JPH0673689B2 - 厚鋼板のサイドクロップ制御装置 - Google Patents

厚鋼板のサイドクロップ制御装置

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JPH0673689B2
JPH0673689B2 JP63225593A JP22559388A JPH0673689B2 JP H0673689 B2 JPH0673689 B2 JP H0673689B2 JP 63225593 A JP63225593 A JP 63225593A JP 22559388 A JP22559388 A JP 22559388A JP H0673689 B2 JPH0673689 B2 JP H0673689B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、厚鋼板の圧延設備において、圧延機出側にお
ける鋼板の平面形状を所望の形状に自動的に調整する厚
鋼板のサイドクロップ制御装置に関する。
[従来の技術] 圧延機出側における鋼板の板厚は、その圧延機における
通常のパススケジュール、即ち圧下値やロール間の間隙
の調整によって、比較的正確に設定した寸法を得ること
ができる。しかし、圧延機出側における鋼板の平面形状
は、その時の様々な操業条件に応じて変化するので、そ
の形状を狙い通りにするのは難しい。
特に、板幅寸法が均一(即ち4角形)でかつ厚みの均一
な鋼板を圧延機に通す場合であっても、圧延機出側にお
いては、平面形状が、搬送方向の先端部と後後部が中央
の定常部に比べて板幅の小さい太鼓形になったり、搬送
方向の先端部と後後部が中央の定常部に比べて板幅の大
きい鼓形になる場合が多い。いずれにしても、圧延機出
側における板幅が均一でないと、全体の板幅を予め大き
めに設定し、板幅の大きな部分、即ちサイドクロップを
切り捨てることになるので、歩留りが低下する。この種
の平面形状は各種の操業条件に応じて変化するので、圧
延機出側における平面形状を予め予測するのは難しく、
圧延設備中でそれを修正することは困難である。
また、圧延機出側の鋼板形状を自動的に検出し測定する
ためには、圧延処理終了直後の、搬送中の鋼板に対して
測定を行なう必要がある。ところが、圧延機出側におい
ては、圧延ロールの機械精度の不良や各種の操業条件の
変化に起因して、搬送中の鋼板に、その厚み方向や幅方
向に対して、ぶれを生じることが多く、この種のぶれ
が、測定結果に大きな誤差をもたらすことになるので正
確な板幅を連続的に測定するのは極めて難しい。従っ
て、圧延設備中で搬送中の鋼板の平面形状、特にサイド
クロップに関する形状を測定する技術は従来より存在し
ない。
なお、鋼板の板幅等を検出する従来の技術としては特開
昭61−37308号公報,特開昭61−172609号公報,及び特
公昭63−28242号公報に開示された技術が知られてい
る。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、圧延機出側における鋼板の平面形状を自動的
に測定し、その形状を所望の形状に自動的に調整しうる
厚鋼板のサイドクロップ制御装置を提供することを目的
とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するため、本発明においては、厚鋼板の
搬送路中に配置された少なくとも1つの圧延手段;前記
圧延手段の圧延特性を調整する圧延調整駆動手段;前記
圧延手段の出側に設けられ、圧延手段出側での厚鋼板の
板幅を検出する出側板幅検出手段;及び前記出側板幅検
出手段が検出した板幅を、前記厚鋼板の搬送方向の実質
上一定の距離毎に繰り返しサンプリングし、サンプリン
グした板幅情報群を処理して板幅変化の分布に関連する
形状パラメータを計算し、求めた形状パラメータに応じ
て、前記圧延調整駆動手段を制御し、前記厚鋼板上の搬
送方向各位置に対応する前記圧延手段の厚み設定のパタ
ーンを調整する、圧延制御手段;を設ける。
[作用] 即ち、圧延機出側で搬送中の鋼板の板幅を繰り返しサン
プリングすることによって、板幅変化の分布、つまり鋼
板の平面形状が識別できるので、それに基づいてサイド
クロップなどに関するパラメータを求めることができ
る。例えば仕上圧延機の出側においては、鋼板の幅寸法
を均一にしてサイドクロップを小さくする必要がある
が、本発明においては、圧延機出側における鋼板の平面
形状が把握できるので、仕上圧延機入側における鋼板の
厚みパターンを粗圧延機のパススケジュールの調整によ
って補償することにより、サイドクロップを小さくする
ことができる。
例えば、仕上圧延機出側の鋼板の平面形状が太鼓形(先
端,後端の幅が中央より小さい)の場合には、仕上圧延
機入側における鋼板の厚みパターンを先端及び後端で中
央より厚めに調整すれば、仕上圧延機の圧延において、
先端及び後端部での幅広がり量が増大し、仕上圧延機出
側の板幅が均一になり、サイドクロップが減少する。逆
に、仕上圧延機出側の鋼板の平面形状が鼓形(先端,後
端の幅が中央より大きい)の場合には、仕上圧延機入側
における鋼板の厚みパターンを先端及び後端で中央より
薄めに調整すれば、仕上圧延機の圧延において、先端及
び後端部での幅広がり量が減少し、仕上圧延機出側の板
幅が均一になり、サイドクロップが減少する。仕上圧延
機入側における鋼板の厚みパターンは、仕上圧延機の上
流に配置される粗圧延機のパススケジュールを、鋼板の
圧延位置毎に調整することにより、任意に調整できる。
また、後述する本発明の好ましい実施例においては、読
み書きメモリ手段を備えて、操業条件毎に、検出した形
状パラメータに応じた学習値を保存し、該学習値に基づ
いて圧延手段の厚み設定のパターンを調整するととも
に、その時算出した形状パラメータと前記学習値とに応
じて、該学習値を補正している。これによれば、操業条
件が変化した後の第1枚目の圧延においても、新しい操
業条件における過去の形状パラメータの学習値が保存さ
れているので、圧延機出側における平面形状を、大きな
誤差を生じることなく予測することができ、サイドクロ
ップを最小限に抑えて歩留りを上げることができる。
[実施例] 第1図に、本発明を実施する一形式の鋼板の製造設備の
主要部の構成概略を示す。
第1図を参照すると、この設備の厚鋼板の搬送ライン15
中には、秤量計1,加熱炉2,旋回テーブル4,幅長計5,粗圧
延機6,仕上圧延機8,矯正機(ホットレベラ)9,板幅計1
0,冷却装置11,クロップシャー12,サイドシャー13及びエ
ンドシャー14が備わっている。
まず、各工程における処理を簡単に説明する。鋼材(即
ちスラブ)7は、まず秤量計1によって実重量が測定さ
れた後、加熱炉2によって再加熱された後、搬送ローラ
3により搬送され次の工程に移る。そして、幅長計5に
よって圧延前の鋼材7の幅と長さが測定される。
幅長計5は、具体的な構造は図示しないが、鋼材7の幅
方向の両端部の位置を、搬送方向の全長に渡り搬送方向
の15cmおきに各位置同時に計測できるように多数の検出
装置を配列した構造になっており、鋼材7が静止してい
る状態で、それの幅と長さとを測定する。
幅と長さの測定が終了した鋼材7は、再び搬送ローラに
よって搬送され、次に粗圧延機6に送られて粗圧延され
る。粗圧延においては、数パスの通板を繰り返し行なう
ようになっており、また、粗圧延機6の入側に設けられ
た旋回テーブル4によって、鋼材7の向きを平面で90度
旋回させて、縦方向と横方向の両方の向きで圧延を行な
うようにしている。更に、詳細は後述するが、この粗圧
延においては、圧延後の鋼材の厚みをそれの位置に応じ
て調整し、それの下流の仕上圧延後の鋼材平面形状が矩
形になるように制御している。
この粗圧延機6は、4重構造であり、鋼材を圧延する仕
事ロール6a,6b,それらを支持する控えロール6c,6d,及び
ロール6a,6cの位置を調整するロール圧下装置6eを備え
ている。ロール圧下装置6e内には、ロードセル,位置検
出器,位置調整スクリュー及び駆動用の電動機が備わっ
ている。なお、控えロール6dの回転軸には、パルス発生
器6fが結合されており、ロール6dが所定量動く毎に1つ
のパルス信号を出力する。
粗圧延が終了した鋼材7は、続いて仕上圧延機8に送ら
れ仕上圧延される。仕上圧延機8の構成及びその動作
は、前述の粗圧延機6の場合と同様である。
仕上圧延が終了した鋼材7は矯正機9に送られ、搬送方
向以外に動かないように、上下に配置された多数のロー
ル9a,9bによって周囲から強く支持され、厚み方向の反
りなどが矯正される。なお、矯正機9の1つのローラの
回転軸には、該ローラが所定量(鋼板移動量の4.2mmに
対応)動く毎に1つのパルス信号を出力するパルス発生
器9cが結合されている。
矯正が終了すると、鋼材7は板幅計10及び冷却装置11を
通って切断部に送られる。切断部では、まず鋼板先端部
の不要部分、即ちクロップをクロップシャー12によって
切除し、次にサイドシャー13によって鋼材の幅方向の不
要部分を、即ちサイドクロップを切除し、続してエンド
シャー14によって、鋼材を各々の製品に必要とされる長
さ毎に切断する。
次に板幅計10について具体的に説明する。なお、板幅計
10を矯正機9の直後に配置したのは、圧延機の下流では
鋼材7がその厚み方向及び幅方向に振動して測定に大き
な誤差を生じ易いが、矯正機9の出側においては鋼材7
の振動が生じないためである。
第2a図に、第1図の板幅計10の、鋼材7の搬送方向の正
面からみた状態を示し、第2b図に第2a図の断面を示す。
各図を参照すると、この板幅計10は、鋼材7の搬送路の
上方に配置された検出部20と、該搬送部の下方に配置さ
れた光源21及び22で構成されている。光源21及び22は、
各々、鋼材7の搬送方向と直交する軸に沿う方向の線状
の光源を形成しており、光軸は上方、つまり鋼材7の搬
送路及び検出部20に向いている。
検出部20には、2つの検出ユニット23及び24が備わって
いる。これらは、鋼材7の幅方向に対して所定の範囲で
移動可能になっており、中央に配置された幅設定機構25
によってそれぞれ所定の位置に位置決めされる。一方の
検出ユニット23は鋼材7の幅方向の手前側の一端(ワー
クサイド)の位置を検出し、他方の検出ユニット24は鋼
材7の幅方向の後方側の一端(ドライブサイド)の位置
を検出するようになっている。検出ユニット23及び24の
位置(間隔)を幅設定機構25によって調整することによ
って、様々な寸法(幅が1〜4.5m)の鋼材の幅測定に対
応できる。
2つの検出ユニット23,24は互いに同一の構成になって
いるので、一方の検出ユニット23について説明すると、
このユニットには、凹面形状の反射鏡23b,平面形状の反
射鏡23c,結像レンズ23d及び一次元CCDイメージセンサ23
eが備わっている。即ち、光源21から出た光のうち、鋼
材7によって遮光されなかった光束は、反射鏡23bで反
射し、反射鏡23cで再び反射し、結像レンズ23dを通って
イメージセンサ23eに入射する。
イメージセンサ23eは、5000画素分の検出素子を同一方
向に沿って1列に配置した構造になっており、これらの
検出素子に、反射鏡23bの幅方向の検出領域(約30cmの
幅)に対応する一次元の光像が縮小されて投影される。
つまり、イメージセンサ23eは、光源21からの入射光と
鋼材7の影とを含む一次元の光像を検出することになる
ので、検出した像の明るさが変化する位置が、鋼材7の
エッジの位置に対応する。従って、イメージセンサ23e
は、鋼材7のエッジの位置を検出することができる。
但し、その位置は検出ユニット23上における相対位置と
して検出されるので、実際の鋼材7のエッジ位置は、検
出ユニット23のその時の絶対位置と、イメージセンサ23
eが検出した相対位置との両者によって決定される。
第3図に、第1図に示す製造設備を制御する電装系の構
成の概略を示す。第3図を参照して説明する。
秤量計1及び加熱炉2は、加熱系プロセス制御ユニット
200に接続されており、それによって制御される。ま
た、幅長計5,粗圧延機6,及び仕上圧延機8が、それぞ
れ、幅長計コントローラ310,粗圧延コントローラ320,及
び仕上圧延コントローラ330を介して、圧延系プロセス
制御ユニット300に接続されている。
幅長計コントローラ310は、圧延系プロセス制御ユニッ
ト300からの指示に応じて、幅長計を制御し、鋼材7の
幅と長さとを読み取って、その情報を圧延系プロセス制
御ユニット300に返送する。粗圧延コントローラ320及び
仕上圧延コントローラ330は、各々、圧延系プロセス制
御ユニット300からの指示、即ち圧延パススケジュール
に基づいて、圧延機の圧下値やロール間の間隙の調整を
行なう。
板幅計10は板幅計コントローラ340を介して冷却系プロ
セス制御ユニット400に接続され、冷却装置11は直接、
冷却系プロセス制御ユニット400に接続されている。板
幅系コントローラ340は、冷却系プロセス制御ユニット4
00からの幅設定指示に応じて、板幅計10の幅設定機構25
を図示しないサーボモータで駆動して、検出ユニット23
上の基準位置(検出領域の中央)と検出ユニット24上の
基準位置との間隔が指定された基準幅と一致するように
制御し、また冷却系プロセス制御ユニット400からの読
取指示に応じて、板幅計10の各検出ユニットのイメージ
センサで検出した2つのエッジ位置を読取り、それらの
情報を冷却系プロセス制御ユニット400に返送する。
幅長系コントローラ310,粗圧延コントローラ320,仕上圧
延コントローラ330及び板幅計コントローラ340は、各々
独立したマイクロコンピュータを内蔵しており、それぞ
れ予め設定されたプログラムに従って動作する。同様
に、加熱系プロセス制御ユニット200,圧延系プロセス制
御ユニット300及び冷却系プロセス制御ユニット400もそ
れぞれ独立したコンピュータシステムであり、各々、そ
れらに予め設定されたプログラムに従って動作する。
また、加熱系プロセス制御ユニット200,圧延系プロセス
制御ユニット300及び冷却系プロセス制御ユニット400
は、システム制御コンピュータ100と接続され、それに
よって全体的な動作が管理される。また、システム制御
コンピュータ100は、クロップシャー12,サイドシャー13
及びエンドシャー14の動作を制御し、鋼材7上の各々の
切断位置を制御する。なお、第3図には示してないが、
多数の搬送ローラ3の駆動速度や旋回テーブル4の動作
も、システム制御コンピュータ100によって制御され
る。
次に、具体的な動作について説明する。まず、板幅計10
による鋼材7の板幅測定を説明する。第4a図,第4b図,
第4c図,第4d図,第4e図,第4f図及び第4g図に、冷却系
プロセス制御ユニット400の動作を示す。第4a図がメイ
ンルーチン、第4b図及び第4c図がサブルーチン、第4d
図,第4e図,第4f図及び第4g図が割込み処理ルーチンで
ある。また、第4d図,第4e図及び第4f図の割込み処理
は、冷却系プロセス制御ユニット400の内部タイマによ
り、それぞれ4msec,20msec及び100msec毎に発生する割
込み要求に応答して定期的に繰り返し実行される。第4g
図の割込み処理は、矯正機9に備わったパルス発生器9c
が発生するパルスを1つ受ける毎に、つまり、板幅計10
の位置において鋼材7が4.2mm進む毎に発生する割込み
要求に応答して、実質上定期的に繰り返し実行される。
第4a図を参照する。冷却系プロセス制御ユニットは、電
源がオンすると、まずステップA1の初期化を行なう。つ
まり、内部メモリをクリアし、内部タイマの設定,割込
みマスクの設定,通信モードの設定などを順次に処理
し、これ以降の動作を可能にする。ステップA2では、冷
却系プロセス制御ユニットと、これに接続された装置、
即ちシステム制御コンピュータ100,圧延系プロセス制御
ユニット300,及び板幅計コントローラ340との間で所定
の通信処理を行なう。
ステップA3では、システム制御コンピュータ100から、
板幅計10の基準板幅、つまり検出ユニット23の基準位置
と検出ユニット24の基準位置との間隔を更新する指令が
あったか否かを識別する。その指令があった場合には、
次のステップA4で、板幅計コントローラ340に幅設定の
指示を与える。この指示を受けると、板幅計コントロー
ラ340は、幅設定機構25を駆動して、検出ユニット23及
び24の基準位置を調整し、それらの位置の間隔が指定さ
れた幅と一致するように制御する。
次に、第4d図を参照して4msec割込処理を説明する。ま
ず、ステップD1では、板幅計10が測定可能な状態か否か
を識別するために、板幅計コントローラ340のステータ
ス情報を読み取る。そして、ステップD2では、ステータ
ス情報に異常を示すものがないかどうかを識別する。具
体的に言うと、板幅計10の電源がオン状態,光源21,22
の電流が正常,検出部20の温度が正常,検出ユニット23
のイメージセンサ出力信号のレベルが正常,及び検出ユ
ニット24のイメージセンサの出力信号のレベルが正常、
の全ての条件を満たす場合に正常とみなす。
ステータスが正常なら、次にステップD3に進み、検出ユ
ニット23,24の位置決めが完了しているか否かを識別す
る。位置決めが完了していれば次に進み、ステップD4で
ワークサイドの鋼材エッジ位置(検出ユニット23上の相
対位置:WS4)を読み取ってそれをメモリにストアし、続
いてステップD5でドライブサイドの鋼材エッジ位置(検
出ユニット24上の相対位置:DS4)を読み取ってそれをメ
モリにストアし、次にステップD6でカウンタCN4をイン
クリメント(+1)する。また、カウンタCNが4を越え
たら、ステップD8でCN4を0にクリアする。つまり、カ
ウンタCN4は、板幅情報(WS4,DS4)を読取る毎に、0〜
4の範囲内で順次に更新される。
第5a図に、第4d図の処理によってストアされるデータを
蓄えるメモリ領域の内容を示す。つまり、第4d図の処理
によって4msec毎にサンプリングされるワークサイドの
データWS4及びドライブサイドのデータDS4は、それぞ
れ、カウンタCN4の内容に対応付けて、5種類の領域に
順次に格納される。この動作が繰り返されてデータは常
に更新されるので、第5a図に示すメモリ上には、常に最
新の過去5回のWS4及びDS4のサンプリングの結果が保持
される。
次に、第4e図を参照して20msec割込処理を説明する。ま
ず、ステップE1では、先端検出フラグFdetの内容を調べ
る。鋼材7の先端が板幅計10の位置まで到達していない
時には、フラグFdetは0になっている。そして、この実
施例では、第6a図に示すようにワークサイドとドライブ
サイドの両端部について鋼材7が検出された位置Ptより
先まで鋼材7が搬送され、第4e図のステップE2及びE3で
共にエッジ検出有になった場合に、ステップE4で先端検
出フラグFdetが1にセットされる。但し、検出した板幅
が700mm以上でしかも4900mm以下でない場合には、先端
検出とみなさない。
鋼材の先端を検出した後は、この処理を実行する毎に、
即ち20msec毎にステップE5を実行して次のようにデータ
を処理する。まず、第5a図に示すメモリのWS4の5つの
データの平均値WS20を求めてそれをメモリにストアし、
次に第5a図に示すメモリのDS4の5つのデータの平均値D
S20を求めてそれをメモリにストアする。次のステップE
6では、カウンタCN20の内容をインクリメントする。但
し、CN20が4を越えると、CN4を0にクリアする。
第5b図に、第4e図の処理によってストアされるデータを
蓄えるメモリ領域の内容を示す。つまり、第4e図の処理
によって20msec毎に平均化されてサンプリングされたワ
ークサイドのデータWS20及びドライブサイドのデータDS
20は、それぞれ、カウンタCN20の内容に対応付けて、5
種類の領域に順次に格納される。この動作が繰り返され
てデータは常に更新されるので、第5b図に示すメモリ上
には、常に最新の過去5回のWS20及びDS20のサンプリン
グの結果が保持される。
再び第4e図を参照する。ワークサイドのデータWS4又は
ドライブサイドのデータDS4において、エッジが検出さ
れなくなると、鋼材の後端(第6a図のPb)を検出したも
のとみなし、ステップE9又はE10からステップE11に進
み、検出終了フラグFendを1にセットするとともに先端
検出フラグFdetを0にクリアする。
次に、第4f図を参照して100msec割込処理を説明する。
ステップF1では先端検出フラグFdetの状態を調べ、ステ
ップF2では検出終了フラグFendの状態を調べる。Fdetが
1で、しかもFendが0であると、つまり、鋼材7を検出
中であると、ステップF3以降の処理を実行する。ステッ
プF3では、第5b図に示すメモリ領域のワークサイドのデ
ータWS20の5つの平均値をデータWS100として求め、ス
テップF4では、第5b図に示すメモリ領域のドライブサイ
ドのデータDS20の5つの平均値をデータDS100として求
め、ステップF5ではそれらのデータをメモリにストアす
る。また、ステップF5では、位置データを保持するレジ
スタCNP1の内容をもメモリにストアする。
ステップF6では、カウンタCN100の内容をインクリメン
トする。またカウンタCN100が予め定めた最大値CNmaxに
達すると、検出終了フラグFendを1にセットする。
第5c図に、第4f図の処理によってストアされるデータ群
を格納するメモリ領域の構成を示す。即ち、第4f図の処
理によってサンプリングされる100msec毎に平均化され
たワークサイドの位置データWS100及びドライブサイド
の位置データDS100は、搬送方向の位置データCNP1とと
もに、各々、その時のカウンタCN100の計数値に応じた
メモリアドレスに順次に格納される。
次に、第4g図を参照してP1割込処理を説明する。鋼材7
を検出していない時は、つまり先端検出フラグFdetが0
か又は検出終了フラグFendが1であると、ステップG4を
実行してレジスタCNP1を0にクリアし、鋼材7を検出中
は、この処理を実行する毎に、ステップG3を実行してレ
ジスタCNP1の内容をインクリメントする。従って、レジ
スタCNP1の内容は、鋼材の先端位置Ptから板幅検出位置
までの距離をパルス数で表わしたものである。
次に再び第4a図を参照する。板幅の測定が終了すると、
即ちフラグFendが1になると、ステップA5の次にステッ
プA6に進む。
ステップA6では、第5c図に示すメモリ領域のデータを編
集して、第5d図に示すメモリ領域のデータを作成する。
即ち、第5d図に示すメモリ領域には、鋼材7上の搬送方
向の100mm毎の各位置におけるワークサイドの幅方向位
置WS及びドライブサイドの幅方向位置DSのデータがスト
アされる。第5c図のデータから第5d図のデータへの変換
は、第5c図のCNP1の値を参照して、100mm毎の各サンプ
リング位置に最も近い値がある項目のWS100及びDS100を
それぞれWS及びDSとする。
次のステップA7では、第5d図に示すメモリ領域にストア
されたデータ群に基づいて、検出した鋼材7の平面形状
に関する様々なパラメータを計算して求める。ステップ
A7のサブルーチンの具体的な内容を第4b図に示す。次
に、第4b図を参照して板幅プロフィール演算処理の内容
を説明する。
ステップB1では、仕上圧延機出側における鋼材7の全体
に渡る板幅の平均値Woutを、次の第(1)式によって求
める。
Wout=(1/n)Σ(W0+Dwsi+Ddsi) …(1) 但し、n:データの数 W0:検出ユニット23−24間の距離 Dwsi:i番目のWSの値(第5d図) Ddsi:i番目のDSの値(第5d図) ステップB2では、鋼材7の幅方向中心位置の基準位置か
らのずれ量を、搬送方向の100mm毎に求める。計算は次
の第(2)式により行なう。
Wci=Wdsi−Wwsi …(2) 但し、Wci:i番目の中心のずれ量 Wdsi:i番目のDSの値(第5d図) Wwsi:i番目のWSの値(第5d図) つまり、鋼材7の全長に渡ってWciを求めることによ
り、第6b図に示すように、鋼材7の中心位置の軌跡Wcが
得られる。
ステップB3では、鋼材7のサイドクロップを識別する。
即ち、圧延後の鋼材7は、その平面で見ると、第6c図に
示すように搬送方向中央部に比べて先端及び後端部の板
幅が小さくなった太鼓形になる場合もあるし、第6d図に
示すように搬送方向中央部に比べて先端及び後端部の板
幅が大きくなった鼓形になる場合もあるので、矩形の形
からはみ出す部分はクロップとして切り捨てなければな
らない。幅方向のクロップがサイドクロップである。
そこで、ステップB3ではまず、圧延後の鋼材7の有効幅
Wkを求める。これは、測定した各位置の板幅Wi(W0+Dw
si+Ddsi:i=1〜n)の中の最小値として求められる。
そして、次の第(3)式から、サイドクロップ長CROPを
求める。
CROP=(1/n)Σ(Wi−Wk) …(3) ステップB4では、鋼材7の平面形状の矩形に対する変形
量を示すパラメータを求める。このサブルーチンの処理
の内容は、第4c図に示してある。第4c図を参照して、ク
ロップテーパ処理の内容を説明する。
ステップC1では、鋼材の定常部の平均幅Wtを求める。定
常部は、この例では、鋼材の全長Lに対して、先端のL/
4及び後端のL/4の長さの部分を除いたL/2の長さの中央
部を意味している。従って、平均幅Wtは次の第(4)式
から求められる。
Wt=(1/n)Σ(Wi) …(4) 但し、iの範囲は定常部内のみ 次のステップC2及びC3では、計算により求めた各位置の
板幅Wi(W0+Dwsi+Ddsi)を、搬送方向の中央から先端
方向に向かって順次に参照し、それが許容範囲を外れる
位置を捜す。この場合の板幅の許容範囲は、Wt±ΔWの
範囲内である。ΔWは、例えば20mm程度とする。
板幅が許容範囲を外れる位置がみつかったら、ステップ
C4に進み、その時参照している板幅データが得られた鋼
材7上の位置と鋼材先端との距離を、先端側クロップテ
ーパ長CPtとして求める(第6f図,第6g図参照)。
次のステップC5及びC6では、計算により求めた各位置の
板幅Wi(W0+Dwsi+Ddsi)を、搬送方向の中央から後端
方向に向かって順次に参照し、それが許容範囲を外れる
位置を捜す。この場合の板幅の許容範囲は、Wt±ΔWの
範囲内である。
板幅が許容範囲を外れる位置がみつかったら、ステップ
C7に進み、その時参照している板幅データが得られた鋼
材7上の位置と鋼材後端との距離を、後端側クロップテ
ーパ長CPbとして求める。
ステップC8では、クロップテーパ比率RCTを次の第
(5)式により求める。
RCT=(CPt+CPb)/2L …(5) 但し、L:鋼材の全長 つまり、クロップテーパ比率RCTを求めることによっ
て、圧延後の鋼材7の平面形状(幅方向両端の軌跡)が
矩形に対してどの程度変形しているかを知ることができ
る。
再び第4b図を参照する。ステップB4のクロップテーパ処
理が終了すると、次にステップB5に進み、キャンバ量の
計算を行なう。キャンバ量とは、鋼材7の幅方向中央位
置の横方向の曲がり量のことである。この例では、鋼材
7の先端の500mm及び後端の500mmのクロップ領域を除い
た部分についてのキャンバ量を求めるようにしている。
第6h図を参照して説明する。計測上の鋼材幅方向中心線
からの、実際の鋼材7の搬送方向i番目の各計測位置に
おける中心位置のx座標のずれ量Wciは、前記第(2)
式により求められる。計算範囲において鋼材が同一方向
に曲がると仮定すれば、キャンバ量は、鋼材の先端及び
後端(クロップ部分を除く)におけるWciの位置を結ぶ
基準線(y=ax+b)と各Wciとの距離の最大値として
求めることができる。また、x軸に対する基準線及びWc
iの軌跡の傾きは比較的小さいので、基準線とWciとの距
離は、近似的に、基準線とWciとのy座標方向のずれと
して求めることができる。つまりキャンバ量は、各Wci
の値と、基準線の式のx座標にi番目の計測点のx方向
位置を代入して得られるy座標位置との差を全てのWci
について順次に計算し、それらの中の最大値を求めるこ
とにより得られる。
なお、基準線の式(y=ax+b)のパラメータa及びb
は、次の第(6)式に鋼材の先端及び後端(クロップ部
分を除く)におけるWciのx座標とy座標を代入するこ
とによって求めることができる。
y−y1=(x−x1)(y2−y1)/(x2−x1) …(6) 但し、x1:鋼材後端のWciのx座標 y1:鋼材後端のWciのy座標 x2:鋼材先端のWciのx座標 y2:鋼材先端のWciのy座標 また、キャンバ量の値が正か負かを調べることによっ
て、曲がりの方向を識別できる。
また、1枚の鋼材を複数の領域に分割して各々の領域に
ついてその領域内におけるキャンバ量を求めることがで
きる。この実施例では、鋼材を搬送方向の2m毎に分割し
た各々の領域についても、それぞれキャンバ量を求める
ようにしている。
再び第4b図を参照する。ステップB5のキャンバ量の計算
が終了すると、次にステップB6に進み、キャンバと同様
に曲がりの程度を示す曲率半径の計算を行なう。計算の
範囲は、鋼材上の搬送方向の2m毎の多数の領域に分割
し、分割した各々の領域について、鋼材の幅方向中心の
軌跡、即ちWciに基づいて、それの曲率半径を求めてい
る。
曲率半径の具体的な計算の内容を説明する。ここでは、
計算例として、第6i図に示すように、計算範囲内におい
て、Wc1〜Wc9の9点の位置データ(Wciの一部)が存在
するものと仮定して説明する。この実施例では、計算範
囲内の中央が最も曲がり量(b)が大きいものとみな
し、その中央を境にして分割される領域の一方のデータ
群Wc1〜Wc5と他方のデータ群Wc5〜Wc9のそれぞれについ
て、それらに関する回帰直線を求める(y=cx+d,y=e
x+f)。
即ち、次の第(7)式に、データWc1〜Wc5又はWc5〜Wc9
の各々のx座標値及びy座標値を代入して、2つの回帰
直線を求める。
y-y=(x-x)・Σ(xi-x)(yi-y)/Σ(xi-x) …(7) 但し、y:計算範囲内の全データのy座標平均値 x:計算範囲内の全データのx座標平均値 次に曲がり量bを求めるために、まず、両端のデータWc
1とWc9とを結ぶ基準線(y=gx+h)を求める。即ち、
次の第(8)式にデータの座標を代入して基準線のパラ
メータg,hを求める。
y−y1=(x−x1)(y2−y1)/(x2−x1) …(8) 但し、y1:Wc1のy座標 x1:Wc1のx座標 y2:Wc9のy座標 x2:Wc9のx座標 次に、第(9)式を計算し、Wc1とWc9との直線距離lを
求める。
また、Wc1とWc9とを結ぶ直線の中間点Pcの座標x3,y
3を、次の第(10)式から求める。
x3=(x2−x1)/2, y3=(y2−y1)/2 …(10) 更に、中間点Pcを通り基準線(y=ga+h)に垂直な直
線(y=px+q)を次の第(11)式から求める。
y−y3=−(1/g)(x−x3) …(11) そして、前述の2つの回帰直線(y=cx+d,y=ex+
f)のうち傾きが大きい方と上記直線(y=px+q)と
の交点Pzの座標x4,y4を求める。
次に、以上の処理によって求めた点Pcの座標とPzの座標
とに基づいて、曲り量bを次の第(12)式から求める。
ここで第6i図を参照すると、 R(1−Cosθ)=b, 2R・Sinθ≒l であるから、曲率半径Rは、次の第(13)式から求めら
れる。
但し、kは前記2つの回帰直線のうち傾きが大きい方と
基準線(y=gx+h)との交点と点Pzとの距離を示す。
以上のようにして、冷却系プロセス制御ユニット400
は、第4b図の板幅プロフィール演算処理で、板幅に関連
する様々なパラメータを求めるが、これらのうち、圧延
出側幅実測値(第(1)式のWout),サイドクロップ長
(第(3)式のCROP)及びクロップテーパ比率RCTの各
情報は圧延系プロセス制御ユニット300に送信され、ま
た、キャンバ量及び曲率半径の情報は、システム制御コ
ンピュータ100に送信される。
次に、圧延系プロセス制御ユニット300の動作について
説明する。このユニット300の処理の概要を、第7図に
示す。この処理において特徴的なものは、概略でいう
と、圧延出側幅実測値に基づいて、それが狙い幅に近づ
くように、仕上圧延による鋼材の幅広がり量を自動的に
制御する点と、圧延機出側において検出した鋼材の平面
形状、即ち、CROPとRCTに基づいて、粗圧延における鋼
材の厚みパターンの制御を行ない、圧延機出側の鋼材平
面形状を矩形に近づけるように制御している点である。
まず、前者の特徴点について、圧延系プロセス制御ユニ
ット300の動作を第7図を参照して具体的に説明する。
ステップ17の狙幅修正計算処理においては、圧延によっ
て幅広がりを生じる鋼材の広がり後板幅の狙い幅を修正
する。つまり、最初の狙い幅は規格範囲の中央に設定さ
れるが、例えば鋼材重量が規定より少なめであると、幅
を一定にすることにより、その厚みや長さに影響が及び
それらが規格を外れる恐れがある。そこで、秤量計1に
よって実際に測定した鋼材7の重量に基づいて、狙い幅
を補正する。具体的には、まず次の第(14)式から重量
過不足量αを求める。
α=(実秤重量/請求重量)−1 …(14) そして、αが0以上なら狙い幅の補正は行なわないが、
αが負の場合にはα×C1だけ狙い幅を小さくするように
修正する。但し、修正量はC2以下とする。なお、C1及び
C2は、予め定めた定数であり、鋼材の種別毎にテーブル
の形でメモリ上に登録してある。
ステップ18の粗圧延幅広がり予測では、粗圧延工程にお
ける鋼材の幅広がり量ΔBtrを求める。他の計算方法も
考えられるが、この実施例では、次の第(15)式によっ
て、圧延1回毎の通板、つまりパス毎の幅広がり量ΔB
を求めている。
ΔB=Bo×Ld×Δd/(n×H×Bo+h×Ld) …(15) 但し、Bo:圧延機入側の板幅 Ld:投影接触弧長 Δh:圧下量(=H−h) H:圧延機入側板厚 h:圧延機出側板厚 R:圧延ロール半径 粗圧延においては、1台の圧延機6において複数パスの
圧延を繰り返し行なうので、各パスにおける幅広がり量
をΔBiとすれば、粗圧延工程における幅広がり量ΔBtr
はΣΔBiとして求めることができる。
一方、ステップ12では、粗圧延工程と仕上圧延工程の全
体での鋼材の幅広がり量を求める。仕上圧延機8におけ
る各パスの幅広がり量は、前記第(15)式に仕上圧延に
おける各パラメータを代入すれば求めることができ、仕
上圧延工程の全幅広がり量ΔBtfは、各パスの幅広がり
量の総和として求めることができる。従って、圧延工程
全体での幅広がり量ΔBtは、粗圧延工程の幅広がり量と
仕上圧延工程の幅広がり量との和になるが、実際には誤
差が含まれるので、学習によって誤差を小さくできるよ
うに、学習項のパラメータOfsを含めて、次の第(16)
式により幅広がり量ΔBtを求めている。
ΔBt=ΔBtr+ΔBtf+Ofs …(16) ここで学習項Ofsの値は、読み書き可能なメモリ上に、
鋼材の種別及び圧延温度毎に区分してテーブルの形で記
憶領域が割り当ててあり、その値は、ステップ11の幅広
がり量学習処理によって更新される。
具体的に言うと、ステップ11では、粗圧延機入側に配置
した幅長計5によって測定した圧延入側の実測幅と、板
幅計10によって測定した圧延出側板幅(Wout)との差に
よって求められる実積幅広がり量と、予測された幅広が
り量ΔBtrとの差、即ち誤差ΔWLを求め、次の第(17)
式によって学習項Ofsの値を更新する。
Ofs=Ofs(1−C)+C・ΔWL …(17) 但し、C:スムージング係数 従って、圧延工程を終了する毎に、幅広がり量の実測値
と予測値との誤差が計算され、それに基づいて学習項Of
sが更新されるので、制御に利用される幅広がり量の予
測値は、過去の学習に基づいて補正され、実際の幅広が
り量と非常に近いものとなる。
ステップ13では、粗圧延機入側に配置した幅長計5によ
って測定した圧延入側の実測幅,ステップ12で予測した
幅広がり量ΔBt,及び狙い幅に基づいて、次の第(18)
式によって幅過不足量βを求め、それによって狙い厚を
修正する。
β=(実測幅+ΔBt)/狙い幅−1 …(18) 狙い幅の修正は前記第(14)式のαと前式のβに基づい
て、次のように行なう。
α−β≧0の場合: C0・(α−β)だけ狙い厚を厚くするように修正 α−β<0の場合: C3・(α−β)だけ狙い厚を薄くするように修正 ステップ14では、前述のステップ13の処理で修正された
狙い厚に基づいて、幅広がり量の予測計算を再び行な
う。
ステップ15では、ステップ14で計算した幅広がり量に基
づいて、仕上圧延機8における各パスの制御スケジュー
ルを設定し、そのスケジュールに基づいてステップ16で
仕上圧延機8の圧下量等の制御を行なう。
上述のような制御を行なうので、この実施例において
は、もしも圧延工程出側において、鋼材の板幅が狙い幅
と大きくずれたとしても、その差が板幅計10で検出され
て学習項の値Ofsにフィードバックされ、仕上圧延のス
ケジュールが変更されるので、それ以後の鋼材を圧延処
理する時には、圧延後の板幅として狙い幅に近いものが
得られるように自動的に修正制御される。
次に、後者の特徴点、つまりCROPとRCTに基づいて粗圧
延の厚みパターンの制御を行なうことについて、圧延系
プロセス制御ユニット300の動作を具体的に説明する。
第8図に示すように、粗圧延出側において平面形状が矩
形で厚みが均一の鋼材を仕上圧延すると、仕上圧延機出
側においては、鋼材の平面形状が、鼓形、つまり先端及
び後端部の板幅がその中央部に比べて大きくなる場合
や、太鼓形、つまり先端及び後端部の板幅がその中央部
に比べて小さくなる場合がある。そこで、この実施例で
は、粗圧延工程において、鋼材の位置毎にその厚みを調
整し特別な厚みパターンを形成する厚み制御を行なうと
ともに、仕上圧延機の出側における実際の鋼材の平面形
状を検出し、その検出結果を粗圧延における鋼材の厚み
パターン制御にフィードバックしている。
つまり、圧延による幅広がり量は、圧下量、即ち圧延入
側における板厚と圧延出側における板厚との差に応じて
変化するので、例えば、仕上圧延出側の鋼材の平面形状
が第8図に一点鎖線で示すように太鼓形の場合には、粗
圧延出側における鋼材の厚みパターンを、その先端及び
後端部において中央部よりも厚みを大きくすれば、仕上
圧延における鋼材先端及び後端の幅広がり量が増大し、
仕上圧延出側における鋼材の平面形状が矩形に近づく。
また、仕上圧延出側の鋼材の平面形状が第8図に実線で
示すように鼓形の場合には、粗圧延出側における鋼材の
厚みパターンを、その先端及び後端部において中央部よ
りも厚みを小さくすれば、仕上圧延における鋼材先端及
び後端の幅広がり量が減少し、仕上圧延出側における鋼
材の平面形状が矩形に近づく。
実際の処理においては、冷却系プロセス制御ユニット40
0から得られるサイドクロップ量CROP及びクロップテー
パ比率RCTの学習を行ない、過去の学習結果に基づい
て、粗圧延における鋼材の厚みパターンを、第9a図又は
第9b図のように調整している。第9a図及び第9b図に示す
各圧み調整パラメータx1,FLT1及びFLT2が、学習の結果
に応じて設定される。
第7図を参照する。ステップ21では、サイドクロップ量
CROPに関する学習を行なう。つまり、サイドクロップの
学習値FD1は、新しいクロップ量CROPが検出される毎
に、次の第(19)式によって更新する。
FD1=FD1(1−C)+C×CROP …(19) 但し、C:スムージング係数 この学習値FD1については、読み書き可能なメモリ上
に、第9c図に示すようにテーブルの形で記憶領域が割り
当ててあり、幅出比,圧延幅,圧延温度,及び鋼材種別
の各条件毎に独立した記憶領域が割り当てられている。
従って、操業条件毎に学習の結果が保存される。
また、第7図のステップ22では、クロップテーパ比率RC
Tに関する学習を行なう。つまり、クロップテーパ比率
の学習値CR1は、新しいクロップテーパ比率RCTが検出さ
れる毎に、次の第(20)式によって更新される。
CR1=CR1(1−C1)+C1×RCT …(20) 但し、C1:スムージング係数 この学習値CR1については、FD1の場合と同様に、テーブ
ルの形で記憶領域が割り当ててあり、調厚後板長,圧延
温度,及び鋼材種別の各条件毎に独立した記憶領域が設
けられている。従って、操業条件毎に学習の結果が保存
される。
第7図のステップ19では、ステップ18の処理で得られた
幅広がり量の予測値ΔBtrに基づいて通常のパススケジ
ュールの設定を行なうとともに、ステップ21で得られた
学習値FD1及びステップ22で得られた学習値CR1に基づい
て、鋼材の厚みパターンに関するスケジュール設定を行
なう。具体的に言えば、次の第(21)式,第(22)式及
び第(23)式からパラメータx1,FLT1,FLT2を求め、第9a
図又は第9b図に示すように鋼材の厚みを調整する。仕上
圧延出側における平面形状が太鼓形であれば第9a図の厚
みパターンに設定し、仕上圧延出側の平面形状が鼓形で
あれば第9b図の厚みパターンに設定する。
x1=(1/2)〔FD1×k1/(狙い幅)〕(定常部板厚) …
(21) FLT1=(鋼材の板長)×CR1×k2 …(22) FLT2=(鋼材の板長)×CR1×k3 …(23) 但し、k1,k2,k3は定数 第7図のステップ20では、ステップ19で設定したスケジ
ュールに従って、鋼材の位置毎に粗圧延機6の圧下量を
調整し、設定した厚みパターンの通りに粗圧延を行な
う。
なお、この実施例では仕上圧延出側における鋼材の幅方
向両端部の軌跡のみを検出し、検出した形状が線形に修
正されるように粗圧延における厚みパターンを設定して
いるが、仕上圧延出側における鋼材の長手方向両端部、
つまり先端及び後端の輪郭形状が検出できる場合には、
その形状も線形に修正することができる。即ち、粗圧延
プロセスにおいて、鋼材の方向を旋回することができる
ので、それを90度反転して鋼材の幅方向に向かって粗圧
延を行なう場合に、前述の長手方向の場合と同様に、圧
延方向(幅方向)に対して第9a図や第9b図のような特別
な厚みパターンを設定すれば、鋼材の長手方向の広がり
量を補正し、鋼材の先端及び後端の輪郭を線形に修正し
うる。
ところで、仕上圧延−矯正−冷却の工程を終了した鋼材
7は、エンドシャー14によって長手方向と実質上直交す
る軸に沿って複数の領域に切断されるが、その切断位置
は、システム制御コンピュータ100によって決定され
る。この切断位置の決定に関する具体的な処理の内容を
以下に説明する。
鋼材7の切断によって形成される複数の鋼材片の各々の
長さは、予め切断長として設定される。この例では、1
つの鋼材から4つの鋼材片を得るために4つの切断長が
設定されるが、各々の鋼材片の並びの順番は特に定まっ
ていない。そこで、この実施例では、圧延後の板幅プロ
フィールの測定によって検出した鋼材の曲がりの情報に
基づいて、鋼材片の並びの順番を最適に設定することに
より、曲がりの影響を最小限に抑えるように制御してい
る。
つまり、各々の鋼材片の切断長が異なる場合、鋼材片の
並びを変えることによって、鋼材上の各切断位置が変わ
るので、切断位置を曲がりの影響が小さい部分に割り当
てることが可能である。具体的に言うと、製品となる各
鋼材片の平面形状は矩形にしなければならないので、曲
がりの大きい部分では、サイドクロップとして捨てなけ
ればならない部分の割合いが大きくなる。ところが、例
えば第10a図に示すように、連続する鋼材片(7a,7b)同
志を鋼材7の曲がりに沿って傾けると、2つの鋼材片の
境界部分では、曲がりによって生じるサイドクロップを
小さくしうる。従って、まず、鋼材上の曲率半径の小さ
い部分を切断位置として設定すれば、曲がりの影響が小
さくなることが分かる。
また、鋼材の曲率半径がどの位置でも均一である場合、
第10b図に示すように、ハッチングで示したサイドクロ
ップの大きさは、長さの短い鋼材片7dに比べて長さの長
い鋼材片7cの方が大きくなることが分かる。従って、長
さの長い鋼材片はなるべく曲がりの小さい部分に割り当
てるのが好ましい。
そこでこの実施例においては、鋼材片の並びの全ての組
み合せ(n片に分割する場合はn!種類)について、各々
の組み合せが鋼材の曲がりのサイドクロップへの影響に
関して適切な否かを示す関数を計算し、その結果から最
も好ましい組み合せを選択するようにしている。
関数としては、次の第(24)式に示す切断位置の曲率半
径に関する関数fcutと、第(25)式に示す鋼材片中のキ
ャンバ量に関する関数fdisの2つを用いている。
fcut=fc(R1)+fc(Rd)+fc(R3)+fc(R4) …(2
4) fdis=fd(C1)+fd(C2)+fd(C3)+fd(C4) …(2
5) 但し、fc(x):曲率半径xの影響力を示す関数 fd(y):キャンバ量yの影響力を示す関数 R1,R2,R3,R4:各切断位置の曲率半径 C1,C2,C3,C4:各鋼材片上のキャンバ量 つまり、全ての組合せについてfcut+fdisを計算し、曲
がりの影響が最小になる組合せをみつけ、その組合せに
応じて鋼材上の各々の切断位置を決定する。
なお上記実施例においては、切断される複数の鋼材片の
長さが互いに異なる場合の切断位置の決定について説明
してあるが、鋼材片の長さが全て同一であっても、例え
ば使用されない余裕代(もしくは長さが可変の製品)部
分を設けて、その位置又は長さを調整するように制御す
れば、上記実施例の場合と同様に、切断位置が可変にな
るので、切断位置を曲がりに関して最適な位置に修正す
ることができる。
[効果] 以上のとおり、本発明によれば、圧延出側における鋼材
の平面形状を実際に検出し、その検出結果に応じて、圧
延工程で圧延される鋼材の厚みパターンを自動的に制御
するので、それによって圧延出側における鋼材の平面形
状を矩形に近づけることができ、従って鋼材のクロップ
領域の大きさが小さくなり、歩留りが向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を実施する一形式の圧延設備主要部の
構成を示す正面図である。 第2a図は板幅計10を鋼材7の搬送方向に向かって見た状
態を示す拡大側面図、第2b図は第2a図のIIb−IIb線断面
図である。 第3図は、第1図の装置を制御する電装部の構成を示す
ブロック図である。 第4a図,第4b図,第4c図,第4d図,第4e図,第4f図及び
第4g図は、第3図の冷却系プロセス制御ユニット400の
処理の内容を示すフローチャートである。 第5a図,第5b図,第5c図及び第5d図は、冷却系プロセス
制御ユニット400のメモリ上に設定したデータ格納テー
ブルの構成を示すメモリマップである。 第6a図,第6b図,第6c図,第6d図,第6e図,第6f図,第
6g図及び第6j図は、鋼材7の全体又は一部分を示す平面
図、第6h図及び第6i図は鋼材の幅方向中心位置の軌跡を
示す平面図である。 第7図は、第3図の圧延系プロセス制御ユニット300の
処理の内容を示すブロック図である。 第8図は、厚みパターン調整前と調整後の粗圧延出側と
仕上圧延出側における鋼材形状を示す工程図である。 第9a図及び第9b図は厚み調整パターンを示す正面図、第
9c図はFD1を記憶するメモリの構成を示すメモリマップ
である。 第10a図及び第10b図は、1つの鋼材とそれから切り出さ
れる鋼材片の形状を示す平面図である。 1:秤量計、2:加熱炉 3:搬送ローラ、4:旋回テーブル 5:幅長計 6:粗圧延機(圧延手段) 6e:ロール圧下装置(圧延調整駆動手段) 6f:パルス発生器 7:鋼材、8:仕上圧延機 9:矯正機、9c:パルス発生器 10:板幅計(出側板幅検出手段) 11:冷却装置、12:クロップシャー 13:サイドシャー、14:エンドシャー 20:検出部、21,22:光源 23,24:検出ユニット 23b,23c:反射鏡、23d:結像レンズ 23e:一次元CCDイメージセンサ 25:幅設定機構 100:システム制御コンピュータ 200:加熱系プロセス制御ユニット 300:圧延系プロセス制御ユニット(圧延制御手段) 400:冷却系プロセス制御ユニット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚鋼板の搬送路中に配置された少なくとも
    1つの圧延手段; 前記圧延手段の圧延特性を調整する圧延調整駆動手段; 前記圧延手段の出側に設けられ、圧延手段出側での厚鋼
    板の板幅を検出する出側板幅検出手段;及び 前記出側板幅検出手段が検出した板幅を、前記厚鋼板の
    搬送方向の実質上一定の距離毎に繰り返しサンプリング
    し、サンプリングした板幅情報群を処理して板幅変化の
    分布に関連する形状パラメータを計算し、求めた形状パ
    ラメータに応じて、前記圧延調整駆動手段を制御し、前
    記厚鋼板上の搬送方向各位置に対応する前記圧延手段の
    厚み設定のパターンを調整する、圧延制御手段; を備える厚鋼板のサイドクロップ制御装置。
  2. 【請求項2】前記圧延手段は、前記形状パラメータに応
    じた学習値を記憶する読み書きメモリ手段を備え、前記
    学習値に基づいて前記圧延手段の厚み設定のパターンを
    調整するとともに、その時算出した前記形状パラメータ
    と前記学習値とに応じて、該学習値を補正する、前記特
    許請求の範囲第(1)項記載の厚鋼板のサイドクロップ
    制御装置。
JP63225593A 1988-09-09 1988-09-09 厚鋼板のサイドクロップ制御装置 Expired - Lifetime JPH0673689B2 (ja)

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