JPH0676161B2 - シート類の巻取機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は長尺シート類の巻取機に関し、特に巻始めから
切断、巻取済ロール取出しまでの一連の作業を自動的に
行なう巻取機に関するものである。

（従来の技術） 長尺シートをロール状に巻取る装置は公知であるが、従
来の構造では特に薄物シートの場合巻始め時に皺になり
易く、逆に厚物シートでは巻始め端部を巻芯に粘着テー
プ等で保持しないと巻始めが円滑に行かない問題があっ
た。また厚い物程切断が困難になるので、厚さの異なる
何種かのシートを巻取ることは従来著しく困難とされて
いた。

さらに従来の巻取機で２軸式のものはセンター反転軸を
有しているため大型になり、構造上、反転停止精度を出
すのが難しく、また２点支持のため強度が弱いとされて
いた。

（技術的課題） 本発明は前記の点を解決するものでその課題は巻芯供
給、シート類の巻始めから切断及びロール取出しまでの
一連の作業をラインを停止することなく連続して自動的
に実施することができ、しかもシート類の厚さ、硬度を
問わず各種のものを巻取可能で、巻取製品に発皺折曲り
等も生じる虞れがなく、構造的に小型化できる割に大巻
可能でありかつ優れた耐久性を具備せしめるようにする
ことである。

（技術的手段） 前記課題を解決するため本発明は、巻取位置Ａの巻芯周
囲にシート類の先端を巻付けるために、一対の回転盤
５、６の対向面に夫々設けられ、それらの供給位置Ａ側
に保持された巻芯４を中心として、その周囲を取り囲む
円形の円形溝部25aと、斜め上方から円形溝部25aへ接線
状に連続するように設けられた直線溝部25bとからな
る、巻芯ガイド25、26への軌条34と、上記ガイド25、26
のうち供給位置Ａにある巻芯ガイドの前記溝部25a,25b
に係合して転動可能な転子33を両端に設けたガイドロー
ル31と、各ガイドロール31を巻芯４と平行かつ円形溝部
25aに沿って移動可能に連結する円弧状のリンク32及び
各ガイドロール31を巻芯４の周囲にシート類を巻き付け
るように誘導するため、各リンク部分に前後多段に設け
られた複数の巻始めガイドシリンダー41とによって巻始
めガイドを構成するという手段を講じたものである。

（実施例） 図面を参照して説明すると、例示の巻取機は機体１上に
設けられており、機体１は左右に一対の支持体２、３を
有し、シート類Ｓはそれらの間に上位から供給され、下
位にセットされた巻芯４の周囲に巻付けられ、一定長巻
回されたロールＲとなる。

５、６は左右の回転盤で、多点支持円盤構造を有し、前
記左右の支持体２、３に後述の支持歯車９により回転自
在に支持されており、機体１に設けられた反転モーター
７により同期回転する。８は反転モーター７に連繋した
減速機、９は前述の支持歯車で、減速機８の出力歯車と
噛合した歯車組10により駆動され、左右の回転盤５、６
の周囲の歯車11、12と噛合して各回転盤５、６を高精度
に定位置停止可能に回転させるように構成されている。

15、16は上下２組の巻芯係脱機構で、夫々左右の回転盤
５、６の上位と下位の180度離れた供給位置Ａと巻取位
置Ｂに設けられている。両巻芯係脱機構15、16は第３図
に例示されているように、機体１の前記位置Ａ、Ｂに固
定された左右１組の係合子軸シリンダー17、18と、その
ピストンに結合され往復動により左右から巻芯４に対し
進出してこれを係合保持しまたは係合状態より後退して
外れる係合子19、19′とを備えており、上部供給位置Ａ
にあるものが巻芯係合、下部巻取位置Ｂにあるものは巻
芯離脱を行なう。

20は巻芯供給機構で、前記供給位置Ａに左右の回転盤
５、６が移る前に巻芯４を供給するもので、多数の巻芯
４を傾斜供給する供給盤21と、その先端に配置された供
給部材22と、該部材22を回転盤５、６の縁部に対して往
復動させる供給シリンダー23、供給部材22と供給盤21の
間に出没し、巻芯４を１個宛供給部材22に載せるストッ
パー24を備えており（第４図）、巻芯４は左右の回転盤
５、６の対向面に夫々設けられた上下の巻芯ガイド25、
26の中心にて、前記巻芯係脱機構15、16に夫々両端で係
止する。

27、28は前記供給位置Ａにシート類Ｓを連続的に誘導す
るピンチロールで、固定、可動の各ロールから成り、可
動ロール27は調整シリンダー29のピストンの先端に設け
られてピンチ圧力を調整でき、送りモーター27′により
駆動される。

30は巻始めガイドで、シート類Ｓの先端を巻芯４の周囲
に巻付けるために設けられ、これはシート類Ｓの全幅に
対して必要十分な長さを有する複数本のガイドロール31
を具備しており、各ロール31を連結する弧状リンク32に
より、巻芯４を握る手の指関節の如く内側へ彎曲するよ
うに連結して形成されている。ガイドロール31は両端に
回転自由に軸支した転子33によって、左右の回転盤５、
６の対向面に設けられた、ガイド軌条34及びその延長上
の供給位置Ａに位置する前記の上部巻芯ガイド25迄、以
下の機構により往復動可能である。

巻芯ガイド25はガイド軌条34の一部を兼ねており、その
ため巻芯４が受け入れられる中心部を取り囲む円形の円
形溝部25aと、斜め上方から円形溝部25aへ接線状に連続
するように設けられた直線溝部25bとが組合された、い
わば渦巻状に形成されているものである。35は巻始めガ
イド30の往復動機構で、シリンダー又は回転機を備えて
おり、その作動子36によりチェン37、スプロケット38を
往復動させ、作動ギヤ39と噛合したラック杆40を進退さ
せるのであり、このラック杆40に前記の巻始めガイド30
が接続されている。往復動機構35にピンチロール送りモ
ーター27′と同期させたモーターを使用することも可能
で、より高速化する場合に適する。なお、巻始めガイド
30は、巻始めガイドシリンダー41とピストン42及びリン
ク43により積極的に、巻芯３の周りに巻付くように形成
されている。巻取るシートの種類によっては、複数本の
ガイドロール31の外周にエンドレスベルトを取付けるも
のも有効である。

45は上記巻始めガイド30と前記ピンチロール27、28間に
配置されたロータリー式のカッター、46はその回転刃、
47はカッターモーターを示す。さらに50は一対の巻取モ
ーター、51はその出力軸ギヤ、52は遊動ギヤ、53各ギヤ
51、52を連絡する巻取チェン、54は遊動ギヤ52が固定さ
れた中間軸、55は巻取軸で連動チェン56により中間軸54
と連動し、巻芯係脱機構15の係合子19を駆動する。また
57は制御盤、58は取出用リフター、59はその傾斜シリン
ダーを示しており、これらは巻取済ロールＲの取出機構
60を構成している。

（発明の作用） 次に前記の如く構成された巻取機の作動と共に本発明の
作用を説明する。便宜上、巻取りを終了した巻取済ロー
ルＲに対する作業工程より説明すると、同工程終了時巻
取済ロールＲは巻取位置Ｂにあり、巻取作業終了によ
り、巻芯係脱機構の離脱側機構16に制御系統から位置切
替信号が出力される。その出力により、一旦開いたピン
チロール27、28が閉じ、その閉じ信号によりロータリー
式のカッター45が１回転し、シート類Ｓを幅方向に切断
し、切断終了と同時にピンチロール27、28によりシート
類Ｓが送り出される。

このとき上位の供給位置Ａの側では、巻始めガイド30が
巻始めガイドの往復動シリンダー35の作動により前進
し、ガイド軌条34から巻芯ガイド25へ進入すると共に巻
始めガイドシリンダー41の作動によりシート類Ｓの先端
を巻芯４の周囲に巻付ける。この巻始めガイドシリンダ
ー41による多関節式ガイドロール31の巻込み動作はシー
ト類Ｓを巻芯に押付けるので巻始めの失敗をなくするこ
とができる。

即ち、円形溝部25aの軌道によって、シート類の先端が
巻付けられるべき経路は正確に設定されており、そこを
進行しながら先端ガイドロール31がシート類を巻芯４へ
押し付けるので、シート類の先端部を巻芯４へ巻付ける
作業は的確に行なわれる。

先端部を巻芯４へ巻付けたあと、後退する場合にも、巻
始めガイドシリンダー41が外向きにガイドロール31を動
かす結果、シート類からガイドロール31が離れ、シート
類に抵触したりせずに、スムーズに元位置へ戻る。

上述の巻始め動作と平行して、巻取位置Ｂでは巻取済ロ
ールＲに対して取出用リフター58が上昇し、リフター58
はそこに設けられた圧力スイッチがONとなると同時に停
止し、係合子軸シリンダー17、18が作動して係合子19、
19′が巻芯４から抜出し、さらにリフター58は下降後傾
斜シリンダー59の伸張により前傾して巻取済ロールＲを
転出させることとなる。

ロール取出工程と前述の巻始め動作の終了が確認される
と、左右回転盤５、６は全体が反転モーター７によりそ
れまでの巻取位置Ｂと供給位置Ａが互いに交替する方向
へ反転し、巻心供給位置Ｃで定位置停止するが、その回
転のときシート類Ｓは供給位置Ａの巻芯４に巻込まれた
状態のまま送られている。

巻芯供給機構20では、供給シリンダー23が先端巻芯４の
みを定位置まで差しだし（第４図（ｂ））、それに対し
係合子19、19′が進出し巻芯４を係合して供給位置Ａま
で移行する。回転盤５、６は定位置停止し、このとき巻
始め動作を終えた前記の巻芯４は巻取位置Ｂの手前にあ
る。巻芯供給位置Ｂより反転が開始される時点で供給シ
リンダー23は元位置に戻り、その確認後ストッパー24が
一旦引込み（第４図（ｃ））供給位置へ転出する。

巻取位置Ｂに達した巻芯４は巻取モーター50の作動によ
りシート類Ｓを巻回し、所定長の巻取りを終了すると前
述のロールＲに対する作動が行なわれ、これが連結して
自動的に繰返されることとなる。

（発明の効果） 本発明は以上の如く構成されかつ作用するものであるか
ら、回転盤５、６の一方の供給位置Ａで巻芯へのシート
類の巻始め作業、回転盤５、６の他方の巻取位置Ｂでは
シート類の巻取及びロール取出し作業を同時に行なうこ
とができ、両位置を交互に回転、移動するごとに新たな
書込みのための巻芯の供給及びシート類の巻取りを行な
うことが可能であるから、連続供給されるシート類の巻
始めから切断、ロール取出しまでのサイクルをラインを
停止させることなく自動的に実施することができ、しか
も巻始めガイド30のガイドロール31が、前後多段に設け
られたガイドシリンダー41によりシート類を下から巻芯
４へ抱くように押さえながら巻付けるのでシート類の厚
さ、硬度を問わずに各種のものを巻取可能であり、巻始
めの発皺や折曲がりの問題も生じないから高品質の巻取
製品が高能率に提供できる効果を奏する。前記供給位置
Ａは上位に、巻取位置Ｂは下位に設けられ、左右の回転
盤５、６間のスペースを十分に活用した太巻が可能にな
り、多点支持型の回転盤を有するため十分な強度があり
長期に亘り高性能を維持することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るシート類の巻取機の実施例を示すも
ので、第１図は正面図、第２図は第１図II−II線に於る
断面説明図、第３図は巻芯係脱機構の正面図、第４図
（ａ）、（ｂ）、（ｃ）は巻芯供給機構に於る工程説明
図、第５図は巻始めガイドとその前後の関連構成を示す
側面説明図、第６図は巻始めガイドの斜視図、第７図は
回転盤の支持構造を示す説明図である。 １……機体、２、３……回転盤、４……巻芯、15、16…
…巻芯係脱機構、20……巻芯供給機構、22……供給部
材、27、28シート類Ｓの誘導ロール、30……巻始めガイ
ド、35……往復動機構、45……ロータリー式のカッタ
ー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】互いに離れて対向配置されかつ同期回転可
   能に機体に装備された多点支持型の一対の回転盤５、
   ６、双方の回転盤の回転方向の一定角度離れた２箇所に
   位置し、その一方の供給位置Ａで互いに進出して巻芯を
   係合保持し、他方の巻取位置Ｂでシート類の巻取りが行
   なわれた後互いに後退して巻芯との係合を外すように構
   成された巻芯係脱機構15、16、一対の回転盤５、６の間
   へ、巻芯４を１本宛供給するため前記供給位置Ａに向か
   って往復動可能な供給部材22を有する巻芯供給機構20、
   前記巻取位置Ｂの巻芯４にシート類を連続的に巻き付け
   るために巻芯４と平行に設けられた複数のガイドロール
   31を含む複数の巻付部材を多関節式に組合せ、巻芯周囲
   にシート類の先端を巻付けるために前記ガイドロール31
   を誘導する巻始めガイド30を具備したシート類の巻取機
   であって、前記巻始めガイド30は、一対の回転盤５、６
   の対向面に夫々設けられ、それらの供給位置Ａ側に保持
   された巻芯４を中心として、その周囲を取り囲む円形の
   円形溝部25aと、斜め上方から円形溝部25aへ接線状に連
   続するように設けられた直線溝部25bとからなる、巻芯
   ガイド25、26への軌条34と、上記ガイド25、26のうち供
   給位置Ａにある巻芯ガイドの前記溝部25a,26bに係合し
   て転動可能な転子33を両端に設けた前記ガイドロール31
   と、各ガイドロール31を巻芯４と平行かつ円形溝部25a
   に沿って移動可能に連結する円弧状のリンク32及び各ガ
   イドロール31を巻芯４の周囲にシート類を巻き付けるよ
   うに誘導するため、各リンク部分に前後多段に設けられ
   た複数の巻始めガイドシリンダー41とによって構成され
   たシート類の巻取機。