JPH0674775A - 光ファイバジャイロスコープ - Google Patents

光ファイバジャイロスコープ

Info

Publication number
JPH0674775A
JPH0674775A JP22625392A JP22625392A JPH0674775A JP H0674775 A JPH0674775 A JP H0674775A JP 22625392 A JP22625392 A JP 22625392A JP 22625392 A JP22625392 A JP 22625392A JP H0674775 A JPH0674775 A JP H0674775A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical fiber
coupler
polarization
polarizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22625392A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigefumi Yamazaki
成史 山崎
Kuniharu Himeno
邦治 姫野
Ryozo Yamauchi
良三 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujikura Ltd filed Critical Fujikura Ltd
Priority to JP22625392A priority Critical patent/JPH0674775A/ja
Publication of JPH0674775A publication Critical patent/JPH0674775A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率よく、かつ、安定した光を偏光子に供給
するとともに、スケールファクタや零点安定性の優れた
光ファイバジャイロスコープを提供する。 【構成】 偏波保持光ファイバによって構成され、発光
素子21から照射された光を分岐する偏波カプラ20
と、偏波カプラ20により分岐された光を直線偏光させ
る偏光子25と、偏光子25から出射された光を分岐す
る光ファイバカプラ26と、シングルモード光ファイバ
によって構成され、光ファイバカプラ26に接続された
センシングループ27と、センシングループ27の一部
に設けられ、入射された直線偏光を無偏光状態に変える
デポラライザ29と、センシングループ27の一部に設
けられ、センシングループ27内を伝搬される光を位相
変調する位相変調器28とを設ける。そして、偏波カプ
ラ20によって分岐された光を受光素子30によって受
光し、受光素子30から出射される干渉光の強度を検出
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航空機、ロケット、船
舶、あるいは、自動車などの移動体の回転角速度を検出
する光ファイバジャイロスコープに関し、特に、位相変
調方式を用いた干渉型の光ファイバジャイロスコープに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の干渉型の光ファイバジャイロスコ
ープは、長尺のシングルモードの光ファイバからなるセ
ンシングループを有しており、このセンシングループ内
を対向して伝搬する2つの光の位相差、すなわち、時計
回り方向(以下、CW方向という)に伝搬する光(以
下、CW光という)と反時計回り方向(以下、CCW方
向という)に伝搬する光(以下、CCW光という)の位
相差が、移動体の移動によってセンシングループが受け
る角速度に比例することを利用して、その位相差をCW
光とCCW光との干渉光から求め、その位相差に基づい
て角速度を検出している。
【0003】図2は上述した光ファイバジャイロスコー
プの動作原理をさらに詳細に説明するための図である。
発光素子1から照射された単色光は、ビームスプリッタ
2によって2つの光に分けられた後、それぞれレンズ3
および4を経て、光ファイバによって構成されるセンシ
ングループ5のそれぞれの両端5aおよび5bに入射さ
れる。次に、センシングループ5にそれぞれ入射された
光は、それぞれCW方向およびCCW方向へセンシング
ループ5内を伝搬した後、再びビームスプリッタ2によ
って合成されて干渉光として光検出器6によって受光さ
れる。
【0004】このとき、センシングループ5が角速度Ω
で回転しているとすると、センシングループ5内のそれ
ぞれの伝搬光、すなわち、CW光およびCCW光が静止
状態の時に比べてそれぞれ異なった方向に位相差を生じ
るので、これを検出し、この位相差に基づいて角速度Ω
を求めることができる。このCW光とCCW光とに位相
差が生じる現象は、サニャック効果と呼ばれ、かなり古
くから知られているが、光ジャイロスコープによって初
めて実用的に利用されたのである。
【0005】ところで、センシングループ5がCW方向
の角速度を受ける場合、センシングループ5内を通過
し、ビームスプリッタ2の手前まで伝搬したCW光およ
びCCW光のそれぞれの電界強度をそれぞれE1および
2とすると、それぞれは、サニャック効果による位相
のズレを異なった方向に受け、次の式で表される強さと
なる。 E1=ECW×sin{ωt+(Δφ/2)}……(1) E2=ECCW×sin{ωt−(Δφ/2)}……(2) (1)および(2)式において、ECWおよびECCWは、
単色光がビームスプリッタ2により分けられた後、CW
方向およびCCW方向のそれぞれへ伝搬するCW光およ
びCCW光の電界強度、tは時間、Δφはサニャック効
果により生じたCW光とCCW光との位相差である。
【0006】なお、位相差Δφは、角速度Ωと次式の関
係を持つことが知られている。 Δφ={(4πaL)/(cλ)}×Ω……(3) (3)式において、Lおよびaは、それぞれセンシング
ループ5の長さおよび半径、cは真空中の光速度、λは
光の波長である。この(3)式を用いて移動体の正確な
角速度Ωを求めるためには、正確な位相差Δφを知るこ
とが要求されるので、従来より、位相差Δφを精度良く
検出する様々な方法が提案されてきた。
【0007】いっぽう、上述した様々な方法を用いずに
位相差Δφを検出する場合、つまり、原理的な構成であ
る図2に示す光ファイバジャイロスコープを用いて角速
度を測定した場合において、光検出器6で得られる光出
力Pは、ビームスプリッタ2で合波される光の電界強度
1およびE2の単なる干渉光強度であり、次式で表され
る。 P(Δφ)=A×{1+B×cos(Δφ)}……(4) (4)式において、AおよびBは電界強度ECWおよびE
CCWで決まる定数である。この(4)式で示されるよう
に、干渉出力Pは、cos(Δφ)に比例した変化をす
るために、位相差Δφが0に近い値、つまり、移動体の
微小な回転の検出は、非常に困難である。また、図2に
示す光ファイバジャイロスコープにおいては、位相差Δ
φの符号に係わらず得られる出力が同じであるため、移
動体の回転の方向が判別できないという問題もあり、こ
のままでは精密に位相差Δφを測定することはできな
い。
【0008】そこで、上述した問題を解決するために、
いくつかの方法が提案されているが、そのなかで位相変
調方式と呼ばれる方式が分解能および零点安定性の点で
優れた方式でありながら、比較的単純な構成であるた
め、光ファイバジャイロスコープの主流のひとつになっ
ている。この位相変調方式においては、センシングルー
プの一部で伝搬光の位相変調を行い、出力光の変調信号
を調べて角速度を検出する。
【0009】ここで、位相変調方式について以下に説明
する。図3は最も一般的、かつ、基本的な位相変調方式
を採用した実際的な光ファイバジャイロスコープの構成
例を示す概略図である。図3に示す光ファイバジャイロ
スコープおいては、実用化するために、図2に示すビー
ムスプリッタ2の代わりに、光ファイバカプラ7および
8が用いられており、可能な限り光ファイバだけで構成
する手法が取られている。
【0010】図3において、発光素子9から照射された
単色光は、レンズ10を経て、光ファイバ11の一端1
1aに入射された後、光ファイバカプラ7および光ファ
イバ12を経て、偏光子13によって直線偏光させられ
た後、光ファイバ14および光ファイバカプラ8を経
て、センサを構成するセンシングループ15に端部15
aから入射される。センシングループ15は、ループ径
を大きくせずに感度を上げるために、光ファイバを多数
回巻いてコイル状に形成してループ長をかせいでいる。
【0011】ところで、図3に示す光ファイバジャイロ
スコープにおいては、たとえば、CW光はビームスプリ
ッタ2内で2回の反射を受けるのに対して、CCW光は
ビームスプリッタ2内で2回の透過を受けるので、CW
光とCCW光とでは違った履歴を経ることになる。した
がって、厳密にはCW光とCCW光との光路長が等しく
ならず、位相差が生じてしまう。また、温度変化による
光路長差の変化も懸念されるので好ましくない。そこ
で、図3に示す光ファイバジャイロスコープおいては、
光ファイバカプラ7および8を2つ用いて、センシング
ループ15内を伝搬するCW光とCCW光とができるだ
け同じ履歴を受けるようにしている。
【0012】また、図3においては、位相変調のため
に、センシングループ15の端部15bに近い部分に位
相変調器16が挿入されている。この位相変調器16
は、多くの場合、円筒状のピエゾ素子の外周に、光ファ
イバを複数回巻き付けたものであり、図示せぬ発振器に
より周波数fmで駆動される。ピエゾ素子は、駆動電圧
に応じてその直径を変化させるので、それに伴ってこの
ピエゾ素子の外周に巻き付けられた光ファイバが伸び縮
みする。これにより、センシングループ15の伝搬光が
位相変調を受けることになる。この場合、位相変調器1
6がセンシングループ15に対して非対象な位置に設け
られているので、CW光およびCCW光は、それぞれ異
なったタイミングで位相変調を受けることになる。
【0013】この光ファイバジャイロスコープのよう
に、位相変調器16がセンシングループ15の端部5b
の近傍に設けられている場合、伝搬光の位相変調を受け
るタイミング差Tは、次式で表される。 T=(n/c)×L……(5) (5)式において、nは光ファイバのコアの屈折率、L
はセンシングループ15の長さである。
【0014】また、CW光およびCCW光のそれぞれの
電界強度E1およびE2は、上述した(1)および(2)
式に位相変調項を加えた次式で表される。 E1=ECW×sin{ωt+(Δφ/2)+b×sin(ωmt+ψ)}……(6 ) E2=ECCW×sin{ωt−(Δφ/2)+b×sin(ωmt)}……(7) (6)式において、ψは位相変調を受けるタイミング差
による項であり、ψ=ωmT=2πfmTで表される。
【0015】そして、CW光およびCCW光は、センシ
ングループ15の端部15bから光ファイバカプラ8に
入射され、光ファイバカプラ8において合成された後、
光ファイバ14、偏光子13および光ファイバ12を経
て、光ファイバカプラ7により2つに分けられた後、光
ファイバ17を経て受光素子18によって受光される。
この時の受光素子18の出力は、(E1+E22に比例
するので、これに(6)式および(7)式を代入する
と、検出される交流成分Iは次式のように表される。 I∝ECW×ECCW×cos〔Δφ+2b×sin(ψ/2)×cos{ωmT+( ψ/2)}〕……(8) そして、(8)式の右側を展開すると、次式が得られ
る。 ECW×ECCW×〈cos(Δφ)×cos〔2b×sin(ψ/2)×cos{ ωmt+(ψ/2)}〕+sin(Δφ)×sin〔2b×sin(ψ/2)× cos{ωmt+(ψ/2)}〕〉……(9) (9)式において、第1項および第2項は、ベッセル関
数を使って展開されて次式が得られる。
【数1】 (10)式において、η=2b×sin(ωmT/2)
である。
【0016】次に、受光素子18によって受光された光
を変調周波数(基本波)fmで同期検波すると、(1
0)式の1次のベッセル関数の項J1(η)×sin
(Δφ)×cos〔ω0{t−(T/2)}〕のみが検
出され、干渉出力は、sin(Δφ)に従った変化をす
るので、移動体の微小回転の検出の精度が、図2に示す
光ファイバジャイロスコープより向上する。そして、感
度を最大にするためには、J1(η)が最大値(1.
8)をとるように、bの値を変調周波数の振幅を調整す
ることにより最適化すればよい。
【0017】また、受光素子18によって受光された光
を変調周波数(基本波)fmで同期検波すると同時に、
高調波成分を検出することで、2次、3次、4次といっ
たベッセル関数の項を検出してそれぞれの値の関数を使
ってより正確な位相差Δφの検出をおこなうことも可能
である。たとえば、ベッセル関数の偶数次の項で1次の
項の成分を割ることにより、光量に関する項は打ち消し
あうので、光量の変動による検出信号の変動を押さえる
ことができる。また、2次の項が0の時、4次の項が最
大値をとることを利用して、4次の項で位相差Δφの変
化を測定し、かつ、2次の項を0に固定することによ
り、位相変調器18の変調度を安定化した測定をするこ
とができる。以上が位相変調方式による移動体の角速度
の検出原理である。
【0018】ところで、光ファイバジャイロスコープに
おいては、光の位相変化を測定するので、シングルモー
ド光ファイバが用いられなければならない。しかしなが
ら、製造上生じてしまう光ファイバの非軸対象性のため
に、光ファイバを伝搬するモードは、実際には、シング
ルモードだけではなく、偏波が直交する2つのモードが
異なった伝播定数を持って存在する。この2つのモード
は、異なった伝搬定数のために、同じ距離の伝搬でも光
路長が異なってしまう。そのため、光ファイバジャイロ
スコープに角速度が働いていないときでも、光路長、つ
まり、位相差の異なる光が干渉してしまい、光ファイバ
ジャイロスコープの出力が0にならずに、ドリフトを発
生してしまうのである。
【0019】したがって、単一の偏波のみを取り扱うこ
とが要求され、そのために、図3に示す光ファイバジャ
イロスコープにおいては、2つの光ファイバカプラ7と
8との間に、偏光子13が設けられているのである。こ
の光ファイバジャイロスコープに用いられる偏光子13
としては、偏波保持光ファイバを所定の径のリールに巻
くことにより、伝搬する2つの偏波のうち片側だけを漏
洩させる光ファイバ型偏光子、非常に薄い積層型偏光素
子を偏波保持光ファイバの間に挟んだインラインタイ
プ、あるいは、偏波保持光ファイバの一部のコア近傍の
側面にアルミニウムや銀等の金属などを蒸着して片側の
偏波モードだけを吸収する方式などが実用的に用いられ
る。
【0020】しかしながら、偏光子13を用いるだけで
は充分ではない。というのは、上述した2つの偏波の伝
播定数の違いはわずかであるので、光ファイバの曲げや
温度変化などの外部から受ける物理的な環境変化などに
より、伝搬定数が変化し、それにより、両モード間にモ
ード変換が生じ、偏光状態が変化してしまうからであ
る。このため、偏光子13を経て得られる直線偏光は、
センシングループ15を通過して偏光子13まで戻って
きたときに偏波が回転していると、回転角の余弦成分し
か取り出せないので、回転角の変動が出力変動になって
しまう。また、地磁気の影響が及ぼすファラデー効果に
よる偏波面の回転の問題も指摘されている。
【0021】これらの問題を解決するためには、センシ
ングループ15は、偏波保持光ファイバで構成されるこ
とが望ましいとされている。というのは、偏波保持光フ
ァイバにおいては、上述した2つのモードの伝搬定数の
差を大きく取ってあるので、2つの偏波は、お互いに独
立して伝搬し、偏波の回転や直線偏光の楕円化がほとん
ど起こらないからである。このため、高精度をめざした
光ファイバジャイロスコープには、構成される全ての光
ファイバに偏波保持光ファイバが用いられている。しか
しながら、価格的な制限の大きい中精度や低精度の光フ
ァイバジャイロスコープにおいては、高価な偏波保持光
ファイバをセンシングループ15に用いることはコスト
アップにつながるために好ましくない。
【0022】そこで、センシングループ15に通常のシ
ングルモードの光ファイバで構成しても、上述した問題
の影響を余り受けないような方式が提案され、現在、一
般的に使われている。以下、その方式について説明す
る。図4は通常のシングルモードの光ファイバで構成さ
れた光ファイバジャイロスコープの一般的な構成例の概
略図である。図4において、図3の各部に対応する部分
には同一の符号を付け、その説明を省略する。図4に示
す光ファイバジャイロスコープは、図3に示す光ファイ
バジャイロスコープに比べて、センシングループ15の
一部にデポラライザ19が用いられることが大きな違い
である。なお、図4において、●は、接続点を意味して
いる。
【0023】デポラライザ19は、入射される直線偏光
を無偏光状態に変える光学部品であり、Lyotタイプ
のデポラライザがよく知られている。そして、図4に示
す光ファイバジャイロスコープにおいては、偏波保持光
ファイバを用いたこのタイプのデポラライザが使用に適
している。というのは、作製が簡便であり、また、光フ
ァイバ型の光学部品であるので、扱い易いからである。
ここで、光ファイバ型のデポラライザについて以下に簡
単に説明する。まず、その構成は、2本の偏波保持光フ
ァイバからなり、互いの複屈折主軸の角度が45度ずれ
た状態で接続され、1本の光ファイバになっている。こ
の角度ずれにより入射光の偏波面の角度に関係なく、出
射光の偏波成分がそれぞれ同じ電界強度を有する。
【0024】ただし、この種の光ファイバ型のデポララ
イザを用いるときには、光ファイバの長さについて注意
する必要がある。つまり、それぞれの偏波成分が合波さ
れたときに干渉しないようにするために、入射光のコヒ
ーレント長よりも最初の偏波保持光ファイバで直交する
2偏波の光路長差が長くなるように、光ファイバ長を選
ばなければならない。
【0025】また、干渉型の光ファイバジャイロスコー
プにおいては、発光素子9には、コヒーレント長が短い
ものが好ましく、スーパールミネッセントダイオードの
ような、コヒーレント長が数百μm以下の発光素子が一
般的に使用されるので、PANDA光ファイバなどの一
般的に入手できる偏波保持光ファイバによってデポララ
イザ19を構成した場合、1本目の光ファイバの長さ
は、1m以下で充分である。
【0026】いっぽう、2本目の光ファイバの長さは、
1本目の2倍の長さが必要である。これは、2本目の光
ファイバを光が伝搬するとき、1本目の光ファイバと同
じ長さまで光が到達したときにある割合の光は、1本目
の光ファイバにおいて生じた光路長差が打ち消されてし
まって干渉成分として残ってしまうからである。そこ
で、これらに注意して作製されたデポラライザ19は、
センシングループ15の途中に挿入されるが、通常は、
作製上の都合から光ファイバカプラ8とセンシングルー
プ15の間に接続される。
【0027】このような構成において、発光素子9から
照射された単色光は、レンズ10を経て、光ファイバ1
1の一端11aに入射された後、光ファイバカプラ7お
よび光ファイバ12を経て、偏光子13によって直線偏
光させられた後、光ファイバ14を経て光ファイバカプ
ラ8に到達する。次に、光ファイバカプラ8により分岐
されたCW光は、デポラライザ19により無偏光になっ
てセンシングループ15を時計方向に伝搬した後、位相
変調器16を通過し、光ファイバカプラ8を経て偏光子
13に入射される。
【0028】いっぽう、光ファイバカプラ8により分岐
されたCCW光は、位相変調器16を経てセンシングル
ープ15の中を反時計廻りに伝搬した後、デポラライザ
19を逆向きに通過して無偏光になり、光ファイバカプ
ラ8においてCW光と合波される。このとき、センシン
グループ15の中で両廻り光の偏波面が回転しても、最
終的には、無偏光で偏光子13に入射されるので、受光
素子18から取り出される電界強度は同じであり、上述
した出力変動を押さえることができる。以上がシングル
モードの光ファイバで構成した光ファイバジャイロスコ
ープによって安定して角加速度を検出する方式の説明で
ある。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の光ファイバジャイロスコープにおいては、実用化の
ためには、さらに、発光素子9から偏光子13に至る部
分について考慮する必要がある。というのは、通常使用
される発光素子9であるスーパールミネッセントダイオ
ードは、偏光特性が大きく、その出射光は、直線偏光に
近いので、シングルモードの光ファイバ11および12
によって偏光子13まで導かれると、偏光軸の回転が起
こる可能性があり、この場合、偏光子13から取り出さ
れる直線偏光は、回転角に従って変動し、これが受光素
子18における出力の変動となってあらわれてしまうの
で、望ましくないからである。
【0030】また、偏光子13を通過する光量を最大に
するためには、発光素子9の直線偏光と偏光子13の複
屈折主軸とを一致させて接続する必要があるが、それに
ついても容易ではない。そこで、上述した問題を解決す
るために、発光素子9と偏光子13との間に実質的なデ
ポラライザを挿入することによって、発光素子9から照
射された光を偏光子13の手前で無偏光化する方式が提
案されている。この方式では、発光素子9から照射され
た光は、デポラライザによって直線偏光から無偏光にな
り、偏光子13へ入射されて直線偏光に変えられるの
で、偏光子13の出力に現れる光量は、一定となり、上
述した光量の変動の問題は解決される。
【0031】しかしながら、この方式を用いた場合に
は、新たに以下に示す問題点が生じる。1つの問題点
は、デポラライザを挿入しない場合と比べて、偏光子1
3を通過する光量が半分になってしまうことである。つ
まり、受光素子18の出力が半分に減少してしまうの
で、位相変化の検出感度が落ちてしまう。もう1つの問
題点は、構成部品および接続点が増えることである。こ
れらの接続点には、通常、融着接続を保護するための可
撓性のない補強チューブが用いられるために、光学系を
組み立てるときの制約が増えて好ましくない。
【0032】また、実質的なデポラライザを構成する手
法としては、偏波保持光ファイバを用いて、その複屈折
主軸を発光素子9の直線偏光に対して45度傾けて接続
する手法が最も単純な構成となる。この手法は、発光素
子9から照射される光が直線偏光に近く、また、偏光方
向が固定されていることを利用している。しかしなが
ら、この手法では、接続点が1箇所増えるとともに、約
1mの偏波保持光ファイバが構成部品として増えてしま
う。本発明は、このような背景の下になされたもので、
効率よく、かつ、安定した光を偏光子に供給することが
できるとともに、スケールファクタや零点安定性の優れ
た光ファイバジャイロスコープを提供することを目的と
する。
【0033】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
発光素子から照射された光を、光方向性結合器によって
分岐した後、光ファイバによって構成されたセンシング
ループ内を時計廻りおよび反時計廻りに伝搬させて再び
前記光方向性結合器によって合波させた後、受光素子に
よって受光する時に、前記センシングループに与えられ
る回転運動を、サニャック効果がもたらす前記センシン
グループ内の時計廻り伝搬光と反時計廻り伝搬光の位相
差を検出することにより、前記センシングループに与え
られた回転運動の回転角速度を求める干渉型の光ファイ
バジャイロスコープにおいて、偏波保持光ファイバによ
って構成されるとともに、前記発光素子および前記受光
素子に接続され、前記発光素子から照射された光を分岐
する第1の光ファイバカプラと、該第1の光ファイバカ
プラにより分岐された光を直線偏光させる偏光子と、該
偏光子に接続され、該偏光子から出射された光を分岐す
る第2の光ファイバカプラと、シングルモード光ファイ
バによって構成され、前記第2の光ファイバカプラに接
続されたセンシングループと、該センシングループの一
部に設けられ、入射された直線偏光を無偏光状態に変え
るデポラライザと、前記センシングループの一部に設け
られ、前記センシングループ内を伝搬される光を位相変
調する位相変調器とを具備し、第1の光ファイバカプラ
によって分岐された光を前記受光素子によって受光し、
前記受光素子から出射される干渉光の強度を検出するこ
とを特徴としている。また、請求項2記載の発明は、請
求項1記載の発明において、前記の第1の光ファイバカ
プラの前記発光素子に接続されている前記偏波保持光フ
ァイバの複屈折主軸が、前記発光素子の直線偏光に一致
して、光が結合されていることを特徴としている。
【0034】
【作用】本発明によれば、発光素子から照射された光
は、その直線偏光の成分が、第1の光ファイバカプラに
よって半分に分岐された後、偏光子をその直線偏光成分
が保存されたまま、通過する。この時、発光素子から照
射された光の偏光状態は、偏光子の伝搬軸に入射される
まで、そのまま保存されて伝搬される。次に、偏光子を
通過した光は、第2の光ファイバカプラによってさらに
半分に分岐された後、センシングループを相反する方向
に伝搬される。この時、伝搬光は、位相変調器によって
位相変調を受けるとともに、デポラライザによって無偏
光化された後、第2の光ファイバカプラによって再び合
波され、偏光子および第1の光ファイバカプラを経て受
光素子によって検波される。
【0035】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の一実施例に
ついて説明する。図1は本発明の一実施例による光ファ
イバジャイロスコープの構成を示すブロック図である。
この図に示す光ファイバジャイロスコープにおいては、
偏光保持光ファイバによって構成された光ファイバカプ
ラ20(以下、偏波カプラ20という)が設けられてい
る。
【0036】偏波カプラ20は、複屈折主軸を同方向に
配列された2本の偏波保持光ファイバを密着させて熱に
よって融着させながら延伸して作製した融着延伸型の光
ファイバカプラであり、クロストークが−20dB以
下、過剰損失が0.5dB以下の特性を満足している。
また、発光素子21には、スーパールミネッセントダイ
オードが用いられており、その発光スペクトルの半値幅
は、10nm以上であり、低コヒーレントな光を発して
いる。
【0037】発光素子21から照射される光は、レンズ
22を経て、光ファイバ23の一端23aから入射され
た後、偏波カプラ20によって複屈折主軸が一致するよ
うに結合される。この実施例においては、光ファイバの
応力付与部の並ぶ方向(x軸)に発光素子21からの入
射光の電界振幅の方向が一致するように調整されてい
る。また、偏波カプラ20の光ファイバ24を介して偏
光子25に接続される側のファイバピグテイルも偏光子
25のピグテイルに光ファイバの複屈折主軸を合わせて
接続されている。
【0038】偏光子25は、複屈折差の比較的大きな偏
波保持光ファイバを直径が数cmのリールに巻いて作製
した光ファイバ型の偏光子であり、その巻径および巻長
を最適化することにより、低損失で消光比が−40dB
以下の偏光子が作製可能である。光ファイバカプラ26
は、2本のシングルモードの光ファイバを用いて融着延
伸法により作製されたものであり、その結合比は、発光
素子21から照射される光の波長で約50%である。
【0039】センシングループ27は、シングルモード
の光ファイバを複数回リールに巻いて作製したものであ
る。また、位相変調器28は、円筒状のピエゾ素子の外
周に、センシングループ27の一部を巻き付けたもので
あり、このピエゾ素子の円筒の外側の電極と内側の電極
に、交流電圧が図示せぬ発振器によって印加されること
により、ピエゾ素子の直径が変化するので、その外周に
巻き付けられた光ファイバの長さが伸び縮みして伝搬光
が位相変調される。
【0040】デポラライザ29は、偏波保持光ファイバ
を2本光学主軸が45度ずれた状態で接続して作製され
るものであり、2本の光ファイバの長さは1対2の比で
あって、長さの短い光ファイバの長さは、光ファイバ中
の2つの偏波モードの光路長差が発光素子21から照射
される光のコヒーレント長を越える長さでなければなら
ない。なお、位相変調器28およびデポラライザ29
は、図1に示すように、別々な個所に配置してもよい
し、続けて配置してもよく、また、その順序も限定され
ない。受光素子30には、PINフォトダイオードを用
い、受光素子30によって検出される光出力は、増幅さ
れて位相変調周波数またはその高調波で同期検波され
る。31および32は光ファイバである。また、図1に
おいて、●は、図4と同様、接続点を意味している。
【0041】このような構成において、発光素子21か
ら照射された光は、レンズ22を経て、光ファイバ23
の一端23aから入射された後、その直線偏光の成分
が、偏波カプラ20の余長ファイバのx軸に入射され、
半分に分岐された後、光ファイバ24を経て、偏光子2
5をその直線偏光成分が保存されたまま、通過する。こ
の時、発光素子21からレンズ22を経て、光ファイバ
23の一端23aから入射される光の偏光状態は、偏光
子25の伝搬軸に入射されるまで、そのまま保存されて
伝搬されるので、発光出力をできる限り損なわずに利用
することができる。
【0042】次に、偏光子25を通過した光は、光ファ
イバ31を経て、光ファイバカプラ26によってさらに
2つに分岐された後、センシングループ27を相反する
方向に伝搬される。この時、伝搬光は、位相変調器28
によって位相変調を受けるとともに、デポラライザ29
によって無偏光化された後、光ファイバカプラ26によ
って再び合波された後、光ファイバ31、偏光子25お
よび光ファイバ24を通過し、偏波カプラ20および光
ファイバ32を経て受光素子30によって検波される。
【0043】以上説明したように、上述した一実施例に
おいては、発光素子21に接続される偏波カプラ20を
偏波保持光ファイバによって構成している。偏波カプラ
20は、光ファイバ中の複屈折軸を伝搬する偏波モード
が保存された状態で光ファイバカプラとして機能する光
ファイバ部品であり、発光素子21の偏光面と偏波カプ
ラ20の複屈折主軸を合わせることにより、発光素子2
1の偏光面を固定したまま、偏光子20の主軸に光を伝
搬できるので、発光素子21の光出力を消費することは
なく、かつ、光量の変動は起きない。しかも、光ファイ
バジャイロスコープの構成部品は増えないので、上述し
た問題点を全て解決できる。
【0044】なお、偏波カプラ20は、従来、その製作
方法のために高価であったが、最近では、かなり安価に
作製できるようになってきている。従来は、以下に示す
研磨方法を用いて偏波カプラを作製していた。まず、偏
波保持光ファイバを溝のあるガラスブロックに光学主軸
を一定の角度に調整して埋め込み、この偏波保持光ファ
イバをブロックごとコアの近傍まで研磨する。次に、研
摩された2つの偏波保持光ファイバを重ね合わせて固定
することにより、偏波カプラを作製する。この研磨方法
では、工程が複雑なために、偏波カプラの低価格化が困
難であった。しかしながら、最近、上述した融着延伸法
により安価に偏波カプラが作製できるようになりつつあ
る。なお、偏波カプラに必要な偏波保持光ファイバの長
さは数mであるが、偏波カプラが量産化されれば、光フ
ァイバカプラの1つを偏波カプラに置き換えても全体の
価格にはあまり影響しないと思われる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
受光素子に接続された光ファイバカプラを偏波カプラに
よって構成したので、発光素子から照射され光は、偏光
子を通過するまで偏波保持光ファイバだけを通過するこ
とになり、効率よく、かつ、安定した光が偏光子に供給
されるという効果がある。したがって、スケールファク
タや零点安定性の優れたシングルモードの光ファイバで
センシングループを構成した光ファイバジャイロスコー
プを構成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による光ファイバジャイロ
スコープの構成を示す概略図である。
【図2】 従来の光ファイバジャイロスコープの基本的
な動作原理を説明するための図である。
【図3】 最も一般的、かつ、基本的な位相変調方式を
採用した実際的な光ファイバジャイロスコープの構成例
を示す概略図である。
【図4】 通常のシングルモードの光ファイバで構成さ
れた光ファイバジャイロスコープの一般的な構成例の概
略図である。
【符号の説明】
20偏波カプラ、21……発光素子、22……レンズ、
23,24,31,32……光ファイバ、25……偏光
子、26……光ファイバカプラ、27……センシングル
ープ、28……位相変調器、29……デポラライザ、3
0……受光素子。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光素子から照射された光を、光方向性
    結合器によって分岐した後、光ファイバによって構成さ
    れたセンシングループ内を時計廻りおよび反時計廻りに
    伝搬させて再び前記光方向性結合器によって合波させた
    後、受光素子によって受光する時に、前記センシングル
    ープに与えられる回転運動を、サニャック効果がもたら
    す前記センシングループ内の時計廻り伝搬光と反時計廻
    り伝搬光の位相差を検出することにより、前記センシン
    グループに与えられた回転運動の回転角速度を求める干
    渉型の光ファイバジャイロスコープにおいて、 偏波保持光ファイバによって構成されるとともに、前記
    発光素子および前記受光素子に接続され、前記発光素子
    から照射された光を分岐する第1の光ファイバカプラ
    と、 該第1の光ファイバカプラにより分岐された光を直線偏
    光させる偏光子と、 該偏光子に接続され、該偏光子から出射された光を分岐
    する第2の光ファイバカプラと、 シングルモード光ファイバによって構成され、前記第2
    の光ファイバカプラに接続されたセンシングループと、 該センシングループの一部に設けられ、入射された直線
    偏光を無偏光状態に変えるデポラライザと、 前記センシングループの一部に設けられ、前記センシン
    グループ内を伝搬される光を位相変調する位相変調器と
    を具備し、 第1の光ファイバカプラによって分岐された光を前記受
    光素子によって受光し、前記受光素子から出射される干
    渉光の強度を検出することを特徴とする光ファイバジャ
    イロスコープ。
  2. 【請求項2】 前記の第1の光ファイバカプラの前記発
    光素子に接続されている前記偏波保持光ファイバの複屈
    折主軸が、前記発光素子の直線偏光に一致して、光が結
    合されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイ
    バジャイロスコープ。
JP22625392A 1992-08-25 1992-08-25 光ファイバジャイロスコープ Pending JPH0674775A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22625392A JPH0674775A (ja) 1992-08-25 1992-08-25 光ファイバジャイロスコープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22625392A JPH0674775A (ja) 1992-08-25 1992-08-25 光ファイバジャイロスコープ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0674775A true JPH0674775A (ja) 1994-03-18

Family

ID=16842300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22625392A Pending JPH0674775A (ja) 1992-08-25 1992-08-25 光ファイバジャイロスコープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0674775A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010054220A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Minebea Co Ltd 光ファイバジャイロ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010054220A (ja) * 2008-08-26 2010-03-11 Minebea Co Ltd 光ファイバジャイロ
US8237932B2 (en) 2008-08-26 2012-08-07 Minebea Co., Ltd. Fiber optic gyroscope with auxiliary function

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5644397A (en) Fiber optic interferometric circuit and magnetic field sensor
CA1276274C (en) Fiber optic rotation sensor utilizing high birefringence fiber and having reduced intensity type phase errors
EP0474389B1 (en) Fiber-optic gyroscope
CN101360969B (zh) 差动式双折射光纤调频连续波萨纳克陀螺仪
US6801319B2 (en) Symmetrical depolarized fiber optic gyroscope
CN111089578B (zh) 一种干涉型光纤陀螺仪
CN101261127A (zh) Mz谐振干涉原理的光纤陀螺仪
CN1307404C (zh) 基于马赫-曾德尔干涉原理的干涉式光纤陀螺仪
US20100238451A1 (en) Depolarizer for a fiber optic gyroscope (fog) using high birefringence photonic crystal fiber
US5606415A (en) Fiber optic gyro with reduced readout reflection coupling characteristics
JPH02173518A (ja) 光ファイバ回転角速度センサ
JPH0674775A (ja) 光ファイバジャイロスコープ
JP2013253922A (ja) 光電流センサ
JPH11352158A (ja) 光ファイバー計測器
JPH07198398A (ja) 光ファイバジャイロ、位相変調器及びその製造方法
JP2751599B2 (ja) 光フアイバジヤイロ
JPH0350964B2 (ja)
JP2591852B2 (ja) 光フアイバジヤイロ
RU2783392C1 (ru) Способ подавления поляризационных амплитудно-частотных шумов в анизотропных волоконно-оптических датчиках
JP2002054933A (ja) 光ファイバジャイロ
JP2571870B2 (ja) 光フアイバジヤイロ
JP2571871B2 (ja) 光フアイバジヤイロ
JPS60140116A (ja) 光フアイバレ−トセンサ
JPH08145696A (ja) 光ファイバジャイロスコープ
Ferrar Progress in fiber optic gyro development