JPH0674281A - ショックアブソーバの減衰力切替機構 - Google Patents

ショックアブソーバの減衰力切替機構

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JPH0674281A
JPH0674281A JP22749192A JP22749192A JPH0674281A JP H0674281 A JPH0674281 A JP H0674281A JP 22749192 A JP22749192 A JP 22749192A JP 22749192 A JP22749192 A JP 22749192A JP H0674281 A JPH0674281 A JP H0674281A
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valve
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piston
shock absorber
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Tetsushi Hayashi
哲史 林
Shinro Oda
真郎 織田
Takehiro Watarai
武宏 度会
Junji Moriwaki
淳二 森脇
Hirokatsu Mukai
寛克 向井
Naoto Miwa
直人 三輪
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構成でありながら、切替可能な減衰力
の幅も大きく設定可能かつ減衰力制御性も向上可能なシ
ョックアブソーバの減衰力切替機構を提供すること。 【構成】 2枚のたわみ板45は、第2ピストン40と
ベース43の下部に設けられたつば部44との間に、予
めその中央部分を内方に少したわまされ、その初期たわ
みが相互に対向するように挟み込まれている。バルブア
ウタ75とバルブインナ85は、リターンスプリング8
1の反力によって、互いに外側に付勢されており、それ
ぞれ、たわみ板45の頂点付近に押し付けられた状態で
移動が規制されている。積層型圧電体27の変位は、た
わみ板45により10〜25倍程度に拡大され、その拡
大変位分だけバルブアウタ75とバルブインナ85を移
動させて、流路面積を切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型圧電体の変位を
変位拡大機構を用いて拡大し、その拡大した変位により
減衰力切替用バルブを移動させて減衰力の切替を行なう
ショックアブソーバの減衰力切替機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両等に搭載され、車両の走
行状態や姿勢変化に応じて減衰力を切替可能なショック
アブソーバの減衰力切替機構として、シリンダと摺動自
在に嵌合するピストンにより区画された上下2つの油室
を連通する油通路に介装された減衰力切替用バルブを移
動させることにより、油通路の流路面積を変化させて減
衰力の切替を行なうものが知られている。
【0003】そして、この減衰力切替バルブを移動させ
る機構として、ピエゾ素子等の圧電体をアクチュエータ
に用いたものが知られている。圧電体は、印加された電
圧に対して極めて応答性よく伸縮を起こすため駆動源と
しては好適であるが、変位が極めて微小である。例え
ば、100枚程度の円盤状圧電体を積層して構成した積
層型圧電体でも変位が数10ミクロン程度であるため、
実用段階では変位を拡大して利用されている。
【0004】この積層型圧電体の微小変位を拡大するた
めの機構として従来用いられていたのが、いわゆるパル
カルの原理を用いた拡大機構である。これは、積層型圧
電体の伸縮により駆動される大断面積のピストンの変位
を、作動油を介して小断面積のピストンに伝達し、その
断面積比に相当する変位に拡大するというものである
(例えば、特開平1−312283号の「圧電体アクチ
ュエータを備えた油圧切換弁」等参照)。これにより、
数10ミクロンの積層型圧電体の変位が、1ミリ程度の
変位として小断面積のピストンより得られる。この小断
面積ピストンにより減衰力切替バルブを移動させ、上下
油室を連通させたり非連通とさせたりすることにより減
衰力の切替を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た積層型圧電体と変位拡大機構とを組み合わせた従来例
では、減衰力切替機構に加えて、パスカルの原理を用い
た変位拡大機構を備えており、それらはどちらも精密構
造を有する。その従来の変位拡大機構においては油もれ
を極力少なくしたシリンダとピストンを用いるが、それ
でもシリンダ内の作動油が漏れ出すと、元々1ミリ程度
の変位しかない小断面積ピストンのストロークが減少し
てしまい、正常な切替動作ができなくなってしまう。
【0006】そのため、シリンダ内からの作動油の流出
を補償するためのチェック弁機構を設け、シリンダ内の
作動油が不足したときにはチェック弁を介してシリンダ
内に給油する必要があり、その結果、構造が複雑になっ
てコストアップにもつながっていた。また、積層型圧電
体の変位を印加電圧等で制御しても、上記作動油の漏れ
により、減衰力切替バルブの位置を一定に定めることが
できないため、減衰力を連続的に最適な状態に切り替え
られず、制御性が劣っていた。
【0007】さらに、変位の拡大率は大断面積のピスト
ンと小断面積のピストンとの断面積比で決まるため、例
えば30倍の拡大率を得るためには断面積比も30倍に
する必要がある。従って、必ず小断面積ピストンと、そ
の30倍の断面積を持つ大断面積ピストンが必要とな
り、また小断面積のピストンの大きさも極端には小さく
できないため、必然的に拡大機構の所要スペースも大き
くなってしまう。
【0008】そこで本発明は、簡易な構成で、所要スペ
ースも相対的に小さくすることが可能でありながら、切
替可能な減衰力の幅も大きく設定可能かつ減衰力制御性
も向上可能なショックアブソーバの減衰力切替機構を提
供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明のショックアブソーバの減衰力切替機構は、シ
リンダと摺動自在に嵌合するピストンにより区画された
2つの油室を連通する油通路を備え、該油通路の流路面
積を変化させることによって減衰力を切り替え可能なシ
ョックアブソーバの減衰力切替機構であって、印加され
た電圧に応じて伸縮する圧電体により駆動され、シリン
ダ軸方向に摺動可能な摺動部材を備え、平板状に形成さ
れ上記摺動部材の摺動方向と略平行にされており、その
一端は位置が固定され他端は上記摺動部材に当接され
た、弾性を有する切替用たわみ板を2枚有し、それら2
枚のたわみ板を平行かつ、上記圧電体への非印加状態時
には相互に対向する方向へ初期たわみが生じるように配
置すると共に、前記2枚のたわみ板の間に、各たわみ板
のたわみにより移動する減衰力切替用バルブをそれぞれ
配置し、該バルブの移動により前記油通路の流路面積を
変化可能としたことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明のショックアブソーバの減衰力切替機構
によれば、電圧を印加して圧電体を伸張させると、摺動
部材がシリンダ軸方向に摺動する。そして、その摺動部
材に押圧された切替用たわみ板は、摺動部材に当接して
いる側の端が他端に近づく。このように両端間の距離が
短くなることによって、対向する2枚の切替用たわみ板
は初期たわみが生じていた側にさらにたわみ、減衰力切
替用バルブを押圧する等して移動させる。このバルブの
移動により油通路の流路面積を変化させることができ
る。
【0011】一方、電圧の印加をやめると圧電体は元の
状態に復帰し、切替用たわみ板は自身の弾性復元力によ
って元の初期たわみ状態に復帰する。それに伴い、バル
ブも元の位置に戻り、流路面積も元の状態に復帰する。
ここで、切替用たわみ板の両端の距離が短くなった変位
と、切替用たわみ板のたわみ量との関係、すなわち変位
拡大率に関して説明する。まず、たわみ板を円弧の一部
と仮想し、その変位拡大率k1を図6(A)を参照して
説明する。初期たわみ状態(図中記号aで示す。)での
曲率半径をR、円弧の両端間の直線距離が変位△xだけ
短くなった後(図中記号bで示す。)の曲率半径をrと
し、円弧の中心部の変位分をk1・△xとすると、図6
(A)に示す幾何学的関係より、変位拡大率k1は、次
式のように示される。
【0012】
【数1】
【0013】そして、変位△x=0.025mmとした
場合の、曲率半径R及び図6(A)中の角度θと変位拡
大率k1との関係を示すグラフを図6(B)に示す。こ
のグラフからも判るように、円弧と見なした場合には、
20倍程度までの拡大率が得られる。
【0014】次に、たわみ板の中央付近のたわみ度合が
他の部分より大きい場合のように、三角形で近似可能な
場合の変位拡大率k2を図7(A)を参照して説明す
る。初期たわみ状態(図中記号cで示す。)から、両端
間の直線距離が変位△xだけ短くなった後(図中記号d
で示す。)の中心部の変位分をk2・△xとすると、図
7(A)に示す幾何学的関係より、変位拡大率k2は、
次式のように示される。
【0015】
【数2】
【0016】そして、△x=0.025mm、L=20
mmとした場合の、図7(A)中の角度θと変位拡大率
k2との関係を示すグラフを図7(B)に示す。このグ
ラフからも判るように、三角形と見なした場合には、2
5倍程度までの拡大率が得られる。
【0017】このように、圧電体の微小変位を切替用た
わみ板により拡大し、その切替用たわみ板のたわみによ
り減衰力切替用バルブを移動させて流路面積の変更を行
なうため、簡易な構成で所要スペースも相対的に小さく
することが可能でありながら、十分な変位拡大率も得ら
れ、切替可能な減衰力の幅も大きく設定可能かつ減衰力
制御性も向上可能である。
【0018】
【実施例】以下本発明の実施例について説明する。本実
施例では、車輪と車体との間にコイルスプリングと共に
併設される減衰力可変型のショックアブソーバに利用し
た例を示す。図1は本実施例のショックアブソーバの減
衰力切替機構の細部を示す断面図、図2はショックアブ
ソーバの一部破断断面図である。
【0019】ショックアブソーバSAは、図2に示すよ
うに、第1シリンダ3側の下端にて車軸側部材5に固定
され、一方、ロッド7側の上端にてベアリング9及び防
振ゴム11を介して車体側部材13に固定されている。
第1シリンダ3内には、ロッド7が嵌挿されており、こ
のロッド7の下端には、中空の第2シリンダ15が連設
されている。そして、この第2シリンダ15には略円筒
形のハウジング17が螺合され、ハウジング17の下端
には、第1シリンダ3内をその内周面に沿って摺動自在
なメインピストン20が螺合されている。
【0020】メインピストン20の外周はOリング19
によってシールされており、このメインピストン20に
よって、第1シリンダ3内は、上方の油室21と下方の
油室23とに区画され、第1シリンダ3内に充填されて
いる作動油が上下2つの油室21,23に分離される。
【0021】従って、メインピストン20が第1シリン
ダ3内部を図中矢印A,Bで示す軸方向に摺動する場合
には、上油室21及び下油室23内部の作動油がこのオ
リフィス20aを通って相互に流動することとなり、こ
のオリフィスの流路断面積によって、制御していない時
のショックアブソーバSAの減衰力が決定される。尚、
このオリフィス20aを通ってのみ作動油が流動すると
きの減衰特性は、流路断面積が比較的小さくその流量も
少ないために、減衰力大(ハード)の特性となる。
【0022】一方、第2シリンダ15とハウジング17
とで形成された中空部には、その上端から、ショックア
ブソーバSAに作用する力の大きさを検出するピエゾ荷
重センサ25、ピエゾ荷重センサ25の下端に当接する
積層型圧電体27、そして積層型圧電体27の下端に当
接する第1ピストン30が順番に内蔵されている。
【0023】また、ハウジング17の中央部には、第1
ピストン30の摺動突起30aが摺動可能な摺動孔24
を有する仕切り部26が設けられている。第1ピストン
30は、仕切り部26との間にプリセットスプリング3
5を挟み、かつ摺動突起30aを摺動孔24に挿通した
状態で配置されている。プリセットスプリング35は押
しつぶされた状態で設置され、第1ピストン30を介し
て積層型圧電体27に押圧力を加えている円板状のスプ
リングである。
【0024】なお、第1ピストン30の摺動突起30a
とハウジング17の仕切り部26との間には、Oリング
37が設けられており、作動油が、積層型圧電体27の
方に浸入しない構造となっている。仕切り部26を挟ん
で積層型圧電体27を反対側には、本発明における摺動
部材としての第2ピストン40、ベース43、バルブ機
構70、シリンダエンドロッド48、切替用たわみ板
(以下単にたわみ板と言う。)45等が収納されてい
る。第2ピストン40は、円盤形状にされており、ハウ
ジング17の内周に沿って軸線方向に摺動可能にされて
いる。
【0025】たわみ板45は、ばね用鋼板等で製作され
た長方形の板状で、中央には開口部45aが設けられて
いる。本実施例では、たわみ板45を2枚使用し、第2
ピストン40とベース43の下部に設けられたつば部4
4との間に、予めその中央部分を内方に少したわまされ
た状態で挟み込まれている。すなわち、2枚のたわみ板
45は、その初期たわみが相互に対向するように配置さ
れている。
【0026】つば部44に、たわみ板45の端部の位置
決めをするための係合溝44aが設けられている。本実
施例では、図3(A)に示すように、たわみ板45の端
面と係合溝44aの底部が曲面状に形成されており、た
わみ板45の端面を支点としてたわみ板45自身が揺動
し易くされている。一方、図3(B)に示すように、第
2ピストン40にも同様の係合溝40aが設けられてお
り、その係合溝40a及び係合するたわみ板45の端面
も曲面状にされている。
【0027】ここで、たわみ板45に初期たわみを与え
る方法を説明する。本実施例では、エンドロッド48の
外周にねじが形成されており、ハウジング17の下端よ
りエンドロッド48をねじ込んでいくことができる。そ
して、ベース43は、エンドロッド48上に載置されて
いるだけなので、エンドロッド48をねじ込んでいく
と、第2ピストン40とベース43のつば部44との距
離が短くなるので、たわみ板45をたわませることがで
きるのである。また、たわみ板45のたわみ量が所望の
状態となったところでエンドロッド48の位置を固定す
るために、ロックナット47が設けられている。
【0028】次に、ベース43内部に配置されるバルブ
機構70及びその周辺の構造について説明する。図4は
バルブ機構70周辺部の拡大断面図、図5はバルブ機構
70の分解図である。図4に示すように、ベース43に
は、2枚のたわみ板45のほぼ頂点同士を結ぶ線を軸線
とする横穴51が設けられており、この横穴51には、
第3シリンダ71が圧入されている。また、第3シリン
ダ71の側面の一部には作動油の通る貫通孔73が設け
られており、ベース43において、その軸線方向に沿っ
て設けられた縦穴53と連通している。なお、上述した
ベース43の横穴51を高度に精密加工できるのであれ
ば、第3シリンダ71は無くてもよい。
【0029】第3シリンダ71内には、第3シリンダ7
1の内径よりもほんの僅かに小さな外径を持ち(クリア
ランスが1〜6μm程度)、横穴51の軸線に沿って第
3シリンダ71内を自由に摺動可能なバルブアウタ75
が配置されている。バルブアウタ75は略円筒形状であ
り、その内周のほぼ中央部には、全周にわたって溝77
が設けられており、その溝77内には、第3シリンダ7
1の貫通孔73と連通する連通孔79が設けられてい
る。また、バルブアウタ75の一端側には、後述するリ
ターンスプリング81を受けるためのアウタ鍔部83が
内方に向かって形成されている。
【0030】そして、バルブアウタ75内には、バルブ
アウタ75の内径よりもほんの僅かに小さな外径を持ち
(クリアランスが1〜6μm程度)、横穴51の軸線に
沿ってバルブアウタ75内を自由に摺動可能なバルブイ
ンナ85が配置されている。バルブインナ85も略円筒
形状であり、バルブアウタ75に設けられたアウタ鍔部
83とは反対側に位置する一端側には、リターンスプリ
ング81を受けるためのインナ鍔部87が内方に向かっ
て形成されている。
【0031】バルブアウタ75とバルブインナ85は、
リターンスプリング81の反力によって、互いに外側に
付勢されており、それぞれ、たわみ板45の頂点付近に
押し付けられた状態で移動が規制されている。積層型圧
電体27に電圧を印加しない状態で、バルブインナ85
のインナ鍔部87と反対側の端面EF1と、バルブアウ
タ75の溝77の端面EF2との間の距離が、たわみ板
45によって得られる拡大後の変位(=x)の2倍のク
リアランスになるよう、たわみ板45に与える初期たわ
みを調整する。
【0032】したがって、バルブインナ85の端面EF
1とバルブアウタ75の溝77の端面EF2との間に形
成される流路の面積Sは、次式(1)によって表され
る。 S=2πR・2x …(1) R:バルブインナ85の外半径 2x:両端面EF1,EF2間のクリアランス 図1に戻り、エンドロッド48にも、軸線方向に貫通孔
46が形成されており、ハウジング17にエンドロッド
48をねじ込んだ際、上記ベース43の縦穴53とエン
ドロッド48の貫通孔46とが連通するように位置す
る。また、作動油がベース43の縦穴53よりエンドロ
ッド48の貫通孔46を通って流れていく際、漏れ出さ
ないよう、ベース43とエンドロッド48との間には、
Oリング49が設けられている。
【0033】一方、ベース43の上端部には、エンドロ
ッド48をねじ込む際、たわみ板45が捻れないで第2
ピストン40と一緒に回転するように、四角断面の位置
決め用突起55が設けられている。そして、第2ピスト
ン40には、その位置決め用突起55が係合する四角穴
41が設けられている。
【0034】さらに、第2ピストン40が移動する際じ
ゃまにならないように、位置決め用突起55と四角穴4
1の底との間には、少し隙間が設けられている。但し、
エンドロッドをねじ込むとき、たわみ板がねじれないよ
うに治具等を工夫して組み付ければ、この位置決め用突
起55は無くても構わない。
【0035】本ショックアブソーバSAは、車両のいず
れか一車輪が、例えば凹部を通過しようとする時、その
衝撃を減衰力センサ25にて感知し、車両が凹部を通過
しようとしていることを図示しないECUに知らせ、積
層型圧電体27に電圧を印加する周知のシステムとなっ
ている。従って、本ショックアブソーバSAは、車輪が
凹部または凸部を通過する時には、即時、積層型圧電体
27に電圧が印加されるものとする。
【0036】次に、上記構成のショックアブソーバSA
の作動について説明する。最初に、作動油の流れについ
て簡単に説明しておく。今、車輪が凹部を通過しようと
しているものとする。車輪が凹部を通過する時は、図1
に示す第1シリンダ3の位置がメインピストン20の位
置に対し、相対的に図中B方向へ急激に下がる。即ち、
メインピストン20によって上油室21と下油室23と
に分けられている第1シリンダ3内の作動油は、その上
油室21の体積が小さくなるため、その急激な体積変化
についていけず、上油室21の圧力が下油室23のそれ
に比べ上昇する。
【0037】このとき、ハウジング17に設けられた連
通孔60を通ってハウジング17内部に流れ込んできた
上油室21の高圧作動油は、たわみ板45の開口部45
a、あるいは、たわみ板45とベース43との間を通っ
てバルブインナ85に流れ込む。そして、作動油はバル
ブインナ85の端面EF1とバルブアウタ75の溝77
の端面EF2との間の流路を通り、バルブアウタ75の
連通孔79、第3シリンダ71の貫通孔73、ベース4
3の縦穴53、エンドロッド48の貫通孔46を順次通
って、下油室23へ流れ込む。このように高圧となった
上油室21の作動油が徐々に下油室23に流れ込むこと
により、上油室21の圧力は徐々に下がっていく。
【0038】逆に、車輪が凸部を通過する時は、図1に
示す第1シリンダ3の位置がメインピストン20の位置
に対し、急激に相対的に図中A方向へ上がる。即ち、メ
インピストン20によって上油室21と下油室23とに
分けられている第1シリンダ3内の作動油は、その下油
室23の体積が小さくなるため、その急激な体積変化に
ついていけず、下油室23の圧力が上油室21のそれに
比べ上昇し、上述の作動油の流れとは逆に流れる。
【0039】次に、上述したように作動油が流れる際
の、減衰力の切替について説明する。車輪の凹部通過に
伴い、積層型圧電体27には電圧が印加されて、伸張す
る側に変位を発生する。そして、プリセットスプリング
35に逆らって第1ピストン30を押し下げる。通常、
第2ピストン40は、たわみ板45のたわみ力によって
第1ピストン30に押し付けられているので、第1ピス
トン30の動きと同調して、積層型圧電体27の変位分
だけ軸線方向に押し下げられる。
【0040】そのため、第2ピストン40と、ベース4
3のつば部44との間の距離が短くなり、たわみ板45
は、初期たわみ状態よりさらに内方(図4中に示す白抜
き矢印の方向)にたわむ。この場合のたわみ量は、積層
型圧電体27の変位に対して10〜25倍程度に拡大さ
れたものとなる。この変位拡大に関する原理について
は、上記「作用」の欄でも説明したので、詳しい説明は
省略する。なお、本実施例のたわみ板45は、中央に開
口部45aが設けられているので、その部分の断面積が
小さくなり、曲がり度合が大きくなって三角形近似によ
り近づく。
【0041】そして、1枚のたわみ板45によって拡大
される拡大後変位(すなわち、たわみ量)をxとする
と、2枚のたわみ板45の頂点間距離は2x分だけ縮む
ことになる。そのため、バルブインナ85の端面EF1
とバルブアウタ75の溝77の端面EF2との間のクリ
アランスが「0」になり、上記(1)式からも判るよう
に、流路面積も「0」となる。
【0042】一方、電圧の印加をやめると積層型圧電体
27は元の状態に復帰し、それに伴い、たわみ板45
は、自身の弾性復元力によって元の初期たわみ状態に復
帰し、減衰力も元の状態に復帰する。従って、ショック
アブソーバSAの減衰力を、積層型圧電体27に電圧を
印加しない状態での、流路面積Sの一番大きなソフト状
態と、積層型圧電体27に電圧を印加しない状態での、
流路面積Sの一番小さな(本実施例ではS=0)ハード
状態とを切り替えることができる。
【0043】このように、積層型圧電体27の微小変位
をたわみ板45により拡大し、そのたわみ板45のたわ
みによりバルブアウタ75及びバルブインナ85を移動
させて流路面積Sの変更を行なうため、簡易な構成で所
要スペースも相対的に小さくすることが可能でありなが
ら、十分な変位拡大率も得られ、切替可能な減衰力の幅
も大きく設定可能かつ減衰力制御性も向上可能である。
【0044】また、印加電圧によって積層型圧電体27
の変位が決まるので、印加電圧を制御すればバルブアウ
タ75及びバルブインナ85の位置を任意に定めること
が可能であり、減衰力をハード状態とソフト状態の中間
に保持することもできる。従って、印加電圧により減衰
力を連続的に制御することが可能である。
【0045】以上本発明は、このような実施例に何等限
定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
において種々なる態様で実施し得る。例えば、たわみ板
45の中央部分の板厚を薄くすれば、たわみ板45の中
央部の曲がり度合がさらに大きくなり、三角形近似によ
り近づき、さらに大きな変位拡大率を得ることができ
る。なお、板厚を薄くするのではなく、たわみ板45の
幅を小さくしても同様の効果が得られる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のショック
アブソーバの減衰力切替機構によれば、圧電体の微小変
位を切替用たわみ板により拡大し、その切替用たわみ板
のたわみにより減衰力切替用バルブを移動させて流路面
積の変更を行なうため、簡易な構成で所要スペースも相
対的に小さくすることが可能でありながら、十分な変位
拡大率も得られ、切替可能な減衰力の幅も大きく設定可
能かつ減衰力制御性も向上可能であるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例のショックアブソーバの減
衰力切替機構の細部を示す断面図である。
【図2】 ショックアブソーバの一部破断断面図であ
る。
【図3】 (A)はベースつば部とたわみ板との係合状
態を示す断面図、(B)は第2ピストンとたわみ板との
係合状態を示す断面図である。
【図4】 バルブ機構周辺部の拡大断面図である。
【図5】 バルブ機構の断面図である。
【図6】 (A)はたわみ板を円弧で近似した場合の幾
何学的関係を示す説明図、(B)は曲率半径R及び角度
θと変位拡大率k1との関係を示すグラフである。
【図7】 (A)はたわみ板を三角形で近似した場合の
幾何学的関係を示す説明図、(B)は角度θと変位拡大
率k2との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
3…第1シリンダ、 17…ハウジング、 20…
メインピストン、21…上油室、 23…下油
室、 27…積層型圧電体、30…第1ピスト
ン、 30a…摺動突起、 40…第2ピストン、
43…ベース、 44…つば部、 45
…たわみ板、45a…開口部、 51…横穴、
53…縦穴、70…バルブ機構、 71
…第3シリンダ、 73…貫通孔、75…バルブアウ
タ、 77…溝、 79…連通孔、81
…リターンスプリング、 83…アウタ鍔部、85
…バルブインナ、 87…インナ鍔部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森脇 淳二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 向井 寛克 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 三輪 直人 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと摺動自在に嵌合するピストン
    により区画された2つの油室を連通する油通路を備え、
    該油通路の流路面積を変化させることによって減衰力を
    切り替え可能なショックアブソーバの減衰力切替機構で
    あって、 印加された電圧に応じて伸縮する圧電体により駆動さ
    れ、シリンダ軸方向に摺動可能な摺動部材を備え、 平板状に形成され上記摺動部材の摺動方向と略平行にさ
    れており、その一端は位置が固定され他端は上記摺動部
    材に当接された、弾性を有する切替用たわみ板を2枚有
    し、それら2枚のたわみ板を平行かつ、上記圧電体への
    非印加状態時には相互に対向する方向へ初期たわみが生
    じるように配置すると共に、 前記2枚のたわみ板の間に、各たわみ板のたわみにより
    移動する減衰力切替用バルブをそれぞれ配置し、該バル
    ブの移動により前記油通路の流路面積を変化可能とした
    ことを特徴とするショックアブソーバの減衰力切替機
    構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103016599A (zh) * 2012-12-13 2013-04-03 浙江师范大学 集成式自供电液压阻尼器

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