JPH0673726B2 - 連続鋳造方法及び連続鋳造装置 - Google Patents

連続鋳造方法及び連続鋳造装置

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JPH0673726B2
JPH0673726B2 JP1013528A JP1352889A JPH0673726B2 JP H0673726 B2 JPH0673726 B2 JP H0673726B2 JP 1013528 A JP1013528 A JP 1013528A JP 1352889 A JP1352889 A JP 1352889A JP H0673726 B2 JPH0673726 B2 JP H0673726B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、タンディシュから鋳型へ浸漬ノズルを介して
溶融金属を注入し、この溶融金属から金属片を連続的に
鋳造する連続鋳造方法及び連続鋳造装置に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
鋼の連続鋳造は、タンディシュから鋳型へ浸漬ノズルを
介して溶鋼を注入するようにしている。このとき、鋳型
内湯面のレベルは、湯面の位置検出用として渦流式距離
計、鋳型内に設置した熱伝対を用い、これらによる検出
に従って、タンディシュと浸漬ノズルとの間に配される
スライディングノズルの開度を制御して、ほぼ一定位置
になるように保持されている。しかし、溶鋼注入量が多
い高速鋳造においては、湯面の変動が激しく、この変動
の制御を小さくすることは、現状の注入制御システムで
は困難である。
そして、湯面の変動が大きくなると、凝固シェルに捕捉
されるパウダ量が増えて、ヘゲ疵、スリバー疵等の鋼板
表面欠陥が発生する。
また、鋳型内においては、第4図に示すような溶鋼流動
が形成される。即ち、浸漬ノズル1における鋳型2の両
短辺側斜め下方に向けて設けられたノズル吐出口1a,1b
から噴出された溶鋼流4は短辺側凝固シェルに衝突した
後、上昇流5と下降流6に分岐する。尚、図中3は鋳
片、7は潤滑用パウダを示している。このとき、上昇流
5が大きすぎるとメニスカス上の溶融パウダが溶鋼中に
巻き込まれる。その結果、介在物系欠陥が形成され、鋳
片3の品質劣化を招くことになる。また、上昇流5が小
さいと、溶融パウダとメニスカス部の溶鋼への熱量供給
が不充分となり、パウダの溶融不足が生じたり、メニス
カス部にディッケルという地金が形成されて、品質劣化
及びブレークアウト等の操業不安定を招くこととなる。
従って、パウダの巻き込みやディッケルの発生しない適
宜の強さの上昇流5を形成する浸漬ノズル1の形状及び
浸漬深さを操業条件に合わせて、経験的に決定している
のが現状である。
しかし、実際に連続鋳造工程で浸漬ノズル1を使用して
いると、溶鋼中に懸濁しているアルミナ等が浸漬ノズル
1の内面及び吐出口1a,1b付近に付着したり、溶鋼流に
よって吐出口1a,1b近傍の耐火物が溶損されてしまう。
このように、浸漬ノズル1の吐出口1a,1bへのアルミナ
の付着及び吐出口1aの溶損によって、左右の吐出口1a,1
bの形状が不均一になると、鋳型2内の溶鋼流動は第5
図に示すような偏流を生じる。第5図中9は溶鋼上昇流
によって巻込まれたパウダを示している。上述のように
偏流が生じる結果、流量の多い側の上昇流が強くなり、
湯面変動の増大によるピンホール,ノロカミの増加及び
メニスカス部でのパウダが巻込みが生じるようになる。
また、浸漬ノズル1の左右でのメニスカス直下流の強さ
が不均一になるために、メニスカス流の強い方から弱い
方に向かって、浸漬ノズル1と鋳型2長辺側との間に溶
鋼流が形成され、その結果、浸漬ノズル1の後側に溶鋼
の渦8が発生し、この渦8に溶融パウダが巻込まれ、介
在物欠陥が生じる。従って、鋳造工程全体にわたって、
浸漬ノズル1の形状が一定でなく、その結果、製造され
る鋳片の品質が必ずしも高位安定していないのが現状で
ある。
更に、湯面変動に影響を与える要因として、上述した偏
流の他に、溶鋼注入速度(浸漬ノズル1からの吐出流
量:ton/min)、浸漬ノズル1の吐出口1a,1bの形状と角
度、浸漬ノズル1のAr吹込量(Nm3/min)等がある。
溶鋼注入速度が大きくなると(高速引抜又はスラグ幅が
広い場合)、湯面変動が大きくなる。また、浸漬ノズル
1の下向きの角度を大きくすると湯面の変動は小さくな
るが、鋳型内での介在物の浮上性が悪くなる。また、浸
漬ノズル1へのArガス吹込量を少なくすると、湯面変動
は小さくなるが、浸漬ノズル1壁にアルミナが付着し、
ノズル詰まりが発生し易くなるのでAr吹込量を少なくす
るには限界がある。
次に、従来における偏流と湯面変動を抑制するための技
術と、これらによるパウダ巻込みを防止するための技術
を例示する。
まず、特開昭62-197258号公報に、スラブ用の連続鋳造
装置において、2つの吐出口を有する浸漬ノズルとその
両端の鋳型短辺間に、それぞれ渦流式レベル計を各2個
設置し、これらのレベル計で測定される各レベル値の偏
差を求めて溶鋼表面の隆起を検知することによって、偏
流が生じたことを検出し、前記隆起即ち偏流を抑制する
ように鋳造速度を低速に制御することによって、パウダ
の巻込みを防止する方法が開示されている。しかし、こ
の方法においては一度偏流が生じると、この偏流が消失
するまで鋳造速度を下げなければならないので、高速鋳
造化には不適当である。
また、特開昭58-53361号公報に、鋳型の左右の短辺を冷
却する冷却水温度差の差異によって偏流を検知し、か
つ、タンディシュ内浸漬ノズル上部に設けられたストッ
パの位置を偏流検出値に基づいて鋳型の水平方向に移動
させる方法が開示されている。
しかし、この方法では、冷却水温度差によって検知して
いるために、微小な偏流は検出されず、検出の応答性が
良くないので、偏流抑制方法としては不充分であった。
また、特開昭62-254954号公報、特開昭62-254955号公
報、特開昭63-16840号公報、特開昭63-16841号公報、特
開昭63-16842号公報には、鋳型外に磁極を配設し、浸漬
ノズルから鋳型内に吐出する溶鋼噴流に対して垂直方向
の静磁界を付与することによって生じるローレンツ力で
溶鋼の流動を制御抑制する、所謂電磁ブレーキ法によっ
てパウダ巻込みの防止を図る方法が開示されている。し
かし、電磁ブレーキ法を施工するには設備費が高価とな
り、また維持費がかさみ、更に、小断面例えば100mm×1
00mmのブレーム・ビレット用鋳造の場合には、溶鋼主流
の流速を制動するのに必要な電磁力(例;2000〜5000gau
ss)を得るための電磁コイルを設置するスペースがとり
にくく、そのために溶鋼主流の制動、減速が不充分であ
った。
また、特開昭57-79055号公報には、浸漬ノズルの吐出口
に対応する位置に耐火性の反射板を設置し、この反射板
に鋳型短辺から浸漬ノズルに向かう反転流を衝突させ
て、流速を減じる方法が開示されている。しかし、この
方法では、メニスカス部で溶鋼が淀んでしまって、その
部分で凝固が生じ、ディッケルと称する凝固殻が生成す
るために、ブレークアウトが発生して操業を阻害する結
果となる。
また、特開昭62-212045号公報には、浸漬ノズル周辺の
渦生成部分に複数の棒状物体を分散配置し、溶鋼流によ
って生じる渦によるパウダ巻込みを減少させる方法が開
示されている。しかし、この方法ではメニスカスで不安
定な溶鋼流が発生することによって、メニスカスでのパ
ウダを巻込む問題がある。
更に、浸漬ノズルの形状及び吐出角度を最適なものに設
定しておく方法があるが、多連続鋳造の途中では、浸漬
ノズル壁及び吐出口へのアルミナの付着によって、浸漬
ノズルの最適形状、角度が保持できなくなる。
また、浸漬ノズルの最適形状は、引抜速度、スラブ幅な
どの操業条件によって決まるので、鋳造途中でのスラブ
幅の変更、引抜速度の変更があると浸漬ノズルが最適形
状でなくなるといった問題がある。
また、Arガス吹込みは、浸漬ノズル壁へのアルミナ付着
防止のために行われており、アルミナ付着による浸漬ノ
ズルの角度、形状の変化が起こらないようにしている
が、吹込まれたArガスが溶鋼のプールから浮上し、湯面
から放散されるときに、湯面を乱すために、これが湯面
の変動の原因となっている。従って、Arガス量は少ない
方が良いが、少な過ぎるとアルミナが付着して問題とな
る。
また、上述の各方法は、いずれも偏流、湯面変動及びこ
れらによるパウダ巻込み、ピンホール、ノロカミ等の発
生が生じた後に、その原因を除去するといった対策であ
って、これらの現象の根本原因である浸漬ノズル内の溶
鋼流れの不均一(所謂、ゆらぎ)によるノズル吐出口か
らの噴出流量の不均等を何ら改善するものではなかっ
た。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、浸
漬ノズル内に生じる溶湯の流れの不均一を防止し、浸漬
ノズルの左右の吐出口からの噴流の不均一を防止するこ
とによって、鋳型内に生じる溶湯の偏流を抑制すること
ができて、高速鋳造時においても、湯面変動によるピン
ホール、ノロカミ、パウダ巻込みが原因である介在物系
欠陥等の鋳片又は金属板の欠陥を防止することができ、
しかも浸漬ノズルの内壁及び吐出口へのアルミナの付着
を防止できて、浸漬ノズルの耐用期間を延長することが
でき、コストの低減を図ることができ、しかも高品位の
鋳片、金属板を高速度で安定して歩留りよく製造できる
連続鋳造方法及び連続鋳造装置を提供することを目的と
している。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記目的を達成するために、連続鋳造方法とし
て、タンディシュ下側に設けられるスライディングノズ
ル部を上プレートと下プレートと、この上プレート、下
プレート間の2層のスライディングプレートとの4層か
ら構成し、前記2層のスライディングプレートを互いに
反対方向に作動させることによって溶湯の流れを中心流
とするようにした。
また、スライディングノズル部の下側に配置された浸漬
ノズルの吐出口の先端側に吐出口の外側に向けて管状突
起物を設けた。
〔作用〕
本発明はスライディングノズル部が4層に構成されてい
るので、2層のスライディングプレートを互いに反対方
向に作動させることによって、溶湯の流れが中心流とな
り、偏流の発生が抑制される。
また、スライディングノズル部の下方に配置される浸漬
ノズルの吐出口に管状突出部を設けたことによって、こ
の管状突出部内を溶湯が流れるときに、圧力損失が生じ
るので、浸漬ノズル内の小さなゆらぎによる左右の吐出
噴流の微小な不均一が解消される。そして、浸漬ノズル
内の溶湯の流れのゆらぎが抑制されるので吐出口へのア
ルミナの付着が防止される。
〔発明完成までの経緯〕
以下、本発明完成に至る経緯について順を追って述べ
る。第6図に示すように、連続鋳造装置における浸漬ノ
ズル1の両側に湯面レベルを測定する湯面レベル計10A,
10aを設けて、各湯面レベル計10A,10aで測定した各レベ
ル値H,hの偏差を求めて、これを湯面変動量(|h−H|)
とし、この湯面変動量とパウダ巻込み起因とみなされる
鋳片の介在物系欠陥発生率との関係を求めた。これを示
すのが第7図のグラフであって、横軸に湯面変動量をと
り、縦軸に鋳片介在物系欠陥発生率をとっている。この
グラフに示すように、湯面変動量が大きいほど鋳片介在
物系欠陥発生率が高いことがわかる。
次に鋳型内の溶鋼の流動現象を解明するため、第8図に
示す水モデル装置を用いて鋳型内流動現象とパウダ巻込
み現象と湯面変動との関係を調査した。この水モデル装
置は壁部2A内に浸漬ノズル1から水を流入させ、この水
の水面上に、流動パラフィンからなる模擬パウダ7aを流
入させたものである。そして、浸漬ノズル1の両側に湯
面レベル計10A,10aを設けている。
第9図は水モデル装置での湯面変動量と1分間当たりの
パウダ巻込み発生度数との関係を示すグラフである。こ
のグラフは横軸に湯面変動量をとり、縦軸にパウダ巻込
み発生度数をとっている。このグラフに示すように、湯
面変動量が大きいほどパウダ巻込み度数が増大すること
がわかる。上述のことにより、実鋳片での介在物系欠陥
の発生原因として、パウダ巻込みが挙げられると推測さ
れる。
次に、第10図のグラフに、水モデル装置での浸漬ノズル
の左右の吐出口から流出する噴流の流速比(Vx/VX)
と、メニスカス部鋳型短辺近傍の流速比(Vy/VY)と、
メニスカス部ノズル近傍の流速比(Vz/VZ)の時間変化
を示す。ここでVx,Vy,VzとVX,VY,VZは浸漬ノズルの左右
の吐出口から噴出された溶湯の上記各場所での流速を示
している。また、第11図に浸漬ノズルの左右の吐出口か
ら流出する噴流の流速比(Vx/VX)と湯面変動量との関
係を示し、第12図にこの吐出流速比(Vx/VX)と1分間
当たりのパウダ巻込み発生度数との関係を示す。
第10図については、流速比Vx/VXとVy/VYとVz/VZとの時
間変化に若干のずれがあるもののほぼ相似した形を成し
ている。また、第11図、第12図に示すように流速比Vx/V
Xの値が1からずれるに従って、湯面変動量とパウダ巻
込み度数が増大している。また、流速VxとVXのいずれか
一方が大きい場合、流速の大きい方の湯面が大きく盛り
上がり、パウダの削り込みが発生するのに対し、流速の
小さい側では渦によるパウダの巻込みの発生が観察され
る。流速Vx,VXのいずれも速さと方向とが一定でなく、
時間とともに変化することが測定される。以上の点よ
り、浸漬ノズルの左右の吐出口からの流量が均等でな
く、方向も一定でないために偏流が生じてその結果、湯
面変動とパウダ巻込みが発生することが明らかになっ
た。
次に、浸漬ノズルの左右の吐出口からの流量が均等でな
く、方向も一定でない原因について、第13図に示す水モ
デル装置を用いて検討した。この第13図に示す水モデル
装置は、タンディシュ11の底部下側に上プレート14と下
プレート16とこの上プレート14、下プレート16間のスラ
イディングプレート15とからなるスライディングノズル
部13を設け、このスライディングノズル部13の下側に両
側斜め下方に向けて開口された吐出口1a,1bを有する浸
漬ノズル1を壁部2A内に配して、壁部2A内に浸漬ノズル
1から水を注入し、この水面上に流動パラフィンからな
るパウダ7aを流入させるようにしている。
通常、流量調整は、スライディングプレート15を摺動さ
せて固定プレートの開口部をずらせて平面形状が凸レン
ズ状のノズル開口部の面積を増減することによって行わ
れる。開口部が円形のスライディングノズルの場合は、
第14図に示すように、流れの自由表面が拡大するため
に、浸漬ノズル1の内壁に接触しながら落下する。その
結果、浸漬ノズル内を回転しながら溶湯が落下するため
に、流れが不均一となってゆらぎが生じる。また、第15
図に示すように、開口開度を調整するためにスライディ
ングプレート15がずらしてあるので、浸漬ノズル1内の
流れがノズル1の中心を落下しないことが、浸漬ノズル
1内の流れのゆらぎを助長する。これらのことによっ
て、浸漬ノズル1の左右の吐出口1a,1bからの噴出流が
不均等になることが明らかになった。
上述のことにより、鋳型内における溶鋼の湯面変動によ
って生じる溶鋼とパウダの接触によるピンホール、ノロ
カミ等の鋳片表面欠陥、あるいは湯面変動及び偏流が原
因となって生じるパウダ巻込みが原因の鋳片介在物系欠
陥及び浸漬ノズル内壁及び吐出口へのアルミナ等の付着
の根本原因は、浸漬ノズル内の流れの不均一(ゆらぎ)
であることが明白である。
このことにより、浸漬ノズル内の流れを均一化(整流
化)することによって、浸漬ノズルの内壁、吐出口への
アルミナの付着及び偏流起因の湯面変動、パウダ巻込み
を防止できると考えて、次のようになした。
即ち、第1図に示すように、スライディングノズル部13
を上プレート14と下プレート16と、この上プレート14、
下プレート16間の2層のスライディングプレート15A,15
Bとの4層から構成する。このようにして前記2層のス
ライディングプレート15A,15Bを互いに反対方向に作動
させることによって、溶湯の浸漬ノズル1内の流れがノ
ズル1内の中央を落下して、浸漬ノズル1内を流れる溶
湯がノズル1内壁に接触する箇所がノズル1の下方にず
れるので、ノズル1内の溶湯の流れの整流化された部分
が増える。従って、浸漬ノズル1内の流れのゆらぎを抑
制することができる。このように、浸漬ノズル1内の溶
湯の流れのゆらぎが抑制されるので、吐出口へのアルミ
ナの付着が防止される。
また、第2図に示すように、上述と同様に、スライディ
ングノズル部13を4層にして、更に浸漬ノズル1の左右
の吐出口1a,1bに外方に向けて管状突起物17a,17bを設け
た。この管状突起物17a,17b内を溶湯が流れる時に、圧
力損失が生じるので、浸漬ノズル1内の小さなゆらぎに
よる左右の吐出噴流の微小な不均一さが管状突起物を設
けることによって解消される。
〔実施例〕
以下、本発明に係る連続鋳造方法及び連続鋳造装置を図
面に示す実施例に基づいて説明する。
第1図は本発明に係る連続鋳造装置の第1の実施例の要
部の縦断面図である。
この連続鋳造装置は、タンディシュ11の下側に上プレー
ト14と下プレート16とこの上プレート14、下プレート16
間の2層のスライディングプレート15A,15Bとの4層か
らなるスライディングノズル部13が設けられ、このスラ
イディングノズル部13の下側に吐出口1a,1bが両側下方
斜めに向けて開口された浸漬ノズル1が配設されてい
る。2層のスライディングプレート15A,15Bは左右1つ
ずつ設けられたシリンダ(図示せず)で開閉作動される
ようにしてある。
そして、第1図に示すように、2層のスライディングプ
レート15A,15Bを互いに反対方向に作動させることによ
ってこのスライディングノズル部13を流れる溶湯Sは、
スライディングノズル部13の中心を流れる。従って、浸
漬ノズル1内を流れる溶湯Sのノズル1内壁に接触する
箇所がノズル1の下方にずれる。これによって、ノズル
1内を流れる溶湯Sが整流化された部分が増えることに
なり、浸漬ノズル1内の溶湯Sの流れのゆらぎが抑制さ
れる。このように、浸漬ノズル1内の溶湯Sの流れのゆ
らぎが抑制されるので、吐出口へのアルミナの付着が防
止される。
第2図は本発明に係る連続鋳造装置の第2の実施例の要
部の縦断面図である。
この連続鋳造装置は、タンディシュ11の下側に上プレー
ト14と下プレート16と、この上プレート14、下プレート
16間の2層のスライディングプレート15A,15Bとの4層
からなるスライディングノズル部13が設けられ、このス
ライディングノズル部13の下側に吐出口1a,1bが両側下
方斜め方向に向けて開口された浸漬ノズル1が配設され
ていて、この浸漬ノズル1の吐出口1a,1bの先端側に外
方斜め下方に向けて管状突起物17a,17bが突設されてい
る。
そして、第2図に示すように2層のスライディングプレ
ート15A,15Bを互いに反対方向に作動させると、スライ
ディングノズル部13を流れる溶湯Sはスライディングノ
ズル部13の中心を流れ、浸漬ノズル1の前記吐出口1a,1
bに設けられた管状突起物17a,17b内で圧力損失される。
このように、溶湯の速い流れの部分が圧力損失されて、
遅い流れの部分と均一化されて、浸漬ノズル1内の溶湯
の小さなゆらぎによる左右の吐出噴流の微小な不均一が
解消される。
次に本発明を実施した過程とその結果を述べる。
湾曲半径10m、スライディングノズルによる溶鋼流量制
御を行う2ストランドのスラブ用連続鋳造機で連続鋳造
を行った。このとき、第1の方法として、本発明のスラ
イディングノズル部を4層にする方法、又はスライディ
ングノズル部を4層にし、浸漬ノズルの左右の吐出口に
管状突起物を設ける方法、2つの方法として従来の方法
が鋳造した。2つの方法とも操業条件を同一とするため
に、鋳片幅、鋳造速度、浸漬ノズル、浸漬ノズルのArガ
ス吹込み流量等の鋳造条件を同じにした。溶鋼条件と鋳
造条件とを第1表及び第2表に示す。
第7図にグラフに上記の各条件で適合したときの湯面変
動量を示す。このグラフは横軸に湯面変動量をとり、縦
軸に鋳片介在物系欠陥発生率をとっている。そして▲印
が本発明の第1の実施例による方法、●印が本発明の第
2の実施例による方法、○印が従来の方法によるもので
ある。
第7図のグラフに示すように、本発明方法によるもの
が、従来の方法によるものよりも湯面変動が大きく減少
しており、その効果が確認された。また、第3図の棒グ
ラフによって、上記の各条件で鋳造した鋳片を最終工程
まで同一条件で熱間、冷間圧延、精製して、磁粉探傷検
査を行って結果を示す。このグラフな縦軸に磁粉探傷欠
陥発生指数をとっている。このグラフに示すように、本
発明方法によるものの欠陥平均発生個数が従来の方法に
よるものに比べて、大幅に減少しており、その効果が確
認された。
なお、上述のものではスラブ連鋳機の場合を示したが、
ブルール・ビレット用連鋳機への本発明の適用も効果的
である。
また、1本の浸漬ノズルで鋳込める溶鋼量を浸漬ノズル
10本の平均値で比較すると、従来の方法によるものでは
520トンであるのに対し、本発明の第1の実施例のもの
によると1850トン,第2の実施例のものによると1630ト
ンであり、3倍以上の高寿命化を達成することができる
ようになった。
尚、上記実施例にあっては、浸漬ノズルの吐出口が両側
斜め下方に向いたものについて述べたが、本発明はこれ
に限定されず、浸漬ノズルの吐出口が他の方向(例えば
斜め上方)に向いたものにも適用できる。
〔発明の効果〕
第1の発明にあっては、2層のスライディングプレート
を互いに反対方向に作動させることで溶湯の流れを中心
流とすることとしているから、浸漬ノズル内に生じる溶
湯の流れの不均一を防止し、浸漬ノズルの左右の吐出口
からの噴流の不均一を防止することによって、鋳型内に
生じる溶湯の偏流を抑制することができて、高速鋳造時
においても、湯面変動によるピンホール、ノロカミ、パ
ウダ巻込みが原因である介在物系欠陥等の鋳片又は金属
板の欠陥を防止することができる。また第2の発明にあ
っては浸漬ノズルの吐出口の先端側に吐出口の外側に向
けて管状突起物を設けたから、浸漬ノズル内の溶湯の流
れのゆらぎが抑制されるので、浸漬ノズルの内壁及び吐
出口へのアルミナの付着を防止できて、浸漬ノズルの耐
用期間を延長することができ、しかも高品位の鋳片、金
属板を高速度で安定して歩留りよく製造できる等の効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る連続鋳造装置の第1の実施例の要
部の縦断面図、第2図は第2の実施例の要部の縦断面
図、第3図は本発明方法と従来方法の実施結果による磁
粉探傷欠陥発生指数を示すグラフ、第4図は従来の連続
鋳造装置の縦断面図、第5図は従来の連続鋳造装置にお
ける溶湯の偏流を示す縦断面図、第6図は従来の連続鋳
造装置の浸漬ノズルの両側に湯面レベル計を設けた状態
を示す縦断面図、第7図は本発明と従来方法による湯面
変動量と鋳片介在物系欠陥発生率との関係を示すグラ
フ、第8図は水モデル装置の縦断面図、第9図は水モデ
ル装置による湯面変動量とパウダ巻込み発生度数との関
係を示すグラフ、第10図は水モデル装置による浸漬ノズ
ルの左右の吐出口から流出する噴流の流速比と、メニス
カス部鋳型短辺近傍の流速比、メニスカス部ノズル近傍
の流速比の時間変化を示すグラフ、第11図は浸漬ノズル
の左右の吐出口から流出する噴流の流速比と湯面変動量
との関係を示すグラフ、第12図はその流速比とパウダ巻
込み発生度数との関係を示すグラフ、第13図はタンディ
シュを含む水モデル装置の縦断面図、第14図はその浸漬
ノズル内における溶湯の流れを示す模式的斜視図、第15
図は従来の連続鋳造装置におけるスライディングプレー
トを一方向に移動させた状態の縦断面図である。 1……浸漬ノズル、1a,1b……吐出口、11……タンディ
シュ、13……スライディングノズル部、14……上プレー
ト、15A,15B……スライディングプレート、16……下プ
レート、17……管状突起物

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンディシュ下側に設けられるスライディ
    ングノズル部を上プレートと下プレートと、この上プレ
    ート、下プレート間の2層のスライディングプレートと
    の4層から構成し、前記2層のスライディングプレート
    を互いに反対方向に作動させることによって溶湯の流れ
    を中心流とすることを特徴とする連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】タンディシュ下側に設けられるスライディ
    ングノズル部を上プレートと下プレートと、この上プレ
    ート、下プレート間の2層のスライディングプレートと
    の4層から構成し、このスライディングノズル部の下側
    に配置された浸漬ノズルの吐出口の先端側に吐出口の外
    側に向けて管状突起物を設けたことを特徴とする連続鋳
    造装置。
JP1013528A 1989-01-23 1989-01-23 連続鋳造方法及び連続鋳造装置 Expired - Lifetime JPH0673726B2 (ja)

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