JPH0675423A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH0675423A
JPH0675423A JP4248957A JP24895792A JPH0675423A JP H0675423 A JPH0675423 A JP H0675423A JP 4248957 A JP4248957 A JP 4248957A JP 24895792 A JP24895792 A JP 24895792A JP H0675423 A JPH0675423 A JP H0675423A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃トナーを回収し、現像工程で再利用をする
システムに用いた場合、多数枚にわたる複写において
も、終始高い反射画像濃度を維持し、カブリ及びトナー
飛散の発生も起こらない複写画像が得られる静電荷像現
像用トナーを提供することにある。 【構成】 潜像担持体上の潜像を現像してトナー像を形
成し、形成したトナー像を潜像担持体から転写材へ転写
し、転写後の潜像担持体をクリーニングして潜像担持体
上のトナーを回収し、回収したトナーを現像部側に供給
して現像工程に使用する画像形成方法において使用され
る静電荷像現像用トナーにおいて、該静電荷像現像用ト
ナーが少なくともバインダー樹脂及び着色剤を含有し、
かつ、樹脂成分のゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィ(GPC)により測定される分子量分布で、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/M
n)が100以上であることを特徴とする静電荷像現像
用トナーである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電印刷
法、磁気記録法に用いられる静電荷像現像用トナーに関
し、特に現像、転写後、潜像担持体上に残余した未転写
トナーをクリーニング工程により回収し、再使用せしめ
るという系を利用した画像形成方法に用いられる静電荷
像現像用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報等に記載され
ている。一般には光導電性物質を利用し、種々の手段に
より感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をト
ナーを用いて現像し、必要に応じて紙の如き転写材にト
ナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧、或いは
溶剤蒸気により定着し、複写物を得るものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー像を紙の如き
シートに定着する工程に関して、種々の方法や装置が開
発されている。現在最も一般的な方法は熱ローラーによ
る圧着加熱方式である。
【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式はトナー
に対し離型性を有する材料で表面を形成した熱ローラー
の表面に被定着シート上のトナー像面を加圧下で接触し
ながら通過せしめることにより定着を行なうものであ
る。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート上のト
ナー像とが加圧下で接触するため、トナー像を被定着シ
ート上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速
に定着を行うことができ、高速度電子写真複写機におい
て非常に有効である。しかしながら上記方法では、熱ロ
ーラー表面とトナー像とが溶融状態で加圧下で接触する
ためにトナー像の一部が定着ローラー表面に付着し転移
し、次の被定着シートにこれが再転移してオフセット現
象を生じ、被定着シートを汚すことがある。熱定着ロー
ラー表面に対してトナーが付着しないようにすることは
熱ローラー定着方式の重要な条件の1つとされている。
【0005】従来、定着ローラー表面にトナーを付着さ
せない目的で、例えばローラー表面をトナーに対して離
型性の優れた材料(例えば、シリコーンゴムや弗素系樹
脂など)で形成し、更にその表面にオフセット防止のた
め及びローラー表面の疲労を防止するためにシリコーン
オイルの如き離型性の良い液体の薄膜でローラー表面を
被覆することが行われている。しかしながら、この方法
はトナーのオフセットを防止する点では極めて有効であ
るが、オフセット防止用液体を供給するために装置が必
要なため、定着装置が複雑になるという問題点を有して
いる。
【0006】それゆえ、オフセット防止用液体の供給に
よってオフセットを防止する方向は好ましくなく、むし
ろ定着温度領域の広い耐オフセット性の高いトナーの開
発が望まれているのが現状である。そこでトナーとして
離型性を増すために加熱時に充分溶融するような低分子
量ポリエチレン、またはポリプロピレンの如きワックス
を添加する方法も行われている。ワックスの使用は、オ
フセット防止には有効である反面、トナーの凝集性が増
し、帯電特性が不安定となり、耐久性の低下を招き易
い。そこで他の方法としてバインダー樹脂に改良を加え
る工夫がいろいろと試みられている。
【0007】例えば、オフセット防止のために、トナー
中のバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg)や分子量
を高めトナーの溶融粘弾性を向上させる方法も知られて
いる。しかしながら、このような方法で、オフセット現
象を改善した場合、定着性が不十分となり、高速複写機
や省エネルギー化において要求される低温度下での定着
性(すなわち低温定着性)が劣るという問題が生じる。
【0008】一方、トナーの定着性を改良するには、溶
融時におけるトナーの粘度を低下させ、定着基材との接
着面積を大きくする必要がある。このために使用するバ
インダー樹脂のTgや分子量を低くすることが要求され
る。
【0009】低温定着性とオフセット防止性とは相反す
る一面を有することから、これらの機能を同時に満足す
るトナーの開発は非常に困難なことである。
【0010】これらの問題を解消するために、例えば特
公昭51−23354号公報には架橋剤と分子量調整剤
を加え、適度に架橋されたビニル系重合体からなるトナ
ーが提案され、特公昭55−6805号公報には、α,
β−不飽和エチレン系単量体を構成単位とした重量平均
分子量と数平均分子量との比が3.5〜40となるよう
に分子量分布を広くしたトナーが提案されている。さら
にはビニル系重合体において、Tg、分子量、ゲルコン
テントなどを規定したブレンド系樹脂を使用したトナー
が提案されている。
【0011】確かに、これらの提案によるトナーは分子
量分布の狭い単一の樹脂からなるトナーに比べて、定着
下限温度(定着可能な最も低い温度)とオフセット温度
(オフセットが発生しはじめる温度)の間の定着可能温
度範囲は広がるものの、十分なオフセット防止性能を付
与した場合には、その定着温度を十分低くすることが困
難である。反対に低温定着性を重視するとオフセット防
止性能が不充分となるという問題が存在した。
【0012】例えば、特開昭56−158340号公報
に、低分子量重合体と高分子量重合体とよりなるトナー
が提案されている。このバインダー樹脂は、実際には架
橋成分を含有させることが難しいため、高性能に耐オフ
セット性を向上させるためには、高分子量重合体の分子
量を大きくするか、高分子量重合体の比率を増す必要が
ある。この方向は、樹脂組成物の粉砕性を著しく低下さ
せる方向であり、実用上満足するものは得られにくい。
さらに低分子量重合体と架橋した重合体とをブレンドし
たトナーに関し、特開昭58−86558号公報に、低
分子量重合体と不溶不融性高分子量重合体を主要樹脂成
分とするトナーが提案されている。その方法に従えば、
トナーの定着性、樹脂組成物の粉砕性の改良は行われる
と思われる。しかしながら、低分子量重合体の重量平均
分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が3.5以下と小
さいこと、及び不溶不融性高分子量重合体が40〜90
wt%と大きいことにより、トナーの耐オフセット性と
樹脂組成物の粉砕性を共に高性能で満足することが難し
い。実際上はオフセット防止用液体の供給装置をもつ定
着機でなければ、定着性、耐オフセット性を充分満足す
るトナーを生成することは極めて困難である。さらに不
溶不融性高分子量重合体が、多くなるとトナー作成時の
熱混練で、溶融粘度が非常に高くなるため、通常よりは
るかに高温で熱混練する必要があり、その結果、添加剤
の熱分解によるトナー特性の低下という問題を有してい
る。
【0013】特開昭60−166958号公報に、数平
均分子量500〜1,500である低分子量のα−メチ
ルスチレン重合体の存在下で重合して得られる樹脂組成
物からなるトナーが提案されている。
【0014】特に、該公報では数平均分子量(Mn)が
9,000〜30,000の範囲が好ましいとある。耐
オフセット性を向上させるため、Mnを大きくしていく
と、定着性およびトナー製造時の粉砕性が実用上問題と
なる。故に高性能に耐オフセット性と樹脂組成物の粉砕
性を満足することは難しい。このようにトナー製造時に
おける粉砕性の悪いトナーは、トナー製造時の生産効率
が低下する他、トナー特性として粗いトナーが混入しや
すいため、飛びちった画像となる場合があり、好ましく
ない。
【0015】特開昭56−16144号公報に、GPC
による分子量分布において、分子量103 〜8×104
及び分子量105 〜2×106 のそれぞれの領域に少な
くとも1つの極大値をもつ結着樹脂成分を含有するトナ
ーが提案されている。この場合、結着樹脂成分の粉砕
性、トナーの耐オフセット性、定着性、感光体へのフィ
ルミングや融着防止、現像特性がすぐれている。さらに
トナーにおける耐オフセット性及び定着性の向上が要望
されている。特に定着性をさらに向上させて、他の種々
の性能を保つかあるいは向上させつつ、今日の厳しい要
求に対応するのは、該樹脂ではむずかしい。
【0016】このようにトナーの定着に関わる性能(低
温定着性とオフセット防止性)およびトナー製造時の粉
砕性を共に高性能で実現することは極めて困難である。
特にトナー製造時における粉砕性は、複写画像の高品位
化、高解像化、細線の高再現性の要求により、トナーの
粒径を小さくしていく今日の方向に重要な因子である。
粉砕工程は非常に大きなエネルギーを要するため粉砕性
の向上は省エネルギーの面からも重要である。粉砕装置
内壁へのトナーの融着現象も定着性能の良いトナーに発
生しやすく、そのため粉砕効率を悪くする場合がある。
【0017】複写工程において、転写後の感光体上に残
ったトナーをクリーニングする工程がある。今日、装置
の小型化、軽量化、信頼性の面から、ブレードによるク
リーニング(ブレードクリーニング)が一般的になって
いる。感光体の高寿命化と感光体ドラムの小径化および
システムの高速化に伴い、トナーに要求される感光体に
対する耐融着、耐フィルミング性が厳しくなっている。
特に最近実用化されてきたアモルファスシリコン感光体
は非常に高耐久性であり、またOPC(有機感光体)も
寿命が延びてきており、そのためトナーに要求される諸
性能は高度になってきている。
【0018】装置の小型化はせまい所に各要素をうまく
納めていくことをしなければならない。そのため冷却用
の空気のながれる空間が少なくなる上、定着器や露光系
の発熱源がトナーホッパーやクリーナーと非常に接近す
るため、トナーは高温雰囲気にさらされる。そのため、
さらに優れた耐ブロッキング性を有するトナーでないと
実用化できなくなってきている。
【0019】以上述べてきた諸問題を改良する方法とし
て、本願出願人は特開昭63−223662号公報にお
いて、低分子量樹脂を懸濁重合中に添加した特殊な樹脂
を開示したが、この方法によっても、A4サイズの用紙
で毎分50枚以上の高速機では、まだ充分な定着性を得
ることがなく、さらに定着ローラーに当接したクリーニ
ング部材からのトナーの流出により定着画像を汚しやす
いという問題点が見い出された。
【0020】毎分50枚を超えるような高速機では、1
枚当りのオフセット量が極めて微量であっても通紙枚数
が膨大な量であるために、定着ローラーへのオフセット
物の量は相当な量となり、定着器の故障の原因となる。
この微量のオフセット物を取り除くために、シリコーン
ゴム製のクリーニングローラーやウエッブの如き定着用
クリーニング部材が定着ローラーに当接して取り付けら
れている。従来のトナー用バインダー樹脂は主として低
温定着性とオフセット防止性とを目標として設計されて
おり、200℃を超えるような高温まで高い溶融粘度を
維持するようには設計されていない。したがって、定着
用クリーニング部材に付着したトナー物質は、定着ロー
ラーの設定温度で長い時間存在するので溶融粘度が低下
し、さらに複写機のスイッチ投入時の定着ローラー設定
温度以上に定着ローラー温度がオーバーシュートする場
合、定着ローラーは200℃を超える温度になり、付着
トナーの溶融粘度が著しく低下し、定着ローラーに再度
転移し、転写材の汚れを生じるようになる。
【0021】特開平1−172843号公報、及び同1
−172844号公報には、3×103 〜5×103
及び1.5×105 〜2.0×106 にピークを有し、
1.5×105 〜2.0×106 の領域のピーク面積が
40〜60%であるか、あるいはゲル分含有量1〜10
%であるトナーが提案されている。確かに中低速機にお
いては良好であるが、高速機における耐オフセット性、
定着性には十分に対応しきれない。
【0022】さらに、転写工程において、感光体(潜像
担持体)上のトナーはすべて転写されることはなく、1
0〜20重量パーセント程度は感光体上に残存する。こ
のように感光体上に残ったトナー(未転写トナー)は、
クリーニング工程により回収され、いわゆる廃トナーと
して系外へ排出され、再度使用することができなかっ
た。しかし、近年、複写機の需要が増加し、コピーボリ
ュームの大きな機械、すなわち高速複写機の需要がさら
に大きくなりつつある。こういった高速複写機において
は廃トナーが大量に発生するため、廃棄物(廃プラスチ
ック)として処理した場合、環境汚染を招く恐れがあ
る。このため、最近、該廃トナーを再使用する検討、す
なわち、トナーのリユースに対する検討が広く行なわれ
つつある。該廃トナーを再使用することが可能になれ
ば、トナーの有効利用ができるとともに、機内のスペー
スを簡略化することができ、機械のコンパクト化が可能
になるというメリットも考えられる。
【0023】しかし、これまで廃トナーを再度現像工程
に使用した場合、反射画像濃度の低下、地カブリや反転
カブリの悪化、トナー飛散の発生等の悪影響があった。
【0024】このようなリユース系に適用されるトナー
の特性としては、先に述べたような性能、すなわち、現
像性、低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング
性、耐フィルミング性、粉砕性等の他に、メカニカルス
トレスに強く、耐久性にすぐれていることや廃トナーの
現像工程への搬送性にすぐれていることといった特性も
要求されてくる。
【0025】これらの要求に対して、これまでいろいろ
のトナーが提案されてきた。例えば、特開平1−214
874号公報では、脂肪族ジオールを含む特定のポリエ
ステル樹脂を結着樹脂に用いたトナーが、さらには特開
平2−110572号公報においては、金属架橋された
スチレン−アクリル共重合体を結着樹脂に用い、これと
多量のポリオレフィンを加えたトナーが提案されている
が、いずれの発明でも、トナーの構成自体の新規性に乏
しく、むしろ耐ブロッキング性の悪化等の弊害を生じる
可能性が高い。
【0026】以上述べてきたように、トナーに対して要
求される性能は互いに相反的であることが多く、さらに
廃トナーをリユースした場合においても、これらを共に
満足することが近年ますます望まれている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決した静電荷像現像用トナー、すなわ
ちトナーを再利用するリサイクル系に適合した静電荷像
現像用トナーを提供するものである。
【0028】以下に本発明の目的を列挙する。
【0029】本発明の目的は、オイルを塗布しない熱ロ
ール定着方式に適したトナーを提供することにある。
【0030】本発明の目的は、低い温度で定着し得、且
つ耐オフセット性のすぐれたトナーを提供することにあ
る。
【0031】本発明の目的は、低い温度で定着し、感光
体への融着,フィルミングが高速システムにおいても、
また長期間の使用でも発生しないトナーを提供すること
にある。
【0032】本発明の目的は、低い温度で定着し且つ耐
ブロッキング性がすぐれ、特に小型機の中の高温雰囲気
中でも充分使え得るトナーを提供することにある。
【0033】本発明の目的は、低い温度で定着し且つト
ナーの製造時における粉砕工程での装置の内壁へ粉砕物
が融着しないため、効率よく連続で生産できるトナーを
提供することにある。
【0034】本発明の目的は、耐オフセット性がすぐれ
且つ粉砕性がすぐれているため、生産効率が良いトナー
を提供することにある。
【0035】本発明の目的は、ブレードを用いたクリー
ニング方式に適したトナーを提供することにある。
【0036】本発明の目的は、粉砕性が良いため粗粉な
どの発生が少なく、そのため画像のまわりのとびちりが
少なく、安定した良好な現像画像を形成し得るトナーを
提供することにある。
【0037】本発明の目的は、連続コピーあるいは廃ト
ナーのリユースを行なった場合でも、機械的なダメージ
を受けることがないため、終始鮮鋭な画像を得ることが
できるトナーを提供することにある。
【0038】本発明の目的は、廃トナーリユース系にお
いて、終始、高い反射画像濃度を維持し、かつ、地カブ
リやトナー飛散の発生がないようなトナーを提供するこ
とにある。
【0039】
【課題を解決するための手段及び作用】前記目的を達成
するための、本発明の要旨は、潜像担持体上の潜像を現
像してトナー像を形成し、形成したトナー像を潜像担持
体から転写材へ転写し、転写後の潜像担持体をクリーニ
ングして潜像担持体上のトナーを回収し、回収したトナ
ーを現像部側に供給して現像工程に使用する画像形成方
法に使用される静電荷像現像用トナーにおいて、少なく
ともバインダー樹脂及び着色剤を含有し、樹脂成分のゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により
測定される分子量分布で、重量平均分子量(Mw)と数
平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が100以上で
あることを特徴とする静電荷像現像用トナーを提供する
ものである。
【0040】本発明について以下に詳細に説明する。
【0041】高速複写機においては、最近ますますその
需要は増加しつつあり、それに伴ってユーザーの要求も
多種多様になってきている。このため、さらに高速の複
写機によって常に良好な画像性を保ちつつ、コピーボリ
ュームを増やそうという試みがなされている。このよう
に、コピーボリュームを増やすことによって、消費する
トナーの量も増大し、これに伴い未転写トナー、すなわ
ち廃トナーの量も増大する。これまで、この未転写トナ
ーは、クリーニングブレード等でかき落された後、クリ
ーナーへ送られて、さらに系外に排出され、再使用する
ことができなかった。この理由は、廃トナーを再利用し
た場合、反射画像濃度の低下、地カブリ及び反転カブリ
の悪化、トナー飛散の発生等の弊害があったからであ
る。
【0042】そこで本発明者らは、これらの弊害が発生
する原因を調べるため、複写スタート時から随時現像ス
リーブ上のトナーを採集し、種々の検討を行った。その
結果、上述の弊害が出始める前後で、トナーの形状に変
化が見られた。
【0043】すなわち、走査型電子顕微鏡(SEM)を
用いて観察したところ、弊害をもたらすトナーすなわち
廃トナー中には、表面が剥離したり、或いは内部から砕
けたりしたものが多く存在していることがわかった。
【0044】この理由について調べたところ、未転写ト
ナー(廃トナー)はクリーナーにおいて、感光ドラム上
でクリーニングブレードによってかき落される時や搬送
スクリューを用いて現像工程に送る際に加わる機械的な
衝撃による要因が大きいことがわかった。
【0045】以上のことから、廃トナーをリユースして
用いるシステムにおいて、トナーに要求される諸性能と
しては ・現像性、低温定着性及び耐オフセット性にすぐれてい
ること、 ・ブロッキング性、耐フィルミング性にすぐれているこ
と、 ・粉砕性にすぐれていること、等の周知の性能に加え、 ・機械的衝撃に強く、耐久性にすぐれていること ・廃トナーの現像工程への搬送性にすぐれていること が挙げられる。
【0046】これらの性能をすべて満足するため、本発
明者らが鋭意検討した結果、樹脂成分の分子量分布に特
徴をもたせることが極めて有効な手段であることが判明
し、本発明に至ったわけである。
【0047】本発明のトナーは、GPCクロマトグラム
から計算される平均分子量において、重量平均分子量
(Mw)が400万以上(さらに好ましくは500万〜
2200万)であるものが好ましく用いられる。Mwが
400万以上であると、高分子量から超高分子量の重量
分率が滑らかにつながり、分子量400万以上の耐オフ
セット成分が効果的に含有されており、分子量400万
以上の成分を幅広く含んでいる。Mwが400万以上で
あるということは、分子量400万付近の高分子成分の
重量分率が多いのではなく、これ以上の成分を広い分布
で含んでいることである。GPCチャートにおいて、分
子量400万付近の分布は、縦長の分布ではなく横長の
分布が良いということである。その結果、他の成分との
つなぎの部分を効率的に含むので、トナーに含まれる内
添剤の分散が良くなる。Mwが400万未満の場合に
は、耐オフセット性が十分に得られなかったり、或いは
機械的衝撃によるトナー(特に未転写トナー)の破砕を
受けやすくリサイクルトナーの性能に問題をきたす。一
方、Mwが2200万を超える場合には、トナーの定着
不良や、内添剤の分散不良を生じることがある。さら
に、定着性向上成分及び粉砕性向上成分を効果的に含有
させるためには、数平均分子量(Mn)が4万以下、好
ましくは3万以下、より好ましくは2.5万以下である
ことが良い。
【0048】本発明のトナーでは、上記の成分をバラン
スよく含み、かつ双方の作用をより効果的にするため
に、広い分子量分布を有することを特徴とし、MwとM
nの比(Mw/Mn)が100以上、好ましくは125
以上、さらに好ましくは170以上であることを特徴と
する。Mw/Mnが100未満の場合には、トナー中の
高分子量成分或いは低分子量成分の量比のバランスがく
ずれ、満足した性能が得られない。
【0049】トナー流出を防止する能力のある超高分子
量成分を含有していることが好ましく、そのためZ平均
分子量が2000万以上であることが良い。超高分子量
成分をバランス良く含有させる為に、Z平均分子量(M
z)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が
40以下で、好ましくは5〜30であることが良い。M
z/Mwが40を超える場合は、超高分子量分をふくむ
が、その割合が少ないので十分なトナー流出防止を行う
ことが困難である。逆に架橋が多くなり、フィルターに
よりろ別されている場合には、十分な定着性が得られに
くい。Mz/Mwが5未満の場合には、THF可溶成分
分子量分布が、超高分子量側において狭くなるので、ト
ナー流出防止とトナーの定着性のバランスが悪くなる。
【0050】本発明において、樹脂成分のテトラヒドロ
フラン(THF)可溶分のTHFを溶媒としたGPC
(ゲルパーメイションクロマトグラフィ)によるクロマ
トグラムの分子量分布は次の条件で測定される。
【0051】測定試料は以下のようにして作製する。
【0052】試料とTHFとを約0.5〜5mg/ml
(例えば約5mg/ml)の濃度で混合し、室温にて数
時間(例えば5〜6時間)放置した後、十分に振とうし
THFと試料を良く混ぜ(試料の合一体がなくなるま
で)、更に室温にて12時間以上(例えば24時間)静
置する。このとき試料とTHFの混合開始時点から、静
置終了時点までの時間が24時間以上となるようにす
る。その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.4
5〜0.5μm、たとえば、マイショリディスクH−2
5−2 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲル
マン サイエンスジャパン社製などが好ましく利用でき
る)を通過させたものをGPCの試料とする。試料濃度
は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整
する。
【0053】GPC測定装置において、40℃のヒート
チャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカ
ラムに溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、T
HF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の
分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、
数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検
量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量
線作成用の標準ポリスチレン試料としては、たとえば東
ソー社製、あるいは昭和電工社製の分子量が102 〜1
7 程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポ
リスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはR
I(屈折率)検出器を用いる。カラムとしては、市販の
ポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良
く、たとえば昭和電工社製のshodex GPC K
F−801,802,803,804,805,80
6,807,800Pの組み合わせや、東ソー社製のT
SKgel G1000H(HXL),G2000H(H
XL),G3000H(HXL),G4000H(HXL),
G5000H(HXL),G6000H(HXL),G70
00H(HXL),TSKguardcolumnの組み
合わせを挙げることができる。
【0054】一般に、GPCクロマトグラムの測定で
は、高分子量側はベースラインからクロマトグラムが立
上がり開始点から測定を始め、低分子量側は分子量約4
00まで測定する。
【0055】次に、本発明のトナーに使用される樹脂に
ついて説明する。
【0056】本発明における樹脂組成物はカルボキシル
基を有していることが好ましく、酸価(JIS K−0
070に準ずる方法により測定した値)が2〜100m
gKOH/g、さらに好ましくは5〜70mgKOH/
gである。
【0057】樹脂組成物が酸価をもつことで、トナー
と、定着ローラーとの離型性を増加させ、トナーの耐オ
フセット性を向上させている。
【0058】ここで、酸価が2mgKOH/g未満の場
合には、後述する金属化合物との架橋反応が十分に行な
えず、トナーの樹脂成分中の高分子量成分が不足する。
酸価が100mgKOH/gを超える場合は、トナーの
帯電コントロールが難しくなり、トナーの現像性におい
て環境依存性が現われやすくなる。
【0059】本発明のトナーに用いることのできる結着
樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
ウレタン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられ
るが、この中でも特にビニル系樹脂が好ましい。
【0060】ビニル系樹脂において用いることのできる
カルボン酸含有モノマーとしては、特にジカルボン酸の
半エステルモノマーが好ましく、例えば、マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチ
ル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノアリル、
マレイン酸モノフェニル、フマル酸モノメチル、フマル
酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノフェ
ニルなどのようなα,β−不飽和ジカルボン酸の半エス
テル類;n−ブテニルコハク酸モノブチル、n−オクテ
ニルコハク酸モノメチル、n−ブテニルマロン酸モノエ
チル、n−ドデセニルグルタル酸モノメチル、n−ブテ
ニルアジピン酸モノブチルなどのようなアルケニルジカ
ルボン酸の半エステル類;フタル酸モノメチルエステ
ル、フタル酸モノエチルエステル、フタル酸モノブチル
エステルなどのような芳香族ジカルボン酸の半エステル
類;などがあげられる。
【0061】以上のようなジカルボン酸の半エステル
は、バインダー樹脂を構成している全モノマーに対し1
〜30重量%、好ましくは3〜20重量%添加すればよ
い。
【0062】上記のようなジカルボン酸の半エステルモ
ノマーが選択される理由としては、後で詳しく述べる
が、樹脂の製造方法として懸濁重合法が好ましいからで
ある。該懸濁重合では水系の懸濁液に対して、溶解度の
高い酸モノマーのかたちで使用するのは適切でなく、溶
解度の低いエステルのかたちで用いるのが好ましいから
である。
【0063】本発明に用いることのできるビニル系樹脂
を得るためのジカルボン酸の半エステルモノマー以外の
コモノマーとしては、次のようなものがあげられる。
【0064】例えばスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレ
ン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レン等のスチレンおよびその誘導体;エチレン、プロピ
レン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モ
ノオレフィン類;ブタジエン等の不飽和ポリエン類;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルな
どのハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブ
チル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル
などのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのア
クリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニル
エーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸誘導体;のビニル系モノマー
が単独もしくは2つ以上で用いられる。
【0065】これらの中でもスチレン系共重合体、スチ
レン/アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み
合わせが好ましい。
【0066】本発明に係わる樹脂組成物の合成方法は、
基本的に2種以上の重合体を合成する方法が好ましい。
【0067】すなわち、重合モノマーに可溶な低分子量
重合体を重合モノマーに溶解し、モノマーを重合して樹
脂組成物を得る方法である。
【0068】この場合、前者と後者の重合体が均一に混
合している組成物が形成される。
【0069】本発明に用いる樹脂組成物中の低分子量重
合体は、塊状重合法、溶液重合法などの通常用いられる
重合法で得ることができる。
【0070】塊状重合法では、高温で重合させて停止反
応速度を早めることで、低分子量の重合体を得ることが
できるが、反応をコントロールしにくい問題点がある。
溶液重合法では溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利
用したり、重合開始剤の使用量や反応温度を調節するこ
とで低分子量重合体または共重合体を温和な条件で容易
に得ることができ、本発明に用いる樹脂組成物の中で低
分子量重合体または共重合体を得るための重合法として
好ましい。
【0071】溶液重合で用いる溶媒としては、キシレ
ン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピル
アルコールまたはベンゼン等が用いられる。スチレンモ
ノマー混合物の場合はキシレン、トルエン又はクメンが
好ましい。溶媒は重合生成するポリマーによって適宜選
択される。重合開始剤としては、ジ−tertブチルパ
ーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエー
ト、ベンゾイルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイ
ソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4ジメチ
ルバレロニトリル)等が挙げられる。重合開始剤は、モ
ノマー100重量部に対して0.05重量部以上(好ま
しくは0.1〜15重量部)の濃度で用いられる。反応
温度としては、使用する溶媒、重合開始剤または重合す
るポリマーによって異なるが、70℃〜230℃が良
い。溶液重合に於ては溶媒100重量部に対してモノマ
ー30重量部〜400重量部で行うのが好ましい。更
に、重合終了時に溶液中で他の重合体または共重合体を
混合することも好ましい。その場合、数種の重合体また
は共重合体をよく混合できる。
【0072】高架橋域の高分子量成分を得る重合法とし
ては、乳化重合法や懸濁重合法が好ましい。
【0073】このうち、乳化重合法は、水にほとんど不
溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水
相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行
なう方法である。この方法では反応熱の調節が容易であ
り、重合の行なわれる相(重合体と単量体からなる油
相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、そ
の結果重合速度が大きく、高重合度のものが得られる。
更に、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合
生成物が微細粒子である為に、トナーの製造において、
着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容易で
あることの理由から、トナー用バインダー樹脂の製造方
法として他の方法に比較して有利である。
【0074】しかし、添加した乳化剤のため生成した樹
脂が不純になり易く、樹脂を取り出すには塩析などの操
作が必要である。したがって、懸濁重合が簡便な方法で
あるので好ましい。
【0075】懸濁重合法では、懸濁状態で低分子量重合
体または共重合体を含んだモノマー混合物を、架橋剤と
共に重合することによって、樹脂組成物は、パール状に
形状が整い、低分子量重合体または共重合体から架橋域
成分を含む中、高分子量重合体または共重合体までが、
均一に混合された好ましい状態で得ることもできる。
【0076】懸濁重合においては、水または水系溶媒1
00重量部に対して、モノマー100重量部以下(好ま
しくは10〜90重量部)で行うのが良い。使用可能な
分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルア
ルコール部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いら
れ、水系溶媒に対するモノマー量で変わるが、一般に水
系溶媒100重量部に対して0.05〜1重量部で用い
られる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用
する開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択すべ
きである。重合開始剤の種類としては、水に不溶或は難
溶のものであれば用いることが可能である。例えばベン
ゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシヘ
キサノエート等が、モノマー100重量部に対し0.5
〜10重量部で用いられる。
【0077】また、架橋剤としては、主として2個以上
の重合可能な2重結合を有する架橋性モノマーを用いる
ことができる。
【0078】この中でも、芳香族ジビニル化合物が好ま
しく、例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン
等;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例
えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブ
チレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオ
ールジアクリレート、l,5−ペンタンジオールジアク
リレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、
ネオペンチルグリコールジアクリレート、及び以上の化
合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたもの;
エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレー
ト化合物類、例えば、ジエチレングリコールジアクリレ
ート、卜リエチレングリコールジアクリレート、テトラ
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリ
コール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコー
ル#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジ
アクリレート、及び以上の化合物のアクリレートをメタ
アクリレートに代えたもの;芳香族基及びエーテル結合
を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、
ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエ
チレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンジアクリレート、及び、以上の化合物のア
クリレートをメタアクリレートに代えたもの;更には、
ポリエステル型ジアクリレート化合物類、例えば、商品
名MANDA(日本化薬)が挙げられる。多官能の架橋
剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタン
テトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、及
び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレートに代
えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメ
リテート;等が挙げられる。
【0079】本発明においてはバインダー樹脂の酸成分
と金属化合物を反応させて架橋させることが好ましい。
【0080】本発明の樹脂成分と反応できる含金属化合
物としては、次の金属イオンを含むものが使用できる。
適当な2価の金属イオンには、Ba2+、Mg2+、C
2+、Hg2+、Sn2+、Pb2+、Fe2+、Co2+、Ni
2+、Zn2+などがある。3価のイオンとしては、A
3+、Sc3+、Fe3+、Ce3+、Ni3+、Cr3+、Y3+
などがある。
【0081】このような金属化合物のうちでも有機金属
化合物が樹脂組成物との相溶性や分散性に優れ、金属化
合物による架橋が重合体中でより均一に進むのでより優
れた結果を与える。
【0082】上記のような有機金属化合物のうちでも、
気化性や昇華性に富む有機化合物を配位子や対イオンと
して含有するものが有用である。金属イオンと配位や対
イオンを形成する有機化合物のうちで上記のような性質
を有するものとしては、サリチル酸;サリチルアミド、
サリチルアミン、サリチルアルデヒド、サリチロサリチ
ル酸、ジターシャリーブチルサリチル酸の如きサリチル
酸誘導体;アセチルアセトン、プロピオンアセトンの如
きβ−ジケトン類;酢酸塩やプロピオン酸の如き低分子
カルボン酸塩がある。
【0083】有機金属化合物として金属錯体を使用する
場合、トナー粒子の荷電制御剤として使用することも可
能である。このような金属錯体としては次に示した一般
式[I]で表わされるアゾ系金属錯体がある。
【0084】
【化1】 [式中Mは配位中心金属(例えば、配位数6のSc、T
i、V、Cr、Co、Ni、Mnまたは、Fe)を示
し、Arはアリール基(例えば、フェニル基またはナフ
チル基)を示し、置換基を有していてもよい。この場合
の置換基としては、ニトロ基、ハロゲン基、カルボキシ
ル基、アニリド基および炭素数1〜18のアルキル基、
アルコキシ基がある。X,X’、Y及びY’は−O−、
−CO−、−NH−または−NR−(Rは炭素数1〜4
のアルキル基)を示し、A+ は水素、ナトリウム、カリ
ウム、アンモニウムまたは脂肪族アンモニウムを示
す。]次に該金属錯体の具体例を示す。
【0085】
【化2】
【0086】
【化3】
【0087】
【化4】
【0088】
【化5】
【0089】
【化6】
【0090】
【化7】 さらに、有機金属化合物として次の一般式[II]に示
した有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本
発明に使用できる。
【0091】
【化8】 次に該錯体の具体例を示す。
【0092】
【化9】
【0093】
【化10】
【0094】
【化11】
【0095】
【化12】
【0096】
【化13】
【0097】
【化14】
【0098】
【化15】
【0099】
【化16】
【0100】
【化17】
【0101】
【化18】 これらの有機金属化合物は、単独でもあるいは2種以上
組み合わせて用いることも可能である。該有機金属化合
物のトナー粒子への添加量は、トナーバインダーの種
類、キャリア併用か否か、あるいはトナーを着色する顔
料、さらには該金属錯体のバインダーに対する反応性に
よっても異なるが、未反応のものも含めて、バインダー
100重量%に対し0.01〜20重量%、好ましくは
0.1〜10重量%が良い。
【0102】上記有機金属錯体または有機金属塩は、バ
インダー樹脂と溶融混練時に反応させると、バインダー
樹脂との相溶性あるいはバインダー樹脂への分散性にす
ぐれ、トナーとして安定な帯電性が得られるといった利
点がある。
【0103】本発明においては、架橋成分の1つである
有機金属錯体または有機金属塩をトナーの荷電制御剤と
して使用することは可能であるが、必要に応じてこれと
は別途に他の荷電制御剤を組合せて使用することもでき
る。他の荷電制御剤としては、従来公知の負または正の
荷電制御剤が挙げられる。
【0104】今日、当該技術分野で知られている荷電制
御剤としては、以下のものがあげられる。
【0105】トナーを負荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0106】例えば有機金属錯体として、キレート化合
物が有効で前述したようなモノアゾ金属錯体、アセチル
アセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳
香族ダイカルボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香
族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボ
ン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノ
ール等のフェノール誘導体類がある。
【0107】トナーを正荷電性に制御するものとして下
記物質がある。
【0108】ニグロシン及び脂肪族金属塩による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム
塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及
びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りんタ
ングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモ
リブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェ
リシアン化物、フェロシアン化物など)高級脂肪酸の金
属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサ
イド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガ
ノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチル
スズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジ
オルガノスズボレート類が挙げられる。これらを単独で
あるいは2種以上組合せて用いることができる。これら
の中でも、ニグロシン系、四級アンモニウム塩の如き荷
電制御剤が特に好ましく用いられる。
【0109】本発明のトナーに於いては、帯電安定性、
現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を添
加することが好ましい。
【0110】本発明に用いられるシリカ微粉末は、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2 /g
以上(特に50〜400m2 /g)のものが良好な結果
を与える。トナー100重量部に対してシリカ微粉体
0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量部使用
するのが良い。
【0111】本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要
に応じ、疎水化、または帯電性コントロールの目的でシ
リコーンワニス、変性シリコーンワニス、シリコーンオ
イル、変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、
官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケ
イ素化合物の如き処理剤で、処理されていることが好ま
しい。処理剤は組合せて用いることも好ましい。
【0112】他の添加剤としては、テフロン、ステアリ
ン酸亜鉛、ポリ弗化ビニリデンの如き滑剤(中でもポリ
弗化ビニリデンが好ましい);酸化セリウム、炭化ケイ
素、チタン酸ストロンチウムの如き研磨剤(中でもチタ
ン酸ストロンチウムが好ましい);酸化チタン、酸化ア
ルミニウムの如き流動性付与剤(中でも特に疎水性のも
のが好ましい);ケーキング防止剤;カーボンブラッ
ク、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズの如き導電性
付与剤が挙げられる。さらに、添加剤としてトナーと逆
極性の白色微粒子または黒色微粒子を現像性向上剤とし
て少量用いることもできる。
【0113】熱ロール定着時の離型性を良くする目的で
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイ
クロクリスタリンワックス、カルナバワックス、サゾー
ルワックス、パラフィンワックスの如きワックス状物質
をバインダー樹脂100重量%に対し0.5〜10重量
%をトナーに加えることも本発明の好ましい形態の1つ
である。
【0114】さらに本発明のトナーは、二成分系現像剤
として用いる場合には、キャリア粉と混合して用いられ
る。この場合には、トナーとキャリア粉との混合比はト
ナー濃度として0.1〜50重量%、好ましくは、0.
5〜10重量%、さらに好ましくは3〜5重量%が好ま
しい。
【0115】本発明に使用しうるキャリアとしては、公
知のものが使用可能である。例えば鉄粉、フェライト
粉、ニッケル粉の如き磁性を有する粉体及びこれらの表
面をフッ素系樹脂、ビニル系樹脂あるいはシリコーン系
樹脂の如き樹脂で処理したものが挙げられる。
【0116】本発明のトナーはトナー粒子が磁性材料を
含有している磁性トナーとしても使用しうる。この場
合、磁性材料は着色剤の役割をかねる事もできる。磁性
トナー中に含まれる磁性材料としては、マグネタイト、
ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、
ニッケルの様な金属或いはこれらの金属とアルミニウ
ム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、ア
ンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシ
ウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナ
ジウムの様な金属との合金;その混合物が挙げられる。
【0117】これらの磁性材料は平均粒子が0.1〜2
μm、好ましくは0.1〜0.5μmのものが好まし
い。トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重
量部に対し20〜200重量部、特に好ましくは、樹脂
成分100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0118】また、10Kエルステッド印加での磁気特
性が抗磁力20〜300エルステッド、飽和磁化50〜
200emu/g、残留磁化2〜20emu/gのもの
が好ましい。
【0119】さらに必要に応じ所望の添加剤と、本発明
のトナーとをヘンシェルミキサーの如き混合機により充
分混合し、本発明の静電荷像現像用トナー及び外添剤を
有する現像剤を得ることができる。
【0120】溶融混練時に高架橋高分子量成分を切断す
ることができるが、これは低温溶融状態で混練し、混練
物に高シェアを与える事により良好に行うことができ
る。溶融混練時に熱により含金属化合物等で樹脂組成物
を再架橋することができる。
【0121】例えば、エクストルーダーを用いたとき
は、設定温度を低くし、シェアのかかる軸構成にする
と、混練部を通過する際、高シェアがかかり、ポリマー
鎖の分子網が切断し、吐出していく間に金属化合物と反
応が生じ、樹脂組成物は再架橋されていく。
【0122】本発明のトナーに使用し得る着色剤として
は、任意の適当な顔料または染料があげられる。トナー
の着色剤として、例えば顔料としてカーボンブラック、
アニリンブラック、アセチレンブラック、ナフトールイ
エロー、ハンザイエロー、ローダミンレーキ、アリザリ
ンレーキ、ベンガラ、フタロシアニンブルー、インダン
スレンブルー等がある。これらは定着画像の光学濃度を
維持するのに必要充分な量が用いられ、樹脂100重量
部に対し0.1〜20重量部、好ましくは2〜10重量
部の添加量が良い。アゾ系染料、アントラキノン系染
料、キサンテン系染料、メチン系染料の如き染料の場
合、樹脂100重量部に対し、0.1〜20重量部、好
ましくは0.3〜10重量部の添加量が良い。
【0123】本発明に係る静電荷像現像用トナーを作製
するには結着樹脂、有機金属錯体または有機金属錯体の
如き有機金属化合物、着色剤(例えば、顔料、染料また
は/及び磁性体)必要に応じて荷電制御剤、その他の添
加剤をヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機に
より充分混合し、加熱ロール、ニーダー、エクストルー
ダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類を互い
に相溶せしめた中に有機金属化合物及び着色剤を分散ま
たは溶解せしめ、冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナ
ーを得ることができる。
【0124】次に、本発明における画像形成方法につい
て説明する。本発明においては、未転写トナー(廃トナ
ー)のリユース、すなわちトナーのリサイクルシステム
を利用して画像形成を行うことを特徴とする。つまり、
転写後、潜像担持体をクリーニングして潜像担持体上の
トナーを回収し、回収したトナーを現像工程に再使用す
ることを特徴とする。
【0125】図1は、本発明の画像形成方法に適用でき
うる画像形成装置の一例を示したものである。但し、画
像形成に必要である露光系、搬送系、定着装置等は省略
してある。
【0126】この画像形成装置において、まず1次帯電
器1のコロナ放電により潜像担持体(感光ドラム)2の
表面を均一に帯電させ、次いで露光系(省略)により潜
像担持体2上に像露光を行い、潜像を形成させる。次
に、現像器3内に収容されたトナーが、現像スリーブと
ブレードに印加された現像バイアスによって潜像担持体
2上に飛翔し、潜像が現像されてトナー像を形成する。
なお、現像器3内のトナー量は、トナーの消費とともに
随時補給用ホッパー4よりトナーが補給されることによ
り一定に保たれている。さらに必要に応じて転写前帯電
器5により潜像担持体2上の余分な電荷を除去したの
ち、バイアスを印加した転写帯電器6により、トナー像
を転写材(省略)へ転写し、バイアスを加えた分離帯電
器7によって転写材は潜像担持体2から分離され、定着
装置(省略)により熱ロール定着され定着画像が形成で
きる。一方、転写工程終了後、潜像担持体2上に残存し
たトナーはクリーナー8のクリーニングブレードによっ
てかき落され、回収される。クリーニングされた潜像担
持体2は次の複写に供されるが、クリーナー8に回収さ
れたトナーは搬送スクリューを設けた廃トナー配送用パ
イプ9により、現像工程に戻されて再使用される。
【0127】なお、図1では廃トナーはトナー補給用ホ
ッパー4にもどす仕組みになっているが、現像器3に直
接もどるような系であっても何ら問題はない。
【0128】
【実施例】以下、具体的実施例を用いて、本発明を詳細
に説明するが、本発明は何らこれらに限定されるもので
はない。なお、以下の配合における部数はすべて重量部
である。
【0129】(合成例1) スチレンモノマー 75部 アクリル酸n−ブチル 15部 ジ−tert−ブチルパーオキサイド 10部 上記各成分を、還流温度まで加温したクメン200部中
に4時間かけて滴下した。さらにクメン還流下(140
〜160℃)で溶液重合を完了し、クメンを除去した。
【0130】このようにして得られた共重合体30部を
下記単量体混合物に溶解し、混合溶液とした。
【0131】 スチレンモノマー 38部 アクリル酸n−ブチル 22部 マレイン酸モノブチル 10部 ジビニルベンゼン 0.3部 ベンゾイルパーオキサイド 1部 tert−ブチルパーオキシ−2−エチル−ヘキサノエート 0.7部 上記溶液にポリビニルアルコール部分ケン化物0.1部
を溶解した水170部を加え、懸濁分散液とした。水3
0部を入れ、窒素置換した反応器に上記懸濁分散液を添
加し、反応温度90℃で7時間懸濁重合反応させた。反
応終了後に濾別、脱水、乾燥し、樹脂組成物Aを得た。
【0132】(合成例2) スチレンモノマー 70部 アクリル酸n−ブチル 20部 ジ−tert−ブチルパーオキサイド 10部 上記各成分を、合成例1と同様の方法によって溶液重合
を行ない、共重合体を得た。次に、 上記共重合体 30部 スチレンモノマー 40部 アクリル酸2−エチルヘキシル 15部 マレイン酸モノブチル 15部 ジビニルベンゼン 0.5部 ベンゾイルパーオキサイド 1.2部 tert−ブチルパーオキシ−2−エチル−ヘキサノエート 0.8部 上記各成分を、合成例1と同様の手段により懸濁重合を
行ない、樹脂組成物Bを得た。
【0133】(合成例3) スチレンモノマー 100部 ジ−tert−ブチルパーオキサイド 4部 上記成分を合成例1と同様にして溶液重合を行ない、共
重合体を得た。
【0134】 上記共重合体 40部 スチレンモノマー 30部 アクリル酸n−ブチル 20部 マレイン酸モノブチル 10部 ジビニルベンゼン 0.2部 ベンゾイルパーオキサイド 0.8部 上記材料を用いて合成例1と同様に懸濁重合を行ない、
樹脂組成物Cを得た。
【0135】(合成例4) スチレン 75部 アクリル酸n−ブチル 20部 マレイン酸モノブチル 5部 ジビニルベンゼン 0.1部 アゾビスバレロニトリル 0.8部 上記材料を用いて合成例1と同様に懸濁重合を行ない、
樹脂A’を得た。
【0136】 スチレン 72部 アクリル酸n−ブチル 24部 マレイン酸モノブチル 4部 ジ−tert−ブチルパーオキサイド 1部 上記材料を、加熱したトルエン200部中に4時間かけ
て滴下した。さらにトルエン還流下で重合を完了し、高
分子量側の樹脂A’をA’:本重合体=7:3となるよ
うに反応混合液に加え、良く撹拌した後、減圧下で昇温
(120℃)させながらトルエンを除去し、樹脂Dを得
た。
【0137】(比較合成例1)合成例4において懸濁重
合によって合成した樹脂A’をそのまま用いた。
【0138】(比較合成例2)合成例1において、マレ
イン酸モノブチルを加えなかった以外は、合成例1と同
様の手段により重合を完了させ、樹脂組成物B’を得
た。
【0139】(比較合成例3)合成例4において、高分
子側の樹脂A’をA’:低分子側の重合体=2:8とな
るようにして混合、重合させる以外は、合成例4と同様
にして樹脂組成物C’を得た。
【0140】実施例1 樹脂組成物Aを100部、マグネタイトを80部、例示
錯体[I]−2を2部、低分子量ポリプロピレンを3部
秤量し、これらをヘンシェルミキサーで前混合したあ
と、120℃で2軸混練押出機によって溶融混練を行な
った。混合物を放冷後、カッターミルで粗粉砕した後、
ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、さらに
風力分級機を用いて分級し、重量平均粒径9.20μm
の黒色微粉体(トナー)を得た。トナー化したときの樹
脂成分の平均分子量を表2に示した。
【0141】このトナーのメルトインデックス値は、1
25℃,10kgの条件下でJISK 7210号記載
の装置を用いて行なったところ、3.0であった。
【0142】上記トナー100部に対し、疎水化処理を
行なった負帯電性シリカ微粉体0.6部を加え、乾式混
合し、現像剤とした。
【0143】この現像剤を図1に示したように改造を加
えたキヤノン製複写機NP5060(アモルファスシリ
コン感光体使用)によって画像評価を行なった。
【0144】画像評価の結果は良好であり、リサイクル
系による連続コピーにおいても何ら問題はなかった。さ
らに20万枚画出し後、画像面積比率が6%であるよう
なA4サイズの原稿を用いてトナー消費量を調べてみた
ところ、0.049g/枚であった。
【0145】ここで、定着性は、低温低湿度環境(15
℃,10%)にて、評価機を1晩放置し、評価機及びそ
の内部の定着器が完全に低温低湿度環境になじんだ状態
から、連続200枚の複写画像をとり、その複写画像の
200枚目を定着性の評価に用いた。定着性の評価は画
像をシルボン紙で往復10回,約100g荷重でこす
り、画像のはがれを反射濃度の低下率(%)で評価し
た。
【0146】また、オフセット性は、定着ローラのクリ
ーニング機構を取りはずし、何枚の複写で画像が汚れる
かあるいはローラが汚れるかということを耐複写枚数で
評価した。
【0147】ブロッキング性は、約10gのトナーを1
00ccのポリカップに入れ、50℃で1日放置した時
の凝集度の変化で調べた。凝集度は細川ミクロン社製の
パウダーテスターにより測定した。ブロッキング性の示
標は室温放置品と50℃/1日放置品の凝集度差にし
た。
【0148】樹脂成分の分子量分布の測定には、GPC
(Waters社製の高速液体クロマトグラフ150
C)を用い、カラムは、昭和電工社製のShodex
GPCKF−801、802、803、804、80
5、806、807、800Pの組合せを用いた。試料
濃度は、樹脂成分5mg/mlとなるように調製した。
【0149】実施例2〜7及び比較例1〜4 トナー処方に関しては表1に、トナー化したときの樹脂
成分の平均分子を表2に、評価結果については表3にま
とめた。なお、トナー製造方法、画像評価方法について
はすべて実施例1と同じ条件にて行なった。
【0150】ただし、実施例5においては、外添シリカ
をアミノ変成シリコーンオイル処理を行なった正帯電性
シリカ微粉体にかえた。また、評価機はNP5060を
反転現像用に変換したものによって行なった。
【0151】さらに、実施例6では、現像器を非磁性ト
ナー用のものにかえ、キャリアとしては、フッ素樹脂で
表面を被覆したフェライトキャリア(粒径80μm)を
用い、キャリアに対するトナーの混合比を8重量%とし
た。
【0152】実施例7においては、実施例1と同じトナ
ーを用いたが、未転写トナー(廃トナー)が直接現像器
に戻る構成にしたもので行なった。
【0153】比較例1では、トナー中の樹脂成分の超高
分子量成分が少なくなった。リサイクル系における複写
画像については、実施例で使用したものと比べて大差は
見られなかったが、トナー製造時における粉砕性及び低
湿度環境下における定着性が若干劣っていることが確認
できた。
【0154】比較例2においては、酸成分を含有しない
重合体を結着樹脂として選択した。(酸価は0.0であ
った)このためトナー製造時の溶融混練時において金属
化合物との架橋反応が行なわれず、トナーにおける高分
子量成分の割合が少なくなった。よって、該トナーを評
価した際には、表3で示したような弊害を発生せしめる
原因となった。また、20万枚耐久後の未転写トナーを
SEMで観察したところ、表面が剥離したり、内側から
砕けているものが数多く見られた。
【0155】比較例3では、低分子量成分の多い樹脂を
用いたため、トナーにおける樹脂成分のMw/Mnが小
さくなった。そのため、表3のような結果が得られた。
【0156】比較例4では未転写トナー(廃トナー)を
リユースしない系にて評価を行なった。終始画像性等は
何ら問題なかったが、トナー消費量が0.059g/枚
と実施例1の場合と比べて20%も増加していた。
【0157】
【表1】
【0158】
【表2】
【0159】
【表3】
【0160】
【発明の効果】本発明の静電荷像現像用トナーにおいて
は、これまでのトナーに関連した問題が著しく改善さ
れ、耐オフセット、耐ブロッキングに優れ、低温定着
性、現像性に対しても良好な結果を与えることができ
る。さらに、廃トナーを回収し、現像工程で再利用をす
るシステムに用いた場合、長期間、多数枚にわたる複写
においても、終始高い反射画像濃度を維持し、カブリ及
びトナー飛散の発生も起こらない複写画像が得られる。
さらに、廃トナーを再利用できることにより、トナーの
有効利用が可能となり、少ないトナー消費量で高い反射
画像濃度を得ることができる。
【0161】すなわち樹脂成分が高分子量成分を多く含
む巾広い分子量分布を有することができ、その結果、該
トナーをリサイクル系に用いた場合でも、高分子成分に
よるトナーの強靭化が実現でき、機械的衝撃による破損
を受けることがないため、終始安定した現像性が得られ
るうえ、低分子量成分により十分な定着性をも得ること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例において画出しに用いた現像
装置の概略的な断面図を示した図である。
【符号の説明】
1 1次帯電器 2 潜像担持体(感光ドラム) 3 現像器 4 トナー補給用ホッパー 5 転写前帯電器 6 転写帯電器 7 分離帯電器 8 クリーナー 9 搬送スクリューを設けた廃トナー配送用パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海野 真 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜像担持体上の潜像を現像してトナー像
    を形成し、形成したトナー像を潜像担持体から転写材へ
    転写し、転写後の潜像担持体をクリーニングして潜像担
    持体上のトナーを回収し、回収したトナーを現像部側に
    供給して現像工程に使用する画像形成方法において使用
    される静電荷像現像用トナーにおいて、該静電荷像現像
    用トナーが少なくともバインダー樹脂及び着色剤を含有
    し、かつ、樹脂成分のゲルパーミエーションクロマトグ
    ラフィ(GPC)により測定される分子量分布で、重量
    平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw
    /Mn)が100以上であることを特徴とする静電荷像
    現像用トナー。
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