JPH0669621U - スポットクーラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 〔目的〕 凝縮水回収用タンクを不要とし、凝縮水回収
用タンクがあるための管理を不要とした新規なスポット
クーラーを提供する。 〔構成〕 胴部外筺内に冷凍機、コンデンサー、冷風を
得るためのエバポレーター，コンデンサー冷却用フア
ン、冷風送気用ファン等を有し、エバポレーターで結露
して生ずる凝縮水をコンデンサーの直後に配した蒸散器
によってコンデンサー冷却用空気の排気側に蒸発せし
め、凝縮水回収用のタンクや排水配管を不要とした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、冷風吹き出し口から冷風，涼風をスポット的に吹き出し、スポー ツ後あるいは風呂上がり後等のリフレッシュのため、あるいは各種イベント会場 等の暑さしのぎに、さらには工場等の大空間の一部、食堂の厨房、高熱環境下の 作業者を対象にして涼感サービスを提供するスポットクーラーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

主として、工場等の大空間の一部、食堂の厨房、高熱環境下の作業者を対象に したスポットクーラーは公知である。また、このスポットクーラーがインドアー ゴルフ練習場で使用されることもある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記公知のスポットクーラーは、いずれもそのエバポレーターから凝縮水が発 生するから、この凝縮水回収用タンクが必要となり、その取り扱い上、定期的に 凝縮水回収用タンクを取り出して水を捨てなければならないという作業が必要で ある。また、スポットクーラーとしても、凝縮水タンク用の出し入れ口を設けな ければならない、という構造上にも問題点がある。

【０００４】 本考案は、上記従前のスポットクーラーの有する問題点に鑑みて、凝縮水回収 用タンク並びに排水配管を不要とし、そのために要する管理を不用とした新規な スポットクーラーを提供することを目的とする。さらに、本考案では、外部に排 出される排気の温度を水の気化熱により降下させ、高温排気の不快感を緩和させ ることも目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案スポットクーラーでは、胴部外筺内に冷凍 機、コンデンサー、冷風を得るためのエバポレーター、コンデンサー冷却用フア ン、冷風送気用ファン等を有し、エバポレーターで結露して生ずる凝縮水をコン デンサーの直後に配した蒸散器によってコンデンサー冷却用空気の排気側に蒸発 せしめ、凝縮水回収用のタンクや排水配管を不要としたことを特徴とするもので ある。

【０００６】

【作用】

本考案装置では、冷風吹き出し口からの冷風、涼風によって、工場内の大空間 の一部、食堂の厨房、高熱環境下の作業者を対象とすることは勿論、屋内外各種 スポーツ施設における休憩時、風呂上がりの汗とり時、各種イベント会場におけ る暑さしのぎのために涼感サービスが行われるが、本願考案では、コンデンサー とコンデンサー冷却用フアンとの間にエバポレーターから発生する凝縮水を受け る蒸散器を配置させてあるから、エバポレーターからの凝縮水を蒸散器に溜まっ ているうちに、コンデンサーからの温風によって蒸発させてしまう。 さらに、蒸散器をコンデンサーの出口側に設けてあるから、コンデンサーから の排気の温度を蒸散器における水の気化熱により降下させる。

【０００７】

【実施例】

図１乃至図４に本考案の好ましい実施例が示してある。図中１が胴部外筺であ って、中空の筒形状をしている。この胴部外筺は平面形状が変形六角形状をして いるが、円筒状その他多角筒状であってもよい。この胴部外筺１は下部にキャス ター２を有し、移動が自由にできるようにしてある。この胴部外筺１の後面２１ に後述するエバポレーター用及びコンデンサー冷却用の空気取り入れ口３を有す る。図１乃至図４に示すように、この胴部外筺１は、平面形状が変形六角形状と し、両側面２０，２０と後面２１を平坦面とし、前面２２を半六角形状としてあ る。そして前記したように後面２１に空気取入口３，３を形成し、両側面２０及 び前面２２に障害物をなくし、この側面２０及び前面２２を広告スペース等に有 効に利用できるようにしてある。

【０００８】 胴部外筺１内は、前半部４と後半部５とに分けられ、前半部４の下部に冷凍機 １９とコンデンサー冷却用フアン９を配置してある。一方、後半部５の上部にエ バポレーター６と冷風送気用ファン７を取り付けてあり、同じく前半部下部にコ ンデンサー８を取り付けてある。

【０００９】 胴部外筺１の上部にはカバー１０が装着してあり、このカバー１０も前半部と 後半部に分けられており、カバー１０の部分的球面状をした前半部１６位置に冷 風送気用ファン７からの冷風を送り出すノズル状の冷風吹き出し口１１を設け、 後半部にコンデンサー冷却用フアン９からの風を送り出す排気口１２を形成して ある。上記ノズル状吹き出し口１１はその吹き出し方向を任意に調節出来るよう にしてある。

【００１０】 図中１７は、本考案の特徴となるエバポレーター６からの凝縮水を通路１８か ら受けて、コンデンサー８からの温風で蒸発させる蒸散器で、コンデンサー８の 直後に配してあり、凝縮水回収用タンク及び排水配管を不要としてある。この蒸 散器は、ガラス繊維等水を吸収し、しかも蒸発し易い素材によって構成されてい る。

【００１１】 図５乃至図８に別の実施例が示してある。この実施例において、図１乃至図４ の実施例と同じ符号を付した部材は同一部材を示す。この実施例は、胴部外筺１ を中空の六角筒形状としてある。この実施例で図１乃至図４に示した実施例と相 違するところは、冷凍機１９及びコンデンサー冷却ファン９を後半部５の下部に 位置付け、エバポレーター６、冷風送気用ファン７、コンデンサー８及び蒸散器 ７を前半部に配置し、エバポレーター用及びコンデンサー冷却用の空気取入口３ ，３を胴部外筺１の前面に配置してある。 そしてこの実施例の冷風吹き出し口１１は，カバー１０が外筺１と同様に平面 六角形状をしているので、前方を指向する三方向に横長のスリット状に形成され 、この吹き出し口１１に風向上下可変ルーバー１３を取り付けてある。

【００１２】 さらに図５に示した１４は上半部中心位置に形成したポール受けで、パラソル １５等を受け入れて装着することを可能としてある。パラソル１５に変えて広告 パネル等の広告媒体であってもよい。 さらに図９にコンデンサーと蒸散器の別の配置例が示してある。この配置例と して、コンデンサー８を２台に分割して直列に配列し、蒸散器を２台のコンデン サー８，８の中間に配置することによって、２台目のコンデンサー８の凝縮温度 を降下させることができ、その結果冷却装置全体として同一のエネルギー消費に 対して冷却効果を増すことができ、また、同一冷却効果に対してはエネルギー消 費が節約できる。この構成は、凝縮水を直接コンデンサーに吹きつける方法では ないので、コンデンサー放熱フィンの腐食を招くおそれがない。

【００１３】 本考案スポットクーラーによれば、冷風送気用ファン７によって、冷風吹き出 し口１１から吹き出される冷風は毎秒１５メートル程の風速により、心地よいジ ェット流となり、人に涼感サービスを供する。 特に、本考案スポットクーラーでは、エバポレーター６から発する凝縮水は通 路１８から蒸散器１７に自然落下して供給され、この蒸散器１７にはコンデンサ ー８から温風が吹き入れられるから、この温風によって良好に蒸発される。従っ て、本考案スポットクーラーには凝縮水回収用のタンクが必要ない。また、コン デンサーからの温風は蒸散器１７の気化熱によってその温度が下げられるから、 高温排気の不快感が緩和される。

【００１４】

【考案の効果】

本考案スポットクーラーでは、エバポレーターで結露して生ずる凝縮水をコン デンサーの直後に配した蒸散器によってコンデンサー冷却用空気の排気側に蒸発 させるから、凝縮水回収用のタンクを設ける必要なく、その管理を容易となし得 ただけでなく、凝縮水回収用のタンクを設ける場所を不要とし、その出し入れの ための設計も不要とした効果を有する。 さらに、本考案スポットクーラーでは、蒸散器をコンデンサーの出口側に設け てあるから、コンデンサーからの排気の温度を蒸散器における水の気化熱により 降下させ、高温排気の不快感を緩和させることができた効果も有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案スポットクーラーの好ましい実施例の断
面図。

【図２】同じくその正面図。

【図３】同じくその側面図。

【図４】同じくその背面図。

【図５】本考案スポットクーラーの他の実施例の断面
図。

【図６】同じくその正面図。

【図７】同じくその側面図。

【図８】同じく使用状態を示す側面図。

【図９】コンデンサーと蒸散器の別の配置例を示す側面
図。

【符号の説明】

１ 胴部外筺 ６ エバポレーター ７ 冷風送気用フアン ８ コンデンサー ９ コンデンサー冷却用フアン １１ 冷風吹き出し口 １７ 蒸散器

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 胴部外筺内に冷凍機、コンデンサー、冷
   風を得るためのエバポレーター，コンデンサー冷却用フ
   アン，冷風送気用ファン等を有し、エバポレーターで結
   露して生ずる凝縮水をコンデンサーの直後に配した蒸散
   器によってコンデンサー冷却用空気の排気側に蒸発せし
   め、凝縮水回収用のタンクや排水配管を不要としたスポ
   ットクーラー
2. 【請求項２】 上記胴部外筺の背面側の一面にエバポレ
   ーター用の空気取入口、コンデンサー冷却用の空気取入
   口を設け、胴部外筺内で熱交換されて発生する冷風と排
   気を胴部外筺上に被せたカバー部から外部に送排気し、
   胴部外筺の全面及び側面に障害物をなくし、当該面を広
   告スペース等に有効に利用できるようにした上記請求項
   １に記載のスポットクーラー
3. 【請求項３】 外筺上部のカバーに部分的に球面状を形
   成し、この部分に任意に吹出方向を調整できるノズル状
   の冷風吹出口を複数個設けてある上記請求項１に記載の
   スポットクーラー