JPH067578Y2 - 電気機器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、内部にフレキシブル・テープ・ケーブルによ
り構成されるコネクタ装置を備えた電気機器に関するも
のである。

〈従来の技術〉 第２図は従来及び本考案を説明する為のこの種の電気機
器の分解斜視図である。第２図において、１はプラスチ
ック製の上部ケース、２はプリント板ユニット、３は導
電ゴムコネクタ、４は下部ケースである。

プリント板ユニット２にはプリント箔のコネクタ２１が
形成されている。２２は同じくプリント板ユニット２に
設けた液晶表示部を示すものである。１１はフレキシブ
ル・テープ・ケーブルで、その一端にプリント板ユニッ
ト２に形成したコネクタ２１に対応するコネクタ１２が
形成され、他端側に圧接型のスイッチ（シートキー）１
３が接続されている。１４はそのスイッチに対応して上
部ケース１に設けた表面パネルである。１５は同じく上
部ケース１に設けた透明窓である。

第３図は従来の機器の要部の断面構成図、第４図（イ）
〜（ハ）に第３図装置における要部の拡大分解構成図で
ある。第３図及び第４図に於いて、１は上部ケース、２
はプリント板ユニット、３は導電ゴムコネクタである。
１６ａ，１６ｂは上部ケース１の内側にこのケースと一
体に形成されたピン、１７ａ，１７ｂはフレキシブル・
ケーブル１１に形成され前記上部ケース１に形成したピ
ン１６ａ，１６ｂが嵌め合わされる貫通孔である。１８
は上部ケース１の内側にこのケースと一体に形成された
コ字状の保持枠で、その開口部の長さＬはフレキシブル
・ケーブル１１の幅Ｍに対してＬ＞Ｍの関係になるよう
に構成されている。

この様な構成のフレキシブル・テープ・ケーブルを用い
て形成されるコネクタ装置を備えた電気機器ににおい
て、その構成順序は次の通りである。

（Ａ）フレキシブル・ケーブル１１のコネクタ１２部分
を上部ケース１に形成したコ字状保持枠１８の開口部よ
りこの保持枠内に位置させると共に、フレキシブル・ケ
ーブル１１に形成した穴１７ａ，１７ｂを上部ケース１
に形成したピン１６ａ，１６ｂに嵌め込んでフレキシブ
ル・ケーブル１１の位置決めをする。その後、ピン１６
ａ，１６ｂの頭部を加熱等により変形させ、抜止めとす
る。

（Ｂ）導電ゴムコネクタ３をフレキシブル・ケーブル１
１の上部より保持枠１８内に嵌め込む。

（Ｃ）プリント板ユニット２を、このユニットに形成し
たプリント箔のコネクタ２１が導電ゴムコネクタ３に対
応するように上部ケース１の内側に一体に形成した柱体
１ａ上に配置し、捩子５で捩子止めすることにより、上
部ケース１に固定する。これにより、フレキシブル・ケ
ーブル１１はプリント板ユニット２に圧接され、電気的
な導通を得るようになっている。

この様な構成のフレキシブル・テープ・ケーブルにより
構成されるコネクタを備えた電気機器は従来より用いら
れているが、 （１）保持枠１８の一側が解放されている関係上、導電
ゴムコネクタ３が組立て時に傾きやすく、接触不良とな
りやすい。

（２）フレキシブル・ケーブル１１の位置決めとして前
記のようにピン１６ａ，１６ｂを加熱変形する等の工程
が必要で、手間を要する。

〈考案が解決しようとする課題〉 本考案は、上記（１），（２）の問題点を解決するため
になされたもので、その目的は確実な電気的接続が行わ
れる簡単な構成のコネクタ装置を備えた電気機器を提供
することにある。

〈課題を解決する為の手段〉 本考案は上記の目的を達成するために、コネクタ装置を
フレキシブル・ケーブルに切り曲げ加工によりストッパ
ーを形成し、かつ保持枠をロ字状に形成すると共にこの
保持枠の一側に対応する部分に前記フレキシブル・ケー
ブルに形成したストッパーが嵌め合わされる貫通孔を形
成するように構成したものである。以下、実施例に付い
て詳細に説明する。

〈実施例〉 第１図（イ）〜（ハ）は本考案に係る電気機器の要部の
一実施例の分解構成図で、この第１図は従来装置を説明
した第４図に対応するものである。第１図において第４
図と同一部分は第４図と同一符号を付してそれらの再説
明は省略する。第１図（イ）〜（ハ）において、６１は
ロ字状の保持枠で、この保持枠は上部ケース１の内側に
おいてこのケースに一体に形成されている。保持枠６１
の一辺６２の下部にはフレキシブル・ケーブル１１を挿
入することのできる大きさＬのスリット６３が形成さ
れ、かつこのスリット６３に連通し、一辺６２の肉厚ｒ
に対応した貫通孔６４が上部ケース１に形成されてい
る。このように、保持枠６１の一辺６２の厚さｒに相当
する孔６４に連通するスリット６３を上部ケース１に設
けることは、通常の型設計の手段でコスト・アップ無し
に容易に設計することができる。

７１はフレキシブル・ケーブル１１の一部を切り曲げて
構成したストッパーである。このストッパーはフレキシ
ブル・ケーブル１１のコネクタ部１２の先端部よりｓの
距離に設けられている。この場合、保持枠６１の一側か
ら貫通孔６４の一側までの距離をｔとすると、ｔ＞ｓに
選ばれている。この様な構成のフレキシブル・テープ・
ケーブルにより構成されるコネクタを備えた電気機器は
次の順序で構成される。

（Ａ）フレキシブル・ケーブル１１にストッパー７１を
形成する。そのケーブル１１のコネクタ１２部分が保持
枠６１内に位置し、かつストッパー７１が上部ケース１
に形成した貫通孔６４に嵌まり合うようにケーブル１１
のコネクタ部１２を上部ケース１に形成したスリット６
３に挿通する。この場合、ストッパー７１の切り曲げ部
ｑは弾力性が有るので、スリット６３へ挿入する際には
このストッパー７１は一旦圧縮されるが、貫通孔６４に
おいて自由状態に戻り、貫通孔６４の内壁に当たり、抜
止めとなる。

（Ｂ）導電ゴムコネクタ３を保持枠６１の内部に配置す
る。

（Ｃ）プリント板ユニット２をこのユニットに形成した
プリント箔のコネクタ２１（第２図）が導電ゴムコネク
タ３に対応するように上部ケース１の内側に一体に形成
した柱体１ａ上に配置し、捩子５で捩子止めすることに
より、このプリント板ユニットを上部ケース１に取付け
る。

これにより、フレキシブル・ケーブル１１は導電ゴムコ
ネクタ３とプリント板ユニット２で圧接され、プリント
板ユニット２との電気的な導通接続が行われる。

尚、本考案においては、ストッパー７１を切曲げ加工に
より設けたが、フレキシブル・ケーブル１１の抜止めは
他の手段であってもよい。更に、フレキシブル・ケーブ
ル１１が抜けにくい構造のものであれば、ストッパー７
１は必ずしも必要としないものである。

〈本考案の効果〉 以上説明したように、本考案においては （１）保持枠６１をロ字状に構成し、この保持枠６１の
内部に導電ゴムコネクタ３を配置するように構成したの
で、その導電ゴムコネクタ３が傾斜することはなく、確
実な電気的接続が行われる。

（２）フレキシブル・ケーブル１１の位置決めとして前
記のように加熱変形等の工程が不必要となる。その結
果、製造が容易で安価なコネクタ装置を持った電気機器
がえられる。

【図面の簡単な説明】

第１図（イ）〜（ハ）は本考案に係る電気機器の要部の
分解構成図、第２図は本考案及び従来の電気機器を説明
する為の分解斜視図、第３図は従来の電気機器の要部の
断面構成図、第４図（イ）〜（ハ）は従来の電気機器の
要部の分解構成図である。 １…上部ケース、１１…フレキシブル・ケーブル、１２
…プリント板ユニット、３…導電ゴムコネクタ、６１…
保持枠、６３…スリット、６４…貫通孔、７１…ストッ
パー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】フレキシブル・ケーブルの一端に設けられ
   保持枠に保持されたコネクタ部を導電ゴムコネクタを介
   してプリント板に形成したコネクタ部に接続するように
   構成したコネクタ装置をもつ電気機器において、前記フ
   レキシブル・ケーブルに切り曲げ加工によりストッパー
   を形成し、前記保持枠をロ字状に形成すると共にこの保
   持枠の一側に対応する部分に前記フレキシブル・ケーブ
   ルに形成したストッパーが嵌め合わされる貫通孔が形成
   されたコネクタ装置を持つ電気機器。