JPH066962B2 - ウォームギヤ式ホースクランプの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本発明は自動車におけるエンジンルームの冷却や吸気、
燃料の供給、潤滑油の循環あるいはパワーステアリン
グ、冷暖房機器の各系統に使用されるホース、水道用ホ
ース、ガスホースさらには薬液注入ホース等を金属管等
に接続するホースクランプの製造方法に係り、特にウォ
ームギヤを使用してバンドの緊締およびその弛緩を行う
ウォームギヤ式ホースクランプの製造方法に関するもの
である。

＜従来の技術＞ 第４図は上述のような機器に使用されている従来技術に
係るウォームギヤ式ホースクランプの斜視図である。

このウォームギヤ式ホースクランプはホース（図示せ
ず）の外周面に巻着する内側バンド１と、内側バンド１
に連設して該バンド１上に重合する外側バンド２と、外
側バンド２を摺動させるウォームギヤ４と、ウォームギ
ヤ４を回転自在に支承するハウジング５とからなってい
る。

このホースクランプの操作は内側バンド１内にホースを
挿入させ、ウォームギヤ４を回転させることで外側バン
ド２をバンドの長さ方向に摺動させて、内側バンドの巻
回径を縮小させ、内側バンドをホース外周面に密着させ
て行うものである。

従って、外側バンド２には前記ウォームギヤ４に噛合す
るギヤ溝３が形成されるが、このギヤ溝３はパンチによ
る打ち抜き加工によって形成されるのが一般的である。

しかしながら、かかる打ち抜き加工では、外側バンドに
打ち抜き穴が形成されるため該バンドの強度が著しく低
下し、締付けの際の力でバンドが破損したり、変形する
不都合がある。

このため、従来は打ち抜き加工を施すことなく、第５図
又は第６図のように成形してギヤ溝を形成している。

すなわち、第５図の従来技術では、外側バンド２を斜め
方向に階段状に屈曲して連続した凹凸部を形成し、この
凹凸部をギヤ溝３とするものである。一方、第６図の従
来技術では外側バンド２の上面を切り欠き加工あるいは
ツブシ加工によって凹部を形成し、この凹部をギヤ溝と
するものである。

＜発明が解決しようとする問題点＞ しかしながら、第５図の従来技術によるものでは締付け
を強力に行うと、その締付け力で凹凸部が伸びて偏平と
なり、ひいてはシール性が劣化する、という問題点があ
る。

又、第６図の従来技術によるものでは、打ち抜き穴より
も強度が向上するが、外側バンドの板厚がギヤ溝３の深
さ分だけ薄くなり、強度の低下は免れないものである。

＜問題点を解決するための手段＞ 本発明は上記従来技術の問題点に鑑みてなされ、強度が
低下することのないギヤ溝が形成できるウォームギヤ式
ホースクランプの製造方法を提供するものである。

このため、本発明は、ウォームギヤが噛合する外側バン
ドのギヤ溝をハーフカット加工により形成すると共に、
該ギヤ溝の底部に外側バンドの裏側に突出するリブが同
時に形成されるようにすることを特徴とするものであ
る。

＜作用＞ 上記構成とすることにより、ギヤ溝とリブはハーフカッ
ト加工によって形成されるので極めて容易に形成される
と共に、リブはギヤ溝の形成におけるバンドの断面積の
減少による強度の低下を最小限に抑える。

＜実施例＞ 以下、本発明の一実施例を第１図および第２図を参照し
て説明する。なお、以下の説明において、内側バンド、
ウォームギヤおよびハウジングは従来技術と同一なので
省略し、外側バンド１０について説明する。

これらの図において、内側バンドに連設する外側バンド
１０の上面にバンドの締付けを行うウォームギヤに噛合
するギヤ溝１１がハーフカット加工により複数形成され
ている。このギヤ溝１１は外側バンド１０の上面に形成
された凸部１５の間に形成されるよう連続した矩形波断
面形状をなし、凸部１５の間の凹部がギヤ溝となってい
る。

この場合、ギヤ溝は第２図に示すように、平面が外側バ
ンド１０の長さ方向に対して斜めに傾いた平行四辺形を
なしている。そして、ギヤ溝１１の底部１２は切り欠か
れることなく外側バンド１０の長さ方向に連続してお
り、底部１２からはリブ１３が外側バンド１０の裏側に
突出するように形成されている。

このリブ１３は凹溝１４の間隔で外側バンド１０前記ギ
ヤ溝１１裏側に形成されており、ギヤ溝１１の形成で板
厚が薄くなった外側バンドの強度を向上させている。か
かるリブ１３の間には前記凹溝１４が形成されるが、こ
の凹溝１４は外側バンド１０の上面の凸部１５の裏側に
位置している。

ここで、凸部１５の幅に対して凹溝１４の幅が大きくな
るように形成されているが、第３図のように凸部１５の
幅と凹溝１４の幅とを同等に形成してもよい、 このような断面形状の外側バンドは、前記ハーフカット
加工により容易に得ることができる。すなわち、バンド
をダイ上に位置決めしてバンドの裏側からポンチを所定
の深さだけ打ち込んで凹溝１４を形成すると同時に、ポ
ンチが打ち込まれた部分からバンドの上面に凸部１５を
突出させるものであり、これによりバンドの上面にはギ
ヤ溝１１が、また、バンドの裏側にはリブ１３が同時に
形成される。

＜発明の効果＞ 以上のとおり、本発明によればハーフカット加工により
外側バンドにギヤ溝と該ギヤ溝の裏側のリブとを同時に
形成するものであるから、確固たる形状のギヤ溝とリブ
とが極めて容易に得られると共に、ギヤ溝の形成による
外側バンドの断面積の減少に伴なう強度低下を最小限に
抑えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本発明によって得られた外側バン
ドの一実施例の断面図および平面図、第３図は本発明に
よって得られた外側バンドの別の実施例の断面図、第４
図は従来技術に係るウォームギヤ式ホースクランプの全
体斜視図、第５図および第６図は従来技術に係る外側バ
ンドの各例の断面図である。 １…内側バンド、２，１０…外側バンド、 ３，１１…ギヤ溝、４…ウォームギヤ、 ５…ハウジング、１３…リブ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ホースの外周面に巻着する内側バンドに連
   設して該内側バンド上に重合する外側バンドを、外側バ
   ンドに形成したギヤ溝に噛合するウォームギヤによって
   摺動させて締付けを行うホースクランプの製造方法であ
   って、 前記ギヤ溝をハーフカット加工により形成すると共に、
   該ギヤ溝の底部に外側バンドの裏側に突出するリブを該
   ギヤ溝と同時に形成することを特徴とするウォームギヤ
   式ホースクランプの製造方法。