JPH0671106A - 混合流体分離装置 - Google Patents

混合流体分離装置

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JPH0671106A
JPH0671106A JP15748293A JP15748293A JPH0671106A JP H0671106 A JPH0671106 A JP H0671106A JP 15748293 A JP15748293 A JP 15748293A JP 15748293 A JP15748293 A JP 15748293A JP H0671106 A JPH0671106 A JP H0671106A
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Juichi Yoshikawa
寿一 吉川
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 混合流体の流入口と水位差のある排出口を備
え、流体をさえぎり水槽内で溢流させる複数個の仕切部
と、分離された比重の軽い流体を分取口を通して貯留す
る複数個の貯留部と、排出口側が高く流入口側を低く傾
斜させた複数の傾斜部材で構成される傾斜流路部と、比
重の軽い流体を補足する補足部とを有し、傾斜流路部の
上流、下流いずれにも貯留部を有し、流入口側に設けら
れた貯留部において分離された比重の重い流体を排出口
側に導く誘導管を設け、誘導管に導びかれた比重の重い
流体から軽い流体を分離させる残存分離部282および
流路制限部を設け、水槽の混合流体面を仕切る各室のう
ち少なくとも流入口に連結された室の角面を曲面構造R
とする。 【効果】 動力源、フィルター、吸着剤等一切不要で非
常に経済的であると共に設置スペースも最小限に押えら
れ、確実に効率良く油分を分離回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は混合流体分離装置に係わ
り、特に各種工場における廃油を含んだ排水、切削油と
防錆油の混合油等、比重の異なる流体混合物の分離に適
した混合流体分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、機械工場、ガソリンスタンド、金
属表面処理工場、食品加工工場等における廃油を含んだ
排水、切削油と防錆油の混合油等から、各成分を分離、
回収、除去するため、下記のような装置があった。 機械的混合流体分離装置、電気的混合流体分離装
置、または溶剤、凝集剤、吸着剤やフィルターを使用し
た混合流体分離装置。
【0003】しかしながら、の分離装置は、装置その
ものが高価であり運転経費もかかるうえ、目詰り、故障
の発生、排水中の油分濃度(以下原水負荷という)の巾
が狭い等の難点があった。その解決策として、 比重の異なる混合流体を分離するため、混合流体の
比重差および水位差を利用し、運転経費もかからず、経
済的な油水分離方法(特開昭52−111060号公
報)および油水比重差分離装置(特開昭53−976
70号公報)が提案されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】混合流体の比重差およ
び水位差を利用する、の油水分離方法(特開昭52−
111060号公報)は、図6(a)、(b)に示すよ
うに、原水は、流入口11から導入され、大きな油滴は
浮上して穴13から、装置内上方に設けられた油溜室A
に、油を含む水分は仕切板に動きを制限されながら、油
と水の分離を促すための複数枚の斜板10(以下ギャラ
リーという)間を流下する。このとき分離された油滴は
浮上して穴14から油溜室Aに、水分は仕切板に動きを
制限されながら、排水口12より排出される。穴13お
よび穴14から油溜室Aに誘導された水分を含む油は、
同図(a)の穴15を通過して油溜室Bに溜められ、次
第に濃縮され次いで穴16を通過して油溜室Cに溜めら
れる。油溜室A、B内の水分は、管17により排水口1
2に誘導され排出される。なお、図中、油分は先が黒い
矢印で、水分は通常の矢印で示した(図5も同様)。
【0005】この油水分離方法は、動力を使用せず、油
と水の比重差および水位差により、油水分離、油分回収
を行い、故障の発生はなく、原水負荷の変動にも対応
し、運転経費は安価になったが、ギャラリーが原水の流
れにそのまま対応しているため、原水の流れはスムーズ
となり、結果的には油水分離が不完全で、かつ、装置が
大き過ぎるという難点があった。
【0006】また、の波状に屈曲した分離板を設けた
油水比重差分離装置(特開昭53−97670号公報)
は、図5(a)、(b)に示すように、原水は、流入口
11から導入され、大きな油滴は浮上、移動して穴18
から油溜室Dを経由して、穴19より、装置内側方に設
けられた油溜室Eに導かれる。油を含む水分は、油と水
の分離を促すためギャラリーを構成する多数枚の屈曲し
た分離板10’間を流下する。このとき分離された油滴
は浮上、移動して同様に穴18から油溜室Dを経由し
て、穴19より、装置内側方に設けられた油溜室Eに導
かれる。残りの水分は、仕切板に動きを制限されなが
ら、排水口12より排出される。穴19から油溜室Eに
誘導された油は、同図(a)の穴20を通過して油溜室
Fに溜められる。油溜室E内で下方に溜まった水分は、
管21を経由して排水口12に誘導され排出される。
【0007】この油水比重差分離装置は、ギャラリー内
の構造を複雑にして、装置を小型にすると共に、油水分
離を促進させようとしてはいるが、ギャラリー内の屈曲
した分離板10’が複雑、過多のため、ギャラリーは一
部分のみ機能するという欠点が生じていた。更に、油回
収部についてみると、では、浮上した大きな油滴は穴
13から油溜室Aに、ギャラリーで分離された油滴は浮
上して穴14から油溜室Aに回収され、油溜室Aで浮上
する油分が、穴15を通過して油溜室Bに溜められ、次
第に濃縮され次いで穴16を通過して最終的に油溜室C
に溜められるが、ギャラリーを通過した水分中の油は、
吸着剤を使用して沈殿させても、一部は排水口12から
排出されてしまった。
【0008】では、浮上した大きな油滴は穴18から
油溜室Dに入り穴19から油溜室Eに回収され、ギャラ
リーで分離された油滴も浮上して穴18から油溜室Dに
入り穴19から油溜室Eに回収され、油溜室Eで浮上す
る油分が、穴20を通過して最終的に油溜室Fに溜めら
れるが、ギャラリーを通過した水分中の油は、排水口1
2から排出されてしまった。
【0009】、いずれにおいても、ギャラリーを通
過した水分中の油またはその一部は、未回収のまま排水
口12から排出されてしまうという難点もあった。
【0010】
【目的】本発明は、上記種々の難点を解決し、効率よく
経済的に油水分離等が行なわれる混合流体分離装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による混合流体分離装置は、混合流体の比
重差および水位差により混合流体を各構成流体に分離さ
せる水槽であって、混合流体の流入口と、分離された比
重の軽い流体を貯留する複数個の貯留部と、分離された
比重の重い流体を流入口との水位差により排出する排出
口とを備え、排出口に向う混合流体をさえぎり水槽内で
溢流させる複数個の仕切部と、分離された比重の軽い流
体を貯留部に導く複数個の分取口と、混合流体から比重
の軽い流体を分離浮上させるため排出口側が高く流入口
側を低く傾斜させた複数個の傾斜部材で構成する傾斜流
路部と、分離浮上した比重の軽い流体を補足する流入口
の最上流体面より上まで突き出た補足部とを設けたもの
である。
【0012】複数個の貯留部の1は、傾斜流路部に対し
て流入口側に設け、複数個の貯留部の他の1は傾斜流路
部に対して排出口側にそれぞれ設けたものである。特
に、傾斜流路部に対して流入口側に設けられた貯留部に
おいて分離された比重の重い流体を排出口側に導く誘導
管を設け、この誘導管によって排出口側に導びかれた比
重の重い流体の動きを制限する流路制限部を備え、排出
口側に導びかれた比重の重い流体中に残存する比重の軽
い流体を分離させる残存分離部を設けたものである。
【0013】更に、複数個の仕切部により水槽の混合流
体の面を仕切る各室および貯留部ののうち少なくとも流
入口に連結された室の角面を曲面構造とするものであ
る。
【0014】
【作用】混合流体の流入口と水位差のある排出口を備
え、分離された比重の軽い流体を貯留する複数個の貯留
部と、排出口に向う混合流体をさえぎり水槽内で溢流さ
せる複数個の仕切部と、分離された比重の軽い流体を貯
留部に導く複数個の分取口と、混合流体から比重の軽い
流体を分離浮上させるため排出口側が高く流入口側を低
く傾斜させた複数の傾斜部材で構成した傾斜流路部と、
分離浮上した比重の軽い流体を補足するため流入口の最
上流体面より上まで突き出た補足部とを設けており、傾
斜流路部に対して上流、下流いずれにも貯留部を有し、
傾斜流路部に対して流入口側に設けられた貯留部におい
て分離された比重の重い流体を排出口側に導く誘導管を
設け、この誘導管によって排出口側に導びかれた比重の
重い流体の動きを制限する流路制限部を有し排出口側に
導びかれた比重の重い流体中に残存する比重の軽い流体
を分離する残存分離部とを設け、水槽の混合流体面を仕
切る各室のうち少なくとも流入口に連結された室の角面
を曲面構造としたので、装置を設置配管後は動力源、フ
ィルター、吸着剤等一切使用せず、効率良く油分を分離
回収できると共に、非常に経済的で、設置スペースも最
小限に押えられる。
【0015】
【実施例】本発明による混合流体分離装置を図面を参照
して詳述する。 実施例−1 図1(a)、(b)に示すように、混合流体を通過させ
比重差および水位差により各構成流体に分離させる水槽
1は、混合流体の流入口11と、流入口11に対向する
位置に流入口11よりやや下に位置する排出口12を備
え、流入口11と排出口12との間に、排出口12に向
う混合流体をさえぎり水槽1内で溢流させる複数個の仕
切部としての仕切板2、3、4を、排出口12に向って
順次有する。これら仕切板2、3、4の底部は、水槽1
の底に連結され、上部は水槽1の上部から乖離され、排
出口12に向う流体をさえぎりながら溢流させる高さに
設定されている。
【0016】本発明による混合流体分離装置は、分離さ
れた比重の軽い流体を貯留するため複数個の貯留部を有
するが、傾斜流路部9に対して上流の貯留部として油溜
室Gが、傾斜流路部9に対して下流の貯留部として油溜
室Hが、管Iおよび油溜室Jを介して連結され、油溜室
Gは上部が最終油溜室Kと連結されている。比重の軽い
流体である油を、油溜室Gに導く分取口として穴5、油
溜室Hに導く穴6および穴7、油溜室Gから油溜室Kに
油を導く穴8が、何れも水槽1の上部に連結された仕切
の原水表面近辺に穿設されている。これら穴5、6、
7、8は高さの調整が可能な調整板を備えている(図示
せず)。
【0017】混合流体から比重の軽い流体を分離浮上さ
せる傾斜流路部9は、排出口12側を高く流入口11側
を低く傾斜させた平行な18枚の2cm間隔の傾斜部材
90で構成され、最も流入口11側の下部は仕切板9
2として水槽1の底に連結され、排出口12側に向って
上向きに傾斜した上端部は仕切材94として排出口12
に向う流体をさえぎりながら溢流させる高さに設定され
ている。最も排出口12側の上部は仕切板91として、
水槽上面まで連結されている。傾斜部材90の上部は最
も排出口12側の仕切板91を除き原水中にあり、下部
は最も流入口11側の仕切板92を除き、いずれも水槽
1の底から乖離されている。
【0018】この傾斜部材90の傾斜角度θは、ストー
クスの原理により最適値が求められている。油滴の浮上
速度Vtは、
【0019】
【数1】
【0020】で与えられる。 Pw:水の密度 Po:油の密度 Do:油滴の直径 g :重力の加速度 u :水の絶対粘度 ここで、 Vh:水の径方向の流速 とすると、傾斜部材90の傾斜角度θは、
【0021】
【数2】
【0022】により求められる。この傾斜角θを満たす
傾斜部材90で構成される傾斜流路部9内では、原水に
含まれる油滴は殆ど分離され、他の油滴と結合しながら
浮上する。流出口12側に近い箇所で最後に原水から分
離浮上した油滴を補足するため、調整板33の上部に補
足部34が流入口11の流体上面より上部まで突き出て
おり、調整板33の下部は水槽1の底から乖離してい
る。なお、補足部34は水槽上部に接続されても好適で
ある。
【0023】水槽1内では、流体を溢流させるため上部
が水槽1の上部から乖離した仕切板2、3、4には必ず
流体を伏流させるため下部が水槽1の底から乖離した状
態で設けられた調整板31、32、33、91が隣接し
て設けられている。水槽1から上下が交互に乖離してい
るこれら仕切板、調整板により、水槽1の流体表面は多
数の室に仕切られ、かつ、流体は、水槽内を流入口11
から排出口12に向う間に、水槽1の上部から乖離して
いる仕切板により溢流され、水槽1の底から乖離した調
整板下により伏流されて、水槽内を多数回上下流動させ
られる油水分離が促進される。
【0024】また、図2に示すように、水槽内には、油
溜室Gと油溜室Kを仕切る仕切材41、油溜室Gを構成
する仕切材42、44が水槽上部に連結され下部は水槽
1の底から乖離して設けられ、それらに平行で水槽1の
上部から乖離している調整板43、45が設けられてい
る。油溜室Kと油溜室Gの下部は連通部G0をなし、室
22から室23へ流体が流動する。
【0025】傾斜流路部9に対して流入11口側に設け
られた油溜室Gの下部に移動した水を排出口12側に送
出する誘導管28が、水槽壁と仕切板4で形成された室
27まで連通して設けられている。 [動作]次に、本発明による混合流体分離装置の動作を
説明する。
【0026】なお、図中、油分は先が黒い矢印で、水分
は通常の矢印で示す。水槽1内を精水で満たした後、水
と油の混合した原水が流入口11から供給される。原水
内の比較的大きな油滴は、室21で分離しつつ、仕切板
2を溢流して室22で穴5から油溜室Gに流入する。こ
のとき水もまた一部油溜室Gに流入する。
【0027】比較的小さな油滴を含む水は、連通部G0
を伏流して室23に入り、油滴の一部は分離浮上し他の
油滴と結合し大きな油滴となって穴6から油溜室Hに流
入する。小さな油滴を含む水は、仕切材94の上部を溢
流して傾斜部材90の上部より傾斜流路部9を流下す
る。このとき、傾斜部材90の傾斜角θがストークスの
原理によって設定されているので、残る比較的小さな油
滴も徐々に傾斜流路部9内で、水から分離され浮上す
る。浮上した油滴は他の油滴と結合し大きな油滴となっ
て穴6から油溜室Hに流入する。
【0028】傾斜流路部9を流下した水は室24内を上
昇し、残りの浮上した油滴が穴7から油溜室Hに流入
し、水は仕切板3を溢流して、室25に入る。室25内
で最後に分離浮上下した少量の油滴は補足部34に付着
し、油分が殆ど分離された水は、仕切部材33の下を伏
流して室26に入り上昇した後、仕切板4を溢流して最
後の室27に連結されている排出口12から排出され
る。
【0029】穴6及び穴7から油溜室Hに流入した油滴
は管Iを通って室23の流入口側上部の油溜室Jに移動
後、油溜室Gに入り、穴5から流入した油滴と共に、こ
の油溜室G内で浮上した油分のみが、上部の穴8から最
終油溜室Kに集められ、後に回収口K1から回収され
る。油溜室Gにおいて下部に溜まる水は、図2に示す仕
切材42、44および調整板43、45によって伏流、
溢流を繰返した後、水槽下部の誘導管28から室27に
送られ、排出口12から排出される。油溜室Gの下部に
溜まる水が誘導管28を通して排出口12側最後の室2
7に送られるので、水槽1内の他の箇所に水位変化をも
たらすことはなく、液体表面のミリ単位調整により油水
分離を行う本発明による混合流体分離装置に好適であ
る。
【0030】傾斜流路部9は、排出口12側を高く流入
口11側を低く傾斜させた平行な18枚の2cm間隔の
傾斜部材90で構成されているので、原水は、流入口1
1から排出口12へ向うのとは実質的に逆の流れとな
り、また、仕切板2、3、4及び調整板31、32、3
3等多数の流れをコントロールする部材により、装置内
において油水分離のために好適な時間がかけられてい
る。
【0031】本発明による混合流体分離装置で3800
ppmの原水を処理した結果、1ppm未満まで処理さ
れた。上記説明では、混合流体の構成流体を、水と油と
したが、これに限定されず、切削油と防錆油の混合油等
他の比重の異なる混合流体にも好適である。また、傾斜
流路部9を構成する傾斜部材90の数及び間隔は18
枚、2cmに限定されないのは言うまでもない。
【0032】実施例−2 基本的には実施例−1と同一であるが、図3(a)、
(b)に示すように、混合流体を通過させ比重差および
水位差により各構成流体に分離させる水槽1’は、傾斜
流路部9に対して流入口11側に設けられた貯留部Gに
おいて分離された比重の重い流体を排出口12から排出
する前に貯留し、僅かに残存する比重の軽い流体を分離
させる残存分離部282を備えている。貯留部Gにおい
て分離された比重の重い流体は、誘導管281により排
出口12側に送られ、誘導管281は残存分離部282
側で立上がり、送られてきた比重の重い流体は、立上が
った誘導管281(図4(b))から残存分離部282
に流下する。
【0033】この残存分離部282には、図4(a)、
(b)に示すように、分離された比重の軽い流体の通る
穴285を有する油溜槽284が連設され、流体の動き
を制限する流路制限部としての仕切材288および調整
板287が設けられている。残存分離部282の下部
は、比重の重い流体が室25の下部から室26に伏流す
る連通部289をなしている。
【0034】また、図3(a)に示すように、水槽1の
混合流体面を仕切る各室のうち少なくとも流入口11に
連結された室21の角面を曲面構造とするように曲面部
材Rを取付ける。この曲面部材Rは混合流体の表面近辺
に設けられれば好適である。図では流入口11に連結さ
れた室21のみで曲面部材Rを示したが、それ以外の各
室の角面を曲面構造とすればより好適である。
【0035】更に、図3(b)に示すように、混合流体
から比重の軽い流体の分離浮上を促進させる傾斜流路部
9は、排出口12側を高く流入口11側を低く傾斜させ
た平行な多数の傾斜部材からなり、混合流体が下から上
に斜めに上昇する第1傾斜流路部9aおよび、混合流体
が上から下に斜めに下降する第2傾斜流路部9bから構
成されている。第1傾斜流路部9aの排出口12側上部
は仕切材93により流体の排出口12側への流れが制限
され、表面付近でのみ流して第2傾斜流路部9bに送
られる。第2傾斜流路部9bの流入口11側は仕切板9
2が水槽1の底まで連結しているため、第2傾斜流路部
9bを流下した流体は仕切板3の上部を流する方向に
流動する。
【0036】傾斜角度は、上述のストークスの原理によ
り求められた最適角度θで傾斜しており、第1傾斜流路
部9aと第2傾斜流路部9bは、上下にずらして設置で
きるので、傾斜部材を増やしても水槽の大きさの増加は
僅かである。 [動作]基本的には実施例−1と同一であるが、以下の
動作が加わる。
【0037】流入口11側に設けられた貯留部Gにお
いて分離された比重の重い流体は、誘導管281を通っ
て残存分離部282に上部から流入する。残存分離部2
82内に到達するまでに、残りの比重の軽い流体は大半
が大比較的きな油滴となっていて、穴285から油溜槽
284に貯留され回収口286から回収される。更に、
ごく僅かに残った比重の軽い流体は、流体の動きを制限
する調整板287を伏流し、仕切材288を溢流してい
く途中で分離され、比重の重い流体(水)だけが管28
3を通り排出口12側最後の室27に送られ排出口12
から排出される。
【0038】流入口11に連結された室21の角面は
曲面構造となっているため、流入口11から流入した混
合流体中の比重の軽い流体は、室21の角面に付着する
ことなく、混合流体として室22にスムーズに流動す
る。この混合流体のスムーズな流れは、角面を曲面構造
とした他の室においても同様である。 スペースをあまり変えずに傾斜流路部9の傾斜部材を
増設したので、第1傾斜流路部9a内を上昇させ、つい
で第2傾斜流路部9b内を下降させ効率的に油水分離が
進む。
【0039】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明による混合流体分離装置は、混合流体の流入口と水
位差のある排出口を備え、排出口に向う混合流体をさえ
ぎり水槽内で溢流させる複数個の仕切部と、分離された
一方の比重の軽い流体を貯留する複数個の貯留部と、比
重の軽い流体を貯留部に導く複数個の分取口と、混合流
体から比重の軽い流体を分離浮上させるため排出口側が
高く流入口側を低く傾斜させた複数の傾斜部材で構成さ
れる傾斜流路部と、分離浮上した比重の軽い流体を補足
する補足部とを有し、傾斜流路部に対して上流、下流い
ずれにも貯留部を有し、傾斜流路部に対して流入口側に
設けられた貯留部において分離された比重の重い流体を
排出口側に導く誘導管を設け、この誘導管によって排出
口側に導びかれた比重の重い流体の動きを制限する流路
制限部を備え、排出口側に導びかれた比重の重い流体中
に残存する比重の軽い流体を分離させる残存分離部を設
け、水槽の混合流体面を仕切る各室のうち少なくとも流
入口に連結された室の角面を曲面構造としたので、装置
を設置配管後は動力源、フィルター、吸着剤等一切不要
で非常に経済的であると共に設置スペースも最小限に押
えられ、効率良く油分を分離回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による混合流体分離装置を説明する図
で、(a)は上面からみた図、(b)はそのP−P断面
図である。
【図2】図1(a)のQ−Q断面図である。
【図3】他の実施例を説明する図で、(a)は上面から
みた図、(b)はそのT−T断面図である。
【図4】(a)は図3(a)の部分上面図、(b)は図
3(a)のS−S断面図である。
【図5】従来の混合流体分離装置を説明する図で、
(a)は上面からみた図、(b)はそのX−X断面図で
ある。
【図6】従来の混合流体分離装置を説明する図で、
(a)は上面からみた図、(b)はそのY−Y断面図で
ある。
【符号の説明】
1、1’…水槽 2、3、4…仕切部材(仕切板) 5、6、7、8、285…穴 9…傾斜流路部 9a…第1の傾斜流路部 9b…第2の傾斜流路部 90…傾斜部材 G、H、J、K、284…貯留部(油溜槽) I…管 28、281…誘導管 11…流入口 12…排出口 34…補足部 31、32、33、42、44、92、287…調整板 31、32、33、41、42、43、44、45、91、93、
94、288…仕切材 21、22、23、24、25、26、27…室 282…残存分離部 R…曲面部材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】混合流体の比重差および水位差により前記
    混合流体を各構成流体に分離させる水槽であって、 前記混合流体の流入口と、前記分離された比重の軽い流
    体を貯留する複数個の貯留部と、前記分離された比重の
    重い流体を前記流入口との水位差により排出する排出口
    とを備え、 前記排出口に向う前記混合流体をさえぎり前記水槽内で
    溢流させる複数個の仕切部と、前記分離された比重の軽
    い流体を前記貯留部に導く複数個の分取口と、前記混合
    流体から前記比重の軽い流体を分離浮上させるため前記
    排出口側が高く前記流入口側を低く傾斜させた複数個の
    傾斜部材で構成する傾斜流路部と、分離浮上した前記比
    重の軽い流体を補足する前記流入口の最上流体面より上
    まで突き出た補足部とを設けたことを特徴とする混合流
    体分離装置。
  2. 【請求項2】前記複数個の貯留部の1は、前記傾斜流路
    部に対して前記流入口側に設け、前記複数個の貯留部の
    他の1は前記傾斜流路部に対して前記排出口側にそれぞ
    れ設けたことを特徴とする請求項1記載の混合流体分離
    装置。
  3. 【請求項3】前記傾斜流路部に対して前記流入口側に設
    けられた貯留部において分離された比重の重い流体を前
    記排出口側に導く誘導管を設けたことを特徴とする請求
    項2記載の混合流体分離装置。
  4. 【請求項4】前記誘導管によって前記排出口側に導びか
    れた比重の重い流体の動きを制限する流路制限部を備
    え、前記排出口側に導びかれた比重の重い流体中に残存
    する比重の軽い流体を分離させる残存分離部を設けたこ
    とを特徴とする請求項3記載の混合流体分離装置。
  5. 【請求項5】前記複数個の前記仕切部により前記水槽の
    前記混合流体の面を仕切る各室および前記貯留部のうち
    少なくとも前記流入口に連結された室の角面を曲面構造
    とすることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項
    記載の混合流体分離装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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