JPH0670561A - 超音波モータの駆動制御装置 - Google Patents

超音波モータの駆動制御装置

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JPH0670561A
JPH0670561A JP4219447A JP21944792A JPH0670561A JP H0670561 A JPH0670561 A JP H0670561A JP 4219447 A JP4219447 A JP 4219447A JP 21944792 A JP21944792 A JP 21944792A JP H0670561 A JPH0670561 A JP H0670561A
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Japan
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frequency band
resonance frequency
drive
ultrasonic motor
phase difference
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JP4219447A
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Inventor
Ryoichi Suganuma
亮一 菅沼
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Nikon Corp
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 駆動条件に応じて超音波モータの共振周波数
帯域を任意の共振周波数帯域へ切り換え、その共振周波
数帯域の駆動周波数で超音波モータを安定に駆動する。 【構成】 共振周波数帯域切換手段504により超音波
モータ500の共振周波数帯域を切り換え、周波数設定
手段501で切り換えられた共振周波数帯域内の周波数
を駆動周波数として設定するとともに、位相差検出手段
505によって圧電体上に設けられた2個の検出電極の
出力電圧の位相差を検出し、共振次数検出手段506に
より検出位相差に基づいて駆動周波数がどの次数の共振
周波数帯域に含まれるかを検出し、周波数帯域制御手段
507によって検出次数に基づいて超音波モータ500
の駆動周波数が切り換えられた共振周波数帯域内の周波
数となるように制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波モータの駆動制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超音波モータは低速で大出力が得られる
など、アクチュエータとして最適な特性を有しており、
いろいろな産業分野で期待されている。ここで、図12
に示す回転型超音波モータを例に上げてその構造と動作
の概要を説明する。図において、11は移動子であり、
12は移動子11に固定された摺動材である。これら移
動子11および摺動材12が超音波モータのロータを構
成する。また、13は圧電体14が接着された弾性体で
あり、これら弾性体13および圧電体14が超音波モー
タのステータを構成する。ステータは支持部材15,1
6により固定され、ロータは不図示の加圧機構によって
ステータに加圧され、接触している。
【0003】図13は圧電体14に形成された電極の配
置例を示す。これらの電極を用いて圧電体14の分極を
行なうとともに、駆動電力を供給したり、超音波モータ
の状態を検出する。図中の黒丸印は電極の分極方向を示
しており、黒丸印は+、無印は−の方向の分極を示す。
電極群14A,14Bは周方向に波長λの1/2の長さ
を持つ電極が集合した入力電極群であり、相互にλ/4
の空間的位相差を有している。電極14Mはλ/4の長
さを有する電極であり、通常は弾性体13に発生する進
行性振動波の振動状況を検出するための検出電極として
用いられる。電極14Cは一般に共通電極と呼ばれる電
極であり、アース電極として用いられることがある。こ
の圧電体14は上述したように弾性体13に接着されて
おり、電極群14A,14Bにそれぞれπ/2の位相差
を有した交流駆動信号を印加することによって弾性体1
3に進行性振動波を発生させ、加圧接触したロータを回
転させる。
【0004】このような超音波モータを安定に駆動する
ためには、電極群14A,14Bに印加する交流駆動信
号の周波数(以下、駆動周波数と呼ぶ)をそれぞれの超
音波モータに最適な周波数に設定する必要がある。この
最適な駆動周波数は超音波モータ固有の共振周波数より
もわずかに高い周波数であり、この周波数で超音波モー
タを駆動すると弾性体13の共振による進行性振動波の
振幅が大となり、駆動効率が良好となる。この共振周波
数近傍の最適な周波数から駆動周波数がずれると、進行
性振動波の振幅が小さくなって超音波モータを駆動でき
なくなったり、駆動時に異常音が発生したり、あるいは
駆動方向が逆転したりして超音波モータを正常に駆動す
ることができなくなる。
【0005】しかし、超音波モータの共振周波数は温
度、負荷などによって常に変化するため、この共振周波
数の変化に応じて最適な駆動周波数を設定する必要があ
る。このような駆動周波数を最適化するための超音波モ
ータの駆動制御装置が数多く提案されているが、それら
の代表的なものを上げると、 (1)圧電体上に設けた振動検出電極の出力電圧を検出
し、その出力電圧が最適な駆動周波数に対応した値とな
るように駆動周波数を制御する駆動制御装置。 (2)上記振動検出電極の出力電圧波形と圧電体に印加
する駆動電圧波形との位相差を検出し、所定の位相差と
なるように駆動周波数を制御する駆動制御装置。 (3)入力電極群の圧電体に印加する駆動電圧波形と圧
電体に流入する駆動電流波形との位相差を検出し、所定
の位相差となるように駆動周波数を制御する駆動制御装
置。 などがある。なお、上記以外にも種々提案されているが
説明を省略する。
【0006】現在、上記(2)の駆動制御装置が最も有
力視されているので、図14により、本出願人が提案し
たものを一例として説明する(例えば、特開昭62−2
51490号公報参照)。この駆動制御装置は、駆動周
波数fを出力する発振器21、波形整形器22、入力電
極26a,26bに印加する駆動電圧をπ/2だけ移相
する移相器23、電力増幅器24,25、2個の電圧波
形の位相差φを算出する位相差算出回路29、この位相
差φと基準位相差φoptとを比較して両者のずれ量△
φを出力する比較器30、基準位相差φoptを出力す
るリファレンサー31、および位相差のずれ量△φを駆
動周波数fの増減量△fに変換するφf換算器32から
構成される。なお、27,28は整合用インダクタであ
る。
【0007】位相差算出回路29によって、入力電極1
4Aに印加される駆動電圧波形と検出電極14Mの出力
電圧波形との位相差φが算出される。比較器30では、
この位相差φとリファレンサー31で設定された基準位
相差φoptとが比較され、両者のずれ量△φが出力さ
れる。なお、この基準位相差φoptは、超音波モータ
が共振周波数よりもわずかに高い駆動周波数で安定に駆
動されているときの位相差である。次に、φf変換器3
2によって位相差のずれ量△φは駆動周波数fの増減量
△fに変換され、発振器21へ出力される。発振器21
は、増減量△fだけ駆動周波数fを増減する。これによ
って、超音波モータの駆動周波数fは常に共振周波数よ
りもわずかに高い最適な周波数に制御され、超音波モー
タは安定に駆動される。
【0008】図15は、駆動周波数fに対する超音波モ
ータの駆動速度Nと、上述した駆動電圧と検出電圧との
位相差φとの関係を示す。図における2つの駆動曲線N
A,NBと2つの位相曲線φA,φBは、ある時刻にお
いて駆動曲線NAおよび位相曲線φAの状態で駆動され
ていた超音波モータが、温度や負荷などの変動により駆
動条件が変化し、駆動曲線NBおよび位相曲線φBの状
態に変化したことを示す。いずれの駆動状態において
も、超音波モータの最適な駆動周波数における位相差φ
は同じ値を示し、この値を上述した基準位相差φopt
とすれば常に超音波モータを安定に駆動制御することが
できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、超音波モー
タの共振周波数は共振次数ごとに存在し、通常、それら
の中で最良の駆動特性を示す次数の共振周波数帯域を超
音波モータの駆動周波数帯域として設定し、その帯域内
の周波数で超音波モータを駆動制御する。なお以下で
は、通常、駆動周波数帯域として用いられる共振周波数
帯域を最適共振周波数帯域と呼ぶ。
【0010】ところが、例えば超音波モータを超低速度
で駆動する場合、最適共振周波数帯域の周波数で駆動す
るよりも、最適共振周波数帯域以外の共振周波数帯域の
周波数で駆動した方が速度偏差が小さく、優れた出力特
性を示す。
【0011】しかしながら、従来の超音波モータの駆動
制御装置では、駆動条件に応じて共振周波数帯域を切り
換えて超音波モータを駆動した場合、駆動周波数が温度
や負荷などの変動によって所望の共振周波数帯域外へ逸
脱すると、ふたたび元の共振周波数帯域に戻らなくな
り、駆動状態が不安定になったり、異常音が発生するな
どの不具合が発生するという問題がある。
【0012】ここで、駆動周波数帯域として通常用いら
れる共振周波数帯域について説明する。例えば図13に
示す圧電体14を例に上げると、入力電極群14A,1
4Bの中の一つの電極の周長がλ/2であるから、入力
電極群14Aおよび14Bの周長はそれぞれ5λとな
り、さらに、共通電極14Cが3×(λ/4)、検出電
極14Mがλ/4であるから電極全体の周長は11λと
なる。この圧電体14の分極による波数と、超音波モー
タを駆動したときにステータ上に発生する進行性振動波
の波数とが一致する状態、すなわち図13の例では11
波の進行性振動波が発生する11次の共振周波数帯域が
通常、超音波モータの駆動周波数帯域として用いられる
共振周波数帯域である。
【0013】この11次の共振周波数帯域の低周波側お
よび高周波側には、図16,17に示すように、10
次、9次、・・の順に低次の共振周波数帯域と、12
次、13次、・・の順に高次の共振周波数帯域がある。
図16は、駆動周波数Fに対する駆動速度Nおよび検出
電極の出力電圧VMの関係を示す。上述した(1)の駆
動制御装置では、通常、検出電極の出力電圧VMが11
次の最適共振周波数帯域の駆動周波数F11に対応した
値VM1となるように駆動周波数Fを設定する。また、
超音波モータを超低速度で駆動する場合、検出電極の出
力電圧VMが、11次の最適共振周波数帯域で駆動する
よりもすぐれた出力特性が得られる、例えば12次の共
振周波数帯域の周波数F120に対応した値VM2とな
るように駆動周波数Fを設定する。しかし、11次以外
の共振周波数帯域にも検出電極の出力電圧VMがVM1
となる周波数F9,F10,F12,F13,・・があ
り、また、12次以外の共振周波数帯域にも出力電圧V
MがVM2となる周波数F90,F100,F110,
F130がある。いったん駆動周波数Fが予め設定した
11次または12次の共振周波数帯域から逸脱してこれ
らの周波数のいずれかに設定されると、もとの共振周波
数帯域へ戻らなくなる。
【0014】また図17は、駆動周波数Fに対する駆動
速度Nおよび入力電極の駆動電圧波形と検出電極の出力
電圧波形との位相差φの関係を示す。上述した(2)の
駆動制御装置では、通常、位相差φが11次の最適共振
周波数帯域の駆動周波数F11’に対応した値φ1とな
るように駆動周波数Fを設定する。また、超音波モータ
を超低速度で駆動する場合、位相差φが、11次の最適
共振周波数帯域で駆動するよりもすぐれた出力特性が得
られる、例えば12次の共振周波数帯域の周波数F12
0’に対応した値φ2となるように駆動周波数Fを設定
する。しかし、11次以外の共振周波数帯域にも位相差
φがφ1となる周波数F10’,F12’,F13’,
・・があり、また、12次以外の共振周波数帯域にも位
相差φがφ2となる周波数F130’,・・がある。い
ったん駆動周波数Fが予め設定した11次または12次
の共振周波数帯域から逸脱してこれらの周波数のいずれ
かに設定されると、もとの共振周波数帯域へ戻らなくな
る。
【0015】さらに、図示を省略するが、上述した
(3)の駆動制御装置により、駆動電圧波形と駆動電流
波形との位相差に基づいて駆動周波数を制御する場合に
も同様の問題が発生する。
【0016】なお、以上の説明では図13に示す圧電体
14を有する超音波モータを例に上げて説明したが、こ
れ以外の超音波モータに対しても同様な問題がある。
【0017】本発明の目的は、駆動条件に応じて超音波
モータの共振周波数帯域を任意の共振周波数帯域へ切り
換え、その共振周波数帯域の駆動周波数で超音波モータ
を安定に駆動することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】クレーム対応図である図
1に対応づけて本発明を説明すると、請求項1の発明
は、圧電体の励振により弾性体に進行性振動波を発生す
る固定子と、この固定子に加圧接触され進行性振動波に
より駆動される移動子とから成る超音波モータ500
と、この超音波モータ500の駆動周波数を設定する周
波数設定手段501と、設定された駆動周波数の、所定
の位相差を有する2つの交流信号を生成する発振移相手
段502と、2つの交流信号を増幅して圧電体上の2個
の入力電極にそれぞれ印加する電力増幅手段503とを
備えた超音波モータの駆動制御装置に適用される。そし
て、超音波モータ500の共振周波数帯域を切り換える
周波数帯域切換手段504と、圧電体上に2個の検出電
極を設け、それらの検出電極から出力される出力電圧の
位相差を検出する位相差検出手段505と、検出された
位相差に基づいて超音波モータ500の駆動周波数がど
の次数の共振周波数帯域に含まれるかを検出する共振次
数検出手段506と、検出された共振周波数帯域の次数
に基づいて、駆動周波数が周波数帯域切換手段504に
より切り換えられた共振周波数帯域内の周波数となるよ
うに制御する周波数帯域制御手段507とを備え、周波
数設定手段501は、周波数帯域切換手段504により
切り換えられた共振周波数帯域内の周波数を駆動周波数
として設定することにより、上記目的を達成する。請求
項2の発明は、発振移相手段502Aにより周波数帯域
切換手段504で切り換えられた共振周波数帯域に応じ
て2つの交流信号の位相差を設定するようにしたもので
ある。請求項3の発明は、電力増幅手段503Aにより
周波数帯域切換手段504で切り換えられた共振周波数
帯域に応じて2つの交流信号の電圧レベルを設定するよ
うにしたものである。請求項4の超音波モータの駆動制
御装置は、電力増幅手段503と超音波モータ500の
2個の入力電極との間に、周波数帯域切換手段504で
切り換えられた共振周波数帯域に対応するインダクタ5
08を挿入するインダクタ挿入手段509を備える。
【0019】
【作用】請求項1の超音波モータの駆動制御装置では、
超音波モータ500の共振周波数帯域を切り換え可能と
し、切り換えられた共振周波数帯域内の周波数を超音波
モータ500の駆動周波数として設定する。そして、圧
電体上に2個の検出電極から出力される出力電圧の位相
差に基づいて超音波モータ500の駆動周波数がどの次
数の共振周波数帯域に含まれるかを検出し、検出された
共振周波数帯域の次数に基づいて駆動周波数が周波数帯
域切換手段504で切り換えられた共振周波数帯域内の
周波数となるように制御する。これにより、任意の共振
周波数帯域の駆動周波数で安定に超音波モータ500を
駆動することができる。請求項2の超音波モータの駆動
制御装置では、切り換えられた共振周波数帯域に最適な
2つの交流信号の位相差を設定する。請求項3の超音波
モータの駆動制御装置では、切り換えられた共振周波数
帯域に最適な2つの交流信号の電圧レベルを設定する。
請求項4の超音波モータの駆動制御装置では、電力増幅
手段503と超音波モータ500との間に切り換えられ
た共振周波数帯域に最適なインダクタを挿入する。
【0020】
【実施例】図2〜11により、本発明の一実施例を説明
する。なお以下では、図13に示す電極配置の圧電体1
4を用いた超音波モータを例に上げて説明する。まず、
超音波モータに印加されている駆動電圧の周波数がどの
共振周波数帯域に含まれるかを検出する方法について説
明する。図13に示す圧電体14を用いた超音波モータ
では、最適共振周波数帯域におけるステータの進行性振
動波の波数は11波となる。また、11次共振周波数帯
域よりも高周波側の12次共振周波数帯域では12波と
なり、13次共振周波数帯域では13波となる。以下同
様に、共振次数が増えるごとに波数は1波ずつ増加す
る。逆に、11次共振周波数帯域よりも低周波側の10
次共振周波数帯域では進行性振動波の波数が10波とな
り、9次共振周波数帯域では9波となる。以下同様に、
共振次数が減少するごとに波数が1波ずつ減少する。
【0021】この実施例では、図13に示す圧電体14
の検出電極14Mに対向する位置、つまり共通電極14
Cの位置に第2の検出電極を設ける。この共通電極14
Cの分割例を図2に示す。電極14D,14E,14F
は共通電極14Cを均等に3分割した周長λ/4の検出
電極であり、すべて+の極性に分極する。図3は、図
2,13に示す圧電体14を直線上に展開し、11次か
ら13次までの共振周波数帯域で得られるステータ上の
進行性振動波を示す。なお、進行性振動波は検出電極1
4Mの位置を基準として示してある。ここで、検出電極
14M,14D,14E,14Fはすべてλ/4の周長
であり、ロータの中心から見た4つの検出電極間の角度
は図2,13に示す電極配置により決定される。
【0022】図3から明らかなように、ステータ上の進
行性振動波の波数、すなわち共振次数が変化すると各電
極間の波数が変化する。検出電極が+の極性に分極され
ていて、図における進行性振動波が+方向にある場合に
検出電極から+極性の電圧が出力されるとすると、共振
周波数帯域が変化すると各検出電極間の出力電圧波形の
位相が変化することがわかる。例えば、電極14Mと1
4Eの場合では、出力電圧波形間の位相差は11次で1
80degであり、12次では0deg、13次では1
80degとなる。この場合、ロータの中心から見た検
出電極14Mと14Eの角度は180degであり、こ
の間に何波の進行性振動波が存在するかによって検出電
極14M,14Eの出力電圧波形間の位相差が決まる。
この関係を式で表すと次のようになる。任意の二つの電
極間のロータの中心から見た角度をθ、ステータ上に発
生する進行性振動波の波数をnとすると両電極間に存在
する進行性振動波の波数n1は、 n1=(θ×n)/360 ・・・(1) で表される。ここで、両検出電極の出力電圧波形の位相
差φは(1)式で求めた波数n1の小数点以下に360
degを乗した値となり、波数n1の小数点以下をn2
とすると、 φ=360×n2 ・・・(2) となる。
【0023】このように、圧電体上の任意の位置に設け
た2個の検出電極の出力電圧波形の位相差を検出すれ
ば、超音波モータの駆動周波数が何次の共振周波数帯域
の周波数かを判別することができる。図2,13に示す
電極14M,14Eを検出電極とした場合は、2個の検
出電極間のロータの中心から見た角度が180degで
あるため、共振次数が変化すると2個の検出電極の出力
電圧波形の位相差は0degまたは180degと交互
に変化する。従って、10次と12次の場合はともに位
相差が0degとなって判別がつかず、また11次と1
3次の場合はともに位相差が180degとなって判別
がつかない。しかし、駆動周波数設定回路または駆動周
波数発振器の周波数帯域が11次と12次の共振周波数
帯域にまたがっているような場合には、駆動周波数は1
1次または12次の共振周波数帯域の周波数に限定され
るので、駆動周波数が11次の最適共振周波数帯域の周
波数に設定されているかどうかの判別は充分に可能であ
る。
【0024】検出電極14Dまたは14Fの出力電圧波
形と検出電極14Mの出力電圧波形との位相差に基づい
て、超音波モータの駆動周波数がどの共振周波数帯域に
あるかを判別するようにすれば、両電極間の角度が18
0degではないので上述した電極14M,14Eの場
合のような問題はなく、さらに広い範囲の共振周波数帯
域にわたって判別が可能となる。
【0025】また、検出電極14D〜14Fのように、
最適共振周波数帯域における進行性振動波の1波長以内
に配置された検出電極間では、低次の共振周波数帯域に
なってステータ上の進行性振動波の波数が減少するごと
に、それらの検出電極の出力電圧波形の位相差は減少
し、逆に、高次の共振周波数帯域になって波数が増大す
るごとに通常の波数の2倍の波数になるまで、検出電極
間の出力電圧の位相差が増大する。従って、最適共振周
波数帯域における位相差を基準にして検出電極間の出力
電圧の位相差を判別すれば、共振次数に応じて位相差が
ほぼ直線的に変化するので、駆動周波数が最適共振周波
数帯域の周波数か、あるいはそれ以外の共振周波数帯域
の周波数であるかを容易に判別できる。
【0026】このように、基準の位相差よりも2個の検
出電極間の出力電圧波形の位相差が小さいか大きいかに
よって駆動周波数の帯域を判別できる電極の配置につい
ては、進行性振動波の波数と、検出電極間のロータの中
心から見た角度と、最適共振周波数帯域に対してどこま
で判別能力を持つ必要があるかによって決定すればよ
い。
【0027】なお、図4に示すように、検出電極14C
をλ/2とλ/4の長さに分割し、電極群14Bの一つ
の電極と電極14Cのλ/2の長さの電極とを入れ替え
て、電極群14B中の入れ換えた電極14Gを検出電極
として使用してもよい。
【0028】以上の共振周波数帯域の次数の検出方法で
は、ステータ上に進行性振動波を発生させた状態で2個
の検出電極の出力電圧波形の位相差を検出して共振周波
数帯域の次数を検出したが、ステータ上に定在波が発生
している状態でも同様に共振周波数帯域の次数の検出が
可能である。今、2つの入力電極群の片側に駆動電圧を
印加すると、ステータ上に定在波が発生する。この定在
波の波数と進行性振動波の波数とは、駆動周波数が同一
であれば波数も同一となるので進行性振動波による検出
と同様に駆動周波数がどの共振周波数帯域に含まれるか
判別できる。
【0029】このように、圧電体上に設けた2個の検出
電極間の出力電圧波形間の位相差に基づいて共振周波数
帯域の次数を検出でき、共振次数検出回路を設けて駆動
周波数がどの共振周波数帯域に含まれるかを判別し、駆
動周波数が所望の共振周波数帯域の周波数となるように
駆動周波数設定回路あるいは駆動周波数発振器を制御す
る。これによって、共振周波数帯域を切り換えて所望の
帯域の駆動周波数で超音波モータを安定に駆動すること
ができる。
【0030】図5は第1の実施例の構成を示す。この実
施例では、検出電極の出力電圧波形と入力電極群に印加
される駆動電圧波形との位相差に基づいて駆動周波数を
制御する駆動制御装置を例に上げて説明する。また、こ
の実施例の超音波モータの圧電体は図13に示す電極配
置のものとし、その共通電極14Cを図2に示すように
分割し、その中の電極14Fを一方の検出電極として用
いるものとする。そして、通常駆動時は11次の最適共
振周波数帯域の周波数で駆動し、超低速度で駆動する場
合は共振周波数帯域を切り換えて12次の共振周波数帯
域の周波数で駆動する。
【0031】この実施例の超音波モータの駆動制御回路
は、共振次数検出回路1、駆動周波数設定回路2、発振
移相回路3、電力増幅器4,5および共振周波数帯域切
換回路6から構成される。共振次数検出回路1は、検出
電極14M,14Fの出力電圧波形の位相差に基づい
て、超音波モータの駆動周波数がどの共振周波数帯域に
含まれるかを検出する。超音波モータの検出電極14
M,14Fは、共振次数検出回路1の波形整形器10
1,102へそれぞれ接続される。検出電極14M,1
4Fの出力電圧は波形整形器101,102によってそ
れぞれ矩形波に波形整形され、位相差検出器103へ出
力される。
【0032】この位相差検出器103は、図6に示すよ
うに2個のアンドゲート103A,103BとRSフリ
ップフロップ103Cで構成され、検出電極14M,1
4Fの出力電圧波形の位相差を検出する。各アンドゲー
ト103A,103Bの一方の入力端子には波形整形器
101,102の出力がそれぞれ接続され、他方の入力
端子にはRSフリップフロップ103Cの出力が接続さ
れる。図7は位相差検出器103の動作を示すタイムチ
ャートである。波形整形器101,102を介して入力
された検出電極14M,14Fの出力電圧波形の立ち上
がりエッジに同期して、出力の電圧レベルがハイレベル
からローレベルへ、またはローレベルからハイレベルへ
と交互に反転する。つまり、位相差検出器103は検出
電極14M,14Fの出力電圧波形の位相差に応じたデ
ューティー比の信号を出力する。
【0033】位相差検出器103の出力は、抵抗器10
4とコンデンサ105から成る積分器へ接続される。こ
の積分器は、位相差検出器103の出力信号を平滑して
直流電圧信号に変換する。検出電極14M,14Fの出
力電圧波形の位相差が小さいと、図7に示すように位相
差検出器103の出力信号のデューティー比が小さくな
り、それを平滑した直流電圧信号の電圧は低くなる。逆
に、検出電極14M,14Fの出力電圧波形の位相差が
大きいと、位相差検出器103の出力信号のデューティ
ー比が大きくなり、それを平滑した直流電圧信号の電圧
は高くなる。検出電極14M,14Fの出力電圧波形の
位相差(deg)と直流電圧信号の電圧Vcc(V)と
の関係を図8に示す。
【0034】この積分器の出力を5個のウインドコンパ
レータ106〜110の入力端子に接続し、積分器の直
流電圧信号をウインドコンパレータ106〜110へ出
力する。ウインドコンパレータ106〜110は、図9
に示すように可変抵抗器106A,106Cとコンパレ
ータ106B,106Dで構成され、入力の直流電圧信
号の電圧が可変抵抗器106A,106Cに設定された
設定電圧間にあればハイレベルの信号を出力し、入力信
号の電圧が設定電圧間になければローレベルの信号を出
力する。この実施例では、11次の最適共振周波数帯域
以外に、その上下の9,10次と12,13次の共振周
波数帯域を検出するため、5個のウインドコンパレータ
106〜110を用いる。
【0035】各ウインドコンパレータで検出すべき検出
電極14M,14Fの出力電圧波形の位相差は、上述し
た(1),(2)式により求められ、9次のウインドコ
ンパレータ106では約106deg、10次のウイン
ドコンパレータ107では約278deg、11次のウ
インドコンパレータ108では90deg、12次のウ
インドコンパレータ109では約262deg、13次
のウインドコンパレータ110では約74degとな
る。そこで、これらの位相差を中心にして各ウインドコ
ンパレータに上下2〜3degの検出範囲を設定し、可
変抵抗器106Aに検出範囲の上限の位相差に相当する
積分器の直流電圧を設定し、可変抵抗器106Cに検出
範囲の下限の位相差に相当する積分器の直流電圧を設定
する。例えば11次のウインドコンパレータ108で
は、検出位相差90degに対して検出範囲を87〜9
3degに設定し、可変抵抗器106Aに検出範囲の上
限の位相差93degに相当する積分器の直流電圧を設
定し、可変抵抗器106Cに下限の位相差87degに
相当する積分器の直流電圧を設定する。他のウインドコ
ンパレータ106,107,109,110に対しても
同様に可変抵抗器106A,106Cに各検出範囲の上
下限の位相差に応じた直流電圧を設定する。
【0036】なお、検出電極14M,14Fの出力電圧
波形の位相差は各共振周波数帯域の境界周波数で段階的
に変化する。従って、ウインドコンパレータ106〜1
10の位相差の検出範囲は、圧電体14上の電極配置の
位置誤差などを考慮して他の共振周波数帯域の位相差と
重ならない程度の余裕をもたせて設定すればよい。
【0037】ウインドコンパレータ108,109の出
力は信号選択器124の入力端子124d,124eへ
それぞれ接続される。信号選択器124は、図10に示
すように3個のスイッチ124a〜124cを備えてお
り、後述する共振周波数帯域切換回路6からの帯域切り
換え信号に従ってスイッチ124a〜124cが切り替
る。すなわち、共振周波数帯域切換回路6から11次の
共振周波数帯域を示すローレベルの信号が制御端子12
4fに供給されると、各スイッチ124a〜124cが
a側へ切り替り、ウインドコンパレータ108の出力信
号がスイッチ124b、出力端子124hを介して後述
する駆動周波数設定回路2のスイッチ204の制御端子
へ出力されるとともに、ウインドコンパレータ109の
出力信号がスイッチ124c、出力端子124iを介し
てORゲート112の入力端子へ出力される。なおこの
とき、NORゲート111の入力端子は出力端子124
g、スイッチ124aを介して接地される。
【0038】一方、共振周波数帯域切換回路6から12
次の共振周波数帯域を示すハイレベル信号が制御端子1
24fに供給されると、各スイッチ124a〜124c
がb側へ切り替り、ウインドコンパレータ108の出力
信号がスイッチ124a、出力端子124gを介してN
ORゲート111の入力端子へ出力されるとともに、ウ
インドコンパレータ109の出力信号がスイッチ124
b、出力端子124hを介してスイッチ204の制御端
子へ出力される。なおこのとき、ORゲート112の入
力端子は出力端子124i、スイッチ124cを介して
接地される。
【0039】ウインドコンパレータ106,107の出
力と信号選択器124の出力端子124gはNORゲー
ト111へ接続されており、それらの内のいずれかがハ
イレベルのときにNORゲート111から抵抗器113
を介してトランジスタ115のベースへローレベル信号
が出力され、トランジスタ115を導通させる。すなわ
ち、共振周波数帯域切換回路6で11次の共振周波数帯
域が設定されている場合は、信号選択器124から出力
端子124gを介してNORゲート111へローレベル
信号が供給される。このとき、9次または10次の共振
周波数帯域が検出され、ウインドコンパレータ106ま
たは107からハイレベル信号がNORゲート111へ
供給されると、NORゲート111からローレベル信号
が出力され、トランジスタ115が導通する。なお、駆
動周波数が12次以上の共振周波数帯域にあるときは、
NORゲート111への入力信号はすべてローレベルと
なり、NORゲート111の出力がハイレベルとなって
トランジスタ115は非導通状態になる。
【0040】一方、共振周波数帯域切換回路6で12次
の共振周波数帯域が設定されている場合は、信号選択器
124を介してウインドコンパレータ108の出力がN
ORゲート111の入力端子へ接続される。このとき、
9次〜11次のいずれかの共振周波数帯域が検出され、
ウインドコンパレータ106〜108のいずれかの出力
からハイレベル信号がNORゲート111へ供給される
と、NORゲート111からローレベル信号が出力さ
れ、トランジスタ115が導通する。なお、駆動周波数
が13次以上の共振周波数帯域にあるときは、NORゲ
ート111の入力信号はすべてローレベルとなり、NO
Rゲート111の出力がハイレベルとなってトランジス
タ115は非導通状態になる。
【0041】ウインドコンパレータ110の出力と信号
選択器124の出力端子124iはORゲート112へ
接続されており、それらの内のいずれかがハイレベルの
ときにORゲート112から抵抗器114を介してトラ
ンジスタ116のベースへハイレベル信号が出力され、
トランジスタ116を導通させる。すなわち、共振周波
数帯域切換回路6で11次の共振周波数帯域が設定され
ている場合は、信号選択器124を介してウインドコン
パレータ109の出力がORゲート112の入力端子へ
接続される。このとき、12次または13次の共振周波
数帯域が検出され、ウインドコンパレータ109または
110からハイレベル信号がORゲート112へ供給さ
れると、ORゲート112からハイレベル信号が出力さ
れ、トランジスタ116が導通する。なお、駆動周波数
が11次以下の共振周波数帯域にあるときは、ORゲー
ト112への入力信号はすべてローレベルとなり、OR
ゲート112の出力もローレベルとなってトランジスタ
116は非導通状態になる。
【0042】一方、共振周波数帯域切換回路6で12次
の共振周波数帯域が設定されている場合は、信号選択器
124からORゲート112へローレベル信号が供給さ
れる。このとき、13次の共振周波数帯域が検出され、
ウインドコンパレータ110からハイレベル信号がOR
ゲート112へ供給されると、ORゲート112からハ
イレベル信号が出力され、トランジスタ116が導通す
る。なお、駆動周波数が12次以下の共振周波数帯域に
あるときは、ORゲート112への入力信号はすべてロ
ーレベルとなり、ORゲート112の出力もローレベル
となってトランジスタ116は非導通状態になる。
【0043】共振周波数帯域切換回路6は、抵抗器60
1とスイッチ602から構成され、駆動周波数帯域とし
て11次の共振周波数帯域を設定する場合はスイッチ6
02を閉路し、共振次数検出回路1、駆動周波数設定回
路2、発振移相回路3および電力増幅器4,5へローレ
ベル信号を出力する。また、駆動周波数帯域として12
次の共振周波数帯域を設定する場合はスイッチ602を
開路し、上記の回路へそれぞれハイレベル信号を出力す
る。
【0044】この共振周波数帯域切換回路6で11次の
共振周波数帯域が設定された場合、ウインドコンパレー
タ108の出力が信号選択器124を介して駆動周波数
設定回路2のスイッチ204の制御端子へ接続される。
駆動周波数が11次の共振周波数帯域にあると、ウイン
ドコンパレータ108からスイッチ204の制御端子へ
ハイレベル信号が出力され、スイッチ204が閉路す
る。このとき、トランジスタ115,116はともに非
導通状態にあり、両トランジスタ115,116のコレ
クタに接続される抵抗器117は絶縁状態となる。
【0045】駆動周波数が11次よりも低い9次または
10次の共振周波数帯域にあると、ウインドコンパレー
タ108からスイッチ204の制御端子へローレベル信
号が出力され、スイッチ204が開路する。このとき、
トランジスタ115が導通、トランジスタ116が非導
通状態にあり、トランジスタ115および抵抗器117
を介して電源から駆動周波数設定回路2のコンデンサ2
06へハイレベル信号が出力される。
【0046】駆動周波数が11次よりも高い12次また
は13次の共振周波数帯域にあると、ウインドコンパレ
ータ108からスイッチ204の制御端子へローレベル
信号が出力され、スイッチ204が開路する。このと
き、トランジスタ115が非導通、トランジスタ116
が導通状態にあり、コンデンサ206がトランジスタ1
16および抵抗器117を介して接地される。
【0047】共振周波数帯域切換回路6で12次の共振
周波数帯域が設定された場合、ウインドコンパレータ1
09の出力が信号選択器124を介して駆動周波数設定
回路2のスイッチ204の制御端子へ接続される。駆動
周波数が12次の共振周波数帯域にあると、ウインドコ
ンパレータ109からスイッチ204の制御端子へハイ
レベル信号が出力され、スイッチ204が閉路する。こ
のとき、トランジスタ115,116はともに非導通状
態にあり、抵抗器117は絶縁状態となる。
【0048】駆動周波数が12次よりも低い9次〜11
次のいずれかの共振周波数帯域にあると、ウインドコン
パレータ108からスイッチ204の制御端子へローレ
ベル信号が出力され、スイッチ204が開路する。この
とき、トランジスタ115が導通、トランジスタ116
が非導通状態にあり、トランジスタ115および抵抗器
117を介して電源から駆動周波数設定回路2のコンデ
ンサ206へハイレベル信号が出力される。
【0049】駆動周波数が12次よりも高い13次の共
振周波数帯域にあると、ウインドコンパレータ108か
らスイッチ204の制御端子へローレベル信号が出力さ
れ、スイッチ204が開路する。このとき、トランジス
タ115が非導通、トランジスタ116が導通状態にあ
り、コンデンサ206がトランジスタ116および抵抗
器117を介して接地される。
【0050】駆動周波数設定回路2は、波形整形器20
1、シフトレジスタ202、位相比較器203、スイッ
チ204、抵抗器205およびコンデンサ206から成
る積分器および位相差設定器207から構成され、超音
波モータの駆動周波数を11次または12次の共振周波
数帯域の周波数に設定する。波形整形器201は、超音
波モータの一方の入力電極群14Aに接続され、入力電
極14Aに印加される駆動電圧波形を矩形波に波形整形
してシフトレジスタ202へ出力する。シフトレジスタ
202のクロック端子CKには後述する電圧制御発振器
(VCO)301の出力が接続されており、所定の周波
数のパルス信号が入力する。シフトレジスタ202は、
クロック端子CKに入力するパルス数をカウントし、位
相差設定器207により設定されたクロック数だけ波形
整形器201からの駆動電圧波形を遅延して出力する。
【0051】位相比較器203は、シフトレジスタ20
2からの駆動電圧波形と波形整形器101を介して得ら
れた検出電極14Mの出力電圧波形とを比較し、両者の
位相差に応じた直流電圧を出力する。スイッチ204
は、上述した共振次数検出回路1の信号選択器124に
よって制御され、信号選択器124からの信号がハイレ
ベルのときに閉路し、ローレベルのときに開路する。す
なわち、駆動周波数が共振周波数帯域切換回路6により
設定された11次または12次の共振周波数帯域にある
ときは、スイッチ204が閉路して位相比較器203の
出力電圧を抵抗器205およびコンデンサ206から成
る積分器に印加する。駆動周波数が共振周波数帯域切換
回路6で設定した11次または12次の共振周波数帯域
にないときは、スイッチ204が開路して位相比較器2
03と積分器とを電気的に絶縁する。抵抗器205およ
びコンデンサ206から成る積分器は、スイッチ204
が閉路しているときに位相比較器203の出力電圧を平
滑して発振移相回路3へ出力する。位相差設定器207
は、共振周波数帯域切換回路6により設定された共振周
波数帯域の位相差に応じたクロック数を設定し、シフト
レジスタ202へ出力する。
【0052】なお、抵抗器205の抵抗値が抵抗器11
7の抵抗値よりも十分に大きければ、ウインドコンパレ
ータ108およびスイッチ204を省略しても問題はな
い。
【0053】発振移相回路3は、VCO301、分周器
302および移相器303から構成され、駆動周波数設
定回路2で設定された駆動周波数の、所定の位相差を有
する交流信号を生成する。VCO301は、駆動周波数
設定回路2から入力される直流電圧に応じた周波数の交
流信号を発生し、分周器302およびシフトレジスタ2
02へ出力する。分周器302は、VCO301からの
交流信号を必要な周波数まで分周する。移相器303
は、分周器302で分周された交流信号から、共振周波
数帯域切換回路6で設定された11次または12次の共
振周波数帯域に応じた位相差を有する2つの交流信号を
生成して電力増幅器4,5へ出力する。
【0054】電力増幅器4,5は、発振移相回路3から
の交流信号を駆動電圧に増幅し、入力電極14A,14
Bに印加する。図11は電力増幅器4の詳細な構成を示
す。なお、電力増幅器5も同様な構成であり、電力増幅
器4を例に上げて説明する。電力増幅器4は、増幅器4
01と、この増幅器401に電力を供給する可変電圧源
406と、インダクタ402,403と、インダクタ4
02を選択するスイッチ404と、インダクタ403を
選択するスイッチ405とから構成される。
【0055】増幅器401には発振移相回路3から交流
信号が入力され、不図示の超音波モータの制御回路から
駆動信号が供給されると可変電圧源406から電力の供
給を受けて入力交流信号を増幅する。インダクタ402
には、超音波モータを11次の共振周波数帯域で駆動す
る場合に最適なインダクタンスを設定し、インダクタ4
03には、12次の共振周波数帯域で駆動する場合に最
適なインダクタンスを設定する。スイッチ404は、共
振周波数帯域切換回路6からローレベル信号、すなわち
11次の共振周波数帯域設定信号が制御端子に供給され
ると接点を閉路し、11次の共振周波数帯域用のインダ
クタ402を電力増幅器4の出力に挿入する。また、ス
イッチ405は、共振周波数帯域切換回路6からハイレ
ベル信号、すなわち12次の共振周波数帯域設定信号が
制御端子に供給されると接点を閉路し、12次の共振周
波数帯域用のインダクタ403を電力増幅器4の出力に
挿入する。可変電圧源406は、共振周波数帯域切換回
路6から11次または12次の帯域設定信号を受信し、
共振周波数帯域に応じた電圧の電力を増幅器401へ供
給する。本出願人による実験では、12次の共振周波数
帯域で超音波モータを駆動する場合、11次の場合より
も駆動電圧を低くした方が良好な出力特性が得られた。
【0056】以上の構成の駆動制御装置において、共振
周波数帯域切換回路6で11次または12次の共振周波
数帯域が設定され、共振次数検出回路1で超音波モータ
の駆動周波数が設定された11次または12次の共振周
波数帯域にあることが検出されると、スイッチ204が
閉路されとともに抵抗器117が絶縁状態になり、駆動
周波数設定回路2、分周移相回路3、電力増幅器4,5
および超音波モータにる負帰還制御のPLLループが構
成され、これにより駆動周波数を最適に制御する。以
下、その動作を説明する。
【0057】共振周波数帯域切換回路6で11次の共振
周波数帯域を設定した場合は、分周器302でVCO3
01の出力周波数を1/Mに分周するものとすると、V
CO301の出力信号の1波当たり360deg/Mの
位相差に相当する。この状態で図17に示す位相差Φ1
に相当するだけのクロック数をシフトレジスタ202に
設定すれば、駆動周波数F11’でシフトレジスタ20
2の出力電圧波形は検出電極14Mの出力電圧波形と同
位相となる。
【0058】駆動周波数がF11’よりも低い場合に
は、位相差はΦ1よりも小さくなるのでシフトレジスタ
202の出力電圧波形は検出電極14Mの出力電圧波形
よりも遅れ位相となり、位相比較器203はこの位相差
に応じてハイレベルの信号を出力し、積分器のコンデン
サ206の端子電圧は上昇する。これにより、VCO3
01の入力電圧も上昇し、その出力周波数が上昇する。
そして駆動周波数がF11’に達すると、シフトレジス
タ202の出力電圧波形と検出電極14Mの出力電圧波
形とが同位相となり、位相比較器203の出力は0とな
る。その結果、積分器のコンデンサ206の端子電圧は
一定になり、VCO301の出力周波数も一定になる。
すなわち、超音波モータの駆動周波数が11次の共振周
波数帯域の周波数F11’になる。
【0059】逆に、駆動周波数がF11’よりも高い場
合には、位相差はΦ1よりも大きくなるのでシフトレジ
スタ202の出力電圧波形は検出電極14Mの出力電圧
波形よりも進み位相となり、位相比較器203はこの位
相差に応じてローレベルの信号を出力し、コンデンサ2
06の端子電圧が低下する。これにより、VCO301
の入力電圧も低下し、その出力周波数が低下する。そし
て駆動周波数がF11’に達すると、シフトレジスタ2
02の出力電圧波形と検出電極14Mの出力電圧波形と
が同位相となり、位相比較器203の出力は0となる。
その結果、コンデンサ206の端子電圧は一定になり、
VCO301の出力周波数も一定になる。すなわち、超
音波モータの駆動周波数が11次の共振周波数帯域の周
波数F11’になる。
【0060】共振次数検出回路1で駆動周波数が11次
以外の共振周波数帯域にあることが検出されると、スイ
ッチ204が開路され、位相比較器203と抵抗器20
5およびコンデンサ206から成る積分器とが切り放さ
れる。そして、トランジスタ115または116が抵抗
器117を介してコンデンサ206の端子電圧を制御す
る。
【0061】駆動周波数が11次の共振周波数帯域より
も低い9次または10次の共振周波数帯域にあるとき
は、上述したようにトランジスタ115が導通し、トラ
ンジスタ116が非導通となる。そして、抵抗器117
を介してハイレベル信号がコンデンサ206に供給さ
れ、コンデンサ206が充電される。これによって、V
CO301の入力電圧は上昇し、その出力周波数が上昇
する。つまり、超音波モータの駆動周波数が上昇する。
駆動周波数が11次の共振周波数帯域の周波数まで上昇
すると、トランジスタ115,116がともに非導通と
なり、コンデンサ206の充電が停止される。同時にス
イッチ204が閉路し、上述したPLLループが動作し
て駆動周波数が11次の共振周波数帯域の周波数F1
1’となるように制御する。
【0062】駆動周波数が11次の共振周波数帯域より
も高い12次または13次の共振周波数帯域にあるとき
は、上述したようにトランジスタ115が非導通にな
り、トランジスタ116が導通する。そして、抵抗器1
17およびトランジスタ116を介してコンデンサ20
6が接地され、コンデンサ206が放電してその端子電
圧が低下する。これによって、VCO301の入力電圧
が低下し、その出力周波数が低下する。つまり、超音波
モータの駆動周波数が低下する。駆動周波数が11次の
共振周波数帯域の周波数まで低下すると、トランジスタ
116が非導通となり、コンデンサ206の放電が停止
される。同時にスイッチ204が閉路され、上述したP
LLループが動作して駆動周波数が11次の共振周波数
帯域の周波数F11’となるように制御する。
【0063】次に、共振周波数帯域切換回路6で12次
の共振周波数帯域を設定した場合は、図17に示す位相
差Φ2に相当するだけのクロック数をシフトレジスタ2
02に設定すれば、駆動周波数F120’でシフトレジ
スタ202の出力電圧波形は検出電極14Mの出力電圧
波形と同位相となる。
【0064】駆動周波数がF120’よりも低い場合に
は、位相差はΦ2よりも小さくなるのでシフトレジスタ
202の出力電圧波形は検出電極14Mの出力電圧波形
よりも遅れ位相となり、位相比較器203はこの位相差
に応じてハイレベルの信号を出力し、積分器のコンデン
サ206の端子電圧は上昇する。これにより、VCO3
01の入力電圧も上昇し、その出力周波数が上昇する。
そして駆動周波数がF11’に達すると、シフトレジス
タ202の出力電圧波形と検出電極14Mの出力電圧波
形とが同位相となり、位相比較器203の出力は0とな
る。その結果、積分器のコンデンサ206の端子電圧は
一定になり、VCO301の出力周波数も一定になる。
すなわち、超音波モータの駆動周波数が12次の共振周
波数帯域の周波数F120’になる。
【0065】逆に、駆動周波数がF120’よりも高い
場合には、位相差はΦ2よりも大きくなるのでシフトレ
ジスタ202の出力電圧波形は検出電極14Mの出力電
圧波形よりも進み位相となり、位相比較器203はこの
位相差に応じてローレベルの信号を出力し、コンデンサ
206の端子電圧が低下する。これにより、VCO30
1の入力電圧も低下し、その出力周波数が低下する。そ
して駆動周波数がF120’に達すると、シフトレジス
タ202の出力電圧波形と検出電極14Mの出力電圧波
形とが同位相となり、位相比較器203の出力は0とな
る。その結果、コンデンサ206の端子電圧は一定にな
り、VCO301の出力周波数も一定になる。すなわ
ち、超音波モータの駆動周波数が12次の共振周波数帯
域の周波数F120’になる。
【0066】共振次数検出回路1で駆動周波数が12次
以外の共振周波数帯域にあることが検出されると、スイ
ッチ204が開路され、位相比較器203と抵抗器20
5およびコンデンサ206から成る積分器とが切り放さ
れる。そして、トランジスタ115または116が抵抗
器117を介してコンデンサ206の端子電圧を制御す
る。
【0067】駆動周波数が12次の共振周波数帯域より
も低い9次〜11次のいずれかの共振周波数帯域にある
ときは、上述したようにトランジスタ115が導通し、
トランジスタ116が非導通となる。そして、抵抗器1
17を介してハイレベル信号がコンデンサ206に供給
され、コンデンサ206が充電される。これによって、
VCO301の入力電圧は上昇し、その出力周波数が上
昇する。つまり、超音波モータの駆動周波数が上昇す
る。駆動周波数が12次の共振周波数帯域の周波数まで
上昇すると、トランジスタ115,116がともに非導
通となり、コンデンサ206の充電が停止される。同時
にスイッチ204が閉路し、上述したPLLループが動
作して駆動周波数が12次の共振周波数帯域の周波数F
120’となるように制御する。
【0068】駆動周波数が12次の共振周波数帯域より
も高い13次の共振周波数帯域にあるときは、上述した
ようにトランジスタ115が非導通になり、トランジス
タ116が導通する。そして、抵抗器117およびトラ
ンジスタ116を介してコンデンサ206が接地され、
コンデンサ206が放電してその端子電圧が低下する。
これによって、VCO301の入力電圧が低下し、その
出力周波数が低下する。つまり、超音波モータの駆動周
波数が低下する。駆動周波数が12次の共振周波数帯域
の周波数まで低下すると、トランジスタ116が非導通
となり、コンデンサ206の放電が停止される。同時に
スイッチ204が閉路され、上述したPLLループが動
作して駆動周波数が12次の共振周波数帯域の周波数F
120’となるように制御する。
【0069】なお、共振周波数帯域切換回路6によって
共振周波数帯域を切り換えると、所望の共振周波数帯域
に対応した駆動電圧、駆動電圧間の位相差、インダクタ
に切り換えられる。しかし、駆動周波数は所望の共振周
波数帯域の周波数にステップ的に変化せず、抵抗器11
7を介して充電または放電されるコンデンサ206の端
子電圧の変化につれてゆっくりと変化する。すなわち、
駆動周波数を所望の共振周波数帯域の周波数まで変える
のに要する時間は、抵抗器117の抵抗値とコンデンサ
206の容量とで決まる時定数に比例する。通常、抵抗
器117の抵抗値を充分小さくすれば、短時間で切り換
えが完了し、共振周波数帯域の切り換え中に超音波モー
タの動作が不安定になるようなことはない。しかし、緩
やかに駆動周波数を変化させる必要がある場合は、ウイ
ンドコンパレータ106〜110で検出される駆動周波
数の次数に応じて駆動電圧、駆動電圧間の位相差、イン
ダクタを設定すればよい。
【0070】また、電力増幅器4,5のいずれか一方を
超音波モータを起動する前に動作させ、駆動電圧を入力
電極群14A,14Bのいずれか一方に印加し、駆動周
波数が所望の共振周波数帯域の周波数になるように制御
してから他方の入力電極にも駆動電圧を印加するように
すれば、超音波モータを安定に起動できる上に、起動時
間を短縮できる。
【0071】さらに、超音波モータの駆動周波数を例え
ば通常用いる最適共振周波数帯域の高周波数側からスキ
ャンして最適な駆動周波数に設定したい場合は、いった
ん通常用いる共振周波数帯域よりも1次高い共振周波数
帯域に駆動周波数を設定した後、所定の共振周波数帯域
に設定すればよい。
【0072】このように、駆動条件に応じて超音波モー
タの駆動周波数帯域を所望の共振周波数帯域へ切り換
え、その共振周波数帯域の周波数を駆動周波数として設
定するとともに、圧電体上に設けられた2個の検出電極
の出力電圧波形間の位相差に基づいて駆動周波数がどの
次数の共振周波数帯域に含まれるかを検出し、超音波モ
ータの駆動周波数が常に切り換えられた共振周波数帯域
の周波数となるように制御するようにしたので、超音波
モータの駆動周波数帯域を駆動条件に応じて所望の共振
周波数帯域へ切り換えたときに、その帯域の駆動周波数
で超音波モータを安定に駆動することができる。また、
共振周波数帯域を切り換えたときに、切り換えられた共
振周波数帯域に応じて超音波モータの2個の入力電極に
印加する駆動電圧とそれらの位相差を設定するととも
に、切り換えられた共振周波数帯域に対応するインダク
タを電力増幅器の出力に挿入するようにしたので、共振
周波数帯域を切り換えても安定に超音波モータを駆動す
ることができる。
【0073】上述した各実施例では入力電極群に印加す
る駆動電圧波形と検出電極の出力電圧波形との位相差に
基づいて駆動周波数を制御する駆動制御装置を例に上げ
て説明したが、他の駆動制御方式の駆動制御装置に対し
ても本発明を応用することができる。
【0074】なお、圧電体の電極配置および検出電極の
数は上述した実施例に限定されない。さらに、上述した
実施例では14Mと14Fを検出電極として用いたが、
他の検出電極を用いてもよい。
【0075】以上の実施例の構成において、駆動周波数
設定回路2が周波数設定手段を、発振移相回路3が発振
移相手段を、電力増幅器4,5が電力増幅手段を、共振
周波数帯域切換回路6が周波数帯域切換手段を、共振次
数検出回路1が位相差検出手段、共振次数検出手段およ
び周波数帯域制御手段をそれぞれ構成する。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、超
音波モータの共振周波数帯域を切り換え、その共振周波
数帯域の周波数を駆動周波数として設定するとともに、
圧電体上に設けられた2個の検出電極の出力電圧波形間
の位相差に基づいて駆動周波数がどの次数の共振周波数
帯域に含まれるかを検出し、超音波モータの駆動周波数
が切り換えられた共振周波数帯域の周波数となるように
制御するようにしたので、超音波モータの駆動周波数帯
域を駆動条件に応じて所望の共振周波数帯域へ切り換え
たときに、その帯域の駆動周波数で超音波モータを安定
に駆動することができる。また、共振周波数帯域を切り
換えたときに、切り換えられた共振周波数帯域に応じて
超音波モータの2個の入力電極に印加する駆動電圧とそ
れらの位相差を設定するとともに、切り換えられた共振
周波数帯域に対応するインダクタを電力増幅器の出力に
挿入するようにしたので、共振周波数帯域を切り換えて
も安定に超音波モータを駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クレーム対応図。
【図2】共通電極を分割して複数の検出電極を形成する
例を示す図。
【図3】直線上に展開した圧電体の電極配置と11〜1
3次の共振周波数帯域の進行性振動波との関係を示す
図。
【図4】圧電体の他の電極配置例を示す図。
【図5】一実施例の構成を示すブロック図。
【図6】位相差検出器の詳細な構成を示すブロック図。
【図7】図6に示す位相差検出器の入出力特性を示すタ
イムチャート。
【図8】検出電極の出力電圧の位相差と位相差検出器の
出力電圧との関係を示す図。
【図9】ウインドコンパレータの詳細な構成を示すブロ
ック図。
【図10】信号選択器の詳細な構成を示すブロック図。
【図11】電力増幅器の詳細な構成を示すブロック図。
【図12】回転型超音波モータの構造を示す断面図。
【図13】圧電体の電極配置例を示す図。
【図14】従来の超音波モータの駆動制御装置の構成を
示すブロック図。
【図15】駆動周波数に対する超音波モータの駆動速度
および駆動電圧と検出電圧との位相差の関係を示す図。
【図16】駆動周波数に対する駆動速度および検出電圧
の関係を示す図。
【図17】駆動周波数に対する駆動速度および駆動電圧
と検出電圧との位相差の関係を示す図。
【符号の説明】
1 共振次数検出回路 2 駆動周波数設定回路 3 発振移相回路 4,5 電力増幅器 6 共振周波数帯域切換回路 11 移動子 12 摺動材 13 弾性体 14 圧電体 14A,14B 入力電極群 14C 共通電極 14M,14D,14E,14F,14G 検出電極 101,102,201 波形整形器 103 位相差検出器 103A,103B アンドゲート 103C RSフリップフロップ 104,113,114,117,205,601 抵
抗器 105,206 コンデンサ 106〜110 ウインドコンパレータ 106A,106C 可変抵抗器 106B,106D コンパレータ 111 NORゲート 112 ORゲート 115,116 トランジスタ 124 信号選択器 124a〜124c,204,404,405 スイッ
チ 202 シフトレジスタ 203 位相比較器 207 移相差設定器 301 VCO 302 分周器 303 移相器 401 増幅器 402,403,508 インダクタ 406 可変電圧源 500 超音波モータ 501 周波数設定手段 502,502A 発振移相手段 503,503A 電力増幅手段 504 周波数帯域切換手段 505 位相差検出手段 506 共振次数検出手段 507 周波数帯域制御手段 509 インダクタ挿入手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電体の励振により弾性体に進行性振動
    波を発生する固定子と、この固定子に加圧接触され前記
    進行性振動波により駆動される移動子とから成る超音波
    モータと、 この超音波モータの駆動周波数を設定する周波数設定手
    段と、 設定された駆動周波数の、所定の位相差を有する2つの
    交流信号を生成する発振移相手段と、 前記2つの交流信号を増幅して前記圧電体上の2個の入
    力電極にそれぞれ印加する電力増幅手段とを備えた超音
    波モータの駆動制御装置において、 前記超音波モータの共振周波数帯域を切り換える周波数
    帯域切換手段と、 前記圧電体上に2個の検出電極を設け、それらの検出電
    極から出力される出力電圧の位相差を検出する位相差検
    出手段と、 検出された位相差に基づいて前記超音波モータの駆動周
    波数がどの次数の共振周波数帯域に含まれるかを検出す
    る共振次数検出手段と、 検出された共振周波数帯域の次数に基づいて、前記駆動
    周波数が前記周波数帯域切換手段により切り換えられた
    共振周波数帯域内の周波数となるように制御する周波数
    帯域制御手段とを備え、 前記周波数設定手段は、前記周波数帯域切換手段により
    切り換えられた共振周波数帯域内の周波数を駆動周波数
    として設定することを特徴とする超音波モータの駆動制
    御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超音波モータの駆動制
    御装置において、 前記発振移相手段は、前記周波数帯域切換手段で切り換
    えられた共振周波数帯域に応じて前記2つの交流信号の
    位相差を設定することを特徴とする超音波モータの駆動
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の超音波モータの駆動制
    御装置において、 前記電力増幅手段は、前記周波数帯域切換手段で切り換
    えられた共振周波数帯域に応じて前記2つの交流信号の
    電圧レベルを設定することを特徴とする超音波モータの
    駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の超音波モータの駆動制
    御装置において、 前記電力増幅手段と前記超音波モータの2個の入力電極
    との間に、前記周波数帯域切換手段で切り換えられた共
    振周波数帯域に対応するインダクタを挿入するインダク
    タ挿入手段を備えることを特徴とする超音波モータの駆
    動制御装置。
JP4219447A 1992-08-18 1992-08-18 超音波モータの駆動制御装置 Pending JPH0670561A (ja)

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