JPH067296Y2

JPH067296Y2 - 測量機スタジア調整装置

Info

Publication number: JPH067296Y2
Application number: JP12709088U
Authority: JP
Inventors: 茂之沢口
Original assignee: 株式会社ソキア
Priority date: 1988-09-30
Filing date: 1988-09-30
Publication date: 1994-02-23
Anticipated expiration: 2003-09-30
Also published as: JPH0248810U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）この考案は測量機のスタジア調整装置に関する。

（従来技術）トランシット、レベル等の測量機による測量法の１つに
スタジア測量が有る。これはレベル等の望遠鏡の視野内
に、十字線の上下に一定の間隔で平行に張られたスタジ
ア線を用い、距離を測定しようとする一端に測量機を、
他端には標尺を鉛直に立て、スタジア線間に挟まれる標
尺の長さを観測し、これにスタジア乗数と呼ばれる一定
の乗数を掛けて水平距離や高低差を求める方法である。

このスタジア測量を正確に行うには、上記レベル等の望
遠鏡の視野内に張られた２本のスタジア線が挟む視野角
が正確に一定になっていなければならず、測量機の組立
時にその位置決め調整が行われる。

従来のこの調整装置は、第２図に示すように、測量機１
の鏡筒２の先端部に、対物レンズ７のレンズ枠５が、螺
合、嵌合等適宜の方法で固着されている。このレンズ枠
５には、鏡筒２の先端との突き当たり部５′が設けられ
ている。組立に当たっては、ここにスタジア調整リング
１３を介在させ、このスタジア調整リング１３の厚さを
選択することによって対物レンズの光軸方向の位置を調
整し、これによってスタジア調整を行っていた。

図中、１１は防水のためのＯリング、１２はカバーであ
る。

（この考案が解決しようとする問題点）このスタジア調整リングの使用は、以下のような問題点
を有していた。

１．厚さのことなる多種多量の調整リングを準備しなけ
ればならなかった。

２．調整に当たって数種類のリングを使用するため、作
業に熟練を要した。

３．調整に当たって、本体から対物レンズをいちいち離
脱させてリングの交換を行わなければならなかった。

このため、調整に時間がかかり、対物レンズの着脱によ
るレンズの損傷が問題となっていた。

この考案は、上記の問題を含まないスタジア調整が可能
な測量機のスタジア調整装置を得ようとするものであ
る。

（問題点を解決するための手段）この考案の測量機のスタジア調整装置は、望遠鏡に装着
された対物レンズの光軸方向の移動によってスタジア調
整を行うものであって、望遠鏡の鏡筒端とこれに装着さ
れる対物レンズ枠とを螺合するとともに、該対物レンズ
枠外周に、上記望遠鏡の鏡筒端に当接するスタジア調整
用ナットを螺合したことを特徴とする。

上記対物レンズ枠と、上記望遠鏡の鏡筒とを螺合する場
合に摺動する部分にＯリングを介装し、防水するととも
に、その外側にはカバーを被せることは従来と同様であ
る。

（作用）上記のように、この考案においては、望遠鏡の鏡筒とレ
ンズ枠とはネジで螺合されているので、螺入の程度を加
減することにより、対物レンズの光軸方向の位置を自由
に設定することが出来る。

スタジア調整を行う場合は、コリメータによって、スタ
ジア線間に挟まれる標尺長が一定になるように対物レン
ズ枠を回動し、調整が終了したとき、スタジア調整用ナ
ットを回動して強く望遠鏡の鏡筒端に締め付ける。

この対物レンズ枠の鏡筒への取り付けは、鏡筒へのカバ
ーの取り付けに比べて精度が高いので、対物レンズ枠と
鏡筒との間にＯリングを設けることによって、効果的な
防水を行うことが出来る。

（実施例）以下に、この考案の実施例を示す。第１図はこの考案の
スタジア調整装置の１実施例を示す部分断面図であり、
第２図と同じ部材は同じ符号で示す。

測量機１の望遠鏡の鏡筒２の前端部近傍内面には螺合部
３が形成され、ネジ溝が設けられている。螺合部３の前
方にはストレート部４が設けられ、対物レンズ枠５のス
ムースな嵌め合いと防水とが行われる。

対物レンズ７が装着された対物レンズ枠５の後端部外周
には、鏡筒の螺合部３と螺合するネジ溝を有する螺合部
６が設けられる。そして、螺合部６よりも前方の部材の
対物レンズ枠５の外周には、突条外周にネジ部８が設け
られ、ここにスタジア調整ナット９が螺合されている。

スタジア調整ナット９には、ストップネジを螺入する孔
１０を穿つのが良い。このスタジア調整ナット９の幅は
スタジア調整のために対物レンズ枠５が前後させられる
距離よりも大きく、ネジ部８の幅よりも少し狭く、ナッ
ト９のほぼ全幅がネジ部８と螺合するようにされ、ま
た、その径はストレート部４の前端面とほぼ同一であ
り、回動することによって調整ナット９の側面は強くス
トレート部４の前端面に押圧、緊締される。

図の実施例においては、ストレート部４の内面は平滑面
とされ、ここに対応する対物レンズ枠５の外周面には凹
部を形成し、Ｏリング１１を収納する。これによって望
遠鏡内への水の進入を防止することが出来る。また、鏡
筒２の端部外周には螺合部を設けてカバー１２を螺着
し、これによって対物レンズ枠５、鏡筒２の先端部を保
護し、防水、防塵、耐衝撃性を与えている。

スタジア調整を行うには、対物レンズ枠５を左右に回動
し、鏡筒２への螺入程度を変えれば良い。所定の調整が
出来たところで、調整用ナット９を回動してストレート
部４の先端に締め付け固定する。

さらに耐衝撃性を増すためには、ストップネジを孔１０
に螺入し、調整用ナット９を固定する。

調整用ナット９の固定には、ストップネジによる代わり
に接着剤によって接着固定してもよい。また、Ｏリング
は鏡筒２や対物レンズ枠５の外周面に設けても良い等、
各種の設計変更が可能である。

（考案の効果）この考案は、上記のように、ネジによって対物レンズ枠
を前後に移動するだけでスタジア調整が出来るので、部
品点数も少なく、調整が簡単になる。そして、調整用ナ
ットによって対物レンズ枠をどの位置でも固定すするこ
とが出来る。また、調整のために対物レンズ枠を鏡筒か
ら離脱する必要がないので、着脱に伴うレンズの損傷が
ないという顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案のスタジア調整装置の１実施例を示す
断面部分図、第２図は従来技術を示す部分断面図であ
る。１：測量機、２：鏡筒、３、６：螺合部４：ストレート部、５：レンズ枠７：対物レンズ、８：ネジ部９：スタジア調整ナット１０：ストップネジ螺入孔１１：Ｏリング、１２：カバー１３：スタジア調整リング

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】望遠鏡に装着された対物レンズの光軸方向
の移動によってスタジア調整を行う測量機のスタジア調
整装置において、望遠鏡の鏡筒端とこれに装着される対
物レンズ枠とを螺合するとともに、該対物レンズ枠外周
に、上記望遠鏡の鏡筒端に当接するスタジア調整用ナッ
トを螺合したことを特徴とする測量機のスタジア調整装
置。
【請求項２】上記対物レンズ枠と、上記望遠鏡の鏡筒と
の摺動部にＯリングを介装したことを特徴とする実用新
案登録請求の範囲第１項記載の測量機のスタジア調整装
置。