JPH0674430B2 - エマルジョン燃料およびその燃焼法 - Google Patents

エマルジョン燃料およびその燃焼法

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JPH0674430B2
JPH0674430B2 JP4144791A JP4144791A JPH0674430B2 JP H0674430 B2 JPH0674430 B2 JP H0674430B2 JP 4144791 A JP4144791 A JP 4144791A JP 4144791 A JP4144791 A JP 4144791A JP H0674430 B2 JPH0674430 B2 JP H0674430B2
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勝応 金清
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株式会社日本環境アセスメントセンター
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  • Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重質油の燃焼におい
て、排ガス中のNOx、SOx、煤塵等の大気汚染物質
の排出を抑制するエマルジョン燃料およびその燃焼法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】物質を燃焼すると、必然的に空気中の窒
素(N2 )あるいは燃料や燃焼対象物の中に含まれてい
る有機窒素(Fuel N)と空気中の酸素(O2 )とが結
合して、窒素酸化物(NOx)が発生する。前者の空気
中の窒素と酸素とが結合して生成されるNOxを無機窒
素酸化物(Thermal NOx)、後者のそれを有機窒素酸
化物(Fuel NOx)と称している。
【0003】上記無機窒素酸化物の発生因子としては、
(1)燃焼域中の酸素濃度、(2)燃焼温度(火炎温
度)、(3)燃焼ガスの高温滞留時間が考えられる。そ
して、この無機窒素酸化物の生成反応は吸熱的であり、
高温になるほど生成側に移行し、また、高温での滞留時
間が長くなるほど、酸素濃度が高くなるほど生成量が多
くなることが知られている。
【0004】上記有機窒素酸化物は、重質油や石炭に含
まれている窒素化合物にピリジン、キノリン、ピロー
ル、インドール、カルバゾール等の形で複合芳香核中に
組み込まれ、また、汚泥やゴミにはアンモニアやたんぱ
く質の形で含まれる有機窒素の燃焼によって生成する。
そして、これらの有機窒素は、空気中の窒素よりも酸化
されやすいと考えられているが、どのような経路を経
て、また、どのような中間生成物に分解されるのかは詳
細には解明されていない。
【0005】したがって、上記の窒素酸化物生成原理か
らして、次の事柄を考慮すれば窒素酸化物の生成を抑制
することができる。 (1) 低空気比燃焼、二段燃焼、濃炎燃焼等により燃
焼反応域での酸素濃度を低く抑える。 (2) 排ガス再循環、蒸気あるいは水噴射、エマルジ
ョン燃焼等によって火炎温度をできるだけ低くする。 (3) 急速混合燃焼、エマルジョンによる超微粒化噴
霧燃焼、高速熱伝導タイプの低NOxバーナの使用等に
より高温での滞留時間を短くする。 (4) 良質燃料への転換等によって燃料中の窒素含有
率を少なくする。
【0006】しかし、上記(1)の空気比や(2)の火
炎温度を低くしすぎると、不完全燃焼が進行し、炭化水
素(HC)、一酸化炭素(CO)、煤塵等の大気汚染物
質の発生が増大する危険性があり、また、熱効率の低下
も問題となる。また、上記各対策の夫々に付いて経済性
を比較すると、二段燃焼法、排ガス再循環、低NOxバ
ーナ等は、多額の初期設備投資が要求され、中小工場等
では応じきれるところが少ないし、また、良質燃料への
転換もそれだけ燃料費単価が高くなるので生産原価に大
きくはねかえりが出てくる。
【0007】そこで、近時は多額の設備投資を必要とせ
ず、低NOx化、低煤塵化が可能なエマルジョン燃焼法
が注目されている。
【0008】このエマルジョン燃料には、油中水滴型
(W/O型)と、水中油滴型(O/W型)があり、20
年来夫々のタイプについて研究が進められ、低NOx
化、低煤塵化に大きな成果を得ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現在までおこ
なわれたエマルジョン燃焼に関する数多くの研究のう
ち、低NOx化、低煤塵化についてはほとんど軽質油を
対象としてものが多く、重質油は有機窒素が多いからと
いう理由で敬遠されてきた。もともと、NOxや煤塵の
排出が少ないジーゼル油や灯油に、さらに界面活性剤を
添加してエマルジョン化の費用をかけても経済的メリッ
トは少ないのに対し、重質油は有機窒素の含有率は高い
が熱量当たりの単価ははるかに安く、重質油をエマルジ
ョン化し低NOx化、低煤塵化が実現されれば極めて大
きなメリットが期待できる。
【0010】そこで、本発明者は重質油のエマルジョン
化を鋭意研究したところ、油中水滴型では、水分量の増
加に伴ってわずかではあるが粘度が増大する。そして、
粘度が増すと燃焼に際し油滴を微粒化することが困難と
なる。噴霧燃焼に際しては油滴粒径を小さくする程燃焼
が良好となり、窒素酸化物の生成も抑制されることはす
でに知られたことであるが、エマルジョン化によって粘
度が増大したのではその効果が充分に発揮できない。す
なわち、重質油の油中水滴型エマルジョン化の課題は粘
度が増大し、良好な燃焼が保証できないことである。
【0011】また、重質油の水中油滴型エマルジョン化
を試みたところ、この水中油滴型は水分量が10%以下
では粘度が著しく増加するが15%を越えると急激に粘
度は低下する。しかし、この水中油滴型エマルジョンは
水分量によって全体的な粘度低下は期待出来るが、重質
油の場合は油滴を粒径5μ以下に小さくすることが困難
で中には粒径100μ以上の大きな油滴が水中に懸濁す
ることになる。したがって、この水中油滴型エマルジョ
ンを噴霧燃焼バーナーで燃焼しても超微粒化が困難でN
X ・煤塵の低減効果が低いことが課題となる。
【0012】そこで、本発明は上記に鑑みなされたもの
で、油中水滴型と水中油滴型とを組み合わせ、水中油滴
中水滴型(W/O/W型)エマルジョンという、新規な
性状のエマルジョンにより、容易に微粒化でき、良好な
燃焼が保証され低NOx化、低煤塵化が実現できるエマ
ルジョン燃焼法を提供することを目的としたものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、油中水滴型
(W/O型)エマルジョン燃料の長所を利用すべく、ま
ず油中水滴型(W/O型)エマルジョンを得る。しか
し、重質油においては、粘度が大きいため、この油中水
滴型エマルジョンは通常の噴霧燃焼バーナーでの燃焼に
は適さないので、粘度を低下させるべく、油中水滴型エ
マルジョンをさらに水中油滴型エマルジョン化し、すな
わち、水中油滴中水滴型(W/O/W型)エマルジョン
として、通常の噴霧燃焼バーナーでの燃焼に適するエマ
ルジョン燃料を実現したものである。重質油、油中水滴
型エマルジョンは、予熱によって粘度を低下することも
可能であるが、通常重質油を原料とする場合は噴霧燃焼
バーナーで燃焼するに適した50cSt以下にするには
水の沸点100℃以上に予熱しなくてはならず、水の沸
点100℃以上に予熱すると油中水滴型エマルジョンの
水が予熱段階で蒸散しこれらの長所を利用することはで
きなくなるため、本発明は油中水滴型エマルジョンと水
中油滴エマルジョンとの組み合わせによって水の沸点以
下の比較的低い温度での予熱によっても噴霧燃焼バーナ
ーでの燃焼に適する粘度となるエマルジョン燃料および
その燃焼方法を実現したものである。
【0014】
【作用】それ故、本発明エマルジョン燃焼法は、粘度1
50cSt以上4000cSt(50℃)以下の重質油
75〜95重量部に、水25〜5重量部、界面活性剤
0.01〜0.5%を添加撹拌して油中水滴型(W/O
型)エマルジョンを調整することで0.1〜5μ径の水
滴を重質油中に均一に分散せしめることができ、次い
で、水30〜15重量部、界面活性剤0.01〜1.0
%(100重量部に対する割合)に、上記油中水滴型エ
マルジョン70〜85重量部を添加撹拌して、水中油滴
中水滴型(W/O/W型)エマルジョンを調整すること
で、上記油中水滴型エマルジョンを最多粒径10〜50
μの油滴(微小水滴を含む)、すなわち、粒径の10〜
50μの水中油滴中に、0.1〜5μ径の水滴を含む水
中油滴中水滴型(W/O/W型)エマルジョンが得られ
る。
【0015】上記油中水滴型(W/O型)エマルジョン
は、原料重質油に比較して粘度は多少増すが、燃焼に際
しては、着火燃焼開始時1000℃以上の高温によって
は、その中に含まれる微小水滴の瞬間加熱蒸散により油
滴が破裂し、超微粒子となり、低NOx化、低煤塵化が
計られる作用を呈することが知られている。
【0016】しかし、上記の油中水滴型エマルジョン
は、重質油を原料とした場合は100℃以下の予熱を行
っても、粘度が大きいので噴霧燃焼には適さない。そこ
で、この油中水滴型エマルジョンをさらに、水中油滴型
エマルジョン、すなわち水中油滴中水滴型エマルジョン
となすことで粘度を「図1」に示めすごとく大幅に低下
せしめ、噴霧を容易ならしめる作用を呈するものであ
る。
【0017】また、上記水中油滴中水滴型エマルジョン
となしても、水が30〜15重量部では、なお、常温で
通常の噴霧燃焼バーナーでの燃焼に適する粘度とはなら
ないが、この水中油滴中水滴型エマルジョンは「図1」
からも明らかなように、水の沸点100℃以下で粘度が
50cSt以下となり、予熱によっても油中水滴型エマ
ルジョンおよび油中水滴エマルジョンの利点である燃焼
雰囲気での水の瞬間加熱蒸散に依る油滴の超微粒子化作
用が損なわれることがない。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明すれば以下の通
りである。まず、本発明は粘度150cSt以上400
0cSt(50℃)以下の重質油75〜95重量部に、
水25〜5重量部、下記I〜IVに挙げられるHLB5
〜12の非イオン系界面活性剤群から選ばれる1種以上
の界面活性剤0.01〜0.5重量%を温度30〜80
℃にて添加撹拌して油中水滴型(W/O型)エマルジョ
ンを調整する。
【0019】上記重質油の具体例としては、メキシコ産
重油等が使用でき、また、界面活性剤としては下記I乃
至IVに挙げたごとく、非イオン系のいずれを使用して
もよい。 I. 炭素数4乃至12の直鎖または分岐アルキル又は
アルケニル基を有するポリオキシエチレンフェニルエー
テル。 II. 炭素数8乃至20の飽和もしくは不飽和の直鎖
または分岐の高級脂肪族アルコールより誘導されるポリ
オキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレ
ンアルケニルエーテル。 III. 炭素数8乃至20の飽和もしくは不飽和の直
鎖または分岐の高級脂肪酸族より誘導されるポリオキシ
エチレンアルカノイルエーテル又はポリオキシエチレン
アルケノイルエーテル。 IV. 炭素数8乃至20の飽和もしくは不飽和の直鎖
または分岐の高級脂肪酸族アルカノールアマイドより誘
導されるポリオキシエチレン高級脂肪酸アルカノールア
マイドエーテル。なお、従来陽イオン系の界面活性剤の
使用も一部提案されているが、この陽イオン系界面活性
剤は、窒素分を含み燃焼時の窒素酸化物低減に逆行する
ので、本発明では除外した。
【0020】そして、種々試行したところ上記イオン系
界面活性剤中、ノニル・フェノールエトキシレートで、
特にHLB(親油性、親水性バランス)が5〜12のも
のが好適であった。また撹拌は、各種混合機が使用でき
るが、高剪断撹拌が行えるものが望ましい。
【0021】次いで、水30〜15重量部と、下記I〜
IVに挙げられるHLB10〜18の非イオン系界面活
性剤群から選ばれる1種以上を必須成分とする界面活性
剤0.01〜1.0重量%(100重量部に対する割
合)に、上記油中水滴型エマルジョン70〜85重量部
を温度30〜80℃にて添加撹拌して水中油滴中水滴型
(W/O/W型)エマルジョン燃料を得る。
【0022】上記水中油滴中水滴型エマルジョンの調整
に際しては、まず、水に界面活性剤を混合して均一化
し、その中に前工程で調整された油中水滴型エマルジョ
ンを順次滴下投入しながら撹拌することが効率的であっ
た。
【0023】なお、上記において使用される界面活性剤
も、上記非イオン系のいずれを使用してもよいが、前工
程のように特に非イオン系の界面活性剤が適していると
いうことはなく、HLB10〜18の非イオン系界面活
性剤一種以上と、−SO3 M基又は−COOM基(但
し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニ
ュームである)を有する陰イオン系界面活性剤との混合
物であり、界面活性剤の総和が0.01〜1.0重量%
で、かつ非イオン系界面活性剤と陰イオン系界面活性剤
との比が1:5〜50:1の範囲であるものを使用して
も特別な差異は認められなかった。
【0024】そして、本発明の燃焼法は上記水中油滴中
水滴型エマルジョンを予熱によって粘度を通常の噴霧燃
焼バーナーの設計値50cSt以下(空気噴出式で15
〜20cSt、蒸気噴出式で25〜50cSt)に下げ
て噴霧燃焼バーナーで燃焼させる。この燃焼のための装
置は従来公知な噴霧燃焼バーナが使用でき、「図2」の
実験用ボイラー5は噴霧燃焼バーナー1に油ポンプ2よ
り予熱器3を介して水中油滴中水滴型エマルジョンを圧
送し、さらにこの噴霧燃焼バーナー1には空気圧縮器4
より圧縮空気が圧送され、水中油滴中水滴型エマルジョ
ンは圧縮空気と共にボイラー5に噴霧されるようになっ
ている。なお、6は送風機を示すもので燃焼用の空気を
ボイラー5内に供送するもので図では噴霧燃焼バーナー
1に連結してあるが、ボイラー5の他の噴霧燃焼バーナ
ー1近くの部位に連通してもよい。また、このボイラー
5は既設のボイラーを使用してもよく、上記予熱器3を
有していない場合は燃料温度を調整できるものを付加す
ればよい。
【0025】なお、以下に具体例実施例を列挙する。 「具体例1」 メキシコ産重油A(粘度50℃においてcSt115
0,アスファルト分20.02%,硫黄(S)分3.9
7%,窒素(N)分0.46%,残留炭素16.8%,
LHV9580Kcal/Kg)84Kgを50℃に加
熱し、界面活性剤としてノニル・フェノールエトキシレ
ート(HLB5〜12)0.3Kgを投入し混合したも
のに、水15.7Kgを加え、ラインミキサーにて高剪
断撹拌し、油中水滴型エマルジョンを調整する。次ぎ
に、水25Kgにノニル・フェノールエトキシレート
(HLB10〜18)0.37Kgとリグニンスルホン
酸ソーダ0.25Kgと混合し、均一化した後、前工程
において調整した油中水滴型エマルジョンを滴下混入し
ながらパドル型撹拌翼にて200rpmで5分間撹拌
し、さらに、ホモミキサーで5000rpmで3分間撹
拌して125.62Kgの水中油滴中水滴型(W/O/
W型)エマルジョンを得た。この水中油滴中水滴型エマ
ルジョンの粘度を測定したところ「図1」に示すごと
く、50℃でcSt39.6,70℃では従来cSt3
80であったものがcSt19.5と低下した。
【0026】そこで、これを火炎観察窓を有した燃焼室
容積1.84m3 の「図2」に示した実験用ボイラーで
次ぎの(a)〜(d)の条件にて3時間燃焼した。
(a)ジーゼル油にて9時間定常状態となるようにボイ
ラーを予熱した。(b)エマルジョン燃料使用量は37
Kg/Hであった。(c)燃料圧力2.15Kg/cm
2・燃料温度42℃・アトマイズ空気圧2.4Kg/c
2 とした。(d)燃焼用空気温度は32℃とした。
【0027】「具体例2」 メキシコ産重油B(粘度50℃においてcSt309
1,アスファルト分17.24%,硫黄(S)分3.8
%,窒素(N)分0.47%,残留炭素14.61%,
LHV9660Kcal/Kg)88Kgを55℃に加
熱し、界面活性剤としてノニル・フェノールエトキシレ
ート(HLB5〜12)0.3Kgを投入し混合したも
のに、水11.7Kgを加え、ラインミキサーにて高剪
断撹拌し、油中水滴型エマルジョンを調整する。次ぎ
に、水25Kgにノニル・フェノールエトキシレート
(HLB10〜18)0.37Kgとナフタレンスルホ
ン酸ソーダホルマリン縮合物(縮合度4.1)0.25
Kgと混合し、均一化した後、前工程において調整した
油中水滴型エマルジョンを滴下混入しながらパドル型撹
拌翼にて200rpmで5分間撹拌し、さらに、ホモミ
キサーで5000rpmで3分間撹拌して125.62
Kgの水中油滴中水滴型(W/O/W型)エマルジョン
を得た。この水中油滴中水滴型エマルジョンの粘度を測
定したところ「図1」に示すごとく、50℃でcSt6
7.2,70℃で従来cSt550であったものがcS
t25.5と低下した。
【0028】そこで、これを「具体例1」と同じ実験用
ボイラーで次ぎの(a)〜(d)の条件にて3時間燃焼
した。(a)ジーゼル油にて9時間定常状態となるよう
にボイラーを予熱した。(b)エマルジョン燃料使用量
は35.2Kg/Hであった。(c)燃料圧力1.85
Kg/cm2 ・燃料温度52.52℃・アトマイズ空気
圧2.4Kg/cm2 とした。(d)燃焼用空気温度は
32℃とした。
【0029】上記双方の具体例の効果を比較測定するた
め、「具体例1」に使用したメキシコ産重油Aと「具体
例2」に使用したメキシコ産重油Bを同じ実験用ボイラ
ーで次ぎの(a)〜(d)の条件にて3時間燃焼したと
ころ下表のごとくになった。(a)ジーゼル油にて9時
間定常状態となるようにボイラーを予熱した。(b)燃
料使用量は重油Aが25.51Kg/H:重油Bが24
Kg/Hであった。(c)燃料圧力は重油A,B共に
2.4Kg/cm2 ・燃料温度は重油Aが114℃:重
油Bが107℃・アトマイズ空気圧は重油A,Bともに
2.4Kg/cm2 とした。(d)燃焼用空気温度は重
油A30℃:重油B32℃とした。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明は上記のごときで、水中油滴中水
滴型(W/O/W型)エマルジョンとなるので、粘度が
小さく噴霧が容易で、さらに比較的低温の予熱(60〜
80℃)で粘度を15〜40cStとなすことができ、
既設噴霧燃焼装置でも容易・確実に微粒子として噴霧で
き、良好な燃焼を行うことができるエマルジョン燃料お
よびその燃焼法を提供することができるものである。
【0032】しかし、通常の噴霧燃焼において、重質油
を噴霧可能な状態(粘度50cSt以下)まで予熱した
ものを噴霧してレーザーで粒径を測定したところ油滴の
粒子の粒径は最多30〜150μと大きく、従来公知な
単純な水中油滴型エマルジョン燃料を噴霧可能な状態
(粘度50cSt以下)まで予熱したものでは、黒煙の
発生は抑制することができたが、なお、低NOx化の効
果は少なく、なお、粒子径が大きすぎると推考される。
これらに比較して本発明燃焼は、水中油滴型エマルジョ
ンによって噴霧油滴の粒径が微小化され、この微小化は
充分ではないが、微小油滴中に含まれる水滴の瞬間加熱
蒸散により該油滴が破裂し、さらに超微粒子となり、低
NOx化、低煤塵化が計られるエマルジョン燃料および
その燃焼法を提供することができるものである。
【0033】上記、燃焼の良好化は前記「表1」に示さ
れるごとく、NOxが35〜41%の低減・SO2 が2
2〜48%・煤塵が36〜48%と顕著なもので、重質
油を大きな設備投資なしに、さらには、大きな改質費用
なしに使用して大気汚染物質の排出を低減するものであ
る。
【0034】なお、上記SO2 の低減する理由に関して
は前述しなかったが、重質油中に含まれる、あるいは界
面活性剤中に含まれるアルカリ金属が、硫酸化合物と反
応して硫酸ナトリュウム、硫化カリュウム等の硫化物を
生成し、これら硫化塩が燃焼灰分に固定されためである
と説明されているが、この理由は必ずしも明らかではな
く、現象面からは「表1」のごとく大きな低減率が確認
できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料重質油と本発明エマルジョン燃料との粘度
比較グラフを示すものである。
【図2】本発明エマルジョン燃料の燃焼法に使用される
ボイラーの一例一部断面正面図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度150cSt以上4000cSt
    (50℃)以下の重質油75〜95重量部に、水25〜
    5重量部、下記I〜IVに挙げられるHLB5〜12の
    非イオン系界面活性剤群から選ばれる1種以上の界面活
    性剤0.01〜0.5重量%を温度30〜80℃にて添
    加撹拌して油中水滴型(W/O型)エマルジョンを調整
    し、次いで、水30〜15重量部と、下記I〜IVに挙
    げられるHLB10〜18の非イオン系界面活性剤群か
    ら選ばれる1種以上を必須成分とする界面活性剤0.0
    1〜1.0重量%(100重量部に対する割合)に、上
    記油中水滴型エマルジョン70〜85重量部を温度30
    〜80℃にて添加撹拌して得られる水中油滴中水滴型
    (W/O/W型)エマルジョン燃料。 I. 炭素数4乃至12の直鎖または分岐アルキル又は
    アルケニル基を有するポリオキシエチレンフェニルエー
    テル。 II. 炭素数8乃至20の飽和もしくは不飽和の直鎖
    または分岐の高級脂肪族アルコールより誘導されるポリ
    オキシエチレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレ
    ンアルケニルエーテル。 III. 炭素数8乃至20の飽和もしくは不飽和の直
    鎖または分岐の高級脂肪酸族より誘導されるポリオキシ
    エチレンアルカノイルエーテル又はポリオキシエチレン
    アルケノイルエーテル。 IV. 炭素数8乃至20の飽和もしくは不飽和の直鎖
    または分岐の高級脂肪酸族アルカノールアマイドより誘
    導されるポリオキシエチレン高級脂肪酸アルカノールア
    マイドエーテル。
  2. 【請求項2】 「請求項1」において、予め油中水滴型
    (W/O型)エマルジョンを調整した後、水30〜15
    %重量部および該油中水滴型エマルジョン70〜85重
    量部に混合撹拌する界面活性剤が「請求項1」記載のI
    〜IVに挙げられるHLB10〜18の非イオン系界面
    活性剤一種以上と、−SO3 M基又は−COOM基(但
    し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニ
    ュームである)を有する陰イオン系界面活性剤との混合
    物であり、界面活性剤の総和が0.01〜1.0重量%
    で、かつ非イオン系界面活性剤と陰イオン系界面活性剤
    との比が1:5〜50:1の範囲である「請求項1」記
    載の水中油滴中水滴型(W/O/W型)エマルジョン燃
    料。
  3. 【請求項3】 「請求項1」および「請求項2」記載の
    エマルジョン燃料を予熱によって粘度を50cSt以下
    に下げ微粒化噴霧燃焼バーナーで燃焼させることを特徴
    とするエマルジョン燃料燃焼法。
JP4144791A 1991-01-28 1991-01-28 エマルジョン燃料およびその燃焼法 Expired - Lifetime JPH0674430B2 (ja)

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Publication Number Publication Date
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