JPH0670679A - 乳酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

乳酸カルシウムの製造方法

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JPH0670679A
JPH0670679A JP25415692A JP25415692A JPH0670679A JP H0670679 A JPH0670679 A JP H0670679A JP 25415692 A JP25415692 A JP 25415692A JP 25415692 A JP25415692 A JP 25415692A JP H0670679 A JPH0670679 A JP H0670679A
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JP
Japan
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lactic acid
calcium lactate
fermentation
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JP25415692A
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Inventor
Takehiko Yamamoto
武彦 山本
Kyohei Mizogami
恭平 溝上
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Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、生澱粉を乳酸菌で発酵させること
により乳酸カルシウムを低コストでかつ高収率に製造す
る方法を提供することにある。 【構成】 生澱粉の発酵による乳酸カルシウムの製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、米、麦、トウモロコ
シ、キャッサバ及び甘藷などの澱粉を、加熱蒸煮及び酵
素処理による糖化等の前処理なしに生澱粉のまま直接原
料として仕込み、これを炭酸カルシウムの存在下で乳酸
菌であるストレプトコッカス ボービスにより発酵させ
ることを特徴とする乳酸カルシウムの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】乳酸カルシウムは、栄養剤や医療剤、食
品添加物として頻繁に使われており、医薬上、食品工業
上及び、化学工業上重要な物質である。また、化学的に
乳酸カルシウムを処理して得られる乳酸は、食品の殺菌
剤、アルコールとのエステル合成による特殊な有機溶
媒、或いは重合により特殊なプラスチックとして利用さ
れるなど、広汎な用途を有する。
【0003】乳酸発酵工業は、種々の発酵工業の中でも
主要な地位を占め、通常ブドウ糖や乳糖、その他果糖、
庶糖を原料とし、これをラクトバチルス デルブルシキ
−等L(+)型乳酸を生成する細菌を用いて、炭酸カル
シウムの存在下で乳酸発酵させ、カルシウム塩として分
離するのがこれまでの常法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術による乳酸
醗酵の方法では原料となるブドウ糖、乳糖などは、必ず
しも安価ではない。また、発酵原料のブドウ糖を得るた
めに生澱粉を蒸煮により前処理を行う必要がある。この
蒸煮にはかなりのエネルギ−コストがかかり、全製造コ
ストの30〜40%を占めており問題となっている。そ
のため種々の低コストの前処理方法が検討されている。
【0005】低コストの前処理方法の一つとして酵素に
よる処理方法が報告されている。Agric.Biol.Chem.,55
(2),479-485,1991 では、糖化酵素と乳酸菌ラクトバチ
ルスカゼイの固定化菌体とを組み合わせた生澱粉からの
乳酸の生産方法が報告されているが、酵素の精製及び菌
体の固定化などの操作が煩雑であること、さらには、生
澱粉からの乳酸生産量が低いなどの問題点を有する。従
って、操作が簡単で、低コストかつ高収率で得られる乳
酸カルシウムの製造方法の確立が課題となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、反雛動物、特に牛の
第1胃内には常在する微生物として乳酸菌が存在するこ
と、その中の1つの乳酸菌ストレプトコッカス ボ−ビ
スは各種生澱粉を直接加水分解してマルトース、ブドウ
糖を生成するアミラ−ゼを有すること、しかもその分解
度合は糊化澱粉より生澱粉において高いこと、それらの
生成糖を速やかにホモ型に発酵して乳酸(L(+)型)
に変換すること、さらに変換と同時に炭酸カルシウムが
存在すると即乳酸カルシウムとなることを発見し、本発
明を完成するに至った。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる原料の生澱粉は、ストレプトコッカス ボ−
ビスが消化可能な米、麦、トウモロコシ、キャッサバ、
甘藷由来のものである。これらの生澱粉は殻もしくは皮
等を取り除き破砕もしくは粉砕したもの或いは、澱粉工
業や醸造工業において副生する精米20%以上の白糠が適
する。
【0008】本発明に用いられる乳酸菌ストレプトコッ
カス ボ−ビスは、牛胃内に存在する数種の乳酸菌の中
で最も普通に認められる菌である。同菌の増殖速度は極
めて速やかで、条件が整えば10分間で一回の分裂を行
う。また、本菌は他の乳酸菌と同様に、増殖に種々のビ
タミンを要求するが、通常の培養に際しては少量の酵母
エキスの添加で足りる。しかも我々人類が食用に供する
程度に処理した米、麦、トウモロコシ等の剃皮穀類種実
を原料とするときは、微量の酵母エキスの添加、穀類の
種類によってはその添加の必要なしに増殖できる。ただ
し他種乳酸菌と同様に、効率よく多量の乳酸を生成せし
めるためには重曹、或いは炭酸カルシウムを加えて発酵
液をpH5.0以上に保つ必要がある。
【0009】重曹或いは炭酸カルシウムの添加は、発酵
を行う乳酸菌が自己の生産した遊離乳酸がある量以上蓄
積すると死滅し、低濃度の乳酸発酵に終わってしまうた
めであり、たえず中和して乳酸菌の増殖と発酵を最大限
に維持する必要があるためである。
【0010】また、本発明の発酵に使用する水は、水道
水もしくは井戸水(飲用可能な水)でもよい。水道水を
しようする場合、無機成分、とくに少量の燐酸カリと微
量の硫酸マグネシウムを補給する必要があり、さらに最
近の水道水は、塩素並びに同化合物が多くこれの使用に
当たっては、予め加熱沸騰してそれを除去する必要があ
る。一方、飲用可能な井戸水の場合は、使用菌の増殖に
充分に足る無機成分を含有するためそのまま使用可能で
あるが、通常シュ−ドモナス属、アエロバクタ−属細菌
が存在することが知られているため水道水と同様に加熱
沸騰処理が好ましい。以下、本発明について実施例をあ
げて説明する。
【0011】
【実施例】 実施例1 全容1.5Lの円筒型ガラス容器に500mlの0.0
2規定硫酸を入れ、これによく粉砕した白糠0.2gと
コーンスターチを100g加えて懸濁し、滅菌のため3
5℃で3時間放置した。
【0012】他方、500mlの井戸水を沸騰させ、こ
れに70gの軽質炭酸カルシウムを投じてよく攪拌した
後、直ちに蓋をして加熱器より下ろし、室温で放置し
た。炭酸カルシウム乳液の温度が45℃になったとき、
この乳液を徐々に上述コーンスターチ懸濁液に加え、ガ
ス(二酸化炭素)の発生が大略中止するに至って上述混
液のpHは略4.6となった。
【0013】pH4.6になった時点で、予め酵母エキ
ス0.25%または、牛乳ホエイ(固形分として0.2
5%)またはそれらの両者(但し半量ずつ)、白糠0.
5%、炭酸カルシウム0.25%を含む1.5%寒天培
地10ml(棒状)を入れた試験管内で、40℃、18
時間で培養したストレプトコッカス ボ−ビスを種菌
(試験管1本分)として接種し、同容器に蓋をして40
℃で42時間発酵を行った。その間、約6時間毎に数分
間発酵液を緩やかに攪拌した。
【0014】得られた発酵液に消石灰乳液を加えて、p
Hを10.6〜10.8にしてから80℃に加熱、それ
から3000rpm で20分間遠心分離した。その上清
に、乳酸を加えてpHを6.5に中和し、少量の活性炭
を加えて濾別し脱色した。脱色した濾液を常法により噴
霧乾燥した。この方法によって生成された乳酸カルシウ
ムの量は、約112gであり、供試コ−ンスタ−チから
乳酸への変換率は72%であった。
【0015】また、同時に比較試験を実施した。よく粉
砕した白糠0.2gとコーンスターチ100g、さらに
70gの軽質炭酸カルシウムを懸濁し、滅菌のために加
熱処理をした。冷却後、これに上記と同様に培養したス
トレプトコッカス ボ−ビスを接種し42時間発酵を行
った。
【0016】その結果、殺菌時の加熱により糊状となっ
たためか、或いは、このためによる二酸化炭素の飽和が
困難のためか、コーンスターチからの乳酸への変換率は
40%前後にすぎなかった。
【0017】実施例2 実施例1で述べたと同形の容器に、0.3%乳酸400
mlと酒造米精白時に得られる白糠100gを入れ、3
5℃で3時間放置した。他方、600ml井戸水を沸騰
させ、これに70gの軽質炭酸カルシウムを加え、よく
攪拌した後、加熱器より下ろし、室温に放置した。
【0018】この炭酸カルシウム乳液の温度が45℃前
後になったとき、緩やかに攪拌しながら徐々に白糠懸濁
液へ加えた。二酸化炭素による発泡が穏やかになり、p
Hが4.6前後になった時点で実施例1と同様の条件で
試験管で培養したストレプトコッカス ボ−ビスを接種
し、40℃で42時間発酵を行った。
【0019】得られた発酵液に消石灰乳液を加えて、p
Hを10.6〜10.8にしてから80℃に加熱、それ
から3000rpm で20分間遠心分離した。その上清
に、乳酸を加えてpHを6.5に中和し、少量の活性炭
を加えて濾別し脱色した。脱色した濾液を常法により噴
霧乾燥した。この方法によって生成された乳酸カルシウ
ムの量は、約121gであり、供試白糠から乳酸への変
換率は76%であった。
【0020】実施例3 全容300mlの三角フラスコに190mlの0.02
規定硫酸及びよく粉砕した白糠36g(全糖量によるグ
ルコ−ス相当量:21g)を入れてよく懸濁し、滅菌の
ため常温で5時間放置した。
【0021】他方、110mlの水道水を沸騰させ、こ
れに15gの炭酸カルシウムを投じてよく攪拌した後、
直ちに蓋をして加熱器より下ろし、室温で放置した。炭
酸カルシウム乳液の温度が45℃になったとき、この乳
液を徐々に上述白糠懸濁液に加え、ガス(二酸化炭素)
の発生が大略中止するに至って上述混液のpHは略6.
3となった。
【0022】予めグルコ−ス2%、ペプトン0.5%、
酵母エキス0.5%を含む液体培地をいれた三角フラス
コ容器内で37℃、24時間、培養したストレプトコッ
カスボ−ビスを種菌としてそのうちの25mlを接種
し、そして澱粉消化の助剤として0.05%リゾプスグ
ルコアミラ−ゼを添加(全糖量によるグルコ−ス相当量
に対して)した後、同容器に蓋をして40℃で42時間
発酵を行った。その間、6時間毎に数分間発酵液を緩や
かに攪拌した。
【0023】得られた発酵液は、8000rpm で30分
間の遠心分離を2回行い、その上清を約1/3まで減圧
濃縮を行った。さらに、濃縮液に1%活性炭を加えて7
0℃で20分間脱色処理をした後、濾別した。脱色液
は、必要に応じてさらに濃縮を行った後、7℃の冷蔵庫
にて結晶化させた。結晶化した乳酸カルシウムをろ過し
乾燥を行い乳酸カルシウムの粉末24gを得た。供試白
糠から乳酸への変換率は66.7%であった。
【0024】このようにして得た乳酸カルシウムの乳酸
の旋光性を調べた。生成した乳酸カルシウムの一定量を
水に溶解し、化学反応式から等量と計算されたしゅう酸
を加えて80℃に加温した後、それを冷却した。そし
て、その上清について旋光性を検したところ右旋性であ
り、その度合は、L(+)乳酸の旋光度([α]20546
=+2.6゜)と一致した。
【0025】
【発明の効果】本発明の製造方法は、乳酸カルシウムが
低コストでかつ高収率に得られ、さらには分離精製など
の製造方法が極めて簡単であることから工業的規模での
大量製造に貢献すること大である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生澱粉を原料とした発酵による乳酸カル
    シウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 生澱粉が、米、麦、トウモロコシ、キャ
    ッサバ、甘藷由来である請求項1記載の乳酸カルシウム
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 発酵がストレプトコッカス ボービスを
    用いることを特徴とする請求項1記載の乳酸カルシウム
    の製造方法。
JP25415692A 1992-08-28 1992-08-28 乳酸カルシウムの製造方法 Pending JPH0670679A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1001033A3 (fr) * 1998-10-30 2000-06-07 Institut de Recherche pour le Développement ( IRD) Procédé de production de farines lactiques et produits obtenus
US8859245B2 (en) 2006-03-29 2014-10-14 Bio-Energy Corporation Method for separation of lactic acid component from lactic acid fermentation liquor, and separation apparatus

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EP1001033A3 (fr) * 1998-10-30 2000-06-07 Institut de Recherche pour le Développement ( IRD) Procédé de production de farines lactiques et produits obtenus
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