
する信号から光吸収分布を求めること、さらに二波長の
光信号、及び暗信号が得られるセクタを使用し、各波長
に対する検出信号とを暗信号とを加減算してバックグラ
ウンド成分を除去することを特徴とする。
〔作用〕
本発明は、光の伝播する領域を複数に分割し、各分割領
域を異なる点間の干渉が生ずる最小空間分解単位内に限
定してフラウンホーファ回折像の0次の回折像を検出す
ることにより、散乱成分は減衰し、平面波による情報光
成分のみ検出することができるので、人体を透過した光
のように散乱成分の方が大きい場合でも吸収体の情報を
得ることができるので、光CT等に適用して多大の効果を
得ることが可能である。
〔実施例〕
まず、本発明の基本原理を説明する。
第2図に示すように、有限な大きさを持つ準単色1次光
源σによって照明された平面上に、固定点P2と可動点P1
における振動の相関を記述する干渉度(複素コヒーレン
スファクタ)は、P2を中心とする回折像内の対応する点
P1における正規化された複素振幅に等しく、この回折像
は、光源と同じ大きさで同じ形をした回折孔によって光
源を置き換え、その開口をP2に収束し、波面上の振幅が
光源の強度に比例する球面波によって満たされた時でき
るもので、Van Cittert−Zernikeの定理と呼ばれるもの
である。この定理に基づき結像式が誘導される。
簡単のため2次元的扱いとし、第3図(a)に示すよう
にσ上、点Xにある微小光源dxを考え、dxからの光はコ
ヒーレントであり、レンズLC、物体Oを通過後L上、X
を中心(0周波数)とするスペクトルO(s)を作る。
σとLとは同じ座標Xで表され、O(s)の原点はXに
あるため、Lを通過しうる成分はその一部分である。次
に、第3図(b)に示すように瞳関数をfとし、レンズ
の吸収、波面収差をそれぞれa(s)、W(s)とする
と、 f(s)=a(s)e−i(2π/λ)W(s) (|s|≦1) ……(1) で表される。ただし(1)式のf(s)の原点は瞳と光
軸との交点Oにしている。従って、f(s)を通過しう
るスペクトルはO(s−X)f(s)である。点Xの強
度が1であればこの瞳を通過したスペクトルはレンズL
によってフーリエ逆変換され、すなわち像面の像の複素
振幅は o′(u′) =∫0(s−x)f(s)e2πiu′sds ……(2) したがってdxによって像面上に生じた強度は i(u′)dX =|∫0(s−X)f(s)e2πiu′sds|2 ……
(3) (3)式はまた、次のごとく解釈できる。即ち、像面上
の像の複素振幅o′(u′)は ただし、(4)式では変数sをs′に変更してある。ま
た、瞳関数は有限であるが、そのほかでは0であるから
積分の上下限を±∞とした。(4)においてs′−X=
f′とすれば、ds′=df′であるので、 同様に変数をs″と書き直し、s″−X=f″とおき、
o′(u′)の複素共役をo′(u′)とすれば、 これを有効光源σ(X)全部で積分すれば、 ここで(7)式に(5)、(6)式を代入し、それを
(8)式に代入すれば、 I(u′) =∫σ(X)dX∬0(f′)0(f″) ×f(f′+X)f(f″+X)e
2πiu′(f′−f″)df′df″ =∫∫∫σ(X)f(f′+X)f(f″+X) ×0(f′)0(f″)e2πiu′(f′−f″)d
f′df″dX ……(9) ここでXを含む積分を分離すれば、 ∫σ(X)f(f′+X)f(f″+X)dX =T(f′,f″) ……(10) このTをクロスモデュレーション係数と称する。これを
(9)式に代入すれば次の結像式を得る。
(11)式は物体スペクトルをO(s)としたとき、スペ
クトルO(f′)とO(f″)とのビートによって生
じる干渉縞に嵩みT(f′,f″)を乗じたものを全体の
周波数で積分したものが像I(u′)となることを意味
している。T(f′,f″)はf′−f″のみの関数では
なく、f′−f″が同じであってもf′、f″が位置に
よって異なり、そのため結像式はビート周波数f′−
f″=fが同一であっても、T(f′,f″)はf′,f″
によって異なるため、同じT(f′,f″)を用いること
ができない非線形写像系であり、一般には結像解析は困
難である。
例えば、第4図に示すように、物体面Σの微小な孔3
を通して光を透過させたとすると、レンズ系2を通して
結像面Σiではある点を中心としてリング状に広がった
すそのを有する光強度分布を示すことになり、物体各点
からの光は結像面において互いに干渉してしまい、それ
らの影響をすべて積分しなければ解像析を行うことがで
きない。
この結像式が解けるのは次のような場合である。
(a)インコヒーレント系でσ(x)が無限大の場合 T(f′,f″)は、f=f′−f″のみの関数で系は線
形となり、このときのT(f)をレスポンス関数と称す
る。インコヒーレント光による結像は、第5図に示すよ
うに物体面Σの微小領域5がレンズ系2を通して結像
面Σiにおいて点4に結像する。このとき結像面におけ
る光強度は広がりをもたずに点4に鋭いピークを生ず
る。したがって物体の各点が結像面において互いに干渉
することなく独立して結像する。
(b)コヒーレント系でσ(x)が点光源の場合 T(f′,f″)=constであり、結像式(11)は解け
る。このときのT(f)をレスポンス関数と称する。
(c)近似的線形系の場合 部分的コヒーレント系であり、かつ物体が大部分透明で
あり、淡い像または微小物点が散在する場合であり、大
部分の照明光はまっすぐ物体を透過する。したがって、
零次スペクトルのみ大きく、他の高次スペクトルは微小
で、ビートf=f′−f″の成分は無視でき、主として
f″=0のスペクトルとf′のスペクトルのみのビート
成分によっては像は生ずるのでf′=fとなり、fのみ
によって系の写像特性を近似的に記述できる。
ところで、第6図(a)に示すように、開口10を通して
レーザ光を透過させた場合、開口10に無数の点光源11が
存在していると考えることができ、入射光と同じ方向に
進行する平面波と球面波として広がっていく。すなわ
ち、第6図(b)に示すように、散乱光の放射パターン
は球面状であり、平面波として伝播する透過光の放射パ
ターンは鋭い指向性を有する。そして、充分距離が離れ
た面P3ではフラウンホーファ回折像が観測され、平面波
は、透過光17として示すように0次スペクトルが非常に
大きく、高次スペクトルが小さい強度分布を示す。一
方、球面波による散乱光18は図示のようにフラットな強
度分布を示すが、中間にレンズ13を配置した場合には散
乱光19も0次スペクトルが比較的大きい回折パターンと
なる。このフラウンホーファ回折像が得られる位置にお
いては、第6図(a)からも分かるように散乱光は充分
減衰し、平面波の0次スペクトルは充分に大きい。
本発明はこの点に着目したものであり、フラウンホーフ
ァ回折像の0次スペクトルのみを観測すれば、その強度
は大きいので充分観測物体の情報を取得できるとともに
散乱成分を殆ど除くことができ、かつ平面波の高次スペ
クトルが他の位置に影響を及ぼすこともなくなるので前
述したレスポンス関数を線形化して結像解析を簡単化す
ることができる。すなわち、第7図に示すように光源σ
からRだけ離れ、フラウンホーファ回折像が観測可能な
面Pにおいて、微小光源Sijによる面Pにおける光強度
は、微小光源Sij対応する光軸方向のRijのみ検出し、
P1、P2等の他の位置では検出しないようにする。
第1図は本発明の高解像光学系の原理を説明するための
図である。図中、1はスリット、1aはピンホール、実線
波形は電界強度、破線波形は光強度を示している。
円形開口のピンホールの場合、十分離れた位置において
は第1図(a)に示すようなフラウンホーファ回折像が
観測される。これは第1図(b)に示すようにAiryのdi
skと呼ばれる複数の暗輪と各暗輪間の明るい領域からな
り、第1暗輪内のA領域、すなわち0次スペクトルの部
分が最も明るい領域である。そこで、0次スペクトルの
幅に等しいピンホール孔径、すなわち第1暗輪径のピン
ホールを有するスリット1を配置して像観測を行えば0
次スペクトルのみ検出し、高次スペクトルを除くことが
でき、各点についてこのような検出を行えば異なる位置
における干渉が起こらない、すなわちVan Cittert−Zer
nikeの定理が像形成に及ばないようにすることができ、
光CTのように散乱光の中に微小な情報光が含まれている
場合に、散乱光から情報光のみを分離して検出すること
ができる。もちろん、ピンホール内ではVan Cittert−Z
ernikeの定理が成立するが、本発明の光学系はこの定理
が成立する領域を最小空間分解単位内に限定している。
平面波の場合、フラウンホーファ回折像ができる条件
は、光源の開口径をr、伝播距離をzとしたとき、 z≫r2max/2λ ……(12) で表せる。したがって、(12)式を満足するような距離
にしてフラウンホーファ回折像をつくり、そのうちの0
次スペクトルのみを検出するようにすればよい。
円形開口のピンホールの回折像は、 で表される。但しDrはピンホールの半径、J1はベッセル
関数、λは波長、zは光軸上の長さである。Airyのdisk
の第1暗輪の半径Δρは、 Δρ=0.61×λz/Dr で表され、第暗輪までに全光量の84%が含まれ、ピンホ
ールによる第1暗輪内を取り込むようにすれば平面波の
損失は16%で検出することができる。一方、球面波は距
離の2乗に反比例して減衰するのでフラウンホーファ回
折像の0次スペクトルのみ取り込むことにより高解像度
の像観察を行うことができる。
第8図はピンホール2個による0次のフラウンホーファ
回折像を検出する本発明の高解像検出光学系の一実施例
を示す図である。
光源20からのレーザ光を試料21に照射し、その透過光を
スリットP1を通し、(12)式を満足するような距離lだ
け離れた位置のスリットP2を通して0次光を検出器23で
検出する。
いま、スリットP1、P2のピンホール径をそれぞれDr、D
とし、レーザ光の波長をλ、第1暗輪の半径Δρとする
と、 D=2Δρ=1.22×λl/Dr ……(13) の関係がある。λ=500nm、l=6m、Dr=1mmとしたとき
D=7.32mmとなる。
第9図は高解像受光系を利用した本発明の他の実施例を
示す図である。図中、30は高指向性光学素子、33は光吸
収材、35はコア、37はクラッドである。
図において、高指向性光学素子30は例えば直線状の細長
い中空のガラス繊維からなっており、その内壁面には光
吸収材、例えばカーボン等が塗布されている。
入射面35から光が入射したとすると、光学素子30の光軸
に平行な光は直進して射出面37から射出するが、光軸に
対して傾きをもった光は壁面に当たって吸収材33により
吸収されて出射面側には現れない。ここで、高指向性光
学素子33の開口径をD、長さをl、入射光の波長をλと
したとき、光軸に平行でない成分が吸収され、射出面側
で完全に平面波によるフランフォーファー回折像とし
て、検出される長さlは、 l∝Dr2/λ の関係がある。即ち、フランフォーファー回折像が観測
できる距離である。
例えばλ=6328Åの場合、Dr=10mmのとき、l=600m、
Dr=1mmのときl=6m、Dr=0.1mmのときl=6cm、Dr=
0.01mmのときl=0.6mm、Dr=1μmのときl=6μ
m、Dr=0.5μmのときl=1.25μmである。
従って、適宜測定対象に応じて開口径と長さを設定し、
光学素子を入射開口径に比して充分長くすれば、高指向
性光学素子に入射した光のうち、光軸に平行な平面波の
みが射出面から取り出せることになる。但し、管径が入
射光の波長に比較して大きく略平面波伝播ができる必要
がある。もし入射光波長と同程度の径となると回折が大
きく出射面から取り出せる光量は極端に小さくなる。
信号光としての平面波を、0次のフランフォーファー回
折像のみを検出する場合、インコヒーレントな散乱光と
平面波の分離度は次式で与えられる。
即ち、高指向性光学素子の入口径Drが、波長λに比較し
て大きい程散乱光が減衰して、平面波と分離出来る。
第10図、第11は長焦点レンズ(望遠鏡)を用いた本発明
の他の実施例を示す図である。
第10図において、長焦点レンズ25を使用し、前側焦点面
の開口によるフラウンホーファ回折像を後側焦点面につ
くることにより、距離を短くすることができる。レンズ
を用いた場合も(13)式の場合と同様に開口Dを求める
ことができ、λ=500nmとし、焦点距離f=1m、Dr=1mm
としたときD=1.22mm、また焦点距離f=5m、Dr=5mm
としたときD=1.22mmである。
第11図においては、レーザ光源41で試料21を照射し、そ
の透過光をチョッパ42でON/OFFし、チョッパの開閉周期
に同期して検出器46により検出して電源変動、温度変動
等のゆるやかなドリフトを除去している。
第12図、第13図は顕微鏡サイズ光CT用光学系の実施例を
示す図である。
第12図において、集光レンズL1でレーザ光を絞って試料
Oに照射する。このとき試料は対物レンズL2の前側焦点
近傍において拡大して観察できるようにする。対物レン
ズL2の後側焦点位置を前側焦点とする接眼レンズL3によ
り像拡大し、面Pのピンホールを通して検出する。対物
レンズと接眼レンズの焦点距離をそれぞれf1とf2とした
とき、f2≫f1としてフラウンホーファ回折像が観察され
るようにする。本実施例では試料の全体像を観察するた
めにはレーザ光で試料面を走査するようにすればよい。
なお、図の破線は散乱光の光路であり、散乱光は球面波
として拡散し減衰する。
第13図においては第12図の場合と同様に集光レンズL1
レーザ光を絞って試料Oに照射し、対物レンズL2で試料
の拡大像を結像し、長焦点レンズ(望遠鏡)53で散乱成
分を減衰させて0次回折像を観察する。なお、チョッパ
52で取り込む光をON/OFFしてこれと同期させて検出する
ことにより電源変動、温度変動等のゆるやかな変動を除
去することにより、解像度を向上させることができる。
第14図は本発明の光学系を複数本束ねて一度に試料の全
体像を観察できるようにした高解像光学系の実施例を示
す図である。
光学装置60は、例えば第8図〜第13図で説明したような
光学素子61からなり、距離lは(12)式を満足するよう
な長さであり、さらにDは0次回折像を取り出せるよう
な径である。このような光学素子を使用すると、光学素
子の射出端においては、各素子に対応する各位置間では
互いに干渉が起こらず独立であるので鮮明に物体像を観
察することが可能である。
第15図は本発明の検出方式の概念図である。図中、100
は高指向性光学素子、181はレーザ光源、170aは吸収
体、170b,170cは散乱体、186はレンズである。
図に示すように、生体等の測定対象は散乱体170b,170c
および吸収体170aが併存する形になっており、これにレ
ーザ光源を照射し、本発明の光学系を用いて検出するこ
とにより散乱体による散乱成分は除去し、吸収体による
吸収成分のみ検出することができる。
なお、本発明の光学系による検出は、第16図(a)に示
すように、直接検出器180により検出しても良いし、第1
6図(b)に示すように、光学系と検出器180の間にオパ
ールガラス183を挿入することにより不連続な光の集ま
りとして観測される像を平滑化して綺麗な像にすること
でも良い。
光学系からの出力光の検出は第17図(a)に示すよう
に、点検出器185をX軸、Y軸方向に走査することによ
り検出してもよく、また第17図(b)に示すように1次
元アレイ検出器187を一方向、図ではY方向に走査する
ことにより検出してもよく、また17図(c)に示すよう
に2次元検出器189により一度で検出するようにしても
よい。
なお、本発明においては連続色素レーザ、パルス色素レ
ーザ、YAGレーザ、半導体レーザ等のレーザ光を使用す
ることができ、また検出器としては可視領域、近赤外領
域を検出可能なフォトダイオード、フォトダイオードア
レイ、MOSアレイ、CCDセンサ等の半導体検出器や光電子
放出タイプのピジコン、イメージオルシコン等を利用す
ることができる。また増倍機能の付いた検出器としては
ダイノードやアバランシェフォトダイオードと2次電子
検出を組合わせたもの、マイクロチャンネルプレートで
2次電子増倍し、螢光面の螢光像をダイオードアレイ、
ビジコン、イメージオルシコン等で検出するもの等、適
宜使用することができる。
第18図は本発明の光断層像画像化装置に使用する平面波
高指向性光学素子を示す図である。図中、100は高指向
性光学素子、103は光吸収材、105はコア、107はクラッ
ドである。
第18図(a)は、第9図に示したものと同等であり、高
指向性光学素子100は例えば直線状の細長い中空のガラ
ス繊維からなっており、その内壁面には光吸収材、例え
ばカーボン等が塗布され、光学素子100の光軸に平行な
光は直進して出射面107から出射するが、光軸に対して
傾きをもった光は壁面に当たって吸収材103により吸収
されて射出面側には現れないようにしている。
第18図(b)は通常の光ファイバとは逆にコア109の屈
折率をクラッド111の屈折率よりも小さくしたもので、
光軸に平行でない光はクラッド111で全反射されず散逸
し、一部反射されたとしても何回か反射を繰り返すうち
に光軸でない光は全て光学素子外に失われてしまい、結
局出射面107からは光軸に平行な平面波のみを取り出す
ことができる。なお、第18図(a)(b)を組み合わ
せ、クラッドの内面に光吸収材を塗布するようにしても
よい。
第19図は第18図に示した高指向性光学素子を円筒状に束
ねた実施例を示す図である。図中、120は高指向性光学
系、121は放射指向パターンである。この放射指向性
は、入射光波長入と管径Dで決まり、管径が小さい程球
面波放射に近づく。
図に示すように、高指向性光学素子100を円筒状に束ね
て高指向性光学系120を構成すると、各高指向性光学素
子からは放射指向パターン121で示す出射光が得られる
ので、入射側に散乱光および平面波を含む光を入射させ
ると、出射面107からは平面波によるフランフォーファ
ー回折像として略点光源となり、それを検出することに
より、結果的に平面波のみを検出することが可能であ
る。したがって、高指向性光学系120の受光面を所定の
大きさになるようにすれば、人体等の透過光を所定の範
囲で一度に検出することができ、光断層像を得るための
高解像検出器として使用することができる。
第20図は第10図、第11図に示した長焦点レンズを使用し
て焦点面にフラウンホーファ回折像を形成して光学系の
距離を短くするようにしたものを複数束ねたものて、比
較的短い光学系を使用して光断層像を得ることができ
る。
ところで、上記説明では第21図(a)に示すように円形
状ピンホールをつかってフラウンホーファ回折像の高次
成分をカットし、0次スペクトルのみを検出するように
したものであり、第21図(b)に示すような関数と等価
であるということができる。これは光学系の入射端の形
状が円形であることに対応したものであり、入射口の形
状を変化させたときのフラウンホーファ回折スペクトル
をみてみると第22図に示すようになる。
第22図(a)において、(a)は円形状入射口、(b)
は円環状入射口、(c)はスリット形の円環状入射口で
あり、それぞれに対応するフラウンホーファ回折スペク
トルは第22図(d)に示すようになる。0次スペクトル
の幅が少し変化する程度で同様なフラウンホーファ回路
パターンを示す。また、矩形状入射口の場合には光軸を
中心にして直交方向に円形パターンが並ぶフラウンホー
ファ回折像となる。いずれの形状のものであっても光軸
上の0次スペクトル以外をピンホールでカットして検出
すれば本発明に適用可能である。
第23図は高指向性光学素子1本の瞳の透過率分布を変化
させたときのフラウンホーファ回折像を説明するための
図である。
第23図(a)において、瞳の透過率が一定のもの
(I)、中心の透過率が最低になるように2乗カーブで
変化するもの(II)、中心の透過率が最大になるように
2乗カーブで変化するもの(III)としたとき、フラウ
ンホーファ回折像はそれぞれ第23図(b)に示すように
なる。タイプIIのものが0次スペクトルの幅が一番狭い
ので空間分解能を向上させることができる。また、タイ
プIIIのものは0次スペクトルの幅が広いので空間分解
能は落ちる。タイプII、タイプIIIともタイプIに比較
して受信光のエネルギーは損している。エネルギーは損
するかわりに、0次のフランフォーファー回折像の大き
さを変えている。従って、高指向性光学素子の出射口で
0次回折像を変化させたいときは、受信光のエネルギー
を犠牲にしてこのようなアポタイゼーションを行えば良
い。
第24図は本発明の光断層像画像化装置の全体構成を示す
図で、図中、201,203はレーザ、205はセクタ、207はレ
ーザ照射系、209は試料、211は検出部、211aは高指向性
光学系、211bは検出器、211cは同期検波器、213はデー
タ処理部、213aは吸収分布算出部、213bは3次元分布算
出部、215は試料台制御部、217は試料台駆動部である。
図において、セクタ205によりレーザ201,203より波長λ
、λのレーザ光を交互にレーザ照射系207を通して
試料209に照射する。試料209からの透過光は本発明の高
指向性光学系211aを通して検出器211bにより検出する。
その検出信号はセクタ205の駆動信号により同期検波
し、データ処理部213で吸収分布を測定する。同時にデ
ータ処理部213により試料台制御部215、試料台駆動部21
7を通して試料209を回転ないし移動させることにより、
試料の各部位において吸収を受けた透過光を検出してデ
ータ処理部213により吸収の3次元分布像を求め、光断
層像を得ることができる。なお、試料からの透過光は、
一般に散乱成分と吸収成分とが混在することになる。試
料からの散乱光が、高指向性受光系で充分減衰するとき
は、レーザーを二つ用いず、一波長でも良い。そのとき
は、セクター205は、レーザー光のON、OFFだけを行うチ
ョッパーの働きをする。
第25図は酸素化ミオグロビン、脱酸素化ミオグロビンの
波長に対する吸光度特性の例を示し、散乱成分は波長依
存性が小さく、ほぼ一定な値をとる波長領域を有してい
る。そこで散乱成分がほぼ一定な波長λ、λを使用
し、それぞれの吸光度を差し引くことにより散乱成分を
除去することができる。そこで、本発明の高指向性受光
系で充分散乱光を減衰出来ないときには、二波長方法と
併用することにより、散乱成分を更に除去できる。さら
に、二波長法は、一定波長における吸光度の時間変化を
もう一つの波長の吸光度を対照として時間記録すること
もできる。目的とする物により、吸光度の時間変化のな
い波長と時間変化のある波長を選ぶことにより、吸光度
の時間変化を一波長より正確に検出できる利点もある。
一般に、生体組織に対する分光測定は本質的に散乱粒子
を含む不均一系での測定となる。この場合、透明試料で
成立するBeer-Lambert則が必ずしも成り立たない。この
ような濁った試料に対する測定法として二波長法と差ス
ペクトル法とがある。試料が低濃度で、Beer-Lambert則
が成り立つ場合を考え、第26図(a)に示すように照射
光量をI0、透過光量をIとすると logI0/I=εcd ここでエプシロンは吸光係数、cは濃度、dは光路長で
ある。
2つの異なった波長λλについて同様に logI0(λ)/I(λ)=ε(λ)cd logI0(λ)/I(λ)=ε(λ)cd となる。したがって logI(λ)/I(λ)−logI0(λ)/I0(λ)=
ε(λ)−ε(λ)cd となる。即ち、2つの波長の吸光度の差は濃度に比例す
ることになる。また、懸濁試料では第26図(b)に示す
ように、I0を入射光とすると透過光の外に散乱、反射成
分ISが生ずる。従って、log I0/I=εcd+IS ここで、ISは散乱による減衰を示す。したがって同様
に、 logI(λ)/I(λ) =ε(λ)−ε(λ)cd−logI0(λ)/I
0(λ) +(IS(λ)−IS(λ)) となる。
従って、IS(λ)がIS(λ)に等しければ、散乱の
影響を除いて吸光度の差を求めることにより、試料の濃
度を測定することができ、またλとλを接近させる
と、散乱等の影響はほぼ等しいと仮定することができる
ので、吸光度の差により試料の濃度を求めることができ
る。
本発明の高指向性光学素子と二波長法とを併用すれば、
散乱光の分離が一段と良くなる。しかも、二波長λ
λを吸収の時間変化のあるものとないものに選ぶこと
により、目的物の時間変化を観測できる利点がある。
第27図は波長検出方式における自動利得制御を説明する
ための図である。図中、205はセクタ、220はモータ、22
2は同期信号発生器、224は検出系、226は増幅器、228は
同期検波回路、230は帰還回路、232は増幅器、234は信
号処理装置である。
図において、モータ220によりセクタ205を回転させ、検
出系224によりリファレンス信号Rと検出信号Sとを交
互に取り出し増幅器226に入力させる。一方モータ220の
回転に同期した信号を同期信号発生器222により発生さ
せ、この同期信号により増幅器226の出力を同期検波
し、検出信号Sとリファレンス信号Rとを分離する。分
離したリファレンス信号Rを帰還回路230を通して増幅
器226の入力に負帰還させてゲイン調整をする。
こうしてリファレンス信号が一定になるようにゲイン調
整された状態で信号Sを取り出し、これを信号処理装置
234で処理することにより試料の吸収情報を得ることが
できる。
第28図は第27図の自動自得制御系を多素子検出系に適用
した場合を説明するための図である。
多素子検出器224Mの各検出器に対応して第20図の自動利
得制御系を設け、各制御系からの出力をアナログスイッ
チ238により切り換えて取り出すことにより、各検出器
に対する信号のゲイン調整を行うことができる。
第29図はサンプルホールド方式による吸光度差検出方式
を説明するための図である。図中、240は検出系、242は
増幅器、244は同期信号発生回路、246は同期検波回路、
248a,248bはサンプルホールド回路、250a,250bは対数増
幅器、252は合成回路、254はA/Dコンバータである。
検出系240で検出した信号は、増幅後同期検波回路246で
二波長、例えばλ、λに分離され、それぞれサンプ
ルホールドされた後、対数増幅され、減算回路252で減
算させることにより波長λ、λに対する出力の比の
対数値が得られる。これは前述したように吸光度の差、
即ち試料の濃度を表し、これをA/Dコンバータ254でデジ
タル量に変換し、計算器等によりデータ処理を行うこと
になる。
第30図は第29図のサンプルホールド方式を多素子検出系
に適用して、各複数の各検出器からの信号により吸光度
差を検出する例を示す図である。
第30図においては検出器4個を対して1組の対数増幅器
と1つの減算器を対応させ、切り変えスイッチ256a,256
bを用いて切り変えることにより対数増幅器を共用し、
各減算回路から得られる出力をアナログスイッチ258を
通して取り出し、それぞれA/Dコンバータ254によりデジ
タル出力を得るようにしている。
第31図、第32図は周波数成分検出による電気的直接比検
出方式を説明するための図で、図中260は検出器、262は
前置増幅器、264は信号成分分離回路、266,268はフィル
タ、270,272は同期整流回路、274は同期信号発生器、27
6は加算回路、278は比率演算回路、280は記録器、282は
演算回路、284はセクタである。
本方式においては、セクタ284は第32図(a)に示すよ
うに、4領域に分け、領域P1が信号を通さないダーク領
域、P2,P4領域が波長λの信号を通す領域、P3領域が
波長λの信号を通す領域になっていて、このセクタを
回転させることにより、第32図(b)に示すように、D,
λ12,D……というようなシーケンスの信号を取り出
す。
この信号は直流成分を阻止することによりλの周波数
をfとし、λの信号の周波数を2fとする交流信号とし
て検出することができる。いま、第31図に示すように検
出器260で、第32図(c)のような信号を検出し、前置
増幅器262で増幅して周波数f,2fを通すフィルタ266,268
でフィルタすることにより、それぞれλ、λの信号
を抽出する。この信号を同期整流回路270,272で同期検
出することよりそれぞれ波長λ、λに対応した信号
を抽出する。
ところで、波長λ、即ち周波数2fの信号には周波数
f、即ちλの信号が重畳されているので、加算回路27
6で波長λの成分を減算して除去することにより、そ
れぞれI(λ)、I(λ)の信号を分離して取り出
すことができ、比率演算回路278でこれらの比率を演算
することにより、吸光度の差に応じた信号を取り出すこ
とができ、これを記録器280で記録する。
こうして二波長の信号をそれぞれ周波数f,2fの信号とし
て割り付け、それらの周波数成分を検出することにより
ノイズの影響を受けない信号として検出することが可能
である。
第33図は第31図の検出方式を多素子の検出系に適用した
例を示しており、多素子検出器260Mの数に対応したプリ
アンプ、信号成分分離回路、演算回路をそれぞれ接続配
置し、マルチプレクサ284によって順次切り換えて各信
号を取り出すようにしている。
以上は検出光強度が比較的強く、出力として連続出力が
得られる場合の例であるが、以下で極微弱光測定方式に
ついて説明する。
第34図、第35図は極微弱光測定方式を説明するための図
である。図中、290はレーザ光源、292はチョッパー、29
4はフォトマルチプライヤ(PM)、296はパルス増幅器、
298は波高弁別器、300はゲート、302は位相器、304はゲ
ート出力発生器、306は加減算カウンタ、308は記録計で
ある。
PMで光を検出するとき、検出すべき光の強度が強い場合
にはPMの出力は連続的になり、その直流成分から入射光
強度が測定できる。しかしながら、入射光強度が極めて
弱くなった場合にはPMの出力は離散的となり、不連続な
パルス出力となる。このパルス出力をカウントすること
によりフォトン1個づつのような極微弱な入射光を測定
することができる。しかし、このような極微弱な光を測
定する場合にはPM自身が雑音パルスを放出するためバッ
クグラウンドを検出してしまうので、このようなバック
グラウンドを除去する必要がある。そこで、第34図の例
においては信号光とバックグラウンドとをチョッパーに
より切り換え、それぞれの期間に検出される出力を加減
算カウンタにより減算してバックグラウンドを除去し、
極微弱な入射光を測定している。
第34図において、極微弱な入射光をチョッパー292によ
りチョッピングしてPM294で検出する。このときチョッ
パーの切り換え周波数f0を参照信号として位相器302、
ゲート信号発生器304を通して加減算カウンタ306を駆動
する。PM294の出力はパルス増幅器296で増幅した後、波
高弁別器298で波高弁別し、一定の大きさ以上の信号、
即ちパルス出力をゲート300を通して加減算カウンタに
加える。加減算カウンタではチョッパー292でチョッピ
ングした信号およびバックグラウンドの検出出力を加減
算する。
いま第35図(a)に示すようにチョッパーが開いている
間は信号SとノイズNの合計の出力が得られ、チョッパ
ーが閉じている期間にはバックグラウンドのノイズNが
得られたとする。ゲート300はこのチョッパーに同期
し、第35図(b)(c)のように、チョッパーが開いて
いる間は加算し、チョッパーが閉じた期間は減算するよ
うに加減算カウンタ306のゲート制御を行う。こうする
ことによりノイズは全ての期間にわたって一定に現れる
性質があるので、加減算カウンタ306の出力からはノイ
ズが除去され信号Sを検出することができる。
第36図〜第39図は本発明の検出装置の一実施例を示す図
である。図中、311は受光素子、312はリッセト用FET、3
13は読み出し用FET、314は抵抗、315は差動増幅器、316
はツェナーダイオード、317は抵抗素子、318は演算増幅
器、319はローパスフィルタである。
受光素子311はSi,Ge,In,GaAs,InGaAsP等の半導体検出素
子からなり、内部インピーダンスが高く、かつ暗電流が
極めて少ない素子からなっており、FET313、314は液体
窒素で冷却すると共に、受光素子は液体窒素または液体
ヘリウムで冷却して低ノイズ化を図っている。
第36図において、受光素子311は内部インピーダンスが
高く暗電流が極めて少ないフォトダイオードからなり、
これに逆バイアス電圧を印加して通常はOFF状態にして
おく。受光素子のカソード端子はリセット用FET312のド
レイン、読み出し用FET313のゲートに接続されている。
第37図(a)に示すように、FET312のゲートには+1Vと
−3Vが印加され、+1VでOFF、−3VでONするようになっ
ている。FET312のゲートとドレイン間には仮想的な容量
Cが存在し、第37図(b)に示すようにONパルス(−3
V)を入力すると、容量Cに正の電荷が溜まり、ドレイ
ン・ソース間が導通するので、受光素子の浮遊容量に蓄
積されていた電荷がアース側に流れる。
第37図(c)に示すように、OFFパルス(+1V)を入力
すると、容量Cに正の電圧がかかるため、ここに溜まっ
ていた正の電荷が吐き出され、ドレイン・ソース間はOF
F状態となる。本発明の検出装置では受光素子311に何ら
負荷抵抗を接続しないため、ジョンソンノイズは検出器
の内部抵抗だけで決まり、またリセットパルスをかけな
い限り、電荷は蓄積されるので、蓄積時間が長くとれ、
高感度の検出が可能となる。
第36図に示すように、FET313をソースフォロアーとして
動作させて読み出すと、出力VOUTは第38図(a)に示す
ように変化し、ON時間の最初と最後のタイミングでサン
プリングパルス(第38図(b))によりサンプリング
し、出力V1、V2を検出し(第38図(c))、V1とV2の差
により受光量を求めることができる。
第39図は第36図に示した本発明の検出装置の実際の回路
例を示す図である。一方の入力端子にツェナーダイオー
ド316から定電圧が入力され、他方に受光素子の蓄積電
圧が入力されるソースフォロアー313で読み出した信号
を差動増幅器315、演算増幅器318で増幅してローパスフ
ィルタ319により所定帯域の信号を検出することができ
る。
第40図は第36図の検出器を用いた検出装置の一実施例を
示す図、第41図はその波形図である。
図において、光源321からの極微弱な入射光をチョッパ
ー322によりチョピングして本発明の検出器323により検
出する。この時チョッパー322の切り替え信号に同期し
て制御回路326よりリセット信号を出して検出器323をリ
セットする。同時に、チョッパー322の切り替え信号に
同期して制御回路326から出力されるゲート制御信号に
より加減算カウンタ325を制御し、検出されてA/D変換さ
れた信号を、光源がONしているときは加算、光源がOFF
したときの暗電流は減算して結果をデジタルプリンタ/
アナログ記録計327で出力する。
第41図(a)に示すようにチョッパーが開いている間に
は、信号SとノイズNの合計の出力が得られ、チョッパ
ーが閉じている期間にはバックグラウンドのノイズNが
得られたとする。第41図(b)に示すリセット信号の印
加周期でS+Nのそれぞれの信号が積分され、第9図
(c)に示すようにチョッパー開の間は加算ゲート信号
により加算され、チョッパーが閉じている間は第41図
(d)に示すように、減算ゲート信号により減算される
ように加減算カウンタ325の制御が行われる。この結
果、ノイズは全ての期間にわたって一定に現れる性質が
あるので、加減算カウンタ325の出力からはノイズを除
去し、信号Sのみを検出することができる。
第42図、第43図は第40図に示した検出方式を二波長検出
方式に適用した場合を示している。図中、第40図と同一
番号は同一内容を示し、カウンタ325a,325bはそれぞれ
波長λ、λについての加減算回路を構成している。
いま第43図(a)に示すリセット信号と第43図(b)、
(c)、(d)に示すリセット周期をゲート間隔とする
ゲート信号を、チョッパ信号に同期してゲート制御回路
326から出力して検出器323を周期的にリセットするとと
もに、加減算カウンタ325a,325bを制御する。第43図
(b)に示すゲート信号の期間では波長λの信号が、
加減算カウンタ325aで加算され、第43図(c)のゲート
信号の期間には波長λの信号が加減算カウンタ325bで
加算され、第43図(d)のゲート信号の期間には両加減
算カウンタ325a,325bでバックグラウントの信号が減算
される。その結果、加減算カウンタ325a,325bからはそ
れぞれ波長λ1についての信号出力が得られ、演算
処理装置330でそれらの信号の比率を演算することによ
り、吸光度の差を検出することができる。
第44図は第40図の方式を多素子検出系に適用した場合
で、各加減算カンウンタ325−1〜325−nの出力をメモ
リ328−1〜328−nに記憶させておき、それらを順次演
算処理装置330に取り込んで、二波長の比率演算を計算
することによりそれぞれの検出器による吸光度の差を測
定することができる。
第45図は上腕の近赤外吸収スペクトルを示し、Iは脂肪
の少ない男性の例、IIは脂肪の多い女性の例、IIIは脂
肪のみ、IVは水の吸収スペクトルである。
脂肪の多い女性の上腕のスペクトルには水による970nm
の吸収とともに脂肪に由来する930nmの吸収の山が明ら
かに見られる。一方脂肪の少ない男性の腕はこの930nm
の吸収は小さな肩として見られるのみである。このよう
なスペクトルの差から相対的な脂肪含量を計算すること
ができ、その値は実際に分析したものと良い相関を示
す。
ところで、生体は正常な機能を営む時、酸素の供給はも
っとも不可欠な因子であり、例えば心筋梗塞や脳梗塞は
血管が一部つまることにより血流が途絶えた結果組織へ
の酸素供給が断たれ、細胞の不可逆的な懐死に到るもの
である。この生体組織中の酸素濃度の測定は歴史的にも
光計測が最初に応用され、その後、現在までもっとも多
くの成果が得られている。光生体計測とは、端的にいえ
ば、チトクローム酸化酵素、ミオグロビン(Mb)、ヘモ
グロビン(Hb)、ビリジンヌクレオチド(NADH)の四つ
の色素蛋白質(Chromophore,クロモホア)の吸光度、お
よび螢光強度を生体で追ったものにほかならない。
以下では、チトクローム酸化酵素、ミオグロビン(M
b)、ヘモグロビン(Hb)、ビリジンヌクレオチド(NAD
H)の四つの色素蛋白質の吸光度、および螢光強度につ
いて概略説明する。
第46図(a)は酸素化ヘモグロビン溶液の可視及び近赤
外吸収スペクトルを示す図である。
われわれが一番見なれている“分光学的酸素濃度指示物
質”は血液でる。動脈の血(酸素が十分にある)はきれ
いな赤色しているのに、酸素の少ない静脈血は黒っぽく
見える。これは血液の中の赤血球に含まれるHbが酸素と
結合した時としない時で色が変わることを反映してい
る。そのスペクトルは、第46図(a)に示すようにな
り、これを本発明の高指向性光学系を用いて検出し、色
の変化(吸収変化)を光学的に追いかければ、血液中の
酸素量を知ることができる。
第46図(b)はミオグロビンの可視領域における吸収ス
ペクトルを示す図である。
ミオグロビンは主に哺乳類の筋肉細胞の中に多量に存在
して血液中のヘモグロビンと同様に鉄−ポルフィリンを
持っている。豚肉や牛肉の新鮮なものがきれいな赤色を
しているのはこの蛋白質の色である。この蛋白質は前に
述べたチトクロームより約5〜10倍多く含まれるので、
筋肉に光を照射した場合このミオグロビンが大部分の可
視領域の光を吸収する。
今筋肉が収縮を始めるとミオグロビンは最初、酸素が結
合した状態(酸素化ミオグロビン)から酸素の結合しな
い状態(脱酸素化ミオグロビン)に移っていく。この場
合、収縮している時間が長いほど脱酸素化が大きく起こ
る。この時筋肉には正常に血液が流れている。次に血流
を止めて(動脈をしばる)筋肉を収縮を行わせると、ミ
オグロビンの脱酸素化の速度は速くなり、また収縮を止
めても血液からの簡素供給がないから元に戻らない。こ
のことより、われわれの筋肉中でも、急に力を出したり
運動したりすると、酸素の消費が大きくなり、血管から
の供給が間に合わず、細胞の中は酸素不足になることが
分かる。実際に人の腕で同じような測定を行うと、運動
負荷に対し、年令やトレーニングの有無によって大きく
挙動が異なる。したがって、本発明の高指向性光学系に
より光の吸収を測定することにより筋肉の詳細な挙動を
知ることができる。
第47図はHbとMbの700〜1200nm領域(近赤外)における
吸収スペクトル及び吸光度の差を示す図である。第47図
(a)において、実線は酸素化型、破線は脱酸素化型を
示している。
HbとMbとではほとんど差がない。酸素化Hbは930nmに吸
収ピークを持つ。この吸収強度は可視部の578nmの吸収
の1/40以下である。脱酸素化Hbは760nm、905nmに吸収ピ
ークを持つ。酸素化−脱酸素化における等吸収点(isos
bestic point)は805nmであり、この波長における吸収
強度は酸素飽和度に依存しないので、全ヘモグロビン量
を測定するの用いることができる。したがって、これら
の吸収スペクトルを本発明の高指向性光学系を使用して
求めることにより、全ヘモグロビン量等を正確に求める
ことができる。
第48図は精製チトクローム酸化酵素の吸光度スペクトル
を示す図である。図中、実線は酸化型、破線は還元型で
ある。
チトクロームの光吸収変化はそのとき細胞に酸素が充分
依存しているか、不足しているかを提示してくれる指示
物質である。このチトクロームは人を含めた全ての生物
組織に存在する。実際はこのチトクロームが依存するミ
トコンドリアと呼ばれる細胞内微小顆粒が全ての生物に
存在している。したがって、このチトクロームの吸収変
化、主として可視領域を本発明の高指向性光学系により
分光学的に測定すれば、その組織(細胞内)の酸素の過
不足を非破線で知ることができ、スペクトルを容易に記
録することができる。
第49図はビリジンヌクレオチド(NADH)の相対螢光強度
のスペクトルを示す図である。
我々の身体(組織)は紫外線を当てると可視部に比較的
強い発光(螢光)を出す。この螢光強度もまた細胞の中
の酸素濃度を敏感に反映する。
第49図はネズミの生きた心臓に紫外光、この場合340nm
を照射して、そこで生ずる螢光のスペクトルを示したも
ので、450〜480nmの螢光は生体組織中に含まれる低分子
化合物ビリジンヌクレオチドの還元型が発するもので、
これも全ての組織に存在する。この螢光は組織の酸素が
なくなるとその強度が大きくなる。したがって、本発明
の高指向性光学系によりこの物質の螢光強度の変化を測
定することにより酸素量の増減を推定することができ
る。
第50図は前述した指示物質の酸素濃度依存性、即ち較正
曲線を示している。
図において、ヘモグロビンとミオグロビンは酸素が全て
結合した状態としない状態を100%および0%として何
%結合しているかを示しており、またチトクロームオキ
シダーゼとNADHは酸化/還元の割合を縦軸に目盛ってあ
る。この較正曲線から光を使って何%の、例えばミオグ
ロビンが酸素と結合しているかを検出できれば、そのと
きの組織中の酸素濃度の絶対値を知ることができる。同
様に例えば人間の頭に外から光を当ててヘモグロビンに
吸収される光量変化を検出すれば、頭蓋骨に穴を開けな
くても脳組織の酸素量を知ることができる。
また最初の状態でミオグロビンが100%酸素化し、酸素
供給が0で光吸収変化が一定になったときを全てのミオ
グロビンが脱酸素化した状態として、この変化をフルス
ケールにとり、こうしてフルスケールが決まれば任意の
所でミオグロビンの脱酸素化の割合を求めることがで
き、酸素濃度を較正曲線から酸素濃度に換算することが
できる。
〔発明の効果〕
以上のように本発明によれば、フラウンホーファ回折像
のうち0次スペクトルを取り込んで高次成分をカットす
ることにより、散乱成分を減衰させ、情報光のみを検出
して高解像度で光CT像を得ることが可能となる。そし
て、人体等に適用すれば、例えばヘモグロビンの吸収域
に対応する波長を用いることにより、人体の血管像のみ
を観測することが可能であり、あるいは神経系の吸収波
長に対応する波長光を用いれば、神経系の像を観測する
ことができ、あるいは脳細胞、骨、特定の細胞等、所定
の吸収波長を有するものを観測したい場合にその吸収波
長の光を照射することにより、見たい部分のみを鮮明に
画像化して観測することができるので、医療技術等の飛
躍的な向上に役立てることが可能となる。さらに付け加
えるならば、像の拡大、縮小を可能にしたレンズの結像
方法を第1の結像方法とし、立体像の記録、再生を可能
としたホログラフィーの結像方法を第2の結像方法とす
ると、本発明は従来になかった全く新しい結像方法を提
供するものである。すなわち、光の伝播途中に散乱媒体
があっても、吸収像を可能とする方法である。この新し
い第3の結像方法に発明されて、従来不可能とされてい
た散乱媒体中の吸収像の観測が可能となり、生体の光断
層像計測が可能となったのである。この新しい第3の結
像方法は、生体の光断層像観測だけでなく、光の伝播途
中に散乱媒体がある場合の像観測に広く適用できること
は明らかで新しい革新的結像方法として広く社会に貢献
するものと期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の光学系の検出原理を説明するための
図、第2図、第3図は結像原理を説明するための図、第
4図はコヒーレント光による結像を説明するための図、
第5図はインコヒーレント光による結像を説明するため
の図、第6図は平面波と球面波のフラウンホーファ回折
像を説明するための図、第7図は本発明の結像方法を説
明するための図、第8図は2ケのピンホールにより0次
スペクトルを検出するための光学系を示す図、第9図は
内面に吸収体を塗布した高指向性光学系を示す図、第10
図、第11図は長焦点レンズにより0次スペクトルを検出
するようにした本発明の一実施例を示す図、第12図、第
13図は顕微鏡サイズ光CT用光学系の実施例を示す図、第
14図は本発明の光学系を複数束ねた高指向性光学系の実
施例を示す図、第15図は本発明の検出方式の概念図、第
16図、第17図は本発明の高指向性光学系による検出方法
を説明するための図、第18図は本発明の高指向性光学系
を示す図、第19図は第18図の高指向性光学系を複数束ね
た光学系を示す図、第20図は望遠鏡を複数本束ねた光学
系を示す図、第21図は0次スペクトルを取り出す方法を
説明するための図、第22図は入射口形状とフラウンホー
ファ回折像とを示す図、第23図は瞳関数の透過率分布と
フラウンホーファ回折像との関係を示す図、第24図は本
発明の光断層像画像化装置の全体構成を示す図、第25図
は酸素化ミオグロビンと脱酸素化ミオグロビンの波長に
対する吸光度特性を示す図、第26図は二波長法と差スペ
クトル法を説明するための図、第27図は二波長検出方式
における自動利得制御を説明するための図、第28図は第
20図の自動自得制御系を多素子検出系に適用した場合を
説明するための図、第29図はサンプルホールド方式によ
る吸光度差検出方式を説明するための図、第30図は第29
図のサンプルホールド方式を多素子検出系に適用した例
を示す図、第31図、第32図は周波数成分検出による電気
的直接比検出方式を説明するための図、第33図は第31図
の検出方式を多素子の検出系に適用した例を示す図、第
34図、第35図は極微弱光測定方式を説明するための図、
36図は本発明で使用する検出器の基本的構成を示す図、
第37図、第38図は検出原理を説明するための図、第39図
は検出回路例を示す図、第40図はチョッパー方式により
ノイズを逓減化させる検出器の構成を示すブロック図、
第41図は波形図、第42図、第43図は第34図に示した検出
方式を二波長検出方式に適用した例を説明するための
図、第44図は第40図の方式を多素子検出系に適用した例
を示す図、第45図は上腕の近赤外吸収スペクトルを示す
図、第46図(a)は酸素化ヘモグロビン溶液の可視及び
近赤外吸収スペクトルを示す図、第46図(b)はミオグ
ロビンの可視領域における吸収スペクトルを示す図、第
47図はHbとMbの近赤外吸収スペクトル及び吸光度の差を
示す図、第48図は精製チトクローム酸化酵素の吸光度ス
ペクトルを示す図、第49図はビリジンヌクレオチド(NA
DH)の相対螢光強度のスペクトルを示す図、第50図は指
示物質の酸素濃度依存性を示す図、第51図、第52図は従
来の光CT像観察方法を説明するための図、第53図は従来
の光吸収分布像を得る装置構成を示す図、第54図は従来
の光吸収分布像を得る他の装置構成を示す図、第55図は
Twerskyの散乱理論曲線を示す図、第56図は試料の光学
的性質を説明するための図、第57図は有限開口による回
折パターンを説明するための図、第58図は散乱物体によ
るランダム回折パターンを説明するための図、第59図は
拡散面における反射パターンを示す図である。 1……スリット、P1、P2……ピンホール、30、100……
高指向性光学素子、25……長焦点レンズ、60……光学
系、。
フロントページの続き (72)発明者 稲場 文男 宮城県仙台市太白区八木山南1―13―1 (56)参考文献 特開 昭60−72542(JP,A) 特開 昭53−35568 (JP,A) 特開 昭63−115548(JP,A) 特公 昭42−9415(JP,B1)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料から伝播する光の伝播領域を複数に分
    割する受光素子を有し、分割された異なる受光素子出射
    端では干渉が生じないようにし、分割された各々の受光
    素子出射端において、フラウンフォーファ回折像の0次
    の解析像またはその一部だけを検出することにより、Va
    n Cittert−Zernikeの定理が像形成に及ばないように
    して散乱光中に埋もれた測定対象の情報光を検出するよ
    うにした高解像受光系であって、 前記受光素子は、内壁面に光吸収材が塗布された直線状
    の断面円形または矩形の中空細管からなり、該中空細管
    は、開口径をD、長さをl、入射光の波長をλとしたと
    き、 l=kD2/λ(k:比例定数) なる寸法形状であり、開口径Dを少なくとも波長λより
    も大きくし、出射面側で平面波によるフラウンフォーフ
    ァ回折像の0次またはその一部の回折像を観測可能にし
    たことを特徴とする高解像受光系。
  2. 【請求項2】試料から伝播する光の伝播領域を複数に分
    割する受光素子を有し、分割された異なる受光素子出射
    端では干渉が生じないようにし、分割された各々の受光
    素子出射端において、フラウンフォーファ回折像の0次
    の解析像またはその一部だけを検出することにより、Va
    n Cittert−Zernikeの定理が像形成に及ばないように
    して散乱光中に埋もれた測定対象の情報光を検出するよ
    うにした高解像受光系であって、 前記受光素子は、コア部分とクラッド部分からなり、コ
    ア部分の屈折率をクラッド部分の屈折率より小さく構成
    した光ファイバであって、該光ファイバは、開口径を
    D、長さをl、入射光の波長をλとしたとき、 l=kD2/λ(k:比例定数) なる寸法形状であり、開口径Dを少なくとも波長λより
    も大きくし、出射面側で平面波によるフラウンフォーフ
    ァ回折像の0次またはその一部の回折像を観測可能にし
    たことを特徴とする高解像受光系。
  3. 【請求項3】測定対象にレーザ光を直接またはレンズ系
    を介して照射するためのレーザ光源と、レーザ光が照射
    された測定対象からの透過光を受光し、透過光のうち散
    乱成分を減衰させる複数の受光素子からなる高解像受光
    系と、高解像受光系を構成する各受光素子からの出射光
    を検出して電気信号に変換する光電検出手段と、光電検
    出手段からの検出信号を演算処理する演算処理手段とを
    備え、前記複数の受光素子により、試料から伝播する光
    の伝播領域を複数に分割するとともに、出射端間の干渉
    を生じさせず、Van Cittert−Zernikeの定理が像形成
    に及ばないようにして、各受光素子のフラウンフォーフ
    ァ回折像の0次の回折像またはその一部を観測し、測定
    対象の光吸収分布を求めて光断層像を得るようにしたこ
    とを特徴とする光断層像画像化装置。
  4. 【請求項4】測定対象にレーザ光を直接またはレンズ系
    を介して照射するためのレーザ光源と、測定対象からの
    透過光をチョッパを介して受光し、透過光のうち散乱成
    分を減衰させる複数の受光素子からなる高解像受光系
    と、高解像受光系を構成する各受光素子からの出射光を
    検出して電気信号に変換する光電検出手段と、光電検出
    手段の検出信号を同期検波する手段と、同期検波して得
    られた検出信号成分と暗信号成分とを加減算する手段
    と、加減算した結果を演算処理する演算処理手段とを備
    え、前記複数の受光素子により、試料から伝播する光の
    伝播領域を複数に分割するとともに、出射端間の干渉を
    生じさせず、Van Cittert−Zernikeの定理が像形成に
    及ばないようにして、各受光素子のフラウンフォーファ
    回折像の0次の回折像またはその一部を観測するととも
    に、前記同期検波及び加減算処理によりバックグラウン
    ド成分を除去して測定対象の光吸収分布を求め、光断層
    像を得るようにしたことを特徴とする光断層像画像化装
    置。
  5. 【請求項5】波長の異なるレーザ光を交互に測定対象に
    照射する手段と、測定対象からの透過光をセクタを介し
    て受光し、光の伝播する領域を複数に分割して出射端に
    おける異なる点間の干渉を生じさせず、Van Cittert−
    Zernikeの定理が像形成に及ばないようにして、各受光
    素子のフラウンフォーファ回折像の0次の回折像または
    その一部を検出する高解像受光系と、高解像受光系から
    の出射光を検出して電気信号に変換する光電検出手段
    と、光電検出手段の検出信号を同期検波する手段と、同
    期検波して得られた各波長に対する信号を演算処理する
    演算処理手段とを備え、測定対象の光吸収分布を求めて
    光断層像を得るようにしたことを特徴とする光断層像画
    像化装置。
  6. 【請求項6】二波長の光信号、及び暗信号が得られるセ
    クタを使用し、各波長に対する検出信号と暗信号とを加
    減算してバックグラウンド成分を除去するようにしたこ
    とを特徴とする請求項5記載の光断層像画像化装置。
JP1250034A 1989-09-26 1989-09-26 高解像受光系及び該受光系を用いた光断層像画像化装置 Expired - Lifetime JPH0676964B2 (ja)

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