JPH0671158A - コロイド粒子凝固体の作成方法 - Google Patents

コロイド粒子凝固体の作成方法

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JPH0671158A
JPH0671158A JP4253997A JP25399792A JPH0671158A JP H0671158 A JPH0671158 A JP H0671158A JP 4253997 A JP4253997 A JP 4253997A JP 25399792 A JP25399792 A JP 25399792A JP H0671158 A JPH0671158 A JP H0671158A
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colloidal particle
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Naoki Furukawa
直樹 古川
Wataru Okada
渉 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 凝固剤を加えることにより凝固反応を起こす
水性粒子コロイドを、該コロイド粒子を包括可能な半透
膜チューブ内に包括した後に、該コロイド粒子を融着合
一する温度(軟化温度)より低い温度で凝固剤溶液中に
浸して、コロイド粒子が規則性を以て充填した任意の径
を有する柱状あるいは筒状のコロイド粒子凝固体を得る
ことを特徴とするコロイド粒子凝固体の作成方法。 【効果】 従来法に比べて低温、低圧下で、微粉の生成
量及び含水量が少なく、熱変性による品質劣化の小さい
ペレットが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性コロイド粒子を凝
集反応、凝固反応を利用して規則性のある配列充填凝固
体を製造する方法及び更に凝固体内部の水を取り除くこ
とにより最密充填されたコロイド粒子の凝固体を製造す
る方法に関する。ここでいう水性粒子コロイドとは、水
相を分散媒とし分散相が10〜3000Åの固形もしく
はゲルとして扱える粒子のもので、分散相が水相中に電
荷を帯びて分散浮遊している液であり、凝固剤を加える
ことにより、凝集・凝固せしめることのできる液をい
う。当然、乳化重合等で得られる高分子ラテックスも含
む。
【0002】
【従来の技術】従来、天然、人工を問わず水性粒子コロ
イドからコロイド粒子集合体のペレットを作成する方法
として、その基本粒子が極めて微小体であることから、
それら粒子の集合体を形成させた後、脱水、乾燥のプロ
セスを採用し、最終的には、押し出し成形機を用いて乾
燥パウダーを高温、高圧下で一度溶融させてから成形し
てペレットにするのが一般的である。この種の技術は高
分子ラテックスに限るものではないが、以下、軟化温度
が低いことにより本技術の適用が難しい水性コロイド粒
子の代表とも言える高分子(合成樹脂)ラテックスにつ
いて説明する。
【0003】高分子ラテックスからその分散相である樹
脂状重合体を回収し、樹脂状重合体をペレット化する場
合、一般にはラテックス中に無機塩類、酸類等の凝固剤
水溶液を投入し、または逆に凝固剤水溶液中にラテック
スを投入し、液相中で凝固させ熱処理等の操作によりス
ラリー状にした後、脱水、乾燥を経て粉粒体状で回収
し、さらに成形機を用いて、高温、高圧下で粉粒体を溶
融状態とし、冷却槽中で円柱型のペレットを作成してい
る。さらに、最近では脱水後の樹脂ケーキを押出成形機
によって、高温、高圧下で乾燥およびペレット化を一挙
に行う方法も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の方法においても、高分子ラテックスの固形分濃度が高
い場合には、凝固処理の段階でラテックス粘度が上昇
し、反応中に完全に固化する危険性があるため、ラテッ
クス濃度を薄めた状態で凝固処理を施す必要があり、熱
処理後の脱水樹脂の含水率が50%(重量%、以下同
じ。)程度と比較的高く、乾燥工程あるいは成形工程で
のエネルギー負荷がかかる。また、得られる凝固体の形
状は不定形であり、かつ相当量の微粉体が含まれるた
め、濾過工程での目詰まりが生じたり、乾燥工程での飛
散に伴う収率の低下や、粉塵発生に伴う作業環境の悪
化、あるいは粉塵による爆発の危険性増大等の好ましか
らぬ結果を生じていた。さらに、このような凝固体をペ
レット化するためには、ポリマーの溶融するような高
温、高圧下での成形条件が要求されるために、多大な熱
エネルギーが必要となり処理費が嵩む等コスト面での制
約が大きい等、ペレット製造上多くの問題を抱えてい
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記欠点を一
挙に解決することを目的として開発されたコロイド粒子
凝固体の作成方法である。
【0006】即ち、本発明の第1は、凝固剤を加えるこ
とにより凝固反応を起こす水性粒子コロイドを、該コロ
イド粒子を包括可能な半透膜チューブ内に包括した後
に、該コロイド粒子を融着合一する温度(以下、軟化温
度と記す。)より低い温度で凝固剤溶液中に浸して、コ
ロイド粒子が規則性を以て充填した任意の径を有する柱
状あるいは筒状のコロイド粒子凝固体を得ることを特徴
とするコロイド粒子凝固体の作成方法を、
【0007】本発明の第2は、第1の発明で得られたコ
ロイド粒子凝固体をさらにコロイド粒子の軟化温度より
も低い温度において水相で加熱処理した後に乾燥させる
ことにより凝固体を構成するコロイド粒子が融着しない
状態で密充填したコロイド粒子凝固体を得、または、該
凝固体を水相での加熱処理を介さずに、コロイド粒子の
軟化温度よりも低い温度で直接乾燥させることを特徴と
する、凝固体を構成するコロイド粒子が融着しない状態
で密充填したコロイド粒子凝固体の作成方法を、
【0008】本発明の第3は、第2の発明で得られたコ
ロイド粒子凝固体をさらにコロイド粒子の軟化温度以上
で加熱溶融することを特徴とする、コロイド粒子が粒子
内部に空隙のない状態で緻密かつ均質に充密した内部構
造をもつ高密度のコロイド粒子凝固体の作成方法を、そ
れぞれ内容とするものである。
【0009】本発明は、凝固剤の添加により凝固反応を
起こし、コロイド粒子が固体の凝固体として回収し得る
全ての水性粒子コロイドに適用できる。ここで、固体と
は固体として挙動する物、取り扱うことのできる物の意
味であり、弾性体であるゴム状物質や高粘度のゲル状可
塑物質も当然適用範囲に含まれる。常温で流動性を示す
凝固体であっても冷却によって固体となるものは、冷却
下で操作することにより本発明を適用できる。
【0010】水性粒子コロイドの一例として高分子ラテ
ックスを取り上げ、これに基づいて本発明を説明する。
本発明の対象となり得るラテックスは固体状で作成し得
る粒子からなるものであればなんでもよく、高分子ラテ
ックスについて言えば、例えば次の様なものであり、実
質上乳化重合又は懸濁重合で得られた樹脂状で回収し得
るほとんど全ての高分子ラテックスを対象とし得る。即
ち、次のモノマー群から選ばれた1種又は2種以上のモ
ノマーを主とする単量体組成物を重合又は共重合又はグ
ラフト重合させた重合体ラテックスの単独又は混合ラテ
ックスが対象となり得る。但し、重合し得ないものを除
くのは当然である。
【0011】スチレン、モノクロロスチレン、ジクロロ
スチレン、αーメチルスチレン等のビニル芳香族;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルシアン化
物;メチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアク
リルエステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート等のメタクリルエステル;塩化ビニル、臭化ビニ
ル等のハロゲン化ビニル;塩化ビニリデン、臭化ビニリ
デン等のハロゲン化ビニリデン;アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、酢酸ビニル、エチレ
ン、プロピレン、ブチレン、ブタジエン、イソプレン、
クロロプレン;アリルメタクリレート、ジアリルメタク
リレート、トリアリルシアヌレート、モノエチレングリ
コールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジ
メタクリレート、ジビニルベンゼン、グリシジルメタク
リレート等の架橋モノマー。
【0012】さらに、本発明は以下に示す如き高分子ラ
テックスであって、固形分濃度が5〜65%、さらに好
ましくは20〜50%の場合に特に好適に適用される。
ラテックスの固形分濃度が5%未満の場合には、得られ
る凝固体の保持強度が極めて低いために、凝固後のバン
ドリングが困難となる。一方、固形分濃度が65%を超
える場合には、ラテックスの粘度が増大し、ラテックス
を半透膜チューブ内に包括する際に、気泡を巻き込みや
すく、内部が均一な凝固体を得ることが難しくなる。本
発明で好適に使用され得る高分子ラテックスを以下に例
示する。
【0013】(1)アクリロニトリルモノマー20〜8
0部(重量部、以下同じ。)と、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、臭化ビニル、臭化ビニリデンの1種又は2種以
上の混合物20〜80部と易染性モノマー0〜10部と
からなる単量体を重合して得られる高分子ラテックス。 (2)スチレン0〜50%(以下他種%と記さない限
り、重量%とする。)、ブタジエン50〜100%より
なるブタジエン系重合体ラテックス。 (2')(2)のブタジエン系重合体ラテックス20〜8
0部の存在下にアクリルエステル0〜50%、メタクリ
ルエステル0〜100%、ビニル芳香族0〜90%、ビ
ニルシアン化物0〜90%及び他の共重合可能な単量体
0〜20%よりなる単量体20〜80部を重合して得ら
れる高分子ラテックス。
【0014】(3)スチレン0〜50%、ブタジエン5
0〜100%、アクリルエステル0〜30%よりなるゴ
ム状重合体ラテックス0〜20部の存在下に、メチルメ
タクリレート0〜100%、メチルメタクリレートを除
く他のメタクリルエステル又はアクリルエステル0〜6
0%、ビニル芳香族0〜90%よりなる単量体80〜1
00部を重合して得られる高分子ラテックス。 (4)スチレン0〜50%、ブタジエン50〜100%
よりなるブタジエン系重合体10〜90部の存在下に、
ビニル芳香族、メタクリルエステル、アクリルエステ
ル、ビニルシアン化物の中から選ばれた1種又は2種以
上の単量体を10〜90部重合させたグラフト共重合物
(A)0〜50部と、αーメチルスチレン0〜70モル
%を含み、ビニル芳香族、メタクリルエステル、アクリ
ルエステル、アクリル酸、ビニルシアン化物の中から選
ばれた1種又は2種以上の単量体を30〜100モル%
含む単量体を重合させた重合物(B)50〜100部と
の混合ラテックス。
【0015】(5)アクリルエステル40〜100%
と、ビニル芳香族、ビニルシアン化物、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、酢酸ビニル、又は共役ジオレフィンの中
から選ばれた1種又は2種以上の単量体を0〜60%
と、架橋剤0〜10%とを重合して得られるゴム重合体
5〜85部の存在下に、メタクリルエステル、ビニルシ
アン化物、アクリルエステル、ビニル芳香族及びこれら
と共重合可能な単量体より選ばれた単量体の1種又は2
種以上を15〜95部重合して得られる高分子ラテック
ス。 (6)塩化ビニリデン40〜100部と、ビニル芳香
族、ビニルシアン化物、アクリルエステル、メタクリル
エステル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸、架橋モノマーの中から選ばれる1種又は2種
以上の単量体0〜60部を重合して得られる高分子ラテ
ックス。 (7)塩化ビニル40〜100部、ビニルシアン化物0
〜20部と、塩化ビニリデン、臭化ビニル、臭化ビニリ
デン、アクリルエステル、メタクリルエステル、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、架橋モ
ノマーの中から選ばれる1種又は2種以上の単量体の0
〜60部を重合して得られる高分子ラテックス。
【0016】本発明に用いられる凝固剤は、例えば、塩
化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、臭化ナト
リウム、臭化カリウム、臭化リチウム、沃化カリウム、
硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩
化アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、塩化
カルシウム、硫酸第一鉄、硫酸マグネシウム、硫酸亜
鉛、硫酸銅、塩化バリウム、塩化第一鉄、塩化マグネシ
ウム、塩化第二鉄、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄、硫
酸アルミニウム、カリウムミョウバン、鉄ミョウバン等
の無機塩類;塩酸、硫酸、燐酸、硝酸等の無機酸類;苛
性ソーダ、苛性カリ、水酸化カルシウム等の無機アルカ
リ類;酢酸、蟻酸等の有機酸類;酢酸ナトリウム、酢酸
カルシウム等の有機酸の塩類であって、単独又は混合物
の液体、水溶液もしくは水溶性有機溶媒の溶液、あるい
は塩酸ガスなど気体状の無機酸がある。
【0017】本発明に用いられる半透膜チューブとして
は、凝固剤は通過させるがコロイド粒子は通過させない
孔径を有する物であればよく、代表的なものとしては透
析膜、セロハン膜等が挙げられるが、これら以外にもテ
フロン膜、焼結金属膜なども当然使用され得る。チュー
ブ内径および長さに制限はないが、内径については好ま
しくは0.1〜500mm、さらに好ましくは0.5〜5
0mmのチューブが使用される。
【0018】上記高分子ラテックスを半透膜チューブ内
に包括した後に、ラテックス粒子を軟化温度より低い温
度で凝固剤溶液中に浸し、該凝固剤が半透膜を介して該
高分子ラテックスに溶解拡散させることにより、ラテッ
クス粒子を凝固させて外側から内側へ凝固層を成長さ
せ、ラテックス粒子が規則性を持って充填した任意の径
を有する柱状あるいは筒状凝固体を得る。得られた凝固
体を更に樹脂の軟化温度よりも低い温度の下で、水相で
加熱した後に乾燥するか、もしくは該凝固体を水相で加
熱することなく直接乾燥することにより、凝固体を構成
するコロイド粒子が最密充填した柱状あるいは筒状ラテ
ックス粒子凝固体を作成でき、高分子コロイド粒子凝固
体ペレットを製造できる。さらに、該凝固体を更に軟化
温度以上の温度で焼結することにより、非常に嵩比重が
高くかつ任意の径を有する柱状あるいは筒状ペレットを
製造できる。
【0019】ここで、使用した半透膜と凝固体を分離す
る工程は、凝固体の破壊が生じない程度に強度が発現し
ている状態であれば、凝固、熱処理、乾燥、焼結のどの
工程の後であってもよい。また、凝固工程で得られた凝
固体を直接、樹脂の軟化温度以上の温度の下で水相加熱
処理を行うか、乾燥・焼結処理を行うことによっても同
様のペレットが得られることは明らかである。
【0020】このようにして得られる凝固体は、ラテッ
クスを構成する基本粒子が結晶格子状に規則的に配列し
た柱状あるいは筒状ペレットである。凝固処理に有する
時間は、凝固剤濃度、凝固温度、半透膜チューブ径、高
分子ラテックス濃度、乳化剤量の関数として容易に決定
することができる。例えば、凝固剤濃度は高いほど凝固
に要する時間が短縮される。凝固時の浸漬温度はラテッ
クス粒子の軟化温度より低い温度を採用する。浸漬温度
がラテックス粒子が軟化温度よりも高くなると、凝固初
期に形成される凝固層の空隙率が極端に減少し、凝固剤
のラテックス内部への拡散が阻害され、所望の柱状ある
いは筒状凝固体の作成が困難になる。
【0021】チューブの形状やラテックスのシール方法
は、凝固剤が膜を介してラテックス中に溶解拡散し得る
ものであればよく、円柱状の他にも様々な形状の凝固体
を作成し得ることは容易に考えられる。例えば、円柱状
ペレットを作成する場合には、上記の円筒状半透膜を用
いて、その両端を閉じることによってチューブ内にラテ
ックスを包括し凝固する方法の他に、円筒管の両端を半
透膜で閉じることにより、ラテックスを円筒管内に包括
し凝固する方法も適用可能である。また円柱状、円筒状
以外の形状のものも容易に得ることができる。
【0022】凝固工程に用いる装置は、比較的層流状態
の得られる凝固剤溶液中に半透膜チューブに包括された
高分子ラテックスが浸漬可能なものであれば回分式、連
続式のいずれも適用可能であり、装置容積は凝固処理に
有する時間から設計される。
【0023】このようにして作成された凝固体は、樹脂
の軟化温度よりも低い温度における水相での加熱処理や
乾燥処理を行い柱状あるいは筒状ペレットを作成する場
合の他に、該ペレットをさらに樹脂の軟化温度以上の温
度で焼結処理を行うことにより、さらに緻密な内部構造
を持つ柱状あるいは筒状ペレットとなる。また、凝固反
応途中で、種類の異なる高分子ラテックスを未反応ラテ
ックスと交換することにより、任意の凝固層厚みを有す
る多層柱状あるいは筒状高分子複合体を作成することも
可能である。
【0024】
【作用】 従来の高分子ラテックスの凝固工程では、ラテックス
と凝固剤とを攪拌操作等により混合し凝固体を形成させ
るため、得られる凝固体の形状は不定形で、しかも粒径
分布が広く、微粉生成量も多くなる。この微粉生成は脱
水時の濾布の目詰まり、乾燥工程における粉塵爆発等の
危険性の増大、収率低下などの主な原因となっている。
本発明法では凝固操作はラテックスをチューブ内に包括
して行うため、チューブに対して外力の加わらない状態
であれば微粉をほとんど生じさせない状態で凝固操作を
行うことが可能であり、先に示したような微粉の生成に
伴う工程上のトラブルは生じにくい。 本発明法により得られた凝固体はコロイド粒子が規則
性を持って充填しているため、水相で加熱処理操作を行
うと凝固体内部のコロイド粒子が密充填した状態に変化
し、凝固体内部の含水を従来法の粒子に比べて低減でき
る。このことは、乾燥工程におけるエネルギー負荷低減
の面で有効である。 従来法では、乾燥粉体や脱水樹脂を押出成形機などを
用い、高温・高圧下で溶融状態としペレット化するので
エネルギーの消費量が大である。本発明法では任意のペ
レット径を有する柱状あるいは筒状凝集体を従来の方法
に比べて比較的低温・低圧下における操作で作成できる
ので、ペレット化に必要なエネルギー量を減少できる。 本発明法で得られるペレットは、押出成形機を用いて
作成する従来のペレットに比べて、前述のように低温・
低圧下で作成されるため、樹脂の熱変性に伴う品質劣化
の影響を抑制することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。 実施例1 スチレンとメチルメタクリレートの混合物をスチレンと
ブタジエンの共重合体上にグラフト共重合させた高分子
ラテツクスであって、スチレン35%、メチルメタクリ
レート30%、ブタジエン35%よりなり、固形分濃度
30%の高分子ラテックス(樹脂のVicat軟化温度
は75℃であった。)を内径15.9mm、長さ約20c
m、分画分子量12,000〜14,000の透析膜チ
ューブ内に入れ、チューブの両端を閉じることによって
高分子ラテックスをチューブ内に包括した。得られた試
料を、5%塩酸水溶液で満たされた3Lの反応容器内に
浸漬させ、ゆるやかな攪拌条件のもとで、40℃で1時
間凝固処理を行った。凝固処理された試料は、70℃に
保たれた3Lの熱処理槽で30分間熱処理を行った後
に、チューブと凝固体とをカッターで割断、分離し、凝
固体をさらに100℃で2時間乾燥することにより内径
約11.5mmの円柱状ペレットを得た。
【0026】実施例2 ブタジエン重合体上にスチレン、アクリロニトリル及び
メチルメタクリレートの混合物をグラフト共重合させた
高分子ラテックスであつて、ブタジエン60%、メチル
メタクリレート10%、アクリロニトリル10%および
スチレン20%よりなる高分子ラテックス(A)35%
と、αーメチルスチレン20%、アクリロニトリル25
%およびスチレン55%よりなる共重合体高分子ラテッ
クス(B)67%を混合した高分子ラテックスであっ
て、そのラテックス中の固形分濃度が33%の高分子ラ
テックス(樹脂のVicat軟化温度は95℃であっ
た。)を、チューブ内径6.4mm、長さ10cm、分画分
子量6,000のセロハン膜チューブ内に入れ、チュー
ブの両端を閉じることによってチューブ内に高分子ラテ
ックスを包括した。得られた試料を、3%塩化カルシウ
ム水溶液で満たされた1Lの反応容器内に浸漬させ、ゆ
るやかな攪拌条件のもとで、50℃で30分間凝固処理
を行った。その後、85℃に保たれた1Lの熱処理槽で
20分間熱処理を行った後に、チューブと凝固体とをカ
ッターで割断、分離し、凝固体を箱型乾燥機を用いて9
00℃で3時間乾燥した後に、乾燥温度を140℃まで
上げ、10分間焼結処理を行い内径約5mmの円柱状ペレ
ットを得た。
【0027】実施例3 実施例1で使用した高分子ラテックスをチューブ内径1
5.9mm、長さ15cm、分画分子量15,000の透析
膜チューブ内に入れ、チューブの両端を閉じることによ
って高分子ラテックスをチューブ内に包括した。得られ
た試料を1%塩酸水溶液で満たされた3Lの反応容器内
に浸漬させ、ゆるやかな攪拌条件のもとで、50℃で1
5分間凝固処理を行った。凝固処理された試料は、カッ
ターで割断し、凝固体内部に残存している未反応ラテッ
クスと凝固体とを分離した後に、透析膜と凝固体をさら
に分離し、得られた凝固体を70℃で4時間乾燥するこ
とにより、内径約11.5mm、凝固層厚み約3.3mmの
円筒状ペレットを得た。
【0028 】
【発明の効果】叙上の通り、本発明によれば、従来法に
比べて低温、低圧下で、微粉の生成が殆どなく、含水が
少なく、熱変性による品質劣化の小さいコロイド粒子凝
固体ペレットが提供される。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凝固剤を加えることにより凝固反応を起
    こす水性粒子コロイドを、該コロイド粒子を包括可能な
    半透膜チューブ内に包括した後に、該コロイド粒子を融
    着合一する温度(以下、軟化温度と記す。)より低い温
    度で凝固剤溶液中に浸して、コロイド粒子が規則性を以
    て充填した任意の径を有する柱状あるいは筒状のコロイ
    ド粒子凝固体を得ることを特徴とするコロイド粒子凝固
    体の作成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1で得られたコロイド粒子凝固体
    をさらにコロイド粒子の軟化温度よりも低い温度におい
    て水相で加熱処理した後に乾燥させることにより凝固体
    を構成するコロイド粒子が融着しない状態で密充填した
    コロイド粒子凝固体を得、または、該凝固体を水相での
    加熱処理を介さずに、コロイド粒子の軟化温度よりも低
    い温度で直接乾燥させることを特徴とする、凝固体を構
    成するコロイド粒子が融着しない状態で密充填したコロ
    イド粒子凝固体の作成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2で得られたコロイド粒子凝固体
    をさらにコロイド粒子の軟化温度以上で加熱溶融するこ
    とを特徴とする、コロイド粒子が粒子内部に空隙のない
    状態で緻密かつ均質に充密した内部構造をもつ高密度の
    コロイド粒子凝固体の作成方法。
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