JPH0673979U - イメージセンサ及び撮像装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来提供されているハイビジョン用のイメー
ジセンサを利用して、簡便な手法で安価に高感度を得
る。 【構成】 各画素Ｐijにフィルタによって選択された光
が入射すると対応して電荷が蓄積され、この電荷信号は
垂直転送路ＲＶjに読み出される。そして、垂直転送路
ＲＶjの電荷信号は、垂直転送クロック出力部１０のク
ロック信号に基づいて１画素分ずつ水平転送路ＲＨに転
送される。水平転送クロック出力部１２からは、本来の
１／２の周波数のクロック信号が出力される。これによ
り、水平方向に隣接する同色の２画素分の電荷信号が同
時に出力されるようになり、感度が２倍になる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ＣＣＤなどによるイメージセンサ及び撮像装置にかかり、特に、ハ イビジョンの分野において高感度が要求される場合に好適なイメージセンサ及び 撮像装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術と考案が解決しようとする課題】

近年、高精細な画像を楽しむことができるハイビジョンが普及しつつあり、ビ デオカメラにおいてもハイビジョン対応のものが要求されるに至っている。とこ ろが、ハイビジョン用に開発されたＣＣＤイメージセンサは、高い解像度を得る 必要性から構造的に１つのピクセル（画素）当りの受光面積が小さくなり、感度 の向上を図ることは非常に困難である。また、このような感度の関係から、セン サ自体の小型化を図ることも困難である。

【０００３】 他方、例えば水中撮影，医学関係，あるいは結婚式などのイベント関係などの 業務用の分野では、撮像対象が暗い場合があり、高解像度よりもむしろ高感度が 要求されることがある。また、小型化，軽量化の要求も強い。 本考案は、これらの点に着目したもので、従来提供されているハイビジョン用 のイメージセンサを利用して、簡便な手法で安価に高感度を得ることができ、小 型化，軽量化も図ることができるイメージセンサ及び撮像装置を提供することを 、その目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、第１の考案は、複数の光電変換を行う画素が２次元 状に多数配列されており、カラー撮像を行うための必要な色フィルタが、各画素 に対して一定の順序で形成されているイメージセンサにおいて、水平方向に連続 して配列された複数個の画素に対して同一の色フィルタを形成したことを特徴と する。

【０００５】 第２の考案は、複数の光電変換を行う画素が２次元状に多数配列されており、 これらの画素から出力された電荷信号を垂直方向及び水平方向に順次転送して、 時系列の撮像信号を得る撮像装置において、水平方向に配列された同一色の複数 の画素の電荷信号を同時に出力する第１水平転送手段を備えたことを特徴とする 。

【０００６】 第３の考案は、前記撮像装置において、水平方向に配列された画素の電荷信号 を各画素毎に出力する第２水平転送手段と、第１及び第２水平転送手段のいずれ か一方を選択するための切換手段とを備えたことを特徴とする。 本考案の主要な態様によれば、前記いずれかの撮像装置において、同時に電荷 信号が出力される画素には、前記フィルタが形成されていることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

本考案によれば、水平方向に配列された複数の画素の電荷信号が同時に読み出 されるので、感度が向上する。 また、このような複数画素の同時読出しを行う場合の他に、各画素毎に電荷信 号を読み出すようにし、それらが切り換えられる構成となっているので、必要に 応じて高感度と高解像度とを選択することができる。 なお、単板式のカラー撮像においては、複数画素同時読出しを行うため、隣接 する画素に同一の色フィルタを形成するようにする。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案によるイメージセンサ及び撮像装置の実施例について、添付図面 を参照しながら詳細に説明する。 ＜第１実施例＞ 図１には、第１実施例にかかる撮像装置のイメージセンサにおけるフィルタ構 成が示されている。同図において、垂直方向の画素数，すなわち水平走査線数は ハイビジョンの規格に相当する１０３５ドットとなっており、水平方向の画素数 は１９２０ドットとなっている。図中、「Ｈ１，Ｈ２，Ｈ３，……」は水平方向 画素列の順序を示しており、「Ｖ１，Ｖ２，Ｖ３，……」は垂直方向の画素列の 順序を示している。各画素には、入射光から特定の色の成分を取り出すため、Ｙ e（イエロー），Ｇ（グリーン），Ｃy（シアン）, Ｍg（マゼンタ）などのフィ ルタが設けられている。本実施例では、水平方向に隣接する２画素に同色のフィ ルタが形成されている。

【０００９】 まず、同図（Ａ）に示す例はストライプフィルタの例で、垂直方向の画素列に 対して同一の色のフィルタが形成されている。例えば、最も左のＶ１の垂直方向 画素列には、Ｙeのフィルタが形成されている。また、左から３番目のＶ３の垂 直方向画素列には、Ｇのフィルタが形成されている。

【００１０】 更に、水平方向の２画素については、同一の色のフィルタが形成されている。 例えば、左から２番目のＶ２の垂直方向画素列には、その左側に隣接するＶ１の 画素列と同様のＹeのフィルタが形成されている。左から４番目のＶ４の垂直方 向画素列には、その左側に隣接するＶ３の画素列と同様のＧのフィルタが形成さ れている。他も同様である。すなわち、同図（Ａ）の例では、同一の色のフィル タが垂直方向に２ラインずつ形成されている。

【００１１】 次に、同図（Ｂ）に示す例は、モザイクフィルタの例で、同一色のフィルタが モザイク状に形成されている。例えば、上から１番目のＨ１の水平方向画素列で は、左からＭg，Ｍg，Ｇ，Ｇ，Ｍg，Ｍg，Ｇ，……の順に、すなわち同一色のフ ィルタが２画素ずつ、順に形成されている。上から２番目のＨ２の水平方向画素 列では、左からＣy，Ｃy，Ｙe，Ｙe，Ｃy，Ｃy，Ｙe，……の順にフィルタが形 成されている。以下、図示の通りである。このように、同図（Ｂ）の例でも、水 平方向に隣接する２画素に同一の色のフィルタが形成されている。

【００１２】 このように、本実施例によれば、ストライプ状又はモザイク状に、水平方向に ２画素ずつ同色のフィルタが形成された単板式カラー用ＣＣＤが用いられる。 次に、以上のようなフィルタが形成されているイメージセンサを有する撮像装 置について、図２を参照しながら説明する。同図には、図１（Ａ）の場合のフィ ルタ構成となっているイメージセンサを用いた例が示されている。同図中、Ｐij （i，j＝１，２，３，……）はそれぞれ画素（フォトセル）を示している。そし て、画素Ｐi1は垂直転送路ＲＶ１にそれぞれ接続されており、画素Ｐi2は垂直転 送路ＲＶ２にそれぞれ接続されている。他の画素Ｐijについても、同様に垂直転 送路ＲＶjにそれぞれ接続されている。

【００１３】 更に、各垂直転送路ＲＶjは水平転送路ＲＨにそれぞれ接続されている。そし て、これら垂直，水平の転送路ＲＶj，ＲＨには、それぞれ転送クロック出力部 １０，１２から電荷信号転送用のクロック信号が供給されている。これらのうち 、垂直転送クロック出力部１０は、各画素Ｐijから垂直転送路ＲＶjに読み出さ れた電荷信号を順次水平転送路ＲＨに１画素分ずつ転送するためのクロック信号 を生成出力する機能を有している。これに対し、水平転送クロック出力部１２は 、垂直転送路ＲＶjから転送された電荷信号を２画素分ずつ転送出力するための クロック信号を生成出力する機能を有している。また、水平転送路ＲＨの出力側 には、ビデオアンプ１４が接続されており、これによって電荷信号の増幅が行わ れるようになっている。

【００１４】 次に、上述した撮像装置の動作について説明する。各画素Ｐijにフィルタによ って選択された光が入射すると対応して電荷が蓄積され、この電荷信号は垂直転 送路ＲＶjに読み出される（矢印Ｆ１参照）。そして、垂直転送路ＲＶjに読み出 された電荷信号は、垂直転送クロック出力部１０から供給されるクロック信号に 基づいて、１画素分ずつ水平転送路ＲＨに転送される（矢印Ｆ２参照）。

【００１５】 例えば、上から１番目のＨ１の水平方向画素列の電荷信号が水平転送路ＲＨに 転送されたとすると、水平転送路内は図３（Ａ）に示す状態となる。なお、同図 中のＹeやＧなどに付された数字は、同一のフィルタの電荷信号を区別するため のものである。ここで、水平転送クロック出力部１２からは、同図（Ｂ）に示す ように、同色の２画素ずつ電荷信号を転送出力するように、すなわち本来の１／ ２の周波数のクロック信号が水平転送路ＲＨに供給される。これにより、水平転 送路ＲＨの電荷信号出力は、同図（Ｃ）に示すように、水平方向に隣接した２画 素分ずつ同時に行われるようになる。同時に転送された電荷信号は、更にビデオ アンプ１４で増幅されて、映像信号の信号処理回路（図示せず）に供給される。

【００１６】 なお、図１（Ｂ）のモザイク状のフィルタ構成の場合も同様である。例えば、 上から１番目のＨ１の水平方向画素列の電荷信号が水平転送路ＲＨに転送された とすると、水平転送路内は図３（Ｄ）に示す状態となる。従って、水平転送路Ｒ Ｈの電荷信号出力は同図（Ｅ）に示すようになり、同様に水平方向に隣接した２ 画素分ずつ同時に行われるようになる。

【００１７】 このように、第１実施例によれば、２画素ずつ同色の色フィルタを設けた単板 カラーＣＣＤを使用し、同色の画素の電荷信号が同時にサンプリングされて読み 出される。これにより、次のような効果が得られる。 （１）水平方向の解像度は半分に落ちるものの、Ｓ／Ｎを損なうことなく２倍（ ＋６ｄＢ）に感度を向上させることができる。従って、夜間や水中における撮影 など高感度が要求される場合に極めて有効である。 （２）ハイビジョン用ＣＣＤが、フィルタ部分を変更するのみで基本的にはその まま使用できるので、新たに設計し直すという必要がなく、コスト低減を図るこ とができる。

【００１８】 （３）感度が２倍となるので、各画素の受光面積を狭くすることが可能となる。 従って、ＣＣＤの小型化（例えば１インチ→２／３インチ→１／２インチという 具合に），軽量化，低消費電力化，コスト低減に有利となる。 （４）水平方向の電荷転送クロックの周波数を１／２にすることができるので、 設計上余裕ができ、コスト的にも有利となる。 （５）水平解像度をあまり必要とされないようなビデオシステム，特に一般家庭 用のハイビジョンＶＴＲに対応できるハイコストパフォーマンスのビデオカメラ を提供することができる。

【００１９】 ＜第２実施例＞ 次に、図４を参照しながら本考案の第２実施例について説明する。この第２実 施例は、高感度撮像と高解像度撮像との切換えを行うことができるようにしたも のである。なお、フィルタの構成は第１実施例と同様であり、前記第１実施例と 同様の構成部分又は対応する構成部分には、同一の符号を用いることとする。

【００２０】 同図において、垂直転送路ＲＶjは、切換スイッチＳjを介して水平転送路ＲＨ Ａ，ＲＨＢにそれぞれ接続されている。ここで、水平転送路ＲＨＡに対しては、 水平方向に隣接する同一フィルタのものが共通に接続されている。切換スイッチ Ｓjは、連動して端子Ａ，Ｂ側にそれぞれ切り換えられるように構成されており 、その切換えは外部切換スイッチ２０の操作によって行われるようになっている 。なお、切換スイッチＳjは、半導体スイッチの他、機械的なスイッチでもよい 。

【００２１】 また、水平転送路ＲＨＡ，ＲＨＢには、水平転送クロック出力部２２がそれぞ れ接続されており、切換スイッチＳjの切換えに対応してクロックＣＫＡ又はＣ ＫＢが出力されるようになっている。なお、クロックＣＫＡはクロックＣＫＢの １／２の周波数となっている。

【００２２】 次に、以上のように構成された第２実施例の動作を説明すると、撮像装置の使 用者は、必要に応じて外部切換スイッチ２０を操作する。例えば、高感度の撮影 を行うときは、外部切換スイッチ２０をＡ側に切り換える。すると、切換スイッ チＳjは、いずれもＡ側に切り換えられるようになり、垂直転送路ＲＶjは、同一 フィルタ構成のものが共通するように、水平転送路ＲＨＡに接続されるようにな る。

【００２３】 このような状態で、上述した第１実施例と同様に各画素Ｐijから電荷信号を読 み出して転送を行うと、垂直転送路ＲＶjから水平転送路ＲＨＡに転送される際 に同一フィルタのものが加算されるようになる。たとえば、画素Ｐ11，Ｐ12は、 同じＹeのフィルタとなっている。これらＰ11，Ｐ12の電荷信号は、切換スイッ チＳ１を介して水平転送路ＲＨＡに転送される際に加算されてＹe1＋Ｙe2となり 、これが水平転送路ＲＨＡに格納されることになる。他の画素についても同様で ある。

【００２４】 次に、水平転送路ＲＨＡに転送された各電荷信号は、水平転送クロック出力部 ２２から出力されるクロック信号ＣＫＡに基づいて、２画素分ずつ出力されるよ うになる。この出力の様子は、前記図３（Ｃ）に示した通りである。以上の動作 は、基本的に前記第１実施例と同様であり、解像度は低下するものの感度がほぼ ２倍となる。

【００２５】 次に、高解像度の撮影を行うときは、使用者は外部切換スイッチ２０をＢ側に 切り換える。すると、切換スイッチＳjは、いずれもＢ側に切り換えられるよう になり、垂直転送路ＲＶjは、各転送路毎に独立して水平転送路ＲＨＢに接続さ れるようになる。

【００２６】 このような状態で、同様に各画素Ｐijから電荷信号を読み出して転送を行うと 、垂直転送路ＲＶjから出力された電荷信号は、各画素毎に水平転送路ＲＨＢに 転送される。水平転送路ＲＨＢに転送された各電荷信号は、今度は水平転送クロ ック出力部２２から出力されるクロック信号ＣＫＢに基づいて、１画素分ずつ出 力されるようになる。すなわち、この場合は、通常のハイビジョンの場合と同様 の電荷転送動作が行われることになり、感度は低下するものの解像度は前記の場 合に対して２倍となる。

【００２７】 このように、第２実施例によれば、第１実施例の効果に加えて次のような効果 が得られる。 （１）スイッチ切換えにより、高解像度モードと高感度モードの撮影を必要に応 じて選択することができ、非常に便利である。 （２）従来のハイビジョン用ＣＣＤをベースとして、切換スイッチ部分と水平転 送路部分のみを変更すればよく、新たにイメージセンサ全体を設計し直す必要が ないので、低コストで実現できる。

【００２８】 ＜他の実施例＞ なお、本考案は、何ら上記実施例に限定されるものではなく、例えば次のよう なものも含まれる。 （１）前記実施例は、単板カラー方式のイメージセンサに本考案を適用したもの であるが、白黒や３板方式のイメージセンサにも適用可能である。この場合、以 下のような種々の態様がある。 白黒あるいは３板方式のハイビジョン用イメージセンサに、図１に示した構成 の色フィルタを設けるようにして、単板カラー撮像用のイメージセンサを構成す る。

【００２９】 ３板方式の場合、Ｒ（赤），Ｇ（緑），Ｂ（青）の各イメージセンサにおいて 、水平方向に複数画素の電荷信号の同時読出しを行う。この場合、例えばＲのイ メージセンサには、被写体からの入射光からＲの光のみが色分解光学系（図示せ ず）によって入射する。従って、各画素に入射する光は、いずれもＲの光である から、図１に示したようなフィルタ配列を考慮する必要はない。Ｇ，Ｂについて も同様である。従って、水平方向の複数の画素，例えば３画素の電荷信号を同時 に読み出すようにすれば、感度を３倍にすることができる。４画素以上について も同様に可能である。 ３画素以上の電荷信号の同時読出しを前記単板カラー撮像の場合に実現するに は、図１に示したフィルタ構成を、水平方向に同一色のフィルタが３画素以上連 続するように予め設定する。

【００３０】 （２）前記第２実施例では、高感度モードと高解像度モードの２つのモードを切 り換えることができるようにしたが、３画素同時読出しや４画素同時読出しなど 、複数の高感度モードを備えるようにしてもよい。この手法は、フィルタ構成の 関係から、白黒や３板方式の場合に好適である。 （３）前記実施例は、主としてハイビジョン用のイメージセンサに本考案を適用 したものであるが、その他のテレビジョン方式のイメージセンサに適用すること を妨げるものではない。 （４）その他、使用するフィルタやその組み合わせ，配列順序も必要に応じて適 宜変更してよく、回路構成も同様の作用を奏するように種々設計変更が可能であ る。

【００３１】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によるイメージセンサ及び撮像装置によれば次の ような効果がある。 （１）水平方向に配列された複数の画素の電荷信号を同時に読み出すこととした ので、簡便な手法で安価に感度の向上を図ることができる。 （２）水平方向の電荷信号読出しを、複数の画素ずつ行う場合と、画素毎に行う 場合を切り換えることができるようにしたので、高解像度撮像と高感度撮像を必 要に応じて選択できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案によるイメージセンサのフィルタ構成例
を示す説明図である。

【図２】本考案による撮像装置の第１実施例を示す構成
図である。

【図３】前記第１実施例の動作を示す説明図である。

【図４】本考案による撮像装置の第２実施例を示す構成
図である。

【符号の説明】

１０…垂直転送クロック出力部、１２，２２…水平転送
クロック出力部（水平転送手段）、１４…ビデオアン
プ、２０，Ｓj…切換スイッチ（切換手段）、Ａ，Ｂ…
スイッチの切換方向、Ｃｙ，Ｇ，Ｍg，Ｙe…色フィル
タ、ＣＫＡ，ＣＫＢ…水平クロック信号、Ｆ，Ｆ２…電
荷信号の転送方向、Ｐij…画素、ＲＨ，ＲＨＡ，ＲＨＢ
…水平転送路（水平転送手段）、ＲＶj…垂直転送路。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の光電変換を行う画素が２次元状に
   多数配列されており、カラー撮像を行うための必要な色
   フィルタが各画素に対して一定の順序で形成されている
   イメージセンサにおいて、水平方向に連続して配列され
   た複数個の画素に対して同一の色フィルタを形成したこ
   とを特徴とするイメージセンサ。
2. 【請求項２】 複数の光電変換を行う画素が２次元状に
   多数配列されており、これらの画素から出力された電荷
   信号を垂直方向及び水平方向に順次転送して、時系列の
   撮像信号を得る撮像装置において、水平方向に配列され
   た同一色の複数の画素の電荷信号を同時に出力する第１
   水平転送手段を備えたことを特徴とする撮像装置。
3. 【請求項３】 請求項２記載の撮像装置において、水平
   方向に配列された画素の電荷信号を各画素毎に出力する
   第２水平転送手段と、第１及び第２水平転送手段のいず
   れか一方を選択するための切換手段とを備えたことを特
   徴とする撮像装置。
4. 【請求項４】 請求項２又は３に記載の撮像装置におい
   て、同時に電荷信号が出力される画素には、請求項１記
   載のフィルタが形成されていることを特徴とする撮像装
   置。