JPH0672880B2 - イムノアッセイ用試薬 - Google Patents

イムノアッセイ用試薬

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JPH0672880B2
JPH0672880B2 JP60225064A JP22506485A JPH0672880B2 JP H0672880 B2 JPH0672880 B2 JP H0672880B2 JP 60225064 A JP60225064 A JP 60225064A JP 22506485 A JP22506485 A JP 22506485A JP H0672880 B2 JPH0672880 B2 JP H0672880B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、hPTH(ヒト副甲状腺ホルモン)のイムノアツ
セイに用いる新規な試薬に関するものである。
〔従来技術〕
PTHは、84個の構成アミノ酸からなるペプチドであり、
その血中濃度の測定はカルシウムやリンの代謝異常に関
する種々の副甲状腺疾患や代謝性骨疾患の診断および病
態解析に重要な役割を果している。
PTHの測定法として、1963年Bersonらによりラジオイム
ノアツセイが開発されて以来(Proc.Natl.Acad.Sci.U.
S.A.,Vol.49、p613(1963))、種々の改良が加えられ
てきている。
トレーサーには、当初、ウシPTH(1−84)を放射性同
位元素で標識化したものが用いられていたが、ウシPTH
(1−84)は非特異的結合性が大きく、たとえば試験管
壁などにも吸着するなど、測定感度、精度上の問題があ
つた。
近年、合成ヒトPTHフラグメントをトレーサーおよび標
準物質として用いるホモジエナスRIA法が開発され、Mar
xらは、トレーサーとしてhPTH(44−68)フラグメント
を用いることにより、ガラス壁への吸着が少なく、しか
も保存安定性、DCCによるBF分離性がすぐれたRIA法を報
告している。(J.Clin.Endocrinol.Metab.,Vol.53、pp7
6−84(1981))。さらに、Sharpらは、トレーサーとし
てhPTHのN末端にチロシン残基を導入した(Tyr43)hPT
H(43−68)を用いることにより、hPTH(44−68)を用
いた場合よりも15〜50%感度が向上することを報告した
(Clinica,Chimica,Acta Vol.145、pp59−68、(198
5))。
他のPTHフラグメントを用いるラジオイムノアツセイと
しては、hPTH(1−34)(たとえば、Texas Reports Bi
o.Med.、Vol.33、p457(1975))、hPTH(44−64)(Li
gand Review.Vol.2、p7、(1980))、hPTH(65−84)
(たとえば、ホルモンと臨床、Vol.30、pp885−888、pp
1309−1313、(1982))が知られている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来のhPTHのラジオイムノアツセイにおいては、測定感
度等の問題は解決されたものの、アツセイに3〜4日間
という長時間を要し、より短時間に迅速に正確な測定が
可能なアツセイシステムの開発が望まれていた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意研究を
進めた結果として、トレーサーとしてhPTH(43−68)の
標識化物を用いることにより、hPTHのイムノアツセイ操
作を24時間以内に完了できることを知見し、本発明を完
成した。
すなわち、本発明は、標識物質で標識されたhPTH(43−
68)からなるイムノアツセイ用試薬を提供するものであ
る。
本発明において、トレーサーとして用いられるhPTH(43
−68)はN末端が43番目のアミノ酸である下記のアミノ
酸配列を有するものである。
標識物質として放射性ヨード(125I、131I)用いる場合
には、これらのフラグメントのN末端にチロシン残基を
導入したものが用いられる。
また、これに標識されるべき標識物質としては、競合的
にイムノアツセイにおいて用いられるものから、本hPTH
の標識に適合するものを選択すればよく、一般には放射
性同位元素(たとえば125I、131I、3H、14Cなど)、酵
素(たとえばβ‐ガラクトシダーゼ、ペルオキシダー
ゼ、アルカリホスフアターゼ、アセチルコリンエステラ
ーゼなど)、蛍光物質(たとえば、ウムベリフエロン、
フルオレセイン、ローダミン、フルオレセインイソシア
ネート、フルオレセインイソチオシアネート、フイコエ
リトリンなど)、化学発光物質(たとえば、ルミノール
など)などが適用される。これらの標識物質の標識化法
はいずれも公知であり、公知の方法によつて行えばよ
い。これらの一般的技術手段の詳細については、総説、
成書などを参照することができる(たとえば、入江實
編、「ラジオイムノアツセイ」(株式会社講談社、昭和
49年4月10日発行)、入江實編、「続ラジオイムノアツ
セイ」(株式会社講談社、昭和54年5月1日発行)、石
川栄治ら編、「酵素免疫測定法」第2版(株式会社医学
書院、昭和57年12月15日発行)、日本臨牀、第42巻、春
季臨時増刊(1984)「臨床免疫handbook」(株式会社日
本臨牀社、昭和59年3月20日発行)、第1198〜1227頁、
H.V.ブナキスら著、「Methods in Enzymology」Vol.7
0、「Immunochemical Techniques Part A」(アカデミ
ックプレス、1980)、J.J.ランゴンら著、「Methods in
Enzymology」Vol.73、「Immunochemical Techniques P
art B」、同書、Vol.74、「Immunochemical Techniques
Part C」、(アカデミックプレス、1981)など参
照)。
たとえば、125I、131Iなどの放射性ヨードで標識する場
合はクロラミンT法、ラクトペルオキシダーゼ法などが
適用され、酵素標識する場合は、酸無水物法、カルボジ
イミド法、グルタルアルデヒド架橋法、過ヨウ素酸化架
橋法、マレイミド架橋法などが適用される(特開昭55−
26477号公報参照)。
本発明トレーサーが適用されるイムノアツセイは、被分
析物質とトレーサーとを抗体などの受容体に対して競合
的に結合反応を行わせ、それらの存在比による結合もし
くは不結合標識量の変化を測定して被分析物質を定量す
る測定原理に基づく方法であればよい。そのようなイム
ノアツセイのシステムとしては、可溶性抗体に対して
被分析試料中の物質とトレーサーを順次にまたは同時に
反応させて抗原抗体反応を行わせ、次いでBF分離剤を用
いてBF分離し、B(結合トレーサー)またはF(遊離ト
レーサー)の標識量を測定する液相法、不溶性担体に
対して被分析試料中の物質とトレーサーを順次にまたは
同時に反応させて抗原抗体反応を行わせ、次いで液相と
固相とに分離し、液相中のFまたは固相中のBの標識量
を測定する固相法がある。
本発明のトレーサーを用いるイムノアツセイに用いる抗
hPTH抗体としてはhPTHに対して特異性を有し、hPTHの中
央領域(midregion)、特に43番目のプロリンから68番
目のグリシンまでの一部または全部を抗原決定基として
認識しうるものであればよい。抗体の調製は、常法によ
つて行われる。たとえば、ウシもしくはヒトPTHまたは
中央領域のPTHフラグメントを、ウサギ、ラツト、ヒツ
ジ、ウマ、ウシ、ニワトリなどの異種動物に免疫し、免
疫動物から抗血清を採取する方法、または免疫動物から
脾臓細胞、胸腺細胞または末梢とリンパ節細胞などの抗
体生産細胞を取得し、これとミエローマ細胞とを細胞融
合させ、得られたハイブリドーマを細胞培養もしくはマ
ウス腹水形成法で培養し、生産された抗体を取得する方
法などにより得ることができる。
固相法においては、抗体を不溶性担体に固相化したもの
が用いられる。不溶性担体としては、たとえば、シリコ
ーン、ガラス、セラミツク、ポリスチレン、スチレン−
ジビニルベンゼン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、架橋ポリアクリルアミド、ハロゲン化シアン活性
化セルロース、CMセルロース、DEAEセルロース、架橋デ
キストランなどの一般のイムノアツセイで用いられうる
材質のものを適用すればよい。担体の形状は任意であ
り、たとえばラテツクス状、デイスク状、粒子状、チユ
ーブ状などのいずれでもよい。抗体の不溶性担体への固
相化法も公知の方法が適用され、たとえば、物理的吸着
法、グルタルアルデヒド、コハク酸、2,2−ジピリジル
サルフアイド、P,P′−ジフルオロ−m,m′−ジニトロジ
フエニルスルホンなどの二官能基性の架橋剤を介して結
合させる架橋法、担体に直接化学結合させる共有結合法
などが採用される。
抗原抗体反応は水または緩衝液中で通常0〜10℃、24時
間以内で行われる。反応にあたつて、抗体およびトレー
サーは既定量用いられ、標準液および試料液中のPTHを
競合的反応が行われる。緩衝液としては、イムノアツセ
イに常用されるものが用いられ、たとえばトリス塩酸緩
衝液、りん酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液など
が使用できる。
抗原抗体反応後、液相法の場合はBF分離剤を用いてBF分
離が行われる。BF分離剤としては、DCC(デキストラン
被覆活性炭)、ポリエチレングリコール、硫酸アンモニ
ウム、抗PTH抗体に対する第二抗体などが用いられる。
第二抗体は、可溶性抗体として用いることもできるが、
前記したような不溶性担体に固相化したものとして用い
ることもできる。このような分離剤によりBFいずれかを
沈澱もしくは吸着させて、両者の分離を行う。固相法の
場合は、吸引、傾瀉、ろ過などにBF分離を実施すること
ができる。
標識量の測定は、各標識物質の種類に応じて公知の手段
を採用して行う。たとえば、放射性同位元素の放射能の
測定は、液体シンチレーシヨンカウンター、ガンマーカ
ウンターなどの放射性同位元素の放射能量を測定できる
機器を用いて実施できる。酵素の酵素活性の測定は、そ
の酵素の種類に応じた活性測定法により、基質を選択し
て酵素反応の進行に伴う物質の消費、生成の量もしくは
速度を電気化学的、分光光学的、蛍光的手法などにより
測定して行うことができる。
被検試料中のPTH含量は、試料に対する標識量の測定値
を標準溶液に対する標識の測定値と対照させて求められ
る。
本発明トレーサーを用いるPTHイムノアツセイ用試薬キ
ツトの、本発明トレーサー以外の試薬構成はそれぞれイ
ムノアツセイシステムに応じて選択、決定される。たと
えば液相法用キツトの基本的な試薬構成は次のとおりで
ある。
本発明トレーサー 抗PTH抗体試薬 PTH標準液 BF分離剤 また、固相法用キツトの基本的な試薬構成は次のとおり
である。
本発明トレーサー 固相化抗PTH抗体試薬 PTH標準液 たとえば酵素を標識とするイムノアツセイ用キツトには
さらにこれら基本試薬構成に基質溶液、反応停止剤など
が組み合わせられ、これら基本的試薬構成への改変、付
加は任意である。
〔発明の効果〕
本発明によるば、トレーサーとして標識化hPTH(43−6
8)を用いることにより、従来のすぐれたトレーサーと
されていた標識化hPTH(44−68)を用いる場合よりも、
抗PTH抗体への結合反応率が向上し、より短時間に抗原
抗体反応を行うことができ、アツセイ所要時間の大幅な
短縮が可能となつた。また、より低濃度領域の精度の高
いPTHの測定が可能である。
〔実施例〕
実施例 1 0.05Mりん酸緩衝液(pH7.4)20μlを小試験管にとり、
125I 1mCiを加えた後、Tyr42-hPTH(43−68)(Calbioc
hem社製)2.5μgを加え、さらにクロラミンT(1mg/ml
の0.05Mりん酸緩衝液(pH7.4)溶液)10μlを加えて攪
拌し、ピロ亜硫酸ナトリウム(1.2mg/mlの0.05Mりん酸
緩衝液(pH7.4)溶液)50μlを加えた。これに0.1Mト
リス塩酸緩衝液(0.1%BSA、10mMEDTA、pH8.2)を200μ
l加え、これをセフアデツクスG-25のカラム(径1cm×3
0cm)でゲルろ過した。0.1Mトリス塩酸緩衝液(0.1%BS
A、10mMEDTA、pH8.2)で溶出し、各画分の放射能を測定
し、第1の放射能ピークの画分を集め、〔125I〕‐Tyr4
2-pPTH(43-68)含有区分を得た。
実施例 2 次のような構成試薬からなるPTH測定用ラジオイムノア
ツセイキツトを作製した。
1. PTH標準液 hPTH(1-84) 0pg/ml 5ml 1バイアル 100pg/ml 1ml 1バイアル 200pg/ml 1ml 1バイアル 400pg/ml 1ml 1バイアル 800pg/ml 1ml 1バイアル 1600pg/ml 1ml 1バイアル 3200pg/ml 1ml 1バイアル 2. PTH抗血清液 抗PTHニワトリ血清 10.5ml 1バイアル 3. 〔125I〕PTH液 〔125I〕‐Tyr42-hPTH(43-68)1.1μCi/11ml 1バイ
アル 4. 第二抗体液 抗ニワトリIgG ヤギ血清 10.5ml 1バイアル 参考例 1 PTH標準液は、hPTH(1-84)を10%ヒト血清を含む0.1M
トリス塩酸緩衝液(10mMEDTA、pH8.2)で各濃度に希釈
して調製した。
参考例 2 PTH抗血清液は、抗原としてウシPTHをニワトリに免疫さ
せて、Hruskaらの方法(J.Clin.Invest.Vol.56、pp39-4
5、(1975)に従つて調製した。
参考例 3 〔125I〕‐Tyr42-hPTH(43-68)は、実施例1で得られ
たものを0.1Mトリス塩酸緩衝液(0.1%BSA、10mMEDTA、
pH8.2)を用いて希釈して調製した。
参考例 4 抗ニワトリIgGヤギ血清は、市販品のニワトリIgGをヤギ
に皮下注射して感作させて採血し、遠心分離して血清を
取得した。これにポリエチレングリコールを加えて第二
抗体液とした。
応用例 番号(1〜18)を記入した小試験管を準備し、No.1、2
はトータルカウント用、No.3、4は非特異的結合値(NS
B)用、No.5〜18は標準曲線用とした。
PTH標準液(0pg/ml)300μlをNo.3、4に分注し、各標
準液(0、100、200、400、800、1600、3200pg/ml)は
各濃度2本ずつになるように200μlずつをNo.5〜18に
分注した。
被検血清200μlを別に準備した検体用試験管(2本)
にそれぞれ分注した。
PTH抗血清100μlをNo.3、4を除くすべての試験管に加
え、ボルテツクスミキサーを用いて混和した。
室温で4時間放置した。
125I〕PTH液100μlをすべてのチユーブに加え、ボル
テツクミキサーを用いて混和した。
氷水中に18時間放置した。
第2抗体液1mlをNo.1、2を除くすべての試験管に分注
し、ボルテツクスミキサーを用いて混和した。
氷水中に1時間放置した。
No.1、2を除くすべて試験管を冷却遠心分離(3000rp
m、2〜8℃、20分間)した。
上清液をアスピレータを用いて吸引除去し、すべての試
験管の放射能をガンマーカウンターで測定した。
放射能測定結果から次式により結合率を計算した。
(B) 被検試料または各標準液の平均測定値 (BL) NSB 平均測定値 (Bo) 標準液0pg/mlの平均測定値 片対数グラフ用紙の横軸にPTH標準液の各濃度をとり、
縦軸に各標準液に対応するB/Bo(%)をプロツトして標
準曲線を作成した。
被検試料のB/Bo(%)を同様に計算し、標準曲線からPT
H濃度を読み取つた。
測定管理として、Bo/T(%)を計算し、トレーサーと抗
体の結合力価を求める。
比較例 Tyr43hPTH(44-68)(Bekem社製)を用いて実施例1お
よび参考例3と同様にして〔125I〕‐Tyr42-hPTH(43-6
8)を調製した。これを対照として、応用例に記載の操
作法で操作し、両者の結合率の相違をみた。その結果を
下表に示した。
両者をそれぞれ用いて作成した標準曲線は第1図のとお
りであつた。
これらの結果から、本発明トレーサーでは十分高い結合
率が得られ、一方、対照トレーサーでは応用例のアツセ
イ時間では反応が十分でなく、高い結合率が得られない
ことが明らかである。また、第1図に示す標準曲線から
も、本発明トレーサーを用いた方が標準曲線の傾きを大
きくすることができ、もってPTHを感度よく測定できる
ことが明らかである。
両トレーサーを用いて応用例記載の操作法により臨床検
体(患者血清)の測定を行つたところ、第2図に示した
とおりの良好な正の相関が得られた。このことにより、
臨床検体の測定に従来公知のトレーサーに代えて本発明
のトレーサーも使用できることが明らかとなった。
相関係数 γ=0.9687 N=17 回帰式 y=−0.0164+1.0838x
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明トレーサーと従来法トレーサーを用い
たRIA法によつて作成したPTHの標準曲線を示し、第2図
はそれらにより臨床検体を測定した結果の相関図を示
す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】標識物質で標識されたhPTH(43−68)から
    なるイムノアッセイ用試薬。
  2. 【請求項2】標識物質が放射性同位元素である、特許請
    求の範囲第1項記載のイムノアッセイ用試薬。
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