JPH0671990B2 - 糸条の解舒張力制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明はボビンを嵌装したスピンドルを制動制御して
糸条の解舒張力を適正化するための解舒張力制御装置
に、例えばフラットヤーン、テープヤーン、マルチフィ
ラメントヤーン等を解舒するときに適用される解舒張力
制御装置関する。

（従来の技術） 従来では例えば経糸整経時にそれぞれボビンに巻装され
た複数の糸条をボビンの回転に伴ってボビン軸と直交す
る方向へそれぞれ解舒するに際し、各ボビンがそれぞれ
嵌装された各スピンドルを個別に制動制御して各糸条の
解舒張力を調節していた。

（発明が解決しようとする問題点） 従って、各スピンドル毎に制動調節機構が装備されて機
構が複雑化したり、コストアップする問題点があった。

本発明の目的は上記問題点を解消しうる糸条の解舒張力
制御装置を提供することである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は平行状に配列された一群の各スピンドルの一部
に対しそれぞれほぼ均等に摺接してこの各スピンドルに
制動力を一斉に付加するために前記各スピンドルに対し
ジグザク状に掛架されて先端部が固定されたブレーキバ
ンドの基端部を、このブレーキバンドを緊張して一群の
スピンドルに付加される制動力を一括調節するために流
体圧で作動制御されるシリンダのピストン軸に繋着した
解舒張力制御装置を要旨とする。

（作 用） 本発明装置は先端部が固定されて基端部が流体圧シリン
ダのピストン軸に繋着されたブレーキバンドを複数個の
スピンドルに対しジグザク状に掛架し、ブレーキバンド
をシリンダで緊張して各スピンドルに対し一斉に制動力
を付加し、各スピンドルにそれぞれ嵌装された各ボビン
から糸条を解舒するときの各解舒張力を一括制御するよ
うに構成したものどある。

（実施例） 次に、本発明の一実施例を図面にしたがって説明する。

整経機等のクリール１の柱杆1aに対しそれぞれ片持状に
取着されて並行状に横出された一群（本例では６個）の
スピンドル２〜２は上下方向に対し等間隔で直列状に配
列され、クリール１には各群のスピンドル２が前後方向
に沿って列設されている。そして、各スピンドル２のス
ピンドル軸2bの先端部及び基端部にはそれぞれボビンホ
ルダ2c,2cが遊転可能に嵌装され、基端部側のボビンホ
ルダ2cの基部付近にはそれぞれつば付円柱状のブレーキ
ドラム2a〜2aが形成されるとともに、各スピンドル２に
はそれぞれ糸条３を嵌装したボビン４〜４がそれぞれ回
転可能に嵌装され、各糸条３はそれぞれ各ボビン４から
ボビン軸とほぼ直交する方向へボビン４の回転に伴って
解舒され、各スピンドル２前方のテンター５を通過して
前方へ引出される。

一群の各スピンドル２の各ブレーキドラム2aに対しそれ
ぞれほぼ均等に摺接して各スピンドル２に対し一斉に制
動力を付加するために各スピンドル群毎に設けたブレー
キバンド６はその先端部6aが柱杆1aの下端付近に突設さ
れた掛止ピン７に繋止されるとともに、下から奇数段目
の各スピンドル２の各ブレーキドラム2aの前端面付近
と、下から偶数段目の各スピンドル２の各ブレーキドラ
ム2aの後端面付近とに対し接触角度ａ〜ａがそれぞれ等
角度となるように交互に対接して一群のブレーキドラム
2aに対しジグザグ状に掛架され、さらに、ブレーキバン
ド６はその基端部6bが柱杆1aの上端に対しブラケット８
を介して横状に取着されてエア圧で作動するシリンダ９
のピストン軸9aに繋着されてピストン軸9aの牽引力で緊
張され、ブレーキバンド６との摩擦抵抗によって一群の
各スピンドル２にそれぞれ付加される制動力はブレーキ
バンド６の緊張力によって一括調節され、各スピンドル
２の回転トルクが一括して増減制御される。そして、シ
リンダ９内の前部に対しピストン軸9aを後退方向へ付勢
するために供給されるエア圧はブレーキバンド６の緊張
力が糸条３の巻径の減少に伴って低減して一群の各スピ
ンドル２に対する制動力が段階的に漸減し、糸条３の解
舒張力が糸条巻層の最外層から最内層にわたってそれぞ
れ適正化されるように予め設定された制御プログラムに
基づいて増減制御され、ピストン軸9aの牽引力、すなわ
ち、ブレーキバンド６の緊張力は供給エア圧の変化に伴
って増減制御され、この供給エア圧に基づいて一群の糸
条３の各解舒張力が一括調節される。

続いて、上記した構成をもつ実施例の作用と効果を説明
する。

さて、本例ではボビン４を嵌挿した一群のスピンドル２
の各ブレーキドラム2aに対しそれぞれ均等に摺接して各
スピンドル２に対し制動力を一斉に付加するために一群
のスピンドル２の各ブレーキドラム2aに対しジグザグ状
に掛架されて先端部6aが固定されたブレーキバンド６の
基端部6bを、同ブレーキバンド６を緊張して一群のスピ
ンドル２に付加される制動力を一括制御するためにエア
圧で作動制御されるシリンダ９のピストン軸9aに繋着し
てある。

このため、１つのブレーキバンド６によって一群のスピ
ンドル２を一括して均整に制動制御することができ、一
群の各糸条３の各解舒張力を巻径の各段階においてそれ
ぞれ一括制御して適正化及び均整化し、群内の各糸条３
を同条件に整合して解舒することができる。

したがって、各糸条の解舒張力を各スピンドル毎に個別
制御するための機構が不要となり、解舒張力の制御機構
を簡略化して設備コストを節減しうる効果がある。

また、ブレーキバンド６を複数のスピンドル２に対しそ
れぞれ均等に圧接させて各スピンドル２の回転トルクを
増減制御するため、一群の糸条間の解舒張力のバラツキ
の要因を削減して解舒張力の糸条間変動を抑制し、糸条
群の解舒張力の管理手数を簡易化することができる。

なお、上記実施例において、ブレーキバンド６を複数列
のスピンドル群に掛架したり、横方向に配列したスピン
ドル群に掛架してもよい。

また、群内のスピンドル数は２以上とし、群内の各スピ
ンドルは必ずしも一直線上に配列しなくてもよい。

（発明の効果） すなわち、本発明は平行状に配列された一群の各スピン
ドルの一部に対しそれぞれほぼ均等に摺接してこの各ス
ピンドルに制動力を一斉に付加するために前記各スピン
ドルに対しジグザク状に掛架されて先端部が固定された
ブレーキバンドの基端部を、このブレーキバンドを緊張
して一群のスピンドルに付加される制動力を一括調節す
るために流体圧で作動制御されるシリンダのピストン軸
に繋着したことによって、一群の各スピンドルを一斉に
制動制御して各スピンドルに付加される制動力を均整化
し、一群の糸条の各解舒張力を整合して一括制御しうる
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は解舒張
力制御装置の側面図、第２図は同じく正面図、第３図は
同じく平面図、第４図はクリールの平面図、第５図はブ
レーキバンドの制動作用の説明図、第６図は第３図のＸ
−Ｘ線拡大断面図である。 ２……スピンドル ６……ブレーキバンド ９……シリンダ 9a……ピストン軸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】平行状に配列された一群の各スピンドルの
   一部に対しそれぞれほぼ均等に摺接してこの各スピンド
   ルに制動力を一斉に付加するために前記各スピンドルに
   対しジグザク状に掛架されて先端部が固定されたブレー
   キバンドの基端部を、このブレーキバンドを緊張して一
   群のスピンドルに付加される制動力を一括調節するため
   に流体圧で作動制御されるシリンダのピストン軸に繋着
   したことを特徴とする糸条の解舒張力制御装置。