JPH067475B2 - 極端紫外光発生装置 - Google Patents

極端紫外光発生装置

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JPH067475B2
JPH067475B2 JP6686786A JP6686786A JPH067475B2 JP H067475 B2 JPH067475 B2 JP H067475B2 JP 6686786 A JP6686786 A JP 6686786A JP 6686786 A JP6686786 A JP 6686786A JP H067475 B2 JPH067475 B2 JP H067475B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は極端紫外光を発生する装置に係り、特にパタン
形成,薄膜形成,酸化,エツチング等の工程に対して好
適な極端紫外光発生装置に関するものである。
極端紫外光とは、波長にして10〜1000Å程度の光を指
す。この波長領域の光は、気体分子や固体表面の原子層
によつて非常に強く吸収される。紫外光などの光に比
べ、極端紫外光の吸収係数は数桁大きく、非常に効率よ
く吸収され、気体分子や固体表面の原子層は、極端紫外
光を吸収することによつて、電子励起状態、さらにはイ
オン化・分解、あるいは、振動・回転状態に励起される
ため、化学的に非常に反応性に富んだ状態になる。従つ
て、これらの励起された状態を利用することで、効率的
に光反応を引き起こし、薄膜形成,酸化,エツチング,
パタン形成等を効率よく行うことができるので、極端紫
外光を高出力で効率よく発生できるような装置の実現が
要望されている。
〔従来の技術〕
従来、極端紫外光に近い短波長の光を発生する光源とし
ては、水銀ランプ(波長1850Å),Xeランプ(波長>14
70Å),Krランプ(波長>1230Å),Arランプ(波長>
1060Å),He-Cdレーザ(波長3250Å)や、各種のエキ
シマーレーザが用いられてきた。(エキシマーレーザに
は、エキシマー媒体と発振波長との関係によつて、次の
ような各種のものがある。F2-1580Å,Ar2-1260Å,Kr2
-1460Å,Xe2-1720Å,ArCl-1750Å,ArF-1930Å,KrCl
-2220Å,KrF-2490Å,XeBr-2820Å,XeCl-3080Å,XeF
-3520Å)。
また、他に極端紫外光が得られる光源として、分光用の
標準光源として用いられている。H2(波長>900Å),H
e(波長>600Å),Ne(波長>740Å)等のキヤピラリ
放電管や、ウラニウム等の重金属を電極としたBRV光源
(開発者Balloffet,Romand,Vodarの頭文字をとつた
名)のような真空スパーク光源および高密度プラズマを
用いた光源、さらにはシンクロトロン光放射装置(略し
てSR装置)がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
極端紫外光は上述したように非常に吸収され易いため
に、極端紫外光を透過させ、且つ、真空と大気圧とを隔
てることができるような窓材となる物質がないために、
可視光や紫外光には見られない困難な問題がある。すな
わち、現在、最も短い波長まで透過できる窓材は、LiF
(フツ化リチウム)であるが、1060Å以下の波長の光を
透過することはできない。従つて、ガスを封入するため
に窓材を必要とする光源からは、極端紫外光を取り出す
ことができない。上述の各種ランプやガスレーザはガス
封入型の光源であるため、ガス封入管のガラス、例え
ば、石英・MgF2・LiFを透過する波長の光しか発生しな
いため、上述したように、1060Å以下の極端紫外光領域
の光を得ることはできない。
また、上述のキヤピラリ放電管や真空スパーク光源から
発生する極端紫外光は光量が小さく、主に微量の気体等
の吸収係数を調べることはできても、気体分子や固体表
面を励起して、上記の各種製造工程に適用するためには
充分ではなく、また、電極の重金属の蒸発による汚染が
避けられない。
高密度プラズマを光源とする装置も分光用光源として実
験室段階で用いられているが、放電容器内にガスを充満
させて放電する方式であるために、ガス自身による極端
紫外光の吸収等の原因により、光反応を引き起こすため
に充分な光量は得られていない。さらに、高密度プラズ
マ生成過程におけるプラズマの不安定性のために、再現
性・制御性を得るのが困難であり、放電ガスの種類によ
つて放電条件が異なるために、放電ガス種を変えて簡単
にスペクトルを変えることが難しい等の問題がある。
また、SR装置は、電子を光速に近い速度で回転させる必
要があるために、線形加速器、高周波加速器、多くの電
磁石、電子が回転する軌道部分を10-10torr程度の超高
真空に保つための真空排気装置等を必要とし、多量のガ
スを用いる薄膜形成や酸化・エツチング等の光化学反応
に用いることは容易でない。
本発明は、このように従来困難であつた波長1000Å以下
の極端紫外光を高出力で発生することができるととも
に、極端紫外光を取り出すための窓材を必要としない構
造、および高真空を必要としない構造等の問題点を解決
した、実用的な極端紫外光源を提供しようとするもので
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の極端紫外光発生装置はこのような従来技術の問
題点を解決するため、 真空中にあるプラズマに電流を流し、このプラズマを流
れる電流の作り出す自己磁場によつてプラズマを自己収
縮させて高密度プラズマを生成し、このプラズマから極
端紫外光を発生させるようにしたものであり、または、 真空中にあるプラズマに電流を流し、このプラズマを流
れる電流の作り出す自己磁場によつてプラズマを自己収
縮させて高密度プラズマを形成するとともに、プラズマ
を流れる電流に平行な磁場を印加して、このプラズマか
ら極端紫外光を発生させるようにしたものである。
〔作 用〕
本発明の極端紫外光発生装置においては、ガスを真空中
の電極間にパルス的に供給し、電極間に高電圧を印加し
て放電させ、放電で形成されるプラズマ自身を流れる電
流の作り出す自己磁場による、プラズマの自己収束作用
で生成する高温・高密度のプラズマを用いて、高出力の
極端紫外光を発生する。
従来の技術では、各種希ガスランプ・レーザ等はガスを
封入する必要があるために、窓材を必要とし、極端紫外
光を取り出すことができない。また、キヤピラリ放電管
ではガスを定常的に流して放電する必要があるために、
光源ガス自身の吸収によつて極端紫外光は減衰し、高出
力の極端紫外光を取り出すことは困難であり、また、高
真空中では使用できないという問題があつたが、本発明
ではこのようなことがなく容易に高出力の極端紫外光を
発生させることができ、また高真空中でも使用可能であ
る。
また本発明では、リターン電極の外側にコイルを配置
し、これによつてプラズマを流れる電流に平行な磁場を
加えて、高密度プラズマの生成を安定化することによつ
て、極端紫外光発生の再現性を向上させるとともに、高
密度プラズマの温度・密度が制御でき、従つて発生する
極端紫外光の波長分布を簡単に変えることができる。
さらに、本発明では、電極間へのガス注入装置として、
複数の高速開閉ガスバルブを使うことによつて、混合ガ
ス注入放電を可能にするとともに、さらには、放電ガス
種を容易に変えられるようにしたので、発生する極端紫
外光の波長を容易に選ぶことができる。
〔発明の実施例〕
(第1の実施例) 第1図は本発明の第1の実施例を説明する図であつて、
1はガス溜、2は高電圧側電極、3は取りはずし可能な
電極でW-Cu合金やカーボン等で形成される。4は接地
側電極、5は真空容器、6は絶縁体で電極2と電極4を
電気的に絶縁している。6Aは真空容器5の真空排気装
置、7は基準信号発生装置、8は遅延パルサーで7の信
号パルスに遅延をかける。9は高速開閉ガスバルブ、10
は高速開閉ガスバルブ9に対する駆動電気回路で遅延パ
ルサー8からの信号パルスに応じて高速開閉ガスバルブ
9を駆動する。11はコンデンサー、12は充電電源でコン
デンサー11を充電する。13は遅延パルサーで基準信号発
生装置7の信号パルスに遅延を掛ける。14はスイツチ駆
動パルス発生装置であつて、遅延パルサー13からの信号
パルスで高電圧のパルスを発生する。15はスイツチ駆動
パルス発生装置14の高電圧パルスで動作するスイツチ。
16はスイツチ15を閉じることによつて電極3、4のあいだ
に高電圧を印加して放電させたとき、形成されるプラズ
マを流れる電流、17は電流16の作り出す自己磁場、18は
コイル、18Aはコイル用の電源、19はコイル18によつて
形成される電流の平行な磁場、20はプラズマが自己磁場
によつて中心部に圧縮されて形成される高密度プラズ
マ、21は20の高密度プラズマからあらゆる方向に放射さ
れる極端紫外光、22は極端紫外光取り出し口。
これを動作するためには、真空容器5を真空排気装置6A
で排気し、10-4〜10-5torr程度の真空にしておく。次
に、充電電源12でコンデンサー11を充電する。次に、基
準信号発生装置7で基準パルスを発生し、遅延パルサー
8で遅延を掛けて、高速開閉ガスバルブ用駆動電気回路
10を動かし、高速開閉ガスバルブ9を駆動して、電極
3、4の間にガスを注入する。次に、基準信号発生装置
7で発生した基準パルスに、遅延時間が電極3、4の間に
ガスが注入される時間と一致するように設定された遅延
パルサー13で遅延を掛けたパルスで、スイツチ駆動パル
ス発生装置14を駆動してスイツチ駆動パルスを発生し、
スイツチ15を動かして電極3、4の間に高電圧を印加し、
ガスによつて放電させる。ガスは放電によつてプラズマ
化し、プラズマを流れる電流16の作り出す自己磁場17と
プラズマ中のイオン・電子との電磁相互作用により、プ
ラズマの中心方向へ収束し、電極中心軸上で、高温高密
度となり、高温高密度プラズマ中のイオンと電子の相互
作用によつて、極端紫外光が発生する。
第2図に、光源ガスとしてN2とArガスを使つた場合に、
第1図の装置構成の極端紫外光発生装置から発生する、
極端紫外光スペクトルの測定結果を示す。同図におい
て、(a)は強くピンチさせた場合を示し、(b)はピンチを
弱くした場合を示している。測定に用いた分光器は、瀬
谷−波岡分光方式で、表面にAlをコーテイングした1200
本/mmの凹面回折格子を装備したものである。波長の掃
引は回折格子を回転させて行なつた。第2図の横軸は波
長を、縦軸は極端紫外光の相対強度を表わしており、20
Å毎の光量の和を示している。測定波長領域は、気体及
び固体表面に強く吸収される500〜1500Åである。この
結果から、本発明の極端紫外光発生装置からは、極端紫
外光が発生していることがわかる。
また第3図は波長500Åの極端紫外光の出力と、放電タ
イミング(電極間にガスを注入してから放電するまでの
時間)との関係を示したものである。極端紫外光出力
は、プラズマを強くピンチさせた場合(強く自己収縮さ
せた場合)にで示すように大きくなり、タイミングを
変えてピンチを弱くした場合にはで示すように減少す
る。極端紫外光のスペクトルは、のタイミングすなわ
ちプラズマを強くピンチさせた場合は、第2図(a)に示
すように連続的となり、のタイミングすなわちピンチ
を弱くした場合には、第2図(b)に示すように輝線的に
なる。これはプラズマを強くピンチさせた場合はプラズ
マの温度が上昇し、制御放射による連続光が増加するた
めであると考えられる。従つて本発明の極端紫外光発生
装置によれば、放電タイミングを変化させることによつ
て、発生光のスペクトルを連続的にも輝線的にも容易に
変えることができる。また第2図においてN2ガスとArガ
スの例に示すように、放電ガスの種類を変えることによ
って、発生輝線波長を変えることができる。
さらに、本発明の極端紫外光発生装置から発生する極端
紫外光の光量が、次のように算出された。まず、Arから
発生する波長400〜3000Å領域のスペクトルを測定し
た。次に、パルス状光源の光量が測定できるジユールメ
ータと光源の間に石英を置き、極端紫外光量を測定し
た。石英は波長1600Å以上の光のみを透過させるため、
1600Å以上の波長の光の光量が測定できた。また、スペ
クトルから波長1600Å以上の波長の光の光量と1600Å以
下の極端紫外光量の比を求め、ジユールメータでの測定
結果と組み合わせた結果、1600Å以下の極端紫外光量
は、1回の放電当たり、15J以上であつた。この値は、
凹面回折格子の反射率が波長が短くなるにつれて低下す
ることを考慮すれば、実際は、15Jより大きいものと考
えられる。従つて、本発明の装置からは、従来の光源に
比べて高出力の極端紫外光が発生することがわかつた。
しかも、多数回の放電を行つた場合の極端紫外光量の変
動を調べた結果、平均値±10%以内であり、充分な再現
性が得られた。
本発明によれば、第2図の(特に第2図(b)の例)の例
から明らかなように、光源ガスの種類を変えることで発
生する極端紫外光のスペクトルを変えることができる。
さらに、放電条件を変化させることによつても、すなわ
ちピンチの強弱(自己収束の強弱)によつてもスペクト
ルは変化する。これは高密度プラズマの温度及び密度が
変化するためであり、第2の実施例で示す方法等によつ
て、高密度プラズマの温度、密度を変えることによつて
も、極端紫外光のスペクトルを変えることができること
を示している。
第4図は電流に平行な磁場を印加した場合のプラズマの
挙動を説明する図であつて、3は高電圧側の電極、4は
接地側の電極、20はプラズマ、16はプラズマ表面を流れ
る電流、17は電流16の作り出す自己磁場、18はコイル、
19はコイル18の作り出す磁場、20-aは、自己収束の速さ
を示す矢印である。
さて、プラズマが自己収束の過程で、第4図(a)のよう
に完全な円柱の形を保ちつつ自己収束すれば不安定性は
生じにくい。しかし、プラズマの自己収束過程で放電初
期のガス密度分布に差があつた場合等には、プラズマの
分布に第4図(b)のように太い部分と細い部分が生じ、
プラズマ表面を流れる電流の作り出す自己磁場の強度に
片寄りができるために、太い部分はゆつくり収束し、細
い部分は早く収束するためにプラズマは崩壊しやすくな
る不安定性を生じる。しかしプラズマ内部に第4図(c)
のように、コイルによつて作られる電流に平行な磁場が
あつた場合、プラズマ柱の一部が細くなろうとした時プ
ラズマ内部の磁気圧が上昇し、細くなることを妨げる働
きをするために、不安定性は生じにくくなり、高密度プ
ラズマの生成過程が安定になる。
また、コイルによる磁場を大きくした場合、プラズマ柱
の内部磁気圧が大きくなり、中心部に圧縮されることを
妨げるために、生成される高密度プラズマの温度も密度
も低くなる。従つて、コイルによつて作られる磁場の強
度を変えることによつて、高密度プラズマの温度と密度
を制御できる。一方、第2図に示すように極端紫外光の
光量とスペクトルは高密度プラズマの状態で大きく変化
するために、高密度プラズマ状態すなわち自己収束の強
弱を制御することによつてこれを制御できる。
第1図の構造で、リターン電極の外側のコイルによつて
電極間に加えられる磁場の強度を変えた場合の、高密度
プラズマから発生するX線出力の変化を調べたのが第5
図である。第5図において(a)は磁場なし、(b)は磁場強
度50G、(c)は磁場強度250G、(d)は磁場強度500G、(e)は
磁場強度950G、の場合をそれぞれ示している。加える磁
場強度が0〜50G程度の弱い磁場ではX線出力は変化し
ない。これは、生成される高密度プラズマの状態が変化
しないことを反映している。加える磁場が250〜500Gに
なるとX線出力は低下し、950Gに増やすことでX線出力
はほとんど無くなる。
これは、プラズマを流れる電流に平行に磁場を加え、第
4図の原理で高密度プラズマの温度を低く抑えることに
よつて、イオンの電離度合が低下し、電子温度が上がら
なくなるために、X線出力が低下していることを示すと
考えられる。従つて、電流に平行に磁場を加えることに
よつて、同一の放電条件でも高密度プラズマの温度、密
度を制御できるという効果を生じる。
(第2の実施例) 第6図は、本発明の第2の実施例の、複数の高速開閉ガ
スバルブを備えた極端紫外光発生装置を説明する図であ
つて、第1図におけると同じ部分を同じ番号で示し、1A
はガス溜、8Aは基準信号発生装置7の信号パルスを遅延
させる遅延パルサー。10Aは遅延パルサー8Aのパルスを
受けて動作する高速開閉ガスバルブ用の駆動電気回路。
9Aは駆動電気回路10Aによつて動作する高速開閉ガスバ
ルブである。なお第6図においては、プラズマに流れる
電流16に平行な磁場を形成するためのコイルは省略して
示されている。
これを動作するためには、真空容器5の真空排気装置6A
で排気し、10-4〜10-5torr程度の真空に保つ。次に、充
電電源12でコンデンサー11を充電する。次に、基準信号
発生装置7で基準パルスを発生し、遅延パルサー8で遅
延を掛けて、高速開閉ガスバルブ用駆動電気回路10を動
かし、高速開閉ガスバルブ9を駆動して、電極3、4の間
にガス溜1のガスAを注入する。次に、同じ基準信号発
生装置7からの基準パルスに、電極間に拡散速度の異な
るガスAとガスBが同時に存在する様に遅延時間を設定
した遅延パルサー8Aで遅延を掛けて、高速開閉ガスバル
ブ用駆動回路10Aを動かし、高速開閉ガスバルブ9Aを駆
動して、電極3、4の間にガス溜1AのガスBを注入し、混
合ガス状態を形成する。次に、基準信号発生装置7で発
生した基準パルスに、遅延時間が電極3、4の間にガスが
注入される時間と一致するように設定された遅延パルサ
ー13で遅延を掛けたパルスで、スイツチ駆動パルス発生
装置14を駆動してスイツチ駆動パルスを発生し、スイツ
チ15を動かして電極3、4の間に高電圧を印加し、混合ガ
スによつて放電させる。混合ガスは放電によつてプラズ
マ化し、プラズマを流れる電流16の作り出す17の自己磁
場とプラズマ中のイオン・電子との電磁相互作用によ
り、プラズマの中心方向へ収束し、電極中心軸上で、高
温高密度となり、高温高密度プラズマ中のイオンと電子
の相互作用によつて、極端紫外光が発生する。
気体分子はその種類によつて、運動速度が異なる。例え
ば、Krの場合320m/s,N2の場合650m/sである。予め
2種類以上のガスを混合して1つのバルブで噴射した場
合、噴射されたガス内の気体分子は方向の揃つた超音速
の分子流になるために、分子が相互に衝突することは非
常に少なくなり、気体分子は上記の様な固有の速度で運
動する。従つて、電極間に混合ガスを注入した場合、速
度の大きな気体分子は先に電極間に到達し、速度の小さ
な気体分子が電極間に到達するまでには真空容器内に拡
散してしまう。電極間に高電圧を印加する時に気体分子
AとBが混在した状態を作り出すためには、まず、運動
速度の小さな気体を注入しぃ、適当な時間を置いて運動
速度の大きな気体を注入する必要がある。
従つて、第6図の様な、時間差を持つて駆動できる。複
数の高速開閉ガスバルブを備えた構造とすることによつ
て、それぞれ異なる運動速度を有する複数の気体を、別
々の高速開閉ガスバルブを用い、運動速度に対応した時
間差をつけて電極間に注入し、電極間に任意の混合ガス
状態を作り出して、混合ガス放電することが可能にな
る。そして混合ガス放電によつて複数の気体分子を含む
高密度プラズマを生成し、この高密度プラズマから複数
の気体分子からの極端紫外光を同時に発生させられると
いう効果を生じる。
さらに、1回目の放電で高速開閉ガスバルブ9を駆動し
て、気体Aから極端紫外光を発生させ、次の放電では高
速開閉ガスバルブ9Aを駆動して、気体Bから極端紫外
光を発生させることができる。従つて、複数の高速開閉
ガスバルブを備えることによつて、容易に光源となる気
体の種類を変えることができるという効果を生じる。
なおここで、高速開閉ガスバルブ9,9Aには、自動車で用
いられる燃料噴射バルブを用いることもできる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、ガスをパルス状
に供給する方式を用いるために、ガスを封入する必要が
なくなり、また極端紫外光を取り出す窓材を用いないた
め、極端紫外光を発生装置外に取り出すことができる。
さらに、ガスを定常的に流す必要もなくなるために、ガ
ス自体の内部吸収による減衰をも防ぐことができるため
に、高出力の極端紫外光を取り出すことができる利点を
もつ。
また、プラズマを流れる電流に平行な磁場を印加するこ
とによつて、高密度プラズマを安定化し、極端紫外光の
発生再現性を向上させられる利点がある。さらに、印加
する磁場の強度を変えることによつて、高密度プラズマ
の温度・密度を制御して、発生する極端紫外光の光量
と、そのスペクトル等を変えることができる。
また、複数の高速開閉ガスバルブを時刻をずらして駆動
することによつて、複数の種類の気体分子を含む混合ガ
ス塊を形成することができるために、単独の高速開閉ガ
スバルブでは不可能であつた。混合ガスでの放電が可能
となり、一回の放電で、複数種の気体で生成される高密
度プラズマから極端紫外光を発生させることができ、従
つて、ガス種・ガスの混合比を変えることで、極端紫外
光スペクトルを容易に変えることができる利点がある。
さらに、1回目の放電では高速開閉ガスバルブAで、ガ
スAを注入して放電し、2回目の放電では、高速開閉ガ
スバルブBでガスBを注入して放電し、生成される高密
度プラズマ内の元素を変えて、発生するスペクトルを変
えることもできる。
本発明の光源を用いれば、極端紫外光を気体や固体表面
に照射し、気体分子や固体表面の数原子層が励起できる
ために、薄膜形成・酸化・エツチング・ドーピング・表
面の清浄化等に適用できる。本発明によれば、従来の光
CVDに比べて極端紫外光によつて効率的に光励起される
ので、このような薄膜形成等の工程における効率が良く
なるだけでなく、原子オーダーで膜厚等の制御を行うこ
とができる可能性がある。
さらに本発明の光源は、極端紫外光によるLSIの微細パ
タン転写装置の光源として用いることができる。また、
X線露光用のプラズマX線源として用いることもでき
る。
また、本発明の光源から発生する高出力の極端紫外光
を、光化学反応を引き起こす光源として用い、光化学反
応を調べることができる。また、固体表面に照射して、
反射・吸収を利用した表面解析装置に用いることができ
る。
また、気体・極薄膜等の吸収係数・反射率等を測定する
分光光源としても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の極端紫外光発生装置の第1の実施例を
示す図、 第2図は本発明の装置における極端紫外光のスペクトル
の測定結果を示す図、 第3図は極端紫外光の出力と放電タイミングとの関係を
示す図、 第4図は電流に平行な磁場を印加した場合のプラズマの
挙動を説明する図、 第5図は本発明における高密度プラズマから発生するX
線出力の変化を示す図、 第6図は本発明の極端紫外光発生装置の第2の実施例を
示す図である。 1,1A…ガス溜、 2…高電圧側電極、 3…取りはずし可能な電極、 4…接地側電極、 5…真空容器、 6…絶縁体、 6A …真空排気装置、 7…基準信号発生装置、 8,8A …遅延パルサー、 9,9A …高速開閉ガスバルブ、 10,10A…駆動電気回路、 11 …コンデンサー、 12 …充電電源、 13 …遅延パルサー、 14 …スイツチ駆動パルス発生装置、 15 …スイツチ、 16 …プラズマを流れる電流、 17 …自己磁場、 18 …コイル、 18A…コイル用電源、 19 …磁場、 20 …高密度プラズマ、 20-a…自己収束の速さを表わす矢印、 21 …極端紫外光、 22 …極端紫外光取り出し口。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空中にあるプラズマに電流を流し該プラ
    ズマを流れる電流の作り出す自己磁場によつてプラズマ
    を自己収縮させることによつて高密度プラズマを生成す
    る手段を具え、 該高密度プラズマから極端紫外光を発生させることを特
    徴とする極端紫外光発生装置。
  2. 【請求項2】前記真空中にあるプラズマが、真空槽内に
    スイツチを介して電源に接続された対向電極間に、高速
    開閉ガスバルブを介してガスを供給した後、前記スイツ
    チを経て対向電極間に電圧を印加して放電させることに
    よつて形成されることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載の極端紫外光発生装置。
  3. 【請求項3】前記高速開閉バルブが複数であつて、それ
    ぞれを介してガスを供給することを特徴とする特許請求
    の範囲第2項記載の極端紫外光発生装置。
  4. 【請求項4】真空中にあるプラズマに電流を流し該プラ
    ズマを流れる電流の作り出す自己磁場によつてプラズマ
    を自己収縮させることによつて高密度プラズマを生成す
    る手段と、 該プラズマを流れる電流に平行な磁場を印加する手段と
    を具え、 該高密度プラズマから極端紫外光を発生させることを特
    徴とする極端紫外光発生装置。
  5. 【請求項5】前記真空中にあるプラズマが、真空槽内に
    スイツチを介して電源に接続された対向電極間に、高速
    開閉ガスバルブを介してガスを供給した後、前記スイツ
    チを経て対向電極間に電圧を印加して放電させることに
    よつて形成されることを特徴とする特許請求の範囲第4
    項記載の極端紫外光発生装置。
  6. 【請求項6】前記高速開閉バルブが複数であつて、それ
    ぞれを介してガスを供給することを特徴とする特許請求
    の範囲第5項記載の極端紫外光発生装置。
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