JPH0675326U - コーヒー抽出器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的少量のコーヒーを抽出しようとすると
きには網板に対する湯の通過速度を適当に遅くして、コ
ーヒー粉の量が多くても少くても、同様に風味の良いコ
ーヒーを抽出することができるコーヒー抽出器を提供す
る。 【構成】 網板６を上下にＡ，Ｂ，Ｃの３つに区分し、
下部区域の濾過孔９の開口率を上部区域のそれより順次
小さく設定し、抽出するコーヒーの量に応じて濾過速度
を選択できるようにした。コーヒー抽出器１で、少量の
コーヒーを抽出するとき、小量のコーヒー粉を網板６の
下部に集中して収容する。網板６の下部区域は濾過孔９
の開口率が小さいから、湯が網板６を通過する速度が適
度に制限され、十分な時間をかけてコーヒーの抽出が行
われる。コーヒー粉の量が比較的多い場合には、湯を注
ぐとコーヒー粉が網板６の全体に広がって、濾過孔９を
適当に埋めるため、同様に十分な時間をかけてコーヒー
の抽出が行われる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、コーヒー粉を入れて湯を注ぐことにより、こし網を介してコーヒー を抽出する漏斗式のコーヒー抽出器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、金属製の薄板に微細な濾過孔を多数形成して成る網板を断面ほぼＶ字状 に配置して合成樹脂製の枠体に組み付けて成るコーヒー抽出器が知られている（ 例えば、ドイツ国特許第２１５３９０１号明細書）。このようなコーヒー抽出器 においては、同断面積の濾過孔が網板の全面にわたって均等に配列されているた め、比較的少量のコーヒーを抽出しようとするときに、網板に対する湯の通過速 度が速すぎるため、コーヒーが必要な濃度に抽出されず、風味の良いコーヒーが できない難点がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って、本考案は、比較的少量のコーヒーを抽出しようとするときには網板に 対する湯の通過速度を適当に遅くして、コーヒー粉の量が多くても少くても、同 様に風味の良いコーヒーを抽出することができるコーヒー抽出器を提供すること を課題としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案においては、上記課題を解決するため、網板６を上下に少なくとも２つ の区域に区分し、下部区域の濾過孔９の開口率を上部区域の濾過孔９の開口率よ り小さく設定し、抽出するコーヒーの量に応じて濾過速度を選択できるようにし てコーヒー抽出器１を構成した。

【０００５】

【作用】

本考案のコーヒー抽出器１において、比較的少量のコーヒーを抽出しようとす るとき、コーヒー粉も小量であるから、網板６の下部、即ち、底の部分に集中し て収容される。網板６の下部区域は濾過孔９の開口率が比較的小さいから、湯が 網板６を通過する速度が適度に制限され、十分な時間をかけてコーヒーの抽出が 行われる。これにたいして、コーヒー粉の量が比較的多い場合には、湯を注ぐと コーヒー粉が網板６の全体に広がって、濾過孔９を適当に埋めるため、同様に、 湯が網板６を通過する速度が適度に制限され、十分な時間をかけてコーヒーの抽 出が行われる。

【０００６】

【実施例】

図面を参照して本考案の一実施例を説明する。図１はコーヒー抽出器の分解斜 視図、図２はコーヒー抽出器の正面図、図３はコーヒー抽出器の縦断正面図、図 ４はコーヒー抽出器の縦断側面図、図５は網板の濾過孔の拡大図である。

【０００７】 図において、コーヒー抽出器１は、漏斗状のドリッパー２と、ドリッパー２に 着脱自在のリング状のホルダー３とを有する。ホルダー３は、ドリッパー２をポ ットＰの開口縁の上に支持するためのものである。

【０００８】 ドリッパー２は、開口４を有するほぼ円錐形の合成樹脂製の枠体５と、この枠 体５の開口４に適合するように、ほぼＶ字状に湾曲して張られた網板６とを有す る。枠体５の下部外周には、ホルダー３を係合させるための嵌合溝７が水平に形 成されている。

【０００９】 網板６は、枠体５の開口４と相似形のほぼ楕円形を成す１枚の薄い網板材から 成る。網板６の周縁は、開口４の周縁と相似形の押さえ枠８と開口４の周縁との 間に挾まれ、両者に溶着されている。この実施例において、網板６は、電気鋳造 の方法により製作され、厚さ７０μのニッケル合金製のもので、ほぼ全面に多数 の濾過孔９を備えている。濾過孔９は、図５に示すような長孔で、縦横に当間隔 で列設されている。濾過孔９は、全て長さ２mmであるが、幅は４５μ、５０μ、 ６０μの３種があり、図３において２点鎖線で区画したＡ区域に４５μのものが 、Ｂ区域に５０μのものが、Ｃ区域に６０μのものが配置されており、Ｂ区域は Ｃ区域の８５％、Ａ区域はＣ区域の７０％の開口率と、順次下方の区域の開口率 が小さくなっている。

【００１０】 ホルダー３は、内周に係合突条１０を有すると共に、この突条１０の末端に突 設されたストッパ突起１１を有する。係合突条１０は、ドリッパー２をホルダー ３に嵌め込んで、ストッパ突起１１が開口４の縁に当接するまで相対回転させる ことにより、嵌合溝７に係合させることができる。

【００１１】 この実施例のコーヒー抽出器１を用いてコーヒーを抽出する場合には、図２に 示すように、ホルダー３をポットＰの開口の上に掛けてセットし、ドリッパー２ 内にコーヒー粉を入れ、これに湯を注いで網板６で濾過する。しかして、比較的 少量のコーヒーを抽出しようとするときには、コーヒー粉も小量であるから、網 板６の下部、即ち、底の部分に集中して収容する。網板６の下部区域Ａ，Ｂは濾 過孔９の開口率が比較的小さいから、湯が網板６を通過する速度が適度に制限さ れ、十分な時間をかけてコーヒーの抽出が行われる。これにたいして、コーヒー 粉の量が比較的多い場合には、湯を注ぐとコーヒー粉が網板６の全体に広がって 、濾過孔９を適当に埋めるため、同様に、湯が網板６を通過する速度が適度に制 限され、十分な時間をかけてコーヒーの抽出が行われる。使用後には、ドリッパ ー２からホルダー３を取り外せば簡単に洗浄することができ、機器を清潔に保つ ことができる。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように、本考案においては、網板６を上下に少なくとも２つの区域に区 分し、下部区域の濾過孔９の開口率を上部区域の濾過孔９の開口率より小さく設 定し、抽出するコーヒーの量に応じて濾過速度を選択できるようにしてコーヒー 抽出器１を構成したため、比較的少量のコーヒーを抽出しようとするときに、網 板に対する湯の通過速度を適当に遅くして、コーヒー粉の量が多くても少くても 、同様に風味の良いコーヒーを抽出することができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】コーヒー抽出器の分解斜視図である。

【図２】コーヒー抽出器の正面図である。

【図３】コーヒー抽出器の縦断正面図である。

【図４】コーヒー抽出器の縦断側面図である。

【図５】網板の濾過孔の拡大図である。

【符号の説明】

１ コーヒー抽出器 ２ ドリッパー ３ ホルダー ４ 開口 ５ 枠体 ６ 網板 ９ 濾過孔 Ａ，Ｂ，Ｃ 区域

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製の薄板に微細な濾過孔を多数形成
   して成る網板を断面ほぼＶ字状に配置して合成樹脂製の
   枠体に組み付けて成るコーヒー抽出器において、前記網
   板を上下に少なくとも２つの区域に区分し、下部区域の
   濾過孔の開口率を上部区域の濾過孔の開口率より小さく
   設定し、抽出するコーヒーの量に応じて濾過速度を選択
   できるようにしたことを特徴とするコーヒー抽出器。