JPH0674132B2 - 熱的に安定なリン含有y型フオ−ジヤサイトの製造法 - Google Patents
熱的に安定なリン含有y型フオ−ジヤサイトの製造法Info
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- JPH0674132B2 JPH0674132B2 JP61055823A JP5582386A JPH0674132B2 JP H0674132 B2 JPH0674132 B2 JP H0674132B2 JP 61055823 A JP61055823 A JP 61055823A JP 5582386 A JP5582386 A JP 5582386A JP H0674132 B2 JPH0674132 B2 JP H0674132B2
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- phosphorus
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- ammonium
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はリンを含有する水素−Y型フォージャサイトの
製造方法に関するものであって、さらに詳しくは熱安定
性に優れたリン含有水素−Y型フォージャサイトの製造
方法に係る。
製造方法に関するものであって、さらに詳しくは熱安定
性に優れたリン含有水素−Y型フォージャサイトの製造
方法に係る。
[従来の技術] 0.9±0.2Na2O:Al2O3:wSiO2:xH2O (ここでw=3〜6,x=9) ナトリウム−Y型フォージャサイトは、典型的には上記
の一般式で表わすことができるが、このものを例えば触
媒として使用する場合には、ナトリウムカチオンを水素
や他の適当な金属カチオンとイオン交換させるのが通例
である。
の一般式で表わすことができるが、このものを例えば触
媒として使用する場合には、ナトリウムカチオンを水素
や他の適当な金属カチオンとイオン交換させるのが通例
である。
ところで、Y型フォージャサイトの熱安定性は、フォー
ジャサイトのSiO2/Al2O3モル比及び単位格子寸法に依存
することが知られており、SiO2/Al2O3モル比が高い程、
単位格子寸法は小さい程、フォージャサイトは、熱安定
性が高い。こうしたことから、従来はSiO2/Al2O3モル比
の高いフォージャサイトを合成する方法や、フォージャ
サイトの単位格子寸法を減少させる方法の開発に、研究
者の力が注がれてきた。そして、特公昭38−124号公
報、特公昭49−24000号公報、特公昭56−366号公報、特
開昭59−12114号公報等にはSiO2/Al2O3モル比の高いア
ルカリ金属Y型フォージャサイトの合成方法が提案され
ている。また、特公昭42−8129号公報、特公昭44−3194
8号公報、特公昭46−9132号公報等にはY型フォージャ
サイトの単位格子寸法を減少させる方法が提案されてい
る。
ジャサイトのSiO2/Al2O3モル比及び単位格子寸法に依存
することが知られており、SiO2/Al2O3モル比が高い程、
単位格子寸法は小さい程、フォージャサイトは、熱安定
性が高い。こうしたことから、従来はSiO2/Al2O3モル比
の高いフォージャサイトを合成する方法や、フォージャ
サイトの単位格子寸法を減少させる方法の開発に、研究
者の力が注がれてきた。そして、特公昭38−124号公
報、特公昭49−24000号公報、特公昭56−366号公報、特
開昭59−12114号公報等にはSiO2/Al2O3モル比の高いア
ルカリ金属Y型フォージャサイトの合成方法が提案され
ている。また、特公昭42−8129号公報、特公昭44−3194
8号公報、特公昭46−9132号公報等にはY型フォージャ
サイトの単位格子寸法を減少させる方法が提案されてい
る。
Y型フォージャサイトの単位格子寸法を、或る特定値ま
で低下させたものは、特に優れた熱安定性を具備してい
ることから、超安定Y型ゼオライト(Ultrastable Y
型ゼオライト、USYと称す)と呼ばれる。このUSYは典型
的にはナトリウム−Y型フォージャサイトに、アンモニ
ウムイオン交換を施してから水蒸気の存在下に熱処理を
施す操作により、脱アルミニウムを生起させて結晶の単
位格子寸法を収縮せしめることで製造され、そのアルカ
リ金属含有量は酸化物換算で1重量%未満であり、単位
格子の寸法は24.2〜24.4Åであるのが一般的である。そ
して、USYは耐酸性が高いので、上記の脱アルミニウム
の過程で生成した無定形アルミナを、例えば塩酸で除去
することによって、そのSiO2/Al2O3モル比をさらに高め
ることができる。
で低下させたものは、特に優れた熱安定性を具備してい
ることから、超安定Y型ゼオライト(Ultrastable Y
型ゼオライト、USYと称す)と呼ばれる。このUSYは典型
的にはナトリウム−Y型フォージャサイトに、アンモニ
ウムイオン交換を施してから水蒸気の存在下に熱処理を
施す操作により、脱アルミニウムを生起させて結晶の単
位格子寸法を収縮せしめることで製造され、そのアルカ
リ金属含有量は酸化物換算で1重量%未満であり、単位
格子の寸法は24.2〜24.4Åであるのが一般的である。そ
して、USYは耐酸性が高いので、上記の脱アルミニウム
の過程で生成した無定形アルミナを、例えば塩酸で除去
することによって、そのSiO2/Al2O3モル比をさらに高め
ることができる。
Y型フォージャサイトにリンを含有させることに関連す
る従来技術としては、粘土を出発原料にして製造された
水素−Y型フォージャサイトと前記の粘土から誘導され
た残渣(シリカーアルミナ)を含有する触媒焼成物を、
リン化合物で処理すると、触媒の分解活性が向上する旨
が特開昭58−214344号公報に教示されている。また、特
開昭51−57688号公報には、結晶性アルミノシリケート
ゼオライトをリン化合物で処理すると、アルキル化反応
等を含む有機化合物の各種転化反応に於て、選択性を改
良できることが開示されている。
る従来技術としては、粘土を出発原料にして製造された
水素−Y型フォージャサイトと前記の粘土から誘導され
た残渣(シリカーアルミナ)を含有する触媒焼成物を、
リン化合物で処理すると、触媒の分解活性が向上する旨
が特開昭58−214344号公報に教示されている。また、特
開昭51−57688号公報には、結晶性アルミノシリケート
ゼオライトをリン化合物で処理すると、アルキル化反応
等を含む有機化合物の各種転化反応に於て、選択性を改
良できることが開示されている。
しかしながら、これら二つの公知文献は、Y型フォージ
ャサイトにリンを含有させることが、Y型フォージャサ
イトの熱安定性に如何なる影響を及ぼすかを少しも教え
ていない。
ャサイトにリンを含有させることが、Y型フォージャサ
イトの熱安定性に如何なる影響を及ぼすかを少しも教え
ていない。
[発明の目的] 本発明は、従来公知の手段で合成されたナトリウム−Y
型フォージャサイトや水素−Y型フォージャサイトに、
リンを含有させる処理を施すことによって、それぞれの
フォージャサイトの熱安定性をより一層向上させること
を目的とするものであって、リンを含有せしめる対象に
水素−Y型フォージャサイトを選んだ場合には、そのフ
ォージャサイトは従来の熱安定性向上技術によって、Si
O2/Al2Oモル比を増大乃至は単位格子寸法を減少させた
水素−Y型フォージャサイトを包含する。
型フォージャサイトや水素−Y型フォージャサイトに、
リンを含有させる処理を施すことによって、それぞれの
フォージャサイトの熱安定性をより一層向上させること
を目的とするものであって、リンを含有せしめる対象に
水素−Y型フォージャサイトを選んだ場合には、そのフ
ォージャサイトは従来の熱安定性向上技術によって、Si
O2/Al2Oモル比を増大乃至は単位格子寸法を減少させた
水素−Y型フォージャサイトを包含する。
[目的を達成するための手段その作用] 本発明の方法は、出発原料がナトリウム−Y型フォージ
ャサイト(以下Na−Yと略記)である場合と、水素−Y
型フォージャサイト(以下H−Yと略記)である場合に
大別されるが、原料にH−Yを選んだ場合は、以下に詳
述する本発明の第1工程で使用する処理液に、必ずしも
アンモニウムイオンを溶存させる必要がない点を除い
て、Na−Yを原料に選んだ場合と全く同一の手段及び条
件で、本発明の目的生成物たるリン含有H−Yを製造す
ることができる。従って、以下にはNa−Yを出発原料と
した場合を例に採って、本発明の方法を説明する。
ャサイト(以下Na−Yと略記)である場合と、水素−Y
型フォージャサイト(以下H−Yと略記)である場合に
大別されるが、原料にH−Yを選んだ場合は、以下に詳
述する本発明の第1工程で使用する処理液に、必ずしも
アンモニウムイオンを溶存させる必要がない点を除い
て、Na−Yを原料に選んだ場合と全く同一の手段及び条
件で、本発明の目的生成物たるリン含有H−Yを製造す
ることができる。従って、以下にはNa−Yを出発原料と
した場合を例に採って、本発明の方法を説明する。
本発明の方法は、Na−Yをリン酸イオンとアンモニウム
イオンが共存する水溶液で処理して、ナトリウム含量が
Na2Oとして3重量%以下であり、リン含量がP2O5として
0.3〜15重量%であるリン含有アンモニウム−Y型フォ
ージャサイト(以下アンモニウム−Y型フォージャサイ
トをNH4−Yと略記)を調製し、このリン含有NH4−Yを
温度500〜800℃の条件下に水蒸気で1〜6時間処理し
て、熱安定性に優れたリン含有H−Yを得ることを特徴
とする。
イオンが共存する水溶液で処理して、ナトリウム含量が
Na2Oとして3重量%以下であり、リン含量がP2O5として
0.3〜15重量%であるリン含有アンモニウム−Y型フォ
ージャサイト(以下アンモニウム−Y型フォージャサイ
トをNH4−Yと略記)を調製し、このリン含有NH4−Yを
温度500〜800℃の条件下に水蒸気で1〜6時間処理し
て、熱安定性に優れたリン含有H−Yを得ることを特徴
とする。
この方法に於て、出発原料となるNa−Yには、前掲の一
般式で表示されるNa−Yが使用可能である。原料Na−Y
はリン酸イオンとアンモニウムイオンが共存する水溶液
と、室温乃至約100℃の温度で接触せしめられる。本発
明に於て、この接触は原料フォージャサイトにリン酸イ
オンを導入しながら、フォージャサイトに含まれるナト
リウムをアンモニウムにイオン交換して、そのナトリウ
ム含量をNa2Oとして3重量%以下に低下させることを企
図している。従って、このイオン交換処理は通常のイオ
ン交換処理と同様な操作を複数回行なうことを可とし、
最終の水洗操作後に水の存在下にフォージャサイトに熱
処理を施して、アンモニウムイオンの少なくとも一部を
水素イオンに分解することが好ましい。
般式で表示されるNa−Yが使用可能である。原料Na−Y
はリン酸イオンとアンモニウムイオンが共存する水溶液
と、室温乃至約100℃の温度で接触せしめられる。本発
明に於て、この接触は原料フォージャサイトにリン酸イ
オンを導入しながら、フォージャサイトに含まれるナト
リウムをアンモニウムにイオン交換して、そのナトリウ
ム含量をNa2Oとして3重量%以下に低下させることを企
図している。従って、このイオン交換処理は通常のイオ
ン交換処理と同様な操作を複数回行なうことを可とし、
最終の水洗操作後に水の存在下にフォージャサイトに熱
処理を施して、アンモニウムイオンの少なくとも一部を
水素イオンに分解することが好ましい。
イオン交換処理に用いる溶液は、典型的にはリン酸イオ
ンとアンモニウムイオンが共存する水溶液であるが、イ
オン交換処理を複数回繰り返す場合、1回のイオン交換
処理で所定量のリン酸イオンが導入できれば、他のイオ
ン交換処理液にリン酸イオンを共存させる必要はない。
従って、アンモニウムイオンを含有する水溶液と、リン
酸イオンを含有する水溶液を個別に使用して、まず原料
フォージャサイトをアンモニウムイオン含有水溶液で処
理してナトリウム含量を所定量に減少させた後、そのフ
ォージャサイトをリン酸イオン含有水溶液で処理する手
順でも、或いはまた、原料フォージャサイトをまずリン
酸イオン含有水溶液で処理して所定量のリンを含有させ
た後、そのフォージャサイトをアンモニウムイオン含有
水溶液で処理する手順でも、ナトリウム含量がNa2Oとし
て3重量%以下であり、リン含量がP2O5として0.3〜15
重量%である本発明のリン含有NH4−Yを調製すること
ができる。
ンとアンモニウムイオンが共存する水溶液であるが、イ
オン交換処理を複数回繰り返す場合、1回のイオン交換
処理で所定量のリン酸イオンが導入できれば、他のイオ
ン交換処理液にリン酸イオンを共存させる必要はない。
従って、アンモニウムイオンを含有する水溶液と、リン
酸イオンを含有する水溶液を個別に使用して、まず原料
フォージャサイトをアンモニウムイオン含有水溶液で処
理してナトリウム含量を所定量に減少させた後、そのフ
ォージャサイトをリン酸イオン含有水溶液で処理する手
順でも、或いはまた、原料フォージャサイトをまずリン
酸イオン含有水溶液で処理して所定量のリンを含有させ
た後、そのフォージャサイトをアンモニウムイオン含有
水溶液で処理する手順でも、ナトリウム含量がNa2Oとし
て3重量%以下であり、リン含量がP2O5として0.3〜15
重量%である本発明のリン含有NH4−Yを調製すること
ができる。
しかし、リン酸イオンとアンモニウムイオンが共存する
水溶液を使用すれば、フォージャサイトに対するリンの
導入と、ナトリウムの除去が同時に行える点で好ましい
ことは勿論である。また、リン酸イオンが共存している
か否かにかかわらず、アンモニウムイオン含有水溶液で
フォージャサイトを処理した際には、そのフォージャサ
イトを焼成することが、次回のアンモニウムイオン含有
水溶液処理でフォージャサイトのナトリウム含量を効率
良く低下させるうえで好ましい。
水溶液を使用すれば、フォージャサイトに対するリンの
導入と、ナトリウムの除去が同時に行える点で好ましい
ことは勿論である。また、リン酸イオンが共存している
か否かにかかわらず、アンモニウムイオン含有水溶液で
フォージャサイトを処理した際には、そのフォージャサ
イトを焼成することが、次回のアンモニウムイオン含有
水溶液処理でフォージャサイトのナトリウム含量を効率
良く低下させるうえで好ましい。
アンモニウムイオンを含有するイオン交換処理液の調製
には、当業界で周知のアンモニウムイオン交換処理液と
同様、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アン
モニウム等が使用可能であって、リン酸イオンを与える
化合物としては、リン酸、リン酸水素二アンモニウム、
リン酸二水素アンモニウム及びその他の水溶性リン酸塩
が使用可能である。このうち、リン酸水素二アンモニウ
ム及びリン酸二水素アンモニウムは、イオン交換処理液
にリン酸イオンとアンモニウムイオンと同時に供給でき
る利点がある。
には、当業界で周知のアンモニウムイオン交換処理液と
同様、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、塩化アン
モニウム等が使用可能であって、リン酸イオンを与える
化合物としては、リン酸、リン酸水素二アンモニウム、
リン酸二水素アンモニウム及びその他の水溶性リン酸塩
が使用可能である。このうち、リン酸水素二アンモニウ
ム及びリン酸二水素アンモニウムは、イオン交換処理液
にリン酸イオンとアンモニウムイオンと同時に供給でき
る利点がある。
イオン交換処理液中のアンモニウムイオン濃度は、イオ
ン交換処理の反復回数にもよるが、原料Na−Yのナトリ
ウム含量をNa2Oとして3重量%以下に低下させ得る範囲
で選択される。一般的には3〜20重量%程度のアンモニ
ウムイオン濃度を採用して、イオン交換処理を複数回繰
り返すことが好ましい。一方、リン酸イオン濃度は、本
発明の最終生成物であるH−Yのリン含量がP2O5として
0.3〜15重量%になるよう選択されるが、一般的には水
溶性リン化合物の濃度が約0.1〜20重量%の範囲にある
溶液を使用して、イオン交換処理を複数回繰り返すこと
が好ましい。
ン交換処理の反復回数にもよるが、原料Na−Yのナトリ
ウム含量をNa2Oとして3重量%以下に低下させ得る範囲
で選択される。一般的には3〜20重量%程度のアンモニ
ウムイオン濃度を採用して、イオン交換処理を複数回繰
り返すことが好ましい。一方、リン酸イオン濃度は、本
発明の最終生成物であるH−Yのリン含量がP2O5として
0.3〜15重量%になるよう選択されるが、一般的には水
溶性リン化合物の濃度が約0.1〜20重量%の範囲にある
溶液を使用して、イオン交換処理を複数回繰り返すこと
が好ましい。
ちなみに、最終生成物であるH−Yのリン含量が上記の
範囲を下廻った場合は、リンを含有させることでフォー
ジャサイトの熱安定性を向上させると言う本発明固有の
効果が事実上発現されず、逆に上廻った場合はフォージ
ャサイトの結晶性が損なわれる不都合がある。
範囲を下廻った場合は、リンを含有させることでフォー
ジャサイトの熱安定性を向上させると言う本発明固有の
効果が事実上発現されず、逆に上廻った場合はフォージ
ャサイトの結晶性が損なわれる不都合がある。
イオン交換処理液のpHは、アンモニウムイオン濃度及び
リン酸イオン濃度の如何に拘りなく、約3〜約8の範囲
とすることが望まし。pHが下限値を下廻った場合はフォ
ージャサイトの結晶性が低下する虞れがあり、上限値を
上廻った場合はアンモニウムイオン交換率が低下し、リ
ンの導入が阻害される虞れがあるからである。
リン酸イオン濃度の如何に拘りなく、約3〜約8の範囲
とすることが望まし。pHが下限値を下廻った場合はフォ
ージャサイトの結晶性が低下する虞れがあり、上限値を
上廻った場合はアンモニウムイオン交換率が低下し、リ
ンの導入が阻害される虞れがあるからである。
上記のイオン交換処理を複数回行なう場合に於て、各イ
オン交換処理が終了する毎にフォージャサイトはナトリ
ウムの除去を目的として水洗される、水洗されたフォー
ジャサイトを水の存在下に熱処理した場合には、イオン
交換によって得られたNH4−Yの一部はH−Yに変化す
る。そしてこの熱処理に際しては、脱アルミニウムによ
ってフォージャサイトの骨格のSiO2/Al2O3モル比が増大
し、同時に単位格子寸法の縮小が生起するのは、従来技
術と異ならない。
オン交換処理が終了する毎にフォージャサイトはナトリ
ウムの除去を目的として水洗される、水洗されたフォー
ジャサイトを水の存在下に熱処理した場合には、イオン
交換によって得られたNH4−Yの一部はH−Yに変化す
る。そしてこの熱処理に際しては、脱アルミニウムによ
ってフォージャサイトの骨格のSiO2/Al2O3モル比が増大
し、同時に単位格子寸法の縮小が生起するのは、従来技
術と異ならない。
ナトリウム含量がNa2Oとして3重量%以下に低下し、リ
ンがP2O5として0.3〜15重量%含有せしめられたフォー
ジャサイトは、次いで温度500〜800℃、好ましくは600
〜700℃の条件下に1〜6時間、好ましくは2〜4時間
水蒸気で処理される。この水蒸気処理は、前記のイオン
交換処理を終了したフォージャサイトを水洗し、湿潤状
態のままフォージャサイトに適用するのが一般的である
が、水洗後のフォージャサイトを予備乾燥し、これに再
度水を含ませて熱処理を施しても差し支えなく、また予
備乾燥されたフォージャサイトに水蒸気を接触させて熱
処理しても差し支えない。
ンがP2O5として0.3〜15重量%含有せしめられたフォー
ジャサイトは、次いで温度500〜800℃、好ましくは600
〜700℃の条件下に1〜6時間、好ましくは2〜4時間
水蒸気で処理される。この水蒸気処理は、前記のイオン
交換処理を終了したフォージャサイトを水洗し、湿潤状
態のままフォージャサイトに適用するのが一般的である
が、水洗後のフォージャサイトを予備乾燥し、これに再
度水を含ませて熱処理を施しても差し支えなく、また予
備乾燥されたフォージャサイトに水蒸気を接触させて熱
処理しても差し支えない。
いずれにしても、上に述べた水蒸気処理によって、下記
のようなリン含有H−Yを、本発明方法の製品として得
ることができる。
のようなリン含有H−Yを、本発明方法の製品として得
ることができる。
SiO2/Al2O3モル比=4〜7 単位格子寸法=24.20〜24.60Å Na2O量=3重量%以下 P2O5量=0.3〜15重量% 以上の説明は原料Na−Yからリン含有H−Yを製造する
場合のものであるが、出発原料にH−Yを選んだ場合
も、上と同様な手段及び条件で原料H−Yを処理するこ
とにより、目的とするリン含有H−Yを製造することが
できる。但し、出発原料にH−Yを選んだ場合は、既述
した通り、本発明に第1工程で使用する処理液には、ア
ンモニウムイオンが溶存していても差し支えないが、そ
の溶存は必ずしも必須ではない。そして、原料H−Yに
は従来技術によってSiO2/Al2O3モル比を増大乃至は単位
格子寸法を縮少させたH−Yが使用できることも既述し
た通りである。
場合のものであるが、出発原料にH−Yを選んだ場合
も、上と同様な手段及び条件で原料H−Yを処理するこ
とにより、目的とするリン含有H−Yを製造することが
できる。但し、出発原料にH−Yを選んだ場合は、既述
した通り、本発明に第1工程で使用する処理液には、ア
ンモニウムイオンが溶存していても差し支えないが、そ
の溶存は必ずしも必須ではない。そして、原料H−Yに
は従来技術によってSiO2/Al2O3モル比を増大乃至は単位
格子寸法を縮少させたH−Yが使用できることも既述し
た通りである。
[実施例] Na−Yの製造 水硝子、シリカゲル、アルミン酸ナトリウム、水酸化ナ
トリウム及び水を使用して下記のモル組成を有する反応
混合物を調製した。
トリウム及び水を使用して下記のモル組成を有する反応
混合物を調製した。
2.7Na2O:Al2O3:8SiO2:120H2O この反応混合物を95℃の温度で48時間保持して濾過し、
得られたケーキを110℃で16時間乾燥することにより、N
a−Yを製造した。そして、X線回析法及び化学分析か
ら、このNa−Yは結晶化度が110%で、SiO2/Al2O3モル
比は4.8であることを確認した。
得られたケーキを110℃で16時間乾燥することにより、N
a−Yを製造した。そして、X線回析法及び化学分析か
ら、このNa−Yは結晶化度が110%で、SiO2/Al2O3モル
比は4.8であることを確認した。
尚、結晶化度はX線回折図の(533)及び(642)面の総
ピーク面積Sを求め、市販のナトリウム−Y型ゼオライ
ト(ユニオン・カーバイド製、SK−40)の場合の総ピー
ク面積S0を結晶化度100%として次式から求めた。
ピーク面積Sを求め、市販のナトリウム−Y型ゼオライ
ト(ユニオン・カーバイド製、SK−40)の場合の総ピー
ク面積S0を結晶化度100%として次式から求めた。
結晶化度=100S/S0 実施例1 上記のNa−Yの一部を硫酸アンモニウム水溶液でイオン
交換し、洗浄後、空気中で焼成してNa2O含有量5.12wt%
のフォージャサイト(A)を得た。その一部をリン酸水
素アンモニウム水溶液に懸濁して90℃で0.5時間撹拌し
た後、濾過して洗浄し、しかる後水蒸気雰囲気中650℃
で3.5時間焼成してリン含有水素−Y型フォージャサイ
トを調製した。
交換し、洗浄後、空気中で焼成してNa2O含有量5.12wt%
のフォージャサイト(A)を得た。その一部をリン酸水
素アンモニウム水溶液に懸濁して90℃で0.5時間撹拌し
た後、濾過して洗浄し、しかる後水蒸気雰囲気中650℃
で3.5時間焼成してリン含有水素−Y型フォージャサイ
トを調製した。
実施例2 硫酸アンモニウム水溶液にリン酸を溶解させた水溶液
に、上記のNa−Yの一部を懸濁させ、90℃で0.5次か撹
拌した後、濾過して洗浄し、Na2O含有量4.69wt%のリン
含有フォージャサイト(B)を得た。このフォージャサ
イトの一部を空気中650℃で3.5時間焼成した後、硫酸ア
ンモニウム水溶液でイオン交換し、洗浄後、水蒸気雰囲
気中650℃で3.5時間焼成してリン含有水素−Y型フォー
ジャサイトを調製した。
に、上記のNa−Yの一部を懸濁させ、90℃で0.5次か撹
拌した後、濾過して洗浄し、Na2O含有量4.69wt%のリン
含有フォージャサイト(B)を得た。このフォージャサ
イトの一部を空気中650℃で3.5時間焼成した後、硫酸ア
ンモニウム水溶液でイオン交換し、洗浄後、水蒸気雰囲
気中650℃で3.5時間焼成してリン含有水素−Y型フォー
ジャサイトを調製した。
比較例1 実施例2で得たフォージャサイト(B)をそのまま水蒸
気雰囲気中650℃で3.5時間焼成してナトリウム含量の多
いリン含有水素−Y型フォージャサイトを調製した。
気雰囲気中650℃で3.5時間焼成してナトリウム含量の多
いリン含有水素−Y型フォージャサイトを調製した。
比較例2 実施例1で得たフォージャサイト(A)を、リン酸水素
アンモニウム水溶液で処理することなく、硫酸アンモニ
ウム水溶液で処理してナトリウム含量を減少させた後、
水蒸気雰囲気中で焼成してリンを含まない水素−Y型フ
ォージャサイトを調製した。
アンモニウム水溶液で処理することなく、硫酸アンモニ
ウム水溶液で処理してナトリウム含量を減少させた後、
水蒸気雰囲気中で焼成してリンを含まない水素−Y型フ
ォージャサイトを調製した。
比較例3 硫酸アンモニウム水溶液での処理回数を増加させた以外
は比較例2と同様にしてリンを含まない水素−Y型フォ
ージャサイトを調製した。
は比較例2と同様にしてリンを含まない水素−Y型フォ
ージャサイトを調製した。
実施例3,4及び比較例4 実施例2に於いて、リン酸を含有する硫酸アンモニウム
水溶液による処理条件乃至は焼成後に行われる硫酸アン
モニウム水溶液による処理条件を変更してフォージャサ
イトのナトリウム含量及びリン含量を変化させた以外は
実施例2と同様にしてリン含有水素−Y型フォージャサ
イトを調製した。
水溶液による処理条件乃至は焼成後に行われる硫酸アン
モニウム水溶液による処理条件を変更してフォージャサ
イトのナトリウム含量及びリン含量を変化させた以外は
実施例2と同様にしてリン含有水素−Y型フォージャサ
イトを調製した。
実施例5 比較例2で調製したリンを含まない水素−Y型フォージ
ャサイトをリン酸水素アンモニウム水溶液に懸濁させ、
90℃で0.5時間撹拌した後、濾過して洗浄し、しかる後
水蒸気雰囲気中で焼成してリン含有水素−Y型フォージ
ャサイトを調製した。
ャサイトをリン酸水素アンモニウム水溶液に懸濁させ、
90℃で0.5時間撹拌した後、濾過して洗浄し、しかる後
水蒸気雰囲気中で焼成してリン含有水素−Y型フォージ
ャサイトを調製した。
比較例5 実施例5に於いて、フォージャサイトのリン含量が増加
するようリン酸水素アンモニウム水溶液による処理条件
を変更した以外は実施例5と同様にしてリン含有水素−
Y型フォージャサイトを調製した。
するようリン酸水素アンモニウム水溶液による処理条件
を変更した以外は実施例5と同様にしてリン含有水素−
Y型フォージャサイトを調製した。
熱的安定性の評価−その1 Y型フォージャサイトをプレス成形し、その成形物を21
0〜590ミクロンに揃え、これらをステンレス反応管に充
填して810℃の温度で6時間100%スチーム(大気圧)で
処理し、処理後のフォージャサイトのX線回折図から結
晶性残存率を求める方法により、上記の各実施例及び比
較例で得られたY型フォージャサイトの熱的安定性を評
価した。
0〜590ミクロンに揃え、これらをステンレス反応管に充
填して810℃の温度で6時間100%スチーム(大気圧)で
処理し、処理後のフォージャサイトのX線回折図から結
晶性残存率を求める方法により、上記の各実施例及び比
較例で得られたY型フォージャサイトの熱的安定性を評
価した。
結果を各Y型フォージャサイトのナトリウム含量、リン
含量及び単位格子寸法と共に表−1に示す。
含量及び単位格子寸法と共に表−1に示す。
表−1に示される通り、本発明の方法で製造されたリン
含有水素−Y型フォージャサイトは、単位格子寸法及び
ナトリウム含量が同程度であるリンを含まない水素−Y
型フォージャサイトに比較して、熱的安定性が優れてい
る。
含有水素−Y型フォージャサイトは、単位格子寸法及び
ナトリウム含量が同程度であるリンを含まない水素−Y
型フォージャサイトに比較して、熱的安定性が優れてい
る。
熱的安定性の評価−その2 Y型フォージャサイト40重量%、シリカ−アルミナ系混
合物60重量%からなる接触分解用触媒を、実施例2及び
比較例2で得たY型フォージャサイトをそれぞれ使用し
て製造し、各触媒を予め750℃で6時間100%スチームで
前処理した場合及び810℃で6時間100%スチームで前処
理した場合の両者について、標準微量活性接触分解法に
より触媒活性を比較して両触媒の熱的安定性を評価し
た。結果を表−2に示す。
合物60重量%からなる接触分解用触媒を、実施例2及び
比較例2で得たY型フォージャサイトをそれぞれ使用し
て製造し、各触媒を予め750℃で6時間100%スチームで
前処理した場合及び810℃で6時間100%スチームで前処
理した場合の両者について、標準微量活性接触分解法に
より触媒活性を比較して両触媒の熱的安定性を評価し
た。結果を表−2に示す。
尚、標準微量活性接触分解法で使用した炭化水素油は、
沸点約200〜約500℃の脱硫酸減圧軽油であって、採用し
た反応条件は次の通りである。
沸点約200〜約500℃の脱硫酸減圧軽油であって、採用し
た反応条件は次の通りである。
反応温度 =482℃ 触媒/炭化水素油重量比=3 重量時間空間速度 =16 表−2に示す如く、本発明の方法で製造されたリン含有
水素−Y型フォージャサイトを含有する触媒は、高温ス
チームによる脱活性処理を施した後でも高活性を保持し
ており、本発明の方法で得られたリン含有水素−Y型フ
ォージャサイトは、熱的安定性に優れていることが分か
る。
水素−Y型フォージャサイトを含有する触媒は、高温ス
チームによる脱活性処理を施した後でも高活性を保持し
ており、本発明の方法で得られたリン含有水素−Y型フ
ォージャサイトは、熱的安定性に優れていることが分か
る。
[発明の効果] 本発明の方法で製造されるリン含有H−Yは、水蒸気処
理を受けている関係で、一般に原料フォージャサイトよ
り骨格のSiO2/Al2O3モル比は増大し、単位格子寸法は縮
少する。従って、それだけでもフォージャサイトの熱安
定性は向上するが、本発明ではさらにリンが含有せしめ
られているため、フォージャサイトの熱安定性はより一
層向上する。つまり、本発明の方法によれば、骨格のSi
O2/Al2O3モル比及び単位格子寸法が同一レベルにある従
来のH−Yに比較して、一段と熱安定性に優れたリン含
有H−Yを製造することができるのである。
理を受けている関係で、一般に原料フォージャサイトよ
り骨格のSiO2/Al2O3モル比は増大し、単位格子寸法は縮
少する。従って、それだけでもフォージャサイトの熱安
定性は向上するが、本発明ではさらにリンが含有せしめ
られているため、フォージャサイトの熱安定性はより一
層向上する。つまり、本発明の方法によれば、骨格のSi
O2/Al2O3モル比及び単位格子寸法が同一レベルにある従
来のH−Yに比較して、一段と熱安定性に優れたリン含
有H−Yを製造することができるのである。
そして、リンはH−Yの用途に少しも悪影響を及ぼすこ
とがないので、本発明の方法で製造されたリン含有H−
Yは、吸着剤として、或いは炭化水素類の各種転化反
応、例えばクラッキング反応、アルキル化反応、異性化
反応等の触媒乃至は触媒成分として使用することができ
る。この場合、本発明のリン含有H−Yには従来のH−
Yと同様、従来公知のイオン交換方法によって、所望の
金属カチオンを含有せしめることも可能である。
とがないので、本発明の方法で製造されたリン含有H−
Yは、吸着剤として、或いは炭化水素類の各種転化反
応、例えばクラッキング反応、アルキル化反応、異性化
反応等の触媒乃至は触媒成分として使用することができ
る。この場合、本発明のリン含有H−Yには従来のH−
Yと同様、従来公知のイオン交換方法によって、所望の
金属カチオンを含有せしめることも可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緒方 政光 福岡県北九州市若松区小糸町2−13 (72)発明者 西村 陽一 神奈川県横浜市保土谷区岩間町1丁目1番 3号,A―705 (56)参考文献 特開 昭59−97552(JP,A) 特開 昭58−214344(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】Y型フォージャサイトを、リン酸イオンと
アンモニウムイオンが共存する水溶液で処理して、ナト
リウムの含有量がNa2Oとして3重量%以下であり、リン
の含有量がP2O5として0.3〜15重量%であるリン含有ア
ンモニウム−Y型フォージャサイトを調製し、このリン
含有アンモニウム−Y型フォージャサイトを、温度500
〜800℃の条件下に水蒸気で1〜6時間処理することを
特徴とする熱的に安定なリン含有水素−Y型フォージャ
サイトの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61055823A JPH0674132B2 (ja) | 1986-03-12 | 1986-03-12 | 熱的に安定なリン含有y型フオ−ジヤサイトの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61055823A JPH0674132B2 (ja) | 1986-03-12 | 1986-03-12 | 熱的に安定なリン含有y型フオ−ジヤサイトの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62212219A JPS62212219A (ja) | 1987-09-18 |
JPH0674132B2 true JPH0674132B2 (ja) | 1994-09-21 |
Family
ID=13009676
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61055823A Expired - Lifetime JPH0674132B2 (ja) | 1986-03-12 | 1986-03-12 | 熱的に安定なリン含有y型フオ−ジヤサイトの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0674132B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5110776A (en) * | 1991-03-12 | 1992-05-05 | Mobil Oil Corp. | Cracking catalysts containing phosphate treated zeolites, and method of preparing the same |
US5378670A (en) * | 1993-04-16 | 1995-01-03 | W. R. Grace & Co.-Conn. | Phosphorus zeolites/molecular sieves |
FR2794116B1 (fr) * | 1999-05-11 | 2001-07-20 | Inst Francais Du Petrole | Zeolithe im-5 au phosphore, composition catalytique, sa preparation et son utilisation en craquage catalytique |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3354096A (en) * | 1965-04-06 | 1967-11-21 | Union Oil Co | Pelleted zeolite compositions possessing improved crushing strength |
-
1986
- 1986-03-12 JP JP61055823A patent/JPH0674132B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62212219A (ja) | 1987-09-18 |
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Legal Events
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